「持続可能なバイオマス利用による小規模発電事業(スリラン...
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H25 JCM 実現可能性調査(FS) 終報告書(概要版)
「持続可能なバイオマス利用による小規模発電事業(スリランカ)」
(調査実施団体:株式会社エックス都市研究所)
調査協力機関 (株)大林組、北電総合設計(株)、藤井技術士事務所、Sri Lanka Carbon Fund
(PVT) Limited., Lanka ORIX Leasing Company Plc.
調査対象国・地域 スリランカ社会主義民主共和国
対象技術分野 再生可能エネルギー
プロジェクトの概要 本調査では、スリランカにおいて実現性の高いバイオマス利用型・小規模発電事
業 2 サイト(SLCF 社、UDE 社)を対象とし、1) JCM 制度の活用を前提とする実
証案件組成に向けた調査(方法論案の構築、PDD 作成)、2) 日本の技術・製品
を採用した事業モデルの確立、3)潜在日系事業者のバイオマス発電事業への投
資を促進について検討を行った。
JCM
方法論
適格性
要件
要件 1: バイオマスを活用した発電容量 10MW 以下の新規設備による発電事
業であること。 要件 2: プロジェクトは国家グリッドへの売電事業でありグリッド電力を代替する
ものであること。 要件 3: プロジェクトによる国家グリッドへの純売電量、プロジェクトにおけるバ
イオマス燃料消費量、プロジェクトにおける化石燃料消費量がモニタリング計
画に基づいて計測可能なこと。 要件 4: 当該プロジェクトで利用されるバイオマス資源は、以下のいずれかの
条件を満たすこと。
a)ホスト国の定めるガイドラインである「バイオマス評価ガイドライン」において燃
料利用が明記されており、かつ、プロジェクトで使用するバイオマス資源が、ガイ
ドラインに記載されるプロジェクトのバイオマス収集範囲内のバイオマス収集可
能推計量を超えていないこと。
b)プロジェクトで使用されるバイオマス資源がガイドラインに記載される「利用可
能なバイオマス」の発生源に含まれないプランテーションで生産されること。
c)プロジェクトで使用されるバイオマス資源が、スリランカ国政府が有害植物とし
て除去対象として承認したものであること。 要件 5: 当該プロジェクトで利用されるバイオマスは、ペレット、ブリケット、バイ
オコークス等の加工工程を経て製品化された加工バイオマス資源は対象外と
する(木材を粉砕したのみの木質チップは加工製品とはみなさない)。 要件 6: 仕様上の発電効率が 25%以上の機器を使用する事業であること。な
お、発電効率とは発電量をタービンへの入力エネルギーで除した数値である。 要件 7: バイオマスがプランテーションで生産される場合、以下の条件の全てを
満たすものであること。
a)プランテーションでは化学肥料、化学系の殺虫剤/除草剤は使用しないこと。
b)プランテーションの開発対象地は、森林、湿地、泥炭地のいずれにも当てはま
らないこと。
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c)スリランカ国の土地利用計画上、森林区分に該当する土地の場合には、有害
植物の繁茂等により本来の森林機能を果たしていないとして、その機能回復を
目的としてスリランカ政府が承認したプランテーション活動であること。
テ ゙ フ ォ ル ト
値の
設定
グリッド排出係数:DNA 公式値と長期電力拡張計画に基づく排出係数のうち、
より保守的な値(0.7350 tCO2/MWh) バイオマス 1 トン当りの栽培に伴うプロジェクト CO2 排出量: CDM 方法論ツー
ル 16 における排出量算定方法を用いて、無施肥条件により試算したデフォル
ト値を適用(0.0269 tCO2/t) バイオマス 1 トン当りの前処理に伴うプロジェクト CO2 排出量:チップ化につい
ては、日本メーカーを中心に 5 社の破砕機の必要動力の比較検討を行い、そ
の平均値をデフォルト値に設定(0.0157 tCO2/t) バイオマス1トン当りの輸送に伴うプロジェクト CO2 排出量:平均 100km(片
道)の輸送距離を想定し、デフォルト値を設定(0.0245 tCO2/t)。
リファレンス
排 出 量
の算定
リファレンス排出量は、スリランカ DNA が毎年公表する公式なグリッド排出係数
と電力拡張計画に基づくグリッド排出係数のうち、より保守的な値に、モニタリン
グにより得られるプロジェクトによる国家グリッドへの純売電量を乗じることにより
算定する。
モニタリング
手法
プロジェクトによる国家グリッドへの純売電量(MWh):積算電力計による連続
計測 バイオマス燃料消費量(トン):重量計による投入ごとの測定 プロジェクトにおける化石燃料消費量(トン):流量計を用いて毎回ごとの計測
GHG 排出量及び
削減量
項目 SLCF UDE
リファレンス排出量(tCO2/y) 29,455 49,480
プロジェクト排出量(tCO2/y) 3,892 10,301
排出削減量(tCO2/y) 25,563 39,179
環境影響等 中央環境局発行の環境配慮項目に関する指示書に記載される環境基準に合致
する施設建設・設備導入、並びに事業運営を行う予定。
事業計画 SLCF 社は開発銀行を含む複数の金融機関とプロジェクトへの融資に関する協
議を継続している。UDE 社については、ORIX 社の現地法人である LOLC 社の
傘下にあり、LOLC 社の自己資金に加え、国際金融機関等からの借入なども視
野に協議を継続している。本事業の潜在投資家の大林組は、本事業は魅力的な
事業となる可能性が十分にあると考え、事業実現のために必要となる課題・リス
クに対する更なる調査・検討を積極的に実施していく意向である。
日本技術の
導入可能性
ホスト国での JCM 制度の展開に伴う導入可能性のある設備としてタービン及び
発電機を選定し、日系製造メーカーの絞込み、聴き取り調査を通じて収集した情
報に基づき技術評価を行った。検討の結果、日本技術の貢献の可能性を高める
ために、タービンへの入力エネルギーの利用率(発電効率)が 25%の製品である
ことを適格性要件に含めた。
ホスト国における
持続可能な開発へ
の寄与
再生可能エネルギー導入目標への貢献
化石燃料輸入により極めて逼迫している国家財政の健全化
バイオマス供給地域における新たな収益源の創出、雇用機会創出
バイオマス栽培による環境改善効果
化石燃料代替による大気汚染(窒素酸化物、硫黄酸化物排出低減)
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調査名:二国間クレジット制度(JCM)実現可能性調査(FS) 「バイオマス利用による小規模発電事業」 (ホスト国:スリランカ社会主義民主共和国)
調査実施団体:株式会社エックス都市研究所
1.調査実施体制:
国 調査実施に関与した団体名 役割
日本 株式会社 大林組 潜在事業主体者
北電総合設計株式会社 技術選定・評価
(一財)日本品質保証機構 方法論作成・MRV 体制構築支援
南方商会株式会社 現地調査業務支援
ホスト国 Sri Lanka Carbon Fund (PVT) Limited 調査対象事業・事業主体者 兼 現
地側カウンターパート
Lanka ORIX Leasing Company 調査対象事業・事業主体者
2.プロジェクトの概要:
(1)プロジェクトの内容:
プロジェクトの概要
本調査ではスリランカにおいて実現性の高いバイオマス利用型・小規模発電
事業 2 サイト(モノラガラ県 5.7MW、ハンバントタ県 10MW)を対象とし、1) JCM
制度の活用を前提とする実証案件組成に向けた調査(方法論案の構築、PDD
作成)、2) 日本の技術・製品(タービン・発電機)を採用した事業モデルの確
立、3) 潜在日系事業者のバイオマス発電事業への投資を促進することを目的
として実施した。
現地カウンターパート
現地のカウンターパートは以下の二社で、いずれも日本企業からの出資に関
して歓迎する意向を示している。
①Sri Lanka Carbon Fund (SLCF) :スリランカ国政府が全額出資を行う国営企
業であり、スリランカ国政府にて政府系金融機関を通じて SLCF によるバイオマ
ス発電事業実施のための資金を拠出することを決定している。
②United Dendro Energy (PVT) Limited (UDE):ORIX が 49%を出資する
LOLC(ORIX スリランカ国現地法人)と個人事業主がそれぞれ 75%、25%を出
資する合弁企業であり、発電事業資金は UDE の自己資金、並びに LOLC によ
る貸付金で実施される。
GHG 削減量 バイオマス発電・電力による国家グリッド電力の代替により GHG 削減を達成。
SLCF: 25,563 tCO2/年、 UDE:39,179 CO2/年
(2)ホスト国の状況:
スリランカにおける人口は約 2,030 万人で、国土面積は 65,607km2 である。スリランカ経済は 2009 年
以降、戦終復興、海外からの直接投資の増加などに牽引される形で、高い成長率を維持している。
経済の活性化に伴う燃料、電力需要は増加の一途を辿っており、エネルギー安全保障、外貨流出抑
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制、環境問題などの観点からも化石燃料への依存度低下は喫緊の課題である。かかる状況下、スリ
ランカ国政府は再生可能エネルギーの FIT 制度を導入するなど、再生可能エネルギー利用促進事業
を積極的に推進している。関連する政策としては、非従来型再生可能電力の供給割合を 2015 年ま
でに 10%まで引上げる目標(「マヒンダ・チンタナ大統領施政教書」)、気候変動対策の強化、再生
可能エネルギー推進/化石燃料依存度低下(「Harita Lanka(緑の国計画)」)などが広く認知されて
いる。また代表的な燃料バイオマスであるグリシディアについてはプランテーションの対象樹種と
して栽培を推進することが 2012 年 11 月の大統領演説の中でも明確に述べられている。グリシディ
アの栽培、及び利活用は内戦被災地における復興策、また地方農村の所得向上策の一環としてもそ
の効果が高く期待されている。
3. 調査の内容及び結果
(1)JCM 方法論作成に関する調査
①適格性要件
設定した適格性要件、及びその設定理由を以下に示す。
要件 設定理由
要件 1 バイオマスを活用した発電容量 10MW 以下の新規設備を導
入するプロジェクトであること。 ホスト国における FIT 制度の要
件に基づく。混焼、増設、更新
の発電プラントは FIT 制度対象
外。 要件 2 プロジェクトは国家グリッドへの売電事業でありグリッド電力を
代替するものであること。
要件 3 プロジェクトによる国家グリッドへの純売電量、プロジェクトに
おけるバイオマス燃料消費量、プロジェクトにおける化石燃料
消費量がモニタリング計画に基づいて計測可能なこと。
モニタリングの適切な実施の要
件化。
要件 4 当該プロジェクトで利用されるバイオマス資源は、以下のいず
れかの条件を満たすこと。 a) ホスト国の定めるガイドラインである「バイオマス評価ガイド
ライン」において燃料利用が明記されており、かつ、プロジ
ェクトで使用するバイオマス資源が、ガイドラインに記載さ
れるプロジェクトのバイオマス収集範囲内のバイオマス収
集可能推計量を超えていないこと。 b) プロジェクトで使用されるバイオマス資源がガイドラインに
記載される「利用可能なバイオマス」の発生源に含まれな
いプランテーションで生産されること。 c) プロジェクトで使用されるバイオマス資源が、スリランカ国
政府が有害植物として除去対象として承認したものである
こと。
a) 当該バイオマスの燃料として
の利用の可否、他の用途との競
合の有無の判断基準を明記し
たホスト国政府公表のガイドライ
ン準拠の要件化。 b)、c) 上記ガイドラインの例外
に対する特記事項。
要件 5 当該プロジェクトで利用されるバイオマスは、ペレット、ブリケッ
ト、バイオコークス等の加工工程を経て製品化された加工バイ
オマス資源は対象外とする(木材を粉砕したのみの木質チッ
プは加工製品とはみなさない)。
過剰に保守的なデフォルト値設
定の回避のための対象バイオ
マスの絞り込み(生産工程でエ
ネルギー投入量の高い加工バ
イオマスの方法論適用除外)
要件 6 仕様上の発電効率が 25%以上の機器を使用する事業である
こと。なお、発電効率とは発電量をタービンへの入力エネルギ
ーで除した数値である。
対象技術のポジティブリスト化
(ベンチマークの設定)
要件 7 バイオマスがプランテーションで生産される場合、以下の条件
の全てを満たすものであること。 a) プランテーションでは化学肥料、化学系の殺虫剤/除草
剤は使用しないこと。
a) 過剰に保守的なデフォルト
値設定の回避のための栽培方
法の絞り込み(一般的にスリラ
ンカにおけるエネルギープラン
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b) プランテーションの開発対象地は、森林、湿地、泥炭地の
いずれにも当てはまらないこと。 c) スリランカ国の土地利用計画上、森林区分に該当する土
地の場合には、有害植物の繁茂等により本来の森林機能
を果たしていないとして、その機能回復を目的としてスリラ
ンカ政府が承認したプランテーション活動であること。
テーションでは化学肥料、殺虫
剤等は採算性の観点から投入
されない)。 b) 「CDM 方法論ツール 16」の適格性要件の組み込み。 c) スリランカ特有の実情に
対する特記事項。
1) 対象技術のポジティブリスト化(ベンチマークの設定)
<課題> ホスト国で一般的に利用されている、もしくは利用可能な技術と日本の技術の比較を行
い、日本が優位性を有する技術のポジティブリスト、及びベンチマークの設定を行うこと。
<実施内容> 日系エンジニアリング会社、並びに関連設備・機器製造会社・製造機器とホスト国
にて一般的に業務を受注しているエンジニアリング会社、並びに設備・機器との規格・仕様を比較
し、日系企業の技術的優位性の有無を明らかにすべく、日本メーカー等やバイオマス発電機器に関
する専門家へヒアリングを実施した。
<調査成果等> その結果、日本のメーカー一社のみが 25%の発電効率を達成できることが明らか
となったためベンチマークとしての設定が可能となり、適格性要件 6 として方法論に記載した。し
かしながら、25%の発電効率を達成できるメーカーは一社に限定され、適用範囲が限定されること、
及び、ベンチマーク設定が日本メーカーに有利に働く程度ついては未知数あること(仕様上の要件
で縛りを行う場合も、書類上のみスペックを満たし入札に臨む海外の事業者が続出するとの情報)
は、日本技術の導入促進における引き続きの課題と認識された。
2) 化学肥料及び化学系の農薬の不使用の検証可能性:
<課題> バイオマスの生産過程において、化学肥料及び化学系の農薬(殺虫剤、除草剤)を不使
用であることを適格性要件化する際に、不使用であることのエビデンスの確認の可能性、及び確認
が困難な場合に適用可能な保守的なデフォルト値設定の可能性の検討。
<実施内容> CDM 方法論、及び国内の各クレジット制度(J-VER/J-クレジット制度、J-MRV)
方法論における扱いについて調査を行い、バイオマス栽培に関する排出量の詳細な算定式が記載さ
れている CDM 統合方法論「ACM0017 Production of biodiesel for use as fuel」、及び「CDM 方法論ツ
ール 16 Project Emissions from Cultivation of Biomass」に基づき、スリランカの対象バイオマスのケ
ースを想定し、化学肥料及び化学系の農薬の使用、不使用の場合別の排出量原単位の検討を行った。
<調査成果等> バイオマスの生産過程における化学系肥料、農薬の不使用の証明が困難である場
合に適用可能な排出原単位として下表に示す通りの検討結果を得た。しかし、施肥のケースの原単
位は極めて大きく、過剰に保守的な値となることが判明したため、適格性要件に化学肥料等の不使
用を設けることにより、プロジェクト排出量の算定から、施肥による排出を除外するのが望ましい
と考えられた。化学系肥料、農薬の不使用の証明方法については引き続きの検討項目となった。
表 1. バイオマス栽培に係る排出原単位(デフォルト値)の試算結果比較
ACM0017 による算定結果 方法論ツール 16 による算定結果
施肥 無施肥 施肥 無施肥
Tropical Moist (tCO2/t-バイオマス) 0.06540.0256 0.0598 0.0269
Tropical Wet (tCO2/t-バイオマス) 0.0629
Tropical Dry (tCO2/t-バイオマス) 0.0867 0.0234 0.0780 0.0245
②プロジェクト実施前の設定値 1) グリッド排出係数:
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スリランカではグリッド排出係数の算定において以下の 2 通りの可能性があることから、毎年こ
れらの数値を比較し、より保守的な値を当該年に事業を開始するプロジェクトが採用すべきデフォ
ルト値とするのが望ましいと考えられた。
表 2. 国家グリッド排出係数の比較 算定方法 解説 値 デフォルト値
CDM の計算方法
に基づく計算値
Sri Lankan Sustainable Energy Authority が公表している 2012 年
の排出係数。O/Mと B/Mの比率は 0.5:0.5に基づき算定した値。 0.735 ◎
(保守的)
B/M の算定に、長
期電力拡張計画を
反映した計算値
スリランカ国政府が原則として毎年公表している長期電力拡
張計画に基づく排出係数の算定。今後 5 年間の電力拡張はすべ
て石炭火力によるものとされており、より現実の計画に即した値だ
が B/M が CDM の計算方法よりも高い値となり保守的ではない。
0.947
2) バイオマス 1トンあたりの栽培に伴うプロジェクト CO2 排出量
バイオマスの栽培に伴うプロジェクト CO2 排出量としては、下記の 3 種のバイオマスのうち最
も保守的な「プランテーションで栽培されるバイオマス」の値をデフォルト値として採用する。
表 3. バイオマス 1 トンあたりの栽培に伴うプロジェクト CO2 排出量
タイプ 解説 値 デフォルト値
生垣、裏庭に植栽
されるバイオマス 生垣や裏庭に植えられた未利用バイオマスは、慣行的
に無施肥、無耕起、人力採取の特性を有する。さらに
基本的には生垣や支柱としての他の用途で植栽される
ため、定期的に剪定される枝部分を燃料利用しても新
たな GHG 排出を伴わないため排出量は 0 と推定。
0
バイオマス残さ (廃棄物系バイオマス)
農産物等の BaU での生産プロセスの一環として発生す
るバイオマスであり、プロジェクトの有無によって、発生
量に影響が生じないことから排出量は 0 と推定。
0
エネルギープラン
テーションで栽培
されるバイオマス
方法論ツール 16 において示される排出量の算定方法
(プランテーションの土地の野焼き、土壌炭素貯蔵量の
変化、施肥等の排出源を対象とする)を用い、無施肥
条件により試算した結果から、右の値をスリランカにお
けるバイオマスプランテーションのデフォルト値として採
用。
0.0269 ◎
3) バイオマス 1トンあたりの前処理に伴うプロジェクト CO2 排出量:
バイオマスの前処理工程で要するエネルギーは、主にチップ化、及び乾燥工程となる。スリラン
カでは廃熱を利用することはあっても、乾燥工程に新たに燃料を使用する事例は皆無であり、バイ
オマス利用設備内の乾燥ヤードで 2週間ほど燃料を乾燥させてから使用するのが一般的であるため、
本 JCM 方法論では、乾燥工程にかかるエネルギー消費は考慮の対象外とする。
一方、チップ化については、日本メー
カーを中心に 5 社の破砕機の必要動力
の比較検討を行った。スリランカにおける
チップ販売最大手の提供データでは最小
値にほぼ近い 7kWh/t(中国製の簡素な機
材)であることを踏まえると、デフォルト
値として最大値を採用することは過度に
保守的な値となる可能性が懸念された。そ
のため、本 JCM 方法論では、バイオマス 1 トンあたりの前処理に伴う CO2 排出量のデフォルト値
として、ヒアリング対象 5 社の平均値を採用することとした。
タイプ 値 (tCO2/t) デフォルト値
ヒアリング対象 5 社の平均値 0.0157 ◎ ヒアリング対象 5 社の最大値 0.0316 ヒアリング対象 5 社の最小値 0.0029 スリランカ最大手バイオマス販売会社の値
0.0051
表 4. バイオマス 1 トン当りの前処理に伴う CO2 排出量の比較
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4) バイオマス1トンあたりの輸送に伴うプロジェクト CO2 排出量 <輸送距離の設定>
複数の有識者への聞き取りの結果、スリランカは横幅 200km 程度の小さな島国であるが、道路事
情が悪く、100km 以上の輸送は非現実的とされていることが判明した。そのため保守的性の観点か
ら、平均輸送距離を、現実的な輸送距離の上限値である 100km と想定し、デフォルト値を設定した。
<1トンのバイオマスを 1km 輸送するのに係る排出係数> 表 4 に示す通り車両規模別のデフォルト値が CDM 方法論ツール 12 によって設定されている。スリ
ランカで使用される車両規模は多様であるため、ここでは最も保守的な小型車両を想定した
0.000245(tCO2/t/km)を採用する。
表 5. 1 トンのバイオマスの 1km の輸送に係る排出係数 表 6. 輸送に伴う排出係数の輸送距離による比較
5) その他
上記の他に、以下の項目についてもデフォルト値を設定した。
補助燃料としてオンサイトで使用される化石燃料の真発熱量:スリランカ政府公表値に基づき設
定 補助燃料としてオンサイトで使用される化石燃料の CO2 排出係数:IPCC デフォルト値に基づき
設定
③排出削減量の算定(リファレンス排出量・プロジェクト排出量の算定) 1) リファレンス排出量の算定
リファレンス排出量は下式により求めれらる。
REy =PEGy× EFCO2,grid .......[式 1]
REy : リファレンス排出量(tCO2/y)
PEGy : プロジェクトで発電されグリッドへ供給される y 年における純電力量 [MWh/y]
EFCO2,grid : グリッド排出係数 [tCO2/MWh]
2) プロジェクト排出量の算定 プロジェクト排出量は下式により求めれらる。
PEy ={APEcul +APEPret+APETrans}×Qbio,wet,y + PFCy×NCVPFC×EFCO2_PFC .......[式 2]
PEy : プロジェクト排出量[tCO2/y]
APEcul : バイオマス 1 トンあたりの栽培に伴うプロジェクト CO2 排出量[tCO2/t] ※デフォルト値:0.0269 [tCO2/t]
APEPret :バイオマス 1 トンあたりの化石燃料及び電力消費に伴うプロジェクト CO2 排出量 [tCO2/t]※デフォルト値:0.0157 [tCO2/t]
APETrans : バイオマス 1 トンあたりの輸送に伴うプロジェクト CO2 排出量[tCO2/t] ※デフォルト値:0.0245 [tCO2/t]
Qbio,wet,y : プロジェクトで消費されるバイオマス燃料量 (湿潤ベース) [t/y]
PFCy : 補助燃料としてオンサイトで使用される化石燃料のプロジェクト消費量 [t/y]
NCVPFC : 補助燃料としてオンサイトで使用される化石燃料の単位当たり真発熱量 [GJ/t]
車両タイプ 値 (tCO2/t/km)
備考
小型車両 0.000245 大積載量 26 トン以下大型車両 0.000129 大積載量 26 トンより大出典: UNFCCC Tool 12: Methodological tool: Project and leakage
emissions from transportation of freight Version 01.1.0
算定方法 値(tCO2/t)
デフォルト値
平均 50km 輸送 0.0123
平均 100km 輸送 0.0245 ◎(保守的)
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※本調査で対象とする両事業では該当しない。
EFCO2_PFC : 補助燃料としてオンサイトで使用される化石燃料の CO2 排出係数 [tCO2/GJ] ※本調査で対象とする両事業では該当しない。
表 7 リファレンス排出量及びプロジェクト排出量算定に用いたパラメータ 項目 SLCF UDE
リファレンス
排出量
国家グリッド排出係数 (tCO2/MWh) 0.735 0.735
プロジェクトで発電されグリッドへ供給される純電力量 (MWh) 35,040 70,080
プロジェクト
排出量
バイオマス投入量 (t/y) 58,000 153,510
バイオマス 1 トン当たりの生産に伴う排出量 (tCO2/t) 0.0269 0.0269
バイオマス 1 トン当たりの輸送に伴う排出量 (tCO2/y) 0.0245 0.0245
バイオマス 1 トン当たりの前処理に伴う排出量 (tCO2/t) 0.0157 0.0157
補助燃料目的でオンサイトで使用する化石燃料に伴う排出量(t/y) 0 0
3) 削減量の算定
以上の結果を下式に代入して得られる SLCF 社・Buttala プロジェクト及び UDE 社のそれぞれの推定排
出量は 25,563 tCO2/y、及び 39,179 tCO2/y となった。
ERy = REy – PEy 表 8. 排出削減推定量
ERy: y 年の排出削減量[tCO2/y] REy: y 年のリファレンス排出量[tCO2/y] PEy: y 年のプロジェクト排出量[tCO2/y]
(2)JCM プロジェクト設計書(PDD)の作成に関する調査
PDD の作成にあたっては事業主体である SLCF 関係者から、事業サイト、バイオマス調達計画、採用技
術、モニタリング計画、環境影響評価、ステークホルダーとの折衝などに関するヒアリングを通じて情報収集
を行った。ヒアリング結果は以下の通りである。なお、UDE 社は事業が当初計画から遅延していることもあり、
PDD を作成できるだけの熟度に至っておらず、現状において PDD 作成に至っていない。
適用技術
バイオマス・ボイラー(23t~46t)、スチーム・タービン、ギア、発電機、復水式コンデンサ、空冷式冷却装置、
脱気機、燃料供給設備、送風設備、給水設備、供給水処理設備、排ガス処理設備、排水処理施設などか
ら構成される発電容量 5.7MW の木質バイオマス・発電施設・設備一式。EPC 候補として Thermax
Instrument 社、または DP Cleantech 社の 2 社に絞り込みを行っており、今後、 終調整を行う予定。JCM
登録申請に際しては、タービン、発電機で日系製造会社の製品購入を行う。
モニタリング計画
本調査の実施を通じてエックス都市研究所が提案する方法論に基づくモニタリングを実施すべく体制を
構築する。モニタリング・ポイントは下記の図に示す通りとし、各モニタリング・ポイントにて積算電力計、流
量計、計量器、または各種書式・台帳などを利用し、パラメーターの測定を行う。
なお、測定機器を使用する場合には、ホスト国内認証機関による校正がなされていること、誤差が制度で
定められる範囲内(排出削減量の 5%以内)であることを条件とする。モニタリング項目及び方法を下表に示
項目 SLCF UDE
リファレンス排出量(tCO2/y) 29,455 49,480プロジェクト排出量(tCO2/y) 3,892 10,301排出削減量(tCO2/y) 25,563 39,179
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す。なお、モニタリング実施体制は下記②に記載する通りとし、またモニタリング頻度、担当者などについて
も協議を行った。
表 9 モニタリング項目とモニタリング方法
モニタリング項目 モニタリングポイント 測定方法 仕様 備考
1 売電量 EL1 積算電力計 測定単位
0.1kWh
CEB 認可・標準電力積
算計(校正済)を新設
2 施設内電力消費量
※純売電量の単独計測ができない
場合
EL2 積算電力計 測定単位
0.1kWh
CEB 認可・標準電力積
算計(校正済)を新設
3 化石燃料消費量 FF 流量計 測定単位
0.1L
-
4 バイオマス購入量 Qbio 重量計 測定単位
0.5 ㎏
-
環境影響評価
中央環境局の公認環境コンサルタントによる報告書に基づき、同局が当該事業の実施に伴う環境配慮
項目に関する指示書を発行、順守すべき環境基準(主に公害規制値)に関して 29 項目に亘る詳細な指示
を受けており、原則、同指示書に記載される環境基準に合致する施設建設・設備導入、並びに事業運営
を行う予定である。
ステークホルダーとの協議
SLCF は、Buttala バイオマス発電事業の実施を前提に利害関係者間による協議会を 2009 年 1 月、2013
年 7 月の 2 度に亘り開催している。地方行政府を含む政府関係者からは、「同地区には環境影響評価の実
施対象となる遺跡・文化遺産の所在は確認されない」などと言った主に発電所建設予定地に対する政府の
規制などに関するコメントが、地域住民からは、バイオマス搬入時の周辺住民への配慮を要求、周辺住民
が享受できるであろう便益(雇用、バイオマス販売により期待できる収益など)に関する説明依頼などがあり、
事業者にて対応したとのことであった。
(3)プロジェクト実現に向けた調査
①プロジェクト計画
SLCF 社は開発銀行を含む複数の金融機関とプロジェクトへの融資に関する協議を継続しており、金融
機関が要求する「自社、または関連会社によるバイオマス調達率 100%を実現し得る体制構築」を実現しつ
つある。このことから「早晩、金融機関から融資承認を取りつける見通し」(同社・社長)との連絡を受けてい
る。また UDE 社については、ORIX 社の現地法人である LOLC 社の傘下にあり、潤沢な資金を保有してい
る。LOLC 社は自己資金に加え、国際金融機関、CSR に注力するグローバル企業が有する環境系のファ
ンドからの借入なども視野に、協議を継続している模様である。⑦に記載する今後の課題への対応次第で
はあるが、2014 年後半にも事業化に向け、業者との契約締結など具体的な行動を起こす可能性が高いと
思われる。二国間クレジット制度の活用については、特に事業資金の 60%を市中金融機関からの調達する
計画の SLCF が、通常の状況下での事業性がさほど高くない中で、二国間クレジット制度の活用により、事
業性を大きく改善させることができる上、工期遅れ、機器の不具合の発生などリスクを低減できることからも
参加への強い意向を表明してきている。
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②MRV 体制
本調査にて事業化調査対象とする 2 事業はいずれも事業化準備の 終段階にあるが、現時点で発電
所運営・管理に必要となる人員配置計画案は立案しているものの、人員配置案に基づく人員の雇用は行
っていない。従って想定される MRV 体制については、事業者に対して二国間クレジット制度の詳細を説明
の上、制度が要求する MRV を実施するための体制につき意見交換を行っている。結果、本調査提案書に
記載する体制がもっとも現実的であろうとの結論に至った。
なお、昨年度の環境省委託事業でも多大なご支援を頂いたスリランカ標準局・局長から「二国間クレジ
ット制度に係る交渉が進捗するようであれば、同局にて ISO14060 台の認証を受け、合同委員会が指定す
る第三者検証機関として参画したい強い意向を有する」とのコメントを頂いている。
また MRV に関する現地事業者との協議には(一財)日本品質保証機構・山本次長に現地調査にご参加
頂き、現地関係者への制度の説明を含め詳細にわたるご説明を頂いている。
③プロジェクト許認可取得
プロジェクト実施に際して必要となる許認可、並びに許認可詳細は以下の通りである。
許認可 SLCF UDE
1) SEA 仮承認(Provisional Approval) 2014-01-05
2) CEB 買電意思確認書(Letter of Intent) 2011-05-11 2013-10
3) CEA 環境保護指示書 2013-04-01
4) CEA 環境保護許可証
(Environmental Protection License)
未(操業 3 か月前まで
に取得)
未(操業 3 か月前まで
に取得)
5) PUC 発電許可証(Power Generation License) 2014-04 未
6) SEA エネルギー・パーミット(Energy Permit) 2012-06-09 未
7) CEB 売買電契約書(Standard Power Purchase
Agreement=SPPA)
2014-04 未
8) BOI 奨励事業承認取得 任意 任意
上記許認可中、投資奨励局(BOI)からの奨励事業承認取得は再生可能エネルギー事業を実施する上
で必須ではないが、資本材輸入関税の免除、法人税の 大 12 年間の免除などの恩典が付与されることか
取締役会 経理部門
エンジニアリング部門 購買部門
プロジェクト責任者 QA/QC(確証照合)
管理部門
クロス・チェック
第三者検証機関等
報告書作成
記録提出
モニタリング所管部門 II
+バイオマス購入・調達管理・
記録作成・保管
有効化審査・検証 モニタリング所管部門 I
+売電記録作成・保管
+電力・補助燃料消費量記録・保管
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ら取得することを前提に事業化を検討すべきである。
④日本の貢献
本調査では現地事業関係者、協力者からの事情聴取に基づき、ホスト国における二国間クレジット制度
により日本が貢献する可能性のある技術について検討した。バイオマス発電所を構成する施設・設備から
日系製造メーカーが優位性を有する可能性のある製品として、ホスト国を含むアジア地域での導入実績か
ら、タービン、発電機を選定し、これらを製造、または外注も含めて供給できる日系製造会社6社を選出し、
聴き取り調査に基づく技術評価を行った(6 社中 2 社からの見積書、及び仕様書を入手)。その結果、本調
査を通じて提案する方法論における適格性要件ではタービンへの入力エネルギーの利用率(発電効率)
>25%の製品を導入することとした。聴き取り調査の概要は以下の通りである。
インドに本社を置く EPC 並びにボイラー製造会社(Thermax 社)の認識では南アジア地区において、
Thriveni、MAXWATT、SIEMENCE社などインドに拠点を有する3社でかなりの市場を占有している。
プラントメーカー、専門家への聴き取りにより、ボイラーに関しては技術的な差異が生じにくい技術であ
る反面、タービン、発電機については、メーカーにより効率、耐久性、信頼性について技術的な差異
が生じ、日系製造会社の貢献の余地が十分にあることが判明した。
本調査で見積書、並びに仕様書を提供頂いた 2 社については、上記顧客から多大な信頼を得ている
ことが判明した。
6 社中、見積もり、仕様を頂けなかった製造会社中、本調査で対象とする 10MW クラスより少し大きい
「20MW 以上の設備で国際的な優位性を有する」と回答してきた企業もあり、他国・地域でのバイオマ
ス発電事業では優位性を示せる可能性調査が今後の課題である。
⑤環境十全性の確保
ホスト国は環境保全の基本法となる国家環境法(National Environment Act)を 1980 年に制定しており、
ホスト国内における諸活動は同法にて規定する行動規定、環境基準を遵守せねばならない。対象事業の
実施に際しては、同法を理解した上で、中央環境局、または地方事務所に対して事業実施に伴う環境簡
易 評 価 申 請 を 行 い 、 係 官 が 評 価 の 結 果 を ま と め 作 成 す る 環 境 推 奨 指 示 書 ( Environmental
Recommendation)に示される環境基準に合致する仕様の施設・設備の建設、導入を行わねばならない。
対象事業にては既に簡易審査を終え、環境推奨指示書を入手しており、同に記載される基準に合致する
仕様の施設設計、設備導入を行うことで環境十全性を担保する予定である。なお、事業は環境影響アセス
メント実施対象外と認定されており、指示書に記載される環境基準はホスト国で一般的に適用されている基
準となっている。
⑥ホスト国の持続可能な開発への寄与
スリランカ政府は 2020 年までにグリッド電力供給量の 20%を再生可能エネルギー起源の電力で供給す
ることを目標に掲げているが、その実現のための課題も多く、本 JCM 事業の推進は、同目標の達成に貢献
する。さらにスリランカ政府は荒廃地・未利用地と規定する土地をバイオマス供給地として利用する予定で
あり、それら栽培・収集地に経済的価値を付与するばかりではなく、土壌改善などの効果も期待できる。今
後、荒廃地・未利用地が多い南部、内戦被災地を含む東部・北部地域で同様の事業が展開すると、これら
の地域で栽培・収集に従事する地域住民などに対する被雇用機会を創出するなどホスト国における持続
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可能な開発への貢献が期待できる。
<本 JCM 事業の推進によるホスト国への持続可能な開発への貢献> 再生可能エネルギー導入目標への貢献
化石燃料輸入により極めて逼迫している国家財政の健全化
バイオマス供給地域における新たな収益源の創出、雇用機会創出
地域間経済格差の是正
内戦被災地における避難民の再定住促進への貢献
バイオマス栽培による環境改善効果
木質バイオマス(樹木)植林数の増加による緑化、土地劣化防止
マメ科のグリシディア栽培による土壌改良
化石燃料代替による大気汚染(窒素酸化物、硫黄酸化物排出量の低減)
⑦今後の予定及び課題
潜在投資家である(株)大林組としては、スリランカにおけるバイオマス発電事業として十分な可能性があ
ることを確認できたが、一方で、①二国間協定の締結が未だできていないこと、②カントリーリスクに対する
対策(政府保証等)について調査・検討が必要なこと、③ファイナンスにおける高金利や為替リスクへの対
策検討が不十分であること、④日系企業として信頼できるレベルの発電プラント建設への具体案が必要で
あること、等、二国間クレジットスキームを利用する事業実現に向けて、さらに調査・検討しなければならな
い要素も確認された。これらの調査・検討結果次第では、様々な面で魅力ある事業に繋がる可能性が高い
と考えられるため、引き続き、二国間合意の進展状況を見守りつつ、より詳細な事業可能性検討を積極的
に実施していく予定である。
(SLCF 社の Buttala 事業は、EPC の 終選定段階に入っており、EPC 候補との間で詳細協議が終了次
第、直ぐにでも着工したい意向であるが、スリランカ政府による 2013 年度の固定買取価格の公表が遅れた
ことに起因する CEB との売電契約の遅れが生じている。UDE も当初、同様の意向を有していたが、2013
年 10 月に予定していた SLSEA からの仮承認取得が遅れており、1 月 8 日を締切日としてホスト国・国内で
公募を行っていた EPC による事業提案書の締切日を無期限延長している状況であり、両社共に着工が
2014 年の中ごろ以降にずれ込む可能性がある。)
【添付資料】 収集データ
III-1 適格性要件の設定根拠資料 III-2 リファレンス排出量の設定根拠資料 III-3 その他収集データ