rtocs rahul gandhi for pm 20111211

Real Time Case Study

もしもあなたがインド国民会議派のソニア・ガンジー総裁だとすれば、いついかなる理由で息子のラルフ・ガンジーを首

相に就任させるか

2011年12月11日 16:00

BBT大学SA10 Tsutomu Gabriel Komori

TWITTER@TsutomuKomoriGa www.facebook.com/Tsutomu.Gabriel.Komori

©ガブリエル研究所

TWITTER@TsutomuKomoriGa, www.facebook.com/Tsutomu.Gabriel.Komori ご意見をお待ちしております！

INDEX

資料： ©ガブリエル研究所

•  ラフールガンジー氏 •  インドの政治

•  シン首相第2期の評価 •  結論

TWITTER@TsutomuKomoriGa, www.facebook.com/Tsutomu.Gabriel.Komori

ラフール・ガンディー氏の略歴

現場主義と人格で若者、農村、貧困層から高い支持

資料：Wiki, Times of India ©ガブリエル研究所

•  1970年6月19日生まれ

•  故ラディーブガンジー首相とインド国民会議派ソニアガンジー総裁の息子

•  歴代首相の血を引くサラブレッド家系

•  米国ロビンカレッジ卒、英国ケンブリッジ卒 •  1996年-‐2004年　UK、ムンバイ企業勤務 •  2004年　インド国民会議派(以下INC)から下院当選（USar Pradesh州：以下UP州）。 ➡シン首相からの閣僚入りオファーを断り、Rural、貧困層市民との対話を重ねる •  2007年　全インド会議委員会書記長、インド青年会議書記長、インド国民学生同

盟書記長に就任。 ➡若者と対話を重ね、加盟者を数十万から数百万へ増員させる

•  2009年　下院総選挙中、全国キャンペーンを実施し、党を勝利に導く ➡UP州議席数を10から21へ倍増させる

•  2011年　2012年5月UP州州議会選挙活動中 •  スローガン「宗教・カースト対立減少。若手による未来創造。清潔で正直政治！」


人柄・清潔潔白・ミッション

ラフール・ガンディー氏

キャリアを積み重ねることで完全なリーダーになれる！

資料： ©

言動

指導力

・貧困層、農村、若者と直接対話し、人気がある。・実績に応じた地位にしか就かない

・若者動員数を3年で10倍以上へ増加・2009年下院総選挙の勝利立役者


INDEX


•  ラフールガンジー氏の略歴 •  インドの政治



インドの政治制度

完全民主主義制度。下院から首相を、州議会選挙から州首相を決定する

資料：各種報道記事より編集 ©

■2院制： -‐上院（ラージヤ・サバー）は州議会から選出される間接選挙。250議席、任期6年。 -‐下院（ローク・サバー）は単純小選挙区制度。全国499地区に分けて国民選挙。545議席、任期5年 ■下院権限： -‐下院議席過半数を獲得した政党が組閣を行う　　 -‐内閣第一党の総裁が首相を任命できる（大統領による首相任命権は象徴のみ） ※地方選挙 ■州議会選挙 -‐下院同様に小選挙区による国民投票。筆頭政党党首が州首相。 -‐州首相は産業開発等、大きな権限を持つ（下院総選挙への影響大）



インドの国民の分布 (1)

農村と貧困層は票田である。

資料：CENSUS 2011(INDIA)より編集, NRI公開資料より抜粋 ©

RURAL 68.8%

URBAN 31.2%

2011年

※人口の約70%はRural在住 ※全世帯の65%は年収9万ルピー未満

居住地世帯所得



インドの国民の分布 (2)

若者の票数は今後さらに増加する

資料：経済産業省資料より抜粋 ©

人口年齢5歳区分（2010)



インドの選挙の争点

資料：各種資料より編集 ©

■常に以下４点が争点となる１）物価問題を含む経済政策２）農村等の開発問題３）貧困対策４）汚職問題 ※外交が争点になることはない



インドの政権の変遷

1977年以降、政権はINCとBJPを往復。1991年以降、すべて連立政権。

資料：Wikiより編集 ©

※INC：インド国民会議、BJP：インド人民党、ジャナタ党はBJPとして分類 ※連立政権では筆頭政党名として分類

代首相就任日退任日所属政党

1 ジャワハルラール・ネルー 1947年8月15日 1964年5月27日 INC

2 グルザーリーラール・ナンダー 1964年5月27日 1964年6月9日 INC

3 ラール・バハードゥル・シャーストリー 1964年6月9日 1966年1月11日 INC

4 グルザーリーラール・ナンダー 1966年1月11日 1966年1月24日 INC

5 インディラ・ガンディー 1966年1月24日 1977年5月24日 INC

6 モラルジー・デーサーイー 1977年5月24日 1979年7月28日 BJP

7 チョードリー・チャラン・シン 1979年7月28日 1980年1月14日 BJP

8 インディラ・ガンディー 1980年1月14日 1984年10月31日 INC

9 ラジーヴ・ガンディー 1984年10月31日 1989年12月2日 INC

10 ヴィシュワナート・プラタープ・シン 1989年12月2日 1990年11月10日 BJP

11 チャンドラ・シェーカル 1990年11月10日 1991年6月21日 BJP

12 ナラシンハ・ラーオ 1991年6月21日 1996年5月16日 INC

13 アタル・ビハーリー・ヴァージペーイー 1996年5月16日 1996年6月1日 BJP

14 デーヴェー・ガウダ 1996年6月1日 1997年5月19日 BJP

15 インドラ・クマール・グジュラール 1997年4月21日 1998年5月19日 BJP

16 アタル・ビハーリー・ヴァージペーイー 1998年5月19日 2004年5月22日 BJP

17 マンモハン・シン 2004年5月22日現職 INC

2度の暗殺

現シン首相、大蔵大臣

ネルー以来 2期連続政権



インドの下院勢力図

INC率いるUPA党は約50議席を増やし、過半数を獲得している。

資料：三菱東京UFJ経済調査部資料より抜粋 ©

(2009年、N=543議席）

※ 注釈

※ 注釈



インドの下院勢力図

INCとBJPの2強。INCは連立で過半数を取得。

資料：Wiki Lok Sobhaより編集 ©

(2009年、N=543議席）

※ 注釈

(単独政党別) (連立政党別)

※ 注釈

H:10cm W:10.4cm 10年分


206 116

24 22 21 20 19 18 14 11 9 10 12 20

5 16

Indian Na]onal Congress Bhara]ya Janata Party

Le_ Front Le_ Democra]c Front Samajwadi Party

Bahujan Samaj Party Janata Dal (United)

All India Trinamool Congress Dravida Munnetra Kazhagam

Biju Janata Dal Shiv Sena

Na]onalist Congress Party UPA(INC)連立の小規模6党合計

NDA(BJP）連立の小規模4党合

Third連立の小規模5党合計

Forth連立2党

独立その他の小規模7党合計

2009年下院総選挙結果

262

159

79

27

16

United Progressive Alliance

Na]onal Democra]c Alliance

Third Front

Fourth Front

Other Par]es and Independents

2009年下院総選挙結果



インドの州別下院議席数

上位6州で下院議席数過半数。UP州議席数はダントツで1位。

資料：Wiki Lok Sabha、各種報道資料 ©ガブリエル研究所

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

USar Pradesh Maharashutra West Bengal

Bihar Andhra Pradesh

Tamil Nadu Madhya Pradesh

Karnataka Gujarat

Rajasthan Orissa Kerala

Jharkhand Assam Punjab

Chhagsgarh Haryana

NCT of Delhi Jammu & Kashmir

USarakhand Himachal Pradesh

Tripura Meghalaya Manipur

Goa Arunachal Pradesh

Nagaland Poducherry

Mizoram Chandigarh

Sikkim Andaman & Nicobar Islands

Dadra & Nagar Haveli Daman & Diu Lakshadweep

上位6州で53%議席を占める

■上位6州の州議会選挙スケジュール・USar Pradesh 2012年5月・Maharashutra 2014年10月・West Bengal 2016年5月・Bihar 2015年11月・Andhra Pradesh 2014年5月・Tamil Nadu 2016年5月 ※2014年5月下院総選挙前はUP州のみ



UP州の現状

INC及びBJPは共に苦戦し、第1党を獲得できていない

資料：www.eci.gov.in, IBN Live, その他 ©ガブリエル研究所


勢力は拮抗へ。INCは1988年以来、第1党を譲っている

下院の勢力推移州議会の勢力推移


INCは4位の弱者.1998年以来、第1党になれていない

UPA(シン政権) UPA(シン政権)

9

21

35

22

19

20

10

10

0% 20% 40% 60% 80% 100%

1984

1989

1991

1996

1998

1999

2004

2009

INC SP BSP BJP RLD JD Others

26

22

119

97

107

206

97

51

8

10

29

17

0% 20% 40% 60% 80% 100%

2002

2007

INC SP BSP BJP RLD Others



インドの主な選挙日程

2014年下院総選挙を占う上で、2012年5月UP州議会選挙は非常に重要である


■スケジュール •  2012年5月 UP州議会選挙 •  2014年5月下院総選挙 •  2019年5月下院総選挙



インドの次期首相世論調査(1)

与党ではラフールだが、野党Modiが優勢。支持基盤は両党の政策通り。

資料：LensOnNews ©ガブリエル研究所

※

LensOnNews 調査（2011/06) 条件：40地区、14州、N=3800



34.0%

61.0%

4.0%

継続

交代

わからない

シン首相、続投 or 交代？

34.0%

46.0%

20.0%

シン

ラフール

わからない

シンとラフール、とちらが首相をすべき？

38.0%

53.0%

9.0%

ラフール

モジ

わからない

ラフールとモジ(野党BJP)、どちらが首相すべき？

65%

53%

57%

57%

48%

39%

39%

16%

28%

39%

35%

34%

45%

53%

47%

80%

Upper Castes

OBCs

College Educated

Urban

Rural

SCs

STs

Muslims

ラフールとモジ(野党BJP)、どちらが首相すべき？

（セグメント別）

モジ

ラフール

マイノリティ

中間層以上

インドの次期首相世論調査(2)

連立与党ではラフールが圧倒的人気。連立野党では圧倒的人気候補がいない

資料：IBN Live ©ガブリエル研究所

※

CNN-‐IBN TV調査(2011/08) 条件：20州、N=18000



42.0%

7.0%

6.0%

ラフール

チダムバラム財務相

ムカジー外相

シン首相の後任はだれ？(与党内から)

19.0%

15.0%

7.0%

モジ・グジャラード州首相

スワラジ・野党代表

シン・BJP党首

シン首相の後任はだれ？(野党内から)

INDEX





インドの経済成長

安定した政治を基盤で7-‐9%安定成長。所得は04年から10年で2倍上昇。

資料：JETRO ©ガブリエル研究所

(01年度-‐10年度)


※

GDP(名目、兆ドル) 一人当たりGDP(名目、ドル)


※

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 0.00

0.20

0.40

0.60

0.80

1.00

1.20

1.40

1.60

1.80

01 02 03 04 05 06 07 08 09 10

UPA(シン政権) UPA(シン政権)

シン首相実績+



インドの対内直接投資受入額

安定した政治基盤を元にFDI堅調増加。リーマンショック以降下落


(億ドル）

0

50

100

150

200

250

300

350

01 02 03 04 05 06 07 08 09 10

UPA(シン政権)

シン首相実績+



インドの対外債務と外貨準備高

外貨準備高と対外債務のバランスが取れた成長軌道に乗っている


(億ドル）

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

01 02 03 04 05 06 07 08 09 10

外貨準備高

対外債務算高

UPA(シン政権)

シン首相実績+



インドのインフレ率推移

主食品が高騰が激しく、庶民生活圧迫。リテールFDI解禁で議論中。

資料：Office of the Economic Advisor, Indiaより編集 ©ガブリエル研究所

(%, 2005年=100）

200.9

156.8

619.4

233.4

0

100

200

300

400

500

600

700

Jan

Apr

Jul

Oct

Jan

Apr

Jul

Oct

Jan

Apr

Jul

Oct

Jan

Apr

Jul

Oct

Jan

Apr

Jul

Oct

Jan

Apr

Jul

Oct

Jan

Apr

Jul

Oct

Food

Comodity

Onion

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

シン首相実績-‐



インドの農村開発

就労人口の約1%に相当する農民のセーフティネット

資料：NREGA, India、各種報道記事 ©ガブリエル研究所

(左軸=億ルピー、右軸=百万世帯, 08年度-‐11年度)

※農村1世帯当たり1人に上限100日までの公共工事を提供する

シン首相実績+



45 53 55

33

0

10

20

30

40

50

60

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

08 09 10 11

全国農村雇用保険法(NREGA)

※4-‐11月

インドの貧困指数

改善余地は大きいが、改善されつつある。

資料：Census India 2011, World Bank, UNDP ©ガブリエル研究所

各指標の比較

シン首相実績+



42%

15%

76%

44%

65%

52%

28%

22%

12%

63%

44%

74%

60%

34%

国際貧困ライン

安全な水が1km以内に入手できない

満5歳未満の死亡率

5歳未満の低体重児童

識字率

中等学校進学率

トイレがある

前回結果

最新結果

2005年 2015年※見通し

2005年 200８年

2004年 2010年

1999年 2006年

2001年 2011年

2004年 2008年

2005年 2008年

インドの汚職状況

落胆から与党へ逆風強まる（野党も汚職多数）。強いガバナンスが求められる。

資料：各種報道記事、Transparency Interna]onal ©

■構造的な汚職問題・汚職起きる環境 -‐許認可、ライセンス制度が多数・1948年以降の汚職総額 -‐約91兆ルピー（約138兆円） -‐2010年度GDPの126%相当・世界汚職ランキング -‐95位 (2011年)

■シン政権後に発覚した主な汚職・携帯電話周波数 3兆円ラジャ通信相・国際スポーツ大会カルマディ(下院議員、英国領協議大会組織委員会会長）・住宅不正取得疑惑・銀行不正融資疑惑

※清潔潔白なシン首相への期待大

※国民は落胆。アンナ・ハザレ氏等の抗議運動が勃発

シン首相実績-‐



シン政権2期まとめ

不安定：汚職発覚により、ねじれ国会及びデモ勃発。インフレは大きな潜在リスク。


インフレ

農村開発

貧困対策

経済政策

他マクロ

選挙争点

○

汚職対策

○

○

△

X

Food Security法審議中

Land Reform法審議中

第3者機関設置を審議中汚職防止システムUID開発中

Land Reform法審議中

リテールFDI解禁法議会通過（中断） Food Security法審議中

評価今後の政策



INDEX





いつ・いかなる理由

UP州で実績を積み、満を持して2019年下院総選挙で、単独過半数を狙う！

資料：

■いつ 2019年下院総選挙 ■いかなる理由１）20年間苦戦中UP州の州議会(2012)及び下院(2014)で第1党に導く２）UP州首相5年任期中にUP州汚職を激減させる（UID個人認証導入）３）Rural、貧困層、若者の支持に加えて、経済界からも支持を得る（汚職激減） ■2014年総選挙に関する補足１）ラフールは首相候補として人気はあるが、2014年下院総選挙首相には実績不足。彼の行動パターン（成果に基づき、地位を得る）に反する。２）構造的汚職、インフレにより不安定状況であり、一貫性を曲げる時期ではない。３）シン首相（人気・年齢・体調に懸念）の後任は別途選出する。



rtocs rahul gandhi for pm 20111211

Documents