spotify · 2020-03-07 · kyriba case study spotify...

2
KYRIBA CASE STUDY Spotify Spotifyが奏でるトレジャリー・ミュージック CASE STUDY Spotify 様 イノベーション - 斬新なトレジャリー・マネジメント 真に革新的なアプローチでテクノロジーに取り組むという企業方針に則り、世界有数のデジタル音楽サービスの爆発的な成長を舵取 りするうえでのさまざまな課題を克服すべく、Spotify の財務部門は 2014 年にキリバのプラットフォームを中心とした野心的な変革プロ ジェクトを計画しました。同部門はまず、Spotify の銀行関係を見直し合理化することから始めました。 プロジェクトを考案したヨハン・ベリクヴィスト氏が採用した、中核的な銀行を選択して取り組むという戦略は前例のない手法でした が、銀行との関係構築と時間の節約の点で多大なリターンをもたらしました。Spotify は銀行サービスに対し従来の提案依頼(RFP)を 行うのでなく、過去の RFP プロセスにおいてどの銀行が Spotify にとっての関連分野で契約を獲得したかを明らかにするため、外部の コンサルティング会社の力を借りてデータを分析しました。これらの銀行は、Spotify の事業について学ぶとともに、Spotify の戦略的ニー ズと、銀行およびその商品がそうしたニーズをどうサポートできるかについて話し合うため、合同ワークショップに招かれました。銀行 は Spotify の事業内容と問題点を理解したのち、第三者がすでに調査済の 5 ページに及ぶ質問集に答えるのではなく、経営上の摩擦を どう取り除けばいいかの分析に専念できました。 銀行選定が完了した後は、グローバルでの銀行接続および拡張性を当初から実現することが、Spotify にとっての急務でした。革新 的で戦略的なリーダーのベリクヴィスト氏は、SaaS(Software-as-a-Service)で音楽ストリーミング・サービスを提供する Spotify の急 成長に対応するため、同じく SaaS モデルに着目しました。その後、Spotify が SWIFT ネットワークに参加する決定を下したのち、変革 プロジェクトが開始されました。 コラボレーション - ビジョンの共有 導入成功の鍵は、ビジョンを理解し同じ目標を共有するダイナ ミックなチームが合同で取り組んだことでした。厳しいスケジュール の中、広範にわたる作業をこなすため、プロジェクトは 2 つの段階 に分けられました。最初の段階はキリバと外部のコンサルティング 会社 Covarius (www.covarius.com) のソリューション・エキスパー トからなる合同チームが担当し、キリバに統合されている SWIFT Service Bureau を介して入出金明細を取得するアーキテクチャを構 築することと、Spotify Group 内のキャッシュプール設定と整合性 が取れるように各エンティティを設定することに専念しました。 マーケット・データフィードやオンライン・トレーディング・プラッ トフォームとのインタフェースに加え、メインの ERP システムからの 支払データのインポートおよび同 ERP システムの総勘定元帳(GL) への仕訳連携も設定されました。Spotify の IT チームも緊密に協力 「私たちの目標はソリューション志向の アジャイルなトレジャリーを作ることでした。 Spotifyのシステムとうまく統合する セキュアで堅牢、スケーラブルなソリューションが 必要で、キリバがそのニーズを 最も満たすことがわかりました」 Spotify バイスプレジデント コーポレート・ファイナンス&トレジャリー ヨハン・ベリクヴィスト氏

Upload: others

Post on 31-Mar-2020

26 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: Spotify · 2020-03-07 · KYRIBA CASE STUDY Spotify Spotifyが奏でるトレジャリー・ミュージック CASE STUDY Spotify様 イノベーション - 斬新なトレジャリー・マネジメント

K YRIBA C A SE STUDY

Spotify Spotifyが奏でるトレジャリー・ミュージック

CASE STUDY  Spotify 様

イノベーション - 斬新なトレジャリー・マネジメント真に革新的なアプローチでテクノロジーに取り組むという企業方針に則り、世界有数のデジタル音楽サービスの爆発的な成長を舵取

りするうえでのさまざまな課題を克服すべく、Spotify の財務部門は 2014 年にキリバのプラットフォームを中心とした野心的な変革プロジェクトを計画しました。同部門はまず、Spotify の銀行関係を見直し合理化することから始めました。

プロジェクトを考案したヨハン・ベリクヴィスト氏が採用した、中核的な銀行を選択して取り組むという戦略は前例のない手法でしたが、銀行との関係構築と時間の節約の点で多大なリターンをもたらしました。Spotify は銀行サービスに対し従来の提案依頼(RFP)を行うのでなく、過去の RFP プロセスにおいてどの銀行が Spotify にとっての関連分野で契約を獲得したかを明らかにするため、外部のコンサルティング会社の力を借りてデータを分析しました。これらの銀行は、Spotify の事業について学ぶとともに、Spotify の戦略的ニーズと、銀行およびその商品がそうしたニーズをどうサポートできるかについて話し合うため、合同ワークショップに招かれました。銀行は Spotify の事業内容と問題点を理解したのち、第三者がすでに調査済の 5 ページに及ぶ質問集に答えるのではなく、経営上の摩擦をどう取り除けばいいかの分析に専念できました。

銀行選定が完了した後は、グローバルでの銀行接続および拡張性を当初から実現することが、Spotify にとっての急務でした。革新的で戦略的なリーダーのベリクヴィスト氏は、SaaS(Software-as-a-Service)で音楽ストリーミング・サービスを提供する Spotify の急成長に対応するため、同じく SaaS モデルに着目しました。その後、Spotify が SWIFT ネットワークに参加する決定を下したのち、変革プロジェクトが開始されました。

コラボレーション - ビジョンの共有導入成功の鍵は、ビジョンを理解し同じ目標を共有するダイナ

ミックなチームが合同で取り組んだことでした。厳しいスケジュールの中、広範にわたる作業をこなすため、プロジェクトは 2 つの段階に分けられました。最初の段階はキリバと外部のコンサルティング会社 Covarius (www.covarius.com) のソリューション・エキスパートからなる合同チームが担当し、キリバに統合されている SWIFT Service Bureau を介して入出金明細を取得するアーキテクチャを構築することと、Spotify Group 内のキャッシュプール設定と整合性が取れるように各エンティティを設定することに専念しました。

マーケット・データフィードやオンライン・トレーディング・プラットフォームとのインタフェースに加え、メインの ERP システムからの支払データのインポートおよび同 ERP システムの総勘定元帳(GL)への仕訳連携も設定されました。Spotify の IT チームも緊密に協力

「私たちの目標はソリューション志向の

アジャイルなトレジャリーを作ることでした。

Spotifyのシステムとうまく統合する

セキュアで堅牢、スケーラブルなソリューションが

必要で、キリバがそのニーズを

最も満たすことがわかりました」

Spotify バイスプレジデント

コーポレート・ファイナンス&トレジャリー ヨハン・ベリクヴィスト氏

Page 2: Spotify · 2020-03-07 · KYRIBA CASE STUDY Spotify Spotifyが奏でるトレジャリー・ミュージック CASE STUDY Spotify様 イノベーション - 斬新なトレジャリー・マネジメント

したことで、インタフェースは 1 ヶ月足らずで設計・構築され、ビジネス部門のユーザーは銀行とのエンド・ツー・エンドでの入出金明細の取り込みおよび支払テストに集中できました。

ストックホルムで行われたオンサイトトレーニングでは、コンサルティング・チームは Spotify の IT 部門と緊密に協力し合い、資金管理と支払処理のために構築された SWIFT 自動化周りの業務プロセスの設計、テスト作業にあたりました。従来使っていたスプレッドシート・ベースの資金管理プロセスは、新プロセスによる入出金明細の自動的な突合処理が行われるとすぐに廃止されました。キリバを中心とし、財務部門と経理部門の間で共有される承認ワークフローには、職務分掌が組み込まれました。これにより銀行固有のソフトウェアへの依存を減らしながら、一元的な可視化と支払の安全性を高めることができました。最後に、入出金種別と入出金取引の突合処理を含む新しい前日残高の照合プロセスにより、ERP システムの総勘定元帳へ日次で仕訳記帳できるようになりました。

リスク軽減 - トレジャリーとその先へ一元的なペイメント・ファクトリーによってセキュリティと資金可

視化を向上するというベリクヴィスト氏のビジョンを実現するべくキリバをグローバル展開することと並行して、プロジェクトの第 2段階では機能の範囲を拡大しました。複数の地域と通貨でビジネスを行うグローバル企業が直面している課題を軽減するため、Spotify と同社のあるパートナー銀行は、アルゴリズム取引志向のクラウド型外国為替ソリューションを構築し、これによってマニュアル作業をなくし、より戦略的・分析的な作業に専念できるようにしました。Spotify の財務部門は為替エクスポージャをヘッジするためのデリバティブ取引に対する会計処理を正確かつ効率的に行うためにキリバのヘッジ会計モジュールを利用しています。

拡大 - 意図をもって成長財務部門がビジョンをもって努力し、速やかにキリバを導入した

ことで、Spotify には急拡大を続ける事業環境で業務を遂行できるだけの完全な体制が整いました。改善された資金管理および会計プロセスによって可視性を高めるとともに、一元化されたペイメント・ファクトリー、追加的な財務統制、標準化されたワークフロー、財務全般に渡る監査証跡機能により不正リスクと人的ミスを減らしたことは、Spotify を次の成長段階に戦略的に押し上げ、最先端のトレジャリーを達成するというベリクヴィスト氏のビジョンを実現する助けになったのです。

キリバ・ジャパン株式会社〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南1-5-5 JR 恵比寿ビル 11F www.kyriba.jp/  [email protected]  03-6321-9454

Spotify 会社概要・創立: 2006年

・本社: スウェーデン、ストックホルム

・業種: ストリーミング・メディア

・売上高: 30億ユーロ

・従業員数: 2,162名

 現在世界中の61のマーケットで利用され、1億4,000万人の月間ア

クティブユーザー(内6,000万人が有料会員)にサービスを提供する

Spotifyは、適切なパートナー銀行とトレジャリー・テクノロジーが、社

内における業務効率の最大化、コラボレーション、そして会社の成長

を可能にしていると述べています。Spotifyは一元化したトレジャリー

業務を強化するため、キリバの中核機能である資金、支払、財務取引

モジュールを活用しています。

「私たちの目標は短期・長期の事業拡大を支えるソリューション志向の俊敏な

財務部門を作ることでした。私たちは小規模なチームとして、Spotifyのシステムと

うまく統合するセキュアで堅牢、スケーラブルなソリューションを

必要としていました。イノベーションは社内から起こることもあれば社外との

コラボレーションで生まれることもあります。他のさまざまなテクノロジー・

パートナーの中でキリバが私たちのニーズを満たす

ベストなパートナーだとわかりました 」。

ヨハン・ベリクヴィスト氏, Spotify