ゲームui/ux勉強会予習資料「ui discussion とは」

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資料: UI Discussion とは 森山 明宏 (ユーリカ株式会社代表/UXデザイナー) facebook akihiro.moriyama.ureka

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資料:

UI Discussion とは

森山 明宏 (ユーリカ株式会社代表/UXデザイナー) facebook akihiro.moriyama.ureka

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筆者紹介

森山 明宏(もりやま あきひろ)

•UX Yokohama 代表

•ユーリカ株式会社代表, UXデザイナー

•2012年まで株式会社リコー総合デザインセンターにてユーザー調査・分析・改善提案を担当(見える化技法もここで習得)

•2012年5月にユーリカ株式会社設立

•主にWebサイト改善、UX人材育成に従事

•facebook akihiro.moriyama.ureka

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UI Discussion とは

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UI Discussion とは

•グリー株式会社で実施されている、UIデザイナー向けの社内勉強会、およびその手法 • グリーでは毎週1回開催、1時間/回、ゲーム2本/回

•既出ゲームのUIデザインについてレビューし、良い所・悪い所の傾向を知る

•目的 • UIの効果的な改善ポイント明確化 • 他社と自社ゲームの品質差の認識 • 改善思考力の強化

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UI Discussion の手順

1. 調査するタイトルを選定する 2. 複数人でそれぞれプレイする 3. 「Good」 「Bad」に関するコメントを挙げ、一覧表

をつくる 4. 「7つの評価視点」別に分類・集計し、割合を

調査する 5. 集計結果をディスカッションする

(1〜5を毎週繰り返して情報を蓄積)

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UI Discussion の7つの評価視点

分類: 1. 見やすさ 2. わかりやすさ 3. 使いやすさ 4. 演出・音・アニメ 5. アート・世界観 6. 統一性 7. 仕様

•いわゆる「良いゲームの条件」

•UI Discussionでは、ゲームの良いと感じたところ・悪いと感じたところを見つけたら、左記7項目のいずれかに分類する。

•グリー社内でなんども実践を重ねるうちに、この7項目に落ち着いたとのこと。

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UI Discussion の7つの評価視点

分類: 1. 見やすさ 2. わかりやすさ 3. 使いやすさ 4. 演出・音・アニメ 5. アート・世界観 6. 統一性 7. 仕様

ゲームに限らず全てのアプリに要求される要素

ゲームの楽しさの本質部分

UIデザイン以外でゲームの 楽しさに関わる部分

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UI Discussion の結果まとめの例

引用元 https://www.slideshare.net/greeart/cedec2016ui-discussion-ui

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UI Discussion で期待できる効果

育成面 • 知見拡張・トレンド把握 • 自他の品質差を実感・制作意欲向上 • チーム内の価値観を画一化

効率面 • デザイン作業時間(思考時間)短縮

• 改善思考力強化

• UIの効果的な改善ポイント(優先ポイント)明確化

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グリー株式会社が UI Discussion を実践して 得た「Good UI Check Sheet」

引用元 https://www.slideshare.net/greeart/cedec2016ui-discussion-ui

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グリー株式会社が UI Discussion を実践して得た「優先すべき改善ポイント」

Bad! と思われないために

×わかりやすさ ×使いやすさ

の問題を優先的に改善

Good! と思われるために

•わかりやすさ

•演出・音・アニメ

の品質を優先的に向上

•「UI Discussion」とは、グリー株式会社で実施されているUIデザイナー向けの社内勉強会、およびその手法

•既出ゲームのUIデザインについてレビューし、良い所・悪い所の傾向を知る

•目的 • UIの効果的な改善ポイント明確化 • 他社と自社ゲームの品質差の認識 • 改善思考力の強化

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この章のまとめ

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UI Discussion における 7つの評価視点

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UI Discussion の7つの評価視点

分類: 1. 見やすさ 2. わかりやすさ 3. 使いやすさ 4. 演出・音・アニメ 5. アート・世界観 6. 統一性 7. 仕様

•いわゆる「良いゲームの条件」

•UI Discussionでは、ゲームの良いと感じたところ・悪いと感じたところを見つけたら、左記7項目のいずれかに分類する。

•グリー社内でなんども実践を重ねるうちに、この7項目に落ち着いたとのこと。

(再掲載)

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UI Discussion の7つの評価視点

分類: 1. 見やすさ 2. わかりやすさ 3. 使いやすさ 4. 演出・音・アニメ 5. アート・世界観 6. 統一性 7. 仕様

ゲームに限らず全てのアプリに要求される要素

ゲームの楽しさの本質部分

UIデザイン以外でゲームの 楽しさに関わる部分

(再掲載)

画像引用元:iOSアプリ「パズル&ドラゴンズ」(ガンホー・オンライン・エンターテイメント)16

1. 見やすさ

○例) 重要なUI要素が大きく目立つ ○例) 見やすい配色

× 例) 読みづらいフォント × 例) 小さすぎて読めない文字 × 例) 行間の狭すぎる文章

良い例

悪い例 Game UI/UX

GameUI/UX

Game UI/UXGameUI|UX

GameUI/UX

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2. わかりやすさ

○例) チュートリアルで、操作説明と試し操作が交互に行われる

○例) 一目で操作方法のわかるUI要素 ○例) 簡潔で充分な説明

× 例) UI要素の詰め込みすぎ × 例) 説明不足・無駄に長い説明 × 例) チュートリアル中のマーカーが

どこを指しているかわからない

良い例

悪い例

画像引用元:iOSアプリ「パズル&ドラゴンズ」(ガンホー・オンライン・エンターテイメント)

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3. 使いやすさ

○例) よく使う機能がボタンとして常に画面上に配置されている

○例) よく使う機能(画面) を呼び出す手順が少ない

× 例) ボタンが小さすぎる × 例) ボタン同士の間隔が狭すぎる × 例) 他社では当たり前の機能が実装

されていない

良い例

悪い例

画像引用元:iOSアプリ「パズル&ドラゴンズ」(ガンホー・オンライン・エンターテイメント)

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4. 演出・音・アニメ

○例) 感情の高まる演出 ○例) 季節や昼夜に応じた演出 ○例) タップ操作の際の動きが面白い ○例) 声優の起用により没入感向上

× 例) 演出不足・演出過剰

良い例

悪い例

画像引用元:iOSアプリ「パズル&ドラゴンズ」(ガンホー・オンライン・エンターテイメント)

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5. アート・世界観

○例) 美麗なグラフィック ○例) 魅力的なキャラクター ○例) 独創的な世界設定

× 例) フォントがカッコ悪い × 例) システムメッセージが事務的 × 例) 一部のグラフィック以外手抜き

良い例

悪い例

画像引用元:iOSアプリ「パズル&ドラゴンズ」(ガンホー・オンライン・エンターテイメント)

No.972 プリンセスヴァルキリー

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6. 統一性

○例) 各UI要素のデザインに統一性がある

○例) 〃 の操作の作法に統一性がある ○例) 〃 のモーションに統一性がある

× 例) 統一性の欠如

良い例

悪い例

画像引用元:iOSアプリ「パズル&ドラゴンズ」(ガンホー・オンライン・エンターテイメント)

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7. 仕様 (≒ 実際にはUIデザイナーの担当範囲でないもの)

○例) 課金等の操作を要求するときには確認画面を出す

○例) バトルに負けるとキャラクターは死んだものとして扱われる

× 例) ロードの待ち時間が長すぎる × 例) 簡単すぎる・難しすぎる × 例) チュートリアルが長すぎて飽きる

良い例

悪い例

画像引用元:iOSアプリ「パズル&ドラゴンズ」(ガンホー・オンライン・エンターテイメント)

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備考

•ゲームの面白さに関わるがUIデザインの範ちゅうでないものは7つの評価視点から省かれている

• 例)脚本

• 例)宣伝による期待感の醸成

• 例)SNSやYouTubeを用いたファンコミュニティの活性化

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この章のまとめ

•UI Discussionでは、ゲームの良いと感じたところ・悪いと感じたところを見つけたら、下記7項目のいずれかに分類する。

•これらはいわば「良いゲームの条件」である。

• 演出・音・アニメ • アート・世界観 • 統一性 • 仕様

• 見やすさ • わかりやすさ • 使いやすさ

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UI Discussion の進め方

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UI Discussion の手順

1. 調査するタイトルを選定する 2. 複数人でそれぞれプレイする 3. 「Good」 「Bad」に関するコメントを挙げ、一覧表

をつくる 4. 「7つの評価視点」別に分類・集計し、割合を

調査する 5. 集計結果をディスカッションする

(1〜5を毎週繰り返して情報を蓄積)

付箋紙を使って行えるよう 一部修正します。

(再掲載)

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UI Discussion の手順

1. 調査するタイトルを選定する 2. 複数人でそれぞれプレイする 3. 「Good」 「Bad」と感じた箇所を見つけたら付箋紙

に書く 記入項目: 1. 「Good」 or 「Bad」 2. 分類 (7つの評価視点 3. 箇所 (どこが) 4. 考察 (なぜ)

4. 集計し、割合を調査する 5. 集計結果をディスカッションする

(1〜5を毎週繰り返して情報を蓄積)

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付箋紙の書き方

[4]考察

[2]分類

[3]箇所

分類: 1. 見やすさ 2. わかりやすさ 3. 使いやすさ 4. 演出・音・アニメ 5. アート・世界観 6. 統一性 7. 仕様

システムメッセージの全部

メインユーザーである子供にも読める 漢字だけ使っている

[1]良いなら○, 悪いなら×

•もしも悪い点を指摘する場合は改善提案を2枚目の付箋に記述

•複数の分類項目にあてあまる箇所であっても、最も適切に思うもの1つを選択提案

指摘

○ わかりやすさ

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模造紙への貼り方

良い 悪い見やすさ

わかり やすさ

使いやすさ

演出・音 ・アニメ

アート・ 世界観

統一性

仕様数を数えやすいよう分類毎1〜2行に並べる 数を数えやすいよう分類毎1〜2行に並べる

全く同じ内容のものは 重ねて貼る

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模造紙への貼り方

良い 悪い見やすさ

わかり やすさ

使いやすさ

演出・音 ・アニメ

アート・ 世界観

統一性

仕様数を数えやすいよう分類毎1〜2列に並べる 数を数えやすいよう分類毎1〜2列に並べる

全く同じ内容のものは 重ねて貼る

すべて読み 他人の価値観が自分と

違うことに気づく

各項の数を数え ゲーム全体の傾向を

知る

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集計後のディスカッション

•(良きにつけ悪しきにつけ) 特に強く印象に残ったもの

•Bad箇所の改善案

•取り入れるべき「他社では当たり前の機能」

•etc.

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[EOF]