山下研究室 研究紹介
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研究紹介研究紹介
東京医療保健大学東京医療保健大学医療保健学部 医療情報学科医療保健学部 医療情報学科
山下 和彦http://www.facebook.com/yamashitalab
現在取り組んでいる研究テーマ現在取り組んでいる研究テーマ
• RFIDタグを使った手術器械の臨床応用
• 高齢者の身体機能計測機器の開発 転倒リスク• 高齢者の身体機能計測機器の開発,転倒リスク評価と介入研究
( 肢筋力 バ 機能 歩行機能 体組成等)(下肢筋力,バランス機能,歩行機能,体組成等)
• 子どもの身体機能の発達評価と介入研究子どもの身体機能の発達評価と介入研究
• 難治性疾患患者の医療費構造の研究
等
RFIDタグを用いた手術器械の個体管理
運動指導,実践の様子
2010年5月教室開始時
特定高齢者48名 3カ月で非継続者2名(医療的に入院)
2010年7月教室終了時
特定高齢者48名 3カ月で非継続者2名(医療的に入院)
①楽しい教室 ②定量的な評価とフィ ドバック健康運動指導士 我々が手法と機器を開発
①楽しい教室,②定量的な評価とフィードバック,③継続のための心理的サポート 保健師
身体機能計測機器の開発
30
40short-termregion
long-termregion
2 D
足指力(左)24N以上膝間力100N以上
それ以外
健常高齢者群 14 11
20
30
<r2
> [m
m2] 2 Drs
2 DrlC iti l i t:
健常高齢者群 14 11
虚弱高齢者群 4 19
%の確率で高転倒
0
10
0 2 4 6 8 10
< Critical point:(Δtrs, <Δr2>c)
82%の確率で高転倒リスク群を抽出
0 2 4 6 8 10time interval [s]
・虚弱高齢者:約350名(前向きの介入研究を実施中)高齢者健診 糖 病 疾患 身体機能・高齢者健診(糖尿病,腎疾患)と運動(身体機能)
・骨粗鬆症健診と身体機能(体組成含む)
パーキンソン病の一例入院 外来
4003002001000 500 4003002001000 500受療期間[月] 受療期間[月]
潰瘍性大腸炎入院 外来入院 外来
40030020010004003002001000受療期間[月] 受療期間[月]受療期間[月]
内科的治療が主体
疾患の状況(治療方針,進行度,病態等)により医療費の推移が異なる
子どもの身体機能評価幼稚園児:1143人追跡中:306人追跡中:306人小学生:161人
足指力右 足指力左 膝間力足指力右 足指力左 膝間力
1kgf未満
1kgf以上
1kgf未満
1kgf以上
5kgf未満
5kgf以上未満 以 未満 以 未満 以
年少 41% 59% 45% 55% 78% 22%
年中年中 44% 56% 43% 57% 44% 56%
年長 22% 78% 27% 73% 15% 85%
4歳の足圧分布
年長 22% 78% 27% 73% 15% 85%
下肢筋力の成長に応じた評価が重要
10,11歳のバランス機能の評価
バランス機能 人数 総軌跡長 面積 平均移動速度Drs 人数 総軌跡長 面積 平均移動速度2未満 12 94.2±47.6 11.8±3.9 3.1±1.65未満 36 112.6±42.5 21.1±6.8 3.8±1.4
完成の域
10未満 35 126.7±52.0 46.5±21.0 4.2±1.730未満 51 150.0±56.1 95.5±41.7 5.0±1.9
発達途上
50未満 18 162.6±53.3 191.9±102.1 5.4±1.850以上 9 278.7±183.6 817.0±916.7 9.3±6.1
危険水準?
・70%,特に17%には早急な方策が必要
10足指力の成長率分布
体重が減っている?夏が暑かったから?
89
10
足指力右
成長大群
78
率[倍
]
足指力右
足指力左
56
向上
率
34
足指
力
成長小群
12
足 成長小群
対策群01
0 9 1 1 1 3 1 5
対策群0.9 1.1 1.3 1.5
体重増加率[倍]体重も足指力も減っている?機能向上が心配・・・
膝間力の成長率曲線3
成長大群
2倍]
2
上率
[倍
成長小群
1間力
向
長
1
膝 対策群膝間力が低下する子どもは
00 9 1 1 1 1 2 1 3 1 4 1 5
膝間力が低下する子どもは足指力に比べて少ない
0.9 1 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5体重増加率[倍]
研究は・・・?• 社会の役に立つ←絶対に忘れてはいけない
学術的側面←ただ役に立てばいいじゃん!• 学術的側面←ただ役に立てばいいじゃん!というわけにはいかない
• メカニズム,原理を明らかにする
• メカニズムと原理が分かれば応用範囲は広い• メカニズムと原理が分かれば応用範囲は広い
そうは言っても・・・ 自分で考えて,自分で組み立てるのが重要
・自分の研究に自信を持つ新し とに取り組ん 自分 明らかにし みる
組み立てるのが重要
・新しいことに取り組んで,自分で明らかにしてみる・楽しくやってみる
何をやればいいかが見えてくると楽しくなる成果が見えないと一般的に楽しくない・・・
子どもの発達の着目点
• 子どもの発達において重要:環境適応,モータコントロール
• 姿勢制御システム,筋力の最適な発達と機能向上→信頼性のある方法で姿勢制御能と下肢筋力の発達のメカニズムと評価が小児発達,小児リハで重要
• 子どものバランス機能障害の多数の報告がある.多くが子 も ラン 機能障害 多数 報告 ある 多く対象者の平衡性の反応を観察する臨床評価である.→広範な子どもに利用できず,定量化もなされていない.
適切な発育支援には簡便に機能障害を評価できることが求められる.
• 姿勢制御の構成要素:視覚,体性感覚,前庭系,筋肉の調整力(姿勢制御とストラテジ)調整力(姿勢制御とストラテジ)
• 発育期を通した姿勢制御能の成長過程のエビデンスは十分ではない十分ではない
• Woollacott:3~7歳の姿勢制御能の発育について臨界期(機能が身に着く時期)を報告→神経機能障害の回復と有効な介入のためには7歳前がよいと結論づけた
• 子どもは重心移動が大人よりもかなりふらつく
• Nashunerら:7歳以前の子どもは前庭系に問題のある大人Nashunerら:7歳以前の子どもは前庭系に問題のある大人と同じようなスコアで姿勢制御能が十分でないと報告.
• 子どもは視覚情報に頼って姿勢制御を行うという報告• 子どもは視覚情報に頼って姿勢制御を行うという報告
• 大人の姿勢制御:体性感覚,前庭系,視覚システムの感覚情報を統合して達成 その後 運動系と協調して出力覚情報を統合して達成.その後,運動系と協調して出力→股関節戦略と足関節戦略の組み合わせで実現
• Woollacott:姿勢制御の体性感覚は2~4歳で完成し,視覚優位から体性感覚に移行する.
• しかし7歳半以降の子どもは体性感覚,視覚情報,前庭系
を統合させて機能できず 股関節戦略を使っていることがを統合させて機能できず,股関節戦略を使っていることがSOTで観察されている
→この時期は各感覚を別々に使っており 統合されていない→この時期は各感覚を別々に使っており,統合されていないが,4~6歳が臨界期にあたるという仮説
6歳の子どもで開眼 閉眼 外乱課題において性差はない• 6歳の子どもで開眼,閉眼,外乱課題において性差はない
• 研究者たちの見解:姿勢制御の体性感覚は3歳で完成
• 視覚による調節機能は14歳で完成する
• 前庭系による調節機能は,7歳から8歳と11歳から13歳の前庭系による調節機能は,7歳から8歳と11歳から13歳の段階的に成熟がなされる.
• しかし15歳でも大人とは異なるという報告もある• しかし15歳でも大人とは異なるという報告もある
ここからここから
ども 達 基準値を た• 子どもの発達の基準値を見出したい
• 発達の異常と予防の関係を見出したい(とっても発達の異常と予防の関係を見出したい(とっても難しい)
下肢筋力 姿勢制御能 子どもから高齢者まで• 下肢筋力・姿勢制御能:子どもから高齢者まで
→ストラテジの変化と発育・老化→ トラテジの変化と発育 老化
そして・・・そして・・・
各論 なる 究 総論的 究• 各論となる研究テーマと総論的研究テーマ
• 転倒リスク指標や発達指標を用いた街づくり転倒リスク指標や発達指標を用いた街づくり
• リハビリへの応用(予防と治療)→治療から予防へ
• 医療(病院)と予防(保健)の関係構築:医療情報
• 難病 家庭環境等まで視野に入れた支援体制を• 難病,家庭環境等まで視野に入れた支援体制を構築するには?
歳 性 86歳女性20歳女性 86歳女性
扁平足 横アーチの崩壊 なかなかよい足形 やや扁平足,横ア チの崩壊.踵部分の骨格の崩壊
なかなかよい足形.やや横アーチが下がり傾向
4歳 5歳
10歳の足型歳
骨格形成,下肢筋力,バランスややハイアーチ.マッサージが必要 筋と関節を柔ら
骨格形成,下肢筋力, ラン機能がなかなかよい状態
ジが必要.筋と関節を柔らかく
11歳の足型11歳の足型
かかとの発達は?外反母趾のリスク?
ちょっと心配です・・・