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VMware vCenter Operations Enterprise 企業向け自動運用管理 テクニカル ホワイト ペーパー

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Page 1: VMware vCenter Operations Enterprise...VMware vCenter Operations Enterprise 企業向け自動運用管理 テクニカル ホワイト ペーパー / 3 はじめに クラウドでは、運用管理の各領域が統合されます。統合インフラストラクチャは動的な性質を持っているため、

VMware vCenter™ Operations Enterprise 企業向け自動運用管理テクニカル ホワイト ペーパー

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VMware vCenter Operations Enterprise 企業向け自動運用管理

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目次はじめに . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3

vCenter Operations Enterprise のメリット . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4

分析の基盤: 動的しきい値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5

スマート アラート分析 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6

オートパイロット パフォーマンス ダッシュボード . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 11

オンデマンド分析 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 13

まとめ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 14

Page 3: VMware vCenter Operations Enterprise...VMware vCenter Operations Enterprise 企業向け自動運用管理 テクニカル ホワイト ペーパー / 3 はじめに クラウドでは、運用管理の各領域が統合されます。統合インフラストラクチャは動的な性質を持っているため、

VMware vCenter Operations Enterprise 企業向け自動運用管理

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はじめにクラウドでは、運用管理の各領域が統合されます。統合インフラストラクチャは動的な性質を持っているため、

パフォーマンスとキャパシティの管理を切り分けることはできません。従来のツールやプロセスは、個々に分離して

いる静的な物理インフラストラクチャ向けに設計されているため、高度に仮想化されたプライベート クラウド環境に

必要となる自動化や管理機能を提供しません。仮想化およびクラウド インフラストラクチャのグローバル リーダー、

VMware が提供する VMware vCenter™ Operations Enterprise は、運用管理の大幅な簡素化と自動化を実現

する設計になっています。VMware が提供する統合された革新的なアプローチでは、特許を取得している分析機能を

使用して、動的な仮想環境やクラウド環境においてサービス レベルをプロアクティブに保証するための情報や視認性

を提供します。

今日の企業では、顧客満足度や収益の確保に、複雑でミッション クリティカルなサービスやアプリケーションを利用

する傾向が強まっています。一方、このようなサービスやアプリケーションには、企業全体のシステムの健全性を

確認する機能や、パフォーマンスの問題を早期に検出できる信頼性に優れた機能が備わっていません。障害点や原因

を、大きな問題が発生する前に突きとめることができないと、ビジネス機会の喪失、顧客満足度の低下、および機会

費用の増加につながる可能性があります。

VMware vCenter Operations Enterprise により、企業の IT システムとビジネス プロセスの自動パフォーマンス

分析は大きく進化します。VMware vCenter Operations Enterprise のリアルタイム分析は、次の 3 つの機能を

提供します。1 つめは、Smart Alerts™ です。新たに発生しつつある問題に注意を向けるタイミングと、深刻なパフォー

マンスの問題を防ぐために注意すべき対象について、情報を取得できます。2 つめは、豊富な機能を持つ

ロール ベースのパフォーマンス ダッシュボードです。これには、リアルタイムのパフォーマンス分析が表示されます。

3 つめは、オンデマンド分析です。これにより、エンタープライズ システムの長期的なキャパシティ プランニング

と最適化が可能になります。

VMware vCenter Operations Enterprise は、企業に次のメリットを提供します。

• アプリケーションで新たに発生しつつある問題について、ユーザーや従来の監視ツールが認識するよりもかなり

早い段階で Smart Alerts がアラートを通知します。

• Smart Alerts の概要分析を利用することで、新たに発生しつつある問題のコンテキスト情報や、その問題が及ぼす影響と根本原因を理解できるため、適切な担当者と最小のリソースで問題を解決できます。関係者全員が集まる

必要はありません。

• 自動の健全性スコアにより、企業システムの運用状況をデータセンター、アプリケーション、個別システム (サイロ)、個別リソース、設定した任意の視点など、あらゆる観点からリアルタイムで把握できます。

• オートパイロット パフォーマンス ダッシュボードは、経営幹部、業務担当者、IT 部門の個別システム (サイロ) 担当者、ネットワーク オペレーティング センターのエンジニアなど、組織内の関係者全員が共通に理解できる

指標として利用できます。

• オンデマンド分析により、「些末な知識 (トリビア)」 を持つ少数の担当者へ依存する必要がなくなり、分析で判明したキャパシティの傾向や、挙動分析、相関性分析に基づいて、企業システムを客観的な方法で最適化できます。

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vCenter Operations Enterprise のメリットこのような価値を提供する基盤となるのが、vCenter Operations Enterprise の堅牢なアーキテクチャ設計です。

このアーキテクチャは、最新の IT インフラストラクチャに見られる、規模と複雑性の急激な増大に対応するほか、

従来の IT 監視機能に対する既存の投資にも活用が可能です。vCenter Operations Enterprise のアーキテクチャの

主なメリットは次のとおりです。

• 現在使用している従来の監視ツールを活用: VMware vCenter Operations Enterprise では、従来の監視ツールとの連携を容易に行うことができ、それらのツールで収集されたパフォーマンス メトリックをそのまま分析でき

ます。IBM Tivoli、HP OpenView、HP Business Availability Center (BAC)、EMC|SMARTS、vCenter Server、オープン ソースの監視ツール、カスタム監視ツールなどから、未加工の時系列データを直接取得することも可能

です。

• データ形式を問わない: VMware vCenter Operations Enterprise は本質的にベンダーとデータ形式を問わないため、内容にかかわらず、特別な設定なしでパフォーマンス メトリック データを分析できます。つまり、vCenter

Operations Enterprise では、ネットワーク メトリック、サーバ メトリック、アプリケーション メトリック、 ユーザー使用環境のメトリック、トランザクション データ、バッチ データに加え、IT 以外のメトリック (何らかのサービスと関係があるビジネス パフォーマンスのデータなど) についても分析できます。VMware vCenter

Operations Enterprise では、これまでに収集したパフォーマンス データについて、前後関係から相互に関連付けて総合的な分析ができます。そのため、時間の経過とともに増加した監視ツールが数多く存在する場合でも、分析の範囲をシームレスに拡大することが可能です。

• アプリケーションを問わない: VMware vCenter Operations Enterprise は完全な学習型のソリューションで、静的なアプリケーションのテンプレートやモデルは使用しません。また、対象アプリケーションの推奨設定に合わせて、手動で調整する必要もありません。vCenter Operations Enterprise では、数多くの統計的手法を採用

することで、アプリケーションの種類を一切問わずに使用できるようになっています。VMware vCenter

Operations Enterprise の設計アプローチは、既製のアプリケーションだけでなく、複雑にカスタマイズされた自社開発アプリケーションに対しても、適切に機能します。

• 拡張性の高い分析: VMware vCenter Operations Enterprise は、一般的な大きさのサーバ 1 台の場合でも、1,000 万を超える独自のパフォーマンス メトリックの収集と分析をサポートします。このようなスケーラビリティは、1 つの大規模なビジネス サービスから収集されたメトリックにも、多数の小規模なサービスから収集されたメトリックにも適用されます。

• アーキテクチャの柔軟性: VMware vCenter Operations Enterprise では 「リモート コレクタ」 が使用できます。これにより高度なファイアウォール環境や地理的に分離しているマルチ データセンター環境に存在する、raw

パフォーマンス データのソースへ効率的かつ安全にアクセスできます。

• カスタマイズ可能なダッシュボード: VMware vCenter Operations Enterprise では、さまざまな分析の結果が、パフォーマンス ダッシュボードに表示されます。このダッシュボードは、容易に構成でき、リアルタイムで共有、利用が可能です。VMware vCenter Operations Enterprise では、ダッシュボードの設計に、Web 2.0 のドラッグ

アンド ドロップ技術が採用されています。また、業界標準のロール ベースのアクセス コントロール (RBAC) 機能により、経営幹部から窓口担当者まで、ユーザーそれぞれに適切な情報が提供されます。

• コンソールの統合: VMware vCenter Operations Enterprise が分析結果を提示する場所は、vCenter

Operations Enterprise のダッシュボードに限定されません。Smart Alerts、アプリケーションやコンポーネントの健全性スコアなどの分析結果を既存のツールに提供することで、企業の最新のワークフロー ツールおよび手順とのシームレスな統合を図ることができます。

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分析の基盤: 動的しきい値vCenter Operations Enterprise では、各パフォーマンス メトリックの正常な動作を判断する際に高度な手法を

使用しており、これが分析の基盤となっています。前述のとおり、vCenter Operations Enterprise には、さまざま

なパフォーマンス メトリックを分析する機能があります。お客様から収集した数百万のメトリックを調査したところ、

メトリックはそれぞれ大きく異なる特性を持っていることが判明しました。このため、メトリックの正常な動作範囲

を判断する際、ほかの多数の管理ツールのように、1 つの方法または 1 つのアルゴリズムのみを使用することは適切

ではありません。一般の管理ツールは多くの場合、メトリックの分布が古典的なベル型の正規分布曲線に従うという

誤った仮定を基に、メトリック値と平均値との差が標準偏差のある倍数に達した場合、メトリックを基準としたアラート

を生成します。

vCenter Operations Enterprise では、さまざまな方法を継続的に活用してそれらを相互に実行し、時間単位で指定

した各パフォーマンス メトリックの正常な動作範囲、つまり動的しきい値を生成します。

vCenter Operations Enterprise の優れたアプローチにより、次に挙げる方法を適用して、メトリックの正常な動作

範囲を判断できます。

• 直線的な動作の検出 (特定の形式のディスク使用率など)

• オン / オフなど 「2 つの状態」 の動作の検出 (可用性の測定など)

• 離散値の動作の検出 (データベースへのユーザー接続数、アクティブな JMV 数など)

• カレンダー サイクルに関連する循環パターン動作の検出 (週次、月次など)

• カレンダー以外の循環パターン動作の検出 (多峰性分布など)

• 非時系列の疎データの動作の検出 (日次、週次、月次の 「バッチ」 データなど)

図 1 には、学習を通じて決定された、あるパフォーマンス メトリックの動的しきい値が示されています。この例では、

すべての Web サーバ上で特定の公開アプリケーションに関して測定された平均ヒット数 「Avg Hits」 を表す Super

Metric™ が使用されました。vCenter Operations Enterprise の Super Metric 独自の機能については、のちほど

詳述します。青い線 (メトリックの実際の値) の上下を囲む薄い青色の領域が時間ごとに調整されていることに注目

してください。薄い青色のゾーンで示された動的しきい値の基準になっているのは、vCenter Operations

Enterprise の高度な手法を用いた、メトリックのパフォーマンス履歴に対する評価のみです。メトリックの動作範囲

に関するルール、テンプレート、または事前の予想などは反映されていません。

図 1: 動的しきい値の例

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この図でもう 1 つ明らかな点は、1 日のうちで、このメトリックのオフピークの時間帯には動的しきい値の範囲が狭く

なり、ピークの時間帯には動的しきい値の範囲が広くなるということです。これは、1 日のうちのオフピーク時間帯

では測定値のばらつきが小さいため、予想される動作の範囲を狭くできると VMware vCenter Operations

Enterprise が自動的に判断したためです。一方、ピーク時間帯の測定値の履歴では、ばらつきが大きいことから、

範囲を広げる必要があると判断しています。こうした処理を行わないと、不要な誤検出や、逆に、異常な状況で不検出

が発生する原因になります。

メリット: VMware vCenter Operations Enterprise の高度な動的しきい値機能を使用すると、ネットワーク データ、

オペレーティング システム データ、アプリケーション データ、ユーザー使用環境のデータ、トランザクション データ、

バッチ データ、業務データなど、あらゆるタイプのデータ分析を自動的かつ正確に行うことができます。また、従来の

監視ツールによって収集されたデータも分析の対象になります。vCenter Operations Enterprise では、このように

柔軟に、従来のマルチティア アプリケーション、バッチ アプリケーション、カスタム アプリケーションなどあらゆる

タイプのアプリケーションを分析できます。ルールやテンプレートは不要です。

スマート アラート分析ここまでは、メトリック レベルの動的しきい値についてと、異常動作を示すメトリックを個別に検出する vCenter

Operations Enterprise の機能について説明しました。次に、vCenter Operations Enterprise が潜在的な異常状況

を検知する機能を活用し、オートパイロット パフォーマンス ダッシュボード、Smart Alerts、およびオンデマンド

分析を通じて、パフォーマンス情報を提示する方法について説明します。

アプリケーションまたはサービスで新しい問題が発生する際、最初の兆候が、そのアプリケーションに関連する

パフォーマンス メトリックの異常動作として表れることは明らかです。このようなメトリック レベルの異常検出を

適切な精度で行うことにより、アプリケーションに発生する異常に対して全体レベルを監視し、問題発生の初期段階に

早期の警告としてその監視内容を利用することができます。これが vCenter Operations Enterprise の Smart Alerts

の主要機能です。この機能は、重要なアプリケーションまたはビジネス サービスに、通常アプリケーションで発生する

数よりも多くの異常動作が発生する場合、早期に警告を示します。

重要な点は、vCenter Operations Enterprise は、1 つのメトリックまたはある決まったメトリックの組み合わせが

異常動作を示した場合、これらすべてを通知するわけではないことです。実際、本番アプリケーションでは、常に複数

のメトリックが異常動作を示しています。これらは想定される範囲内の、取るに足らないシステム 「ノイズ」 と見なさ

れます。VMware vCenter Operations Enterprise には、アプリケーションの通常の 「ノイズ」 レベルを学習する

機能があります。想定される 「ノイズ」 レベルを超える異常動作を vCenter Operations Enterprise が検出すると、

ユーザーへの注意を喚起するため、アプリケーションで問題が発生しつつあることを警告するスマート アラートが送信

されます。Smart Alerts は、vCenter Operations Enterprise のアラートの概要を示すダッシュボードや E メール

など、さまざまな方法で利用できます。また、既存のプロセスをサポートするために、適切なシステム管理コンソール

に送信することも可能です。

お客様からは、Smart Alerts の早期警告機能が効果的であるという声が VMware に頻繁に寄せられています。新たに

発生しつつある問題は、Smart Alerts によって早い段階で検知されるため、エンド ユーザーへの影響を回避できま

す。事前に問題に対処できるため、問題の発生後に、エンド ユーザーから直接報告を受けることもなくなります。

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次の vCenter Operations Enterprise のスクリーンショットには、本番アプリケーションに関する異常状態の極端

な例が示されています。図 2 では、動的しきい値を逸脱しているメトリック数が時間の経過とともに縦軸 (y 軸) に

沿って示されています。この例では、従来のマルチティア アプリケーションが使用され、Web サーバ層、アプリケー

ション サーバ層、データベース サーバ層のパフォーマンス メトリック、およびユーザーの応答時間とビジネス

パフォーマンス データが分析対象になっていますが、この手法はあらゆるアプリケーションに当てはめることができ

ます。図 2 の下側には、異常時のピーク時間帯付近の情報が拡大表示されています。「ノイズ レベル」 (赤線) に注目

してください。この線を超えたことが vCenter Operations Enterprise で検出されると、アプリケーション レベル

で早期の警告を行うスマート アラートが通知され、管理者に注意を促します。

図 2: 異常なメトリックの数と算出されたノイズ レベル。下の画像ではピーク時間近辺を拡大して表示

スマート アラートのトリガ ポイント

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vCenter Operations Enterprise は、アプリケーションの問題が発生すると、その初期段階に警告を通知します。

では、その問題が与える影響と根本原因をどのように判断し、提示するのでしょうか。図 3 は、vCenter Operations

Enterprise のスマート アラートの概要ページの例です。スマート アラートが生成された理由も表示されます。

vCenter Operations Enterprise は、さまざまな理由でスマート アラートを生成します。これは、図 2 の例で説明

した 「異常が多すぎる」 ことを示す早期警告のスマート アラートです。アラートの概要の左下のセクションには、

該当アプリケーションがどのような影響を受けるかが、ただちに表示されます。概要ページの右側のセクションには、

vCenter Operations Enterprise の根本原因を探るアルゴリズムによって、基盤となる層 / リソース / メトリック

の異常動作を分析した結果が示されるため、最初にどこに注意を向けるべきかを判断できます。図 3 の事例では、

vCenter Operations Enterprise が、「データベース層」 に根本原因があると判断し、調査が必要な重要メトリック

としてデータベースの 「number of deadlocks | sec」 および 「work queue lengths」 を挙げています。メトリック

の右にメトリックの収集元が示されます。この事例では HP SiteScope です。

図 3: VMware vCenter Operations Enterprise による根本原因の特定

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VMware vCenter Operations Enterprise では、必要に応じて追加の詳細情報を確認できます。たとえば、図 4 には、

問題と同時期に発生した重要イベントを確認できる、マッシュアップと呼ばれるビューが示されています。このような

イベントには、新しいソフトウェアの展開、ハードウェアのサイズ変更、計画的および計画外のメンテナンスなどの

変更イベントが含まれます。図 5 の上側の画像は、不正な挙動が発生するまでのタイムラインを示しています。これに

より、最初に異常を示したメトリックがわかります。図 5 の 2 番目の画像には、ユーザーが選択した個々のメトリック

のグラフが並べて表示されています。こうしたさまざまなビューを使用することで、アラートの概要ページに示され

る情報以上の、詳細な分析を行うことができます。

図 4: マッシュアップ ビュー

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メリット: VMware vCenter Operations Enterprise の Smart Alerts は、従来の監視ツールやユーザーが問題

を認識するよりもかなり早い段階で、パフォーマンス上の問題についての警告を示します。また、Smart Alerts は、

問題の解決に最適な担当者を特定し、その担当者に単なるデータではなく、情報を提供します。こうした情報により、

完全な解決までには至らなくても、迅速な改善が可能になります。

図 5: タイムライン ビューとメトリック ビュー

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オートパイロット パフォーマンス ダッシュボードvCenter Operations Enterprise の Smart Alerts は、使用環境内で新たに発生しつつあるパフォーマンスの問題に

ついて、特別な注意が必要な場合に警告を示します。これにより、IT 運用担当者は、IT 環境の健全性に関する情報を

事前に取得するため、vCenter Operations Enterprise のパフォーマンス ダッシュボードを安心して操作できます。

たとえば、旅客機のパイロットは、人間の手による操縦が必要なときに 「オートパイロット」 機能が明確な警告を行う

と知っていれば、飛行中さまざまな目盛り盤や計器類を確認する際、安心感が高まることでしょう。vCenter

Operations Enterprise の Smart Alerts も同様に、「人的な操作」 が必要なときは、ユーザーに必ず通知します。

vCenter Operations Enterprise のさまざまなユーザーは、パフォーマンス ダッシュボードの単一のウィンドウを

効率的に操作し、企業全体のシステムを構成するデバイス、サイロ、およびアプリケーションの健全性をリアルタイム

で確認できます。

VMware vCenter Operations Enterprise のロール ベースのパフォーマンス ダッシュボードは、メトリックの動作

を個々に分析し、その情報を活用することで企業のシステムの一部または全体の健全性を判断します。個々のサーバや

デバイスの健全性、デバイスの集合 (「ウェブ層」 や、一連のデータベースといったテクノロジー サイロなど) の総合的

な健全性、またはアプリケーション全体やビジネス サービス全体の健全性も、判断の対象になります。実際、

vCenter Operations Enterprise のアーキテクチャは柔軟性に優れているため、希望のリソースの 「コンテナ」 を

選択し、その健全性を自動的に計算できます。これらの 「健全性スコア」 は、ユーザーの役割に合わせて表示できます。

24 時間 365 日稼動するコールセンターに勤務する窓口担当者、問題の特定と解決を担当するシニア エンジニア、

ミッション クリティカルなサービスのリアルタイムのパフォーマンスについて詳細情報を入手したいアプリケーション

担当者、自社の情報を概略的に把握したい経営幹部など、立場に合わせた情報の利用が可能です。

図 6 のスクリーンショットは、vCenter Operations Enterprise により生成される、さまざまな表示方法の健全性

スコアを示したものです。大半は、数字と色で健全性スコアが示されていますが、一部は色だけで示されています。

大規模な環境では、色だけの表示によって、大量のデータを把握しやすい形式で確認できます。健全性を色だけで示す

表示方法の例として、「ヒートマップ」 ビューが挙げられます。

図 6: vCenter Operations Enterprise の 「健全性スコア」 をさまざまな方法で視覚的に表示。VMware vCenter Operations Enterprise では、あらゆる要素 (サーバ、デバイス、サーバ グループ (層)、アプリケーション全体、アプリケーションのグループなど) の健全性を分析可能

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vCenter Operations Enterprise の承認されたユーザーは、こうした視覚的なパネル (ウィジェット) の組み合わせや

フィルタリングにより、対話形式のダッシュボードを好きな数だけ作成できます。プログラミングや難しいトレーニング

は一切不要です。vCenter Operations Enterprise のインターフェイスでは、直感的なドラッグ アンド ドロップ操作

で新しいダッシュボードを設計し、ユーザーやロールに公開することができます。vCenter Operations Enterprise

では、ロールベースのアクセス コントロール (RBAC) を完全にサポートしており、これを利用できます。また、

ダッシュボードの 「テンプレート」 を作成し、必要に応じてほかのユーザーまたはロールと共有することが可能です。

vCenter Operations Enterprise は、この柔軟性に優れた表示機能と、パフォーマンス データの任意またはすべての

ソースを対象としたデータ分析機能を組み合わせることで、誰でも利用できる参照資料、または、皆が共通して利用

できるフォーマットを提供し、チームの共同作業を効率化します。これにより、アプリケーション サーバの担当者、

データベース管理者、またはネットワーク エンジニアは、各自の担当範囲に限定されずに、情報を入手できるように

なります。さまざまな技術担当者が、テクノロジーの正常な動作について共通の認識を持ち、共通のスコア カード

(健全性スコア) を利用して、同一のビジネス サービスまたはアプリケーションを構成するすべてのテクノロジー

コンポーネントを参照し、比較することができます。図 7 は、ロール ベースのパフォーマンス ダッシュボードの例

を示したものです。

この視覚的なダッシュボードは、重要なビジネス サービスで発生した大きな問題について、ユーザーへ警告すること

を目的としたものではありません。警告の役割は、vCenter Operations Enterprise の Smart Alerts が担います。

ダッシュボードの主な目的は、重要なサービスのパフォーマンス情報をリアルタイムで提供し、この情報と、サービス

をサポートするサイロおよび各 IT コンポーネントの正しい動作を関連付けることです。

メリット: VMware vCenter Operations Enterprise のロール ベースのパフォーマンス ダッシュボードには、

アプリケーション、テクノロジー サイロ、個々のリソースから、各メトリックの正常動作範囲まで、IT 環境のあらゆる

側面の健全性に関する情報が、リアルタイムで表示されます。これにより、パフォーマンスの動作に関する理解が統一

され、企業全体で同じ情報を共有することで、パフォーマンスに関連する問題に協力して取り組むことができます。

図 7: vCenter Operations Enterprise のロール ベースのパフォーマンス ダッシュボードの例。VMware vCenter Operations Enterprise では、ウィジェットを好きな数だけ組み合わせて使いやすいダッシュボードを作成できる。プログラミングは必要なく、GUI のドラッグ アンド ドロップ操作で容易に実行可能。

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オンデマンド分析VMware vCenter Operations Enterprise のオンデマンド分析機能を使用すると、アプリケーションや、アプリケー

ションをサポートする IT システムの動作パターンを深く理解することができます。これにより、IT 担当者はミッション

クリティカルなアプリケーションをサポートする運用インフラストラクチャを最適化できます。

IT 担当者は、IT リソースの動作の全体的な傾向について、詳細を把握できます。時間の経過とともにパフォーマンス

が大きく低下しているリソース、深刻な問題に関与しているアプリケーション内の特定のテクノロジー層、または

体系的な原因により発生し、最も頻繁に発生している問題も特定できます。このような情報を活用することで、問題

を回避し、問題にプロアクティブに対応することが可能になります。

図 8 は、vCenter Operations Enterprise による、「最も問題のある」 リソースまたは 「最も変動が大きい」 リソース

の表示方法の一例です。同様の方法で、問題のあるリソースだけでなく、問題のあるテクノロジー層やコンポーネント、

さらには最も問題のあるアプリケーションも特定できます。

オンデマンド分析には、個別のテクノロジー層を並べて表示する機能もあり、これも IT 運用の最適化に利用できます。

図 9 には、アプリケーション全体 (Account Management App) と、アプリケーションを構成するさまざまな

テクノロジー層 (「データベース層」、「アプリケーション層」、「Web 層」) の異常レベル、すなわち、異常動作を示し

ているパフォーマンス メトリックの数が示されています。異常動作が最初に急上昇した層 (データベース層) と、その

問題の影響をあとから受けた層が vCenter Operations Enterprise でどのように示されるのかを確認できます。

図 8: 健全性スコアが低いまたは変動の大きいリソース / テクノロジー層を示すオンデマンド分析の例

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メリット: VMware vCenter Operations Enterprise のオンデマンド分析では、ミッション クリティカルな IT

システムのパフォーマンスを最適化するため、リソース / 層 / アプリケーション間の関係を詳細に確認できます。

まとめVMware vCenter Operations Enterprise では、IT 環境のパフォーマンスを総合的に分析して、ミッション クリ

ティカルなアプリケーションおよびサービスの健全性を詳細に把握できます。また、新たに発生しつつあるアプリケー

ション レベルの問題については、Smart Alertsによる早期の警告や、問題が及ぼす影響と根本原因の分析機能を

利用できます。アプリケーションの定常作業時には、構成が容易で見やすく、柔軟性に優れたロール ベースのパフォー

マンス ダッシュボードから情報を取得して活用できます。VMware vCenter Operations Enterprise が提供する

オンデマンド分析を使用すると、さまざまな相関関係と長期的傾向が把握できます。これは、企業システムのパフォー

マンスの最適化に使用できます。VMware vCenter Operations Enterprise は、企業に先進的なパフォーマンス管理を

もたらします。

図 9: 異常動作を示したアプリケーションの相互比較の例。各チャートに、異常動作を示すメトリック数が表示されている。

注目ポイント: 早期の警告を行うスマート アラートがこの時点でトリガされた

このポイントに至るまでのデータベース層、アプリケーション層、Web 層の状況を確認。異常発生の初期段階で最初に兆候が見られるのが

データベース層であることに注目

VMware vCenter Operations Enterprise 企業向け自動運用管理

ヴイエムウェア株式会社 〒 105-0013 東京都港区浜松町 1-30-5 浜松町スクエア 13F www.vmware.com/jpCopyright © 2011 VMware, Inc. All rights reserved. 本製品は、米国および国際的な著作権法および知的財産法によって保護されています。VMware の製品は、http://www.vmware.com/go/patents のリストに表示 されている 1 つまたは複数の特許の対象です。VMware は、米国およびその他の地域における VMware, Inc. の登録商標または商標です。他のすべての名称ならびに製品についての商標は、それぞれの所有者の商標または 登録商標です。アイテム No.: VMW-TECH-WP-vC-OPS-AUTOMATED-OPS-MNGMENT-A4-102

本資料は原題 「VMware vCenter™ Operations Enterprise: Automated Operations Management for Your Enterprise」 の翻訳版です。