sns-wg · 2018-07-27 · ばれるsnsの消費者間の情報交換に注目した、新...
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JNSA ワーキンググループ紹介JNSA PRESS
SNS-WG日本マイクロソフト株式会社
WGリーダー 高橋 正和
ムをベースとした SNS として、Gree やモバゲーなど、そして YouTube、USTREAM、ニコニコ動画等の動画サイトも、SNS に含める場合が少なくない。面白いことに、Facebook 上のゲーム Zynga がFacebook よりも収益を上げるなど、SNS 上に独自の経済圏ができている。
SNS 普及には、技術的な発展と、社会的な変化が背景となっている。現代は価値観やライフスタイルの多様化が進み、社会として共通の価値観を持つことが難しい。この多様な個性が、それぞれの価値観を共有する場を見つける手段として、SNS が進んでいる面がある。 SNS は、利用者の広がりに伴って、広告を中心としたビジネスプラットフォームとしても注目されている。そして、アルビン・トフラーが第三の波で書いている「プロシュマー」に相当するような、積極的にビジネスにかかわる利用者も目立つようになった。 SNS は、広告の分野で、ポータルサイト、検索エンジンに続く、三番目の広告の手法と位置付けられている。
SNS-WG は、2011 年 10 月に発足、現在 20 名ほどのメンバーで運営している。すでに WG を 3 回開催した他、Facebook のクローズドグループを使った活発な意見交換を行っている。また、SNSは、社会的な関心も高く、既に WG メンバーによる SNS のセキュリティに関する講演も行っている。
SNS は、利点も多いがリスクもある。私は、mixi を業務とは関係のない分野の交流に利用しているが、つい最近までは、Facebook のような実名主義の SNS は、時刻を伴った位置情報、知人関係、家族や趣味といった個人的なことの記録と公開による、リスクが高いと考えて使用を控えていた。 しかし、SNS の普及が進むに従って、セキュリティやプライバシーについて質問を受けるようになったのだが、本質的な理解をしていないため、自信を持って答えることができない。加えて WASAF
(Web Application Security Forum)、INTEROP、INTERWEB 等、様々な活動にかかわる中で、SNSを含めた現在の技術や利用法を理解していないと感じるようになった。
やはり、新しい技術・利用方法は、昔の知識の延長線上では対応できないと考え、改めて取り組んでみることにした。せっかくなので、一人でやるよりも、WG で知恵を合わせた方が、よりしっかりしたアウトプットも出せると考え、SNS-WG を立ち上げることにした。
SNS = Social Network Service は、思ったよりも幅の広い概念で、さまざまなサービスが SNS に分類されている。有名なところでは、mixi、Twitter、Facebook、Google+、Linkedin 等がある。また、ゲー
ビジネス
利用者
プロシュマー
社会
技術
■ 発足の背景
■ SNS とは
図 1 SNS を取り巻く環境
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に捉えるには至っていない。ワーキングメンバーの日本 IBM 守屋氏は SNS における課題を図 4 のように整理している。
図 4 SNS における課題
SNS では、セキュリティよりもプライバシーに関する懸念が高く、さらに、ストーカー被害などの現実社会での危険につながることも懸念されている。 図 5 は、Facebook がデフォルトで公開する情報の推移で、より多くの情報を公開する方向に推移している事がわかる。この変化は、これまで非公開であったデータが、突然、公開されてしいまうという問題も内在している。
SNS のセキュリティは、まだ課題のフレームワークも不明瞭な状態にあると考えている。SNS-WG ではメンバー間で Facebook 上でのディスカッションを中心に、有識者による講演などを通じて、SNS のセキュリティに対する理解を深めて行こうとしており、これをガイドラインなどの形で公開していく予定である 興味を持っていただいた方は、ぜひ、WG メンバーとして参加して頂きたい。
図 2 インターネットの広告手法
しかし、すべてのオンライン広告が、SNS に移行するわけではないと考えられている。第 3回 WG における日本マイクロソフトの上代氏の講演によれば、SNS は、主に AISAS モデル上のInterest、Share と各フェーズへのフィードバックに効果があるとしている。マーケティング 3.0 と呼ばれる SNS の消費者間の情報交換に注目した、新しいマーケティング理論も注目されていることから、SNS が果たす役割は、さらに広がっていく可能性が高い。
図 3 SNS 広告の位置づけ
NSF 2012 の SNS-WG のセッションでも議論したように、課題の整理はまだ途上であり、構造的
ポータルサイト
ポータルサイトに集まる
バナー広告
検索エンジン
ユーザーが目的を持って検索
検索連動型広告
ソーシャルメディア
ユーザー自信がコンテンツを作る
口コミ宣伝賞品がユーザーを見つける時代
出典:ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本
出典:マイクロソフト 上代
知らない
Attention
Interest
Search
Action
Share
ココ
SNS における課題
SNS における課題
ストーカー炎上
フラッシュモブ
ウイルス感染フィッシングIDの成りすまし
スパムアプリ
プライバシー
セキュリティ
データ保護
■ SNS の課題:セキュリティとプライバシー
■ SNS-WG の活動
JNSA ワーキンググループ紹介JNSA PRESS
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JNSA ワーキンググループ紹介
図 5 Facebook のデフォルトでの公開情報の推移出典:The Evolution of Privacy on Facebook http://www.mattmckeon.com/facebook-privacy
2 月 29 日 SNS と法律勉強会の風景