rnh-6270 auc cmax cs-866 rnh-6270...rnh-6270 のauc及びcmax...

28
2.2.2 反復投与 CS-866 の反復投与時における活性代謝物 RNH-6270 PK パラメータの検討は,国内外で 6 試験実施した。主主5 試験では. CS-866 の臨床用量 10. 20. Omg を健康な被験者に 7 日間反復投与し. RNH-6270 AUC 及び Cmax に関して線形性を確認し,さらにトラフ時の薬 物濃度及び蓄積係数から定常状態への移行に関する検討も行った。また. CS-866 の開発初期 に実施された主主3 及び主主主一試験においても,忍容性の検討の他に,投与量と RNH-6270 PK パラメータの関係について評価した。なお,外国においても,国内で実施した試験と 比較可能かっ臨床用量を含む主主1 .主主L 一一及び主主L 一一試験を実施し,投与量と RNH-6270 PK パラメータの関係を確認し,三二重1 及び主主袋一一一試験では反復投与時の RNH-6270 の定常状態への移行に関して検討した。 1) CS-866 反復経口投与時の PK 試験ー臨床予定用量での検討ー(主主呈) a 目的 CS-866 7日間反復経口投与した時の PK などを検討する。 b 試験デザイン 単盲検,無作為化,プラセポ対照試験 c方法 CS-866 10. 20. 40mg (各用量は 10. 20mg 錠で構成)又はプラセポ錠を 1 l 7日間,第 l 回目及び第 7 回目投与 は,空腹時に反復経口投与した。 CS-866 の各用量投与例を 9 例とし. 3 例をプラセポ 対照として設けた。採血は,初回投与又は反復投与 7日目の投与前,投与 1 1. 5 2 3. 斗. 6. 8. 12. 16. 20 時間後に行い,反復投与 7日目では投与 24. 36. 48. 60 時間 後にも採血を行った。また反復投与 2.5. 6 回目の投与前にも行った。 RNH-6270 濃度 の測定は HPLC により行った。 d 結果 CS-8667日間反復投与時の血摂中 RNH-6270 濃度を,図 2. 7.2 .2.2-2 に示し,トラフ時 の血摂中 RNH-6270 濃度を表 2.7.2.2.2-6 に示す。 17 2.7.2臨床薬理の概要

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  • 2.2.2反復投与

    CS-866の反復投与時における活性代謝物 RNH-6270の PKパラメータの検討は,国内外で

    全 6試験実施した。主主5 試験では. CS-866の臨床用量 10. 20.斗Omgを健康な被験者に 7

    日間反復投与し.RNH-6270のAUC及び Cmaxに関して線形性を確認し,さらにトラフ時の薬

    物濃度及び蓄積係数から定常状態への移行に関する検討も行った。また.CS-866の開発初期

    に実施された主主3 及び主主主一試験においても,忍容性の検討の他に,投与量と RNH-6270

    のPKパラメータの関係について評価した。なお,外国においても,国内で実施した試験と

    比較可能かっ臨床用量を含む主主1 .主主L一一及び主主L一一試験を実施し,投与量と

    RNH-6270のPKパラメータの関係を確認し,三二重1 及び主主袋一一一試験では反復投与時の

    RNH-6270の定常状態への移行に関して検討した。

    1) CS-866反復経口投与時の PK試験ー臨床予定用量での検討ー(主主呈)

    a目的

    CS-866を7日間反復経口投与した時の PKなどを検討する。

    b試験デザイン

    単盲検,無作為化,プラセポ対照試験

    c方法

    健康な日本人男性 30 例 (20~25 歳)に対して. CS-866の 10. 20. 40mg (各用量は

    10. 20mg錠で構成)又はプラセポ錠を 1日l回 7日間,第 l回目及び第 7回目投与

    は,空腹時に反復経口投与した。 CS-866の各用量投与例を 9例とし. 3例をプラセポ

    対照として設けた。採血は,初回投与又は反復投与 7日目の投与前,投与 1,1.5, 2,

    3.斗. 6. 8. 12. 16. 20時間後に行い,反復投与 7日目では投与 24.36. 48. 60時間

    後にも採血を行った。また反復投与 2.5. 6回目の投与前にも行った。 RNH-6270濃度

    の測定は HPLCにより行った。

    d結果

    CS-8667日間反復投与時の血摂中 RNH-6270濃度を,図 2.7.2.2.2-2に示し,トラフ時

    の血摂中 RNH-6270濃度を表 2.7.2.2.2-6に示す。

    17 2.7.2臨床薬理の概要

  • 1400

    草術平均値(標準偏差〉

    1200

    コ1000E

    1ぉ-5

    題Chコ 800 c《ZO 、d

    ~ 岳

    量団五

    600

    400

    200

    。Pre 6 12 01

    Pre 6 12

    02 05 06 07 時間 (h)

    24 08

    36

    -ー-10mg(N=9) -o-20mg(N=9) 一世ー40mg(N=9)

    48 09

    図 2.7.2.2.2-2 主主主試験における血築中 RNH-6270濃度の推移

    表 2.7.2.2.2-6 投与量別血築中 RNH-6270濃度(トラフ時)

    採血時期CS-866投与量

    10mg 20mg 40mg

    2回目投与前 9.0 (P~O 902) 15.7 (P ~O 982) 26.0 (P~0040)

    5回目投与前 10.4 (P ~O 775) 15.7 (P ~O 987) 29.4 (P~0664)

    6回目投与前 9.2 (P~0960) 15.6 (P ~O 976) 28.2 (P ~O 303)

    7回目投与前 9.6 16.1 31.4

    (N二 9)(ng/mL) 最小二乗平均値 (Dunnett-Hsu法lこよる投与 7日日投与前lこ対する検定の P値〉

    60

    反復投与 7回目投与前の血摂中 RNH-6270濃度に比較して. 40mg群の第 2回目投与

    前で低値を示したが (Dunnett-Hsu法による検定 ;P~O 040) .その他の投与量群及び測

    定時点において有意差は認められなかった。このことから,すべての投与量で第5回

    目投与までに定常状態に達していたものと考えられた。

    第 l回目及び第 7回目投与後の RNH-6270に対する各PKパラメータの算術平均値を

    表 2.7.2.2.2-7に示す。

    2.7.2臨床薬理の概要 18

  • 表 2.7.2.2.2-7 第 1回目及び第 7回目投与後の RNH-6270の PKパラメ-?r

    パフメータ 投与量 第 l回目 第 7回目

    10mg 319.2 (78 0) 347.2 (647)

    C=~ (ng/mL) 20mg 468.6 (724) 546.4 (1082)

    40mg 1016.7 (247.0) 1117.1 (317.1)

    10mg 2.4 (10) 2.1 (07)

    Tmι(h) 20mg 2.4 (09) 2.5 (11)

    40mg 2.1 (0.4) 2.1 (05)

    AUC口24h10mg 1794.5 (463.7) 1982.0 (533.5)

    (ng・h1mL)20mg 2896.5 (687.5) 3346.2 (546.8)

    40mg 5908.2 (14318) 6574.9 (1787.3)

    AUC口∞10mg 1860.6 (490.2) 2095.6 (622.2)

    (ng・h1mL)20mg 3010.6 (716.6) 3533.8 (558.1)

    40mg 6092.2 (1510.4) 6928.2 (1962.2)

    10mg 4.9 (07) 6.4 (09)

    t1/2 (h) 20mg 5.0 (07) 6.7 (14)

    40mg 4.7 (06) 6.4 (11)

    尿中排他率目化10mg 15.06 (318) 15.47 (283)

    20mg 12.13 (263) 13.28 (358) (%)

    40mg 1186 (2.1ヲ) 13.61 (228)

    腎クリアランス10mg 11.5 (2 5) 10.8 (23)

    20mg 114 (20) 10.9 (36) O抽出L1min)

    40mg 11.3 (42) 11.5 (29)

    草術平均値(標準偏差〉 (N~ヲ)

    単回投与AUCo∞及び反復投与AUCO-24hの聞に差は認められなかった(第5部.5336.

    5-72一一一一)。べきモテ、ノレ非線形回帰分析を行った結果,初回および最終投与後にお

    いて,投与量1O~40mg の範囲で, AUCO-24h は投与量に比例し直線的に増加し Cm~ も

    直線的に増加した。本試験においては,投与初回および最終回ともに,投与量1O~40mg

    の範囲で線形性体内動態を示した(第 5部. 5336. 5-73 一一一~)。第 l 回目と第 7

    回目の比較において,各投与群の t山は有意に (paired-t検定 ;P

  • 2) CS-866反復経口投与時の PK試験(長23)

    a目的

    CS-866を7日間反復経口投与した時の PKなどを検討する。

    b試験デザイン

    二重盲検,無作為化,プラセポ対照試験

    c方法

    健康な日本人男性 10例 (21~49 歳)に対して, CS-866の 16mg錠又はプラセポ錠を,

    l日l回 7日間反復経口投与した。 CS-866投与例を 7例とし, 3例のプラセポ対照を設

    けた。採血は,初回投与又は反復投与 7日目の投与前,投与 0.5,1, 2, 3, 4, 6, 8,

    12時間後,及び反復投与 7日目には, 22.5, 46.5時間後にも行った。また,反復投与 2

    ~6 回目には,投与前及び投与 3 時間後にも行った。 RNH-6270 濃度の測定は HPLC に

    より 11'った。

    d結果

    投与 l日目と反復投与7日目のRNH-6270のPKパラメータを,表 2.7.2.2.2-8に示す。

    表 2.7.2.2.2-8 亘三主試験における RNH-6270の PKパラメ-?r

    パフメータ 投与 l日目 投与7日目

    Cmax (1喧ImL) 480.6 (89 1) 465.7 (913)

    rm~ (h) 2.0 (08) 2.4 (05)

    AUCo.∞ (ng・h1mL) 2572.5 (424.6) 2468.4 (530.9)

    t1/2 (h) 6.4 (12) 5.9 (12)

    尿中排他率 0-24h (%) 14.0 (26) 14.5 (28)

    草術平均値(標準偏差〉 (N~7)

    血摂中濃度のトラフ値から, RNH-6270は投与 2日目の投与時までに定常状態に達し

    ていると推定された。また,初回投与及び反復投与における Cmax,Tmax及び AUCo∞は

    類似しており,統計学的な有意差も認められなかった。投与後 24時間までの尿中排池

    率は,初回投与及び反復投与のいずれにおいても約 14%とほぼ一定の値であった。

    e結論

    CS-866 16mgの 7日間反復経口投与において,血摂中 RNH-6270濃度は投与開始後速

    やかに定常状態に達していると考えられた。

    2.7.2臨床薬理の概要 20

  • 3) CS-866反復経口投与時の PK試験(長24)

    a目的

    CS-866を単回投与及び7日間反復経口投与した時の PKなどを検討する。

    b試験デザイン

    二重盲検,無作為化,プラセポ対照試験

    c方法

    健康な日本人男性 10 例 (20~31 歳)に対して, CS-866の40mg(20mg X 2錠)又は

    プラセポ錠を,空腹時単回経口投与し, 72時間の休薬後 1日l回 7日間反復経口投

    与した。 CS-866投与例を 7例とし, 3例のプラセポ対照を設けた。単回投与及び反復

    投与 7日目においては空腹時に投与した。採血は,単回投与又は反復投与 7日目の投

    与前,投与 0.5,1, 2, 3, 4, 6, 8, 10, 12, 24, 30, 48時間後に行った。反復投与で

    は,反復投与 10 日目の 72 時間後,及び 2~6 回目反復投与の投与前にも採血を行った。

    RNH-6270濃度の測定は HPLCにより行った。

    d結果

    単回投与と反復投与 7日目の RNH-6270の PKパラメータを,表 2.7.2.2.2-9に示す。

    表 2.7.2.2.2-9 亘乏生試験における RNH-6270の PKパラメ一宮

    パフメータ 早回投与 反復投与(7日目)

    C=~ (ng/mL) 1151 (172) 1127 (150)

    Tmax (h) 2.4 (08) 2.7 (08)

    AUCo∞ (ng・h1mL) 8228.8 (1552.9) 7902.2 (766.0)

    t1/2 (h) 9.6 (2.4) 10.8 (20)

    尿中排他率o川(%) 14.0 (32) 15.6 (40)

    算術平均値(標準偏差〉 (N~7)

    反復投与 2 日目以降の血摂中濃度のトラフ値は 28 .3 ~38.1ng/mLであった。また,単

    回及び反復投与のいずれにおいても PKパラメータは類似しており,統計学的な有意差

    は認められなかった。

    e結論

    CS-86640mgの単回投与及び 7日間反復投与において,血摂中 RNH-6270濃度は投与

    後速やかに定常状態に達していると考えられた。

    21 2.7.2臨床薬理の概要

  • 4) CS-866反復経口投与時の PK試験 (主主1,米国,参考資料)

    a目的

    CS-866を 10日間反復経口投与した時の PKなどを評価する。

    b試験デザイン

    二重盲検,無作為化,プラセポ対照,用量増量試験

    c方法

    健康な欧米人男性 30 例 (19~38 歳)に対して, CS-866の 20,40, 80mg (各用量は

    20mg錠で構成)又はプラセポ錠を, 1日l回 10日間反復経口投与した。各用量群とも

    3例ずつプラセポ対照を設け, CS-866投与例を 7例とした。採血は初回投与又は反復

    投与 10日目の投与前,投与1, 2, 3, 4, 6, 8, 12, 16, 24時間後に行った。反復投

    与では,反復投与 10日目の 0.5,36, 48時間後,及び 4,6, 8回目投与前にも採血を

    行った。 RNH-6270濃度の測定は HPLCにより行った。

    d結果

    トラフ時の血摂中 RNH-6270濃度を表 2.7.2.2.2-10に示す。

    表 2.7.2.2.2-10 投与量別血築中 RNH-6270濃度(トラフ時)

    CS-866投与量

    投与時期 20mg 40mg 80mg (N~7) (N~7) (N~6) ,)

    2回目投与前 15.59 (2.30) 31.36 (11.80) 61.32 (24.31)

    4回目投与前 18.94 (6.7η 35.87 (16.33) 64.21 (20.37)

    6回目投与前 19.90 (5.51) 41.73 (20.82) 69.32 (33.43)

    B回目投与前 21.52 (5.43) 43.02 (25.94) 79.92 (32.07)

    10回目投与前 19.68 (5.69) 38.17(17.31) 67.31 (21.48)

    10回投与 24時間後 19.78 (4.28) 36.11 (15.36) 66.49 (25.88)

    草術平均値(標準偏差〉 (ng/mL)

    a) 1例lこ初回及び2回投与後 血圧低下を生じ中止したため

    反復投与 2回目以降の血摂中 RNH-6270濃度のトラフ値から判断して,いずれの投与

    量においても,血摂中 RNH-6270濃度は CS-866投与 5回目以降に定常状態に到達して

    いたと考えられた。

    CS-866の3用量に関して算出した PKパラメータを,表 2.7.2.2.2-11に示す。

    2.7.2臨床薬理の概要 22

  • 表 2.7.2.2.2-11 亘重工試験における RNH-6270の PKパラメ一宮

    Day 1 Day 10

    パラメータCS-866投与量 CS-866投与量

    20mg 40mg 80mg 20mg 4白ng 80mg (N~η (N~η (N~η (N~η (N~η (N~6)bl

    Cm~ (ng/mL) 47ヲ 693 1380 507 732.7 1379 (210) (77η (454) (57.8) (160) (255)

    Tm認 (h) 1.7 2.4 1.9 1.7 1.9 1.8 (0.8) (1.0) (0.7) (0.5) (0.4) (0.8)

    AUC日,," 2613 4229 9330

    (ng • h1mL) (675) (500) (3128)

    AUC216-24日h 2950 4366 9382

    (ng • h1mL) (378) (626) (2056)

    t山 (h) 14.9 14.5 14.1 (5.89) (7.48) (7.04)

    尿中排f世量 (mg)" 1.60 2.90 4.60 1.99 3.26 5.96 (0.4η (0.51) (1.05) (0.47) (0.64) (1.13)

    尿中排f世率(%)" 10.0 9.08 7.19 12.4 10.2 9.31 (2.95) (1.59) (1.64) (2.93) (2.01) (1.76)

    草術平均値(標準偏差〉

    a) Day 1及びD"Y6では 0--24時間 Day 10では 0--48時間lこ採尿を実施した。 D"Y6及びDay10の検体から草出した尿中薬物動態パラメータは類似していたため Day 6の検体から草出した尿中薬物動態パラメータは表から省いた。

    測定せず

    b) 1例lこ初回及び2回投与後 血圧低下lこより中止したため

    初回及び反復経口投与のいずれも CS-866経口投与後,血摂中 RNH-6270濃度は投与

    後 17~2A 時間に最高値を示した。べきモデノレ非線形回帰分析を行った結果,初回投与

    後においては,投与量 20~80mg の範囲で, AUCO-24h及び Cmaxともに投与量に比例し直線

    的に増加した。最終投与後においては,投与量 20~80mg の範囲で. AUCの 24時間値及

    び Cmaxは直線的に増加した。本試験においては,投与初回及び最終回ともに,投与量 20

    ~80mg の範囲で線形性体内動態を示した(第 5 部. 5336. 主主---ー) 0 RNH-6270

    の血摂中からの消失は 2 相性を示し,第 2 相は投与 16~24 時間後に出現した。第 2 相の

    tνz は 14~15 時間であった。初回投与 24 時間まで及び反復経口投与後 48 時間までの尿

    中排池率は 7.2~12A%であり,投与量の増加に伴い低下傾向を示した。

    反復投与後に観察された蓄積係数は 092~1l 4 と小さく,また単回投与から予測さ

    れた蓄積係数と同等と推定された(第 5部. 5336. 主主)

    e結論

    CS-866は経口投与後速やかに吸収され,投与開始 5日後に定常状態に到達し,反復

    投与による蓄積は小さいことが示唆された。 Cm~及び AUC 値は投与量 20~80mg の範

    囲で線形性体内動態を示した。

    23 2.7.2臨床薬理の概要

  • 5) CS-866反復経口投与時の PK試験 (主主主,欧州,参考資料)

    a目的

    CS-866を 14日間反復経口投与した時の PKなどを評価する。

    b試験デザイン

    二重盲検,無作為化,プラセポ対照,用量増量試験

    c方法

    健康な欧米人男性別例 (20~44 歳)に対して, CS-866の40,80mg錠(各用量は

    10, 20mg錠で構成)又はプラセボ錠を, 1日l回 14日間反復経口投与した。各用量群

    とも 3例ずつプラセポを設け, CS-866投与例を 9例とした。採血は初回投与又は反復

    投与 14日目の投与前,投与1, 2, 4, 6, 8, 12, 24時間後に行った。反復投与では,

    最終投与の 0.5,36, 48 時間後,及び 2~7 日目反復投与前にも採血を行った。 RNH-6270

    濃度の測定は HPLCにより行った。

    d結果

    トラフ時の血摂中 RNH-6270薬物濃度を表 2.7.2.2.2-12に示す。血摂中 RNH-6270濃

    度のトラフ値は投与 3回目以降に明らかな上昇が認められなかったことから,血摂中

    RNH-6270濃度は CS-866投与 3回目までに定常状態に達したと考えられた。

    表 2.7.2.2.2-12 投与量別血築中 RNH-6270濃度(トラフ時)

    仁S-866投与量

    投与時期 40mg 80mg (N~ヲ) (N~9)

    2回目投与前 22.99 (638) 51.08 (1941)

    3回目投与前 31.89 (11.01) 66.20 (3112)

    4回目投与前 30.19 (922) 69.65 (3290)

    5回目投与前 26.78 (1283) 67.82 (2752)

    6回目投与前 28.35 (1225) 69.92 (41.92)

    7回目投与前 23.67 (823) 57.81 (3794)

    14回目投与前 23.24 (7 11) 51.69 (1527)

    14回投与 24時間後 29.74 (1611) 6241 (2461)

    算術平均値(標準偏差〉 (ng/mL)

    2.7.2臨床薬理の概要 24

  • CS-866の2用量に関して算出した RNH-6270のPKパラメータを,表 2.7.2.2.2-13に

    示す。

    表 2.7.2.2.2-13 長宣之試験における PKパラメ-?r

    Day 1 Day 14

    パラメータ CS-866投与量 CS-866投与量

    40mg 80mg 40mg 80mg

    Cmι (ng/mL) 740.0 1273 672.6 1216 (177) (432) (320) (350)

    Tmax (h) a) 2.0 2.0 2.0 2.0 (10-20) (10-60) (10-20) (10-20)

    AUCO-24h (ng・h1mL) 4052 7737 (83) (373)

    AUCS¥ (ng・h1mL) 3992 7861 (190) (298)

    t1/2 (h) 9.78 1164 (273) (269)

    幾何平均値(幾何変動係数%)

    測定せず

    a) 中央値(最小値一最大値〉 (N二 9)

    初回及び反復経口投与のいずれも, CS-866経口投与後,血摂中 RNH-6270濃度は投

    与 2時間後に最高値を示した。 CS-866のいずれの用量群においても, RNH-6270 の Cm~

    及び腎クリアランスに関して Day1とDay14の聞に統計学的に有意な差は認められな

    かった。 RNH-6270のtνzに関しでも,投与量聞に統計学的に有意な差は認められなか

    った。

    RNH-6270のCmax,AUCO-24h及びAUCペは投与量に伴って増加した。本試験では CS-866

    の2用量の PK推移を,異なる被験者間で検討しているため,その結果の取り扱いには

    注意を要するが, RNH-6270の AUC及び Cmaxは本試験の投与量の範囲では投与量に伴

    って増加すると考えられる。

    反復投与後に観察された蓄積係数はo95~l06 と小さく,また,単回投与から予測

    された蓄積係数と同等と推定された(第5部, 5.3.3.6,主早)

    e結論

    CS-86640mg及び80mgの反復投与時のPKの結果から, CS-866は速やかに吸収され,

    蓄積は小さいことが示唆された。また,単回投与及び定常状態到達後における

    RNH-6270 の AUC は,用量範囲 40~80mg において投与量に伴って増加した。

    25 2.7.2臨床薬理の概要

  • 6) CS-866反復経口投与時の PK試験 PKと投与量の相関性の検討 (主主主,欧州,参

    考資料)

    a目的

    CS-866の 2.5,5, 10, 20又は 40mgを 7日間反復経口投与した時の,定常状態にお

    ける RNH-6270の PKと投与量との相関性などを検討する。

    b試験デザイン

    非盲検,無作為化, 5-wayクロスオーバー試験

    c方法

    健康な欧米人男性 30 例 (18~43 歳)に対して, CS-866の 2.5,5, 10, 20又は 40mg

    を, 2.5mg x 1錠, 5mg x 1錠, 10mg x 1錠, 10mg x 2錠又は 10mgx斗錠として 1日

    l回 7日間反復経口投与した。採血は,反復投与 7日目の最終投与の投与前,投与1,

    1.5, 2, 3, 4, 6, 8, 12, 16, 20, 24, 36, 48及び 60時間後に行った。また,反復投

    与5及び6回目投与前にも採血を行った。RNH-6270濃度の測定はHPLCにより行った。

    d結果

    CS-866の 5用量に関して算出した RNH-6270の PKパラメータを,表 2.7.2.2.2-14に

    示す。

    表 2.7.2.2.2-14 亘受主試験における RNH-6270の定常状態の PKパラメ-?r

    CS-866投与量パラメータ

    2.5mg 5mg IOmg 20mg 40mg

    C"max (ng!mL) 65 116 223 376 729 (43 -188) (80 -157) (131 -353) (196 -582) (178 -1196)

    T訂以 血)w 1.5 1.5 1.75 1.5 1.5 (1.0 -3.0) (1.0 -3.0) (1.0 -2.0) (1.5 -3.0) (1.0 -4.0)

    AUC"O-24h (ng.hlmL) 329 608 1214 2009 3852 (207 -582) (372 -902) (667 -2246) (1120 -3352) (1008 -6031)

    I1/2 (h) 11.1 11.2 11.2 10.7 10.2 (6.4 -24.2) (7.0 -22.4) (8.2 -26.5) (6.7ー14.6) (7.4ー 16.0)

    幾何平均値(最小値一最大値〉 a) 中央値(最小値一最大値〉 (N~30)

    血摂中 RNH-6270の AUCSSO_Z4h及び C“m の平均値は,ぺきモテ、ノレ非線形回帰分析の結

    果,投与量 2.5~40mg の範囲では, AUCsso抽及び C路加ともに投与量に比例し直線的に

    増加し,線形性体内動態を示すことが明らかとなった(第 5部, 5.3.3.6,主主)

    Tm~及び tνz に関して用量依存的な変化は認められなかった。

    e結論

    CS-866 の l 日 l 回 2.5~40mg 投与において RNH-6270 の定常状態における PK は,

    線形性体内動態を示した。

    2.7.2臨床薬理の概要 26

  • 2.3患者における PK

    唐者における PK試験は,国内外で全 10試験実施した。主主主一試験では,高血圧症患者を

    対象に CS-86610. 20mg反復投与時の PKパラメータと降圧作用の関係について検討を行っ

    た。内容については [27226. p.67J の項で詳述した。主主L一一一試験では,本態性高血圧

    症患者を対象とした CS-86640mg反復投与時の PKについて検討を行った。高齢高血圧症患

    者(主主主一一) .超高齢高血圧症患者(主主L一一) .腎機能障害唐者(主主L一一) .腎機

    能低下患者(主主o ) .肝機能障害患者 (5-31 )を対象とした PK試験については. [27224.

    p.29J の項に詳述した。また. CS-866 (低用量)の降圧作用の 24時間 ABPMによる検討

    (5-79一一) .減塩下における CS-866投与時の PKとPDの検討(主75一一)に関しでも

    [2 7 2 2 6. p.67 Jの項に詳述した。なお,主基3 試験は PKパラメータの算出に十分な

    採血時点を設けていなかったため,本項には記述せず「第 5部. 5352. 主主基3 Jに詳述し

    た。

    1)軽症・中等症本態性高血圧症患者を対象とした CS-866反復投与時の PKと降圧作用の関

    係の検討(長話)

    内容の詳細は [27 2 2 6. p.67 Jに記述した。

    2)本態性高血圧症患者を対象とした CS-866反復投与時の PK試験 ー40mgでの検討ー

    (5-2皇)

    a目的

    本態性高血圧症患者に対して.CS-866を反復経口投与した時の PKなどを検討する。

    b試験デザイン

    非盲検試験

    c方法

    本態性高血圧症患者 10例 (41~64 歳)に対して. CS-866の 40mgを7日間反復経口

    投与した。採血は反復投与 7日目の投与前,投与1.2. 4. 8. 12. 24時間後に行った。

    血摂中 RNH-6270濃度の測定は HPLCにより行った。

    d結果および結論

    CS-866を7日間反復投与時の血摂中 RNH-6270濃度を,表 2.7.2.23-1に示す。

    表 2.7.2.2.3-1 亘三金試験における血築中 RNH-6270濃度の PKパラメ-?r

    パフメータ 7日目 [95%伝頼区間]

    Cmax (ng/mL) "1 1008.5 (0.267) [833.2. 1220.7J 589-1440

    Tmax (h) 26(10)

    [19. 33] 2-4

    AU仁0-24h (ng・h1mL)"' 7848.0 (0.301)

    [6329.4. 97310J 4670-11900

    t1/2 (h) 6.0 (10)

    [53. 67J 4.83 -7.54

    算術平均値(標準偏差〉及び最小値一最大値を示す。 (N~10)

    a)幾何平均値(対数変換後の標準偏差〉及び最小値最大値を示す。

    27 2.7.2臨床薬理の概要

  • 血摂中 RNH-6270濃度は投与約2時間後に最大に達した後,半減期約6時間で減衰し,

    24時間後には 7回目投与前のレベノレまで減少した。最終投与日における RNH-6270の

    Cmax及びAUα刊の幾何平均値(対数変換後の標準偏差)はそれぞれ 1008.5(0 267) ng/mL,

    7848.0 (0301) ng. h/mL, Tm"~及び t1l2の算術平均値(標準偏差)がそれぞれ 2.6 (10)

    時間, 6.0 (10)時間であった。

    3)非高齢及び高齢高血圧症患者を対象とした CS-866反復投与時の PK試験(主皇韮,欧州,参考資料)

    詳細は [272 24, p.29 Jに記述した。

    4)非高齢及び超高齢の軽・中等症本態性高血圧症患者を対象とした CS-866反復投与時の

    PK試験(主主主,欧州,参考資料)

    詳細は [272 24, p.29 Jに記述した。

    5)腎機能障害患者及び腎機能正常者を対象とした CS-866反復投与時の PK試験

    (主主主, 欧州)

    詳細は [272 24, p.29 Jに記述した。

    6)腎機能低下患者を対象とした CS-866反復投与時の PK試験(金主旦)

    詳細は [272 24, p.29 Jに記述した。

    7)肝機能障害患者及び肝機能正常者を対象とした CS-866錠経口投与及び RNH-6270静注

    溶液投与時の PK試験(主主,1,米国)

    詳細は [272 24, p.29 Jに記述した。

    8)軽症・中等症本態性高血圧症患者を対象とした CS-866(低用量)の降圧作用の 24時間

    ABPMによる検討 (.501旦,欧州,参考資料)

    詳細は [27226,p.67Jに記述した。

    9)塩分制限した高血圧症患者を対象としたCS-866単回投与時の薬力学と PKの検討(主Z呈,欧州,参考資料)

    詳細は [27226,p.67Jに記述した。

    2.7.2臨床薬理の概要 28

  • 2.4特別な集団(高齢者,肝機能障害及び腎機能障害患者など)における PK

    高齢者,肝機能障害及び腎機能障害患者などの特別な集団における PK試験は,国内外で

    全 7試験実施した。主主L一試験では,高齢健常者を対象に CS-86610 mg投与時の RNH-6270

    の PKパラメータについて健康な非高齢者と比較を行った。また,外国では,高齢高血圧症

    患者 (5-6土一一一) ,超高齢高血圧症患者 (5-65一一一)における RNH-6270の PKパラメータ

    について非高齢者と比較を行った。主主L一試験では肝機能障害患者を対象に CS-866を単回

    経口投与,さらにと三一一一及び三ニミ斗一一試験では腎機能障害者を対象に CS-866を l日l回

    7日間反復経口投与し, RNH-6270の PKについて検討した。また,男女における CS-866投

    与時の RNH-6270の PKに関する差異を調べるために 5-66一試験を実施した。

    2.4.1 高齢者

    1)非高齢及び高齢健常者を対象とした CS-866単回投与時の PK試験(主主皇)

    a目的

    高齢 (65歳以上)及び非高齢者健常者に対して, CS-866を単回経口投与した時の PK

    などを比較する。

    b試験デザイン

    非盲検試験

    c方法

    健康な非高齢者 (21~31 歳)及び高齢者 (65~78 歳) ,それぞれ 6例に対して CS-866

    の 10mg錠を,食後に単回経口投与した。採血は投与前,投与 0.5,1, 2, 3, 4, 6, 8,

    10, 12, 24時間後に行い, RNH-6270濃度の測定は HPLCにより行った。

    d結果

    両年齢群での PKパラメータを表 2.7.2.24-1に示す。

    表 2.7.2.2.4-1 呈五.9._試験における RNH-6270の PKパラメ-?r

    パラメータ基本統計量 差,)(又は比)

    両齢者 非両齢者 値 [95%伝頼区間]

    Cm~ (ng/mL) b) 292.6 (035) 310.3 (010)

    0.94 [068, 131J 213.8 -572.7 268.2 -364.7

    T=~ (h) 4.50 (122) 2.83 (098)

    1.67 [024, 310J 3.00 -6.00 1.00 -4.00

    AUCO.24h (ng'h1mL) b) 1712.4 (0.31) 1660.5 (014)

    1.03 [076, 1.41J 1270.0 -2957.3 1410.6 -1938.6

    t1/2 (h) 6.12 (049) 5.65 (057)

    0.47 [-022, 116J 5.63 -7.00 4.54-6.19

    尿中排他率0-24h (%) 10.54 (126) 13.22 (250)

    2.68 [-523, -014J 9.23 -12.93 9.85 -15.86

    CLR 仏Ih)0.52 (018) 0.63 (008) 。11 [-0 29, 0 07J 0.27 -0.81 0.54 -0.75

    草術平均値(標準偏差 (N~6)

    a)差=高齢者 非高齢者

    b)幾何平均値(対数変換後の標準偏差〉及び最小値一最大値を示す。幾何平均値の比(高齢者

    /非高齢者〉を草出し 95%信頼区聞を求めた。

    29 2.7.2臨床薬理の概要

  • AUCO-24h及び Cm~ については,高齢者/非高齢者の幾何平均値の比がそれぞれ 103 及

    び 0.94であり, 95%信頼区間は [076,141J及び [068,131Jであった。いずれも

    平均値の比較においては年齢聞の差は小さかったが,幾何平均値の対数変換後の標準

    偏差が AUCO-24hでは高齢者及び非高齢者でそれぞれ 0.31及び 0.14,Cm~ ではそれぞれ

    0.35及び 0.10と,高齢者においてばらつきが大きく,また,被験者数が少なかったこ

    とから, 95%信頼区間は [08,125J に含まれなかった。 Tm~ は高齢者で延長した。腎

    クリアランスに関しては,両群聞に差は認められなかった。

    e結論

    健康な高齢者及び非高齢者の聞において, PKに大きな違いはないことが確認された。

    2.7.2臨床薬理の概要 30

  • 2)非高齢者及び高齢高血圧症患者を対象とした CS-866反復投与時の PK試験 (呈皇生欧州、1,参考資料)

    a.目的

    高齢者 (65歳以上)及び非高齢高血圧症患者に対して,

    時の PKなどを比較する。

    CS-866を反復経口投与した

    b.試験デザイン

    三重盲検,無作為化, プラセポ対照試験

    C.方法

    高齢 (65""'73歳)及び非高齢 (22""'44歳)高血圧症患者それぞれ 18例に対して,

    CS-866の 80mg又はプラセポ錠を 1日l回 10日間反復経口投与 した。なお,年齢群

    毎に 12例を CS-866群に, 6例をプラセボ群に無作為に割 り付けた。採血は初回投与又

    は反復投与 10日目の投与前,投与 0.5,1, 1.5, 2, 3, 4, 6, 8, 12, 24時間後に行っ

    た。反復投与では, 36, 48時間後にも行った。 RNH-6270濃度の測定は HPLCにより

    千Tった。

    d.結果

    高齢及び非高齢高血圧症唐、者の投与 10日目 における血摂中 RNH-6270濃度の推移を

    図2.7.2.2.4-1に示す。

    2000

    1800

    コ1600E "-... ~ 1400

    出 1200蛸

    自1000Uコ

    工z 広

    告誠司

    800

    600

    400

    200

    。。 6

    --0ー非高齢者(N=12)ー・-高齢者(N=11)

    算術平均値(標準偏差)

    12 18 24 30 36 42 48 時間 (h)

    図 2.7.2.2.4-1 長亘生試験における血築中RNH-6270濃度の推移(投与 10日目)

    31 2.7.2臨床薬理の概要

  • 両年齢群での PKパラメータを表 2.7.2.24-2に示す。

    表 2.7.2.2.4-2 主全土試験における RNH-6270の PKパラメ-?r

    非高齢者群 高齢者群

    ノfラメータ Day 1 Day 10 Day 1 Day 10 (N ~ 12) (N ~ 12) (N ~ 12) (N ~ 11) 心

    Cmax (ng/mL) ,) 1310 1313 1288 1436 (218) (222) (211) (295)

    Tm~ (h) b) 2.0 15 1.5 1.5

    (10-2.0) (10 -2.0) (15-3.0) (10-3.0)

    AUCO-24h 7161 7772 (ng.h1mL) W (232) (175)

    AUC"1: 6807 9078

    (ng.h1mL) W (226) (226)

    I1/2 (h) 心 10.58 (23.6) 12.85 (402)

    尿中排t世量 0-24h(J.lg) C) 5059 4970 3587 4863 (1378) (1004) (877.0) (2096)

    尿中排t世率 0-24h (%) c) 7.9 7.8 5.6 7.6 (22) (16) (14) (33)

    腎クリアランス 114 119 7.5 8.3 (mLlmin) a) (196) (194) (276) (20 1)

    a) 幾何平均値(幾何変動係数%) b) 中央値(最小値 最大値 c) 草術平均値(標準偏差〉

    d) 高齢者群l例lこ闘しては定常状態lこおける結果が得られなかった。 測定せず

    投与 10日目の Cmax,Tmax及び t1l2に関しては,両群聞に統計学的に有意な差は認めら

    れなかった。また,投与後 24時間までの RNH-6270の尿中排池率に群間差は認められ

    なかった。しかし,投与 10日目における高齢者群での AUC"τ及び腎クリアランスは,

    非高齢者群の約1.3及び約 0.7倍であり,両群聞に有意な差が認められた (Paired-l検定,

    それぞれ P~O 006. P~O 0003) 。以上のことから,高齢者群における腎排池速度は非高

    齢者群より遅いことが示唆された。

    反復投与後に高齢者群で観察された蓄積係数は1l0~1l 9 と小さく,また予測され

    た蓄積係数と同等と推定された。非高齢者群においては,観察された蓄積係数は 0.93

    ~0.98 とさらに小さかった(第 5 部. 5336. 主主)

    e結論

    RNH-6270の吸収速度,吸収量又は血摂中消失速度に関しては,高齢者群と非高齢者

    群との聞に差はみられなかった。定常状態における AUC刊は,高齢者群では非高齢者

    群の約1.3倍であった。この差が生じた要因のーっとして,高齢者における腎クリアラ

    ンスの低下が関与していると考えられた。

    なお,高齢者に対する用量調節の必要性の判断は,ポヒ。ュレーション PK解析

    (27228. p 76) .有効性 (2733321. p 79) 及び安全性 (27451.31. p101) を

    含め考察することとした。

    2.7.2臨床薬理の概要 32

  • 3)非高齢者及び超高齢高血圧症患者を対象とした CS-866反復投与時の PK試験

    (主語,欧州,参考資料)

    CS-866を反復経口投与 した

    a.目的

    超高齢 (75歳以上)及び非高齢高血圧症患者に対して,

    時の PKなどを比較する。

    b.試験デザイン

    並行群間試験非盲検,

    C.方法

    超高齢 [75'"'-81歳, 18例 (PK解析症例 17例:男性 8例,女性 9例) ]及び非高齢

    [22'"'-44歳, 18例 (PK解析症例 16例・男性 15例,女性 1例) ]高血圧症唐、者に対

    して, CS-866の 10mgを 1日l回 14日間反復経口投与 した。採血は初回投与又は反

    復投与 14日目の投与前,投与 O.5 , 1, 1 .5 , 2 , 3 , 4, 6 , 8 , 12, 24時間後に行った。

    反復投与では,反復投与 10日目の 36,48, 72時間後, 3, 5, 7日目 の投与前にも採血

    を行った。RNH-6270濃度の測定はHPLCにより行った。

    d.結果

    超高齢及び非高齢高血圧症被験者の投与 14日目 における血摂中 RNH-6270濃度の推

    移を図 2.7.2.2.4-2に示す。

    ベ〉非高齢者(N=16)一・-超高齢者(N=17)

    算術平均値 (標準偏差)

    400

    n

    u

    n

    u

    n

    u

    n

    u

    n

    u

    n

    U

    F

    h

    u

    n

    U

    F

    h

    u

    n

    u

    k

    d

    n

    u

    d

    q

    d

    n

    t

    n

    t

    E

    4

    E

    (」

    Ehc)出蛸ohNClZZ広

    側恥同国 50

    。48 42 36 24 30

    時間(h)

    18 12 6 。長室主試験における血禁中RNH-6270濃度の推移 (投与 14日目)

    2.7.2臨床薬理の概要33

    図 2.7.2.2.4-2

  • 両年齢群での PKパラメータを表 2.7.2.2.4-3に示す。

    表 2.7.2.2.4-3 呈五.5_試験における RNH-6270の PKパラメ-?r

    非両齢者群 超両齢者群

    パラメータ Day 1 Day 14 Day 1 Day 14 (N~ 16)ω (N~ 16)ω (N~ 17) ,) (N~ 17)ρ

    Cmax (ng/mU ,) 216.58 254.53 279.95 289.50 (1771) (1438) (2939) (1802)

    Tm~ (h) b) 2.0 1.5 2.0 1.5 (1.5 -3.0) (10 -3.0) (10 -4.0) (1.5-30)

    AU CO-24h (ng' h1mU 心 1218.25 1796.82 (2664) (2636)

    AUC河 (ng'h1mUρ 1411.1 2035.4 (17.4) (232)

    t1/2 (h) 心 12.30 16.49 (2310) (4756)

    尿中排他量0-24h(rng) C) 0.86 0.80 (029) (0 19)

    尿中排他量河 (mg) cl 105 0.89 (027) (021 )

    尿中排他率0-24h(%) c) 10.82 13.25 10.07 11.16 (366) (3.45) (233) (258)

    腎クリアフンス 10.96 12.12 7.21 7.09 (mLlrnin) ,) (42.41 ) (27.41 ) (3078) (28.44)

    a) 幾何平均値(幾何変動係数) b)中央値(最小値一最大値) c)草術平均値 (標準偏差〉

    d) 治験薬を投与した18例のうち 2例は採血不能と効果不十分のため投与を中止した。e) 治験薬を投与した 18例のうち l例は同意の撤回lこより投与を中止した。

    測定せず

    両年齢群において Tm~ に基づく吸収速度は類似しており,両群とも吸収は速やかで

    あった。超高齢者群の AUCは非高齢者群より大きく,超高齢者群と非高齢者群の AUC

    比は,初回投与後 (Day1) ,反復投与後 (Day14)でそれぞれ 1.47,1.44であった (Paired-l

    検定,いずれも p< 0.001) 。同様に超高齢者群の Cmaxは単回投与後,反復投与後いず

    れにおいても非高齢者群より有意に大きかった [Day1 ;比率 1.29(p ~ 0 003) , Day 14 ;

    比率 1.14 (p ~ 0 030) J。

    t山は超高齢者群の方が長く (p~ 0 027) ,超高齢者群におけるクリアランス速度の

    遅延には,少なくとも部分的に超高齢者群における腎クリアランスの低下が関係して

    いると考えられた。また,これは,超高齢者群の RNH-6270の尿中排池量が非高齢者群

    よりわずかに少ないことにも反映されていた。

    反復投与後に超高齢者群で観察された蓄積係数は1.05~ 1.1 5 と小さく,また予測さ

    れた蓄積係数と同等と推定された。非高齢者群において観察された蓄積係数も 1.05~

    1.11とほぼ同程度であった(第 5部, 5.3.3.6,とZユ)

    e結論

    超高齢者群における吸収速度は,非高齢者群と類似していたが, AUC凶τについては

    超高齢者群の方が約 1.4倍大きかった。この差が生じた要因のーっとして,超高齢者に

    おける腎クリアランスの低下が関与していると考えられた。

    2.7.2臨床薬理の概要 34

  • なお,超高齢者に対する用量調節の必要性の判断は,高齢者と同様,ポピュレーシ

    ョン PK解析 (27228,p76) ,有効性 (2733321, p79)及び安全性 (274513.1,

    P 101) を含め考察することとした。

    35 2.7.2臨床薬理の概要

  • 2.4.2肝機能障害

    1)肝機能障害患者及び肝機能正常者を対象とした CS-866経口投与及び RNH-6270静注投

    与時の PK試験(5.:3.1.米国)

    a目的

    肝機能障害患者及び肝機能正常者に対して. CS-866を単回経口投与及び RNH-6270

    を単回静脈内投与した時の PKなどを比較する。

    b試験デザイン

    非盲検,並行群間試験

    c方法

    肝機能障害患者 12 例 (45~65 歳,全症例男性)及び肝機能正常者 12 例 (44~65 歳,

    全症例男性)に対して. CS-866の 10mgを空腹時に単回経口投与した。 10日間以上の

    休薬期聞の後.RNH-6270を溶液として静脈内へ投与した(本項での静注時のデータは

    省略した)。採血は投与前,投与 05. 1. 2. 3. 4. 6. 8. 12. 24. 36. 48. 72. 96時

    間後に行い. RNH-6270濃度の測定は HPLCにより行った。

    肝機能障害患者は,安定した状態の肝硬変と確定診断された患者で,修正版

    Child-Pugh スコア注 1) に基づき,肝機能障害の程度を軽度(スコア 5~6. 4例)または

    中等度(スコア 7~9. 8例)に分類した。肝機能正常者は,軽度又は中等度肝機能障

    害患者と年齢,人種及び体重の条件に関しでほぼ同 (マッチング)にした 12例(斗

    例+8例)とした。

    d結果

    肝機能正常者,軽度肝機能障害患者及び中等度肝機能障害患者の血摂中 RNH-6270

    濃度の推移を図 2.7.2.24-3に示す。

    注1)修王版Child-Pughスコア

    スコア 2 3

    肝性脳症の程度 なし I~II 田 ~IV

    腹水 なし 軽度 中等度

    ビリノレビン (mg/dL) < 1.5 1.5~2.3 >2.3 アルブミン (glι) >3.5 2.8~3.5

  • ..-... 350

    ...J

    5300 c

    通250,.~ O 200 F、C判

    中 150工

    E100 丑

    50 眠圃 。

    。6

    図 2.7.2.2.4-3

    12 18 24 30 36 42

    -ー肝機能正常者(N=12)

    ー・ー軽度肝機能障害患者(N=4)

    『企ー中等度肝機能障害患者(N=B)

    算術平均値(標準偏差)

    48 54 60 66 72 78 84 90 96

    時間(h)

    長.ll_試験における血築中 RNH・6270濃度の推移

    肝機能障害患者及び肝機能正常者での PKパラメータを表 2.7.2.2.4-4に示す。

    表 2.7.2.2.4-4 を.ll_試験における RNH・6270のPKパラメータ

    肝機能障害患者肝機能正常者

    パラメータ 中等度 軽度 中等度又は軽度

    (N= 8) (N=4) (N = 12) (N = 12)

    Cmax (ng!rr止)a) 270.90 260.35 267.38 256.26 (52.35) (43.79) (47.89) (67.24)

    Tmax (h)ゆ 2.00 2.00 2.00 2.00

    AUCo岨 (ng'h1mL) a) 2525.2 2227.0 2425.8 1708.1

    (352.9) (1019.55) (619.9) (458.4 )

    tl12 (h) a) 15.62 14.43 15.23 16.27

    (5.80) ( l.53) (4.73) (4.36)

    尿中排惟率0・96h (%) c) 18.9 15.1 17.6 1l.5

    (17.3) (31.3) (22.9) (24.9)

    腎ク リアフンス 0.61 0.58 0.60 0.55

    (Llh) c) (24.6) (28.7) (24.8) (17.7)

    a)算術平均値(標準偏差) b) 中央値 c)算術平均値(変動係数%)

    CS-866経口投与後の血摂中 RNH-6270濃度の平均値は,

    群よりも肝機能障害患者群で、高かったが Cm広の増加は,

    各測定時点で肝機能正常者

    ほとんど認められなかった。

    しカミし, 軽度及び中等度肝機能障害患者群における AUCo∞は,肝機能正常者群に比較

    してそれぞ、れ約 1.3倍及び 1.5倍大きかった。

    AUC仰の比較を肝機能障害者と, マ ッチングした肝機能正常者群のAUCo叩と比較す

    ると ,中等度肝機能障害患者群と肝機能正常者群聞の差は約 1.7倍であったのに対し,

    軽度肝機能障害患者群と肝機能正常者群聞の差は約 1.1倍であった。

    RNH-6270の投与後 96時間までの尿中排f世率は肝機能障害患者で増大 してお り, 肝

    機能障害により減少した肝クリアランスの低下を腎臓が代償しているこ とが示唆され

    た。

    単回投与の PKデータからCS-866反復投与時の血摂中濃度を外挿した結果,

    4'"'-"5回反復投与 した後に RNH-6270は定常状態に到達するこ とが示唆された。

    本薬を

    血摂中

    37 2.7.2臨床薬理の概要

  • 濃度の推移は肝機能正常者群に比較して肝機能障害患者群の方が高かったが,その差

    はわずかであった。

    e結論

    軽度肝機能障害患者群ではマッチングした肝機能正常者群と比較して, RNH-6270の

    PKへの影響はほとんど認められなかった。中等度肝機能障害患者群では,肝機能正常

    者群と比較して Cm~ に明らかな増加は認められなかったが AUCo-roはマッチングした

    肝機能正常者群よりも約1.7倍大きかった。また,肝機能障害患者では RNH-6270の尿

    中排池率も増大しており,肝機能障害により減少した肝クリアランスの低下を腎臓が

    代償していることが示唆された。

    2.7.2臨床薬理の概要 38

  • 2.4.3腎機能障害

    1)腎機能障害患者及び腎機能正常者を対象としたcs・866反復投与時の PK試験(.5..:32.,欧州)

    a目的

    腎機能障害患者及び腎機能正常者に対して,

    どを比較する。

    b.試験デザイン

    非盲検, 並行群間試験

    c.方法

    CS-866を反復経口投与した時の PKな

    腎機能障害患者 26例と腎機能正常者 8例 (26"-72歳)に対して, CS-866の 10mgを,

    1日l回 7日間反復経口投与した。採血は初回投与又は反復投与 7日目の投与前,投与

    後 0.5,1, 1.5, 2, 3, 4, 6, 8, 12, 24時間後,及び反復投与 7日目には, 36, 48,

    72, 96時間後にも行った。また反復投与 3"-6日目の投与前にも行った。 RNH-6270濃

    度の測定はHPLCによ り行った。

    腎機能障害患者はスクリ ーニング時のクレアチニンクリアランス (CLCR)に基づき,

    腎機能障害の程度を軽度 [CLCR=40"-59mL/min,8例(男性6例,女性 2例)] ,中等

    度 [CLCR=20"-39mLlmin,9例(男性 2例,女性7例)]及び重度 [CLCR

  • 表 2.7.2.2.4-5 腎機能障害程度別血築中 RNH-6270濃度(トラフ時)

    腎機能障害患者腎機能王常者

    投与時期 重度 中等度 軽度 (N~8) (N~9) (N~9) (N~8)

    2回目投与前 43.3 (306) 21.5 (86) 21.5 (106) 9.4 (17)

    3回目投与前 56.0 (403) 23.1 (90) 23.5 (138) 10.9 (25)

    4回目投与前 58.2 (426) 24.5 (88) 20.7 (118) 10.7 (18)

    5回目投与前 62.4 (422) 24.8 (100) 21.7 (132) 11.1 (31)

    6回目投与前 65.3 (490) 23.4 (85) 21.3 (11.1) 9.5 (17)

    7回目投与前 68.2 (540) 24.0 (73) 22.3 (116) 11.3 (26)

    草術平均値(標準偏差〉 (ng/mL)

    反復投与 2回目以降の血摂中 RNH-6270濃度のトラフ値から判断して,いずれの患者

    においても,血摂中 RNH-6270濃度は CS-866投与 6回目までに定常状態に到達してい

    たと考えられた。

    腎機能障害患者及び腎機能正常者での,初回投与時及び定常状態時の PKパラメータ

    を,表 2.7.2.2.4-6に示す。

    表 2.7.2.2 .4-6 呈~試験における RNH-6270 の PK パラメ-?r

    腎機能障害患者

    パラメータ 重度 中等度 軽度(N ~ 9) (N ~ 9) (N ~ 8)

    Cmax (ng/mL) a) 270.0 (35.4) 294.0 (28.7) 260.5 (35.0)

    145.3 -440.9 208.3 -451.5 169.9 -430.7

    C"max (ng/mL) a) 360.2 (32.2) 319.8 (30.9) 293.8 (40.0)

    273.1 -662.9 208.9 -496.8 198.1 -548.2

    Tmax (h) b) 2.0 15 18

    1.5-6.0 10 -2.0 15 -4.0 T目 max (h) b) 3.0 15 2.0

    1.5-4.0 10 -2.0 10 -2.0

    AUC日24h (ng'h/mL) a) 2565.8 (36.9) 2064.0 (32.5) 1928.3 (32.1) 1389.7 -4164.3 1355.0 -3325.0 12317 -3390.2

    AUC"1: (ng 'h/mL) a) 3779.0 (40.5) 2468.1 (32.9) 2196.5 (37.4)

    2386.8 -7208.7 1523.1 -3798.5 1402.4 -4568.5

    t1l2 (h) a) 18.0 (30.5) 18.9 (42.8) 19.3 (47.6)

    13.5 -34.2 10.8 -44.8 12.1 -49.0

    尿中排f世率 0-24h,単回投与c) 193 3.05 6.71 (%) 0.35 -3.23 2.07 -5.19 4.38 -10.24

    尿中排f世率 0-96h,定常状態c) 3.96 4.58 9.74 (%) 0.80 -8.76 2.76 -8.52 5.28 -14.59

    腎クリアフンス日 24h, 0.05 (62.92) 0.11 (44.96) 0.27 (54.66) 単回投与 (L品) ,) 0.02 -0.10 0.07 -0.28 0.12-0.58

    腎クリアフンス日 96h, 0.05 (127.99) 0.12 (4162) 0.26 (70.74)

    定常状態 (L品) ,) 0.01 -0.13 0.07 -0.26 0.07 -0.62

    ,)幾何平均値(幾何変動係数%)及び最小値一最大値 b)中央値(最小値一最大値〉

    c)草術平均値及び最小値一最大値

    腎機能玉常者(N ~ 8)

    228.2 (29.7)

    158.3 -380.6

    230.9 (28.0)

    131.3 -3219

    2.0

    15 -4.0

    18 15 -2.0

    1310.7 (17.2)

    1089.5 -1737.3

    1355.0 (18.1)

    1035.1 -1664.5

    18.7 (37.1)

    13.0 -40.9

    8.56

    4.01 -13.32

    1103

    4.89 -19.30

    0.48 (39.50)

    0.29 -0.77

    0.51 (42.63)

    0.31 -0.82

    軽度,中等度及び重度腎機能障害患者群における初回投与後の AUCO-24hは,腎機能正

    常者群に比較してそれぞれ約1.5倍. 1.6倍及び 2.0倍と高い値を示し,定常状態時の

    AUC'九も腎機能正常者群に比較してそれぞれ約1.6倍.1.8倍及び 2.8倍と高値であっ

    た。 C路加についても,腎機能障害患者では腎機能正常者と比較して増加が認められた

    2.7.2臨床薬理の概要 40

  • が Cmax,Tssmax, Tmax及び t1l2では差がみられなかった。また,初回及び反復投与時の

    RNH-6270の尿中排f世率は,腎機能障害の程度が重症であるほど低下した。したがって,

    腎機能障害患者では腎クリアランスが低下した結果, AUCが高値を示したと考えられ

    た。

    e結論

    腎機能障害患者群では腎機能正常者群と比較して RNH-6270の腎クリアランスが低

    下しており,それに伴う AUCO-24h又は AUC刊の増加が認められた。重度腎機能障害患

    者群の AUC刊は腎機能正常者群の 2倍以上の値を示した。一方,軽度及び中等度腎機

    能障害患者群の AUC刊は,腎機能正常者群に比較して 2 倍末満の増加であり Tm~ と

    t1l2について差は認められなかった。

    なお,腎機能障害患者に対する用量調節の必要性の判断は,ポヒ。ュレーション PK解

    析 (27228,p 76) ,有効性 (2733312, p 77) 及び安全性 (2745132,p 101)

    を含め考察することした。

    41 2.7.2臨床薬理の概要

  • 2)腎機能低下患者を対象とした CS-866反復投与時の PK試験(主主皇)

    a目的

    腎機能低下を伴う高血圧症患者に対して, CS-866を反復経口投与した時の PKなど

    について検討する。

    b試験デザイン

    非盲検試験

    c方法

    腎機能低下(血清クレアチニンが 155~3 64mg/dL)を伴う高血圧症患者 8 例 (30~

    66歳,全症例男性)に対して, CS-866の 5mgを 1日l回 7日間反復経口投与した。

    採血は初回投与又は反復投与 7日目の投与前,投与1, 2, 4, 8, 12及び 24時間後に

    行った。反復投与 2~6 日目の投与前にも採血を行った。 RNH-6270 濃度の測定は

    LC-MSふ1Sにより行った。

    d結果

    腎機能低下患者での RNH-6270のPKパラメータを,表 2.7.2.24-7に示す。

    表 2.7.2 .2.4-7 呈~試験における RNH-6270 の PK パラメ-?r

    パフメータ 投与 l日目 投与7日目

    C=~ (ng/mL) 180.0 (829) 185.0 (827)

    Tmax (h) 3.8 (07) 2.9 (12)

    AUCO-24h (ng・h/mL) 1449.3 (594.6) 1749.8 (681.5)

    AUCoー∞ (ng・h/mL) 1613.5 (691.3)

    t1/2 (h) 7.0 (10) 8.2 (19)

    尿中排他率 0-24h(%) 3.80 (327) 5.15 (201)

    算術平均値(標準偏差〉 (N~8)

    RNH-6270の血摂中 PKパラメータの平均値は,初回及び反復投与後の間で統計学的

    な有意差は認められなかった。また,初回及び反復投与後 24時間までの尿中平均排池

    率はそれぞれ 3.80%及び 5.15%と,ほとんど差は認められなかった。

    また,各被験者の血清クレアチニン濃度が高いほど, Cmax及び AUCO-24hが高値となる

    傾向が認められた。

    反復投与後に観察された蓄積係数は 100~1l 1 と小さく,また単回投与から予測さ

    れた蓄積係数と同等と推定された(第5部, 5.3.3.6,主主)

    e結論

    腎機能低下を伴う高血圧症患者における投与 l日目と 7日目での血摂中 RNH-6270

    濃度及び尿中排池率には差が認められず,反復投与による蓄積性は小さいと考えられ

    た。

    2.7.2臨床薬理の概要 42

  • 2.4.4性男IJ

    1)男性及び女性を対象とした cs・866単回投与時の PK試験(主皇主試験,米国,参考資料)

    a目的

    健康な男性及び女性における CS-866単回経口投与時の PKなどを比較する。

    b.試験デザイン

    非盲検,並行群間試験

    C.方法

    健康な欧米人男性 18例 (20----45歳)及び健康な欧米人女性 17例 (19----44歳)に対

    して, CS-866の 20mgを空腹時に単回経口投与した。採血は投与前,投与 0.5,1, 1.5,

    2, 3, 4, 6, 8, 12, 16, 24, 36, 48, 60及び 72時間後に行い, RNH-6270濃度の測定

    はHPLCによ り千Tった。

    d.結果

    男性及び女性の血摂中 RNH-6270濃度の推移を図 2.7.2.2.4-5に示す。

    800

    -;:! 700

    hE 600 c

    )

    ↓L州 500

    鵬日400 c、JU1コ300 工z 広 200骨

    謀長 100 圃 。

    。6

    --0一男性(N=18)

    『・一女性(N=17)

    算術平均値(標準備差)

    12 18 24 30 36 42 48 54 60 66 72

    時間(h)

    図 2.7.2.2.4・5 長室主試験における血築中 RNH・6270濃度の推移

    43 2.7.2臨床薬理の概要

  • 男性及び女性での PKパラメータを表 2.7.2.24-8に示す。

    表 2.7.2.2.4-8 呈五立試験における RNH-6270の PKパラメ-?r

    CS-86620mg

    パラメータ 男性 女性(N ~ 18) (N~ 17)

    仁 TI~ (ng/mL) ω 506.17 (90.47) 574.59 (18003)

    Tm~ (h) b) 1.75 2.00

    AUCo∞ (ng h1mL)ω 3167.28 (658.15) 3729.24 (1039.09)

    t1l2 (h) a) 14.80 (478) 18.72 (592)

    尿中排他率 0-72h (%) a) 10.9 (216) 12.2 (197)

    経口クリアランス (LIh) ") 5.26 (107) 4.64 (143)

    腎クリアランス (LIh) ω 0.55 (007) 0.55 (0 17)

    平均分布容積 (L) ") 11165 (4195) 122.28 (42.78)

    a)算術平均値(標準偏差う b)中央直

    投与後の RNH-6270の血摂中濃度は,いずれの測定時点においても男性より女性でわ

    ずかに高く Cm~及び AUCo-roは男性よりも女性の方がそれぞれ1.1倍及び1.2倍高値で

    あった。また Tm~及び t1l2は,女性の方が男性より長かった。投与後 72 時間までの

    RNH-6270の尿中排池率及び平均分布容積は,男性よりも女性の方がやや大きかった。

    経口クリアランスは女性よりも男性の方が高かったが,腎クリアランスは男女間で同

    じであった。

    この男女の差は,男女聞の体重の差(男性 74.8kg,女性 653kg) に起因する可能

    性が考えられる。

    e結論

    AUCo-roは男性より女性の方が1.2倍大きく,その他の PKパラメータに関しでも,男

    女聞にわずかな差が認められた。この差は臨床上問題となる差ではないと考えられる

    が,性別による用量調節の必要性の判断は,ポヒ。ユレーション PK解析(272 2 8, p 76) ,

    有効性 (2733321, p79) 及び安全性 (2745134,p 102) を含め考察することし

    た。

    2.7.2臨床薬理の概要 44

    30015600_21600AMZ00030_K103_1_ページ_0130015600_21600AMZ00030_K103_1_ページ_0230015600_21600AMZ00030_K103_1_ページ_0330015600_21600AMZ00030_K103_1_ページ_0430015600_21600AMZ00030_K103_1_ページ_0530015600_21600AMZ00030_K103_1_ページ_0630015600_21600AMZ00030_K103_1_ページ_0730015600_21600AMZ00030_K103_1_ページ_0830015600_21600AMZ00030_K103_1_ページ_0930015600_21600AMZ00030_K103_1_ページ_1030015600_21600AMZ00030_K103_1_ページ_1130015600_21600AMZ00030_K103_1_ページ_1230015600_21600AMZ00030_K103_1_ページ_1330015600_21600AMZ00030_K103_1_ページ_1430015600_21600AMZ00030_K103_1_ページ_1530015600_21600AMZ00030_K103_1_ページ_1630015600_21600AMZ00030_K103_1_ページ_1730015600_21600AMZ00030_K103_1_ページ_1830015600_21600AMZ00030_K103_1_ページ_1930015600_21600AMZ00030_K103_1_ページ_2030015600_21600AMZ00030_K103_1_ページ_2130015600_21600AMZ00030_K103_1_ページ_2230015600_21600AMZ00030_K103_1_ページ_2330015600_21600AMZ00030_K103_1_ページ_2430015600_21600AMZ00030_K103_1_ページ_2530015600_21600AMZ00030_K103_1_ページ_2630015600_21600AMZ00030_K103_1_ページ_2730015600_21600AMZ00030_K103_1_ページ_28