sig-gloc #2
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SIG-Glocalization第2回勉強会におけるスピーカーのプレゼン資料です(2009/12/12)TRANSCRIPT
海外市場リサーチとフォーカステストについて
株式会社Enzyme 池田 英一
会社案内
【株式会社Enzyme】
設立: 平成20年8月
代表取締役: 池田 英一
従業員数: 17名(日本人3名・外国人スタッフ14名)
事業内容: ゲームソフトのデバッグ、ローカリゼーションサポート等
スタジオ所在地:神奈川県川崎市
【Enzyme Testing Labs】(カナダ本社)
設立: 2003年5月
CEO: Yan Cyr
従業員数: 250名
事業内容: QAサービス全般、ローカリゼーションサポート、フォーカス グループ等
スタジオ所在地:カナダ・ケベック州サンタデール市、同モントリオール市、
スペイン・マドリード市
リサーチを実施する理由
・市場の動向を知る
・ユーザーの嗜好を知る
・作品の評価を知る
・そこで得た結果を開発に活かす
・そこで得た結果を売上に繋げる
海外市場について
・北米と欧州各国でもかなり違いがある
・ユーザーの感覚が違う(文化、宗教、その他)
・人気のあるジャンルが違う
・所有しているハードが違う
・遊び方が違う
・流通が違う(Wal-Martなど小売店の力が大きい)
・ネット上の評価が日本以上に売上に影響する
海外でゲームが売れない!
最近は単にゲームを「ローカライズ」しただけでは
ソフトが売れなくなっています。
これには以下の原因が考えられます。
●海外発の良質なゲームが増えた
●その結果ユーザーの選択肢が急激に増えた
●そしてユーザーの質に対する目が厳しくなってきた
●違和感を感じるゲームを選択肢から外し始めた
海外展開の判断をする際、日本人の感覚や知識だけでは
海外市場を理解することは非常に難しいと言えます。
じゃあ、どうすればよいのか?
もっと海外で売るために!
マーケティングリサーチを行う
何がわかるの?
●ユーザーセグメント別の嗜好・求めているもの
●各国別・販売地域別の市場動向
●投入を予定しているタイトルの一般的な評価
●競合/同一ジャンルタイトルとの比較評価
その手法は?
フォーカスグループ
一般的なフォーカスグループの手法
ターゲットとなるエンドユーザーを集める
ゲームをプレイしてもらい、その様子を観察する
アンケートに答えてもらったり、意見交換を行う
対象ゲームに対する点数付けを行う
競合となりそうなゲームがあれば、比較を行う
上記の結果をデータと共に報告書にまとめる
企画書や販促用資料などでも実施可
つまりフォーカスグループとは
開発の途中で、
実際にゲームに触れたエンドユーザーから
意見をデータとして抽出し、
市場に合わせて開発時に修正を加え、
最終的に売上向上に繋げる為の、
羅針盤となるものです!
具体例① 早い時期に利用する
グローバル展開を視野に開発を進めるタイトルであれば、企画段階、もしくは開発初期段階で海外の調査会社等を
利用してフォーカスグループを行う
早い時期に嗜好等を把握をして修正を加えておけば
海外版制作時に大幅な調整や作り直しといった作業に、
多大なコストをかけずに済む
具体例② 続編の企画時に利用
既に市場に出ている作品の続編であれば、
その企画時に前作を使ってフォーカステストを行う
前作の良い点、悪い点を的確にデータで把握することで、
続編の企画段階で出てくるアイデアの審議などにも、
使用できる。
具体例③ 販売会社との交渉に利用
開発計画にフォーカステストを入れておく
ターゲット市場に合わせた開発を行っている証明となり、海外パブリッシャーとの交渉時にも
有益な情報として利用できる
たとえ100%海外市場を理解していなくとも、異文化や異なる習慣を理解しようとすることが大切です。
尚、海外マーケットリサーチの結果で最も重要なのは
海外ユーザーの意見を可能な限り代弁している
という事です。
まとめ
① 日本と海外では市場に違いがある事を認識する。
② ターゲット市場における製品の市陽性を知る事が重要。
③ フォーカステストを使ってユーザーを「知る」。
④ フォーカステストとは、マーケティングであり、ユーザーからデータを抽出する作業である。
⑤ フォーカステストの結果は、ターゲットユーザーの意見を可能な限り代弁していなければならない。
ご静聴ありがとうございました