初期胚の評価法 タイムラプスエンブリオモニタリン …...2013/09/23 ·...
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28文看 -81:2版2013年9月
初期胚の評価法 タイムラプスエンブリオモニタリングシステム*初期胚とは、培養3日目くらいまでの分割している胚を指します
●Veeckの分類で評価します 胚の割球の形態とフラグメンテーションの割合によってグレード 1〜グレード 5まで、5段階に分類しています。フラグメンテーションとは胚の発生過程で割球の細胞質が小さく断片化したもの。この割合が多いほど胚の質が悪くなります。※培養 3日目の胚は不安定でGrade の変動が起こりやすい状態です。
通常の受精卵の発育観察は、受精後24時間ごとに培養士が顕微鏡下にて観察し、その時点での評価を行います。しかしこの受精卵の発育観察を「リアルタイム培養細胞観察装置」を使用することにより連続した発育過程を動画で観察できるため受精卵の発育能力の詳細を確認することが出来、不成功時の原因追究に繋がる可能性があります。
●発育動画はUSBにてお渡しします受精から胚盤胞までの発育過程(途中で発育が停止した場合はそこまで)を約2分の動画にします。医師から発育過程の説明をし、動画はUSBでお渡ししますのでご自宅で再確認頂けます。
●効果・�発育(分割)がどの段階で停止したのか、発育(分割)スピードは正常だったのか・�前核の消失時間や第1分割時間、8分割形成時間を観察することにより同じ初期胚や胚盤胞でもどれが最も良好胚なのか
●適用2回以上連続して胚盤胞まで発育しなかった場合や良好胚を移植したが妊娠が成立しない場合やご希望により適用
●費用27,300円(税込) *申込み後のキャンセルでもキャンセル料はかかりません。
●申込期限採卵周期3日目から7日目までに申込書を受付にご提出ください。申込書は受付横のパンフレットラック�or�HPの書類ダウンロードから印刷できます。
[注意事項]①同時受け入れは6名までですが、1名の培養に機械を7日間占有するため事実上1日1名の受け入れになります。複数の申し込みがある場合には先着順とし、採卵キャンセルや排卵済み、採卵時卵子回収ゼロの場合もありますので採卵後の培養士からの説明の際に実施の可否についてお知らせします。②対象卵子は採卵数12個までです。13個目以上は一般の培養になります。③タイムラプスでわかることはあくまでも形態評価です。質と形態は比例しますので形態評価の詳細を知ることは有効的ですが、受精卵の染色体異常の有無などが解るわけではありません。
卵割球の状態が均等でフラグメンテーションを認めないもの
GⅠ(クレード1)
GⅣ(クレード4)
GⅢ(クレード3)
GⅡ(クレード2)
卵割球の形態は均等であるがわずかにフラグメンテーションを認めるもの
卵割球の形態が不均等なもの
卵割球の形態は不均等でかなりのフラグメンテーションを認めるもの
悪い良い
←山折り
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*�胚盤胞とは、胚盤胞腔ができ、内細胞塊(ICM)と栄養外胚葉(TE)が形成された胚を指します。おおよそ培養5〜6日目になります。
●Gardnerの分類で評価します。●1つの数字と2つのアルファベットで分類します。例:��5��A��A
❶胚盤胞腔の広がりとハッチング1�初期胚盤胞(early)� 胚盤胞腔が胚容積の半分未満2�胚盤胞� 胚盤胞腔が胚容積の半分以上3�完全胚盤胞(full)� 胚盤胞腔が完全に胚を満たす4�拡張胚盤胞(expanded)� �胚盤胞腔容積がさらに拡張し、透明帯が薄くなりつつ
ある5�孵化中胚盤胞(hatching)� 栄養外胚葉が透明帯の外に脱出しはじめている6�孵化後胚盤胞(hatched)� 胚が完全に透明帯から脱出したもの
❷内細胞塊(ICM)(A)細胞同士が密に接着し、細胞数が多い
(B)細胞同士の密着が粗く、細胞数が少ない
(C)細胞数が非常に少ない
❸栄養外胚葉(TE)(A)細胞数が多く、互いに密着した上皮を形成している
(B)細胞数が少なく、結合が粗い上皮を形成している
(C)数少ない大きな細胞が上皮を形成している
単一胚盤胞移植周期における胚盤胞の形態的な質パラメーターに基づく妊娠の予測 胚盤胞の質は着床や妊娠の可能性に大きく関連します。そこでGardner&craft(1999)の方法に従い、胚盤胞の拡張ハッチング(1〜6)、内細胞塊(A,�B,�C)、栄養外胚葉(A,�B,�C)を評価し妊娠率を予測した結果、妊娠継続に有意な予測因子は胚盤胞の拡張のみでした。従って胚盤胞移植を選択する際には、第一に拡張/ハッチングのレベルが4〜5または3の胚盤胞を選び、第二に内細胞塊グレードがAのもの、第三に栄養外胚葉のグレードがAのものが良いと考えられています。
胚盤胞の拡張/ハッチング 内細胞塊のグレード 栄養外胚葉のグレード 継続妊娠率
4〜5 A A 48%
4〜5 A B 45%
4〜5 A C 44%
4〜5 B A 42%
4〜5 B B 38%
4〜5 B C 37%
4〜5 C A 35%
4〜5 C B 32%
3 A A 25%
3 A B 22%
3 A C 21%
3 B A 20%
3 B B 18%
3 B C 17%
3 C A 16%
3 C B 14%
出典:Van�den�AbbeelE,BalabanB,ZiebeS,LundinK,KleinBM,HelmgaardL,ArceJC
胚盤胞の評価法
❶胚盤胞腔の広がり❸栄養外胚葉
❷内細胞塊
評価(5AA)完全胚盤胞胚が透明帯からの脱出を始める直前。内細胞塊が多く密になり栄養外胚葉の細胞数が顕著に増加している。
評価(4BC)拡張胚盤胞胚盤胞が初期の大きさを超え内容積も増加している。内細胞塊がやや少なく、栄養外胚葉の細胞がやや大きい。
評価(5CC)不良胚盤胞胚盤胞まで発育したが、内細胞塊数が少なく密集していない。栄養外胚葉は細胞が大きく細胞数もすくないため、今後の発育、着床の可能性がないため移植、凍結保存ともに不可。
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