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SfM 多視点ステレオ写真測量の地形学的応用 早川裕弌 1 ・小花和宏之 2 ・齋藤 仁 3 ・内山庄一郎 4 Geomorphological Applications of Structure-from-Motion Multi-View Stereo Photogrammetry: A Review Yuichi S. HAYAKAWA 1 , Hiroyuki OBANAWA 2 , Hitoshi SAITO 3 and Shoichiro UCHIYAMA 4 Abstract Structure-from-Motion Multi-View Stereo (SfM-MVS) photogrammetry has become one of the popular methods widely applied in various geomorphological studies. Unlike the orthodox photogrammetry, the data processing of SfM-MVS photogrammetry is more straightforward allowing instantaneous acquisition of high-resolution, accurate topographic data based on varying platforms including small Unmanned Aerial Vehicle (UAV). Here we review the basics and applications of SfM-MVS photogrammetry to discuss the efficiency and possibilities of the innovative approach in geomorphology, particularly focusing on the slope (mass movements), fluvial, coastal, and volcanic processes, with additional examples in glacial/periglacial and tectonic applications. We also discuss issues on the SfM-MVS methodology including its coverage area, resultant data resolution, acquisition frequency, and accuracy/quality assessment, as well as the future of the SfM-MVS approach in geomorphology. Key words: SfM, MVS, photogrammetry, high-definition topography, DEM, point cloud 1は じ め に 従来の写真測量に加え,近年,たとえば高精度 GNSSGlobal Navigation Satellite System),航空・地上・モバイルレーザ測量(または Lidar: Light detection and ranging), SARSynthetic Aperture Radar)といった地形計測手法がより身近なものとなり,地形 2015 年 12 月 15 日受付,2016 年 2 月 3 日受理 1 東京大学・空間情報科学研究センター 1 Center for Spatial Information Science, The University of Tokyo, Kashiwa, Chiba 277-8568, Japan 2 株式会社ビジョンテック 2 VisionTech Inc., Tsukuba, Ibaraki 305-0045, Japan 3 関東学院大学・経済学部 3 College of Economics, Kanto Gakuin University, Yokohama, Kanagawa 236-8501, Japan 4 防災科学技術研究所 4 National Institute for Earth Sciences and Disaster Pesilience, Tsukuba, Ibaraki 305-0006, Japan 地形 第 37 巻第 3 号 321-343 頁 (2016) Transactions, Japanese Geomorphological Union 37-3, p. 321-343 (2016)

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SfM 多視点ステレオ写真測量の地形学的応用

早川裕弌 1・小花和宏之 2・齋藤 仁 3・内山庄一郎 4

Geomorphological Applications of Structure-from-Motion Multi-View Stereo Photogrammetry: A Review

Yuichi S. HAYAKAWA1, Hiroyuki OBANAWA2, Hitoshi SAITO3 and Shoichiro UCHIYAMA4

Abstract

Structure-from-Motion Multi-View Stereo (SfM-MVS) photogrammetry has become one of the popular methods widely applied in various geomorphological studies. Unlike the orthodox photogrammetry, the data processing of SfM-MVS photogrammetry is more straightforward allowing instantaneous acquisition of high-resolution, accurate topographic data based on varying platforms including small Unmanned Aerial Vehicle (UAV). Here we review the basics and applications of SfM-MVS photogrammetry to discuss the efficiency and possibilities of the innovative approach in geomorphology, particularly focusing on the slope (mass movements), fluvial, coastal, and volcanic processes, with additional examples in glacial/periglacial and tectonic applications. We also discuss issues on the SfM-MVS methodology including its coverage area, resultant data resolution, acquisition frequency, and accuracy/quality assessment, as well as the future of the SfM-MVS approach in geomorphology.

Key words: SfM, MVS, photogrammetry, high-definition topography, DEM, point cloud

1.は じ め に

 従来の写真測量に加え,近年,たとえば高精度 GNSS(Global Navigation Satellite

System),航空・地上・モバイルレーザ測量(または Lidar: Light detection and ranging),SAR(Synthetic Aperture Radar)といった地形計測手法がより身近なものとなり,地形

2015 年 12 月 15 日受付,2016 年 2 月 3 日受理1 東京大学・空間情報科学研究センター1 Center for Spatial Information Science, The University of Tokyo, Kashiwa, Chiba 277-8568, Japan2 株式会社ビジョンテック2 VisionTech Inc., Tsukuba, Ibaraki 305-0045, Japan3 関東学院大学・経済学部3 College of Economics, Kanto Gakuin University, Yokohama, Kanagawa 236-8501, Japan4 防災科学技術研究所4 National Institute for Earth Sciences and Disaster Pesilience, Tsukuba, Ibaraki 305-0006, Japan

地形 第 37 巻第 3号321-343 頁 (2016)

Transactions, JapaneseGeomorphological Union37-3, p. 321-343 (2016)

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学的な目的で利用可能な地形情報は高解像度化,高精度化が進んでいる(Lim et al., 2005; Krishnan, et al., 2011; Oguchi et al., 2011; Brooks et al., 2013; Tarolli, 2014; Williams et al.,

2014; Passalaqua et al., 2015; 早川・小口,2016).これらの手法は,たとえば微細な地表面形状の解析や,マスムーブメントの変位計測など,さまざまな地形学的応用がなされているものの(Corsini et al., 2013; 佐藤ほか,2014;James and Quinton, 2014; Tarolli, 2014),空間解像度だけでなく,観測の頻度や観測にかかるコストの観点からも,より高精細・高頻度な地形解析・モニタリングには不十分なこともあった(たとえばWestoby et al.,

2012).また,地形学の対象となる山岳地や海食崖など,アクセス困難な地域で発生する現象に対しては,高精度GNSSや地上Lidar(またはTLS: Terrestrial Laser Scanning)といった地上ベースで大掛かりな機材の搬入には困難が伴われることもある. 一方,従来の写真測量は少数のステレオペア画像を用いて行われてきたが(たとえば林・小口,2002; Heimsath and Farid, 2002; 柴田ほか,2011; Brideau et al., 2012; Akca,

2013),その発展形ともいえる,多数のステレオペア画像から対象物の 3次元形状データを得ることのできる SfM多視点ステレオ写真測量(Structure-from-Motion Multi-View

Stereo Photogrammetry,以下 SfM-MVS)が,地形学を始めとする地球科学の分野においても急速に普及してきている(Westoby et al., 2012; Fonstad et al., 2013; 内山ほか,2014a;小花和ほか,2014a, b;Micheletti et al., 2015a, b).SfM-MVSは,後述のように,多数の視点をもつ複数の写真画像から,それぞれの写真の撮影位置と対象物の 3次元形状とを自動的に復元し,さらに対象物の詳細な 3次元形状モデルを生成可能とする技術である(Snavely et al., 2007; Furukawa and Ponce, 2010; 満上,2011).本稿では,まずこのSfM-MVSの原理や手法的な概要をまとめ(第 2章),次に SfM-MVSがこれまでにどのように地形学の関連分野で適用されてきたか,その動向を俯瞰する(第 3章).さらに,その動向を踏まえた上で,今後の高解像度あるいは高精細地形情報の展開を議論する(第 4章).

2 .SfM多視点ステレオ写真測量の概要

2.1.SfMとMVS 従来の写真測量では,ステレオペアをなす写真画像における主要な対応点の抽出は,自動抽出の前段階として,エピポーラ線上における対応点のプロットなど手作業で行われることが多く,多大な時間を要していた.また,レンズキャリブレーションといった条件の制約が厳密であった(Brown, 1966, 1971).コンピュータヴィジョン分野において開発された SfMの技術は,複数枚のステレオペア画像を用いて,この段階における作業,すなわち特徴点の抽出とそれらの対応づけを SIFT(Scale-Invariant Feature Transformation)アルゴリズムなどにより自動化したため,画像の撮影位置や,撮影された対象物の 3次元形状が容易に復元できるようになった(Tomasi and Kanade, 1992; Lowe, 1999, 2004;

322 早川裕弌・小花和宏之・齋藤 仁・内山庄一郎

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Snavely et al., 2007; 満上,2011).これは同時に,カメラのレンズ特性といった各種パラメータも画像から自動的に補正し,従来の写真測量では撮影前に必須であった厳密なレンズキャリブレーションについても自動化できるものである(Clarke and Fryer, 1998; Chandler et al., 2005; Hartley and Kang, 2005). さ ら に,MVS(Multi-View Stereo) では,復元された対象物および撮影位置の配置関係を利用し,さらに高密な対応点を生成することで,より精細な対象物の 3次元モデルを生成する(Furukawa and Ponce, 2010; Furukawa et al., 2010).こうして,SfMとMVSが組み合わさることで,専門的な知識や技能を必要としていた従来の写真測量と比較して,より多くの研究者が自ら写真測量を実施できるようになった. さらに,SfMとMVSが地球科学分野で急速に普及した理由のひとつに,これらのアルゴリズムがフリーソフトウェアまたは安価な商用ソフトウェアで簡単に利用できるようになったことが挙げられる.Bundlerと PMVS/CMVSは,それぞれ SfM,MVSを実行する代表的なフリー・オープンソースソフトウェア(FOSS)であり,利用者がそのアルゴリズムをソースから理解しつつ使用することができる(Snavely et al., 2007; Furukawa

et al., 2010; 満上,2011).これらは個別に実行可能であるが,双方を組み合わせて SfM-

MVSの一連の処理を実行可能とするフリーソフトウェアとして VisualSfMが開発された(Wu et al., 2011; Wu, 2013).一方,同様に SfM-MVSを実行する商用ソフトウェアとして,Agisoft社 PhotoScan(Agisoft LLC, 2015)や,Eos Systems社 PhotoModeler(Eos

Systems Inc., 2012),Pix4D社Pix4Dmapper(Vallet et al., 2012)などさまざまなものがある. こうしたアルゴリズムの改善とソフトウェアのオープンソース化による公開,あるいは安価な有償ソフトウェアの開発が,SfM-MVSによる写真測量の普及を大きく促進している.加えて,写真測量に利用するデジタルカメラや,データ処理を行うコンピュータの高性能化が,多数の画像を使用する SfMおよびMVSの処理時間を短縮させ,またその低価格化もともない SfM-MVSに基づく写真測量の実行を容易にした.2.2.プラットフォーム SfM-MVSは市販のデジタルカメラによる写真画像でも容易に実行可能なため,さまざまなプラットフォームを用いた画像取得が提案されている.その中でも,近年の小型高性能なデジタルカメラと,小型無人航空機(UAV: Unmanned Aerial Vehicle, 通称ドローン)の普及により,小型 UAVを用いた低空空撮画像による SfM-MVSが急速に広まっている(Westoby et al. 2012; Colomina and Molina, 2014).とくに,GNSSによる位置制御と自律航行システムを搭載した電動マルチローターヘリコプター(マルチコプター)を低価格で入手可能となり,その高性能さゆえに,低空空撮のプラットフォームとして幅広く利用されている.これは,旧来の有人航空機やその他のプラットフォーム(たとえば特製ハングプレーンなど:松館ほか,1978)と比較し,コストや操縦性の点でより優れている. 小型 UAVを用いた低空空撮画像は,一般に高度 30~150m程度の位置から撮影されることが多い.低空からの撮影は,地上からの視点では取得困難な,地表面に正対した画像

323SfM多視点ステレオ写真測量の地形学的応用

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を得ることができるとともに,それらの画像は有人航空機からのそれと比較してより高い分解能をもち得るため,地形計測にも有用性が高い.これまでも,低空空撮にはいくつかの手段があったが,たとえば動力のない凧や気球,無人グライダーは撮影位置の自由度が低く,かつ風の影響を受けやすかった(Smith et al., 2009; Bryson et al., 2013; Johnson

et al., 2014).また農薬散布等に用いられる大型の UAV(ラジコンヘリ等)は,高価で操縦が難しく,安全性の観点からも調査研究への活用は限定的であった(井上ほか,2014).また UAVに限らず,有人航空機(ヘリコプター)から撮影した写真画像を用いて SfM-

MVSを実行することも可能であるが,経済性や迅速性の観点から,災害発生直後の現場といった特殊な状況を除いて利用は限られている. 比較的小さい空間スケールの地形を対象とする場合には,小型 UAVを用いずに,地上写真(たとえば Frankl et al., 2015)や,数 m程度のポールにカメラを取り付けた撮影方法(Bemis et al., 2014; Smith et al., 2014)などが用いられている.その他にも,浅海域における潜水者により撮影された海中写真(Leon et al., 2015)や,顕微鏡写真(Bemis et

al., 2014)も利用されている.また,過去に撮影された有人航空機による空中写真を用いた SfM-MVSも行われている(Derrien et al., 2015; Gomez et al., 2015).2.3.基本的な解析方法 SfM-MVSにより得られるデータは大別して,3次元点群データ,3次元メッシュモデル,DEM(Digital Elevation Model),オルソ補正画像の 4種類となる.点群データはステレオペアとなる撮影画像の対応点そのものであり,複数のペアから得られる対応点が統合され,対象領域全体の 3次元位置情報(XYZ)と色情報(RGB)をもつ(本号表紙参照).3次元メッシュモデルは点群内の近接する点どうしをつなぎ合わせた不整三角網(TIN,

Triangular Irregular Network)からなるものであり,三角形の各面には法線方向すなわち表裏の別を設定することができる.一方,DEMは点群データを 2次元平面に投影し,グリッドによる集計や補間を行ってラスタデータとしたものである.SfM-MVSで取得できる DEMは,多くの場合,対象物の表面をあらわす DSM(Digital Surface Model)であり,密な植生等を除去した地表面をあらわす DTM(Digital Terrain Model)は取得困難なことが多い.以下では,DSMと DTMのいずれも含む用語として,DEMで統一する.オルソ補正画像は,DEMと同様に平面投影された,色情報(RGB)のラスタデータである. DEMなどの 2次元ラスタデータは,GIS(地理情報システム)で処理をすることが容易であるため,その機能に基づく解析が行われることが多い.地形陰影図や斜面傾斜,曲率などといった基本的な地形指標に加え,SfM-MVSによるラスタデータは高解像度であることが多いため,近傍セルを用いて計算される地表面の微細な凹凸を示す表面粗度(roughness)といった指標が有効となる(Smith, 2014).ただし,表面粗度の計算方法には多種多様な方法がある(Smith, 2014).また,オルソ補正画像からは,最尤法による分類やオブジェクトベースの分類といったリモートセンシングで一般的な画像解析機能等を用いて(Drăguţ et al., 2010, 2014),土地被覆など表層の分類や,粒径などといった表層の

324 早川裕弌・小花和宏之・齋藤 仁・内山庄一郎

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状態の定量化が可能である(de Haas et al., 2014; Passalacqua et al., 2015). 対象地形を反復して計測して得られる複数時期の DEMを用いて,それらの差分を得ることで地形変化を抽出する方法は従来からも行われているが(Lane et al., 2003; Wheaton

et al., 2010),SfM-MVSによる計測データからは,より高頻度に,微細な地形変化を追跡できる可能性をもつ(内山,2015).ただし,多時期の反復計測データを比較する場合,各時期のデータの正確な位置合わせが重要であり(Olsen et al., 2009),当然ながら誤差以上の変化の議論はできず,地形変化の検出限界(Level of Detection)は取得データの正確性に大きく依存する(Brasington et al., 2003; Stöcker et al., 2015). 一方,点群またはメッシュモデルといった 3次元データに対する解析事例は相対的に少なく,その手法は未だ開発過程にあると言えよう.しかし,投影されるより前のオリジナルな 3次元形状・位置関係を保ったまま解析できるため,崖のオーバーハングや洞穴といった複雑な形状をもつ対象地形においては効果的である(Lerma et al., 2010; 小花和ほか,2014a).前述の DEMによる多時期差分を 3次元データに適用するには,たとえば異なる点群間の非類似性を示すハウスドルフ(Hausdorff)距離,すなわち最近隣の点どうしの点間距離の算出や(Micheletti et al., 2015a),元の点群の表面における法線ベクトルを算出し,その法線方向に沿った検索範囲内で次の点群までの距離を求めるといった方法(Lague et al., 2013)で実現可能である.また,ある 3次元空間検索範囲内(球体など)に含まれる小点群の配置的特徴から,その小点群が何であるかをあらわす質的区分情報をトレーニングデータに付与することで,点群全体の形状的区分が可能となる(Schuster,

2004; Brodu and Lague, 2012).こうした地形などを対象とした点群やメッシュデータを扱う代表的なフリーソフトウェアとして,Meshlab(Cignoni et al., 2008)や CloudCompare

(Girardeau-Montaut et al., 2005)などが挙げられる.

3 .地形学における適用事例

3.1.斜面地形(マスムーブメント) 地すべり,崩壊,土石流をはじめとするマスムーブメントは山地における主要な地形形成プロセスの一つであり,また土砂災害として社会に大きな損害を与えてきた.マスムーブメントの地形的特徴やその時系列変化,規模 -頻度関係を解析することは,主要な研究テーマである.また,マスムーブメントの運動力学的解析はメカニズムを理解する上で重要であり,高頻度な観測データを取得する試みが行われてきた. SfM-MVSでは空間解像度 1m以下の DEMとオルソ補正画像,点群データを高頻度に取得可能であり,とくに比較的安価かつ簡易な市販のデジタルカメラと小型 UAVを活用することで,マスムーブメントの地形解析やモニタリング,危険度評価への応用が期待されている(たとえば Tarolli, 2014).また,マスムーブメントの空間的広がりは100 km2オーダー以下のものが多く,小型 UAVを用いても充分に観測可能である.

325SfM多視点ステレオ写真測量の地形学的応用

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 これまでに,携帯性に優れた市販のデジタルカメラと簡易レーザ距離計とを組み合わせ,複数の画像を用いた写真測量から,空間解像度 0.5mの DEMの作成とその精度検証が行われた(柴田ほか,2011).得られた結果は,地上レーザ測量による観測と比較しても,距離 70mの位置において誤差は 1m以下であった.吉田ほか(2014)では,有人ヘリコプターで撮影した写真を用いた,3次元モデルの作成方法が提案された.また,Westoby

et al.(2012)では,SfM-MVSと地上レーザ測量から作成されたそれぞれの DEMを比較し,SfM-MVSからは垂直精度 0.1mの DEMが作成可能なことが示された. このような小型 UAVと SfM-MVSの技術を応用し,de Haas et al.(2014)では,土石流扇状地(0.745 km2)において空間解像度 0.1mの DEMと 0.06mのオルソ補正画像を取得し,高精細な地形・画像解析から,土石流の堆積構造や扇状地のその後の風化・侵食プロセスを明らかにした.一般に 1m以下の粒径の岩屑も多く含む土石流堆積物の構造は,空間解像度が数 mの従来の DEMでは解析が難しい.しかしながら,SfM-MVSにより高精細な地形解析が可能となったことは,こうした対象の地形解析に大きな飛躍をもたらしたといえる. また,SfM-MVSを用いた観測を高頻度で行うことにより,多時期の観測から地すべりの変位検出やモニタリングが可能となった.たとえばフレンチ・アルプスの Super-

Sauze landslide(750,000m3)は,平均 0.01-0.03m/dayの変位を持つ地すべりであり,現地における観測と SfM-MVSによる集中的な観測が行われてきた(Stumpf et al., 2015).Niethammer et al.(2012)では,850m× 250mの範囲を対象に,UAVと SfM-MVSを組み合わせて,空間解像度 20 cmのオルソ補正画像と DEMを作成した.また過去の空中写真と比較することで,平均変位速度が 0.01-0.1m± 1mm/dayであることを示した.Gance et al.(2014)では,デジタルカメラによる高頻度(2時間インターバル)のタイムラプス画像を取得し,Target Detection and Trackingと呼ばれる手法も適用して,距離 115mの位置で 5 cmの精度で地すべりの変位検出が可能であることを示した.またStumpf et al.(2015)では,2011~2013 年に地上写真による SfM-MVSと,地上・航空レーザ測量を合計 8回行い,点群データによる 3次元での地すべりの変位計測と精度検証を行った.その結果,SfM-MVSからは,~0.1mの精度で地すべりの変位計測が可能であった. Lucieer et al.(2014)では,Tasmania島(オーストラリア)の地すべり(125m×60m)を対象に,小型 UAVベースの SfM-MVSによる 2時期の DEMとオルソ補正画像の取得,および精度検証が行われた.地上検証点での観測結果と比較すると,DEMとオルソ画像の精度は水平 7 cm,垂直 6 cmであり,2011 年 7 月から 10 月の変位は 7mに達したことを示した.また,同地すべりでは,2010~2014 年にかけて計 7回の UAVと SfM-

MVSによる DEMの取得と変位計測が行われた(Turner et al., 2015).得られた DEMと,1984 年の空中写真による DEMを比較することで,この期間における総移動量が 6,630m3

であることが明らかになった.

326 早川裕弌・小花和宏之・齋藤 仁・内山庄一郎

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 小型 UAVベースの SfM-MVSによる地形計測は,高精細な地形データが得られるだけでなく,現地への可搬性に優れているため,土砂災害直後の迅速かつ機動的な計測に応用可能である.2013 年伊豆大島豪雨災害では,直後に国土地理院により撮影された空中写真と,現地での小型 UAVによる低空空撮画像に SfM-MVSを適用し,崩壊地の精密な 3次元モデルと空間解像度数 cm~数 mの DEMを作成可能なことが示された(内山ほか,2014a).また,2014 年 8 月豪雨による広島市での土砂災害では,直後に小型 UAVベースの SfM-MVSによりオルソ画像が作成され,捜索支援地図として活用された(内山ほか,2014b).これらの結果は,小型 UAVと SfM-MVSを用いることで,高精細な地形データとオルソ画像を迅速に作成することができ,災害直後の捜索支援や調査の基盤データとして活用できることを示している.3.2.河川地形 河川地形のうち,とくに礫や砂泥といった河床堆積物は適度な起伏もあり,平水時には植生に覆われない面も広く露出し,また出水時に地形変化が生じやすいといったことから,地形計測の検証を行う対象として採用されることが多い(Dietrich, 2014, 2015; Kinzel

et al., 2015; Micheletti et al., 2015a, b).従来も,航空,地上あるいはモバイルレーザ測量による高解像度地形情報の取得方法について,河床堆積物を対象とした検証が重ねられてきた(Heritage and Hetherington, 2007; Hodge et al., 2009; Hohenthal et al., 2011; Flener et

al., 2013).レーザ測量の場合,使用するレーザの波長が短波長(緑)である場合は水面下の計測も可能であるが(Smith et al., 2012),多くの機器では水に吸収される長波長(赤外)のレーザ光線を採用しているため,水面下の計測が不可能なことが多い.一方,水が充分に透明であれば,水の屈折率を乗算するなどの補正を行うことにより,写真撮影画像による水面下の計測が可能である(Tamminga et al., 2015; Woodget et al., 2015).あるいは,水部はソナーを用いた測深データと合成することで,陸部・水部を含めた河床全体の地形データを取得することも行われている(Javernick et al., 2014). Smith et al.(2014)は,SfM-MVSによる迅速な計測方法を河川に適用し,洪水の痕跡をその計測データから抽出・計測することによりその規模を推定した.一方,地形情報だけでなく,小型 UAVによるオルソ補正画像の使用が,洪水に関する水文観測とそのモデル解析の検証として有効であることも示された(Witek et al., 2014). East et al.(2015)や Randle et al.(2015)は,航空レーザによる計測に加え,撮影間隔が 5~52 日といった高頻度での空中写真から SfM-MVSにより地形の時系列データを取得し,ダムの除去にともなう河床堆積物の変動を,ダム湖からその下流へ数 kmの範囲まで追跡した. 上空からの撮影だけでなく,地上ベースの近接撮影写真を用いることで,さらに細かい微地形の計測が可能であり,土壌侵食の分野にもよく適用されている.すなわち,ヘッドカットにおけるガリー発達や侵食量を定量化するために,地上撮影写真から解像度 cm

以下の DEM,点群データの取得が試みられている(たとえば Kaiser et al., 2014; Gómez-

327SfM多視点ステレオ写真測量の地形学的応用

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Gutiérrez et al., 2014).Gómez-Gutiérrez et al.(2014)は,ヘッドカットの後退を多時期の地上写真から 3次元で解析し,54 日で 0.246m3の侵食と 0.114m3の再堆積が起きたことを明らかにした.また,Frankl et al.(2015)は,ベルギーとエチオピアにおける数 m

四方のガリーを対象に,ガリー内の詳細な地形やパイプの存在を定量化し,地上写真のSfM-MVSによる迅速な地形測量の有用性を示した.このような SfM-MVSによる土壌侵食の定量化は,農業分野でも応用されてきた.たとえば,迅速な計測を活かして,変化の速い耕作地の微地形計測が行われている(Ouédraogo et al., 2014).3.3.海岸地形 波浪により断続的に海水に覆われる汀線付近の地形を調査する上で,水準器やトランシットといった従来の測量機器あるいは地上レーザ測量機器は,海水あるいは飛砂による機材の破損および測量作業者の安全性等の面で運用にやや問題がある.一方,有人航空機を用いた高高度からの写真測量や航空レーザ測量はそれらの問題がなく,また比較的変化速度の速い汀線付近の地形をほぼ同時に広範囲で計測できる点で優れており,広く普及している.しかし有人航空機の利用は相対的に人的・金銭的コストが大きく,年単位未満の高頻度計測は現実的ではない. 一方,近年は初期・運用コストが低い小型 UAVを用いて汀線付近の地形を空撮し,モニタリングする研究が増えている.たとえば,渡部・佐々(2009)は固定翼の小型 UAV

を用いて上空約 80-100mの高さから空撮を行い,約 200m2の範囲において干潟のモニタリングを実施した.また,熊田ほか(2010)や野志ほか(2013)も同じく固定翼の小型UAVを用いた空撮を行い,一辺が約 4-10 kmに及ぶ広範囲の海岸地形のモニタリングを行った.ただし,これらの研究では,小型 UAVから撮影した連続写真から合成写真を作成し,汀線や地形の 2次元的な変化を調査したものであり,3次元情報は使われていない. 一方,小型 UAVによる空撮画像に SfM-MVSを適用し,海岸地形の 3次元データを取得する事例も増えている.たとえば,朝香ほか(2010)は千葉県九十九里海岸の海岸林を対象として,固定翼の小型 UAVを用いて約 100mの高さから 250m× 200mの範囲を空撮し,取得画像に SfM-MVSの処理をすることで,樹木の高さを含む地上解像度 3 cmのDSMを作成した.さらに既存の航空レーザ測量によるフィルタリング後の DTMとの差分を取ることで,海岸クロマツ林の樹高を推定した.また,Harwin and Lucieer(2012)は Tasmania島(オーストラリア)の河口部において,回転翼の小型 UAVを用いて約 40-50mの高さから 100m× 40mの範囲で SfM-MVSの計測を行い,点間隔 1-3 cmの 3D点群を作成して,地上の GNSSによる測量成果と比較することで,SfM-MVSによる取得データの精度検証を行い,鉛直精度は 25-40mmという結果を報告した.同様に,Mancini et

al.(2013)も精度検証を実施しており,Marina di Ravenna(イタリア)の 100m× 40m

の範囲の海岸砂丘を対象として,高度 40mから回転翼の小型 UAVによる空撮を行い,SfM-MVSにより作成した 8 cm解像度の DEMを GNSSによる測量結果と比較した結果,鉛直 110mmという結果を得た.さらに,Casella et al.(2014)はBorghetto Santo Spirito(イ

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タリア)の砂浜における 250m× 100mの範囲を対象として,回転翼の小型 UAVで 80m

の高さからの空撮を実施して 2.6 cm DEMを作成した結果,鉛直精度は 120mmという結果を得た.この DEMデータは,波浪の遡上シミュレーションの地形データとして利用された.また,Gonçalves and Henriques(2015)は Agudaおよび Cabedelo(ポルトガル)の砂嘴(範囲 40 ha)および突堤を含む砂浜(130 ha)を対象として,高度 93-137mから固定翼の小型 UAVを用いて計測することで 10 cm DEMを作成し,鉛直精度 35-50mm

という結果を報告した. 以上のように,海岸の UAV空撮には回転翼あるいは固定翼の小型 UAVが使用されることが多いが,その他のプラットフォームを利用した例として,翼幅 2.7mの三角型凧を用いたものがある(Bryson et al., 2013).この例では,Greenfields浜(オーストラリア)の潮間帯の波食棚 30m× 200mを対象として,15-20mと比較的低い高さから撮影し,2.5 cm解像度の DEM作成に成功した. 一方,斜面の角度が大きく,また場所によってはオーバーハングも存在する海食崖を対象とする場合,上空から真下の方向への撮影は計測に不向きである.なぜなら,撮影できる崖の面積が狭くなる,あるいは角度によっては不可視となり,SfM-MVSによる処理結果としての 3次元点群データの密度の低下あるいは欠落が発生するためである.それらの問題を回避するために,海食崖のように 3次元的に複雑な対象物で SfM-MVSを行うときは,地上からの手持ちカメラで撮影することも多い.たとえば,Ružić et al. (2014)は Krk島(クロアチア)の高さ 7m,幅 500m,奥行 14mの海食崖を対象として,手持ちのカメラで連続写真を撮影することで,点間隔約 2.5 cmの 3次元点群を作成し,凹部を含む海食崖のような複雑な地形測量にも SfM-MVSが有効であることを示した.また,Gienko and Terry(2014)は Viti Levu島(フィジー)および Lu Dao島(台湾)の複数の巨礫(直径約 1.5-2.5m)を対象として,手持ちカメラで写真撮影を行い,SfM-MVSにより複雑な礫形状の詳細な 3次元化を行った. また,海底地形へ SfM-MVSを適用した先駆的な例として,Leon et al.(2015)は Great

Barrier Reef(オーストラリア)の浅海サンゴ礁を対象として,シュノーケリングにより浅い水中からの手持ちカメラによる撮影を行い,250m× 1.5mの範囲における解像度1mmの DEMを作成して,複雑なサンゴ礁の形状の定量化に成功した. 以上に紹介した,海岸地形に SfM-MVSを適用して 3次元データを取得した研究例はすべて,ある一時期に計測(写真撮影)を実施した事例である.すなわち,対象物を一度だけ撮影して SfM-MVSを実施し,その精度検証やさまざまな地形への適用性を検討したものである.それに対し,同じ対象地を複数回撮影し,各時期の地形データの差分を取ることで,各計測時期間の地形変化量を求めた事例も存在する.James and Robson(2012)は,Sunderland Point(英国)の高さ 3m,幅 50mの海食崖を対象として,複数時期(計 7回)に手持ちカメラによる撮影を行い,それぞれに SfM-MVSを実施している.計測間隔は54-94 日であり,各期間の海食崖侵食量の定量化に成功した.また James et al.(2013)は,

329SfM多視点ステレオ写真測量の地形学的応用

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Morecambe(英国)の砂浜において数m2という非常に狭い範囲を計測間隔 2日という短い間隔で 2回計測し,微地形変化の量的計測を行った.また,Uboka Cove(クロアチア)の礫浜では 12-54 日間隔で 5回の手持ちカメラ撮影を行い,約 15m× 70mの範囲の 3次元モデルを作成し,各時期間の詳細な地形変化の計測を行った.3.4.火山地形 遠隔からの計測により観測者の安全を確保できるという利点の一つにより,SfM-MVS

を火山地形に適用した例も多い.James and Robson(2012)は Réunion島(フランス)の Fournaise火山を対象として,SfM-MVSを用いて火口の形状を計測した.写真は小型有人飛行機から撮影し,観測範囲は 1.6 km× 1.0 km,3次元モデルの解像度は 2m,精度は 0.99mであった.飛田ほか(2014a)は 2013 年 11 月 20 日に小笠原諸島西之島の噴火により新たに発生した陸地の計測を,固定翼の中型 UAVを用いた SfM-MVSにより実施した.対象範囲は 1,250m× 1,150mであり,解像度 2.5mの DEMを作成した.本計測の最大の特徴は,UAVの自動操縦により,片道 130 km,総飛行時間 2時間 51 分という,UAVによる SfM-MVSとしては極めて遠距離かつ長時間の計測を成功させた点である. また,構造が複雑な溶岩流および火山礫堆積物の表面粗度を計測した事例(Bretar et

al., 2013)では,手持ちカメラにより約 18mの距離から対象物を撮影し,SfM-MVSにより 5.9-24.6m2の範囲の 0.31-0.35mm解像度,精度 0.61-0.70mmの高解像度 DEMを作成した. さらに,計測作業の簡便さ・コストの安さにより高頻度計測が可能という SfM-MVSの長所を活かして,比較的短期間の火山地形変化を調査した事例も存在する.James and

Varley(2012)は Colima火山(メキシコ)の溶岩ドームを対象として 4回の計測を行い,地表形状の変化を調査した.対象範囲は 350m× 350m,3次元モデルの解像度は 1m,計測間隔は 213-1137 日であった.James and Robson(2014a)は Hawaii島(米国)のKīlauea火山を対象として,1分間隔で 37 回の地上写真撮影を行い,SfM-MVSにより溶岩の低速な流動を 3次元化した.対象範囲は 16m× 10m,3次元データの解像度は 5 cm

であった.また同論文では,Sicilia島(イタリア)の Etna火山でも同様に 4分間隔で 59回の地上写真撮影を行い,範囲 16m× 12m,解像度 25 cmで,溶岩の流動を 3次元化している.さらに飛田ほか(2014b)は,前述の西之島の新島を対象として,104 日間隔で2回の UAV空撮を実施し,1,600m× 1,400mの範囲の 1m DEMを作成することで,新島の地形変化を明らかにした. さらに長期間の地形変化調査への活用を目指し,Gomez(2014)および Gomez et al.

(2015)は,過去に国土地理院の有人小型飛行機により撮影された航空写真を用いた SfM-

MVSを実施した.当研究では,1947-2006 年の期間の 4時期(間隔は 10-30 年)の空中写真を用いて,12 km× 10 kmの範囲を対象とした 2.5-6.0m DEMを作成し,過去の航空写真を用いた SfM-MVSの適用可能性の検証,および火山の地形・植生変化の調査,地形分類図の作成等を行った.また,Derrien et al.(2015)は同様に過去の空中写真を用い

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て,1950-2015 年の期間の 7時期(間隔は 5-16 年)における火山山頂部の DEMを作成し,65 年間の長期に及ぶ火山地形変化を調査した.3.5.その他の事例および関連分野 地形学に関連するその他の事例として,たとえば寒冷地形への適用例が挙げられる.Whitehead et al.(2013)はカナダの Fountain氷河を対象として固定翼の UAVおよび有人ヘリコプターを用いた空撮画像による SfM-MVSを実施し,約 1年間の氷河の挙動(厚さや表面の移動速度など)を調査した.Immerzeel et al.(2014)はネパールの Lirung氷河を対象として固定翼の UAVを用いた SfM-MVSを実施し,氷河の挙動を調査した.Kääb

et al.(2014)はスピッツベルゲン島において,3m長の梯子の上から手持ちカメラで構造土を撮影し,SfM-MVSにより詳細な微地形図を作成して,円形土の変形や表層礫の移動を調査した.また,急傾斜地における雪崩の発生状況の把握にも,SfM-MVSは有効なことが示されている(内山・上石,2014; Eckerstorfer et al., 2015, 2016). 一方,変動地形への適用事例として,内山ほか(2014c)は根尾谷断層水鳥地震断層を対象として回転翼の小型 UAVを用いた空撮を実施し,SfM-MVSにより高解像度の断層地形図を作成した.Johnson et al.(2014)はカリフォルニアの San Andreas 断層およびEmerson 断層を対象として,無人グライダーおよびバルーンをプラットフォームとして空撮を行い,詳細な断層地形の測量を実施した.

4 .議  論  と  展  望

4.1.対象範囲,解像度,計測頻度 既存の SfM-MVSを利用した地形学的な研究事例に関して,その計測範囲と,出力データ(DEM)の解像度(各事例の平均)との関係を Fig. 1 に示す.ここでは,計測回数(1回,2回,3回以上),および地形種(斜面地形,河川地形,海岸地形,火山地形)の区分も示す.計測範囲の最小は 6m2,最大は 1.2 × 108 m2(120 km2)であり,解像度の最小は 3.3× 10-4 m(0.33mm),最大は 4.3mであり,計測回数は 1~59 回である. ばらつきはあるものの,全体的には計測範囲が大きいほど解像度は低くなる傾向が認められる.これは,広範囲を計測するためには有人航空機や UAVを用いて高高度から撮影した写真を用いることが多く,撮影高度に比例して画像の地上分解能が低下し,計算結果の出力データも解像度が下がるためであると考えられる.一方,ポールカメラや手持ちカメラといった近接撮影の場合,計測範囲は狭くなる一方,画像および出力データの解像度が高くなることが考えられる. 解像度が低い側に注目すると,どんなに低解像度であろうと 10mより粗くなる事例はみあたらない.すなわち,これまで無料あるいは安価に入手することができた,数値地図標高データ(解像度 10m)や SRTM,ASTER GDEM(解像度 30m)といった標高データと比べ,SfM-MVSでは充分に高解像度の地形データが得られることを示している.ま

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Fig. 1. Relationships between measurement area and spatial resolution of data produced by SfM-MVS in papers on geomorphological studies. The plots are classified by (a) temporal frequency, or number of measurements, and (b) type of landforms targeted.

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た,1 km2程度の計測範囲に関しては解像度が 10 cm~1mのオーダーであり,従来の航空レーザ測量の解像度(数 10 cm)に匹敵すると言える. 一方,とくに高解像度側(図の縦軸下方)のデータに注目すると,いくつかの例外はあるものの,おおよそ 1 cm程度の解像度が下限となっている.この理由としては,1 cm程度の解像度があれば多くの微地形や,礫・植生の分布および形状等を詳細に表現することが可能であり,それ以上の細かい解像度で得られる形状がここで取り上げた地形学的な研究の対象としては少ないことが挙げられる.また,それ以上の解像度を広範囲に求める場合,SfM-MVSの処理を実行する計算時間が非常に長くなるとともに,計算結果のファイルサイズが膨大になることでデータの取り扱いも困難になるため,意図的に解像度を必要なレベルまで落としている可能性も考えられる. 計測頻度(回数)については,その範囲と解像度との関係で明瞭な傾向の差異は認められず,1回のみ,2回,3回以上といった計測事例がさまざまな対象で報告されている(Fig.

1a).当然,複数回の計測からは地形変化を抽出することが可能であり,変化の分析をすることがひとつの目的となり得るが,一方,1回のみの計測でも,詳細な形状解析から対象とする現象の特徴を詳述することも可能である.すなわち,計測頻度が無傾向であることは,SfM-MVSの適用方法がそれぞれ目的によって独立していることを示唆していると考えられる.同様に,地形種間の違いに関しても,計測範囲,解像度共に,その分布に明確な傾向の違いを見いだすことは難しい(Fig. 1b).たとえば火山地形を対象とした場合,一つの火山全体を対象として 100 km2を超える広範囲を計測した研究(Gomez, 2014; Gomez et al., 2015)から,溶岩流や堆積物を対象として 100m2より狭い範囲を計測した事例(Bretar et al., 2013)まで,さまざまなスケールの地形現象への適用例が認められる.これは,極論すれば“写真に写るものであれば何でも計測可能”という SfM-MVSの特徴を反映しており,調査対象物のスケールを問わない本手法の適用性の広さを示している. SfM-MVSの主要なプラットフォームの一つである UAVに関しては,その性能向上により飛行時間は今後さらに延長し,計測可能範囲がより広くなるとともに,UAVに搭載できる機材の重量(ペイロード)も増加することでより高性能なカメラの搭載も可能になり,撮影画像の地上解像度も向上すると考えられる.さらに,計算機の性能向上により,SfM-

MVSのデータ処理可能な画像枚数が増加することで,計算可能範囲が拡大し,また画像の解像度を最大限に生かしたきわめて高解像度の3Dデータの作成も可能になるであろう.近年の cmまたはmmスケールに及ぶ地形情報の高解像度化は,細かい空間スケールにおけるさまざまな地形プロセスを明らかにする上で,大きな進歩をもたらしてきた(Tarolli,

2014; Passalacqua et al., 2015).一方で,たとえば標高から計算される地形パラメータに関しては,標高の一次微分(斜面勾配),二次微分(曲率等)となるにしたがって解像度の影響を強く受けるため(たとえば高橋ほか,2003),高解像度地形データを扱う際には誤差に対する感度も充分に検討する必要がある.すなわち,検討対象の地形のもつスケール(波長)を考慮し,最適な解像度の地形データを用いることが重要である(田中・大森,

333SfM多視点ステレオ写真測量の地形学的応用

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2005).前述のように,SfM-MVSは写真画像の撮影の仕方次第で,そこに写る対象物のスケールは問わない柔軟性をもつため,解像度を選定する自由度は高い反面,対象とする現象のスケールや求める精度に見合った解像度の最適解を慎重に検討する必要があるであろう.4.2.精度検証と品質管理 SfM-MVSには市販のデジタルカメラが用いられることが多く,SfM-MVSの出力データの精度は元の画像撮影に使われるカメラの性能,なかでもとくにレンズ性能(歪みの少なさや鮮明さ)とセンササイズ(画像の解像度)に依存する.スマートフォンなどに内蔵される小型レンズ,小型センサによる画像でも SfM-MVSは可能であるが,より高性能なレンズや大型のセンサをもつカメラと比較するとその質は低い(Micheletti et al., 2015a, b).一方,SfM-MVSの計測精度は写真の撮影方法(枚数,画角,撮影方向),画像の品質(被写界深度,精細度など),撮影時の環境条件(日照,大気状況等)にも依存する(James

and Robson, 2014b).また SfM-MVSソフトウェア(解析アルゴリズム)の選択によっても,得られる精度や品質が異なることもある(Fonstad et al., 2013; Beims et al., 2014; Ouédraogo et al., 2014; 早坂ほか,2015).このようにデータの取得方法や解析手法によって,SfM-MVSにより得られる地形データの精度にはばらつきがあるが,地上・航空レーザ測量による計測結果と比較しても,SfM-MVSの精度は概ね数 cm~数 10 cmであることが多い(Westoby et al., 2012; Tonkin et al., 2014).また,ドーム状の歪みといった SfM-

MVSに特徴的な誤差を除去するため,得られる 3Dモデル内の相対精度を向上させる撮影方法の提案も行われている(James and Robson, 2014b). とくに,生成する 3Dモデル内部での相対精度に対し,地理座標系上あるいはローカル座標系上における精度(絶対精度)に大きな影響を与えるのがジオリファレンスである.前述のように,SfMあるいはMVSの処理プロセスそのものはステレオペア画像間および対象物における対応点の相対的な位置関係を導き出すものであり,GCP(Ground Control

Point)あるいは画像の位置情報を与えることによりはじめて絶対座標における計量が可能となる.そのため,GCPの位置計測は,SfM-MVSの絶対精度の向上においてとくに重要といえる(Tonkin et al., 2014).GCPの位置計測にはトータルステーションや GNSS測位がよく用いられるが,GNSSの単独測位では数 m以上の誤差が伴うため,RTK-GNSS

(Real Time Kinematic GNSS)あるいは後処理キネマティック補正が可能な GNSSや,地上・航空レーザ測量での計測結果を用いた点群データの ICP(Iterative Closest Points)によるマッチングといった補正方法が適用されてきた(Corsini et al., 2013; Johnson et al.,

2014; Micheletti et al., 2015b; Stumpf et al., 2015; Turner et al., 2015). SfM-MVSは,迅速で簡易,かつ低コストでオルソ補正画像と地形データ(点群や

DEM)を取得できるため,前項で述べたように,高頻度な時系列解析による地形モニタリングに応用可能である(たとえば Stumpf et al., 2015).しかしながら,上記のように写真の取得方法や解析手法により精度が異なるため,高頻度・多時期の解析には,得られる

334 早川裕弌・小花和宏之・齋藤 仁・内山庄一郎

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データの品質管理が重要である.たとえば Clapuyt et al.(2015)は,小型 UAVでの反復撮影により得られる地形データの再現性を検証し,カメラの焦点距離と GCPの設置場所,飛行高度等の諸条件がほぼ同一の場合,異なるフライトでの空撮写真から得られた地形データの精度は数 cm程度であることを示した.このことは,SfM-MVSの再現性の高さを示している.その一方で,GCPの精度は得られる地形データの精度に強く影響することが示され,SfM-MVSにおける GNSSによる GCP計測の重要性を指摘した. Clapuyt et al.(2015)で検証されたのは,起伏が小さく平均傾斜 5°(最大傾斜 30°)程度の斜面である.一方,SfM-MVSでは,地形や建物におけるエッジといった特徴部分は丸みを帯び,再現性が低くなることが指摘されている(Dietrich, 2014; Johnson et al.,

2014; 内山ほか,2014a).日本の山地は急傾斜の斜面が多いため,今後,こうした急峻な地形での検証が望まれる. SfM-MVSは光学センサであるデジタルカメラ写真を用いることが多いため,密な植生下の場合,得られるデータから地表面のみを抽出することが難しい.先行研究では,草地や高木がまばらな地域での応用例が多かった(たとえば de Haas et al., 2014; Turner et al.,

2015).しかしながら,日本の山地の多くは森林に覆われており,このような場所での地形解析・モニタリングには,植生の影響を除外することが課題である.たとえば,写真の撮影方法の改善や,点群データにおける色情報(RGB)の活用,地上・航空レーザ測量との併用などがその対処として考えられる(Corsini et al., 2013; Stumpf et al., 2015).4.3.SfM-MVS写真測量の普及と問題点 上記のようにさまざまな利点をもつ SfM-MVSは,今後も地形学の関連分野においてますます普及することが予想される.これには,SfMソフトウェアや,プラットフォームとしての UAVの低価格化とその操作の簡易化が大きく寄与すると考えられる.従来の写真測量ソフトウェアが数 100 万円といった価格であったのに比べ,SfMソフトウェアは数万円から数 10 万円と廉価であり,個々の研究者・研究室で導入することが容易となった.また,画像処理のプロセスも SfM-MVSで自動化された部分が多く,写真測量に関する高度な専門的知識がなくとも一通りの作業を進めることが可能となっている(たとえばVallet et al., 2012; Agisoft, 2015).有効に使用できるプラットフォームとしての小型 UAV

に関しても同様に低価格化が進んでおり,10~20 万円程度で充分な性能をもつ機体を入手することが可能である.また,その操作性も,初心者がすぐに操縦可能となるほどに容易であり,ある程度の練習を経ればすぐに現場で使用することができる.すなわち,各研究室,各研究者が UAVを備え,現場での地形計測に活用する程度に,この手法が標準化されつつある. 加えて,この手法がより普及し,地形学の発展に総体的に寄与するためには,SfM-

MVSに関するデータの取得方法から処理方法,解析方法までの一連の流れを標準化したプロトコロルを確立することが望ましい.たとえば,SfM-MVSのための写真撮影に小型UAVのような飛行物体を利用する場合,とくにその運用に関して充分な安全管理,法令

335SfM多視点ステレオ写真測量の地形学的応用

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遵守を行う必要がある.このためには,飛行させる場所,時間,環境条件(気象,太陽光等)の適切な選択と法令の確認,現地管理者への事前通知といった入念な事前準備が調査を実施する際の必要項目となろう.また,SfM-MVSのソフトウェアについて,操作が簡素化されて従来より多くの研究者にとって利用可能性が高まったとはいえ,出力されるデータの精度管理や解釈を適切に行うためには,写真測量の原理といったその基礎となる最低限の知識も得た上で実施する必要があろう.すなわち,単純に手法の普及だけでなく,地形学および関連する他分野の研究者間での情報共有を進め,その総合的な理解を促進する必要があると考えられる. また,SfM-MVSで得られた高精細データの解析段階においては,その有効な解析手法を展開していく必要があると考えられる(Passalacqua et al., 2014, 2015).とくに,3次元データの解析方法はまだ充分に確立されているとはいえず,その開発の余地は大きい.従来の衛星画像,空中写真や DEMといった画像・地形データの解析には,リモートセンシングソフトウェアや GISソフトウェアが頻繁に利用されてきたが(浅見ほか,2015),SfM-MVSではそのような平面投影された 2次元データに限定されることなく,よりオリジナルに近い 3次元データとして,あるいは時間軸を加えた 4次元データとして扱うことで,本来の現象の理解をより深められるであろう(Gance et al., 2014; James and Robson,

2014a; Passalacqua et al., 2015; Eckerstorfer et al., 2016).

謝     辞

 本研究に際して,JSPS科研費(JP25702014, JP26560153, JP25750148, JP15K16287)の助成を受けた.また,本研究は東京大学 CSIS共同研究による成果を含む.本稿をまとめるにあたり,早川理子氏にデータ整理を支援いただいた.記して感謝いたします.

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342 早川裕弌・小花和宏之・齋藤 仁・内山庄一郎

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343SfM多視点ステレオ写真測量の地形学的応用