持続的社会構築にむけた 文部科学省の取り組み
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持続的社会構築にむけた
文部科学省の取り組み
研究開発局環境エネルギー課
木下 圭晃
環境研究総合推進費S-11・Beyond MDGs Japan一般公開シンポジウム (2015年1月16日 国連大学)「持続可能な開発目標(SDGs)とポスト2015年開発アジェンダ」
• A World That CountsMobilising the Data Revolution for Sustainable Development
国連が昨年11月に発行した新しいレポート。
世界にあふれる様々な「データ」を集約し、効率よく利用する事が持続可能な社会の構築に不可欠であるとし、SDGsへの貢献を意識した提言がなされている。
文部科学省は、学術技術の振興を通じて、社会の基礎となる様々な「データ」を創出してきた。近年は「データ」の創出に留まらず「データ」の社会への実装、活用を強く意識しており、SDGsへの取り組みはその一環である。
なぜ、文部科学省がSDGsに取り組むのか
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• 定性、定量的分析(データ収集・解析)
→社会の土台となる科学的基礎データ整備
• 持続的な開発(データの活用)
→教育・健康・食・水・エネルギー等個別課題への適応
• 持続可能な社会構築に向けた取り組み
→科学的知見の創出から社会実装へ
文部科学省の持続的社会構築への貢献
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定性、定量的分析(データ収集・解析)→社会の土台となる科学的基礎データ整備
A World That Counts:Develop a global consensus onprinciples and standards
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いぶき(GOSAT)打ち上げ:2009.1.23観測項目:温室効果ガス
船舶
(海洋地球研究船「みらい」)
観測項目: 海水温、
塩分、海流等
二周波降水レーダ
(DPR)打ち上げ:2014.2.28観測項目:降水
雲プロファイリングレーダ(CPR)打ち上げ:2015予定観測項目:雲
だいち2号(ALOS-2)
打ち上げ:2014.5.24観測項目:陸域全般
観測ブイ(アルゴフロート)観測項目: 海水温、塩分等
地球観測網
しずく(GCOM-W)
打ち上げ:2012.5.18観測項目:水の循環
GOSAT-2打ち上げ:2017予定観測項目:温室効果ガス
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GEOSS: Global Earth Observation System of Systems
国際的な連携によって、衛星、地上、海洋観測等の地球観測データや情報システムを統合し、地球全体を対象とした包括的かつ持続的な地球観測を10年間で整備
社会利益分野 (SBA: Societal Benefit Areas)」9つの重点分野について政策決定に必要な情報を収集
地球観測網全球地球観測システム (GEOSS)について
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多種多様な地球観測データを変換して、社会的・科学的に有用な情報とし、国内外に提供
海外の関係諸機関
高性能スーパーコンピューター「地球シミュレータ」等を駆使し、温暖化等への対応検討に使用可能な予測情報を創出
衛星からの観測 海からの観測 地上からの観測
GOSAT
個別の社会課題への貢献
データの共有・利活用等の推進
DIAS
統合
予測
地球観測
全地球的観測網 (観測衛星、調査船、ブイ、地上観測)
気候変動、水資源管理、災害の防止・軽減、農業・砂漠化、生態系、生物多様性、感染症
個別課題
ニーズに基づいた観測等
様々な予測データ集約
地球観測データの個別課題への利用
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持続的な開発(データの活用)→教育・健康・食・水・エネルギー等
個別課題への適応
A World That Counts:Share technology and innovations for the common good
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水不足
参加18カ国が各国1河川流域のデモンストレーション流域を設定
GEOSSの枠組みでアジア水循環イニシアチブ(AWCI)を推進
カンボジア
水・農業管理に試験利用
• 政府機関との協働による問題の把握• 地上-衛星データのリアルタイム収集・解析・公開利用
• 水-稲作管理結合モデル利用• 気候変動影響評価と適応策検討
フィリピン
気候変動を考慮した水政策提言
• フィリピン政府から依頼による政府開発援助案件(JICA)の科学技術面からの貢献
• 複数の気候変動予測モデルと水循環モデルを用いた温暖化による洪水と渇水への影響評価
• 具体的な適応策を提言
データアーカイブ・水循環モデル作成・気候変動影響評価
ベトナム
洪水予測システムの実装
• ベトナム政府からの依頼によるアジア開発銀行開発援助案件(ADB)の科学技術面からの貢献
• 地上-衛星データのリアルタイム収集・解析・公開利用
• 洪水予測モデルの実装• 最適管理への基礎開発
データ
アジアの持続可能な開発支援:洪水防御・水利用と気候変動適応
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アフリカのナイジェリア、ニジェールにて、だいちを用いた解析でWHOと協力
ポリオ(小児まひ)対策でのWHOとJAXA/RESTEC*協力
*RESTEC: 一般財団法人リモート・センシング技術センター
WHOは地表を流れる下水を採取
↓ウィルスの有無調査
↓ウィルス伝播状況把握
と再感染検出
WHOとゲイツ財団は今まで30m解像度の標高情報を使って下水の流れを解析。
JAXA衛星だいち(ALOS)の世界最高レベルの5m解像度の標高情報を持つ「全球高精度デジタル3D地図 (ALOS World 3D)」 を使うこと
で、より広いエリアから下水が流れ込む場所を識別し作業を効率化できると確認。特に地形が入り組んでいる都市部で有効と評価。
ニジェールの下水採取場所候補 だいちの標高情報(例)1)ゲイツ財団・ESRI(30m解像度) 2)ALOS標高情報(5m解像度)
分水嶺の比較では、ALOS 標高情報を用いた分水嶺(右図紫色太線)は、ゲイツ財団
の分水嶺(黄色線)に比べ、西方向に約2km、面積で約5倍に広がる結果となった
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持続可能な社会構築に向けた取り組み→科学的知見の創出から社会実装へ
A World That Counts:To build accountability, make good decisions, and ultimately improve people’s lives.This is the world we want …
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ESD=Education for Sustainable Developmentの略。持続可能な社会の担い手を育むため、地球規模の課題を自分のこととして捉え、その解決に向けて自分で考え行動を起こす力を身に付けるための教育。
「ESD(持続可能な開発のための教育)」 とは?
◆持続可能な開発のための教育(ESD)に関するユネスコ世界会議◆行政、NPO、教育機関、企業等の意見交換を図る円卓会議◆学習指導要領にESDの視点を反映
ESDの推進に向けた我が国の取り組み
「フューチャー・アース(FE)」とは?ステークホルダーと協働し地球環境問題の解決し、持続可能な社会への変革を目指す新たな国際研究枠組み。
◆国際本部事務局を共同運営(国際事務局構成国: 日本、米国、フランス、カナダ、スウェーデン)
◆ステークホルダーとの対話と情報共有の場として国内フォーラムを開催。◆国際的優先テーマの抽出とステークホルダーとのネットワーク形成の方法論の調査等を開始。
FEの推進に向けた我が国の取り組み
持続可能な社会の構築に向けた包括的な取り組みESDとフューチャー・アース
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○ 地球規模の気候変動予測成果を都道府県あるいは市区町村などへ農業分野や防災分野に関連の深い科学的知見として提供例)近未来気候予測ダウンスケーリング等により、積雪量変化や河川流量等の変化に関する予測情報を自治体に提供。
研究成果の社会実装に向けた取組
洪水などの自然災害を軽減できる都市の実現
洪水シミュレーション
都市計画の改良インフラの再配置
気候変動の下でも品質の良い作物を栽培できる農業の実現
作物の選定
作付け時期の変更 作付け需要予測
地方創生への貢献
<気候変動適応研究推進プログラム 成果を基に作成>
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• 持続的な社会構築の基礎となる科学的知見を社会に分かりやすく情報提供・発信する。
• 具体的には、
– 観測をつうじて、変化の状況を継続的に把握する。
– 将来を予測し、どのような社会への影響があるか評価し、取り得る方策を提示する。
• 学術界、産業界、自治体、行政、市民団体などの社会の多くのステークホルダーとオープンな意見交換、情報共有。
• 「科学のための科学」から「社会のための科学」 「社会の中の科学」となるための分野を超えた連携促進。
持続可能な社会構築に向けて文科省の考える役割(文科省になにを期待しますか?)
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