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Windows Server 2003 Exchange Server 2003 によるメール システムを Windows Server 2012 R2 Exchange Server 2013 のホスティングに切り替え、最新の Outlook 2013 利用による業務 の効率化とメール システムのダウンによるリスクの回避を実現 組み込みソフトウェア開発などを手がけるアヴァシス株式会社では、長年 Windows Server 2003 Exchange Server 2003 によるメール システムを利用してきました。しかし、Windows Server 2003 のサポート終了に備えて、同社では最新の Outlook 2013 の利用による効率化とメール シス テムの停止による業務中断リスク回避のために、Windows Server 2012 R2 Exchange Server 2013 による新システムへ移行を決定。当初は自社構築を目指していましたが、技術的な難しさか ら、マイクロソフト パートナー企業である株式会社 TOSYS のホスティング サービス利用に切り替 えました。移行はスムーズに進み、現在もメール システムは順調に稼働。今後は基幹系サーバー Windows Server 2012 R2 標準搭載の Hyper-V による仮想環境に集約する予定です。 導入の背景とねらい 最新の Outlook 2013 が使えないこと、システム ダウン時は 2 日間メールが 使えないことからメール システムの再構築を決定 アヴァシス株式会社 ( 以下、アヴァシス) は、組み込みソフトウェア開発、業務アプリケーション 開発、マニュアル制作、翻訳などを手がける IT サービス企業です。長年の経験から、顧客が漠 然と抱いている要求を一つひとつひも解き、それに応えた品質をお届けすることがソフトウェア 開発にとって最も重要と考え、開発段階では顧客との対話を重視、顧客の要望を明確化しながら 設計と実装を行います。さらに、テスト段階では要求される品質を第三者検証によって確保、納品 後も顧客の成長につながる提案を行い、顧客の挑戦を後押しし続けます。アヴァシス 経営企画室 経営企画担当 マネージャー 河口 敦紀 氏が語ります。 「私たちが、今特に重点を置いているのは人材育成です。チーム制を導入し、5 人ほどのチームで 師弟関係を築き、開発に取り組むことで、個人の成長と開発技術のさらなる向上を目指していま す」。 アヴァシスでは、長年、Windows Server 2003 Exchange Server 2003 を搭載したサーバーで、 自社でメール システムを運用してきました。ハードウェアは 3 年のリース契約で利用していました が、Windows Server 2003 のサポート期限が 2015 7 月に控えていることと、2014 年がサー バーの更新時期に当たることなどから、再構築の検討を始めました。また、Windows Server アクセスする 500 台あまりのクライアント PC の中でも、Outlook 2013 が搭載されている最新 PC では Windows Server 2003 に接続できないため、別途、前バージョンにあたる Outlook 2010 を購入して利用していました。そのため、Outlook 2013 が利用できるメール システムが必 要になっていたのです。アヴァシス 事業サポート部 情報基盤担当 マネージャー 星野 武嘉 氏が語 ります。 「もうひとつの大きな問題は、メール システム がダウンすると復旧までに 2 日程度の時間がか かってしまうことでした。2 日もメールが使えな いと業務に大きな支障をきたす、と経営陣は危 機感を持っていました。そこで、業務中断のリス クを回避できるようにメール システムを一新しよ うということになったのです」。 ソリューション概要 ○プロファイル 1980 年の創立以来、組み込みソフトウェア開発、 業務アプリケーション開発、アプリケーション、 各種ドライバー開発、ソフトウェア第三者検証、 マニュアル制作、翻訳を行ってきた IT サービス 企業です。長野県上田市に本社を置き、上田事 業所、塩尻事業所の 3 つの拠点で、「情報技術に より、環境を守り、経済的で快適、そして安全な 社会の実現に貢献する」を経営理念に、「最も優 れたシステム会社になる」を経営目標に掲げ、事 業に取り組んでいます。 ○導入ソフトウェアとサービス Windows Server 2012 R2 Exchange Server 2013 Hyper-V ○パートナー企業 株式会社 TOSYS ○導入メリット Outlook 2013 の機能のフル活用 メール システムのダウンによる業務中断リスク の回避 メール システム管理業務の負荷軽減 ○ユーザー コメント Windows Server 2012 R2 は信頼性も高く、基 幹系サーバーを仮想化しての集約や統合にも大い に活用できると期待しています」 アヴァシス株式会社 事業サポート部 情報基盤担当 マネージャー 星野 武嘉 アヴァシス株式会社 アヴァシス株式会社

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Page 1: Windows Server 2003 と Exchange Server 2003 シ …download.microsoft.com/download/C/0/7/C0796995-43D9-4EEF...問題もなく Outlook 2013 を使って業務ができるようになりました」。しかし、Windows

Windows Server 2003 と Exchange Server 2003 によるメール システムを Windows Server 2012 R2 と Exchange Server 2013 のホスティングに切り替え、最新の Outlook 2013 利用による業務の効率化とメール システムのダウンによるリスクの回避を実現

組み込みソフトウェア開発などを手がけるアヴァシス株式会社では、長年 Windows Server 2003

と Exchange Server 2003 によるメール システムを利用してきました。しかし、Windows Server

2003 のサポート終了に備えて、同社では最新の Outlook 2013 の利用による効率化とメール システムの停止による業務中断リスク回避のために、Windows Server 2012 R2 と Exchange Server

2013 による新システムへ移行を決定。当初は自社構築を目指していましたが、技術的な難しさから、マイクロソフト パートナー企業である株式会社 TOSYS のホスティング サービス利用に切り替えました。移行はスムーズに進み、現在もメール システムは順調に稼働。今後は基幹系サーバーも Windows Server 2012 R2 標準搭載の Hyper-V による仮想環境に集約する予定です。

導入の背景とねらい最新の Outlook 2013 が使えないこと、システム ダウン時は 2 日間メールが使えないことからメール システムの再構築を決定

アヴァシス株式会社 (以下、アヴァシス ) は、組み込みソフトウェア開発、業務アプリケーション開発、マニュアル制作、翻訳などを手がける IT サービス企業です。長年の経験から、顧客が漠然と抱いている要求を一つひとつひも解き、それに応えた品質をお届けすることがソフトウェア開発にとって最も重要と考え、開発段階では顧客との対話を重視、顧客の要望を明確化しながら設計と実装を行います。さらに、テスト段階では要求される品質を第三者検証によって確保、納品後も顧客の成長につながる提案を行い、顧客の挑戦を後押しし続けます。アヴァシス 経営企画室

経営企画担当 マネージャー 河口 敦紀 氏が語ります。

「私たちが、今特に重点を置いているのは人材育成です。チーム制を導入し、5 人ほどのチームで師弟関係を築き、開発に取り組むことで、個人の成長と開発技術のさらなる向上を目指しています」。

アヴァシスでは、長年、Windows Server 2003 と Exchange Server 2003 を搭載したサーバーで、自社でメール システムを運用してきました。ハードウェアは 3 年のリース契約で利用していましたが、Windows Server 2003 のサポート期限が 2015 年 7 月に控えていることと、2014 年がサーバーの更新時期に当たることなどから、再構築の検討を始めました。また、Windows Server にアクセスする 500 台あまりのクライアント PC の中でも、Outlook 2013 が搭載されている最新の PC では Windows Server 2003 に接続できないため、別途、前バージョンにあたる Outlook

2010 を購入して利用していました。そのため、Outlook 2013 が利用できるメール システムが必要になっていたのです。アヴァシス 事業サポート部 情報基盤担当 マネージャー 星野 武嘉 氏が語ります。

「もうひとつの大きな問題は、メール システムがダウンすると復旧までに 2 日程度の時間がかかってしまうことでした。2 日もメールが使えないと業務に大きな支障をきたす、と経営陣は危機感を持っていました。そこで、業務中断のリスクを回避できるようにメール システムを一新しようということになったのです」。

ソリューション概要

○プロファイル1980 年の創立以来、組み込みソフトウェア開発、業務アプリケーション開発、アプリケーション、各種ドライバー開発、ソフトウェア第三者検証、マニュアル制作、翻訳を行ってきた IT サービス企業です。長野県上田市に本社を置き、上田事業所、塩尻事業所の 3 つの拠点で、「情報技術により、環境を守り、経済的で快適、そして安全な社会の実現に貢献する」を経営理念に、「最も優れたシステム会社になる」を経営目標に掲げ、事業に取り組んでいます。

○導入ソフトウェアとサービス・ Windows Server 2012 R2・ Exchange Server 2013・ Hyper-V

○パートナー企業株式会社 TOSYS

○導入メリット・ Outlook 2013 の機能のフル活用・ メール システムのダウンによる業務中断リスクの回避

・ メール システム管理業務の負荷軽減

○ユーザー コメント「Windows Server 2012 R2 は信頼性も高く、基幹系サーバーを仮想化しての集約や統合にも大いに活用できると期待しています」

アヴァシス株式会社 事業サポート部 情報基盤担当 マネージャー星野 武嘉 氏

アヴァシス株式会社

アヴァシス株式会社

Page 2: Windows Server 2003 と Exchange Server 2003 シ …download.microsoft.com/download/C/0/7/C0796995-43D9-4EEF...問題もなく Outlook 2013 を使って業務ができるようになりました」。しかし、Windows

アヴァシス株式会社

システム導入の経緯ホスティング サービスで Windows Server 2012 R2 と Exchange Server 2013 による新システムの運用負荷を軽減、信頼性も確保

当初、アヴァシスは自社でメール システムを再構築しようと考え、仮想環境上で Exchange Server 2003 から 2007、そこからさらに 2010 に移行するテストを行いました。しかし、テスト段階でも簡単には成功しなかったことから、ユーザーのメール利用を止めずに本番環境で移行するには技術的なハードルが非常に高く、社内では難しいと判断しました。そこで、オンプレミスでの構築をやめて、外部サービスを利用することにしたのです。アヴァシス 事業サポート部 情報基盤担当 山内 俊二郎 氏が語ります。

「当初は 3 か月あまりで移行できると考えていたのですが、Active

Directory の連携がうまく行きませんでした。Active Directory は、メインとなるドメイン コントローラーのほかに、本社と 2 か所の事業所にそれぞれ 1つずつの合計 4 つあり、それらのバージョンが異なっているだけでなく、Active Directory を移行する経験もなかったために問題の所在もつかめなかったのです」。

そこで、アヴァシスでは、ベンダー数社のデータセンター設備や運用開始までの期間などを調べ、運用実績や障害発生時の対応時間などを中心に比較。最終的にマイクロソフト パートナー企業である株式会社 TOSYS (以下、TOSYS) に依頼することを決定しました。TOSYS を選んだのは、本社や事業所のネットワークやスイッチのレイアウト、配線工事や全拠点への IP 電話導入などでもさまざまな取引実績があり、TOSYS 本社が近隣の長野市にあるため、緊急時の対応も迅速に行えると判断したからです。TOSYS クラウドサービス部 クラウドセールスエンジニア 三浦 一城 氏が語ります。

「東京や関西地方にいらっしゃるお客様との経験から、Exchange Server

と Active Directory の取り扱いには自信を持っており、問題の解決策もイメージすることができました。私たちの本社およびデータセンターと

1 時間以内で行き来できるため、何かあった時の対応も万全です」。

このような経緯から、アヴァシスでは TOSYS のデータセンターに

Windows Server 2012 R2 と Exchange Server 2013 をホスティングし、メール システムを運用することを決定しました。

システム概要と構築Exchange Server 2003 から 2010、そして 2013 へと移行はスムーズに完了。移行翌日から Outlook 2013 をフル活用

まずは、アヴァシス社内に Exchange Server 2010 の環境を構築し、Exchange Server 2003 の環境をそのまま移行。そして、それを TOSYS

のデータセンターに構築された Exchange Server 2013 の環境に移しました。アヴァシス 事業サポート部 情報基盤担当 小宮山 創吉 氏が語ります。

「一番気を遣ったのは Exchange Server 2003 から 2010 への移行作業で、メール ボックスにアクセスできない時間が生じることでした。そのため、夜間、1 日に 50 ユーザーずつ移し、従業員が翌朝出勤してきた時には、そのまま使えるようにしました。移行はスムーズに行うことができ、問題もなく Outlook 2013 を使って業務ができるようになりました」。

しかし、Windows Server 2003 と Exchange Server 2003 はボリューム

ライセンスでの購入で 3 年契約だったため、まだ 1 年半ほど利用期間が残っていました。そこで、ソフトウェア アシュアランスによるライセンス

モビリティを活用して、TOSYS の新しい環境にそれを引き継ぎ、二重投資を防いでコストを低減することができました。こうして構築されたメール システムは、TOSYS データセンター内の冗長化された Windows Server 2012 R2 標準搭載の Hyper-V による仮想環境で、Exchange Server 2013 の仮想マシンが稼働、アヴァシスの従業員はそれらを社内ネットワークから利用しています。また、今までは密接な取引関係にある顧客企業とは専用線でやり取りしていましたが、今回のメール システム改変を機にインターネット利用に切り替えました。さらに、Exchange Server を利用することで、TLS

(Transport Layer Security) プロトコルで経路を暗号化してセキュリティを確保し、ネットワーク コストを削減しています。

アヴァシス株式会社経営企画室 経営企画担当マネージャー河口 敦紀 氏

アヴァシス株式会社事業サポート部 情報基盤担当マネージャー星野 武嘉 氏

アヴァシス株式会社事業サポート部 情報基盤担当山内 俊二郎 氏

アヴァシス株式会社事業サポート部情報基盤担当小宮山 創吉 氏

Page 3: Windows Server 2003 と Exchange Server 2003 シ …download.microsoft.com/download/C/0/7/C0796995-43D9-4EEF...問題もなく Outlook 2013 を使って業務ができるようになりました」。しかし、Windows

アヴァシス株式会社

導入効果と今後の展望ホスティング利用も含め、社内の基幹系サーバーの Windows Server 2012 R2 の Hyper-V による仮想環境への集約を計画

今までのメール システムでは、メールの検疫ネットワーク内への隔離やロストなどが起こり、従業員からの問い合わせによる調査業務が発生していました。しかし、新システム移行後は問い合わせがほとんどなくなり、調査業務が不要になりました。さらに、移行コストは自社によるオンプレミスでの構築と比べて、4 分の 1 程度に抑えることができ、運用面でもバックアップを自社で行う必要もなくなり、業務の負担が軽減されました。

「メールのバックアップは実際に復元できるかどうか不安な点も多く、以前に 2 日間メールが使用できなくなったこともあり、何とかダウンしないでくれと、毎日祈るような気持ちでした。そのプレッシャーから解放されたことはとても大きいです」(山内 氏)。

今後は、社内に 20 台以上ある基幹系システム用サーバーを Windows

Server 2012 R2 に切り替え、Hyper-V による仮想環境にサーバーを集約していく計画です。

「Exchange Server のホスティングがうまく行きましたので、現在、勤怠管理やプロジェクト管理などのシステムについても、TOSYS のデータセンターへのホスティングを検討しています。Windows Server 2012 R2

は信頼性も高く、基幹系サーバーを仮想化しての集約や統合にも大いに活用できると期待しています」(星野 氏)。

アヴァシスでは、Windows Server 2012 R2 を基盤に、費用対効果でメリットがある場合にはクラウドなどの外部サービスの積極的な活用を図りながら、業務の効率化と顧客企業の成長につながる提案と提供価値の最大化に取り組んでいく考えです。

5759-WI1

Windows Server 2012 R2

Hyper-V

TOSYS Livestyle マネージドサービス

リモートオフィス 社外

アヴァシス 社内

データセンター

Livestyle

グローバルIP制限

広域イーサ

Active Directory

Outlook Web App

OutlookOutlook Web AppExchange ActiveSync

Exchange Server

…Active Directory Exchange MBX

Exchange CAS

System CenterOperationsManager

System CenterData Protection

Manager

Internet

Mail FilteringService

システム構成図

導入についてのお問い合わせ本ケース スタディは、インターネット上でも参照できます。http://www.microsoft.com/ja-jp/casestudies/本ケース スタディに記載された情報は制作当時 (2014 年 11 月 ) のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。本ケース スタディは情報提供のみを目的としています。Microsoft は、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。製品に関するお問い合わせは次のインフォメーションをご利用ください。■インターネット ホームページ http://www.microsoft.com/ja-jp/■マイクロソフト カスタマー インフォメーションセンター 0120-41-6755(9:00 ~ 17:30 土日祝日、弊社指定休業日を除く )※電話番号のおかけ間違いにご注意ください。*Microsoft、および Windows は、米国 Microsoft Corporation の、米国およびその他の国における登録商標または商標です。*その他記載されている、会社名、製品名、ロゴ等は、各社の登録商標または商標です。*製品の仕様は、予告なく変更することがあります。予めご了承ください。

〒108-0075 東京都港区港南 2-16-3 品川グランドセントラルタワー

株式会社 TOSYSクラウドサービス部クラウドセールスエンジニア三浦 一城 氏