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職場の禁煙をすすめる
5つの理由<コスト編>
The Evidence
1 職場での受動喫煙被害で賠償命令!?2003年に健康増進法が施行され、企業の管理者に対し、受動喫煙対策を講ずる努力義務が課されました。この法律に違反しても罰則はありませんが、努力義務を怠った場合、告訴される可能性があります。
1)中央労働災害防止協会、中央快適職場推進センター:平成19年度 厚生労働省委託事業 受動喫煙の健康への影響及び防止対策に関する調査研究委員会報告書:平成20年3月[L20090910145]2)黒木俊郎:日本禁煙学会雑誌 1(2):2006[L20090910074]
受動喫煙で初の賠償命令1)江戸川区職員が職場(江戸川区)を提訴名古屋市健康増進法第25条違反訴訟判決受動喫煙を防止するための義務責任があるタクシー受動喫煙訴訟判決1)タクシーの早急な全面禁煙化が望ましい札幌受動喫煙訴訟で調停成立2)被害元社員に会社が示談金80万円支払う受動喫煙に700万円で和解受動喫煙被害訴訟としては過去最高額
2004年 7 月12日
2005年 3 月30日
2006年 5 月 9 日
2006年10月19日
2009年 4 月 1 日
2 喫煙によって長期病欠
※1リスクが約2倍!(海外データ)
デンマークでの調査によれば、喫煙者が長期病欠※1するリスクは非喫煙者の2.05倍で
した。
※1:デンマーク人女性労働者(18~69歳)2,440人における18ヵ月間
の長期(連続8週間以上)病欠
年齢、家庭環境、社会・経済的状況、学歴、身体的・心理社会的労働環
境、既往歴で補正
※2:1日15 本以上喫煙
非喫煙者 (n=1,063)
前喫煙者 (n=540)
喫煙者※2 (n=430)
0.50.0 1.0絶対危険度
●長期病欠発生リスク(海外データ)
1.5 2.0 2.5
1.01.61[1.07ー2.42] 2.05
[1.36ー3.08]
Christensen, K. B. et al.:Ind Health 45(2):348, 2007 [L20
090910072]より作図
[ ]:95%信頼区間Cox比例ハザードモデル
3 喫煙でロスする労働時間は、1年間で約18日分!(海外データ)
勤務時間中の喫煙時間は1日平均35分といわれています
1)。1日8時間、年間250日の労働条件
では、1年間で18.2日もの労働時間のロスが発生することになります。
1)Weis, W. L.:Pers Adm 26(5):71, 1981 [L20090910073]
35分
1日平均
1年間で 18.2 日
5 喫煙で労働災害リスクが増加!?
喫煙者の労働災害リスク※は非喫煙者の1.58倍にもなります。労働災害リスクが増加する理由としては、喫煙によるかすみ目、聴覚障害、睡眠障害が考えられます。
※八潮市中小企業製造業の男性労働者1,416人における過去1年間の労働災害リスク労働災害リスクは、「過去1年間で仕事中に軽いひっかき傷や切り傷を含むけがをしましたか。」という問いに、「はい」または「いいえ」で回答させて判定10歳ごとの年代、結婚歴、教育水準、BMI、不眠症状、職種、労働環境で補正
非喫煙者 (n=376)
喫煙者 (n=869)
0.50.0 1.0オッズ比
●労働災害リスク
1.5 2.0
1.01.58
Nakata, A. et al.:Soc Sci Med 63(9):2452, 2006 [L20090911125]より作図
ロジスティック回帰モデル
p=0.045
4 喫煙者を雇用することで企業の損失が増加!
喫煙者を1人雇用することによる企業の負担は、年間約23万円にものぼります。
●喫煙者1人あたりの企業の負担額(カナダ、1995年)
The Smoke Free Europe partnership:Smoke Free Europe makes economic sense,A report on the economic aspects of smoke free policies:2005 [L20090910075]より改変
合 計
$230$2,175$75$85
$2,565
( 20,426円)(193,162円)( 6,661円)( 7,549円)(227,798円)
1年間にかかる費用※
※カナダドル(日本円、2009年5月のレート)
欠勤の増加生産性の低下生命保険料の増加喫煙所の設備費用
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職場の禁煙をすすめる
5つの理由<メンタルヘルス編>
The Evidence
禁無断転載・複写・複製・電子化・転送 Copyright©2011 Pfizer Japan Inc.
※ウィスコンシン州の男性職員1,666人における入眠困難(DSM-Ⅲ-
Rによる)が月に15晩より多く発生するリスク
年齢と教育水準で補正
非喫煙者 (n=743)
喫煙者 (n=333)
オッズ比
●入眠困難(>15晩/月)のリスク※
0.50 1.0 1.5 2.0 2.5
1.0 2.32[1.04 -5.16]
Wetter, D. M. et al.:Prev Med 23(3):328, 1994 [L200910
16001]より作図
[ ]:95%信頼区間ロジスティック回帰分析
2 喫煙で睡眠障害発生!?(海外データ)
喫煙は、入眠困難や覚醒困難、日中の眠気、異常な夢など、睡眠障害の
リスクを高めます。
なかでも、入眠困難が月に15晩より多く発生するリスク※が2.32倍にもなる
という報告もあります。
1 喫煙によって「うつ」のリスク※1が約2倍!喫煙者の「うつ」のリスク※1は職場で受動喫煙がない非喫煙者の2.25倍にもなります。
※1:東京近郊労働者2,770人におけるうつ(CES-Dによる)のリスク性別、10歳ごとの年代、婚姻状態、教育水準、アルコール摂取量、カフェインの摂取、体格指数(BMI)、慢性疾患数、職種、工業部門、企業の規模、調査参加率、企業の男性割合、企業の喫煙率で補正※2:職場で受動喫煙がない非喫煙者
非喫煙者※2
喫煙者
オッズ比
●うつのリスク※1
0.50 1.0 1.5 2.0 2.5
1.02.25[1.58 -3.21]
Nakata, A. et al:Prev Med 46(5):451, 2008 [L20090910071]より作図
[ ]:95%信頼区間ロジスティック回帰分析
p<0.001
※日本の精密機械メーカー男性従業員191人におけるメンタルヘルスに関する日本版GHQ-30質問票による調査GHQ-30スコアが低いほどストレスが少ないと考えられる。
Mino, Y. et al.:Psychiatry Clin Neurosci 54(2):169, 2000 [L20091016002]より作図
調査開始時 6ヵ月後 1年後
日本の調査によると、禁煙を開始した人は、喫煙を継続した人に比べて6ヵ月後、1年後のストレスの度合い※が減少しました。●ストレスの変化
5 禁煙でストレス減少!
0
10
8
6
4
2
質問票による
ストレスの度合い
※禁煙(n=18)喫煙(n=173)
***
7.7
7.06.4 6.2
3.94.1
*:p<0.05**:p<0.01(vs. 調査開始時、対応のあるt検定)
4 喫煙で自殺リスク※が増加!?(海外データ)
1日15本以上吸う喫煙者の自殺リスク※は非喫煙者の4.3倍にもなります。
※米国人男性医療関係者51,529人(40~75歳)における自殺リスク期間、年齢、アルコール摂取量、婚姻状態によって補正
喫煙本数
相対リスク
●自殺リスク※
非喫煙者0
1.02.03.04.05.0
過去喫煙者 1~14本/日 15本以上/日
Miller, M. et al.:Am J Public Health 90(5):768, 2000 [L2009060202]より作図
1.01.4[0.9 -2.4]
2.5[0.9 -7.3]
4.3[2.2-8.5]
p<0.001(ロジスティック回帰分析)[ ]:95%信頼区間
3 喫煙によってパニック発作のリスク※が約4倍!(海外データ)
息切れ、めまい、動悸、息苦しさ、胸痛、死の恐怖などを伴う
パニック発作。
喫煙によって、そのリスク※は3.96倍にもなります。
※ミシガン州南東部における疫学試験参加者1,007人(21~3
0歳)におけるパニック発作(DSM-Ⅲ-R)のリスク
性別と大うつ病により補正
非喫煙者
喫煙者
ハザード比
●パニック発作のリスク※
0.50 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5
Breslau, N. et al.:Arch Gen Psychiatry 56(12):1141
, 1999 [L20091016003]より作図
[ ]:95%信頼区間Cox比例ハザードモデル
1.0 3.96[2.28 - 6.89]
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職場の禁煙をすすめる
5つの理由<呼吸器編>
The Evidence
2 喫煙で風邪が長引く!?
タバコを吸っていると風邪をひきやすく、治りにくくなります
1)。アメリカでの調査によれば、喫煙者の
風邪が長引くリスク※1は非喫煙者の2.53倍にもなります。
※1:女性医療従事者39,027人(45歳以上)における風邪が8日以上長
引くリスク
年齢、人種、BMI、喘息や慢性肺疾患の既往、運動、アルコール摂取、マ
ルチビタミン摂取により補正
※2:1日25本以上喫煙
非喫煙者 (n=20,090)
喫煙者※2 (n=964)
相対リスク
●風邪が長引くリスク※1
0.50.0 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0
1.0 2.53[1.95ー3.29]
1)加濃 正人編:タバコ病辞典 1 実践社:166, 2006 [L201001121
73]
Benseñor, I. M. et al:Ann Epidemiol 11(4):225, 2001 [L20
091127012]より作図
[ ]:95%信頼区間多項ロジスティック回帰モデル
(海外データ) 喫煙によってCOPDの死亡リスク※2は飛躍的に高まります。1日25本以上吸う喫煙者の場合、そのリスク※2は非喫煙者の22.5倍にもなります。
※1:COPD:Chronic Obstructive Pulmonary Disease、慢性閉塞性肺疾患※2:英国人男性医師34,439人(40~75歳)の40年間の追跡調査、COPDによる死亡リスク、非喫煙者のリスクを1とした場合
年間死亡リスク
●COPD死亡リスク※2
非喫煙者 過去喫煙者
Doll, R. et al.:BMJ 309(6959):901, 1994 [L20100112171]より作図
1.0 5.7510152025
01~14本
8.6
15~24本
11.2
25本以上
22.5
5 喫煙でCOPD※1死亡リスク※2が約23倍にまで増加!?(海外データ)
※2
1日喫煙本数
4 喫煙する喘息患者では喘息発作が2.4倍!
喫煙は喘息発作を誘発し、症状を悪化させます1)。フランスでの調査によれば、喫煙する喘息患者では、喫煙しないまたは過去に喫煙していた患者に比べて、1日1回以上の喘息発作が起こるリスクが2.39倍にもなります。
オッズ比
非喫煙者/過去喫煙者1)小田島 博:呼吸器科6(6):567, 2004 [L20091127002]Siroux, V. et al.:Eur Respir J 15:470, 2000 [L20100204013]
1.0[ ]:95%信頼区間
1
2
3
0喫煙者
2.39[1.06ー5.36]
花粉やダニなどのアレルギー物質を吸い込むことで引き起こされるアレルギー性鼻炎。
喫煙によって、そのリスク※は1.6倍にもなります。
※スウェーデン人男女2,044人(20~50歳)におけるアレルギー性鼻炎のリスク
「15歳以降、風邪でもないのに鼻が詰まったり、くしゃみが止まらないなどの鼻の問題症状がありましたか
。」という問いに、「はい」と回答し
た者をアレルギー性鼻炎と定義
非喫煙者
喫煙者
相対リスク
●アレルギー性鼻炎のリスク※
0.80.60.40.20.0 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8
1.01.6[1.4ー2.0]
Hellgren, J. et al.:Am J Ind Med 42(1):23, 2002 [L20091127011]より作図
[ ]:95%信頼区間Mantel-Haentzel検定
3 喫煙によってアレルギー性鼻炎のリスク
※が1.6倍!(海外データ)
1 喫煙がインフルエンザのリスクを高める!?(海外データ)タバコを吸っていると免疫機能が低下するため1)、インフルエンザにかかるリスクは2.42倍に、重症化するリスクは2.81倍にもなります※。
※男性イスラエル軍兵士331人(19歳前後)におけるインフルエンザにかかるリスク、または重症化するリスク入院または職務免除が必要な場合を重症と定義
オッズ比
●インフルエンザにかかるリスク※
非喫煙者(n=163)
喫煙者(n=168)
1)加濃 正人編:タバコ病辞典 1 実践社:166, 2006 [ L20100112173]Kark, J. D. et al:N Engl J Med 307(17):1042, 1982 [L20091127008]より作図
1.0
2.42***:p<0.0001(vs. 非喫煙者、χ2検定)
オッズ比
●インフルエンザの重症化するリスク※
0
1.01.52.02.53.0
0.5
0
1.01.52.02.53.0
0.5
***
非喫煙者(n=163)
喫煙者(n=168)
1.0
2.81
職場の禁煙をすすめる
5つの理由<メタボ・循環器編>
The Evidence
禁無断転載・複写・複製・電子化・転送 Copyright©2011 Pfizer Japan Inc.
ともに心血管疾患の危険因子
であるメタボリックシンドローム
と喫煙。わが国のコホート調査
によると、これら2つを併せもつ
ことで、心血管疾患のリスクが
男性では3.56倍にも高まり
ました。
方 法:40~74歳の日本人男性1,822人を対象に、喫煙およびメタボリックシンドローム(MetS)が心血管疾患に及ぼす影響について11.9年間にわたり追跡調査多変量解析(年齢、飲酒、糸球体濾過量、非HDLコレステロール値で補正)
●心血管疾患のリスク、喫煙、MetSの寄与危険割合
Higashiyama, A. et al.:Circ J 73(12):2258, 2009 [L20100610004]より作図
2「メタボ+喫煙」で心血管疾患のリスクが約3.6倍に!
5
4
3
2
1
非喫煙かつ非MetS
男 性
喫煙のみ
21.8%
喫煙かつMetS
11.9%
MetSのみ
7.5%
ハザード比
2.07[1.26ー3.40]
2.09[1.08ー4.04]
3.56[1.89ー6.72]
1 喫煙がメタボのリスクを高める!?定期健康診断受診者を対象とした断面調査では、メタボリックシンドロームのリスクは喫煙本数が多いほど高まり、1日1箱以上吸う人では非喫煙者の3倍以上に達しました。一方、禁煙した人では、禁煙後の期間が長いほど、メタボリックシンドロームのリスクが低下しました。
方 法:35~65歳の日本人男女5,033人を対象に、喫煙状況とメタボリックシンドロームの有無を検討多変量解析(年齢、性別、総コレステロール値で補正)
オッズ比
●メタボリックシンドロームのリスク
非喫煙者
Ishizaka, N. et al.:Atherosclerosis 181(2):381, 2005 [L20070918105]より作図
1.00
<10
1.37
10~19現在喫煙者:喫煙本数(本/日)
1.98
20~39
3.04
≧40
3.40
<1
2.17
1~4過去喫煙者:禁煙後の年数(年)
1.97
≧5
1.61
*:p<0.01 **:p<0.001***:p<0.0001(vs. 非喫煙者、多変量ロジスティック回帰分析)
0
1.0
2.0
3.0
4.0
***
******
***
**
5 禁煙で体重が増加しても、冠動脈疾患リスクは低下!喫煙習慣のある男性を対象としたHIPOP-OHP研究※によると、その後に禁煙した男性では、体重が約2kg増加したにもかかわらず、冠動脈疾患のリスクは約25%も低下しました。一方、喫煙を継続した男性では、増加体重は0.5kgであったものの、冠動脈疾患のリスクはわずかですが、有意に高まりました。
体 重
冠動脈疾患のリスク調査開始時の喫煙者
Tamura, U. et al.:J Atheroscler Thromb 17(1):12, 2010 [L20100204012]より作図
※High-risk and Population Strategy for Occupation Health Promotion study(栄養、運動、喫煙に関する4年間の介入研究)
4年後
[ ]:95%信頼区間
75(kg)
70
65
1.2
0.6
00.20.4
0.81.0
1.09[1.05ー1.14]
1
0.76[0.68ー0.85]
●体重の変化と冠動脈疾患リスク
禁煙喫煙継続
66.6kg(+0.5)
68.7kg(+2.4)66.3kg66.1kg
方 法:11事業場の1,995人の喫煙する男性を追跡。調査開始時に喫煙していた者のうち、4年後の調査時に少なくとも6ヵ月以上禁煙していた117人と喫煙を継続していた985人を対象に、喫煙状況が体重および冠動脈疾患に及ぼす影響を検討
わが国のコホート調査で、くも膜下出血を発症するリスクは、喫煙する男性では、非喫煙者の3.6倍、女性でも2.7倍にまで高まりました。しかし、過去喫煙者(男性)では、リスクは非喫煙者と同レベルにまで低下していました。
方 法:脳卒中、冠動脈疾患およびがんの既往のない40~59歳の男性19,782人、女性21,500人を対象に、脳卒中と喫煙の関連について、平均11年間にわたりコホート調査多変量解析(年齢、飲酒、BMI、糖尿病の既往、教育レベル、運動、野菜・果物・魚の摂取頻度、調査実施保健所 で補正)
相対危険度
●くも膜下出血のリスク
非喫煙者 過去喫煙者(男性)
Mannami, T. et al.:Stroke 35(6):1248, 2004 [L20080218074]より作図
43210
1.0
男性 女性喫煙者
4 くも膜下出血のリスク、禁煙で戻る!?
[ ]:95%信頼区間
1.12[0.40ー3.10]
3.60[1.62ー8.01] 2.70
[1.45ー5.02]
3 虚血性心疾患死のリスク、喫煙男性※で約4.3倍!
喫煙は心血管疾患のリスクを高めます。なかでも、虚血性心疾患による死亡リスクは、喫煙する男性
※
では非喫煙男性の4.25倍にも高まります。一方、禁煙した男性では非喫煙男性と同レベルでした。
非喫煙
過去喫煙
相対危険度
●虚血性心疾患による死亡リスク
0 1 2 3 4 5
1.00[0.28ー3.53]
喫煙(21本以上/日)4.25[1.42ー12.8]
Ueshima, H. et al.:Stroke 35(8):1836, 2004 [L20070921047]より作図
[ ]:95%信頼区間
喫煙(1~20本/日)1.56[0.54ー4.53]
1方 法:心血管疾患の既往のない30歳以上の日本人男女9,638人を対象に、喫煙が心血管疾患による死亡に及ぼす影響について14年間にわたり追跡調査多変量解析(年齢、収縮期血圧、BMI、総コレステロール、飲酒、糖尿病 で補正)
男 性
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職場の禁煙をすすめる
5つの理由<受動喫煙編>
The Evidence
わが国の労働者を対象としたHIPOP
‒OHP研究※で、糖尿病の発症
リスクは、非喫煙者でも職場の
受動喫煙を受けることで、喫煙者とほ
ぼ同様の1.81倍に高まることがわかり
ました。
方 法:19~69歳の日
本人男女
6,498人を対象に、喫煙・受
動喫煙が糖尿病リスクに及ぼ
す影響について、中央値3.4
年間にわたり追跡調査
多変量解析(年齢、性別、
BMI、身体活動、飲酒、糖尿
病の家族歴、高血圧、健康増
進のための介入の有無、甘味
飲料の摂取頻度、野菜の摂
取頻度、脂肪の過剰摂取の
有無 で調整)
●糖尿病の発症リスク
Hayashino, Y. et al.:Diabetes C
are 31(4):732, 2008 [L20091
001059]より作図
2 職場の受動喫煙で、吸わない人
の糖尿病リスクが約1.8倍に!
※High-risk and Population Stra
tegy for Occupational Health Pro
motion Study
ハザード比
受動喫煙なし職場の受動喫煙あ
り
2.02.5
1.51.00.50
1.0喫煙者
非喫煙者
[ ]:95%信頼区間
*:p=0.028、**:p=0.002
(受動喫煙のない非喫煙者と比較)
1.81[1.06ー3.19]
1.99[1.29ー3.04]
*
**
40302010
心血管疾患※1
呼吸器疾患※2
入院率(人口千人当たりの入院数)の減少率(%)0 50
33%[32%ー34%]
39%[38%ー40%]
[ ]:95%信頼区間
1 受動喫煙防止条例で、脳卒中などによる入院が39%も低下!
カナダのトロント市は、1999年から公共の場での喫煙を禁止する条例を段階的に導入し、2004年
にはバーやカジノも含め禁煙としました。その結果、条例施行3年前に比べ、最終段階完了の2年後
では、心血管疾患※1および呼吸器疾患※2による入院が、それぞれ39%、33%も減少しました。
方 法:カナダのトロント市における入院率を算出条例が施行される3年前である1996年1月と、バーやカジノも含む最終段階が完了した2年後の2006年3月を比較※1:急性心筋梗塞、狭心症、
脳卒中※2:喘息、慢性閉塞性肺疾患、
肺炎または気管支炎
●禁煙条例による入院の減少(海外データ)
Naiman, A. et al.:CMAJ 182(8):761, 2010 [L20100804197]より作図
換気扇の下で吸っても、受動喫煙は防げない!5家族のために、換気扇の下で喫煙するお父さんも多いはず。しかし、換気扇のそばや、閉めたドアに近い屋外で喫煙しても、子どもの受動喫煙レベルは、喫煙者のいない家庭の3.23倍にも及ぶとの報告があります。
Johansson, A. et al.:Pediatrics 113(4):e291, 2004 [L20100804196]より作図
●子どもの受動喫煙レベル(海外データ)
方 法:両親とも喫煙する2.5~3歳のスウェーデンの子ども366人の尿中コチニン濃度を、両親の家庭内の喫煙状況(喫煙する場所、ドアの開閉)で分析。比較対照は両親とも非喫煙の433名の子ども。
喫煙者のいない家庭
換気扇のそばや屋外(閉めたドア付近)で親が喫煙
オッズ比0 1 2 3 4
3.23[1.3ー7.9]
1.0[ ]:95%信頼区間
p=0.01(ロジスティック回帰分析)
6~16歳の米国の子どもを対象とした調査で、読解力テストの得点は、受動喫煙レベルが高まるほど低下し、数学やブロックデザインの得点も、同様の低下を示しました。●読解力テストの得点※と受動喫煙レベル(海外データ)
Yolton, K. et al.:Environ Health Perspect 113(1):98, 2005 [L20100804194]より改変
4 受動喫煙が子どもの学力にも悪影響!
読解力テスト平均点
0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5(ng/mL)血清中コチニン濃度=受動喫煙レベル
95.0
87.5
90.0
92.5破線:95%信頼区間
(点) 方 法:6~16歳の米国人の子ども4,399人を対象に、受動喫煙が認知能力に及ぼす影響を調査受動喫煙のバイオマーカーとして血清中コチニン(ニコチンの代謝産物)濃度を使用※読解力テストは100点が満点
3 夫からの受動喫煙で、吸わない妻の肺腺がんリスクが倍増!
全国11保健所によるJPHC研究※1で、タバコを吸わない女性の肺腺がん
※2発症リスクは、夫からの
受動喫煙により、夫が喫煙しない女性の2.03倍に高まることが報告されました。
●肺腺がん発症リスク
Kurahashi, N. et al.:Int J Cancer 122(3):653, 2008 [L20080730004]より作図
方 法:40~69歳の喫煙しない日本人女性28,414人を対象に、夫の喫煙が肺がん発症リスクに及ぼす影響について、平均13.3年間にわたり追跡調査多変量解析(年齢、地域、飲酒、肺がんの家族歴、閉経の状態 で調整)
※1:Japan Public Health Center‒based Prospective Study
※2:肺がんの分類 ●非小細胞肺がん(腺がん、扁平上皮がん、大細胞がん)
●小細胞肺がん
ハザード比
なし
2.02.5
1.51.00.50
1.0
あり
夫からの受動喫煙
[ ]:95%信頼区間 2.03[1.07ー3.86]
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職場の禁煙をすすめる
5つの理由<消化器疾患編>
The Evidence
大腸(結腸・直腸)のがん検診で発見されにくく、隆起性のポリープよりも悪性度が高い扁平腺腫。喫煙者※では、扁平腺腫のリスクが非喫煙者の2.53倍、直径6mmを超えるものに関しては3.84倍に高まると報告されています。
方 法:ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校医療センターで内視鏡検査を受けた600例(無症候、平均年齢56歳)を対象に、喫煙と大腸の扁平腺腫との関連を調査多変量解析※累積の喫煙量が10pack year(「pack(1日の喫煙本数/20本)」×「喫煙年数」)が10以上で、現在も喫煙を継続している、もしくは禁煙後の期間が10年以内の者
●大腸の扁平腺腫のリスク(海外データ)
Anderson, J. C. et al.:Gastrointest Endosc 71(7):1234, 2010 [L20110112010]より作図
直径6mm超の扁平腺腫のリスク、喫煙者※では約3.8倍!
オッズ比
非喫煙者 扁平腺腫全体
4
3
2
1
0
1.0
>直径6mm多量喫煙者※
[ ]:95%信頼区間
2.53[1.60ー4.00]
3.84[2.02ー7.32]
5
喫煙、ヘリコバクター・ピロリ(H.ピロリ)感染といった消化性潰瘍の危険因子に関するメタアナリシスにおいて、消化性潰瘍の人口寄与危険度割合は、「H.ピロリ感染+喫煙」では34%と最大、次いで「H.ピロリ感染単独」での31%と報告されています。
●消化性潰瘍の人口寄与危険度割合(海外データ)
Kurata, J. H. et al.:J Clin Gastroenterol 24(1):2, 1997 [L49990099120]より作図
4 消化性潰瘍の34%は、「H.ピロリ感染+喫煙」に起因!
方 法:消化性潰瘍の危険因子に関する論文(非ステロイド性抗炎症薬:37報、H.ピロリ感染:6報、喫煙:20報)をメタアナリシス
「H.ピロリ感染+喫煙」
34%
「H.ピロリ感染単独」
31%
「非ステロイド性抗炎症薬」
24%
「その他」
11%
2 喫煙で“重篤な萎縮性胃炎”のリスクが約9.3倍に!
胃十二指腸内視鏡検査を受けた患者を対象としたわが国の調査による
と、喫煙により重篤な萎縮性
胃炎、重篤な腸上皮化生のリスクが、それぞれ非喫煙者の9.31倍、4.91倍
にも高まりました。
非喫煙
オッズ比
●重篤な萎縮性胃炎および腸上皮化生のリスク
0 2 4 6 8 101 3 5 7 9
喫煙(重篤な腸上皮化生)4.91[1.90ー12.68]
Nakamura, M. et al.:Dig Dis Sci 47(3):675, 2002 [L2011011
1007]より作図
[ ]:95%信頼区間
喫煙(重篤な萎縮性胃炎)9.31[3.85ー22.50]
1.0
方 法:胃十二指腸内視鏡検査を受けた日本人の患者327例を対象に、喫煙が萎縮性胃炎、腸上皮化生に及ぼす影響について調査萎縮と腸上皮化生の程度をupdated Sydney systemに従って4段階にスコア化し、胃前庭部と胃体部の合計スコアが4点以上で“重篤”と定義した多変量解析
わが国の男性を対象とした調査で、食道がんのリスクは、1日1箱未満の喫煙により非喫煙者の5倍にも高まりました。しかし、禁煙により、非喫煙者と同レベルまで低下しました。
方 法:がんの既往のない40歳以上の日本人男性を対象とした2つのコホート研究(①:9,008人を9年間追跡、②:17,715人を7.6年間追跡)を解析し、喫煙が食道がん発症リスクに及ぼす影響について調査多変量解析
ハザード比
●食道がん発症リスク
非喫煙1~19本/日
Ishikawa, A. et al.:J Epidemiol 16(5):185, 2006 [L20110114025]より作図
6543210
1.0
≧20本/日現在喫煙
1 高まった食道がんのリスク、禁煙で低下!
5.00[1.70ー14.66]
5.09[1.80ー14.40]
[ ]:95%信頼区間男 性
過去喫煙
2.07[0.66ー6.57]
p for trend <0.0001
3 喫煙で上昇する胃がんのリスク、禁煙を続ければ元に戻る!
わが国の男性を対象とした調査で、胃がんのリスクは、1日の喫煙本数
が多いほど上昇し、1日1箱
の喫煙者でも非喫煙者の約2倍に高まりました。一方、禁煙を15年以上
続けた人では、非喫煙者と
同レベルまで低下しました。方 法:2つのコホート研究(①:40歳以上の日本人男性9,980人を9年間追跡、②:40~64歳の日本人男性19,412人を7年間追跡)を解析し、喫煙が胃がん発症に及ぼす影響について調査多変量解析
相対危険度
●胃がん発症リスク
非喫煙者
Koizumi, Y. et al.:Int J Cancer 112(6):1049, 2004 [L20110
111008]より作図
1.0
1~19喫煙本数(本/日)現在喫煙者
1.41[1.00ー1.98]
20~24
1.98[1.45ー2.71]
≧25
2.15[1.53ー3.02]
<5
1.72[1.12ー2.64]
5~14
禁煙後の年数(年)過去喫煙者
2.08[1.41ー3.07]
≧15
1.31[0.77ー2.21]
0
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
[ ]:95%信頼区間男 性p<0.05
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職場の禁煙をすすめる
5つの理由<タバコ規制編>
The Evidence
同じ調査によると、65%と多くの労働者が職場で受動喫煙を受けてい
ました。そのためか、労働
者の54.1%が「喫煙場所以外の禁煙化」を、24.0%が「喫煙場所を設
けず、事業所全体を禁煙と
すること」を望んでいました。
●職場での受動喫煙がある労働者の割合
●喫煙対策として望んでいる労働者の割合
厚生労働省:平成19年 労働者健康状況調査結果の概況:2008 [L20
110404003]より作図
2 約4分の1の労働者は事業所全体の禁煙を希望!
方 法:10人以上を雇用する民営事業所から抽出した約14,000事業所と労働者約18,000人を対象に、2007年10月31日現在の状況について調査
職場の受動喫煙あり
65.0%
不明
1.3%
なし
33.7%
0 20 40 60 80 100(%)
喫煙場所以外の禁煙化
喫煙場所を設けず事業所全体を禁煙
※複数回答可
喫煙対策の内容
54.1%
24.0%
Hopkins, D. P. et al.:Am J Prev Med 38(2 Suppl):S275, 2010 [L20110331071]より改変
5 社内の禁煙化は、喫煙者にもメリット!
社内の禁煙化の効果は、受動喫煙が減ることだけではありません。喫煙する従業員は、以前より多く禁煙に挑戦するようになり、その結果、禁煙成功者が増えて喫煙関連疾患の罹患率・死亡率の低下につながります。●社内禁煙が健康の転帰に影響を及ぼす経路(海外データ)
喫煙する従業員 職場での
喫煙が減少
禁煙意欲の向上
禁煙の試みが増加
再喫煙の減少
禁煙成功者の増加
喫煙者が減少
1日の喫煙本数が減少
罹患率・死亡率の低下
禁煙化の方針
介入集団中間結果健康の転帰証明されている証明はされていない関連がある ※米国CDC地域予防サービスによる概念図
?
?
4 禁煙サポートと敷地内禁煙で、男性喫煙率が約10%減!
敷地内禁煙が喫煙率低下に及ぼす影響を検討した調査で、ある工場で禁煙サポートと敷地内禁煙を実施したところ、男性従業員の喫煙率は約10%低下したと報告されています。
方 法:工場の男性従業員を対象に、毎年9月に実施している定期健康診断時の問診票より喫煙率を調査禁煙サポートは、希望者に対して、禁煙補助薬の配布と産業医、看護師によるカウンセリングを実施(施行年の前年6月~9月)
●工場の男性従業員の喫煙率
3年前 2年前 1年前 施行年 1年後 2年後永田 智久:“進めよう職場の喫煙対策” 安全衛生のひろば 中央労働災害防止協会編:9, 2010 [L20100709015]
0
(%)45403530252015105
42.7 39.5 33.8%23.1 23.4% 22.6
敷地内禁煙の告知
禁煙サポート
敷地内禁煙
喫煙率の変化
-3.8%ー4(%)
0
ー1
ー2
ー3
1日喫煙本数の変化
(喫煙継続者1人あたり) ー4
(本)
0
ー1
ー2
ー3
3 職場を全面禁煙にすると、
喫煙率が3.8%低下!26の研究をメタアナリシス
したところ、職場の全面禁煙(建物内禁煙)により喫煙
率は3.8%低下
し、禁煙しなかった従業員でも1日の喫煙本数が3.1
本減ることが分かりました。
●職場の全面禁煙による喫煙率と喫煙本数の変化(海外
データ)
Fichtenberg, C. M. et al.:BMJ 325(7357):188
, 2002 [L20100709013]より作図
方 法:米国、オーストラリア、カナダ
、
ドイツにおける職場の禁煙
化に関する26の研究をメタ
アナリシス
-3.1本
厚生労働省による調査で、何らかの喫煙対策に取り組んでいる事業所の割合は、2002年から2007年の5年間に急増し75.5%に達しました。それでも、92.2%の労働者はさらなる喫煙対策を望んでいました。
●喫煙対策に取り組んでいる事業所の割合 ●職場における喫煙対策として望むことがある労働者の割合
厚生労働省:平成19年 労働者健康状況調査結果の概況:2008 [L20110404002], [L20110404003]より作図
1 喫煙対策に取り組む事業所は増加するも、不満あり!
喫煙対策に取り組んでいる
事業所の割合
0105060708090
(%)100
方 法:10人以上を雇用する民営事業所から抽出した約14,000事業所と労働者約18,000人を対象に、2007年10月31日現在の状況について調査
喫煙対策として望むことあり
92.2%
対策として望むことなし、または不明
7.8%
2002年 2007年
75.5%59.1%
禁無断転載・複写・複製・電子化・転送 Copyright©2011 Pfizer Japan Inc.
職場の禁煙をすすめる
5つの理由<歯科疾患編>
The Evidence
上述の調査では歯周病と喫煙の関連も検討
され、喫煙者では歯周病のリスクが非喫煙者
の1.74倍
に高まると報告されています。過去喫煙者で
は、リスクが非喫煙者と有意差のないレベ
ルにまで
低下しました。 方 法:秋田県横手市に住む
40~
75歳の男性1,088人を対象
に、喫煙が歯の本数および歯
周病に及ぼす影響について
調査。歯周ポケットが6mm
以上ある歯が1つ以上ある場
合、「歯周病あり」とした
多変量解析(年齢、歯磨きの
頻度といった口腔衛生に関す
る行動で補正)
●歯周病のリスク
Yanagisawa, T. et al.:J Periodontal R
es 45(2):277, 2010 [L2011052500
2]より作図
喫煙者は歯周病に約1.7倍なりやすい
!
オッズ比
非喫煙者喫煙者
2.0
1.5
1.0
0.5
0
1.0
過去喫煙者
[ ]:95%信頼区間1.74
[1.21ー2.50] 1.27[0.90ー1.78]
22005年のデータを用いた試算で、わが国における喫煙による歯周疾患の超過医療費は、男性では1,083億円、女性では640億円、合計1,723億円に上ると推計されています。●喫煙による歯周疾患の超過医療費(2005年度)
喫煙がもたらす歯周疾患の超過医療費は1,723億円!5
方 法:2005年度の国の4つの既出統計データ(国民医療費、社会医療診療行為別調査、推計患者数(外来・歯科)、国民生活基礎調査の喫煙率)を用いて、喫煙による歯周疾患の超過医療費を推計
山本 龍生ほか:ヘルスサイエンス・ヘルスケア 9(2):69, 2009 [L20110525006]より作図
男 性喫煙による歯周疾患超過医療費 1,083億円
31.5%
640億円
12.9%
1,723億円20.5%
歯周疾患医療費に対する超過割合
女 性 合 計
北海道十勝地域の3歳児歯科健診受診者を対象とした調査で、虫歯(う蝕)のリスクは、家庭内に喫煙者がいる幼児では、喫煙者がいない幼児の1.5倍に高まると報告されています。
方 法:北海道十勝地域の16町村において平成18年度3歳児歯科健診を受けた1,391人を対象に、家庭内喫煙者の有無とう蝕との関連を調査
●3歳児の虫歯リスク
中山 佳美ほか:口腔衛生会誌 58(3):177, 2008 [L20110525004]より作図
3歳児の虫歯リスクは、家庭内に喫煙者がいると高まる!
オッズ比
いない家庭内の喫煙者
2.0
0
0.5
1.0
1.51.0
い る
[ ]:95%信頼区間
1.5[1.04ー2.0]
4p=0.0269(ロジスティック回帰分析)
自費診療で高額なインプラント(人工歯根
)治療ですが、その成否も、喫煙と深く関わ
っています。
海外の調査で、インプラント失敗のリスクは
、喫煙により非喫煙の3.1倍に高まると報告さ
れています。
方 法:歯科インプラント治療
を受け
た677例(平均年齢53.1歳、
インプラントは合計2,349本)
を対象に、喫煙がインプラン
ト失敗のリスクに及ぼす影響
について、平均23.8ヵ月追跡
調査多変量解析(最初にイ
ンプラ
ント治療を受けた年齢、性別、
解剖学的な顎の位置で補正)
●インプラント失敗のリスク(海外データ)
Chuang, S. K. et al.:J Dent Res 81(8
):572, 2002 [L20110525003]より作
図
喫煙していると、インプラント
失敗のリスクが約3倍!
ハザード比
非喫煙
3.53.02.52.01.51.00.50
1.0
現在喫煙
[ ]:95%信頼区間3.1
[1.7ー5.5]
3p<0.01(コックス比
例ハザード回帰モデル)
日本人男性を対象とした調査で、歯を9本以上失うリスクは喫煙者で高く、1日21本以上タバコを吸う人では、非喫煙者の2.27倍に高まることがわかりました。しかし、禁煙を継続することで、リスクは非喫煙者と同レベルにまで低下しました。
方 法:秋田県横手市に住む40~75歳の男性1,088人を対象に、喫煙が歯の本数および歯周病に及ぼす影響について調査多変量解析(年齢、歯磨きの頻度といった口腔衛生に関する行動で補正)
オッズ比
●歯を9本以上失うリスク
Yanagisawa, T. et al.:J Periodontal Res 45(2):277, 2010 [L20110525002]より作図
2.5
0
0.5
1.0
1.5
2.0
非喫煙者
1.00
≦15
1.30[0.75ー2.24]
16~20
1.65[0.97ー2.81]
2.27[1.14ー4.52] 2.02
[1.23ー3.30]
1.17[0.65ー2.08]
1.69[0.90ー3.17]
0.59[0.29ー1.17]
≧21 ≦10 11~20 21~30 ≧31過去喫煙者:禁煙年数
喫煙者:1日の喫煙本数
1 歯を9本以上失うリスク、喫煙者では高い!
[ ]:95%信頼区間p for trend=0.022