road test no 5085 audi rs4 - autocar japan

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ROAD TEST No 5085 AUDI RS4 WE LIKE WE DON’T LIKE アりディRS4 MODEL TESTED ◎テスト車茌抂芁 驚異的な゚ンゞンず匷力なパフォヌマンス、グリップずトラクション、実甚性ずクオリティの融合 フィヌルに乏しいステアリング、走行モヌドによっおはそわそわする乗り心地、期埅はずれの燃費 アりディの゚クスプレスワゎンが垰っおきた。乗らなくずも速さは想像できる。 けれど、われわれを釘付けにできるほどなのか もはや関心はその䞀点だ。 ●モデル名RS4アバント●車䞡本䜓䟡栌邊貚換算玄1150䞇円●日本発売時期未発売 ●最高出力450ps/8250rpm●最倧トルク43.8kgm/4000-6000rpm ●0-97km/h加速4.4秒●113-0km/h制動距離48.4m●最倧求心加速床1.01G ●テスト平均燃費7.0km/ℓ ●二酞化炭玠排出量249g/km photo: Stuart Priceスチュアヌト・プラむス 19むンチアルミホむヌルが暙準だが、オプ ションのスポヌツパッケヌゞには9.0J×20 むンチの5本スポヌクが含たれおいる。グ レヌのキャリパヌが、カヌボンセラミック補 フロントブレヌキの蚌だ。 M L Pプラットフォヌムの採甚により、フロントの オヌバヌハングは旧型の950mmから860mmに 短瞮された。より均等な重量配分ずレスポンスに 優れたハンドリングの実珟に寄䞎しおいる。 キセノンプラスヘッドラむトを暙準装備する。ラむトの 呚囲に配眮された留め金のように芋えるLEDデむタ むムランニングラむトは、間違いなく特城的である。 マットなアルミカラヌに塗装されたトリムは、ハむ パフォヌマンス・アりディのアむキャッチずなっおい る。最新型R S4では、シルバヌのフロントスポむ ラヌずグリル枠が採甚された。ドアミラヌのキャッ プも同様の凊理がなされる。 92 AUTOCAR 01/2013

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Page 1: ROAD TEST No 5085 AUDI RS4 - AUTOCAR JAPAN

ROAD TEST No 5085

AUDI RS4

WE LIKE

WE DON’T LIKE

アりディRS4

MODEL TESTED ◎テスト車茌抂芁

驚異的な゚ンゞンず匷力なパフォヌマンス、グリップずトラクション、実甚性ずクオリティの融合

フィヌルに乏しいステアリング、走行モヌドによっおはそわそわする乗り心地、期埅はずれの燃費

アりディの゚クスプレスワゎンが垰っおきた。乗らなくずも速さは想像できる。けれど、われわれを釘付けにできるほどなのか もはや関心はその䞀点だ。

●モデル名RS4アバント●車䞡本䜓䟡栌邊貚換算玄1150䞇円●日本発売時期未発売●最高出力450ps/8250rpm●最倧トルク43.8kgm/4000-6000rpm●0-97km/h加速4.4秒●113-0km/h制動距離48.4m●最倧求心加速床1.01G●テスト平均燃費7.0km/ℓ●二酞化炭玠排出量249g/km

photo: Stuart Priceスチュアヌト・プラむス

19むンチアルミホむヌルが暙準だが、オプションのスポヌツパッケヌゞには9.0J×20むンチの5本スポヌクが含たれおいる。グレヌのキャリパヌが、カヌボンセラミック補フロントブレヌキの蚌だ。

MLPプラットフォヌムの採甚により、フロントのオヌバヌハングは旧型の950mmから860mmに短瞮された。より均等な重量配分ずレスポンスに優れたハンドリングの実珟に寄䞎しおいる。

キセノンプラスヘッドラむトを暙準装備する。ラむトの呚囲に配眮された留め金のように芋えるLEDデむタむムランニングラむトは、間違いなく特城的である。

マットなアルミカラヌに塗装されたトリムは、ハむパフォヌマンス・アりディのアむキャッチずなっおいる。最新型RS4では、シルバヌのフロントスポむラヌずグリル枠が採甚された。ドアミラヌのキャップも同様の凊理がなされる。

92 AUTOCAR 01/2013

Page 2: ROAD TEST No 5085 AUDI RS4 - AUTOCAR JAPAN

 RSバヌゞョンはさたざたなモデルに蚭定されおきたが、RS4は䟝然、゚ンスヌゞアストの蚘憶のなかで特別な堎所を占めおいる。1994幎のRS2ワゎンはRSバッゞを付けた最初のモデルだが、本圓に運転が愉しいクルマだった。その埌継が、2000幎に登堎した第2のRSモデル、RS4である。運転の愉しさに関しおはRS2におよばなかったが、きわめお䜿いやすく、その埌のRSモデルが生たれるきっかけずなった。2006幎のRS4は、今なお最高峰である。そのなめらかな乗り心地ず魅力的なハンドリング、玠晎らしいパワヌトレむンは、匷く印象に残っおいる。

ポルシェず共同開発したRS2が、RSバヌゞョンの始祖。

HISTORYRSはワゎンからはじたった

ハむパフォヌマンスワゎンであっおも、アりディ車は䟋倖なく広いトランクを備える。RS4のトランク容量は1430ℓC63 AMGワゎンより70ℓ小さいで、550kgたで積茉可胜だ。最高速床は280km/hである。

マットアルミのトリムが付いたリダディフュヌザヌパネルは芋た目がいい。倪い゚グゟヌスト゚ンドはデコレヌションで、奥に芋える现めの4本出しパむプずは接続されおいない。

前埌のトレッドが広げられた分、ホむヌルアヌチも倧きく匵り出しおいる。䞊偎が角匵ったブリスタヌフェンダヌのデザむンは、初代アりディ・クワトロぞのオマヌゞュである。

アルミ調のルヌフバヌは暙準装備だ。アクセサリヌのルヌフボックスを取り付けるず、90kgの荷物を積茉できる。ただし、最高速床の280km/hには到達できなくなる。

93www.autocar.jp

AUDI RS4 AVANT ROAD TEST

アりディの新たなRSモデルがどんなクルマなのか。それに぀いおは觊れずずも予想

できる郚分はある。たず、圓然ながら、途方もないパフォヌマンスずトラクションを備えおいるだろう。そしお、ベヌスずなる䞋䜍モデルず同等の宀内装備を維持しおいるのも間違いない。 だが、運動胜力に関しおどんなキャラクタヌを持っおいるかを想像するのはむずかしい。過去のRSモデルを芋るず、乗り心地に優れたものもあれば、ひどいものもあった。運転が魅力的なものもあれば、逆にたるで掻気のないものもあった。それらがすべお混圚したようなクルマさえあった。そんな背景から、われわれは新型RS4のロヌドテストに、倧きな関心を抱いおいる。

 最近のRSモデルには、以前に比べるずチグハグさがなくなっおきおいるずころには垌望が持おる。たた、これたでのずころ、歎代ベストずいえるRSモデルは先代のRS4ずいうのも奜材料だ。圓時、われわれテスタヌの倚くが、BMW M3よりも高い評䟡を䞋したモデルである。 そんなRS4に、このたび3䞖代目が登堎した。パワヌトレむンに぀いおは、過絊゚ンゞンの採甚が業界の必然的な流れずなっおいるなかで、これたで同様、高回転型の自然吞気ナニットを搭茉しおいる。先代RS4の魅力のひず぀がNAナニットだったこずも、この新型に期埅が持おる理由である。では、このRS4がその期埅に応えおくれるのか、確かめおいこう。

Page 3: ROAD TEST No 5085 AUDI RS4 - AUTOCAR JAPAN

ON THE INSIDE

 テスト車䞡はオプションのバングオルフセン補のヘッドナニットずDAB補ラゞオ、およびCDチェンゞャヌずDVDプレヌダヌ、携垯電話察応装備を装着しおいた。サりンドのクオリティは文句なし。

 GPSナビゲヌションはシンプルな倖芳。機胜はある皋床のカスタマむズが可胜で、しっかりずルヌト案内しおくれる。

AUDIO

オヌディオ

SAT-NAV

GPSナビゲヌション

 “Car”メニュヌから、ダンパヌの枛衰力、ステアリングず゚ンゞンずギダボックスのレスポンス、ディファレンシャルの効きを遞択できる。プリセットから遞ぶだけでなく、“Individual”によっお自分の奜みに組み合わせるこずも可胜だ。われわれは、公道では゜フトなダンパヌセッティングが最適だず感じた。 ここに挙げた党機胜は、マルチメディアむンタヌフェヌスMMIでコントロヌルできる。リファむンが進んで盎感的に操䜜できるようになり぀぀あり、メニュヌ遞択時にセンタヌコン゜ヌルを芋る必芁はない。機胜の遞択はダむダルで画面䞊のアむコンを遞択するだけだ。サブメニュヌを䜿っお簡単に、広範囲の内容が遞択可胜になっおいる。

VEHICLE OPTIONSセッティングメニュヌ

ステアリングホむヌルはフラットボトムだが、それ以倖の郚分は握りやすい圢状。ダむナミックステアリングテスト車䞡に装着だず、9時ず3時の䜍眮から手を離すこずは少なくなる。

肉抜きされたドアハンドルがスタむリッシュだ。アりディのディテヌルに察する匷いこだわりを瀺すずずもに、ハむパフォヌマンスを控えめに衚珟するRS4のセンスが凝瞮されおいる。

ギダセレクタヌは電子匏ではなく機械匏になっおいる。“アップ”ず“ダりン”のマニュアル操䜜は、䟝然ずしお前埌“逆”だ。シフトチェンゞにはステアリングホむヌルのパドルを䜿うのが奜たしい。

94 AUTOCAR 01/2013

Page 4: ROAD TEST No 5085 AUDI RS4 - AUTOCAR JAPAN

2813mm884mm 1022mm

4719mm 39%

1416mm

56% 44%

850mm min

1100mm max

580mm min

900mm max

900m

m m

in10

20m

m m

ax

940m

m

490—1430 litres

0.34

9.5ºobscured

9.5ºobscured

1850mm

Turn

ing

circle

: 11.9

m

1599mm 1586mm

200m

m

Cent

re50m

m

ふた぀のペダルはほどよい間隔で配眮されおおり、M/T仕様のA4に芋られるオフセットの悪圱響はない。ブレヌキペダルは難なく巊足で操䜜できるくらいに真正面に眮かれおいる。もっずも、われわれが巊足でブレヌキペダルを螏んだのは、ロヌンチコントロヌルを䜿ったずきだけだ。

WHEEL AND PEDAL ALIGNMENT ステアリングホむヌルずペダルの配眮

トランクレヌルはオプションの荷物固定キットの䞀郚である。サむドの小物入れには䌞瞮性のある仕切りが付いおいお、ずおも䜿いやすい。

暙準的なシヌト䜍眮での足元スペヌス780mm

幅1030mm 奥行き1020-1800mm

高さ470-785mm

FRONT高いりィンドりラむンのために平均的な芖界が確保されおいる。パヌキングセンサヌず埌方モニタヌが圹に立぀。

HEADLIGHTSたさに第䞀玚のセットアップだが、これほどの性胜を持぀クルマならば圓然だろう。

HOW BIG IS IT? サむズはどれくらい

VISIBILITY TEST 芖認性テスト

埌垭の居䜏性は、このクラスずしおは良奜だ。リダシヌトはA4よりも圫りが深い。

高玚感あるキャビン。サむドサポヌトが倧きく匵り出したスポヌツシヌトは玠晎らしい出来だ。調敎範囲が広く、快適なポゞションを芋぀け出せるはずである。

95www.autocar.jp

AUDI RS4 AVANT ROAD TEST

DESIGN&ENGINEERING意匠ず技術★★★★★★★★☆☆ クアトロGmbH瀟のパフォヌマンススペシャリストが、アりディのMLPプラットフォヌムをベヌスに開発したモデルは、これがはじめおではない。RS5がメカニカル的には同じベヌスから造られおいる。だが、完璧な重量配分を目指したシャシヌを持ったアりディのハむパフォヌマンスワゎンは、これがはじめおだ。 われわれが実枬したデヌタもそれを裏付けおいる。アりディはMLPプラットフォヌムを甚いお、フロントのオヌバヌハングの短瞮ず、珟行のB8䞖代の党A4モデルで瞊眮き゚ンゞンの埌方ぞの移動を可胜にしたが、このRS4ではおよそ90kgもの重量をフロントアクスルからリダアクスルに再配分するこずに成功した。2006幎にわれわれがテストしたB7䞖代のサルヌンは旧態䟝然ずしたノヌズヘビヌなクルマで、重量配分は

前60埌40だった。今回のRS4は、それが5644に改善しおいる。 搭茉されるパワヌナニットは、RS5ず同じハンドメむドの4.2ℓV8自然吞気゚ンゞンである。゚ンゞンのダりンサむゞングが進んでいる珟圚のトレンドに逆らっおの登甚だが、われわれはこの遞択をおおいに支持する。パワヌは先代RS4ず比べお30ps増の450psを、8250rpmずいう高回転で発生する。トルクは倉わらず43.9kgmで過絊噚付きほど図倪いトルクはないが、代わりに軜快なスロットルレスポンスず高回転域での爆発的なパワヌの高たりが埗られる。 そのパワヌは、高床で耇雑な “クワトロ”4WDドラむブトレむンを介し、路面に䌝えられる。サスペンションは前埌ずもマルチリンク匏で、ハヌドなスプリングによっお車高をスタンダヌドモデルよりも20mm䞋げおいる。たた、オプションずしお、ダむナミックラむドコントロヌルダンピングシステムの最新バヌゞョンも甚意される。今回のテスト車䞡

にも装備されるこれは、察角するダンパヌを連結しお、過倧なボディロヌルを打ち消そうずするデバむスだ。さらに“アクティブ”バリアブルレシオダむナミックステアリングも、このテスト車䞡には装着されおいる。 カヌボンセラミック補フロントディスクブレヌキもオプション装着されおいるが、暙準仕様では8ポットキャリパヌに新型のスティヌル補ディスクの組み合わせずなる。このディスクは茪郭を波圢にカットしお、軜量化ず攟熱性向䞊を図っおいる。この新型ディスクの評䟡に぀いおは、たた別な機䌚に行おう。

INTERIOR宀内★★★★★★★★☆☆ RS4のキャビンに身䜓を収めるのは、ずおも愉しい䜓隓である。サむドサポヌトが倧きく匵り出したフロントシヌトは座り心地が快適で、それも

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■ドラむサヌキットアりディRS4アバントラップタむム1分14秒3メルセデス・ベンツC63 AMGセダン参考タむム1分15秒6

極限状況以倖では終始、それもきわめお安定しおおり、自信を持っお運転できる。車重1880kgのクルマずは思えないほど速い。

Start/finishT1

T2

T3

T4

T5T6

T7

Start/finishT1T2

T4

T3

T5 T6

T7

T8

241km/h

22.9s

225km/h

19.2s

209km/h

16.1s

193km/h

13.5s

48km/h 64 80 97 113 129 145 160 177km/h

2.1s 2.9 5.5s3.6 4.4 9.7s6.7s 8.0s 11.5s

20s10s0 5s 15s

241km/h

27.0s

225km/h

22.2s

209km/h

18.2s

193km/h

15.0s

48km/h 64 80 97 113 129 145 160km/h 177km/h

1.7s 2.5 5.5s3.3 4.4s 10.3s6.9s 8.5s 12.6s

20s10s0 5s 15s 25s

48-0km/h

48-0km/h

80-0km/h

80-0km/h 113-0km/h

113-0km/h

48.4m

51.3m25.1m

24.2m

9.4m

9.3mDRY

WET

20m10m 40m30m0 50m

TRACK NOTES サヌキットテスト

 限界に近づけば近づくほど、RS4は奜たしいリアクションを瀺す。アりディドラむブセレクトは、MIRAのドラむサヌキットでは“ダむナミック”が奜結果を生んだが、りェットハンドリングコヌスおよび公道では、゜フトなセッティングのほうが荒 し々さず埓順さのベストバランスを匕き出せる。

 オプションのカヌボンセラミック補フロントディスクブレヌキは圹立぀装備だ。䞀方で、むンゎルシュタットは䟝然ずしお、その玠っ気ないステアリングラックに倧たかな正確さ以䞊のものを䞎えるこずができおいない。だが、フロントのトラクションの喪倱進入速床が速すぎた堎合に

必然的に蚪れるを䌝達しおくれる皋床には、十分なコミュニケヌション胜力がある。 積極的にパワヌをかければ気たぐれな挙動を軜枛できるが、フロントタむダの状況を把握し、アペックスに向けおよりクリヌンなラむンを探す努力をしたほうが、

はるかにベタヌな結果に぀ながる。リダがスラむドしお思った以䞊にずくにりェット時に巻き蟌んでしたっおも、スポヌツディファレンシャルが駆動力を最適に再分配しお玠早く進入角をアゞャストしおくれる。おかげで脱出に向けたスロットルオンのタむミングも぀かみやすい。

ON THE LIMIT 限界時の挙動

アりディRS4アバント

カヌボンセラミック補ブレヌキは、車重を考えれば驚異的なフェヌド耐性を持っおいる。

盎感的な操䜜ずはいえないが、アンダヌステアが出たずきは、通垞よりもパワヌを倚めにかければ解消しやすい。

■りェットサヌキットアりディRS4アバントラップタむム1分14秒1メルセデス・ベンツC63 AMGセダン参考タむム1分11秒5

RS4のりェットグリップ性胜は、ほかに類を芋ないほど高い。このテストコヌスは路面の摩滅が進んでいるが、2〜3幎前の路面状態なら、歎代最速タむムを蚘録しおいたかもしれない。

T7を回るずきには72km/h近くを維持する。最近ではずおも匷力ずいえるパフォヌマンスだ。

ブレヌキを残しおコヌナヌに進入するず、オヌバヌステアを匕き起こす。パワヌをかけるずそれが消える。パワヌがすべおを解決する。

■発進加速テストトラック条件也燥路面/æ°—æž©18℃0-402m発進加速12.8秒到達速床177.8km/h0-1000m発進加速23.2秒到達速床229.3km/h

メルセデス・ベンツC63 AMGセダン

■制動距離97-0km/h制動時間3.0秒

ON THE ROAD

96 AUTOCAR 01/2013

含めおコクピットの雰囲気はスポヌティだ。マテリアルや組み付けや仕䞊げはアりディならではの高品質であり、RS4にハむレベルの知芚クオリティを䞎えおいる。さらに、ハむパフォヌマンスモデルに付きものの、倚様な装備も備わる。プッシュ匏の゚ンゞン始動ボタン、カヌボントリム、金属ペダルなどが、スポヌティなドラむビングにふさわしい堎所に感じさせる。 甚意されるトランスミッションは、デュアルクラッチのみだ。ゆえに、M/T仕様のA4の魅力をスポむルしおいるペダルオフセットには悩たされずに枈み、快適なドラむビングポゞションを芋぀けやすい。ステアリングホむヌルのリヌチず角床の調敎幅が倧きいから、座面高を䞋げおステアリングホむヌルを手前に近づける、ベストなレヌシングスタむルを取るこずも可胜だ。 そしお、これらすべおに加えお埗られるのが、ケむマンのトランクでは䞍足を感じる人が望むであろう実甚性である。広い前垭空間は、埌垭の居䜏性にほずんど圱響を䞎えおいない。トランクもほかのA4アバントず同じ広さだ。぀たり、フロアの䞋に組み蟌たれたRS甚の远加コンポヌネンツにより、犠牲は匷いられおいないのである。

PERFORMANCE動力性胜★★★★★★★★★☆ 数倀的に芋たRS4はおおいに有望で、しかも実際に玠晎らしく繊现に制埡されおいる。数倚くのアりディ補゚ンゞンが刻んできた、掻気のないレスポンスの蚘憶を消し去るかのように、この新型RS4アバントの8気筒ナニットは貪欲なたでの勢いで回る。無論、垂堎にはこれず同等の数倀を達成できる倧排気量の゚ンゞンがいく぀も存圚するが、このむンゎルシュタット補4.2ℓV8ほ

Page 6: ROAD TEST No 5085 AUDI RS4 - AUTOCAR JAPAN

7段デュアルクラッチ匏トランスミッションは、Dレンゞではスムヌズに、パドル操䜜では玠早くギダチェンゞしおくれる。

埓来のトルセン匏に代わっお採甚されたクラりンギダ匏センタヌデフは、より玠早くパワヌを埌茪に送る。

 デュアルクラッチ匏7段トランスミッション、クラりンギダ匏センタヌディファレンシャル、トルクベクタリング、リダスポヌツディファレンシャルを備えたRS4のドラむブトレむンは、間違いなく、アりディがこれたでに提䟛したなかでももっずも先進的なもののひず぀である。しかも、それらはすべお、RS4では暙準装備なのだ欧州仕様のRS5では、リダスポヌツディファレンシャルがオプションだった。 クラりンギダ匏センタヌディファレンシャルは、かの名車

“クワトロ”以来、瞊眮き゚ンゞンのクワトロドラむブにおける最倧の飛躍的技術革新だずアりディは胞を匵っおいる。圌らがこれたで甚いおきたトルセン匏センタヌデフに比べお䜜動が栌段に速く、フロントアクスルにパワヌアンダヌステアが発生したずきにぱンゞンパワヌの85たでを埌茪に配分できる。そしお、リダスポヌツリダディファレンシャルは、荷重が抜けたむン偎埌茪が空転しお無駄になる駆動力を最倧85たで、荷重かかったアりト偎埌茪に振り分けるこずができる。

公道走行には、ドラむブセレクトをもっずも゜フトなセッティングにしおおくのがベストだ。

UNDER THE SKIN クワトロの飛躍的進化

97www.autocar.jp

AUDI RS4 AVANT ROAD TEST

無芖したドラむビングをするず、RS4はコヌナヌでフロントから滑り出し、疲れたように䞍満の声を䞊げる。だが、路面に挑む450psず自分を取り囲むボディの重量にドラむバヌがきちんず配慮し、適切な操䜜を心がければ、このクルマはさらに倧きな満足を䞎えおくれる。 すでに想像が぀いおいるかもしれないが、重芁なのはシャシヌの改良である。少なからぬ重量をノヌズから埌方に移動させたおかげで、RS4ははっきりずわかるほど振り回しやすくなった。ステアリングからのむンフォメヌションは盞倉

特定のアむデンティティを明確に䞎えおきただけに、このRS4のキャラクタヌの抂略を述べる必芁はほずんどないだろう。われわれが考えるアりディRSずは、鉄の意志を持ったグリップず倩候を問わない驚異的なトラクション、そしおたいおいの堎合、ほずんど誰でも特別な技量なしに速く走らせるこずのできる、枩和で甚心深い運動特性を備えおいるクルマだ。 そしお、ある皋床たで、最新型のRS4はこの公匏どおりの振る舞いを芋せる。寛倧な4WDずいう安党装眮に頌り切っお、それ以倖の芁玠を

ど、い぀でも容赊のないパワヌを発揮できるナニットはほずんど芋圓たらない。 1880kgずいう車重に加え、ふたりの䜓栌のいいロヌドテスタヌずいう重荷を背負いながら、その゚ンゞンずロヌンチコントロヌル付き7段Sトロニックは、0-97km/h加速の埀埩平均タむムで4.4秒を蚘録した。このクルマの党開加速は、ボディブロヌのように効く。 各ギダごずの䞭間加速はさらに目芚たしい。3速固定での32-64km/h加速に芁する時間は、わずか3.0秒なのだ。同じく3速での113-145km/h加速も3.1秒である。8250rpmのリミットにいたる高回転域の爆発的パワヌが印象的だが、予想倖に早く目的地に到着したあずで振り返るず、安定しお発揮されるパフォヌマンスず、速く走るこずに察する培底ぶりに気づく。 このように、さながらアルミ補の拳のごずき砎壊力を秘めたパワヌナニットだが、グロヌブを装着するこずもいずわない。瞬時にレブリミッタヌを䜜動させるこずもできる胜力がありながら、穏やかに扱っおやれば、ほずんど完党に存圚感を消しおしたうのだ。暙準モヌドでは、法埋を遵守しお走らせるのに適したスロットルマッピングが提䟛されるため、動䜜がスムヌズなSトロニックの助けもあっお、䜎速では玠晎らしく䞊品だ。これであれば、欧州混合モヌドでの9.4km/ℓの燃費も玍埗である。ただ、実際にその燃費に近づけるには、その驚異的なポテンシャルを匕き出さないように努力しなければならない。われわれは平均で7km/ℓを達成するのがやっずだった。

RIDE&HANDLING乗り心地ず操瞊安定性★★★★★★★★★☆ アりディはこれたでも、RSブランドのクルマに

Page 7: ROAD TEST No 5085 AUDI RS4 - AUTOCAR JAPAN

䞀郚バックナンバヌは www.autocar.jp に掲茉されおいたす。

61 litres

12345

64km/h 8250rpm

106km/h 8250rpm

151km/h 8250rpm

201km/h 8250rpm

6 280km/h 7262rpm

259km/h 8250rpm

7 280km/h* 6014rpm* claimed

■゚ンゞン駆動方匏瞊眮き4茪駆動圢匏V型8気筒, 4163ccブロック/ヘッドアルミ軜合金ボア×ストロヌクφ84.5×92.8mm圧瞮比11.0:1バルブ配眮4バルブDOHC最高出力450ps/8250rpm最倧トルク43.8kgm/4000-6000rpm蚱容回転数8250rpm銬力荷重比251ps/tトルク荷重比24.4kgm/t比出力108ps/ℓ

■メカニカルレむアりトRS4は自然吞気のV8゚ンゞンをフロントに瞊眮きしおいる。7段“Sトロニック”デュアルクラッチトランスミッションを介し、新たにクラりンギダ匏センタヌデフを埗た“クワトロ”4WDシステムにより、状況に合わせお4茪を適切に駆動する。

■燃料消費率オヌトカヌ実枬倀 消費率総平均 7.0km/ℓツヌリング 11.5km/ℓ動力性胜蚈枬時 2.8km/ℓメヌカヌ公衚倀 消費率垂街地 6.8km/ℓ郊倖 11.8km/ℓ混合 9.4km/ℓ燃料タンク容量 62ℓ珟実的な航続距離 428kmCO₂排出量 249g/km

■発進加速

実枬車速mphkm/h 秒30 (48) 1.740 (64) 2.550 (80) 3.360 (97) 4.470 (113) 5.580 (129) 6.990 (145) 8.5100 (161) 10.3110 (177) 12.6120 (193) 15.0130 (209) 18.2140 (225) 22.2150 (241) 27.0

■サスペンション前マルチリンク/コむルスタビラむザヌ埌マルチリンク/コむルスタビラむザヌ

■ステアリング圢匏ラックピニオン電動アシストロック・トゥ・ロック2.2回転最小回転半埄5.95m

■ブレヌキ前φ380mm通気冷华匏ディスク埌φ350mm通気冷华匏ディスク

■䞭間加速〈秒〉mph (km/h 2nd 3rd 4th 5th 6th 7th

20-40 (32-64 2.1 3.0 - - - -

30-50 (40-80 2.0 2.9 3.9 5.4 - -

40-60 (64-97 2.1 2.8 3.9 5.2 7.0 -

50-70 (80-113 - 2.8 3.8 5.3 7.0 9.4

60-80 (97-129 - 2.9 3.7 5.3 7.3 9.4

70-90 (113-145 - 3.1 3.9 5.2 7.5 10.1

80-100 (129-161 - - 4.0 5.3 7.7 10.6

90-110 (145-177 - - 4.3 5.7 7.8 -

100-120 (161-193 - - 4.8 6.0 8.2- -

110-130 (177-209 - - - 6.6 - -

120-140 (193-225 - - - 7.5 - -

130-150 (209-241 - - - - - -

140-160 (193-257 - - - - - -

■シャシヌ/ボディ構造スティヌルモノコック車䞡重量1795/1880kg実枬抗力係数0.34ホむヌル9.0J×20inタむダ265/30R20スペアタむダなし補修キット■倉速機圢匏7段デュアルクラッチギダ比/1000rpm時車速〈km/h〉①3.692/7.7②2.238/12.9③1.559/18.5④1.175/24.5â‘€0.915/31.4⑥0.745/38.6⑩0.617/46.5最終枛速比4.375

■安党装備ABS, EBD, DSC, TCSEuro N CAP/ 5぀星乗員保護性胜/成人93%, 子䟛84安党補助装眮性胜71

泚意事項銬力荷重比ずトルク荷重比の蚈算にはメヌカヌ公称車䞡重量を䜿甚しおいたす。 © Autocar 2012. テスト結果は暩利者の曞面による承諟なしに転甚するこずはできたせん。

静止時に前茪1本あたりにかかる荷重の倧きさがこの数字。ブレヌキング時やコヌナリング時、フロントタむダは芋事な働きを芋せる。

サヌキットを党開走行時、満タンで走れる距離。スパ・フランコルシャンなら24.36呚だ。燃費は玄2.8km/ℓ。

ROAD TEST

523kg171

■今月の数字

■最高速

SPECIFICATIONS 蚈枬テストデヌタ

DATA LOG

98 AUTOCAR 01/2013

わらず乏しいが、バランスはよくなっおおり、向きを倉えやすくなった。そうした敏捷さが远加されただけでも䟡倀があるが、新たに手を加えられたクワトロシステムずリダの電制デフロックが、ハむテク4WDの利点である前埌茪の盞互䜜甚を、より倚く発揮させおくれる。 その結果、䟝然ずしおC63 AMGワゎンずの出䌚いほど没入感が匷くはないものの、C63では望めないほどアグレッシブか぀貪欲に、りェット路面ののテストコヌスを思いのたたに走らせられる。クラりンギダ匏センタヌデフは、冠氎した路面でさえ過倧なほどのグリップを生み、ナチュラルな走りを芋せるだけではなく、時ずしおカりンタヌステアを芁するような挙動をもたらす胜力も有するのだ。 そうした極限的なチャレンゞを敢行しおいるあいだを別にすれば、RS4は少々扱いにくく感じられるこずもある。アゞャスタブルダンパヌずバリアブルステアリングレシオのもっずも奜戊的なセッティングは、公道ではハヌドすぎるようだ。ラむバルのなかには、日垞的なペヌスで走らせたずきに掻気あるフィヌルを䌝えおくれるクルマもあるが、RS4にそうした郚分はない。だが、これら䞻芳的なデメリットを客芳的に欠点だず断じるのは、適切ではないだろう。メニュヌから盞応の遞択肢を遞べば乗り心地は比范的良奜で、回頭性は正確で、グリップは匷烈で、2地点間の移動の速さはこのクラスでも䞀頭地を抜いおいる。

BUYING&OWNING賌入ず維持★★★★★★★★☆☆ われらが垂堎アナリストは、RS4はアりディのなかでもリセヌルバリュヌがもっずも高い車皮で、BMW M3クヌペさえ䞊回るだろうず考えおいる。われわれの予想では、4幎埌でも400䞇円近い倀打ちが残るだろう。今回のテスト車はカヌボンセラミック補フロントブレヌキを装着しおいたが、われわれのテストの期間䞭、消耗品の摩耗にも立掟に耐えた。このロヌドテストず、ベストハンドリングカヌ遞手暩のためサヌキットを䞞䞀日走ったが、その最䞭にタむダずブレヌキが燃え尜きるこずはなかった。 だが、倧量のガ゜リンは燃え尜きた。比范的穏やかなツヌリングルヌトでさえ11.5km/ℓしか蚘録できなかったこずからも、燃費性胜は掚しお知るべしだ。䞀郚のナヌザヌにずっおは、それが魅力を制玄するこずになるかもしれないが、この燃費を蚱容できる人なら、これは最高に刺激的なドラむブトレむンである。

Page 8: ROAD TEST No 5085 AUDI RS4 - AUTOCAR JAPAN

われわれはこう考える

アりディRS4の唯䞀にしお最高のラむバル。埌茪駆動らしく振り回すこずのできるバランスになっおいる。

珟時点でRS4にもっずもパフォヌマンスが近いBMW車。実甚性で劣るのはやむなし

“速いワゎン”ずいう意味では䌌たような存圚だが、このクラスではずおも歯が立たない。

速く走らせれば走らせるほどよくなる。玠晎らしいドラむブトレむンの持ち䞻。

荒 し々く速い。ややチヌプで、以前のWRXほど魅力を感じない。

3rd 4th 5th 2nd1st

JOBS FOR THEFACELIFT●マむナヌチェンゞ時に望むこず

パワヌバンドがじ぀に幅広いため、トップ゚ンドたで回す機䌚はそう倚くないはずだ。運転免蚱のためにも、ほどほどにしおおくのが望たしい マット・プラむアヌ

4速は“䞇胜ギダ”である。30km/hを超えたあたりで4速に入れおしたっおも、800mほどの距離で190km/hにも達しおしたう。 ニック・キャケット

今回のテスト車は、ハヌドな仕様のスプリングずダむナミックステアリングがオプション装着されおいた。したがっお、どちらも、あるいはどちらかが暙準状態の個䜓のほうが奜たしい可胜性はある。それ以倖の装備はお奜みでかたわない。サヌキットを走るなら、カヌボンセラミック補ブレヌキをお薊めしおおく。

・もう少し枛量を。ずくに前軞重。・さらにしなやかなサスペンションセッ

ティング。あるいはもっずハむプロファむルのタむダ。

・マニュアル車を出す可胜性は 望む声は倚いはずだ。

ROAD TEST

AUTOCAR VERDICT ●オヌトカヌの結論

AUDI RS4 AVANT「アりディRSモデルの矎点を集玄した䞀台。 先代から積み残された悪癖はずおも少ない」

たいおいのクルマは、公道でのドラむビングでは掻かしきれるこずのないほど深い運動胜力を備えおいる

ものだ。ずくに、このRS4は、サヌキットではるかにハヌドなドラむブをしたあずでさえ、ほずんどのテスタヌの予想を䞊回るほどの手の内を隠し持っおいるこずがわかった。これには本圓に驚かされた。特別に仕立おられたレヌシングカヌのようなパワヌトレむンず、長距離での完璧な快適性

こちらに぀いおは“ほずんどのケヌスで”ずいうただし曞きを付けたいずころではあるがを兌ね備えた䞀台だ。 このRS4からすべおの胜力を匕き出すには、クラスが䞊

のハむパフォヌマンスカヌず比べおも芋劣りしないどころか䞊回るほどのグリップを掻かすべく、スムヌズか぀繊现なドラむビングを心がけおもうたくいかない。むしろ、襟銖を぀かんで振り回すような匷匕さが、぀たりグリップが倱われたずきにはスロットルペダルをさらに螏み぀けおやったほうが、最倧限のグリップずトラクションを埗られる。ホットハッチから仕立おた、アグレッシブで野蛮なラリヌレプリカず同じような反応を、ひず回り倧きなRS4は瀺すのだ。最新型RS4はRSモデル最速の䞀台であるにずどたらず、もっずも掗緎されたRSモデルの䞀台でもある。

TESTERS’ NOTES●テスタヌのひず蚀コメント

SPEC ADVICE●賌入にあたっおの助蚀

★★★★★★★★☆☆

No 5085

PEUGEOT 208 ROAD TEST

結論

車䞡䟡栌最高出力最倧トルク0-97km/h加速最高速床燃料消費率混合車茌重量公称倀CO₂排出量

★★★★★★★★☆☆

MERCEDES-BENZC63 AMG Stationwagonメルセデス・ベンツC63AMGステヌションワゎン

1095.0䞇円457ps/6800rpm61.2kgm/5000rpm4.6秒0-100km/h公称250km/hリミッタヌ8.2km/ℓ1820kg285g/km

★★★★★★★★☆☆

BMWM3 Coupé AutoBMWM3クヌペMDCT

1068.0䞇円420ps/8300rpm40.8kgm/3900rpm4.6秒0-100km/h公称250km/hリミッタヌ8.9km/ℓ1650kg263g/km

★★★★★★☆☆☆☆

VAUXHALLInsignia VXR Estateノォグゟヌル・むンシグニアVXR゚ステヌト

邊貚換算玄700䞇円325ps/5250rpm44.4kgm/5250rpm6.2秒0-100km/h公称250km/hリミッタヌ9.1km/ℓ1940kg259g/km

★★★★★★★★☆☆

AUDIRS4 AvantアりディRS4アバント

邊貚換算玄1150䞇円450ps/8250rpm43.8kgm/4000-6000rpm4.4秒280km/hリミッタヌ9.4km/ℓ1795kg249g/km

★★★★★★★☆☆☆

SUBARUImpreza WRX STIスバル・むンプレッサWRXSTI

373.8䞇円308ps/6400rpm43.0kgm/4400rpm5.2秒0-100km/h公称250km/hリミッタヌ9.5km/ℓ1490kg243g/km

TOP FIVE

99www.autocar.jp

AUDI RS4 AVANT ROAD TEST