東本願寺ロサンゼルス別院 編集責任者 輪番 伊東憲...

1 東本願寺ロサンゼルス別院 編集責任者 輪番 伊東憲昭 第 71 巻 7 号 2019 年 10/11 月号 稿宿

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1東本願寺ロサンゼルス別院編集責任者 輪番 伊東憲昭

第 71 巻 7 号2019 年 10/11 月号

した。平常とは違う大き

な法要ですから、仏具を

はじめお寺の庭、本堂、

隅々までの掃除や特別な

お荘厳、報恩講のための

特別な勤行の練習など、

もちろん準備や後片付け

は大変です。しかし、遠

くに住んでいて普段はお

寺にお参りに来られない

けれどせめて報恩講のと

きだけは、と、お参りに

来てくださる門徒さんに

お会いすることができた

り、法話だけではなく何

百年も受け継がれてきた

儀式を大切に継承し、い

ただくことによって、今

この瞬間を生きている私

たちにまで親鸞聖人の教

え、さらには阿弥陀さま

の本願がはっきりと届い

ていることを感じられる

機縁であります。いうま

 

昨年二月にこのロサン

ゼルスの地へ赴任して、

はや一年半が経過しまし

た。こうして『道』に記

事を投稿させていただけ

ることを光栄に思ってお

ります。ロサンゼルスへ

来て一年半と申しました

が、別院の報恩講にお参

りさせていただくのは実

は今年で三度目になりま

す。初めてのお参りは、

私がロサンゼルスに初め

て来たときのことで、

二〇一七年九月の報恩講

です。この頃まだ私は京

都の本山の事務所に勤務

しており、約半年後に転

勤を控え、不安と緊張の

なか一人ロサンゼルスへ

やって参りました。当時

はまだ何もわからず、別

院の参詣席がキリスト教

の教会のようで、まさに

アメリカらしいと驚いた

ことを覚えております。

報恩講といえば皆様ご存

知のとおり、宗祖親鸞聖

人の御命日をご縁に、聖

人が浄土真宗の教えを顕

かにしてくださった恩に

報い、感謝する法要で、

真宗門徒にとって最も大

切な法要のひとつといえ

ます。北米開教区の他の

寺院(ウエストコビナ、

バークレー、ニューポー

トビーチ)でもそれぞれ

に報恩講がお勤めされ、

京都の本山・東本願寺で

は毎年十一月二十一日か

ら二十八日まで勤まりま

す。最終日の二十八日に

は、今となっては私たち

真宗大谷派だけに伝わる

「坂東曲」というお勤め

ように、日本では近隣寺

院の報恩講に参りあいを

する習慣があります。報

恩講は、自分の父親以外

のお坊さんに会える楽し

みな機会でした。また、

親鸞聖人の一生が記さ

れた『御傳鈔』という

拝読文も読まれます。

(ロサンゼルス別院で

は『御俗姓御文』とい

うものが拝読されており

ます。)『御傳鈔』も

『御俗姓』も、独特の抑

揚をつけた読み方をしま

す。特定の音の動きなの

ですが、この音の動きが

幼い私にとってはとても

興味深かったそうで、学

校で音読の宿題が出され

た時は、教科書に載って

いる物語を御傳鈔風に読

んでいたことを覚えてい

ます。また、『御傳鈔』

は夜に拝読されることが

多く、聖人の時代を思い

返す意味もこめ、本堂の

電気を消して、二本の大

きな蝋燭の灯りだけで読

まれます。本堂の電気を

消すことは私の役目で、

それも報恩講の雰囲気を

感じるひとつの出来事で

を含む、およそ二時間半

にわたる法要が勤まりま

す。定期的に開催されて

いる報恩講奉仕団では、

この法要に参拝します。

これは私たちの本山でし

か経験することができな

いとても貴重な法要です

ので、皆様に是非一度お

参りいただきたいと思い

ます。そしてもちろん私

の生まれたお寺(願正寺

という大阪にあるお寺で

す)でも、毎年十月十四

日と十五日に報恩講をお

勤めしています。日本で

は、門徒さんそれぞれの

お家にお内仏(お仏壇)

があり、お寺だけでなく

各お家のお内仏の報恩講

がお勤めされる地域もあ

るほど馴染みのある大切

な法縁です。幼い頃の私

にとって報恩講はとても

楽しみな行事のひとつで

した。なぜなら報恩講の

日には、近隣寺院の住職

さんたちが私のお寺に集

まり、大勢で一緒に、い

つもとは違う勤行にあう

ことができるからです。

この別院の報恩講にも各

地から僧侶が集い勤まる

(4ページへ続く)

報恩講をご縁に

      岡田在子

2東本願寺ロサンゼルス別院編集責任者 輪番 伊東憲昭

第 71 巻 7 号2019 年 10/11 月号

今年の報恩講諸行事は

九月七日(土)と八日

(日)の週末に行われま

した。京都の本山での

報恩講は、毎年十一月

二十一日から二十八日ま

で、親鸞聖人のご命日法

要としてお勤めされま

す。報恩講は浄土真宗の

伝統的な法要のなかで最

も大切な法要とされてい

ます。歴史的に真宗門徒

の一年は報恩講に始まり

報恩講に終わるといわれ

ております。報恩講と

は、ご恩に報いる集いで

あり、仏法に出遇う機会

をいただいたことに感謝

し、仏の教えの受けとめ

を深めるという意味で

す。七

日(土)には「報恩

講の集い」が行われま

した。ABA

の方々が企

画くださいました。この

集いは、勤行に始まり、

中井パティ開教使(シカ

ゴ仏教会)より英語で法

話をいただきました。八

日(日)には午前十時よ

太鼓グループ

バーゲンセール

皆様こんにちは。私達

太鼓グループの初めての

試みであったビッグバー

ゲンセールにご協力いた

だきありがとうございま

した。婦人会の皆様から

この重責を引き継いだこ

とで、大変恐縮致してお

りましたが、結果として

初めてのバーゲンセール

り報恩講が勤まり、大谷

暢裕開教司教が報恩講の

儀式を執行するために京

都よりお越しくださりま

した。中井パティ開教使

(シカゴ仏教会)より日

英両語による法話をいた

だきました。報恩講の後

は当番二の方々による精

進サラダバーの御斎がふ

るまわれました。午後に

は大谷暢裕開教司教執行

のもと、帰敬式が執行さ

れました。帰敬式とは、

法名を受け、さらなる仏

弟子としての歩みをすす

める儀式です。皆様のご

参拝、誠にありがとうご

ざいました。

としては成功したのでは

ないかと思います。

このたび商品をお持ち

いただいた方々にはこの

場をお借りして感謝申し

上げます。特に、多くの

アドバイスと御提案、セ

ールを円滑に進めるため

にサポートいただきまし

たエミリー・松村さんに

はご協力誠にありがとう

ございました。

また、全ての商品に値

付けをしきれなかったた

め、当日お持ちいただい

た商品が見当たらなかっ

た方もおられるかもしれ

ませんが、しっかりと来

年分として保管させてい

ただいております。

売り上げに関しまして

は、過去のビッグバー

ゲンセールほど大きく

はなかったものの、約

三千六百ドルあり、その

内千ドルをお寺へと収入

いたしました。

来年のセール成功に向

けて、私達は今回のセー

ルの反省会と今後の計画

について話し合いを始め

ています。皆様には、今

後ともご指導ご鞭撻のほ

別院ニュース

ダウンタウン

ウィメンズセンター

奉仕活動

地域奉仕活動委員会最

初の活動として、私たち

はダウンタウンウィメ

ンズセンター軽食パック

プログラムのお手伝いを

いたしました。軽食パッ

クにはサンドウィッチ、

飲み物、フルーツとお菓

子が入っています。この

軽食は、センターがお休

みの日の夕食を確保する

ために、入所者がセンタ

ーを出る日の午後に配ら

れます。初回五月二十六

日の奉仕活動の成功を受

け、委員会ではこれを毎

月の継続した活動とする

こととしました。二回目

の八月二十五日には、お

寺のキッチンでツナサン

ドウィッチを作り、100

食を超えるセットを用意

しました。材料費につい

て現物支給及び寄付をい

ただきました方々には感

謝申し上げます。ボラン

どよろしくお願い申し上

げます。

ティアの方々には軽食パ

ックをセンターへの運搬

及び配布のお手伝いをし

ていただきました。

ご参加いただきました

皆様、ありがとうござい

ました。二回目にはグレ

ッグ・エリオットさん、

ダイアン・幡さん、ピー

ター・幡開教使、ペニー・

村田さん、ジェーン・村

田さん、トム・フクマン

さん、スティーブ・中曽

根さん、マキコ・中曽根

さん、マーク・ナカタニ

さん、トリッシュ・ニコ

ルソンさん、ザイダ・ニ

エトさん、レスリー・ウ

ォンさん、エミコ・ウォ

ンさん、ジェイソン・ウ

ォンさん、ジジ・ロペス

さん、ライアン・ターマ

ンさん、スーザン・ヤマ

モトさんにご参加いただ

きました。ジャネット・

伊東さんとロサ・カワヒ

ラさんはこの日は参加で

きませんでしたが、事前

準備にご協力いただきま

した。この活動にたくさ

んのボランティアの方々

が新たに参加いただき大

(3ページへ続く)

3東本願寺ロサンゼルス別院編集責任者 輪番 伊東憲昭

第 71 巻 7 号2019 年 10/11 月号

行事予定

十 月

十三日

秋季彼岸会

お彼岸セミナー

  (英語)

二十日

日曜礼拝

二十七日

日曜礼拝

ハロウィン

十 一 月

三日

十一月祥月法要

開教忌

十日

日曜礼拝

十七日

日曜家族礼拝

二十四日

日曜礼拝

クラフトフェア

十 二 月

一日

十二月祥月法要

八日

日曜礼拝

十五日

年末大掃除

二十二日

日曜礼拝なし

二十九日

日曜礼拝なし

二十七日

餅つき

三十一日

除夜会

変嬉しく思います。今後

もお寺のメンバーの方々

には継続的にこの活動に

ご協力いただけますよう

お願い申し上げます。

地域奉仕活動委員会 

トリッシュ・ニコルソン

別院お楽しみデイ

〜運動会〜

九月二十二日(日)、

別院お楽しみ会で、初め

て運動会を開催しまし

た。ソーシャルホールは

各国の国旗で彩られ、競

技エリアと観戦エリアを

分ける入場ゲートも設け

られました。フードコー

ナーは、参加メンバーが

用意したおにぎり、サラ

ダ、野菜、フルーツとデ

ザートでいっぱいでし

た。ホールの両端では、

ピクニックシートや座布

団の上で食事を楽しみま

した。参加者それぞれ

が、チキン、照り焼きウ

インナー、おにぎり、ス

パムむすびの入ったお弁

当箱を受け取りました。

部屋の端には紅組、白組

の得点板が設置され、競

技ごとに点数を入れてい

きました。

参加者は到着すると、

紅白のハチマキを受け取

り、それぞれのチーム

に分かれました。ルンビ

ニのダニー先生はダルマ

スクールの子供達と旗や

ポンポンなど様々なグッ

ズを作りました。昼食

後、伊東信さんがラジ

オ体操をリードし、参

加者はそれにならい、

競技に向けての準備運

動を行いました。最初

の競技は、ことば遊び

で、「U

ND

OU

KAI」の

文字だけを使っていかに

多くの単語を考えられる

かを競うもので、なかに

はなんと十五以上の言葉

を考えた人もいました。

最初のチーム競技は「片

手おりがみ」でした。紅

白二チームずつ、各三名

の選手で構成され、協力

して片手で大きな鶴を折

りました。白組は二チー

ムとも制限時間内に折る

ことができましたが、紅

組はできませんでした。

次は外で玉入れです。ま

ずは最年少の子供達から

開始し、年上の子供た

ち、大人へと続きまし

た。次は障害物競争で

す。まずは三輪車、チー

ムカラーのお手玉入れ、

スプーンレース(青少年

と大人はフォーク)、そ

してボールプール内のキ

ャンディ探しを終えてゴ

ールへ向かうコースでし

た。年齢別に三コース用

意されており、青少年の

コースにはドーナツ食い

競争も追加されていまし

た。屋外競技の点数は、

紅組が五十五点、白組が

七十点でした。続いては

「缶積み競争」です。紅

白三名のチームになり、

空き缶をどれだけ高く積

み上げられるかを競いま

した。エアコンの風や少

し凹んだ缶、バランスの

悪い積み方など、難しい

要素がありました。二ラ

ウンドの缶積み競争のあ

とはいよいよ最後の競技

で、「着替えてリレー」

です。各組三歳から大人

まででチームを組みまし

た。参加者は、部屋の端

まで走り、法被と帽子を

選んで着用し、そのまま

次の走者の元まで走っ

て、自分の着ている法被

と帽子を渡し、次の走者

はそれらを持ってまた部

屋の端まで走り、違う法

被と帽子を被ってさらに

次の走者にバトンタッチ

をしていく競争でした。

最終競技後の点数は、紅

組九十点、白組百十点で

した。金丸ヒロさんには

準備や飾り付け、構成か

ら司会進行までを仕切っ

ていただき、誠にあり

がとうございました。

YABA

とABA

の皆様に

は追加のおかずを、ジャ

ネットさんには照り焼き

ウインナーを作っていた

だき、レスリー先生には

チキンを受け取りに行っ

ていただきました。ま

た、準備と片付けをお手

伝いいただいた皆様にも

御礼申し上げます。皆様

のご協力なしには運動会

を成功させることはでき

ませんでした。非常に多

くの方々に楽しんでいた

だけた運動会でした。参

加・ご協力いただきまし

た皆様、誠にありがとう

ございました。

4東本願寺ロサンゼルス別院編集責任者 輪番 伊東憲昭

第 71 巻 7 号2019 年 10/11 月号

でもなく仏教、特に我々

の浄土真宗とは、自らの

生き方です。我々の生き

るよりどころとして教え

があり、現代まで伝わっ

ております。ときに我々

は、教えを学問として捉

えてしまいがちです。も

ちろん、学問として学校

などできっちり学ぶこと

も大切です。様々な書籍

やお話から知識を得るこ

とも必要なことです。し

かし何よりも大切なこと

は、仏教は「学ぶ」ので

はなく「感じる」ことだ

と私は思います。ときに

こうして記事を執筆する

にあたり、また法話を考

えるにあたり、「今日は

どの言葉を引用して話そ

うか」と意図的に考えて

しまうことがあります。

しかし、「なぜ私は真宗

門徒なのか?」と自分に

問うてみたとき、難しい

言葉は何も必要ありませ

ん。煩悩具足の凡夫であ

る私たちをも救ってくだ

さるのが阿弥陀如来のは

同朋のお悔み

謹んで哀悼の意を表します。

横田 貴美子

八月四日

御命終

行年一〇八歳

森山 サム 進

八月十二日

御命終

行年九十六歳

上田 リエ子

八月二十二日

御命終

行年一〇四歳

栗山 サリー リヨ

九月七日

御命終

行年八十八歳

笠井 遼

九月二十四日

御命終

行年九十二歳

本年の年末餅つきは、

十二月二十七日(金)午

前九時より開催されま

す。餅つきは楽しい年中

行事ですが、皆様のご協

力が不可欠です。皆様も

是非ご参加いただき、ご

一緒にお内陣の鏡餅やお

雑煮のお餅を作りましょ

う。当日もたくさんお餅

をお召し上がりになり、

またお持ち帰り下さい。

どうぞご家族やご友人と

お誘い合わせのうえ、こ

の楽しい伝統行事にご参

加下さいますようご案内

致します。

大掃除は大仕事です

が、皆で力を合わせ、お

寺を再び輝かせましょ

う。年末の大掃除は新た

な年を迎えるための伝

統的な行事です。今年

の大掃除は十二月十五日

(日)です。皆様のご協

力なくしてこの大仕事を

行うことはできません。

美しいお寺で新年をお迎

えできますよう、是非皆

御命日法要

(毎月二十八日)

毎月二十八日午後一

時より親鸞聖人御命

日法要をお勤めして

います。どなた様も

お気軽に参加下さい

(日時は変更される

場合がございます。

事前に寺務所までお

問い合わせ下さい)。

餅 つ き

年末大掃除

「報恩講をご縁に」

(1ページからの続き)

秋のクラフトフェア

クラフトフェア出店の

皆様にお知らせです。

四月とは別に、新たな

日時、十一月二十四日

(日)にクラフトフェ

アを別院にて開催致し

ます。出店、出品を募

集致します。詳細は寺

務所(213)626

―4200または info@

hhbt-la.org

までお問い

合わせ下さい。出店・

出品の締め切りは十月

二十五日です。

たらきであります。まず

は頭で理解するのではな

く、肌で、こころで、雰

囲気で、親鸞聖人の教え

にふれて生きていくこ

と、南無阿弥陀仏とお念

仏することが、私たちの

生きる道であります。ど

うかこれからも皆様とと

もにお念仏の道を歩ませ

ていただきたいと思いま

す。

お知らせ

様お誘い合わせのうえご

参加下さいますようご案

内申し上げます。