vol.36 no.4 march 2020 - jiho.co.jp

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ファームテクジャパン 第36巻第4号 2020年3月1日発行(毎月1回1日発行) Vol.36 No.4 March 2020

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Page 1: Vol.36 No.4 March 2020 - jiho.co.jp

Vol.36 No.4 M

arch 2020

ファームテクジャパン 第36巻第4号 2020年3月1日発行(毎月1回1日発行)

Vol.36 No.4 March 2020

発行所

じほう

(株)

二〇二〇年三月一日発行(毎月一日発行)

©

〒  

 東京都千代田区神田猿楽町一│五│一五 猿楽町SSビル

TEL

03│

3233│

6364(編集)3233│

6336(購読)

3233│

6341(広告営業)

101-8421

定価﹇本体二、〇〇〇円+税﹈

Page 2: Vol.36 No.4 March 2020 - jiho.co.jp

REPORT

██ █GDP研究班が成果報告会を開催█ █業界のニーズを把握し,ガイドラインのさらなる普及と浸透へ█  16

ベンチャー企業 INTERVIEW

██ █株式会社Epsilon█Molecular█Engineering█ █分子エンジニア力で新規抗体創薬█  20

██ █サスメド株式会社█ICTで労働集約的な業務を効率化█  22

CPhI開催 ██ █原薬,製剤,バイオなど過去最大7つのテーマで開催█  25

原薬・添加剤特集●❶ █バルサルタン,ラニチジンのニトロソアミン混入問題について█ █四方田千佳子█  31

●●❷ █【若手製剤研究者必読!単位操作から見た固形製剤(第19回)】█ █OD錠に使用される添加剤のこれまでの変遷 竹内洋文,竹内淑子█  39

❸ █FDAドラフトガイダンス「ドラッグマスターファイル」の要点 服部宗孝█  47❹ █超高速直打の解析と評価-添加剤特性と含量均一性- 槙野 正█  59

PHARM TECH JAPAN ONLINE

██ 2020年1月度,月間閲覧ランキング█  65██ PHARM█TECH█JAPAN█バックナンバー█2020年1月度,閲覧ランキング█  67

ARTICLES

██ 経営者に向けた医薬品品質システム講座(その3) 寶田哲仁,櫻井信豪█  7██ 医薬品の物性評価 Q&A 質問募集 日本薬剤学会物性FG█  69██ █セルバンクの“clonality”について考える(第2回) 菅原敬信,築山美奈█  71██  対談█嶽北先生が訊く█再生医療のいまと未来(第8回)

 細胞加工製品における品質の考え方(3/3) 佐藤陽治氏×嶽北和宏氏█  75██  核酸医薬品の創出に向けた産官学の取り組み(第5回)

 ヘテロ2本鎖核酸 柳平 貢,吉岡耕太郎,登利屋修一,横田隆徳█  81

◇編集顧問大矢晴彦█ 横浜国立大学名誉教授

◇編集委員川嶋嘉明█ �愛知学院大学特任教

授・岐阜薬科大学名誉教授

園部  尚█ �地域創生ビジョン研究所代表組合員

永井恒司█ (財)永井記念薬学国際█ 交流財団理事長長江晴男█ NPO-QAセンター█ 代表副理事

CONTENTS製剤技術とGMPの最先端技術情報誌

(Vol.36█No.4) 32020

3(583) Vol.36 No.4(2020)

Page 3: Vol.36 No.4 March 2020 - jiho.co.jp

██  次世代シーケンシングによるバイオ医薬品等のウイルス安全性評価(番外編3)

 AVDTIG Face to Faceミーティング参加報告 平澤竜太郎  89██  進め!! 医療薬学研究(第5回)

 臨床薬物動態学に関連した研究 三浦昌朋  95 █  アミロイドPETを活用したアルツハイマー治療薬の開発 ―AIを活用した撮像・読影の標準化― 矢野恒夫  101

██  「冷たいWFI」は製造できるのか?(その1)

 ~日本でのRO/UFによるWFI製造経過とあわせて~ 布目 温  105 █  生命とは何か? 生命・病気・死の新しい人間モデル ― 人工知能とバイオエレクトロニック医学の研究者たちの挑戦(その4)最終回 ハンス ロウエンバーガー,(訳)木村 豪  111

█  ISPE 日本本部 2019年度冬季大会レポート 清水佳織  115 █  医薬品の開発,登録,製品化,およびライフサイクルの迅速化 CMC講座 第2部 Christopher J. Potter, PhD, Huimin Yuan, Nina S. Cauchon, PhD, RAC, Liuquan Lucy Chang, Derek Blaettler, Daniel W. Kim, PharmD, Peter G. Millili, PhD, Gregory Mazzola, Terrance Ocheltree, PhD, RPh, Stephen M. Tyler, Geraldine Taber, PhD, and Timothy J. Watson

(監修)川上浩司,(翻訳)野田雅裕  120 █ 製剤研究者が注目する一押しトピック  135 █ 医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団ニュース(No.149) 津田重城  139

Study of GMP

██  █中小規模組織におけるQRMのインフラ整備(第27回)

 クラスルームトレーニングトレーナー 柳澤徳雄  145

製剤技術

█  製剤と粒子設計 第12回 標準処方研究フォーラム印象記 鈴木拓麻  152

●News Topics 155

■World News Topics 158ガイドライン関連,品質関連,警告書関連

◆次号予告 176

CONTENTS

製剤技術とGMPの最先端技術情報誌 2020

(Vol.36 No.4) 3

5(585) Vol.36 No.4(2020)

Page 4: Vol.36 No.4 March 2020 - jiho.co.jp

 経営者に向けた医薬品品質システム講座と題して,そ

の11)で経営陣の責任,その22)でPQSの要素(以下,

PQS Elements)について解説した。シリーズ最終となる

その3で,「達成のための手法」(以下,Enablers)や,

組織内での情報伝達システム等の導入時のポイントを解

説 す る。 ま た, 本 稿 の 最 後 に は, コ ラ ム と し て,

Q-Trioを理解する上で重要な概念について触れる。なお,

本シリーズはPQSガイドライン(Q10)の作成に関わった

経験からPQSの本質を説明するものであって,規制に関

するPMDAの見解を述べるものではないことに重ねて

ご留意いただきたい。

Point:

◦ Enablersは,知識管理と品質リスクマネジメントで,

PQS Elementsを運用する上で根底となる概念である。

 Enablersについては,本シリーズその2で,「目標を

達成するための手段を提供する手法又はプロセス」と定

義されることを解説した。PQS Elementsとの違いは,

PQS Elementsが 具 体 的 な 手 順 を 表 す の に 対 し て,

Enablersは,その手順を進める上で活用されるべき共通

の概念である。したがって,モニタリングシステムを運

用するにしても,変更マネジメントを運用するにしても,

はじめに

1.Enablers

知識管理や品質リスクマネジメント(以下,QRM)は,

それらの根底にある概念として認識しておく必要がある。

 もっとも,Q10の専門家会議では,当初からこのよう

に整理されたものとしてこのガイドラインを構築したも

のではなく,PQSを運用する上で重要な要素は何かを時

間をかけて議論した結果,PQS ElementsとEnablersと

いった概念に整理されてきたという経緯がある3)。

 Enablersには知識管理とQRMがある。この2つの概

念の詳細は後ほど解説するが,背景としては,Q-trioが

作成されるにあたって,2003年のICHの品質領域におけ

る非公式会合で,「科学とリスクに基づく品質システム

を構築する」というビジョンが掲げられたことによる。

すなわち,サイエンスベースというところから知識管理,

リスクベースというところからQRMが立てられ,PQS

を進める上でのいわば両輪といった形で定義されてきた

といえる。

Point:

◦ 「知識」は,製品ごとに医薬品開発段階で得られた

情報や商業生産時にも製品ごとに得られる情報で,

この用語はQ8に由来している。

◦ Q10で定義する知識管理は,「情報」のライフサイ

クル管理である。

 知識管理について説明する前に,まず,経営陣に馴染み

が深い企業経営での知識管理について触れたい。一般的

2.知識管理

(その3)経営者に向けた医薬品品質システム講座

独立行政法人 医薬品医療機器総合機構

医薬品品質管理部1),執行役員2)

寶田哲仁1),櫻井信豪2)

TeTsuhiTo Takarada1), shingo sakurai2)

Office of Manufacturing Quality for Drugs1), Associate Executive Director2),Pharmaceuticals and Medical Devices Agency(PMDA)

PQS—A Commentary for the Senior Management -3

7(587) Vol.36 No.4(2020)

Page 5: Vol.36 No.4 March 2020 - jiho.co.jp

 医薬品のグローバル化の流れの中で,その原薬の品質

にかかわる問題が国際的に取り上げられている。最近,

バルサルタン,ラニチジン原薬やその製剤中に,ヒトへ

の発がん性が疑われるニトロソアミンが検出され,各国

で回収が相次いだ。これらの問題は,医薬品の製造,流

通の国際化に伴い,対応しなくてはならない問題点が露

呈してきたものと思われ,これまでの経緯と現状,今後

の動きについてまとめてみたい。

(1)2018年7月から12月の動き この問題は欧州医薬品庁(EMA)に端を発している。

EMAは201 8年7月5日に,Z h e j i a n g H u a h a i

Pharmaceutical(以後Huahai)社が製造したバルサルタン

原薬に,ヒトへの発がん性が疑われる物質であるN-ニ

トロソジメチルアミン(NDMA)が検出されたと公表した。

EMAは,さらに,7月17日にはバルサルタンの類縁物

質ではないために混在は想定外で,製造工程の変更,特

に2012年に溶媒を変更したことによる可能性があると示

唆した。試験方法がヘッドスペースガスクロマトグラ

フィー(GC)であり,NDMAはICH Q3Cに基づく残留溶

媒試験により,たまたま未知ピークとして見出されたも

の で あ っ た1)。 8 月 に は, さ ら に,Zhejiang Tianyu

はじめに

1.�バルサルタン系医薬品におけるニトロソアミン混入問題

Pharmaceutical(Tianyu)社の原薬からもNDMAが検出

され,9月にはHuahai社の,製造時の溶媒を変更する

前の原薬からN-ニトロソジエチルアミン(NDEA)も検

出されたことが示され,複雑な要因が示唆された。

EMAは10月には,インドのAurobindo社のイルベサル

タンからNDEAが検出されて供給停止となったことを報

告し,サルタン系医薬品全体への広がりとなっていった。

 米国医薬品食品局(FDA)は,2018年7月13日に,

NDMAが検出されたバルサルタン含有5製剤を回収し

たと報道し,その後回収の報告が相次いだ。この間に,

FDAは8月20日の声明など数度にわたるコメントを発

表しているが,その中で,バルサルタンのように,有効

成分の不純物ではなく,製造工程の溶媒や試薬の反応に

よって生成するものを予測するのは時に難しく,存在が

予測されないものは分析できていないため,GMP査察

により見出すことはできない。したがって,バルサルタ

ンのような事例では,医薬品の製造過程において製法が

変更されたときには生じうるリスクを可能な限り検討す

ること,また,製造に使用する溶媒などのリサイクルが

どのように行われているかなどを確認しておく必要があ

ると述べている。その後,米国ではバルサルタン以外で,

10月にはイルベサルタンからNDEAが, 11月にはロサル

タンからNDEAが検出された。

 わが国におけるバルサルタンに関する動きは,2018年

7月6日にあすか製薬が,海外規制当局の情報を基に,

Huahai製原薬による製剤を自主回収(クラスⅠ)すると

発表した。その後,9月7日に,「バルサルタン製剤に

おける発がん物質の検出に対する対応について」の事務

バルサルタン,ラニチジンのニトロソアミン混入問題について

神戸薬科大学

四方田千佳子Chikako Yomota

Kobe Pharmaceutical University

Contamination of nitrosamines in valsartan and ranitidine products

原薬・添加剤特集①

31(611) Vol.36 No.4(2020)

Page 6: Vol.36 No.4 March 2020 - jiho.co.jp

 粉体の圧縮成形は,医薬品固形製剤設計にとって基盤

となる技術であり,古くより各製薬メーカーを中心に幅

広い検討,技術蓄積がなされている1, 2)。近年では,日

本薬局方にも規定され,普及が進んでいる口腔内崩壊錠

(OD錠)は,一般的に速やかな崩壊性と通常の錠剤と同

じ硬度を併せ持つ必要がある。この錠剤特性を達成する

ため,錠剤を形作る賦形剤をはじめとする各種医薬品添

加剤,製法開発が進められてきた3〜5)。本稿では,医薬

品添加剤の開発に焦点を絞り,これまでの変遷,現状を

概観し,今後の展開に関しても述べたい。

 錠剤の最も一般的な賦形剤としては,乳糖を真っ先に

あげることができよう。標準処方研究会で長年にわたっ

て基本としている処方も,乳糖,コーンスターチ(7:

3)であり,造粒,打錠に関する数多くのデータも存在

する。乳糖は多くの圧縮成形の研究でも,モデル処方等

に代表的な賦形剤として使用されている。また,直接打

錠用の乳糖も各社で開発されているが,ぞれぞれの特徴,

薬物との相性等の理由で,処方設計の際に適切なメー

カーおよびグレードが選択されていると思われる。一方,

結晶セルロースも代表的な賦形剤としてあげることがで

きる。歴史的には,結晶セルロースが賦形剤として開発

されて初めて直接打錠が可能になったといわれている。

こちらも,さまざまな特徴のあるグレードの製品がライ

ンアップされている。

 口腔内崩壊錠の設計に関しては,これら古典的ともい

はじめに

1.�OD錠(口腔内崩壊錠)設計と� �賦形剤

える賦形剤では速やかな崩壊特性という観点で対応でき

ない部分があり,新たな賦形剤の選択,処方設計が検討

されてきた。実際の製品に使用されている添加剤のデー

タに基づいて見てみると,マンニトールが最も汎用され

ている。増田氏の調査4)によると,ブランド品45品目に

関しては,マンニトールは36品目に処方されているとの

結果が報告されている。同調査では,結晶セルロースも

20品目と数は多いが,成形性向上の補助用に処方されて

いる可能性も高い。また,別記する直打用のプレミック

ス製品にも配合されており,これを用いた製品も含まれ

ていると推定される。このほかに,リン酸水素カルシウ

ム,メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等の無機物の一

部もOD錠用に開発されたプレミックス製品での使用が

推定される。

 口腔内崩壊錠の賦形剤は,溶解性に優れることが望ま

れる。糖類は全般的には溶解性に優れるが,極めて溶解

性が高く,成形性にも優れるソルビトール等の糖類は一

般的に吸湿性が高い。吸湿性が高い場合は,得られた錠

剤の硬度に経時変化が大きく現れる恐れもあり,賦形剤

としてはほとんど採用されていない。吸湿性の低い糖類

としては,マンニトール,エリスリトール,キシリトー

ル等をあげることができる。このなかでは,ソルビトー

ルと比較すると溶解性,成形性は相対的に劣るが,結晶

性が高く,吸湿性の低いマンニトールが汎用されている。

 成形性の低い物質を賦形剤として錠剤を調製するため

に,これまでにさまざまな製錠プロセスでの工夫がなさ

れてきた4)。例えば,わが国の代表的なOD錠の1つと

して知られているWOWTABの基本技術(WOWTAB-

2.�マンニトールの粉体特性と� �直接打錠用製品

OD錠に使用される添加剤のこれまでの変遷

岐阜薬科大学 先進製薬プロセス工学研究室

竹内洋文,竹内淑子Hirofumi TakeucHi, YosHiko TakeucHi

Laboratory of Advanced Pharmaceutical Process Engineering, Gifu Pharmaceutical University

Development on Pharmaceutical Excipients for OD tablets

原薬・添加剤特集②【若手製剤研究者必読!単位操作から見た固形製剤(第19回)】

39(619) Vol.36 No.4(2020)

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 2019年10月18日に「Drug Master Files(ドラッグマス

ターファイル)」のドラフトガイダンス1)が米国FDAの

ウェブサイトに公開された。

 ドラッグマスターファイル(DMF)についてはすでに

1989年にガイダンス2)が発出されているが,今回は約30

年ぶりにこれを改訂するため,まずはパブリックコメン

トを求める形で発出された。すなわち,現時点ではまだ

1989年のガイダンスが有効であるが,すでに一部ではい

ろいろなガイダンスや通知によって修正が加えられてお

り,1989年のガイダンスは現状に合わなくなってきてい

るのも事実である。

 例えば,1989年のガイダンスではタイプⅠからVまで

の5種のDMFがあったが,2000年にはタイプⅠのDMF

は廃止されている。また,2015年5月の業界向けガイダ

ンス「電子書式による薬事申請-eCTDの仕様を用いた

特定のヒト用医薬品の申請及び関連する登録申請(改訂

3版)」3)では,2017年5月からは,DMFはeCTDのフォー

マットで提出することが求められた。

 実際には,eCTDによる申請は,タイプⅢを除くDMF

に関して2018年5月5日から必須となっている。タイプ

ⅢのeCTD申請については2020年5月から必須となるよ

うに延期されているが,最新のドラフトガイダンス「電

子書式による薬事申請-eCTDの仕様を用いた特定のヒ

ト用医薬品の申請及び関連する登録申請(改訂7版)」4)

では,タイプⅢのDMFはeCTD申請の対象から除外さ

れることになった。さらに,このドラフトガイダンスで

は,特定の原薬に関するタイプIIのDMFもeCTD申請が

除外または免除されることになった。除外される対象は,

非商業用INDをサポートするためのDMFおよび特定の

PET薬の申請書をサポートするDMFである。

 また,最近の規制当局が発出する各種文書は,ほとん

どがサイエンス・アンド・リスク-ベース・アプローチ

を採用しており,申請文書においてもその考えが広まり,

DMFについてもその考えを踏襲することになってきて

いる。

 今回のDMFのガイダンスの改訂もこれらの流れに沿っ

たものであり,サイエンス・アンド・リスク-ベース・

アプローチによりDMFを作成すべきとの意図が読み取

れる。

 しかしながら,一方ではDMFの基本的な考え方,す

なわち,DMF自体はNDA,ANDA,INDやBLAの申請

において,サプライヤの機密情報を申請者やオーナーに

開示することなく申請できるようにするものであること,

また申請書にはDMFを参照することを記載することに

よってFDAが審査できるようにしたものであること,

などに変わりはない。したがって,今回の改訂版は,

DMFの趣旨は踏襲したまま,最近の規制の流れに沿っ

たものへの改訂と言える。このため,ガイダンス文書の

構成も大幅に変更されている。1989年のガイダンスの目

次と今回のドラフトガイダンスの目次をそれぞれ表1と

表2に示したので,構成の違いを比較して確認していた

だきたい。

 以降に本ドラフトガイダンスの要点を,目次の項目に

沿って記述する。

FDAドラフトガイダンス「ドラッグマスターファイル」の要点

個人コンサルタント

服部宗孝Munetaka Hattori

Independent Consultant

Key Points Shown in the USFDA Draft Guidancefor Industry “Drug Master Files”

原薬・添加剤特集③

47(627) Vol.36 No.4(2020)

Page 8: Vol.36 No.4 March 2020 - jiho.co.jp

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4月号予告Vol.36 No.5

ARTICLES

Study of GMP

製剤技術

その他

■GxPサプライヤー向けのデータインテグリティ確保� �� ダニーロ・ネリ,ロベルト・ベルティーニ(PQEグループ)

■ISO/TC�198/WG�9の活動概要� 廣瀬志弘(産業技術総合研究所)■バイオ医薬品に残存する宿主細胞由来タンパク質等が免疫原性,� �アジュバント活性及び安全性の観点から臨床試験において問題となった� �ケーススタディ(その1)� 新見伸吾(日本化薬)

■経済性評価に基づく注射剤製造プロセスのロットサイズ決定手法� 杉山弘和(東京大学)■次世代シーケンシングによるバイオ医薬品等のウイルス安全性評価(第10回) � 菅原敬信(日本PDA製薬学会�バイオウイルス委員会,熊本大学)■バイオ医薬品のCMC�薬事担当者養成 ~基礎をおさえ,一歩進んだ次世代CMC�薬事へ~(第2回)� 李 仁義(神戸大学)■今さら聞けない「QbDって何?」� �―医薬品品質保証のパラダイムシフト―(第13回)� 岡崎公哉(GSK)

■核酸医薬品の創出に向けた産官学の取り組み(第6回)�siRNA,高分子ミセル � 片岡一則(ナノ医療イノベーションセンター)■粉体シミュレーションの医薬品製造への応用(その2)� 酒井幹夫(東京大学)■若手製剤研究者必読!単位操作から見た固形製剤(第19回) 打錠機のパラメータと成形物特性� 藤崎克人(菊水製作所)■製剤研究者が注目する一押しトピック■乾式製造プロセスによる固形製剤化に関する基礎的研究 � 寺下敬次郎(大阪ライフサイエンスラボ),牛島悠太,松井 航,長門琢也(パウレック)■企業経営と知的財産(第15回)� 宇佐見弘文(知的財産戦略ネットワーク)■進め!! 医療薬学研究(第6回) 臨床製剤学に関連した研究� 兒玉幸修(長崎大学)■医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団ニュース(No.150) � 津田重城(医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団)

■中小規模組織におけるQRMのインフラ整備(第28回)� 柳澤徳雄

■【製剤と粒子設計】�3Dプリンター医薬品・錠剤の研究に関する最近のトピックス� �~アカデミアの立場から~� 田上辰秋,尾関哲也(名古屋市立大学)

■【製剤と粒子設計】CDMOとしての製剤技術戦略� 豊田智淳(シオノギファーマ)■【製剤と粒子設計】第36回製剤と粒子設計シンポジウム印象記� 椎野甲斐(科研製薬)

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