r-1115/r-1210 耐電圧トランス - ムサシインテック … 目 次 1....

20
4116-000ST001 ムサシインテック MUSASHI IN-TECH 3600/3601 R-1115/R-1210 耐電圧トランス 取扱説明書 第2版 本器を末永くご愛用いただくために、ご使用の前にこの取扱説明書をよくお読みのう え、正しい方法でご使用下さい。 尚、この取扱説明書は、必要なときにいつでも取り出せるように大切に保存して下さい。

Upload: phamnhu

Post on 04-Jul-2019

281 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: R-1115/R-1210 耐電圧トランス - ムサシインテック … 目 次 1. 耐電圧(PUN)試験の方法 1.1 準備操作 1.1.1 配置と準備 1 1.1.2 スイッチ・ツマミ等の初期設定

4116-000ST001

ムサシインテック

MUSASHI IN-TECH

3600/3601

R-1115/R-1210 耐電圧トランス

取扱説明書

第2版

本器を末永くご愛用いただくために、ご使用の前にこの取扱説明書をよくお読みのう

え、正しい方法でご使用下さい。

尚、この取扱説明書は、必要なときにいつでも取り出せるように大切に保存して下さい。

Page 2: R-1115/R-1210 耐電圧トランス - ムサシインテック … 目 次 1. 耐電圧(PUN)試験の方法 1.1 準備操作 1.1.1 配置と準備 1 1.1.2 スイッチ・ツマミ等の初期設定
Page 3: R-1115/R-1210 耐電圧トランス - ムサシインテック … 目 次 1. 耐電圧(PUN)試験の方法 1.1 準備操作 1.1.1 配置と準備 1 1.1.2 スイッチ・ツマミ等の初期設定

4116-000ST001

目 次

1. 耐電圧(PUN)試験の方法

1.1 準備操作

1.1.1 配置と準備 ―――――――――――――――――――― 1

1.1.2 スイッチ・ツマミ等の初期設定 ――――――――――― 1

1.1.3 結 線 ―――――――――――――――――――――― 3

1.2 耐電圧(PUN)試験方法

1.2.1 試験操作 ――――――――――――――――――――― 3

1.3 ケーブル試験の場合

1.3.1 3 線一括の方法 ――――――――――――――――――― 6

1.3.2 分割の方法 ―――――――――――――――――――― 6

1.4 漏洩電流を測定したい場合 ―――――――――――――――― 8

1.5 耐電圧試験用高圧リアクトル

1.5.1 リアクトル使用のメリット ――――――――――――― 8

1.5.2 IP-R1500 に最適なリアクトル ―――――――――――― 9

1.5.3 その他の耐電圧試験用高圧リアクトル

DR-1200M 形シリーズ ―――― 9

1.5.4 パネル面の説明 ―――――――――――――――――― 10

1.6 付属コード

1.6.1 PUN コード ――――――――――――――――――――― 11

1.6.2 アースコード ――――――――――――――――――― 11

2. 免責事項について ―――――――――――――――――――――― 12

Page 4: R-1115/R-1210 耐電圧トランス - ムサシインテック … 目 次 1. 耐電圧(PUN)試験の方法 1.1 準備操作 1.1.1 配置と準備 1 1.1.2 スイッチ・ツマミ等の初期設定
Page 5: R-1115/R-1210 耐電圧トランス - ムサシインテック … 目 次 1. 耐電圧(PUN)試験の方法 1.1 準備操作 1.1.1 配置と準備 1 1.1.2 スイッチ・ツマミ等の初期設定

- 1 -

4116-000ST001

1.耐電圧(PUN)試験の方法

用語の説明

IP-R形と最適なトランスの組合せは下記のとおりです。

本体形名 トランス形名 電圧調整器形名 組合せの形名 容量(kVA)

IP-R1500形+R-1115形 → IP-R1115形 1.5IP-R1500形+R-1210形 → IP-R1210形 1.0

IP-R2000形+R-1220形 → IP-R1220形 2.0

IP-R3000形+R-1230形 → IP-R1230形 3.0

IP-R5000形+R-1250形+5kVA-SD → IP-R1250形 5.0

ここでは、IP-R1500形とR-1115形、R-1210形の組合せでの耐電圧試験に

ついて説明します。個別の耐電圧試験方法については、個別の取扱説明書をご参照下さい。

注 意

耐電圧試験は、高電圧を発生させる危険な試験です。従って試験中は、被試験物や耐

電圧試験用トランスの周囲2m以内に人が容易に近づかないよう、ロープを張る等の安

全措置を施します。

1.1 準備操作

1.1.1 配置と準備

(1) 本器を図-1.2または図-1.3のように並べて配置します。トランス部とトランス制御部は抜差

蝶番です。これを開いて配置します。

(2) トランス部は完全に大地から絶縁されて

いることが望ましいので、キャスターの

絶縁ゴムがすりへっていたら、金属部分

が大地に接触していないかを確認します。もし接触するようなら絶縁シートを敷

いてその上にトランスを置きます。

キャスターが金属性の場合も同様です。

(3) 耐電圧試験の高電圧印加部に対する検電

確認、メガーリング、残留電荷の放電な

どは、手順をあらかじめ定め、確実に実

行します。

1.1.2 スイッチ・ツマミ等の初期設定

試験器の結線を行う前に、スイッチ、

ツマミ類を下記のとおり設定します。

図-1.1 トランス部の置き方

(1) IP-R1500形の初期設定

◎電源抵抗部

⑧主電源スイッチ → OFF③補助電源スイッチ → OFF

⑨電圧電流調整器 → 「0」位置

⑬OCR出力電流切換スイッチ → 20Ω

◎計器操作部

⑫試験項目切換スイッチ → PUN

⑪接点構造切換スイッチ → どこでも良い

⑬電圧位相反転スイッチ → NORM.(通常)

⑮電圧計レンジ切換スイッチ → 150V(12kV)⑭OVR/UVR/DGR電圧調整器 → 「0」位置

⑰電流計レンジ切換スイッチ → 50A

⑥R相/T相切換スイッチ → どちらでも良い

Page 6: R-1115/R-1210 耐電圧トランス - ムサシインテック … 目 次 1. 耐電圧(PUN)試験の方法 1.1 準備操作 1.1.1 配置と準備 1 1.1.2 スイッチ・ツマミ等の初期設定

- 2 -

4116-000ST001

(2) R-1115形、R-1210形の初期設定

◎トランス制御部

ACBブレーカー → ON

充電電流計切換スイッチ → 大きい方のレンジ

【図‐1.2 IP-R1115の耐電圧試験結線図(充電電流計を使用した場合)】

【図‐1.3 IP-R1210の耐電圧試験結線図(充電電流計を使用した場合)】

Page 7: R-1115/R-1210 耐電圧トランス - ムサシインテック … 目 次 1. 耐電圧(PUN)試験の方法 1.1 準備操作 1.1.1 配置と準備 1 1.1.2 スイッチ・ツマミ等の初期設定

- 3 -

4116-000ST001

1.1.3 結線

(1) IP-R1500/R-1115形による試験・・・・・・図-1.2を参照

IP-R1500/R-1210形による試験・・・・・・図-1.3を参照下記(2)~(6)項および1.2項耐電圧試験の手順に従って、結線します。

警 告

本器は高圧が発生し危険ですから結線は正しく、コネクタターミナル等の締付けは十

分に行います。また、試験中は、高圧端子に触れないよう十分に注意してください。

(2) 電源抵抗部の①アース端子と計器操作部の⑩アース端子に接地コードを接続し、クリップ側

を「接地」へ接続して本器の「接地」を取ります。

(3) 電源抵抗部の⑥電源コネクタへ電源プラグコードを接続し、プラグ側をコンセントへ接続し

ます。この時、⑥電源コネクタの金属部に手を触れて⑤極性確認ランプが点灯していること

を確認します。点灯していない場合は、電源プラグコードのコンセントへの接続を逆にして

点灯することを確認します。

(4) 電源抵抗部の②SCコネクタと計器操作部の⑨SCコネクタをSCコードで接続します。(5) 計器操作部の③PUN試験コネクタとトランス制御部の耐圧コード接続コネクタを耐圧

コードで接続します。

耐圧コードの黒チューブ端子を 0V端子(トランス制御部)に接続します。

耐圧コードの赤チューブ端子を 110V端子(トランス制御部)に接続します。

(6) トランス制御部のPUNコード接続コネクタとトランス部のPUNコード接続コネクタを

PUNコードで接続します。

(7) トランス部のトランス部アース端子にアースコードを接続し、クリップ側を「接地」へ

接続してトランス部の「接地」をとります。

警 告

接地しないで使用した場合、感電事故等の重大事故につながり危険ですから、必ず接地します。

アースコードが作業者の試験中に於ける行動で引っかかったりしないよう配線します。

注 意

トランス部の③トランス部アース端子と外部の接地に接続するアースコードは、使用

する前に外観上の傷や断線がないか又は、クリップや端子に緩みがないか点検します。

接続先の「接地」に不安がある場合は、複数の接地を取ります。

1.2 耐電圧(PUN)試験方法

1.2.1 試験操作

警 告

① 耐電圧(PUN)試験は、高電圧を発生させる危険な試験です。従って試験中は被試験物及び高圧発生部の周囲2m以内に人が容易に近づかないように、ロープを張る等

の安全措置を施します。

② 検電器で無電圧を確認後、ケーブル等の切り離し作業及び本器との接続作業を実施し

ます。

(1) トランス部の②11000V(R-1210形の場合は、12000V)出力端子とR.S.

T相を短絡した被試験ケーブルを接続します。

この時、接続コードおよび被試験ケーブルの端末が変圧器等の他の機器、受配電盤の筺体に

接触しないように、最低でも20cm以上の間隔を保ち、単芯の丈夫な接続コードで接続し

ます。

Page 8: R-1115/R-1210 耐電圧トランス - ムサシインテック … 目 次 1. 耐電圧(PUN)試験の方法 1.1 準備操作 1.1.1 配置と準備 1 1.1.2 スイッチ・ツマミ等の初期設定

- 4 -

4116-000ST001

警 告

正しく結線されている確認及び、周囲の安全を充分確認した上で次の操作に移ります。

(2) 計器操作部の⑫試験項目切換スイッチをPUNモードに合わせます。

(3) 計器操作部の⑮電圧計レンジ切換スイッチを12kVレンジに合わせます。

:試験電圧の求め方参考

1. 試験電圧は最大使用電圧の1.5倍として、最低500V以上が規定です

2. 試験電圧の算出

(1) 低圧の変圧器および器具

「日本工業規格(JIS)」および「電気設備技術基準」等を

参照します。

各種の耐電圧試験方法と、印加電圧が異なっています。(2) 受電電圧3000Vの場合

3000V × 1.15 = 3450V(最大使用電圧)

3450V × 1.5 = 5175V(試験電圧)

(3) 受電電圧6000Vの場合

6000V × 1.15 = 6900V(最大使用電圧)

6900V × 1.5 = 10350V(試験電圧)

:負荷変動率参考

全負荷電圧変動率4.22%(力率100%として)

従って、全負荷時には

10350V × 1.0422 = 10787Vに設定印加する必要があります。

ただし、静電容量に対する全負荷時の波高値は、最大約5%上昇します。

(4) ⑧主電源スイッチをONにします。(⑦主電源ランプ点灯)

(5) ⑪スタートスイッチを押します。(⑩スタートランプ点灯)

(6) 耐電圧試験の被試験回路の充電電流は、あらかじめ調べる必要がありますので⑨電圧電流調

整器を徐々に時計式に回し、⑲電圧計の指示を見ながら、試験電圧まで上げて充電電流を測

定します。充電電流が小さい場合は充電電流計切換スイッチを小さいレンジに合せて読み取ります。

① 極端に耐電圧の悪いものは、この操作中に耐電圧不良となります。

② 耐電圧不良を起こした場合は、⑨電圧電流調整器を速やかに「0」に戻し、⑫ストップ

スイッチを押します。

③ 耐電圧不良にならない場合は次の操作を続けます。

(7) 試験電圧印加時の充電電流値を充電電流計から読み取ります。

その後、⑨電圧電流調整器を逆時計式に回し、「0」位置に戻します。

(8) ⑫ストップスイッチを押します。

注 意

1.試験中において万一短絡および感電事故等が発生した場合、トランス制御部のACB

ブレーカーがOFFとなり、高圧出力を遮断します。

2.電圧設定中にACBブレーカーが動作した場合は、1次電流が過電流状態にあり、結

線が間違えているか、試験対象物の絶縁が著しく低い可能性があり、ACBブレーカ

ー動作原因を明らかにして対応後に、よく注意して耐電圧試験を再開します。

ACBブレーカーがOFFさせる原因の特殊な例

① 試験電圧に合わせるために電圧を上昇させているときACBブレーカーが動作する。

○被試験物の高圧ケーブルの長さが耐電圧試験器の容量を超え、充電電流が多く、容量オ

ーバーを起こしている。(トランス制御部の充電電流計が振り切れている)

Page 9: R-1115/R-1210 耐電圧トランス - ムサシインテック … 目 次 1. 耐電圧(PUN)試験の方法 1.1 準備操作 1.1.1 配置と準備 1 1.1.2 スイッチ・ツマミ等の初期設定

- 5 -

4116-000ST001

○トランス高圧端子と被試験物を接続する電線が接地に触れているか、又は突起状に突き

出て接地との間で放電している。(絶縁電線を使用しても、絶縁電線外皮が接地と触れ

ていれば表面リークにより遮断します)○被試験物の筺体又は、シールド接地がとれてなく、筺体、シールドが帯電して大地との

間で放電している。

② ACBブレーカーよりも先に電源抵抗部の⑧主電源スイッチがOFFする場合

○電源の電圧降下が著しい場合、一次電流が増大し、⑧主電源スイッチがOFFします。

試験器内の電圧調整器1次側電流が⑧主電源スイッチの電流定格オーバーになっている。

③ 耐電圧試験中にACBブレーカーがOFFしたが、再度試験電圧を印加したら耐電圧試験

が行えた場合

○徐々に充電電流が上昇しACBブレーカーの動作電流値を超えた。○間欠的に被試験物が部分放電し、ACBブレーカーの動作電流値を超えた。

(9) トランス部のトランス部アース端子に接続したアースコードが作業者の試験中に於ける行動

で引っかかったりしないかなどの安全確認をします。

(10) ⑪スタートスイッチを押します。(耐電圧試験開始)

(11) ⑨電圧電流調整器を徐々に時計式に回し、試験電圧に設定後、10分間の耐電圧試験を行い

ます。

(12) 試験中にACBブレーカーの動作電流値以上の電流が流れた場合、耐電圧試験不良となり

出力電圧は遮断します。(13) 試験時間10分経過で印加時間終了です。

試験中カウンタが時間経過を表示するとともに1秒間隔でブザーが鳴りします。

試験中に耐圧不良が発生した場合は、トランス制御部のACBブレーカーが動作して出力

電圧を停止します。

10分試験終了の場合、ブザー音が連続音になり試験終了を知らせます。

(10分間を経過しても出力電圧は停止しません⑫ストップスイッチを押して停止します)

(14) 試験時間10分経過後、電源抵抗部の⑨電圧電流調整器を「0」位置に戻し、⑫ストップス

イッチを押します。(15) 判定

試験時間10分間の間に異常が無ければ合格です。

試験時間10分間の間にACBブレーカーが動作すると不合格です。

注 意

高電圧を印加したまま、急に電源をOFFにすると、その時の異常電圧で被試験物を

破壊することもあります。⑨電圧電流調整器を必ず「0」位置に戻してから⑫ストッ

プスイッチを押します。

(16) ⑧主電源スイッチをOFFしてから(⑦主電源ランプ消灯)トランス制御部のACBブレ

ーカーをOFFします。それと同時に充電電流計切換スイッチを大きいレンジに合わせて

おきます。(不用意に充電電流計を振り切らせないように安全サイドにする)

(17) 被試験ケーブルを完全に放電した後に配線を外し、操作スイッチ・ツマミ類を基の位置に戻して試験が終了します。(耐電圧試験終了)

警 告

試験終了後、被試験物を取り外すときは、高圧ゴム手袋を着用し、残留電荷を完全に

放電させてから取り外します。

残留電荷の放電には、抵抗付接地棒(MTS-3形)などを使用します。

Page 10: R-1115/R-1210 耐電圧トランス - ムサシインテック … 目 次 1. 耐電圧(PUN)試験の方法 1.1 準備操作 1.1.1 配置と準備 1 1.1.2 スイッチ・ツマミ等の初期設定

- 6 -

4116-000ST001

1.3 ケーブル試験の場合

1.3.1 3線一括の方法(図-1.4)被試験物のケーブルが細くて短かい場合は、充電電流が少ないので図1.4のように3線を一括

して一度に試験できます。しかし、ケーブルが太くて長い場合には、大きな充電電流が流れて、

試験器の容量不足で試験ができない場合は、1線毎に試験するか、分割して試験します。

この判断は、トランスの容量とトランス1次側電流により行います。

例:トランスがR-1115形の場合は、11000V,1.5KVAで一次側定格電流

は約14Aとなりますから、一次側電流計を見て14A以上にならない範囲で試験

します。

例:トランスがR-1210形の場合は、12000V,1.0KVAで一次側定格電流

は約8.4Aとなりますから、一次側電流計を見て9A以上にならない範囲で試験

します。

図-1.4 一括の結線図

1.3.2 分割の方法

この方法は、線間およびアース間の試験を2回で完了させる方法です。

(1) 第一回目の試験(図-1.5)

図-1.5 分割の結線図(一回目)

(1) ケーブルヘッドから出た3線(R相,S相,T相)の内、R相とS相を短絡します。

(2) T相を図のようにアースにおとします。

(3) R相・S相とT相間に10350V(または5175V)を印加します。

(4) 第一回目の試験では、① R相とT相間、S相とT相間の線間耐電圧試験

② R相とアース間、S相とアース間の耐電圧試験を行ったことになります。

Page 11: R-1115/R-1210 耐電圧トランス - ムサシインテック … 目 次 1. 耐電圧(PUN)試験の方法 1.1 準備操作 1.1.1 配置と準備 1 1.1.2 スイッチ・ツマミ等の初期設定

- 7 -

4116-000ST001

(2) 第二回目の試験 (図-1.6)

図-1.6 分割の結線図(二回目)

(1) 3線(R相,S相,T相)の内、R相とT相を短絡します。

(2) S相を図のようにアースにおとします

(3) R相・T相とS相間に、10350V(または5175V)を印加します。

(4) 第二回目の試験では、① R相とS相間、T相とS相間の線間耐電圧試験

② R相とアース間、T相とアース間の耐電圧試験を行ったことになります。

注意

この試験方法は、S相とT相間、R相とアース間に2回電圧が印加されることになり

ます。

Page 12: R-1115/R-1210 耐電圧トランス - ムサシインテック … 目 次 1. 耐電圧(PUN)試験の方法 1.1 準備操作 1.1.1 配置と準備 1 1.1.2 スイッチ・ツマミ等の初期設定

- 8 -

4116-000ST001

1.4 漏洩電流を測定したい場合

静電容量の少い変圧器などの耐電圧試験で本器の電流計で読み取れないときは、0.5級のメ

ーターを用い、漏洩電流を測定します。このとき、メーター保護のため両端子に導体を接続し、

アレスターを入れて、メーターを保護すると同時にメーター断線時に接地からトランスのE端子

が開放されるのを防ぎます。アレスターがない場合は、その間に湿らせた紙をはさみ、アレスターの代用をさせ、図のように被試験物とメーターを直列に接続します。(図-1.7)

図-1.7 漏洩電流測定回路図

この方法を用いると、万一試験物が破壊しても、その時に発生する衝撃電圧は、アレスターに

よりバイバスされますからメーターを痛めることはありません。

警 告

一般の電流計及び精密級のメーターに、過電流が流れると開放状態となり耐電圧試験

器のアースが浮いて大変危険な状態になります。そのため外部電流計での測定時には、

必ずメーター端子間にアレスターを入れて測定します。

1.5 耐電圧試験用高圧リアクトル1.5.1 リアクトル使用のメリット

ケーブルなどの耐電圧試験で一番問題となるのが耐圧試験用トランスの出力容量です。この出

力容量により試験できるケーブルの長さや種類が決まります。この出力容量と比例の関係にある

のが定格電流で、定格電流により試験できるケーブルの長さや種類が決まります。

そこで、耐電圧試験用トランスと同容量のリアクトルを使用すると電源効率が向上し定格電流

を増加するので、今までより長いケーブルの試験が可能となります。いいかえると、同じケーブ

ル長の試験でも今までよりも電源消費が少なくなることになります。

★ リアクトルを耐電圧試験に併用すると、以下に述べるメリットがあります ★

① 耐電圧トランスの重量を小型軽量化できる。(小さな容量の耐電圧トランスで長いケー

ブルが試験できる。)

② 耐電圧トランスとリアクトルに分割することにより、一人でも持ち運びや移動ができる。

③ リアクトルを複数使用すると試験できるケーブルの長がどんどん長くなる。

④ リアクトルは電源の効率をよくするので、現場における電源容量が小さくできる。

⑤ 波形がきれいになる。

また、リアクトルは確かに便利なものですが、ケーブルの静電容量負荷が入って、はじめて成

り立つので、結線ミスや断線、結線外れなどの場合、過電流やメーター等に思わぬ電圧がかかり

ます。それらに対する保護、保安はリアクトルは無論のこと、接続される耐電圧試験用トランス

にも、十分な配慮が必要です。リアクトルの選定には耐電圧試験用トランスの出力容量・発熱や

振動または種々の損失等を考慮し耐電圧試験用トランスに最適なリアクトルを選定します。

Page 13: R-1115/R-1210 耐電圧トランス - ムサシインテック … 目 次 1. 耐電圧(PUN)試験の方法 1.1 準備操作 1.1.1 配置と準備 1 1.1.2 スイッチ・ツマミ等の初期設定

- 9 -

4116-000ST001

1.5.2 IP-R1500に最適なリアクトル

① IP-R1500形+R1115形 → IP-R1115形の耐電圧試験器仕様

入力電圧 AC100V ±10%出力電圧 AC1100V トランス比 1:100

容 量 1.5KVA 136mA MAX (1次電流約14A)

② DR-1115M形 耐電圧用高圧リアクトル(製品NO.3700)の仕様

定格周波数 50Hz 60Hz インダクタンス 約 257H

定格 容量 1.5kvar 1.2kvar 漏れ電流計 0~300mA 2.5級

定格 電圧 1100V 外形 寸法 約 220×220×410定格 電流 136mA 113mA 質 量 約 21Kg

定格 時間 30分 適応トランス R-1115形 ( 136mA)

10350Vの電流 128mA 107mA (電流容量) R-1210形 ( 83mA)

③ IP-R1115形のみとDR-1115M形を組合せた場合の定格電流増加の比較

試験電圧が10350Vの場合

50Hz地域でIP-R1115形の定格電流は 136mA

DR-1115M形を併用すると定格電流は 264mAに増加60Hz地域でIP-R1115形の定格電流は 136mA

DR-1115M形を併用すると定格電流は 243mAに増加

1.5.3 その他の耐電圧試験用高圧リアクトルDR-1200M形シリーズ

形 名 DR-1220M形(製品NO.3701) DR-1230M形(製品NO.3702) DR-1250M形(製品NO.3703)

定格周波数 50Hz 60Hz 50HZ 60Hz 50HZ 60Hz

定格容量 2.3kvar 1.9kvar 3.5kvar 2.9kvar 5.7kvar 4.8kvar

定格電圧 AC 12,000V

定格電流 191mA 160mA 293mA 244mA 477mA 399mA

時間定格 30分

AC10350V 時の電流 165mA 138mA 253mA 211mA 412mA 343mA

インダクタンス 約200H 約130H 約80H

漏れ電流計 AC0 500mA 2.5級 AC0~600mA 2.5級 AC0~1000mA 2.5級~

外形寸法 220(W) 220(D) 410(H)mm 220(W) 220(D) 410(H)mm 240(W) 240(D) 445(H)mm× × × × × ×

質 量 約22kg 約25kg 約33kg

適応トランス R-1220形 (製品NO.3602) R-1230形 (製品NO.3603) R-1250形 (製品NO.3604)

Page 14: R-1115/R-1210 耐電圧トランス - ムサシインテック … 目 次 1. 耐電圧(PUN)試験の方法 1.1 準備操作 1.1.1 配置と準備 1 1.1.2 スイッチ・ツマミ等の初期設定

- 10 -

4116-000ST001

1.5.4 パネル面の説明

【図-1.8 DR-1115Mのパネル面及び回路図】

mA

11000V 0

リアクトル部 漏れ電流計部

【図-1.9 DR-1115Mの結線図(IP-R1500の場合)】

【図-1.10 DR-1210Mの結線図(IP-R1500の場合)】

Page 15: R-1115/R-1210 耐電圧トランス - ムサシインテック … 目 次 1. 耐電圧(PUN)試験の方法 1.1 準備操作 1.1.1 配置と準備 1 1.1.2 スイッチ・ツマミ等の初期設定

- 11 -

4116-000ST001

1.6 付属コ-ド

1.6.1 PUNコ-ド (約3m)

1.6.2 ア-スコ-ド (約3m)

1 23

4

1 23

4

20φ4Pプラグ

黄ビニールチューブ

1.25 4芯キャプタイヤコード

各プラグに1配線

~ ~

20φ4P逆芯プラグ

5Aスタークリップ(黒)

~ ~

ヒシチューブ

横掛チップ 5Aスタークリップ(黒)3.5 単線ビニール線

(緑)

Page 16: R-1115/R-1210 耐電圧トランス - ムサシインテック … 目 次 1. 耐電圧(PUN)試験の方法 1.1 準備操作 1.1.1 配置と準備 1 1.1.2 スイッチ・ツマミ等の初期設定

- 12 -

4116-000ST001

2.免責事項について

●本商品は、電圧、電流を出力、計測をする製品で、電気配線、電気機器、電気設備などの試験、

測定器です。試験、測定に関わる専門的電気知識及び技能を持たない作業者の誤った測定によ

る感電事故、被測定物の破損などについては弊社では一切責任を負いかねます。

本商品により測定、試験を行う作業者には、労働安全衛生法 第6章 第59条、第60条及び第60

条の2に定められた安全衛生教育を実施してください。

●本商品は各種の電気配線、電気機器、電気設備などの試験、測定に使用するもので、電気配線、

電気機器、電気設備などの特性を改善したり、劣化を防止するものではありません。被試験物、

被測定物に万一発生した破壊事故、人身事故、火災事故、災害事故、環境破壊事故などによる

事故損害については責任を負いかねます。

●本商品の操作、測定における事故で発生した怪我、損害について弊社は一切責任を負いません。

また、本商品の操作、測定による建物等への損傷についても弊社は一切責任を負いません。

●地震、雷(誘導雷サージを含む)及び弊社の責任以外の火災、第三者による行為、その他の事

故、お客様の故意または過失、誤用その他異常な条件下での使用により生じた損害に関して、

弊社は一切責任を負いません。

●本商品の使用または使用不能から生ずる付随的な損害(事業利益の損失、事業の中断など)に

関して、弊社は一切責任を負いません。

●保守点検の不備や、環境状況での動作未確認、取扱説明書の記載内容を守らない、もしくは記

載のない条件での使用により生じた損害に関して、弊社は一切責任を負いません。

●弊社が関与しない接続機器、ソフトウエアとの組み合わせによる誤動作などから生じた損害に

関して、弊社は一切責任を負いません。

●本商品に関し、いかなる場合も弊社の費用負担は、本商品の価格内とします。

Page 17: R-1115/R-1210 耐電圧トランス - ムサシインテック … 目 次 1. 耐電圧(PUN)試験の方法 1.1 準備操作 1.1.1 配置と準備 1 1.1.2 スイッチ・ツマミ等の初期設定

MEMO

Page 18: R-1115/R-1210 耐電圧トランス - ムサシインテック … 目 次 1. 耐電圧(PUN)試験の方法 1.1 準備操作 1.1.1 配置と準備 1 1.1.2 スイッチ・ツマミ等の初期設定

MEMO

Page 19: R-1115/R-1210 耐電圧トランス - ムサシインテック … 目 次 1. 耐電圧(PUN)試験の方法 1.1 準備操作 1.1.1 配置と準備 1 1.1.2 スイッチ・ツマミ等の初期設定

ムサシインテック

MUSASHI IN-TECH

- 合 格 証 -

この製品は当社の仕様にもとづき検査をし

電気的、機械的性能を充分満足していることを

保証します。

株式会社 ムサシインテック

株式会社 ムサシインテック

技術サービス

TEL (04)2934-3671

東京サービスセンター

TEL (04)2934-3081

お客様苦情窓口

TEL (0120)634-109

Intelligent Technology Corporation.

株式会社 ムサシインテック

本 社 TEL(04)2934-8585 FAX(04)2934-7130

営 業 本 部 TEL(04)2934-6034 FAX(04)2934-8588

大 阪 営 業 所 TEL(06)6388-9595 FAX(06)6388-9601

九 州 営 業 所 TEL(092)592-2161 FAX(092)592-2163

当説明書に記載されている、仕様をはじめとする各事項は、無断にて変更することも

ございますので、あらかじめご了承下さい。

製品に関するお問い合わせ先

Page 20: R-1115/R-1210 耐電圧トランス - ムサシインテック … 目 次 1. 耐電圧(PUN)試験の方法 1.1 準備操作 1.1.1 配置と準備 1 1.1.2 スイッチ・ツマミ等の初期設定