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OSS推進フォーラム in あおもり 基調講演 OSSの最新動向と 日本OSS推進フォーラムの取り組み OSSの最新動向と 日本OSS推進フォーラムの取り組み 2005年9月22日 神戸情報大学院大学 講師 NTTデータ先端技術(株) 三浦 広志

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OSS推進フォーラム in あおもり 基調講演

OSSの最新動向と  日本OSS推進フォーラムの取り組み

OSSの最新動向と  日本OSS推進フォーラムの取り組み

2005年9月22日

神戸情報大学院大学 講師

NTTデータ先端技術(株)

三浦 広志

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Who am I ?

山形生まれの35歳

1995年よりLinuxの開発を行っているLinuxの開発者

OSSコミュニティの推進者

NTTデータのOSS推進組織の立ち上げを担当

日本OSS推進フォーラム

― 座長の黒子

― ほぼすべての作業グループの委員

― 標準化WG,政府調達SWGの主査

神戸情報大学院大学でオペレーティングシステムを担当

早稲田大学でOSS概論を担当

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アジェンダ

OSS誕生の背景

OSSの普及状況

取り組みのねらい

最新のOSS普及動向

諸外国の動向

政府・自治体の動向

日本OSS推進フォーラムの活動

まとめ

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アジェンダ

OSS誕生の背景

OSSの普及状況

取り組みのねらい

最新のOSS普及動向

諸外国の動向

政府・自治体の動向

日本OSS推進フォーラムの活動

まとめ

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オープン化の流れ

レガシーシステムからオープンシステムへ

メインフレームに代表される統合されたシステム

公開標準に基づくUNIXなどのオープンシステム

マルチベンダーの組み合わせでシステムを実現

高度に統合化されたハード・ソフト

モジュール化されたハード・ソフト

オープン化へ

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オープンシステムとオープンソースソフトウエア

相互接続性の維持が「オープンシステム」のポイント

絶対の接続性があるとは言えないことも。

特定製品への収斂による接続性維持への動き

互換性維持の取組みから、ベンダー依存の強まりへ

ユーザ努力の共有化が「オープンソース」のポイント

自社ユース、個人ユースのための改善や利用ノウハウをユーザ間で共有

ソフトウエアユーザ間の協力による互換性の維持

ベンダー非依存への流れ

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OSSとの違い

プロプラエタリシェアウエアフリーウエアOSS種類

ライセンス契約により規定

継続性に問題再配布でライセンスは条件次第

ベンダーリスク

ベンダーが提供・有償

有償

向上策発表、サポートあり

不可

不可

有償

非公開

無保証無保証素早い対応distroサポート

高高中程度

有償無償実費程度

作者サポートサポートなしサポートベンダーが提供・有償

不可(試用可)-自由を保証

不可不可自由を保証

試用除き有償自由な場合もあり

自由

非公開非公開公開

その他

セキュリティ

知的財産リスク

頒布代金

サポート

再配布

改変

複製

ソースコード

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オープンソースソフトウエア紀元前

ラリー・ウォールがPerl言語を開発。後にインターネット上で最も利用されている言語となった1987年

GNU Emacs GPL(一般公有利用許諾契約)が生まれ、後にGNU GPLとなる(フリーソフトウエア・ライセンスの誕生)

1985年

リチャード・ストールマンにより誰もがフリー(自由)に使えるUnix互換のソフトウェアを実現することを目的としたGNUプロジェクトが開始(フリーソフトウエアの発祥) ラリー・ウォールがPatchプログラムを開発し公開。共同開発の基礎となる

1984年

UCBがBSDを配布開始。BSDライセンスの元となる1977年

UCBでINGRESを配布開始。後にPOSTGRESを経てPostgreSQLに1974年

DECUS:DECユーザ協議会、IBMユーザグループSHAREが、テープの回覧によるコードの共有を行う。OSS文化の始まりの一つ

1970年代

ブライアン・カーニハン、デニス・リッチー、ケン・トンプソンの三人によって原型が作られたUNIXが誕生 /Linux作者リーナスが誕生

1969年

出来事年

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オープンソースソフトウエア黎明期

ネットスケープ社がブラウザソフトのソースを公開(現Mozilla)。

その際に初めて「オープンソースソフトウエア」という名称を使用。1998年

大手ハードベンダーがLinux支持を表明し、開発コミュニティへ参加1999年

エリック・レイモンドが論文「伽藍とバザール」を著し、

Linuxの新しい開発モデルの成功を世に知らしめる1997年

デスクトップ環境KDEの開発開始  Windowsと同等の見栄え実現へ1996年

Microsoft Windows 95発売 / Sun Solaris 2.5発売

WebサーバソフトウエアのApacheプロジェクトが開始1995年

Red Hat 創業 / Linux 1.0 リリース / Linux Journal 第1号発刊1994年

Microsoft Windows 3.1発売 / SuSE 創業 / TurboLinux 創業1992年

リーナス・トーバルズによってLinuxが作られ、ネットニュースで発表1991年

出来事年

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ビジネスへのOSS適用拡大

Linuxが普及を牽引 エンタープライズ向けのOSSが普及

ホビー Business企業のてこ入れIBM, Intel, HP, etc

Linux

Mozilla

Apache

BIND

Sendmail

Perl

EnterpriseLinux Tomcat JOnAs

JBoss Apache Struts

PostgreSQL MySQL Zope

OpenLDAP Postfix OpenNMS

Snort PHP

Eclipse JDK

 2000年まで 2001年以降

企業採用が進み

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オープンソースソフトウエア発展期

日本OSS推進フォーラムにOSSの普及促進にむけて、産学官ユーザが集結。 OSSミドルウエア採用が進む。2004年

Linuxの標準規格LSBがISOの国際標準として承認される。日本政府がOSSの政府調達に向けたガイドラインを整備。2005年

Linux 2.6.0リリース 大規模適用可能な機能を持つOSになる。

UFJ銀行がLinuxを採用するなど、OSS利用が定着。

大手ベンダー、SIなどがOSSの対応強化を発表

2003年

Mozilla 1.0リリース イギリス、フランス、ドイツ、フィンランド中国、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチン、ベネズエラなどの政府がLinuxやOSSの採用を発表

2002年

Linux 2.4.0 リリース 現在最も使われているLinuxのベースになる。 OSDLジャパン設立

2001年

オープンソースデベロップメントラボ(OSDL)設立ミラクルリナックス創業

2000年

出来事年

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アジェンダ

OSS誕生の背景

OSSの普及状況

取り組みのねらい

最新のOSS普及動向

諸外国の動向

政府・自治体の動向

日本OSS推進フォーラムの活動

まとめ

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-

100,000

200,000

300,000

400,000

500,000

600,000

700,000

800,000

2003年実績 2004年見込 2005年予測 2006年予測 2007年予測

0.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

25.0%

全サーバー台数

Linux搭載台数

Linux搭載比率

Linux搭載サーバ出荷台数の推移

【出展:矢野経済研究所20050210】

6.8万台

14%

20%

14.2万台

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OSS導入状況

【企業・団体のOSS導入状況】

32%の企業・団体がOSS導入済み

【公共におけるOSS導入状況】

62%の官公庁・自治体がOSS導入済み

【出展:矢野経済研究所20050210】

導入意向はない

36.7%

導入に興味がある

27.3%導入を検討中

導入済み

32.0%

導入意向はない

19.0%導入に興味がある

17.5%

導入を検討中

導入済み

61.9%

3.9%1.6%

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Linux導入状況

【Linux導入状況】

57%の企業・団体がLinux導入に興味あり

【基幹系業務システムへのLInux導入意向】

40%の企業・団体が興味あり

【出展:矢野経済研究所20050210】

導入意向はない

43.2%導入に興味がある

25.6% 導入を検討中

3.6%

導入済み

27.6%

導入意向はない

59.9%

導入に興味がある

33.3%

導入を検討中

6.8%

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基幹系へLinuxの導入意向がない理由

【出展:矢野経済研究所20050210】

12.6%

15.3%

21.9%

23.8%

39.7%

44.1%

49.3%

0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0%

信頼性・安定性がない

世間での実績が少ない

業務に適したアプリケーションがない

Linuxについてよく知らない

サポートに不安がある

既存システムに満足している

管理者・技術者がいない

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Linux市場状況

2005~2009年の国内サーバ市場予測

2005年の市場規模は6,536億円で、前年比マイナス6.7%と予測

2004年~2009年は平均マイナス5.6%で縮小の  見込み

一方、Linuxサーバ市場は平均5.4%で成長

2009年には431億円市場に。IDC Japanプレスリリースより(2005.5)

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国内サーバー市場予測

http://www.idcjapan.co.jp/Press/Current/20050519Apr.html

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国内Linuxサーバー市場予測

http://www.idcjapan.co.jp/Press/Current/20050519Apr.html

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OSSへの大手ベンダ各社の取組み(1/2)

OSS推進フォーラムにて8社{(株)日立製作所、(株)SRA、(株)NTTデータ、新日鉄ソリューションズ(株)、住商情報システム(株)、(株)野村総合研究所、ミラクル・リナックス(株)、ユニアデックス(株)}が協業し、OSSの信頼性・性能限界の測定調査、ツール開発を行い、オープンソースで公開(「OSSの性能・信頼性評価/障害解析ツール開発」報告書)

3月2005年

各社OSSミドルウェアまで拡大したサポートサービスを相次いで発表

オープンオース開発センタ(OSDC)発足NTTデータ8月

オープンソース全般のビジネスを推進する組織「オープンソースソフトウェア推進部」を発足

NTTコムウェア7月

スウェーデンMySQL ABや米Jbossと共同して動作保証を表明HP6月

フルオープンソースソリューション「Prossione」開発を発表NTTデータ

オープンソースのミドルウエアを含めてサポートする「OSSミドルウエアサポートサービス」を発表

NEC5月

MySQL ABと「ストラテジック・アライアンス・パートナ」契約を締結住商情報システム4月

OSS推進フォーラム結成 ※詳細後述(幹事団:(株)日立製作所、(株)NTTデータ、富士通(株)、日本IBM(株)、NEC(株)、(社)日本ユーザー協会、(株)アルゴ21  順不同)ほとんど全てのITベンダが参集、官学、ユーザも協力

2月2004年

オープンソースソフトウエアセンタ(OSSC)を設置NTTデータ12月

オープンソース関連のビジネスを促進する組織「Linuxビジネスセンター」を発足

日本ユニシス

オープンソースのアプリケーション・サーバをサポートする組織「オープンソースソリューションセンター」を発足

野村総合研究所

業種向けLinuxソリューションを提供する「Linuxソリューションセンタ」とその技術支援を行う「OSSテクノロジセンタ」を設立

日立製作所10月2003年

概要社名時期

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250人

260人

600人(グローバル)

50人

200人(グローバル)

60人

200人

0 100 200 300 400 500 600 700

日本ユニシス

日立製作所

日本HP

NEC

富士通

NTTデータ

日本IBM

OSSへの国内大手ベンダの取組み(2/2)

日本では2005年に専門組織を解消し一般ソフトとLinuxを同等の扱いに

ミドルOSS、Linuxサポート、システム開発を含めた組織

ミッションクリティカルLinuxを目指す。システム対応は各組織に1,000人を超す

幅広いossミドルサポートが特徴

システム開発、SIは各組織で取り組み

(出展)日経コンピュータの記事を基にNTTデータにて作成

オープンソース専門組織の人数

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アジェンダ

OSS誕生の背景

OSSの普及状況

取り組みのねらい

最新のOSS普及動向

諸外国の動向

政府・自治体の動向

日本OSS推進フォーラムの活動

まとめ

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取り組みのねらい

① コストの低減 (TCO)

② ベンダロックインの回避

③ 産業振興

④ デジタルデバイドの解消

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TCOとは?

コンピュータシステムの総所有コスト。コンピュータ本体や周辺機器の購入費用だけでなく、その後の修理やソフトウェアのバージョンアップ、サポート要員の確保やトラブルの解決にかかった人件費など、コンピュータを所有し、管理維持していくために必要となるコストの総計。

資産コスト ハードウェアとソフトウェアの購入費

技術サポートコスト 利用者の教育や質問に答えるヘルプデスクなどの費用

管理コスト 資産管理やセキュリティ管理などの費用

エンドユーザコスト 利用者が同僚に操作を教えたり、業務に関係ない作業をするための費用

公知のTCOの数値は、算出元に依存するので、算出方法を把握する必要がある。TCOは利用状況に依存する。

① コストの低減(TCO)

TCO(Total Cost of Ownership)

TCOの構成要素

TCOの信憑性

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オープンソースソフトウェア(OSS)のTCOガイド

① コストの低減(TCO)

各種のTCOの説明はその観点の違いのために比較しにくい。そのため日本OSS推進フォーラムがOSS利用者のために比較検討のためのTCO評価項目の共通化の提言をガイドラインとしてまとめたもの。

(日本OSS推進フォーラム http://www.ipa.go.jp/softwre/open/formu/)

既存のTCOレポートに含まれている評価項目の整理

1. はじめに – 本資料の目的、読者対象

2. TCO評価項目の整理3. TCO評価への提案4. TCO評価項目詳細

TCO評価項目について

1. システム導入費用2. 運用費用3. アプリケーション開発費用

TCOガイドとその目的

TCOガイドラインの記述内容

TCO評価項目

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例:TCO評価項目詳細(運用費用:一部)

Linuxの基幹系への浸透と共に、最長保守期間は長くなる傾向。

商用Linux(RHEL等)保守期間5~7年、他商用OSと比べて遜色無し。

OS保守期間の短さによるOS改版&移行費用(人件費、または外部委託費)

大量導入システムで重要な評価ポイント。

ブレードサーバにLinuxを適用するケースに代表される超集積型サーバで顕著なメリット

電力、空調、施設スペース、ネットワーク等施設費用

保守費単独の比較でなく、製品価格との合計の比較が必要。ベンダ毎に保守内容、価格の違いあり。

ディストリビュータ、プラットフォームベンダ、OSS専業サポート事業者の有償サポートサービスと商用ミドルウェアのサポート価格を比較すること。

ミドルウェア保守費用

(見積りにて入手)

無償ソフトに対する保守要求に応えるもの。保守価格単独の比較ではなく、プラットフォーム価格との合計での比較が必要。ベンダ毎に保守内容、価格の違いあり。

ディストリビューター、プラットフォームベンダーの有償サポート。Windowsとの比較では、パッチ適用、障害調査等Windowsとは実施可能なサポートの内容の差、単純な価格比較はすべきでない。

OS保守費用

(見積りにて入手)

ハードウェア価格に連動して安価に提案できる(強み)

ハードウェア保守費用(見積りにて入手)

OSS注意事項OSSの状況費用項目

① コストの低減(TCO)

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TCOの削減:Microsoft社の見解(1/2)

長期的な運用を考慮すると、LinuxよりもWindowsの方が安い。

(調査会社IDCによる調査結果 Sponsored by マイクロソフト コーポレーション)

北米の企業100社を対象100ユーザをサポートするWindows2000サーバ環境と、Linuxサーバ環境における5年間のTCOを比較2003年に作成されたレポート

「Get the Facts」(事実を語る)理解促進キャンペーンの一環。 -マイクロソフトがLinuxに狙いを定めた広告キャンペーン。 -第三者提供による客観的なデータといった事実のみを提示し、   それをユーザが確認し、判断材料にしてもらおうという趣旨。 -「WindowsはLinuxよりもコスト高」というイメージを和らげるのが狙い。 -主要なIT関連の雑誌、新聞、オンライン媒体で、6月まで展開され、大規模になる予定。

今回のTCO調査は、企業のIT部門でよくあるネットワーク・インフラ、印刷、ファイル共有、Web、セキュリティといった5つの作業(ワークロード)についてのコストを算出。

① コストの低減(TCO)

出典:「GET THE FACTS ON WINDOWS AND LINUX」 http://www.microsoft.com/japan/mscorp/facts/3

調査概要

前提事項

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TCOの削減:Microsoft社の見解(2/2)

ワークロード(※)別に、過去5年間のTCOを比較したところ、Webサービスを除く全てにおいてLinuxのTCOが高くなり、Windowsの方が、11%から22%コスト面で有利。理由は、ワークロードのコスト内訳で62.2%を占めているスタッフィングコスト(運用を管理・維持、修理および修復する人件費)がLinuxの方が高いため。(※)ワークロード:ファイルサービス、プリントサービス、セキュリティサービス、Webサービス、ネットワーキングサービス。

Linuxは無償のため、Windowsよりも廉価だとするのは単純すぎる。システムに関連するほとんどのコストは、製品の購入後に発生する。WindowsはLinuxと比較し、管理とソフトウェア開発に関して、よくできた使いやすい環境を提供している。

 ⇒Windowsでは、トレーニングや外部からのサポートが少なくて済む。 ⇒一方、Linuxシステムにおける管理ツールの成熟度が低いので、トレーニングやサポートに関する   コストが高くつく。

Windows Linux Windows Linux Windows Linux Windows Linux Windows Linux

ハードウェア 1,211 1,004 5,703 3,139 1,173 2,172 1,653 2,041 7,087 3,006

スタッフィング 8,392 8,201 54,030 81,204 40,247 59,080 50,609 71,056 15,102 23,015

停止時間 1,412 1,494 30,133 20,788 38,857 39,746 10,335 4,385 1,646 1,541

ITスタッフ教育 534 677 5,191 7,670 4,787 5,282 2,000 6,445 1,304 1,584

アウトソーシング 26 946 3 570 121 369 49 440 59 64

ワークロード(作業負荷)Webネットワーク・インフラ ファイル共有 印刷 セキュリティ

① コストの低減(TCO)

主張していること

具体的な数値

100ユーザをサポートするWindows2000サーバ環境とLinuxサーバ環境における5年間のTCO:ワークロード、コストカテゴリ別(米ドル)

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Microsoft社は5年間のTCOを算出しているが、5年以上のTCOだと果たしてOSSと比較して安いのかは疑問。

TCOの削減:Microsoft社の見解に対する考え方

プロプライエタリなSWを利用したシステムのTCO(イメージ)

MSの主張するTCOの範囲(約5年)

OSSを利用したシステムのTCO(イメージ)

(コスト)

(コスト)

(時間)

(時間)0

0

① コストの低減(TCO)

サポート終了に伴うバージョンアップ作業を考慮すると、本当にTCOは安いのか?

独自サポート費用

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WindowsとLinuxのTCO比較:Cybersource Pty. Ltd.の見解

2002年10月のレポートであるので、データは多少古い。250人の組織で使われる、コンピュータシステムに関する支出をシミュレーション。

 -3年間のTCO2つのシナリオ

 -既存のハードウェアをそのまま利用するシナリオ -すべての機器を新しく購入するシナリオ

Microsoftソリューション Linuxソリューション Linuxによるコスト削減 コスト削減率

既存HW&インフラ利用 $733,973.00 $482,580.00 ▲$251,393 ▲34.26%

新規HW&インフラ購入 $1,042,110.00 $790,717.00 ▲$251,393 ▲24.69%

① コストの低減(TCO)

企業においてLinuxを利用した場合と、MS-Windowsを利用した場合のTCOコストを比較した結果、LinuxのTCOの方が安い。

前提事項

出典:「三菱総合研究所:http://oss.mri.co.jp/reports/cybersource/tco.html」

シミュレーション結果

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なぜOSSか?

公共機関による調達の透明性確保がトレンド

WTO閣僚会議「政府調達の透明性に関する作業部会」が設置されている

公共調達の透明性・競争性の確保公共調達をオープンに官製融合の防止ソースコードレベルで公開されているOSSを活用すれば、調達の透明性の確保を期待できる

セキュリティ

中国では、安全保障の面からもOSSを推進

OSSであれば、バックドアの存在を秘匿できない

② ベンダロックインの回避

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なぜロックインを回避するのか?

適正な競争状態の維持

地場IT産業の競争力を高める

サービス品質の維持・向上

コスト低減

公平性の観点から貴重

特定企業に依存しないエコシステム

サービス内容を特定企業に過度に依存させない

独自取り組みの維持

青森県発の技術発信

ノウハウの留保、地場経済発展

② ベンダロックインの回避

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OSSエコシステム② ベンダロックインの回避

OSS提供企業OSS先進ユーザ

専門家ユーザ

エンドユーザ

政府・自治体一般企業ソフトハウス

OSS開発者

OSS開発者、OSS先進・専門ユーザ、OSS提供企業による技術発展のエコシステムの恩恵をエンドユーザが受ける。

ソフトウエアソフトウエア

フィードバック 協力支援・雇用フィードバック 協力支援・雇用

サポートサービスサポートサービス

ディストリビューションシステムコンサルディストリビューションシステムコンサル

雑誌・Web等による情報提供雑誌・Web等による情報提供

フィードバック 開発提案・協力フィードバック 開発提案・協力

ソフトウエアマニュアルソフトウエアマニュアル

情報提供・共有情報提供・共有

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OSSによる産業振興

適正な競争技術力がキーとなる競争

グローバルに技術比較可能

情報ギャップの少なさOSSならば技術力があれば情報入手が可能

オープン化以前一部の大手ベンダーのみ情報を所有

中小IT企業は、代理店や特約契約をして、情報を購入しなければならなかった

OSS以降技術があればノウハウ情報を入手可能

地場産業の振興になる

③ 産業振興

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OSSによるデジタルデバイド解消

デジタルデバイド

地域差によるデジタルデバイド都市部はIT化が進む地方は通信事情により情報入手にギャップ

教育機関のデジタルデバイド

高度教育に従事する教育者の不足

OSSは広く一般に提供するIT化に有効

低予算でIT化を進めることが可能

安いハードウェアと低コストの教育の提供

優良な情報が無料で入手可能→教育活用にメリット

④ デジタルデバイドの解消

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アジェンダ

OSS誕生の背景

OSSの普及状況

取り組みのねらい

最新のOSS普及動向

諸外国の動向

政府・自治体の動向

日本OSS推進フォーラムの活動

まとめ

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アジェンダ

OSS誕生の背景

OSSの普及状況

取り組みのねらい

最新のOSS普及動向

諸外国の動向

政府・自治体の動向

日本OSS推進フォーラムの活動

まとめ

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ドイツ

OSS先進国

事例

内務省がIBM + SuSE Linuxと包括調達契約(2002/6)

内務省がOSS移行ガイドラインを発表(2003/7)

自治体レベルで移行開始ミュンヘン市14,000台のLinux移行を決議 (2003/5)シューベービッシュハル市400台をLinuxへ移行   (2002-2004)西メクレンブルグ監査局がLinux移行を完了(2004/11)

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理由

市場競争促進

コスト削減?(第1の理由ではない)IBM + SUSE受注 3950万ドルMicrosoftは3660万ドル→2370万ドルを提示

特定製品への依存回避

ミュンヘン市の事例

2003年5月、ミュンヘン市議会は14,000台

(16,000ユーザ)のPCをLinuxに移行することを決議

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アメリカ州政府

州政府の一部にOSS採用の動きオレゴン、テキサス、ハワイ州等でOSS採用法案提出

 →廃案or保留

マサチューセッツ州でついにOSS優遇政策(2003/9)後に「最良の価値」と「OSSを含むすべての選択肢を検討」に後退(2004/1)

オースチン市でLinuxとOpenOffice試験導入(2003/12)

マサチューセッツ州を中心に電子政府向けOSSの共同開発開始(2004/6)

The Government Open Code Collaborative

カリフォルニア州政府の業務効率化委員会がOSS利用拡大を提言(2004/8)

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マサチューセッツ州の事例

Virtual Law Office

税収減少に伴う財政難からコスト削減が目的

オープンスタンダードとオープンソースを採用する   ポリシーが議会から提案された

レガシーシステムからLinuxプラットフォームへ移行

GOCC (Government Open Code Collaborative)

他の州政府とソースコードを共有する枠組み各州政府が共通して利用することで低コスト化コミュニティを通じて、継続的な共同開発できる

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中国/韓国

中国

国策としてのLinux政策

政府主導で開発する中国版LinuxRed Flag Linux, Yangfan Linux, Qihang Linux

人材育成に注力Linux 1+1+1プロジェクト

韓国

Linuxディストリビュータの淘汰と市場再編が進む

韓国政府のOSS採用は急加速中

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北東アジアOSS推進フォーラム

日本・中国・韓国による国際協調

第1回、2004年4月、北京

第2回、2004年7月、札幌

第3回、2004年12月、ソウル

第4回、2005年秋、北京

ワーキンググループ活動

技術開発・評価(WG1)、人材育成(WG2)、標準化・認証研究(WG3)

各国内に対応する産学協同のフォーラム設置

日本は日本OSS推進フォーラム(後述)

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アジェンダ

OSS誕生の背景

OSSの普及状況

取り組みのねらい

最新のOSS普及動向

諸外国の動向

政府・自治体の動向

日本OSS推進フォーラムの活動

まとめ

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自治体のOSS採用動向

電子自治体プラットフォームJava APの動作環境

浦安市

住民向け各種ポータルサイト山梨県、香川県、沖縄県等

共同アウトソーシング事業で開発したソフトウェアの公開北海道、静岡県

庁内システムWebサーバ、メールサーバ等サーバ

デスクトップでの利用洲本市

LGWANへのゲートウェイにLinuxサーバ採用

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地方自治体でのOSS採用

地方自治体のシステム調達と地元IT振興

OSS採用により地域の特定製品の技術を持たない 中小ベンダの参入可能で、地域振興につながる

長崎県の事例など

情報システム担当者の人事制度上の対策専門性が高い担当者の長期固定化専門家の招聘

住民サービス、情報公開への対応

採用プロセスにおける透明性の確保

開かれたサービスは、特定企業製品に依存できない

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長崎県の事例

開発仕様書(要件定義、基本設計)

県職員

テスト仕様書

システム会社

システムA開発仕様書テスト仕様書

システムB開発仕様書テスト仕様書

システムC開発仕様書テスト仕様書

入札発注

システム開発入札単位(N)に分割 入札発注 ソフトハウス/システム会社

※メーカ色無い、機能分割された詳細な仕様書※開発仕様書に利用OSSを指定

長崎県庁のシステム調達方式

機能分割し分割発注

OSS利用を指定

狭い業務範囲により零細企業でも発注可能仕様書が詳細になるため、リスクが少ない多数の企業が参画可能になり、産業振興の効果あり

「テスト・受入検収」と「構築」に分割品質を高める

※ 長崎県資料より

テスト ・受入検収

システム開発

テスト ・受入検収

システム開発

テスト ・受入検収

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北海道の事例

http://www.ipa.go.jp/software/open/forum/north_asia/download/NEA2_uchiyama_j.pdf

自治体の積極的導入自治体の積極的導入

道庁がOSS積極的導入を表明(2002.11)-ポータルサイト「北海道人」(2001.10)-道立高校「ほっかいどうスクールネット」(2002.11)

江別市「ブランド辞典」サイト(2004.3)

ユーザ会等がさかん

産学官コミュニティ連携イベント「Get into Open Sare Hokkaid 2004」コミッティのイベント連携「Open Sooree Conferenece 2005 in Hokkaido」(2005.7)          を開催

地域コミュニティの活発な活動地域コミュニティの活発な活動

北海道Linuxユーザーズクラブ(DoLUC):1999.4設立i-dayプロジェクト:2000.7設立北海道*BSDユーザーズグループ(NoBUG):2001.2設立OpenSOAPプロジェクト:2001.4設立日本PostgreSQLユーザ会北海道支部:2001.6設立札幌Linux連合:2003.8設立Nature’s Linux Users Group:2004.4設立Xcast fan club えぞ系:2004.6設立Ooo北海道ユーザーの集い:2004.6設立

大学がITトップガン人材育成大学がITトップガン人材育成

北大大学院にITS講座産学連携による運営スタイル-IT20社の寄付

教員もIT企業から

地場IT企業地場IT企業

75%が開発経験

Pテレコム(株)、北海道日本電気ソフトウェア(株)(株)ソフトコム(株)テクノフェイス(株)サイバーブルー(株)アットマークテクノアカダマ(株)

20%がOSS開発

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アジェンダ

OSS誕生の背景

OSSの普及状況

取り組みのねらい

最新のOSS普及動向

諸外国の動向

政府・自治体の動向

日本OSS推進フォーラムの活動

まとめ

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日本OSS推進フォーラム

日本OSS推進フォーラムの設立

大学/有識者

大学/有識者ユーザユーザ

政府政府

SIerSIerハードベンダハードベンダ

ISVISV

1. 政府、民間で協力することによる日本国内でのOSS普及拡大

2. ユーザが安心して使えるための技術的、制度的課題の解決と新たな選択肢の提供

3. 日中韓、世界のコミュニティとの協調によるOSS発展への貢献

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日本OSS推進フォーラム設立経緯

2003年

9月3日 日中韓経済貿易大臣会合 (カンボジア プノンペン)

9月8日 日中韓情報通信大臣会合 (韓国 済州島)

11月14日 日中韓オープンソースビジネス懇談会 (大阪)三国の推進組織の設立を宣言日本OSS推進フォーラムの設立を発表(経産省・IPA)

2004年

2月 第1回 日本OSS推進フォーラム正式設立、WGの設立を宣言

5月 第3回 日本OSS推進フォーラム SC各WGの正式発足

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日本OSS推進フォーラム組織図

オブザーバ 事務局IPA

座長 山田伸一(NTTデータ)

主査木戸彰夫(日本IBM)

主査鈴木友峰(日立製作所)

主査堀健一(NEC)

主査工内隆(富士通)

経済産業省、総務省、JISA

代表幹事桑原 洋 ㈱日立製作所 取締役(元総合科学技術会議議員)

顧問団石黒 正大 東京ガス㈱ 副社長執行役員川上 哲郎 住友電気工業㈱ 相談役國井 利泰 金沢工業大学教授郡山 龍 ㈱アプリックス 代表取締役会長兼社長嶋本 正  ㈱野村総合研究所 常務執行役員杉本 迪雄 NTTコムウェア㈱ 代表取締役副社長末次 朝彦 サン・マイクロシステムズ㈱ 専務取締役鈴木 繁  新日鉄ソリューションズ㈱ 代表取締役社長

津賀 一宏 松下電器産業㈱ 役員徳田 英幸 慶應義塾大学政策・メディア研究科委員長                       環境情報学部教授所 眞理雄 ソニー㈱ 特別理事長野 宏宣 ロンドベルテクノロジー㈱ 代表取締役社長平野 正信 OSDL アジア担当ディレクター保科 剛 日本ユニシス㈱ 最高技術責任者丸森 隆吾 ㈱SRA 代表取締役会長

幹事団青木 利晴 ㈱NTTデータ 相談役秋草 直之 富士通㈱ 代表取締役会長大歳 卓麻 日本IBM㈱ 代表取締役社長 執行役員金杉 明信 NEC(日本電気㈱) 代表取締役 執行役員社長河野 俊二 ㈳日本情報システム・ユーザー協会会長         (東京海上日動火災保険㈱ 相談役)佐藤 雄二朗 ㈱アルゴ21 取締役最高顧問

主査竹川直秀(NTTコムウェア)

2005年7月26日現在

主査三浦広志(NTTデータ)

幹事団/顧問団

ステアリング・コミッティ

デスクトップWG 開発基盤 WG サポートインフラ WG ビジネス推進 WG

小委員会

人材育成 WG 標準化・認証 WG

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デスクトップWG

<設立目的>日本のIT産業の発展とIT市場における公正な競争、およびIT利用者がその利用者の要求を満足する複数の選択肢を持ち得ることを目指し、日本におけるOSSデスクトップ環境の普及の促進、及び普及を妨げる様々な問題の解決に関する提案を行う。

(デスクトップWG憲章(2004/4/13)より)

<達成状況>教育現場における実証実験(IPA事業)を通じて、OSSデスクトップが教育用IT端末として現実的な選択肢になり得ることを示した。

教育現場での要求定義と実際の授業を通じての実証運用・保守コストを下げる手法を考案と実証利用者満足度調査

学校教育現場におけるOSS活用に向けての導入ガイドブックを作成する。公開は9月末を予定。今後は、地方自治体での導入実証を行う予定。

さらなる普及の為には、Web コンテンツ及び電子文書の相互運用性の向上が必要であるとし、Web の互換性およびフォントの問題について、政府に提言を行った。

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2004年度の教育現場における実証

小学校から大学まで全国で17校、約3800名の児童・生徒・学生の参加を得て、実際の授業における実証実験を行った。その際、利用者の使い勝手やアプリケーションの動作状況などを確認するとともに、遠隔サポートによるシステムの保守運用を行い、OSSの有効性を検証した。

(実証実験の結果)OSSデスクトップは、学生が利用するIT端末として充分な機能と、使い勝手を有している。ネットワークを利用したリモートサポートと、PC管理ソフトウェアを使った自動復旧を用いれば、企業が学校に対して保守サポート提供が可能。導入コストは、リーズナブルなレベルにおさえられる見通し。さらなる普及のためには、Webページ及び電子文書のオープン化が必要。

教育用IT端末の性格(専用端末的な要素が強い)必要とされるアプリケーションの種類は少ない(Webブラウザー、動画再生、文書作成、文書共有、ネット会議)授業時間単位で、複数の学生により使用されるので、カスタマイズがなされてはならない。

学校教育現場におけるOSS活用に向けての導入ガイドブック

目次(案)

1. はじめに2. 学校へオープンソースソフトウェアを導入する意義3. オープンソースソフトウェアの導入事例4. オープンソースコンピュータの導入手順と留意点5. オープンソースコンピュータの保守とサポート

付録 A.オープンソースソフトウェアとは  付録 B.用語解説

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開発基盤WG

<設立目的>OSSの開発やビジネス展開に必要な基盤整備を企画する。開発基盤では、OSSの開発環境や開発関連情報の整備を目的に課題整理する。

ミッションクリティカル分野適用に向けた課題整理性能・信頼性・限界値の評価と、改善点の洗い出しLinux上のアプリ開発環境、OSSによる開発環境の整理開発コミュニティの活性化(開発者の教育、日本の得意分野の選択的活性化、日本発のOSS技術の宣伝)

(発足準備会(2004/5/7)で決定した担当課題)

<達成状況>性能・信頼性評価を実施し、OSSの性能評価手順と評価結果を公開。IPAのHPに対する該当ファイルのダウンロード件数 約12万件。 障害解析ツールを開発し、ソースコード・成果を積極的に公開。IPAのHPに対する該当ファイルのダウンロード件数 約1万件。北東アジアOSS推進フォーラムWG1の場で、開発成果を発表し、日中韓で下記のディスカッションを実施。

平成17年4月15日 日中韓WG1会議(北京)平成17年7月18日 日中韓WG1会議(北京)

今後、さらなる性能評価の情報発信を強化。また、そのためにベーススタックの検証やDBの拡充を行う。

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「OSSの性能・信頼性評価/障害解析ツール開発」

公開ファイル一覧

Javaアプリケーション層の評価「Javaアプリケーション層の評価」報告書EJB Profiler使用説明書

DB層の評価  「DB層の評価」報告書付録 DBT-3トランザクション特性の解析

OS層の評価  「OS層の評価」報告書2章付録 DBMSとマイクロベンチマークについて

OSS適用システムの障害解析ツール開発「ダンプデータ解析ツールの開発」報告書「LKST(Linux Kernel State Tracer)によるカーネル性能評価ツールの開発」報告書「ディスク割り当て評価ツール「Disk Allocation Viewer」の開発」報告書

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<設立目的>サーバ/デスクトップでのOSSの普及、利用拡大のために、「OSSのサポート」「OSSの長期利用」における課題を整理し、解決のために取り組みを各方面に提案する。

(サポートインフラWG設立案より)サポート体制 (開発コミュニティのサポート状況調査、サポート事業者調査、ユーザがサポートメニューを客観的に理解するための「共通サービスレベル」確立、OSS適用事例の収集)

サポート技術基盤 (障害解析のツールの整備、問題解決情報の改善)

開発プロセスの計画性 (プロジェクト存続性・開発ロードマップ・リリース項目と期限の遵守・バグ修正・互換性維持など、長期利用に関する開発コミュニティのポリシーと実態調査、開発保守停止プロジェクトの影響度調査、重要OSSへの支援やユーザ保護のあり方を提言)

後方互換性 (バージョンアップと互換性の状況整理、ディストロへの勧告)(発足準備会(2004/5/7)で決定した担当課題)

<達成状況>新たにオープンソースソフトウェアを導入するユーザのためのガイド「OSSが開発コミュニティからエンドユーザに届くまでの仕組み」を作成し公開した。

IPAのHPに対する該当ファイルダウンロード件数 約2.4万件。OSSになじみのないユーザを対象に、主要なOSSについて開発コミュニティからユーザに届くまでの仕組みを解説した。本件は、雑誌にも取り上げられ反響を呼んだ。

サポート情報表示のガイドラインのために基礎調査を実施。

サポートインフラWG

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サポートインフラWGが作成・公開したガイド

「オープンソースソフトウェアが 開発コミュニティからユーザに届くまでの仕組み」

※ OSSになじみのないユーザーを対象に、OSSが開発コミュニティからユーザーに届くまでの仕組みを解説し、以下の2点を述べたガイド

SIでよく使われるOSSは、長期間継続される開発体制が整っていること開発者以外のベンダーがサポートを提供しており、ユーザーは必要に応じたサポートを選択してOSSを利用できること

総合ベンダ(ユーザ)

SIer(ユーザ)

ユーザユーザユーザ運用時の問題切り分け等

総合ベンダSIerユーザユーザユーザシステム構築・評価

総合ベンダSIerユーザユーザユーザ様々な機器(non-Linuxを含む)やソフトウェアを利用したシステムの提案

総合ベンダPFベンダ(SIer)

PFベンダ(ディストリビュータ)

ユーザユーザターゲットマシンでの動作確認

総合ベンダPFベンダ(SIer)

PFベンダユーザユーザターゲットマシンへのインストール

ディストリビュータ

ディストリビュータ

ディストリビュータ

ディストリビュータ

ユーザディストリビューションの作成

(OSS間の整合性)

⑤④③②①作業役割(例)ユーザ

① ② ③ ④ ⑤

PFベンダ

SIer総合ベンダ

ディストリビュータ

開発コミュニティ/開発企業

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ビジネス推進WG

<設立目的>OSSのビジネス展開に必要な基盤を整備することにより、OSSの普及とOSS関連ビジネスの活性化を目指す。ユーザ向け情報提供

TCOシナリオとその測定法の提案事例蓄積によるOSS利用の安心感醸成ベンダ各社が足並みの揃った情報を発信する仕組みの整備

知的財産の不安解消開発コミュニティの役割、および、その啓発ディストビュータ・ベンダ・SIerの役割、および、その啓発ユーザの啓発

(発足準備会(2004/5/7)の決定ー要約ー)

<達成状況>「OSSのTCOガイド」の作成

システム構築・運用のモデルを考察、商用ソフトを用いたソリューションと比較OSSのTCO優位性とともに情報システムの長期価値(ROI)に着目した、情報システムプラットフォーム選定のガイド資料

「OSS関連製品・サービス情報のテンプレート」の作成必要とするOSS関連製品・サービスに関する情報を見つけやすくするため、ハードウエア、ミドルウエア、アプリケーションのOSS対応状況について情報公開テンプレートを策定。

 「ビジネスユースにおけるOSSの法的リスクに関する調査」の実施知的財産の不安解消のため開発コミュニティ/ベンダー/SIer/ディストリビュータ/ユーザの啓発資料として、WG参加企業(法的部門を含む)の意見・レビューを反映して、SOFTIC報告書を作成。

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ビジネス推進WGが作成・公開したガイド資料

「オープンソースソフトウェアのTCOガイド」OSS使用中(あるいは、OSSの採用を検討中)の利用者、とりわけ、情報システム部門の責任者・企画担当者、および、これらの利用者に情報提供するベンダーやシステムインテグレータの提案責任者・技術者を対象に、OSSのTCO(Total Cost of Ownership)を解説。

1. はじめに2. TCO評価項目の整理3. TCO評価への提案4. TCO評価項目詳細

「オープンソースソフトウェア(OSS)関連の製品・サービス情報テンプレート」ベンダ横断的な協調によって、ベンダ各社の提供情報の一元性を向上させ、商用ソフトウェア以上に分かり易い製品情報・サービス情報を提供して、OSSに対する信頼獲得を意図した。ベンダ各社が製品情報・サービス情報の提供時に共通して利用できるような情報提供のテンプレートを提案。

1. はじめに2. 製品情報・サービス情報提供3. 技術情報の詳細

「ビジネスユースにおけるオープンソースソフトウェアの法的リスクに関する調査」OSSビジネスにおける法的問題を整理し、OSS利用に係わるリスクがどれほどの大きさのものかを明確化することを目的とした。また、リスク回避・低減のために考えられる解決策を提案。

1. OSSの法的特徴2. OSS利用上の知的面での考慮点3. 法的リスク対策の現状4. アンケート調査5. 法的リスク低減策の提案6. 今後の課題

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人材育成WG(1/2)

<設立目的>OSS人材育成に関する現状を明らかにすることOSS人材育成に関する課題を分析し、目標を提案すること北東アジアでのプロジェクト連携をすること

TF1: 調査(TF:タスクフォース)「OSSの教育と研修に関する目的、手法、範囲、成果共有の方法等の調  査の枠組みを定める。また、本TFは「貢献者」とその計測手法を定義し、貢献者の増加のための手段を講ずる。

TF2: コンテスト「2005年第4回北東アジアOSS推進フォーラムへの準備としてOSSコンテストの計画」

(人材育成WG規約(2004/11/24)より)

<達成状況>コンテスト: OSS開発者を育てていくことが重要であるという認識のもと、「日本OSS貢献者賞」を企画実施した。候補者を募集し審査委員会にて審査実施。OSSの発展に貢献した4名の開発者を表彰第4回北東アジアOSS推進フォーラムにて日中韓で共同表彰の予定。

調査:「日本におけるOSS人材の現状に関するレポート」を公開に向けて基礎調査を実施。「OSS推進の全体構図」及び「全体構図」の中での人材タイプの定義(OSS開発者/OSS利用開発者/OSS利用技術者/OSSプロデューサー/OSSマネージャー)教育機関等のOSS教育・研修の実態調査OSS利用およびOSSビジネスプロデュースに関する人材的現状と課題の整理日本のOSS開発人材の特徴と現状の課題の整理と提言

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<コンテスト「日本OSS貢献者賞」の実施>OSSの発展に貢献した開発者を表彰日本OSS貢献者賞募集期間 7月7日 ~ 7月22日応募数 53通審査委員会により受賞者4名を決定受賞者

鵜飼 文敏(うかい ふみとし)氏 (日本HP株式会社)  Debianプロジェクト

高橋 浩和(たかはし ひろかず)氏 (VA Linux Systems ジャパン)  Linuxカーネルサポート

高林 哲(たかばやし さとる)氏 (Google)  Namazu、quickmlサーバ、gonzui等

まつもと ゆきひろ氏 (ネットワーク応用通信研究所)  Ruby

<コンテスト「日本OSS貢献者賞」の実施>日本のOSS開発における、人材の特徴と課題、教育機関等のOSS教育・研修の実態、OSS利用およびOSSビジネスプロデュースに関する人材的現状と課題について調査・整理を実施

《目次》

第1章 概要

第2章 OSS推進の全体構図

第3章 OSS開発者の実態

第4章 先行OSSプロジェクトにおける人材の実態

第5章 教育機関/研修機関におけるOSS教育/研修の実態

第6章 結言

参考文献: 日本OSS推進フォーラム人材育成WGメンバー

人材育成WG(1/2)

レポートは以下の調査結果等に基づいてまとめている

大学向け調査日本におけるOSS先行プロジェクト調査過去の各種調査

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標準化・認証WG

<設立目的>日本のIT産業の発展、公正な競争の促進のため、政府・地方自治体を含むIT利用者が  その利用者の要求を満足する複数の選択肢を永続的に持ち得るために必要となる相互運用性を、国際的調和を取りつつ達成するための技術的要件等について検討することを目的とする。

OSS標準・認証の内外の課題検討と提言標準化対応人材の育成政府調達標準に相応しい技術基準の検討デスクトップディストリビューションフレームワーク検討調査結果等の公開を通じたOSSの推進

(標準化・認証WG設立案 (2004/11/24)より)

<達成状況>北東アジアOSS推進フォーラムWG3(標準化・認証研究) にて、国際標準化にむけた入力メソッドの機能要件定義について、日中韓合意済み。

OSSが国際標準化されれば、政府へのOSS導入が、より明確かつ持続可能なものとなる。政府調達ガイドラインの検討素材をMETIに提出(2005年5月7日)。政府へのOSS導入が推進される見込み。

本年9月末に、総務省が主催の「情報システム統一研修」(OSSの概要から調達事例まで)に協力し、政府のOSS調達を支援。

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入力メソッドの国際標準化提案の一例

<主な規定内容>入力メソッド(IM; Input Method)の標準は、国際的に唯一であるべきIMエンジンとアプリケーションは、遠隔かつ異種プラットフォーム上で稼働することキーボード入力の他に、手書き入力や音声入力に対応できること複数のプログラム言語に対応できることユーザ端末起動中に、複数のIMエンジン、複数の言語が自由に選択できることユーザ画面上のパネルやステータスウィンドウから、IMの設定を操作できることIMインタフェースは、商用ソフトなどOSS以外にも対応できること

自民党・e-Japan特命委員会へ「政府システム調達におけるOSSの利用の促進について」を提出

<主な提言事項>各省システムにおけるOSSの導入実績を明確にすることOSSのメリットを活かせるような政府システム調達におけるソフトウェア調達の考え方を、ガイドラインのような形で明確にすること先導的なOSS導入プロジェクトを実施することOSSのサポートサービスに対する適切な対価設定を、調達実務に反映すること

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アジェンダ

OSS誕生の背景

OSSの普及状況

取り組みのねらい

最新のOSS普及動向

諸外国の動向

政府・自治体の動向

日本OSS推進フォーラムの活動

まとめ

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まとめ

ぜひOSSを有効活用いただきたいITの本質は高度専門職業人であり、OSSがIT人材育成に効果が高いことを有効活用したい幅広い層の県民が、安価に、制限なく、ITの力を活用できるように配慮—そのためにもOSSを活用したい

OSS開発方法論の「オープン」「コミュニティ」「グローバル」を他の分野でも活用したい

ぜひ情熱のある起業家、若者を支援いただきたい情報格差を生まないよう、インフラの拡充や、人材交流を支援したいビジネス展開の支援をしたい