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Oracle White Paper—Oracle SOA Suite 11g Oracle SOA Suite 11g

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Oracle White Paper—Oracle SOA Suite 11g

Oracle SOA Suite 11g

Oracle White Paper—Oracle SOA Suite 11g

Oracle SOA Suite 11g - 市場をリードするSOA プラットフォーム........................................ 3

SOA での Oracle SOA Suite 11g の提供について .............................................................. 6

Service Component Architecture(SCA) .................................................................... 6

統合された設計時環境................................................................................................... 8

統合された実行時環境................................................................................................... 9

集約された管理と監視................................................................................................. 10

Oracle SOA Suite の詳細 ...................................................................................................11

Oracle JDeveloper ........................................................................................................11

Oracle BPEL Process Manager................................................................................... 12

Oracle Service Bus...................................................................................................... 13

Oracle Complex Event Processing.............................................................................. 14

Oracle Business Rules ................................................................................................ 15

Oracle Web Services Manager.................................................................................... 16

Oracle Enterprise Repository / Oracle Service Registry ............................................. 17

Oracle Business Activity Monitoring ............................................................................ 18

Oracle Business-to-Business 統合 .............................................................................. 19

まとめと今後について ...................................................................................................... 19

追加情報 ...................................................................................................................... 20

Oracle White Paper—Oracle SOA Suite 11g

Oracle SOA Suite 11g - 市場をリードするSOAプラットフォーム

Oracle SOA Suite 11gはOracle Fusion Middlewareファミリーの主要製品であり、完全かつオープン

で、相互運用性がある、ベスト・オブ・ブリードのミドルウェア・プラットフォームを提供します。

このホワイト・ペーパーでは、Oracle SOA Suite 11gのツールや機能に着目し、これらがどのように

連携して包括的なSOAソリューションを提供するのかを解説します。

Oracle SOA Suite 11gは、完全、オープン、統合、そしてベスト・オブ・ブリードという 4 つの主要

な特性において、そのほかの競合製品と比べて大きく差別化されています。こうした差別化を実現

した以下の特徴により、Oracle SOA Suite 11gは、次世代型のSOA機能を提供します。

• ビジネス・ユーザーと開発者が連携してビジネス・アプリケーションを開発するための、統合的

かつ宣言的なツールセット。

• 人材、システム、およびドキュメントをプロセスに統合し、リアルタイムでの監視や最適化を実

現する、統合サービス・インフラストラクチャとビジネス・プロセス・プラットフォーム。

• ビジネス環境やIT環境の変更に迅速かつ容易に適応させるための、最新のWebアプリケーション

でも簡単に利用可能な、サービス対応型の 100%標準プラットフォーム。

• ライフ・サイクル全体で、デプロイ、再利用、および管理されている、サービス、プロセス、お

よびそのほかのSOAアーチファクトを統制するための高い可視性、制御機能、および分析能力。

注:このホワイト・ペーパーでは、Oracle SOA Suite 11gの包括的な概要を紹介します。11gの最新

機能や 10g Releaseからの変更点を知りたい場合は、『Oracle SOA Suite 11gの新機能』ホワイト・

ペーパーを参照してください。

完全性

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Oracle White Paper—Oracle SOA Suite 11g

Oracle SOA Suite 11gは、堅牢で、機敏性および信頼性の高いSOAソリューションを提供するため

に必要な機能をすべて網羅しています。次に示すのは、主要な分野における同スイート製品の機能

の一部です。

サービス プロセス セキュリティ

• 仮想化 • オーケストレーション • メッセージ・レベル暗号化

• 品質保証契約 • トランザクション/補正 • フィールド・レベル暗号化

• メッセージング・ルーティング • BPEL、BPM、BPMN • 基本認証

• メッセージ変換 • Oracle Business Rules • SAML

• メッセージ暗号化 • ヒューマン・ワークフロー • ファイングレイン認可

• システム統合 • ID管理

管理と監視 100%標準対応 開発

• 統合管理 • WS* • Java

• 資産および影響分析 • WSDL • SCA標準アセンブリ

• 再利用とROIメトリック • XML /XPath / XQuery / XSLT • BPEL、BPM、BPMN

• アーキテクチャに関する標準と実施 • Service Component Architecture • HTML / XML / WSDL

• レポートとダッシュボード • UDDI • ユニット・テスト

• メタデータ • WSIBP

デプロイメント 統合 イベント指向

• Service Component Architecture

(デプロイメント)

• JCAアダプタ • 複雑なイベントの認識

• Webサービス • Complex Event Query Language

(CQL) • アプリケーション • HTTP/HTML

• サーバー • 宣言 • ERP

• ストリーミング • カスタム

これらの機能をすべて活用することで、企業レベルの完全なソリューションを構築できます。異な

るベンダーの製品をつなぎ合わせて企業ソリューションを構築する代わりに、Oracle SOA Suite 11gは、SOAに対するニーズのすべてを満たす統合製品スイートを提供します。

統合性

大手プラットフォーム・ベンダーの中でも、オラクルはもっとも効果的に製品やプラットフォーム

を統合しており、導入したテクノロジーを合理化された単一のアーキテクチャへ迅速に組み込んで

います。統合することで、単一の設計時エクスペリエンス、単一の実行時インフラストラクチャ、

およびエンド・ツー・エンドの監視を実現し、SOAの分散的な実装を簡単に構築、運用、および監

視できるようになります。

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Oracle White Paper—Oracle SOA Suite 11g

Oracle SOA Suite 11gは、スイート自体のツールや機能だけでなく、外部システムやアプリケーショ

ンで統合できます。これにより、ユーザーが異機種環境における企業ソリューションを構築できる

統合プラットフォームを実現します。また、統合SOAプラットフォームには、オラクルで開発され

たコンポーネントと買収した企業のコンポーネントの両方が含まれます。ツールの面では、オラク

ルは、統一された単一のOracle JDeveloper IDEによって設計、分析、および開発ツールを数多く提

供できます。

ホット・プラガブル

オラクルは、企業がすでに広範なインフラストラクチャ・テクノロジーに対して投資していること

を認識しています。それを踏まえて、サード・パーティのミドルウェアに対するホット・プラガブ

ル機能のサポートを提供しています。大手プラットフォーム・ベンダーとしては、唯一の取組みで

す。これにより、Oracle SOA Suiteは、たとえば相互運用性をもつだけでなく、ほかのベンダーのミ

ドルウェア上でネイティブに稼働することができます。ミドルウェアには、商用およびオープンソー

スの異機種アプリケーション・サーバー、メッセージ指向型ミドルウェア、ID管理ソリューション、

ルール・エンジンなどが含まれます。オラクルのユーザーにとっては当然のことかもしれませんが、

SOAベンダーのソリューションがアプリケーション間をつなぐミドルウェアを必要とする場合は、

確実に実装面で何か問題があると考えてよいでしょう。

このほか、オラクルは過去 10 年間で登場した関連標準規格のほぼすべてにおいてリーダーとして積

極的に参加しており、11g Releaseのあとも継続して推進していきます。取組みには、WS*標準への

新規および拡張サポート、Service Component Architecture(SCA)、新しいID管理標準、WSRP 2.0への対応、BPMNおよびBPEL4Peopleが含まれます。

ベスト・オブ・ブリード

コンポーネントの統合や、オープンで相互運用性の高い実装の維持に重点を置いても、オラクルの

SOAコンポーネントを導入するユーザーは各コンポーネントのもつ豊富な機能を諦める必要はあり

ません。オラクルは、効果的な買収戦略とワールド・クラスの技術組織を組み合わせることで、そ

れぞれのツールや製品がベスト・オブ・ブリードであるという保証を提供し続けます。買収によっ

て内部開発を補完することで、オラクルは、優れたSOAプラットフォームの構築において他社を大

きく突き放し、市場にある個別コンポーネントでもっとも強力な製品を顧客に提供できるようにな

りました。

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Oracle White Paper—Oracle SOA Suite 11g

これにより、オラクルのSOAプラットフォームは、アダプタ、B2B、サービス・バス、サービス・

オーケストレーション、セキュリティおよび管理、ビジネス・アクティビティの監視、複合イベン

ト処理、およびSOAガバナンスの各コンポーネント分野で市場をリードする機能を提供できるので

す。これらの各コンポーネントは、それ自体を使用することが可能であるとともに、高い競争力を

もちます。このような方法で、オラクルは、各コンポーネントでリーダーシップを維持し、個別で

の活用をサポートしながら、ユーザーが複数のコンポーネントを活用したい場合でも付加価値を得

られるよう、統合インフラストラクチャでのプラグイン対応をおこなっています。

たとえば、Oracle SOA Suiteは、市場をリードするアプリケーションとデータベースの接続性に加え、

現在の市場でもっとも高い堅牢性をもつアダプタ・セットを保有しています。オラクルは、アプリ

ケーションとミドルウェアの両分野をリードする唯一のベンダーです。これにより、企業アプリケー

ションの統合やそのほかの統合ユースケースを目的としてOracle SOA Suiteを提供できるという独

自の位置付けを確立しています。さらに、Oracle SOA Suite 11gの初期リリースで、Oracle Fusion Applications(次世代のOralce E-Business Suite、Peoplesoft、Siebelの機能)を同一のソフトウェア

上に構築することで、これらのアプリケーションを個別に活用しながらそのほかのアプリケーショ

ンを含めて統合するなど、さらなる堅牢性を提供します。 SOAでのOracle SOA Suite 11gの提供について

Oracle SOA Suite 11gを活用することで、ユーザーは、ソフトウェアのライフ・サイクル・プロセス

全体を包括的に一覧でき、アプリケーション、サービス、そのほかのインフラストラクチャに関わ

らず、計画から開発、実施そして全IT資産の廃棄まで、必要な機能を利用できます。Oracle SOA Suite 11gは、次の主要な標準、戦略、テクノロジー、およびツールを実装することで、SOAの開発と管理

を簡素化しました。

• Service Component Architecture(SCA)

• 統合された設計時環境

• 統合された実行時環境

• 集約された管理と監視

オラクルのガバナンスおよびサービス・ライフ・サイクル管理コンポーネントと統合することで、

SOAを実現する上で必要なすべての機能を獲得できます。

Service Component Architecture(SCA)

11gの理念の中心には、Service Component Architecture(SCA)標準があります。SCAはOSOAの新標

準で、アセンブリ・モデルとコンポーネント・モデルの両方において、言語に中立な形で複合アプ

リケーションを接続する方法を定義したものです。

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Oracle White Paper—Oracle SOA Suite 11g

SCAは、インテグレーターが文字どおりクリック・アンド・ドラッグによりコンポーネント間の"ワイヤ"をつなぎ合わせることで、異なるシステム間の統合における複雑性を大幅に軽減しました。ま

た、統合期間を削減し、すべてのSOAにおける全体の機敏性にも貢献します。

図 4 は、SCAコンポジットの例を示したものです。各コンポーネントはサービス・インタフェース

を通じてアクセスされ、各サービス・インタフェースからほかのコンポーネントへとバインドされ

ます。ワイヤはすべての接続に使用され、リファレンスは外部のサービスとシステムの接続に使用

されます。

図 4 SCAコンポジットの例

SCAコンポジット内のコンポーネントは、基盤の実装テクノロジーを抽象化したものです。コンポー

ネントとしては、BPELプロセス、メディエータ、ビジネス・ルール、ヒューマン・ワークフロー・

タスク、またはそのほかの実装テクノロジーなどがあります。このため、複合アプリケーションの

設計者は各コンポーネントの実装の詳細を知る必要がなくなり、ビジネス課題を解決するようコン

ポーネントの接続に注力できます。

これらのSCAコンポジットは高いレベルの抽象化に対応しているため、複合アプリケーションの設

計者はドラッグ・アンド・ドロップによりコンポジットを作成し、各コンポーネントのプロパティ

を構成するといった作業をグラフィカルに実施できます(図 5 を参照)。このようなアプローチは、

統合プロセス全体を簡素化し、論理的な複合アプリケーションを構成するすべてのパーツを管理可

能な、より柔軟な環境を実現します。さらに、Oracle JDeveloperのSCA Composite Editorを活用するこ

とで、開発者はビジュアル表現とコンポジットのSCAソース間を相互に切り替えることができるよ

うになります。切換えは、いずれのビューでも損失なく実施できます。これは、ネイティブでの保

存とデプロイ形式にSCA標準を採用しているからです。

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Oracle White Paper—Oracle SOA Suite 11g

図 5 Oracle JDeveloperのSCAアセンブリ・モデルの例

SCAは、単なるアセンブリ・モデルではありません。SCAコンポジットもデプロイ可能なユニットで

あり、Oracle SOA Suite 11gの実行時環境で認識されます。これらのデプロイメント・ユニットは、

テストやバージョニングを実施でき(ホット・デプロイメントおよびサイド・バイ・サイド・バー

ジョニングを含む)、特定のデプロイメント環境ではデプロイメントの詳細を定義する既定のJSR-88標準のデプロイメント・プランを適用できます。

統合された設計時環境

Oracle SOA Suite 11gの単一の設計時環境を実現しているツールは、Oracle JDeveloperです。Oracle JDeveloperは、何年もの実績をもち、強化をおこなってきた、設計および開発における完成度の高い、

受賞歴のあるツールです。Oracle JDeveloperは、SCAアセンブリ・モデルを作成するだけではなく、

SCAデプロイメント・モジュール、BPELプロセス、メディエータの構成、ダッシュボード、従来型

のJavaアプリケーション、Webアプリケーションやポータル・アプリケーションなどを作成できます。

Oracle JDeveloperは、Oracle SOA Suite 11gランタイムに統合されており、ユーザーは開発環境へシー

ムレスに作業を配置でき、迅速にユニット・テストを実施できます。

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Oracle White Paper—Oracle SOA Suite 11g

単一で統合された設計時環境を提供することで、サービス設計者、開発者、およびアーキテクトは、

Java、J2EEアプリケーション、およびSOAコンポジットの実装が必要な全コンポーネントに対して、

ビジュアル・モデリング機能を搭載した単一のツールを使用できます。これにより、生産性は大幅

に向上し、設計や開発のニーズを満たす組込み機能の広範なパレットを提供できます。

統合された実行時環境

Oracle SOA Suite 11gでは、業界で実績および受賞歴のあるアプリケーション・サーバーであるOracle WebLogic Server上の稼働がネイティブ・サポートされているだけでなく、そのほかのアプリケーショ

ン・サーバーに対するホット・プラガブル機能もサポートされています。11g Releaseより、オラクル

は、OracleとBEA J2EEおよびSOAテクノロジーを単一のアーキテクチャに統合するという基礎的な

作業を完了しました。また、この単一の実行時環境はOracle SOA Suiteユーザーに、次のようなメリッ

トをもたらします。

パフォーマンスとスケーラビリティ

SOAコンポジットを構成する全コンポーネントに対する統合された実行時環境があることで、大幅

なパフォーマンスおよびスケーラビリティのメリットをもたらします。たとえば、すべてのコンポー

ネントは、同じ正規化メッセージ形式、永続性レイヤー、バイナリXML形式などを共有します。こ

れにより、複数のSOAコンポジット内で論理トランザクションが複数の要素を展開するとき、通信

はすべて効率的に実行でき、境界を越えて 適化されたメッセージ形式とトランザクション性を維

持できます。SOAPなどのプロトコルにおけるパフォーマンスとトランザクションの制限は、自動で

適化されます。

容易なアプリケーション統合

同じランタイムにコンポーネントを統合することで、堅牢かつ信頼性の高い統合を実現します。

各 CPU に対するより多くのデプロイメントの実現

各アプリケーション・サーバーは、デプロイされたハードウェアのリソースを消費します。単一の

実行環境を提供することで、1 つのサーバーに対してより多くのアプリケーションをデプロイでき、

同時にソフトウェア・ライセンスやハードウェアおよび電力コストを削減できます。

より少ないベンダーによる管理

対応するベンダーが少なければ少ないほど、管理も少なくなります。

幅広い業界サポート

単一の実行時環境で、とくにOracle WebLogic Serverのような幅広い業界サポートがある場合、技術

力の高い開発者や運用者を探すことが簡単になります。

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集約された管理と監視

SOAを問題なく管理するには、アプリケーション・サーバーや内在するアプリケーションを視覚的

に確認できることが必要です。また、アプリケーションをオンデマンドで拡張できることも必要と

なります。Oracle Enterprise Manager(OEM)は、こうした機能を使い勝手のよいWebコンソールで

提供します。

図 6 Oracle Enterprise Managerで実行中のBPELプロセス・インスタンスの検証

図 6 は、Oracle Enterprise Managerで実行中のSOA Consoleを示したものです。実行中のサーバー、ア

プリケーション、およびサービス・エンジンを参照することで、SOA内における実行時の問題を簡

単に認識してトラブルシューティングを実行できます。図 6 では、"HelloWorld" BPELプロセスの 2つのインスタンスでシステム障害が発生していることがわかります。特定のプロセス・インスタン

スをクリックすると、Oracle Enterprise Manager SOA ConsoleがBPELプロセスの詳細を表示し、リア

ルタイムで問題をデバッグできます。

Oracle Enterprise Managerは、SOAの可視性を提供するだけではありません。Oracle Web Services Managerと連携させることで、サービスやコンポーネントのセキュリティ・ポリシーを定義し、必要に応じ

て適用することも可能です。これにより、アプリケーション開発とセキュリティ管理を切り離すと

いう、セキュリティ分野での既知のベスト・プラクティスを実現できます。そして、セキュリティ

戦略をアプリケーション開発の外で展開および実装できるようになり、より高い機敏性と柔軟性を

得ることができます。

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Oracle White Paper—Oracle SOA Suite 11g

Oracle SOA Suiteの詳細

Oracle SOA Suiteは、ベスト・オブ・ブリードのコンポーネントを連携させることで、迅速かつ豊富

なSOAソリューションを提供する、 新の標準をベースにゼロから構築した統合パッケージです。

Oracle SOA Suiteは技術インフラストラクチャ(ポリシー管理、プロセス管理、メッセージング、ト

ランザクション管理など)を扱うことで、ユーザーは、低レベルの技術実装の詳細を気にすること

なく、アーキテクチャの開発に注力できます。図 4 は、スイート製品の高レベルのビューと連携方

法を示したものです。

図 4 Oracle SOA Suiteの概要

これらのコンポーネントは、図 5 にあるSOA標準を使用して互いに統合されます。さらに、オラク

ルではいくつかの 適化された転送方法を作成し、主要な統合ポイントの制御を強化しました。次

に、各製品の解説と、それぞれがどのようにOracle SOA Suiteに組み込まれるのかを簡単に紹介します。

コンポーネントのリストは、次のとおりです。

• Oracle JDeveloper • Oracle BPEL Process Manager

• Oracle Service Bus • Oracle Business Process Manager

• Oracle Complex Event Processing • Oracle Mediator

• Oracle Policy Manager • Oracle Adapters

• Metadata Service Repository • Oracle Business Rules

• Oracle Business Activity Monitoring • Oracle User Messaging Service

• Oracle Enterprise Manager • Oracle B2B

Oracle JDeveloper

Oracle JDeveloperは、Oracle SOA Suiteを使用するソフトウェア開発者やアーキテクトに統合開発環境

を提供します。スイートの各製品のための、堅牢かつ集約的な統合されたツールのセットを提供し

ています。この単一のツールは、開発者、アーキテクト、ビジネス・アナリストやそのほかのユーザー

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Oracle White Paper—Oracle SOA Suite 11g

にエンタープライズ・ソフトウェア資産を作成するための標準を提供します。このほか、教育コス

トを削減して生産性も高めます。

図 5 Oracle JDeveloper

Oracle JDeveloperとOracle SOA Suite 11gの新機能として、SCAコンポジットの作成が挙げられます。

コンポジットは、ワイヤで接続された図に似ています。異機種システムを、論理的で標準に準拠し

た方法ですばやく接続できます。

おもな利点

• ほかに類を見ない多様性 - Java Server Faces(JSF)、Enterprise Java Beans(EJB/JPA)、Oracle TopLink、JSP、およびOracle Application Development Frameworkといった、Oracle Fusion Middlewareの中核

を成す製品に対して、可視化された宣言的なツールを提供します。

• 低コスト - Oracle JDeveloperは完全に無料の商用IDEです。そのほかの無料Java IDEで提供されて

いる以上の機能を求める開発者にとって、導入の敷居が下がります。

• サポート - Oracle JDeveloperは、受賞歴のある 24 時間 365 日のカスタマー・サービス運用でサポー

トされており、サポート対象のユーザーは、フレ―ムワークのソースコードを利用できます。

Oracle BPEL Process Manager

Oracle BPEL(Business Process Execution Language)Process Managerは、ビジネス・プロセスを設計お

よび実行するためのツールです。同製品は、クロス・アプリケーションのビジネス・プロセスの作

成、デプロイ、および管理をおこなう包括的かつ標準ベースで使い勝手のよいソリューションを提

供します。自動およびヒューマン・ワークフローの両ステップをサポートし、すべてをサービス指向

アーキテクチャで実現します。BPEL、XML、XSLT、XPATH、JMS、JCA、およびWebサービスといっ

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Oracle White Paper—Oracle SOA Suite 11g

た標準へのネイティブ・サポートにより、プラットフォーム間の真の移植性を実現した、統合ビジ

ネス・プロセスを作成するための理想的なソリューションとなりました。

図 6 Oracle BPELによるプロセス・オーケストレーション

業界標準のサポートを別にしても、Oracle BPEL Process Managerは企業にとって強力な統合ツールで

す。外部システムやプロセスへの接続機能は、さまざまな表示テクノロジーのサポートと組み合わ

せることで、ビジネス・プロセス・ロジックの定義と実装において理想的なツールとなります。

おもな利点

• 使い勝手のよさ - 生産性の高い開発および管理ツールで設計およびデプロイするプロセスは、

InfoWorldのOracle SOA Suiteの紹介記事内で「現在の市場において、もっとも包括的かつ使い勝手

のよい製品である」と賞されました。

• 先端のスケーラビリティ - 独自のOracle Gridテクノロジーを用いて、高可用性および高信頼性

に基づいたミッション・クリティカルなプロセスを実行します。

• ホット・プラガブル - 既存のIT資産を活用し、Oracle BPEL Process ManagerをIBMやJBossなどの

ベンダーのソフトウェアにデプロイできます。

Oracle Service Bus

Oracle Service Bus(OSB)は、軽量で拡張性が高く、信頼性の高いエンタープライズ・サービス・バ

ス(ESB)です。企業間の異機種サービス、レガシー・システム、ERP、およびそのほかのESBイン

スタンスにおいて、相互を接続して仲介し、管理するよう設計されました。これは、単なるメッセー

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Oracle White Paper—Oracle SOA Suite 11g

ジング・エンジンにとどまらない、エンタープライズSOAの資産すべてをつなぎ合わせ、特定のアプリ

ケーションのみならず企業全体に対して標準のインタフェースを提供する、通信の仲介機能です。

図 7 Oracle Service Bus -アーキテクチャ上の位置付け

あらゆるアーキテクチャにおけるOracle Service Busの価値の鍵は、"仲介"という概念にあります。

Oracle Service Busは、メッセージ形式を翻訳および変換し、テクノロジーとセキュリティのスキーム

を統合することで、システム間の疎結合を提供します。分散システムの相互作用を仲介することで、

Oracle Service Busは、SOAで約束された機敏性のほとんどを実現できます。

おもな利点

• 24 時間 365 日のアップタイム - インテリジェントな負荷分散と組込み式の高可用インフラスト

ラクチャにより、厳格なSLAを提供します。

• リソースの 適化 - 短い待機時間で、高容量のワークロード時にも、既存サーバーのリソースを

大限に活用してコストを 小化します。

• 容易な管理性 - 任意の時点の構成に、即時に復旧します。また、100%Webベースの環境により、

場所を問わない常時アクセスを提供します。

Oracle Complex Event Processing

Oracle Complex Event Processing(Oracle CEP)は、ビジネス運用の効率性を向上させるイベント・プ

ロセス・アプリケーションを開発するための、豊富で宣言的な環境を提供します。Oracle CEPは、複

数のイベント・ストリームを処理することでリアルタイムにパターンと傾向を検知するほか、Oracle Business Activity Monitoring(Oracle BAM)を介して必要な可視性を提供し、新たなビジネス・チャ

ンスを利用したり、開発リスクを軽減したりできます。

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Oracle White Paper—Oracle SOA Suite 11g

図 8 Oracle Complex Event ProcessingとOracle BAM

企業は近年、さまざまなイベントを急速に生成しています。単純なイベント・プロセッサとは異な

り、Oracle CEPは複数のイベント・ストリームを参照して、企業にとって重要な傾向を検索するよう

設計されています。指定された時間内に何百もの個別のイベントの傾向を認識できるだけでなく、

発生するはずが発生しなかったイベントなど、失われたイベントも検知できます。企業において、

以前は"情報のノイズ"でしかなかったものに意味をもたせる強力なツールです。

おもな利点

• リアルタイムのパターン・マッチ - 複雑なイベント・パターンを定義および認識し、 新のビジ

ネス傾向を早期に認識します。

• 高いスケーラビリティ - 毎秒何十万ものイベントを処理します。

• ホット・プラガブル - 異機種システム・ソース間でイベントを分析し、Oracle SOA Suiteまたはそ

のほかのベンダーのソフトウェアへ、可視化または自動レスポンスとして出力を送信します。

• 業界リーダー - Waters Rankingにより、業界で第 1 位の複合イベント処理のソリューション・プロ

バイダに選ばれました。

Oracle Business Rules

Oracle Business Rulesは、ビジネス・アナリストや非開発者がプログラミングすることなく簡単にビ

ジネス・ロジックを定義および修正できるようにすることで、プロセスおよびアプリケーションの

柔軟性をより高めます。統合されたOracle JDeveloperの設計プラットフォームを活用して、関連プロ

セスまたはアプリケーションの外にビジネス・ルールを維持することで、Oracle Business Rulesは、

高速で簡単なルールの修正を実現し、関連する再デプロイメントのコストを削減します。

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Oracle White Paper—Oracle SOA Suite 11g

図 9 Oracle Business Rules

おもな利点

• 高パフォーマンス - 軽量で高パフォーマンスのルール・エンジンを使用して、高速にルールを評

価します。

• SOAへの 適化 - Java、XML、およびOracle SOA Suiteテクノロジーとの強力な統合により、これ

らの環境におけるビジネス・ルールの使用をシームレスに実現します。

• 拡張性 - オープン・アーキテクチャにより、あらゆるインタフェースに対応する、カスタマイズ・

ルールのオーサリング・ツールを利用できます。

Oracle Web Services Manager

Oracle Web Services Manager(OWSM)は、SOAの相互作用を管理する集中型ポリシー管理を提供し

ます。多くの企業は、共有サービスを再利用することでビジネスの機敏性が向上することを期待して、

サービス指向アーキテクチャ(SOA)を実装しています。しかし、企業内で再利用がおこなわれる

ようになると、サービスによる消費の管理が重要な課題となり、簡単に制御不能となる可能性があ

ります。Oracle Web Services Managerは、セキュリティと運用ポリシーの管理と実施を通じて共有サー

ビスの相互作用を制御することで、サービスの再利用を管理するソリューションを提供します。

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Oracle White Paper—Oracle SOA Suite 11g

Oracle SOA Suite 11g Releaseより、Oracle Web Services Managerはスイートにコンポーネントとして組

み込まれました。各Oracle SOA Suite 11gドメインには同コンポーネントがデフォルトで組み込まれ

ており、Webサービスの管理を促進します。

おもな利点

• 信頼性の確立 - 新規または既存のアプリケーションおよびサービスの上にセキュリティおよび

運用ポリシーを構築します。

• コンシューマ管理の自動化 - コンシューマとプロバイダ間の契約を自動で実施し、ビジネス提携

を維持します。

• サービス・レベルの保証 - ダッシュボードを使用して実行されるポリシーを監視し、サービス・

レベルを保証して潜在的な問題を回避します。

• コンプライアンス・リスクの 小化 - ポリシーの作成および管理を集約して、どこにでも適用で

きるようにします。

Oracle Enterprise Repository / Oracle Service Registry

Oracle SOA Suite 11g製品ファミリーではありませんが、Oracle Enterprise Repository/Service Registry(OERR)は、SOAガバナンスにおいて重要な役割を果たします。Oracle SOA Suite 11gは、これらの

ガバナンス・ツールと統合するよう設計されています。Oracle Enterprise Repository/Service Registryは、

Oracle SOAガバナンス・ソリューションの中核部分をなします。Oracle Enterprise Repositoryは、業界

をリードするメタデータ・リポジトリとして、SOA資産やその依存物の周辺情報の単一ソースとし

て動作することにより、サービス指向アーキテクチャ(SOA)のライフ・サイクルを通じてガバナ

ンスを提供する確固たる基盤を提供します。UDDIに準拠したサービス・レジストリとエンタープラ

イズ・リポジトリを組み合わせることで、サービス・コンシューマ、プロデューサ、プロバイダ、

およびそのほかのガバナンス・ツール間におけるメタデータおよびサービス情報の自動交換を実施

する共通の通信チャネルを提供します。同製品は、可視性、フィードバック、制御、および分析を

実現することで、SOAがビジネス価値を提供できるよう運用します。自動化への注力は、ライフ・

サイクルを通したSOAの適用とガバナンスの効率化に関する障害を克服する力となりました。

おもな利点

• 包括的な可視性 - 計画と開発の資産を含む、全SOAエコシステムとその依存物を可視化します。

• 柔軟なメタモデル - 標準のタクソノミーとサンプルを使用できるほか、ビジネス・ニーズに適合

するようメタモデルを簡単にカスタマイズできます。

• 自動化の拡張 - 資産およびライフ・サイクル・ワークフローを自動化して、リスクの軽減と実装

の向上を実現します。

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Oracle White Paper—Oracle SOA Suite 11g

• アーキテクチャの調整 - 慣例的な再利用機能とアーキテクチャ的なコンプライアンス・レポート

を通じて、SOAの運用をサポートします。依存性の追跡により、もっとも複雑な環境も可視化で

きます。

• 試算可能なROI - 主要なメトリックを取得およびレポートすることで、SOAの投資収益率(ROI)を可視化します。

Oracle Business Activity Monitoring

Oracle Business Activity Monitoring(Oracle BAM)は、ビジネス・プロセスとサービスを監視するた

めの、インタラクティブでリアルタイムのダッシュボードやプロアクティブな(事前予防型の)ア

ラートを構築する完全なソリューションです。Oracle BAMは、経営者や運用マネージャーが、ビジ

ネス環境の変更時に、より優れたビジネス上の意思決定をおこない、修正アクションを起こせるよ

う、必要な情報を提供します。

図 10 Oracle Business Activity Monitoring

おもな利点

• 運用の効率化 - プッシュ・ベースのダッシュボードとアラートを使って、クリティカルなビジネ

ス・プロセスにリアルタイムの可視性を導入します。アニメーション化された可視性は、データ・

アクセスの直後にKPIをアップデートするイベント駆動型アーキテクチャによって実現されます。

• 生産性の向上 - コードを書くことなく、ダッシュボード、アラート、およびレポートを構築およ

びカスタマイズできます。

• 柔軟な統合 - 既存のSOA、BPM、およびEDAの投資のほか、データベース、JMSサーバー、およ

びWebサービスといったサード・パーティのインフラストラクチャに可視性を提供します。

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Oracle White Paper—Oracle SOA Suite 11g

そのほかのOracle製品の中でも、とくにOracle SOA Suite、Oracle BPM Suite、およびOracle Business Intelligenceに対しては、統合のための事前構築を提供します。

図 11 Oracle BAM is used to monitor a wide variety of inputs

Oracle Business-to-Business 統合

Oracle Business-to-Business(Oracle B2B)統合により、パートナーとの連携や自動化プロセスをすば

やく構築できます。今日の競争的かつ界規制の強化が進む環境の中で、ビジネス・パートナーとの

緊密な連携は競争上の優位性になります。Oracle Fusion Middlewareは、RossettaNet、Electronic Data Interchange(EDI)、Applicability Statement 2(AS2)、UCCnetを含む業界標準プロトコルを採用し、

ビジネス・パートナーとのオンライン連携と自動化プロセスを迅速に構築する、単一の統合ソリュー

ションを提供します。加えて、Oracle Fusion Middlewareは、Wal-Mart、Cisco、Intelといった業界の中

核的な企業に対する標準での接続性を提供しています。

まとめと今後について

Oracle SOA Suite 11gは、今日の市場において唯一の完全かつ統合され、ホット・プラガブルな、ベ

スト・オブ・ブリードのSOAツールセットです。また、アーキテクトや開発者が、今日のビジネス

速度に対応できるようサポートする、次世代のSOAツールとプラットフォームとなります。業界標

準、 新の統合パラダイム、および優れたツールを組み合わせることで、SOAが約束する機敏性や、

コストと時間の削減、そしてより優れた改革を企業に提供できます。世界のソフトウェア・リーダー

であるオラクルのサポートにより、SOAソリューションにおいて、世界基準の品質とサポートを継

続的に受けることができます。

次のステップは、Oracle SOA Suiteをダウンロードして、テスト運用することです。次世代のSOAツー

ルやテクノロジーを実際に体験してみてください。Oracle SOA Suiteの各コンポーネントの追加情報

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Oracle White Paper—Oracle SOA Suite 11g

については、次のリンク先の一覧から参照できます。

追加情報

全般

OracleのWebサイト http://www.oracle.com

Oracle SOA Suite 11gのWebサイト http://www.oracle.com/technologies/soa/soa-suite.html

Oracle Fusion Middleware http://www.oracle.com/products/middleware/index.html

Oracle Technology Network http://www.oracle.com/technology/index.html

Oracle Blogs http://blogs.oracle.com

製品

Oracle Adapters http://www.oracle.com/technologies/integration/appint.html

Oracle B2B http://www.oracle.com/technologies/integration/b2b.html

Oracle BPEL Process Manager http://www.oracle.com/appserver/bpel_home.html

Oracle Business Activity Monitoring

http://www.oracle.com/appserver/business-activity-monitoring.html

Oracle Business Rules http://www.oracle.com/appserver/rules.html

Oracle Complex Event Processing

http://www.oracle.com/technologies/soa/complex-event-processing.html

Oracle Enterprise Manager http://www.oracle.com/enterprise_manager/index.html

Oracle Enterprise Repository http://www.oracle.com/technologies/soa/enterprise-repository.html

Oracle Service Registry http://www.oracle.com/technologies/soa/service-registry.html

Oracle Service Bus http://www.oracle.com/technologies/soa/service-bus.html

Oracle WebLogic Server http://www.oracle.com/appserver/weblogic/weblogic-suite.html

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Oracle White Paper—Oracle SOA Suite 11g

テクノロジー

Oracle SOA http://www.oracle.com/technologies/soa/index.html

Oracle Policy Management http://www.oracle.com/appserver/web-services-manager.html

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ホワイトペーパー – Oracle SOA Suite 11g 2009 年 1 月 著者:Jeff Davies Copyright © 2009, Oracle and/or its affiliates.All rights reserved. 本文書は情報提供のみを目的として提供されており、ここに記載される内容は予告なく変更されることがあ

ります。本文書は一切間違いがないことを保証するものではなく、さらに、口述による明示または法律によ

る黙示を問わず、特定の目的に対する商品性もしくは適合性についての黙示的な保証を含み、いかなる他の

保証や条件も提供するものではありません。オラクル社は本文書に関するいかなる法的責任も明確に否認

し、本文書によって直接的または間接的に確立される契約義務はないものとします。本文書はオラクル社の

書面による許可を前もって得ることなく、いかなる目的のためにも、電子または印刷を含むいかなる形式や

手段によっても再作成または送信することはできません。

Oracle Corporation World Headquarters 500 Oracle Parkway Redwood Shores, CA 94065 U.S.A. 海外からのお問い合わせ窓口: 電話:+1.650.506.7000 Oracleは米国Oracle Corporationおよびその子会社、関連会社の登録商標です。その他の名称はそれぞれの会

社の商標です。 ファクシミリ:+1.650.506.7200 oracle.com

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