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科学的論拠
1.一酸化窒素(NO)は気体性シグナル伝達分子で多くの生理学的機能と幾つかの健康に不可欠なシグナル経路の制御を行っている。
2.細胞のNOの貯蔵形態のひとつであるS-ニトロソグルタチオン(GSNO)は、NOと同様に、特定蛋白質の接近可能なシステイン残基をニトロソ化し、その結果、当該蛋白質の3D構造そして機能の
変化を誘起する。蛋白質のニトロソ化は、リン酸化による蛋白質の機能変化と同様に、標的経路の活性を引き起こす。
3. GSNOの細胞内プールは、NOSによるNO生成速度、グルタチオン濃度そしてGSNORによるGSNOの分解速度により制御されている;NOS-2とeNOS (NOS-3)はGSNOによるフィードバック阻害を受ける。
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科学的論拠(続き)
4. GSNORの阻害は、NOの貯蔵形態であるGSNO量を増加させる、その結果、シグナル蛋白質のニトロソ化の亢進をもたらす。
5.蛋白ニトロソ化亢進は一連の生化学応答と治療効果につながる: 抗炎症効果; SPL-334は、ICAM-1,NFκBと各種サイトカイン量を減じる(Th1;IFNγ、TNFα、TGF-β、Th2;IL-4、IL-5、IL-6、IL-12(p40、p70)、IL-13、ケモカイン;CCL-2、CCL-11、BALF好酸球とリンパ球数)
抗酸化活性; Nrf-2の誘導による酸化障害の制御 線維化防止でリモデリング促進(CTGFとCCL-11の下方制御) sGC/cGMP経路の活性化 ヒト細胞を用いた上皮間葉転換(EMT)in vitro試験での減衰効果
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SAJE in-vivo データ
SAJEは、呼吸器疾患分野の二つの代表的な動物モデル試験においてSPL-334の有効性を示してきた: ブレオマイシン特発性肺線維症(IPF; Idiopathic Pulmonary Fibrosis)モデル(マウス); 線維化確立後、14日間のSPL-334のIP投与により、対照との差が組織
学的に認められない程度まで、線維化肺組織のリモデリングを観察した。コラーゲン量、炎症メディエータがほぼベースラインまで減じた。
LPS/IL-6炎症モデル(マウス); SPL-334は、LPSによるIL-6産生誘導を阻害した。 気管支喘息; SPL-334は、マウス肺炎モデルにおいてAHR、Th1、Th2サイトカイン、好酸球、粘液分泌、線維化そしてエオタキシンー1を阻害した。 尚、Duke大学の研究グループは独自の研究でこれを追認している。
PK/PDそして組織分布;SAJEはこれら諸データをすでに取得している。
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SAJEの現在進行中の研究開発
喘息とIPFの他に以下の疾病に関する研究開発を行っている。 i. 心臓血管疾患* ii.腎疾患* iii.II型糖尿病
iv.外傷性脳損傷 v.パーキンソン病(MJ Fox 財団からの助成金)
計画中の研究開発対象疾病 i. 老化* ii.脂肪肝*(NASH) iii.関節リウマチ*(Rheumatoid Arthritis) iv.好酸球性希少疾患(Eosinophilic orphan diseases) v.強皮症*
* 大きな線維性病変部位を伴う
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従来の薬理との類似性と差別化点
類似性: 1. 薬理学的標的は一つの酵素、GSNORである 2. 各GSNOR阻害剤はそれぞれ特有のADME、製剤設計、安定性および非特異的安全性問題
差別点: 1. 他の普通の薬剤標的と異なり、GSNORの阻害は多くの治療有用性をもたらす。
2. GSNORの阻害は、唯一の標的蛋白質をもつ薬剤と異なり、複雑な、迂回経路による情報伝達や代謝経路によって補償されない。
3. GSNOR阻害は、作用機構に基づく毒性発現の可能性はきわめて低い。 4. ヒトのGSNORは唯一つであり、より新薬開発につながる標的である。
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SAJEの開発プログラムの状況
2011年よりインディアナ大学の特許実施権を受け開発開始。 SPL-334(低分子第一世代化合物):特発性肺線維症および喘息に関してマウスでのPOC
4つのユニークなファルマコフォア構造:物質特許出願準備中 SPL-334は特発性肺線維症のIND登録用前臨床試験に関して提供可能
• 3つの構造的に異なる第二世代の候補化合物を保有 • 経口製剤を開発中 NIHおよび大学との8件の共同研究 財務状況:研究助成金、民間投資、MJ FOX基金 追加適用に関して複数の研究が進行中
これまで規制官庁とは接触してないが、最初にオーファン適用の認可を目指し、後に広範な適用追加を行う計画
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リスクとその緩和(特許、安全性)
1. 特許権 第二世代の構造は新規性があり、特許性が高く、自社固有のものである SPL-334:炎症疾患に関する用途特許はUSおよびEUで特許化 2. 安全性 GSNOR(-/-)マウス:分化・成長し繁殖する、機構的な致死的な毒性は認められなかったが、老齢期に肝細胞がんの発現確率が上昇した。 GSNOR(+/-)マウス:強健かつHCCは認められない。GSNOR阻害の薬理学的同等性モデル。
NOストレスはNOS2およびeNOSに対するGSNOのフィードバック阻害で緩和されることが知られている。
SPL-334は少なくとも430倍の治療比をマウス試験では示しており、非特異的毒性は認められない。(正式な安全性試験での確認は必要)
3週間処理したマウスにおいて臨床的な有害事象は起こっていない
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リスクとその緩和策(競合品との差別化)
競合社のNivalisは、当社より開発を2年先行しているが(詳細は“競合”を参照)、最近、最初の適用を喘息からCystic Fibrosisに切り替えている。
GSNORを標的とすることは同じであるが、SAJEは化学構造、
ファルマコスフィア、阻害機構の諸点において専有権をもつ特徴的な化合物を保有しており、経口剤として開発中である。
SPL-334(SAJE)は、GSNORに対する高い親和性をもち、アイソザイム特異的である。
SPL-334は、特発性肺線維症の試験に関して提供可能であり、また第二世代の候補化合物を保有している。
SPL-334は一日一回の投与に関して好ましい薬物動態プロファイルをもっている。
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競 合
GSNOR領域におけるSAJEの競合社はNivalis Therapeutics
社(前N30Pharmaceuticals社)、コロラド州ボールダー
リード化合物はN6022(Phase II、米国)
• 最近、臨床試験費用として30Mドルの資金調達
• 喘息の第2相試験でGSNORの標的としての正当性をヒトにおいて確認
• 喘息およびCFの第1相試験で、安全性を示した。
• Nivalisの阻害剤はピロール環誘導体、SAJEの基本骨格は別物
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ビジネスチャンス
GSNORは繊維化、炎症、免疫応答により影響される多くの臓器系においてユニークな潜在的標的分子である。
GSNOR阻害治療は、希少疾患を含め多くの疾患に対する“Unmet Needs”に答える治療法として期待できる。
臓器等 疾病名
呼吸器 喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性肺損傷(ALI)、IPF、CF
炎症性疾患 慢性腎疾患、関節リウマチ、変形性関節症、炎症性腸疾患、希少自己免疫疾患、敗血症、強皮症
循環器 再灌流心筋障害、心不全、血管損傷、アテローム性動脈硬化、高血圧、肺動脈性肺高血圧症、心肺機能蘇生後の神経保護
中枢神経 アルツハイマー病、TBI、パーキンソン病、ペイン、MS
腎臓 慢性腎疾患
肝臓 NASH
代謝病 2型糖尿病
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製薬企業との提携
SAJEは提携先の製品パイプラインの充実化に貢献する; 1. SPL-334; IPF適用のライセンシング
2. 炎症性呼吸疾患(喘息、COPD等)に対する他の組成物の提供
3. 他の炎症性疾患および自己免疫性疾患に対する他の組成物の提供
4. 循環器系疾患に対する組成物の提供
5. 中枢神経系疾患に対する組成物の提供
製薬企業に期待する貢献内容
1. SPL-334をIND登録するための前臨床試験完遂における援助
2. 次世代リード化合物の選択についての援助:剤形設計、動物モデル、CMC、IND用前臨床試験、臨床試験
3. 特許出願(国際出願)への援助
4. 化合物開発の開発スピードの向上
5. SAJEの創薬開発に対する財政的援助