日本とドイツにおけるデジタル・トランスフォーメーションとス … ·...

日本とドイツにおける

デジタル・トランスフォーメーションとスキル

Fujitsu Research Institute

Dr. Martin Schulz

2018.06.25

Copyright 2018 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE

デジタルトランスフォーメーションとスキル


デジタル化の好機 vs トランスフォーメーションへの課題

スキル開発がデジタル・トランスフォーメーションのカギを握る

働き方改革から「学習する経済」へ

1

産業の相互接続性は「インダストリー4.0」の水準に到達

工場の自動化からサイバーフィジカルシステム (CPS)まで

Moxa Ethernet Switches (2009) L’Oreal - ABB Real TPI (2001), Moxa Virtual Machine - Pajic (2012)

インテリジェント自動化システム: コントロール

サービスプラットフォームソリューション: ERP, 人材

テクノロジー: 「インサイドアウト」統合「アウトサイド・イン」

セマンティクスインターフェース標準: ネットワーク

従来型システム IoTS 技術

MES PLM

Copyright 2018 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 2

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

私の会社の業績はよい。

私の会社は、グローバルビジネスを積極的に行っている。

私の会社は革新的（イノベーティブ）である。

私の会社の意思決定は速い。私の会社のICTシステムは最新（2年以内）の技術を使って

いる。

私の会社は業界の中ではICTの活用が進んでいる方であ

る。

私の会社のICTシステムは使いやすい。

日独の企業では課題は異なる？

Source: Data from FRI Survey of 1200 Japanese & German Employees

ドイツ

日本

Note: Percent of employee answers who either ‘agree’ or ‘strongly agree’.


0

50

100

150

200

250

パートナーとの協力

クラウドソーシング

事業運営の変革

従業員のスキル向上

全社スキル共有年齢層間の協力

デジタル

シャドープロジェクト

すでに成果をもたらした

変革プロジェクト

顧客関係の変革

デジタル・トランスフォーメーション：異なる企業戦略

Source: Data from Fujitsu (2017) – PACT Survey.

Note:肯定的な回答の比率。グラフの軸は、質問の型が異なるためにUSA=100として標準化したもの。

日本の数字（赤字）は、「そう思う／とてもそう思う」という回答の比率。

ドイツ日本

USA=100 52%

57% 67%

6% 29%

24%

32%

32%


65%

デジタル・トランスフォーメーションのために重要なこと

4

企業事例：独「MA-Industrie」社のパッケージ業務変革

1988

2017

社員13人、ミュンヘン南部;

売上 200万ユーロ（約2.5億円）以下

Copyright 2018 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE Image Source: MA-Industry

発泡

スチロール

包装

5

MA-Industrie社のパッケージ業務→’Foam24’エコシステム

https://foam24.com/de/

Image Source: MA-Industry; https://viberenthq.com/wp-content/uploads/customer-service-resume.png

?

大型ホッチキスの梱包

を必要とする顧客

Foam24オンライン設計ツール自動化された注文処理

3次元カッターの制御品質管理／メインテナンス輸送業者


https://www.google.com/url?sa=i&rct=j&q=&esrc=s&source=images&cd=&cad=rja&uact=8&ved=2ahUKEwiG74L8wd7bAhWIupQKHZEdD88QjRx6BAgBEAU&url=https://viberenthq.com/deal-frequently-changing-customer-requirements/&psig=AOvVaw2jej1BVN4qeLuNjnW_wUSE&ust=1529456060879326

http://www.google.com/url?sa=i&rct=j&q=&esrc=s&source=images&cd=&cad=rja&uact=8&ved=2ahUKEwik-5Lewt7bAhXJH5QKHar5AeEQjRx6BAgBEAU&url=http://www.madehow.com/Volume-1/Stapler.html&psig=AOvVaw2qRvZNkaBcPX9_YVDxX0nk&ust=1529456238642812

0%

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70%

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私の会社はICTを効果的に活用していると思う。


る。

社員の生涯学習（仕事に関するもの）をサポートしている。

私は、仕事でICTを活用する能力は高いと思う。

ICTを活用することで、私のワークライフバランスは改善し

ている。

私の会社では、ICTの活用によって社外の関係者との挙動作業が促進されている。

デジタル・リーダーとのギャップを縮めるには


? ?



日本 (全回答)

ドイツ

7

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私の会社はICTを効果的に活用していると思う。


る。

社員の生涯学習（仕事に関するもの）をサポートしている。

私は、仕事でICTを活用する能力は高いと思う。

ICTを活用することで、私のワークライフバランスは改善し

ている。

私の会社では、ICTの活用によって社外の関係者との挙動作業が促進されている。

デジタル・リーダーとのギャップを縮めるには


! !



日本 (全回答)

ドイツ

「会社のICTシステム

は使いやすい」と答えた日本の回答者

8

社員向け調査における全ての企業

日本とドイツでデジタル・リーダーになるには？

ユーザー

フレンドリーな

ICTシステム

NK R2: 0.61 / 0.40

+8.0


+2.4

+3.4

+3.8

+2.8

+1.6

最新の

(up-to-dateの)

ICTシステム

社外とのICT

ｺﾗﾎﾞﾚｰｼｮﾝ ERPシステム

ｅラーニング

システム全社的な

スキル共有

業界における「デジタル・リーダー」に仲間入りする企業

+X.X：それぞれの条件を満たせば、企業が

「デジタル・リーダー」になる確率の上昇度合い

+2.5 +1.8

+1.9

+2.7 +1.9

+2.1


日本

ドイツ

日本の「デジタル・リーダー」には、使いやすく、最新のICTプラットフォームがある。

社外とのコラボレーション、eラーニング、社内のスキル共有が重要

9



スキル開発がデジタル・トランスフォーメーションのカギを握る

10

Source: OECD (2013) - Work Skills in technology-rich environments.

生涯にわたるスキル開発がカギ： OECD調査から

Note: Percent of Top-2 proficiency levels.

0

10

20

30

40

50

60

Germany Japan US

16-24

25-34

35-44

45-54

55-64

従業員の問題解決スキル

1

1.2

1.4

1.6

1.8

2

2.2

2.4

Germany Japan US

16-24 ICT at Work

16-24 ICT at Home

25-54 ICT at Work

25-54 ICT at Home

職場／自宅におけるCT利用

日本・ドイツとも

時代遅れのスキル

テクノロジーの

利用は一生涯


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20

40

60

80

100

私は、仕事以外でスマートフォンを活用している。

仕事以外で、新しい知識を学ぶときにインターネットを

活用している。

私は、いまの仕事に満足している。

私は、仕事以外でSNSを積極的に活用している。

私は、日常生活の中でICTを使う能力は高いと思う。

ICTを活用することで、私のワークライフバランスは改善

している。

日常生活で、デジタルではない交流を積極的に行なって

いる。

仕事以外で、eラーニングのプログラムに積極的に参加

している。

私は、仕事以外で、国際的な情報や人脈をよく使ってい

る。

従業員調査：デジタル・スキルとエンゲージメント（日独）


ドイツ

日本



マネジメント:

共働きの母親と父親（しばしば不在）チーム: ユイ（5歳、ＩＴスペシャリスト）

祖母（83歳のテクノロジー際構築者）

生涯学習：プラットフォームという良い機会

東京の家庭における課題：「デジタルおばあちゃん」

テクノロジー：iPhoneの家族アカウント

ソリューション:

家族フォト・アカウント＋積極的な投稿

習慣的な短時間の「ハッカソン」


生涯学習：ＡＩがスキルをてこ入れ

人工知能は人間ができることだが、コンピューターはまだ…

コンピューターができることは、すでにＡＩではない…

それはおばあちゃんが使っているもの

人間は文脈を学び、

マシンは細部を学ぶ

個別か（製品、業務、サービス、

学習）がプラットフォームの複雑

さを推進

プラットフォームのマネジメントと

インタフェースにはＡＩが必要

Chart Source: Fujitsu Journal (2017).

Note: The “AI Effect”




働き方／生き方のトランスフォーメーション：デジタル化の利益を共有する

15

88%

77% 73%

50% 54%

31%

73% 67%

55%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

Mobile Work Flex Work Freelancer

デジタル・ワークスタイル：仕事の柔軟化


外部の柔軟性 - アウトソーシング／クラウドソーシング

- 派遣スタッフ／受託者

- コンサルタント

内部の柔軟性 - 労働時間口座

- 人的資源管理 (社内調達)

- アジャイルワーク手法

場所の柔軟性 - クラウドソーシング

- モバイルワーク

- コワーキング／仮想チーム

デジタル・ワーク

の柔軟性 https://journal.jobspotting.com/wp-

content/uploads/2016/01/7-800x600.jpg

Photo Source: IW 2018

週28時間<->35時間

コワーキング<->派遣・パートクリエイティブ業界のワークスタイル

Softw.

Average

Architec. Art

Art

Note: % company replies and sub-sectors.

Source: ZEW 2017 Survey

16

デジタル・トランスフォーメーション： ZF社の事例

Copyright 2018 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE Source: Graphic from ZF drive Magazine 2015.01

モビリティの動向

効率性(エレクトロ・モビリティ)

安全性 (アクティブ・システム)

補助 (自律システム)

デジタル・トランスフォーメーション

生産プロセスのデジタル化

車両のデジタル化

コネクテッド・システム

グローバリゼーション

マージン – スケール

OEM – サプライヤ統合

クローズドなプラットフォーム – オープン・システム

ZF モーション＆モビリティ

230拠点, 40ヵ国

売上290億ユーロ (米TRW社は90億）社員138,000人 (ドイツ 50,000; TRW 64,000)

電気

駆動

車台(ｼｬｰｼ)の

コンポーネンツ

電子部品車軸システム

トランスミッション

アクティブ・シャーシ・システム

車軸駆動

ユニット

ダンピング

システム

ファスナー・留め具

ブレーキ

システム

ボディ・コントロール

ステアリングシステム

同乗者の

安全性

ドライバー

アシスタンス

17

ZF社の仕事・学習のトランスフォーメーション

Copyright 2018 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE Image Source: ZF drive Magazine 2015.01.

Education 4.0: アカデミー、可視化、分析

(Visual Support, Feedback, Benchmarking)

Office 3.0: Skype for Business

(電話会議, 会議室,

モバイル・ワークプレイス)

Work 4.0: 作業者向けガイダンス、アシスタンス

(PTC Windchill PLM, ThingWorx IoT)

外部との統合: 販売後および供給業者のサービス

(プラットフォーム、取引先向けワークショップ・アカデミー)

18



学習する経済：仕事、生活、学習をつなぐ新しい方法

19

ＩＣＴスキルとコネクティビティ：仕事の変革のための土台

Source: EuroStat (2017) – DESI, EuroStat (2017) – E-business integration.

Note: Percent of companies.

20

30

40

50

60

70

80

90

1

2

3

4

5

6

7

8

10 12 14 16 18 20 22

EU Connectivity Index (Scale)

基礎的なデジタルスキル保有者

(人口比

) IC

T専門家

(社員に対する比率

)

DE

DK

SP

DE

DK

SP

ＥＵ諸国のコネクティビティとICTスキル


デンマーク：政府におけるデジタル化の先駆者


デジタルな

協働

内部の

デジタル化

-E-invoicing

-Secure e-mail -Digital signature

-Gov. e-mail

共通基盤

-EasyID

-EasyLogin

-EasySMS

-Mandatory ICT

Infrastructure

ﾃﾞｼﾞﾀﾙ

コミュニケーション

-Mandatory

Digital Comm.,

Self-Service

-Digital Welfare

-EasySMS

-Data Store

ﾃﾞｼﾞﾀﾙ

ﾄﾗﾝｽﾌｫｰﾒｰｼｮﾝ

-User-friendliness

-Data for

efficiency, quality

-Cyber security

-Interoperability

-ICT Strategy

命令的な

デジタル化

2001

2004

2007

2011

2016

E-money

コスト削減

2億9600万ユーロ 1億2600万

メッセージ (2017)

人口600万人

の91% (2017)

統合化された

デジタル化

デジタル牽引者:

財務省

ICTサポート

センターとして

の公共図書館

“バーデン・ハンター” (提案690／うち505は採用／260が実行)

“デジタルな証拠に基づく立法” (シンプル、コミュニケーション重視)

“アジャイルな立法” (シンプル、目的志向、ユーザーフレンドリー)

21

学習する経済：生涯を通じて与えられる機会


Chart Source: BIBB (2015) – Toolbox berufliche Weiterbildung in Betrieb; Fraunhofer (2011) - Karrieresysteme

Performance

Time

学習

訓練修士

修了証書、認証

キャリア変更

パートタイム

との統合

子育て期間

再統合化

OJT

社員の

保持・確保

継続的な

適正チェック

pment 職業的専門性の開発

大学<->企業

協力

資格認証

ﾄﾚｰﾆﾝｸﾞｾﾝﾀｰ

オンラインMBAs

職業訓練大学.

テレワーク

パートタイム／フレックス

スキル・マネジメント

IoTS ラーニング

サービス

オープン

ユニバーシティ

パートタイムの

コンサルタント

職業訓練の

個別化

10% Formal 20% Informal 70% Professional Development

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企業向け人的資源管理

学習プラットフォーム

学習する経済：大学のトランスフォーメーション

Research Education

Workplace

問題解決型・プロジェクト型の学習

大学にとっての「第三の道」：教育、研究、そして仕事

大学／認定のブーム

米国:

35歳以上の学生が200%増加+200%

全学生の38%が25歳以上

ドイツ:

私立大学の学生が630%増加

異なる修士／学士が18,044

オンライン学習のブーム

米国:

71%の大学がオンライン戦略あり

Eラーニングの成長率は前年比+8%

ドイツ:

42％がオンラインの利点を認める

36％が「ブレンド」学習を使用する

Photos: www.flickr.com/photos/ufv/17073989196; www.flickr.com/photos/o_0/9335063228

Oracle Taleo (2012), SAP SuccessFactors (2012),

WorkDay Learning (2016)


大学は地域の企業／コミュニティの統合のために解放

企業は大学や教育機関とこれまで以上に密接に統合

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http://www.flickr.com/photos/ufv/17073989196

https://www.google.com/url?sa=i&source=images&cd=&cad=rja&uact=8&ved=2ahUKEwiJ7MKIpYTbAhWBfLwKHRpZBwAQjRx6BAgBEAU&url=https://www.flickr.com/photos/o_0/9335063228&psig=AOvVaw3gSmzXQ-xXznifQ-EUF3nH&ust=1526355634597112

事例：ＺＦ社と大学のインテグレーション

学生数4,000人

パートナー 1,200組織

Zeppelin University 私立大学

ZF-DHBW InnoLab (ZFの社会人学生向け)

ZF-Denkfabrik (社内ベンチャー)

モビリティに関する研究／ソリューション

Source: DHBW, ZU, ZF. Copyright 2018 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE

エグゼクティブ向け学位（修士）エグゼクティブ向けプログラム

DHBW Cooperative

State University

教育／訓練

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FRI調査：企業の人的資源管理、スキル開発とICTのインパクト


ICTの

インパクト

スキル

開発

E-Learning

ICT

システム HRM

ﾌﾟﾗｯﾄﾌｫｰﾑ

社員の

感情

日本においては影響が見られない


Note: Partial Least Square Model. Arrow width proportional to factor impact; independent factor bubble width proportional to R2.

革新性

事業の見通し

革新性

事業の見通し

革新性

事業の見通し

革新性

事業の見通し日本では明確な影響なし

日本では影響は小

日本では大きな影響

日本では影響は小日本では影響は小

日本では影響は小

日本では明確な影響なし

eラーニングの利用

＋効果個別

最新の

使いやすい

効率がいい

チームビルディング

+パートナーの協力

+モビリティ

+柔軟性

+効率

エンゲージド

満足

長く仕事をしたい

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イベント

デジタルな「学習する経済」：デジタル人材マネジメント

大学

コンサルタント

パートナー

コ・ワーキング

企業向け人的資源管理

学習プラットフォーム

eラーニング

ライフサイクル

インテリジェンス


https://www.google.com/url?sa=i&source=images&cd=&cad=rja&uact=8&ved=2ahUKEwiJ7MKIpYTbAhWBfLwKHRpZBwAQjRx6BAgBEAU&url=https://www.flickr.com/photos/o_0/9335063228&psig=AOvVaw3gSmzXQ-xXznifQ-EUF3nH&ust=1526355634597112



デジタル・トランスフォーメーションはデジタル・プラットフォームの「利用」によって決まる。

効果的なトランスフォーメーションは、すべての社員のスキルをてこ入れし、デジタル化の恩恵を（企業側と社員側が）共有する。

「学習する経済」は、政府の改革を民間の生涯学習や企業のスキル開発と一体化する。

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Fujitsu Technology & Service Vision “Learning Enterprise”


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