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1 第114号 全国集会報告号② 〈目 次〉 P.1 新年挨拶 近藤雅幸 P.2 支部報告追加分 P.4 山における放射線量報告 宮城支部 柴崎 徹 P.7 リニア新幹線に関する報告 静岡支部 白鳥勝治 P.10 厳島神社参拝 &弥山ハイキング 野島信隆 P.12 活動記録 51 50 50 50 10 10 10 10 2015年1月26日 公益社団法人 日本山岳会 自然保護委員会 TEL:03-3261-4433 年間購読料 1,000 申込:047-463-8721 [email protected] 郵便振替 00180-4-710688 加入者名:川口章子 便

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1

第114号

全国集会報告号②

〈目 次〉

P1 新年挨拶 近藤雅幸

P2 支部報告追加分

P4 山における放射線量報告

宮城支部 柴崎 徹

P7 リニア新幹線に関する報告

静岡支部 白鳥勝治

P10 厳島神社参拝

弥山ハイキング

野島信隆

P12 活動記録

明けましておめでとうございます

今年は日本山岳会自然保護委員会の発足から

51年目の年に当たります実は昨年が50周年

だったのですが広島山岳平和祭にあわせて自

然保護全国集会を開催することになっていたの

で自然保護委員会では今年に50周年関連の行

事を行おうと考えていました

そのようなことから今年の自然保護全国集

会は東京多摩支部の協力をいただき日本山岳

会の自然保護活動50年を振り返りそこをベー

スにして今後の活動を考えていく集会にしたい

と考えています

2005年私たちは高尾で自然保護全国集

会を開催し「日本山岳会自然保護活動指針」を

採択して日本山岳会会員に呼びかけることに

しましたそれから10年ふたたび日本山岳会

の自然保護関係者が多摩の地に集まるのを機会

に私たちはもう一度指針を読んで考えてい

く必要があると思いますこの10年間指針に

示されたうちの何ができて何ができなかったか

それを検証して今後10年間の活動を考えてい

くことが日本山岳会の自然保護関係者に求め

られているのではないでしょうか

以下に2005年に採択された「日本山岳会

自然保護活動指針」の理念を示しました自然

保護全国集会(7月第2週開催予定)では必ず

これに話が及ぶと思われますみなさんもこの

内容をもう一度読んでみてくださいリニア

山岳地の放射能汚染トレランをはじめとする

オーバーユースの問題などなどあれから10年

たってもこの理念に照らして考え行動するべ

きことばかりなのに改めて気づかされます

自然保護委員長

近藤雅幸

2015年1月26日

公益社団法人

日本山岳会

自然保護委員会

TEL03-3261-4433

年間購読料1000円

申込047-463-8721

syuakiponyocnnejp

郵便振替00180-4-710688

加入者名川口章子

〈理念〉

1地球環境を現在以上に悪化させてはならな

いわれわれは健全な生態系の維持や復元

に積極的に貢献するよう努力する

2わが国の山々は世界的に見ても多様な自然

環境を含む貴重な存在であるこれを破壊

から守って永く後世に伝えることは現在

のわれわれ山岳人の責務である

3登山行為には時に自然破壊や干渉を伴う恐

れがあることを認識し行動にあたっては

その最小化を常に心掛ける

4山岳地帯およびそれにかかわる自然の乱開

発を監視し過剰な利便性の追求や経済優

先政策によってわが国の山々が荒廃する

のを防ぐため積極的に行動する

5海外登山に際しては自然環境の保全を基本

的な条件としその国の文化を尊重し

また人々の生活を乱さないように特に

配慮する

2

〈支部報告当日追加分〉

北九州支部

山田

武史

北九州支部からは2点について報告し

たいと思います

まず第一点は福岡県と大分県の県境に

英彦山という標高1200mの山がある

のですが今年の5月この山頂にトイレ

が完成いたしました英彦山は年間22万

人ぐらいの人が入り従来よりトイレの必

要性は言われていたのですが日本三大霊

山のひとつになっていますので霊山を守

る会の反対の声も非常に強くこれまで実

現していませんでしたしかし福岡県を代

表する福知山宝満山等には既にトイレが

設置されているということもあり英彦山

の地元である添田町がトイレの必要性を

訴え我々北九州支部も他の山岳団体と

同一歩調でトイレ設置についての運動を

展開していったのですがその結果やっと

実現する運びとなりましたトイレが完成

した現在他の山岳団体と当番制で月に一

回山に登ってはトイレの清掃作業を行っ

ています

もう1点は森林保全巡視活動ですが

我々北九州支部は九州管理局から森林保

全の巡視について委託を受けておりまし

て現在会員27名が巡視員として活動し

ております内容としては登山道の状況

把握高山植物の盗掘やゴミ不法投棄の監

視等々をやっておりますが森林管理署

から支給された腕章を付けておりますと

他の登山者の方から注目されたり質問さ

れたりすることもありますのでそういう

活動によって自然保護の啓蒙にも役立っ

ているのではないかと思っています

(記録

元川)

福岡支部

山本

これまで各支部の報告を聞いておりま

すと非常に活発に活動しておられる支部

が多くて「私どもはちょっと元気がない

なぁ」という思いを強くいたします

現在福岡支部の会員数約90名平均

年齢は72歳です72歳というのは全国

で3支部あるように聞いておりますがこ

れが最高齢でありますやはりヤングパワ

ーが必要です私どもの力不足もあるので

しょうけれども若い人がなかなか入って

くれないというのが現実でございます

それでも御多分に漏れず「観察会」や「清

掃登山」等はやっております「観察会」

は九州関連が多かったのですが今年は

9月に山研を利用させていただいて上高

地にまいりました来年は島根出雲の

方に行く予定です

「清掃登山」は支部単独ではなかなかや

れませんので他の団体と共同でやってい

る状況です

昨年はちょっと面白いことをしました

最近はツキノワグマが里まで下りてきて

あちらこちらで人を襲うあるいは人が亡

くなるということが報道されております

が九州のツキノワグマは絶滅していると

いうのが定説ですところが時々目撃情

報が報道されます「ならばちょっと探し

に行こうじゃないか」と山行を計画しま

したちょっと行ってちょっと見つかる

ようなものなら絶滅という報道は当然な

いのでしょうけれどもとにかく夢とロマ

ンを求めて参りました

結局空振りに終わりましたが皆さん

やはりそれなりに充足感を胸に秘めて帰

ってこられたようです

<全国集会報告

<全国集会報告

<全国集会報告

<全国集会報告>

3

数年前に本部と福岡支部と共同いたし

まして屋久島のことを少し調べました

屋久島は周囲130キロぐらいの小さな

島ですが1900くらいの山を中心にし

て山が沢山集まっています

パワースポットがあるということで縄

文杉が300年とか6000年とかいう

話しも飛び交い皆さん大いに山に出掛け

られました九州一円よりも関東関西

からの方が多く特に山ガールが多くなっ

ています

小さな島といいましてもパワースポッ

トの最たる縄文杉に登る道はやはり山で

す大勢が通ると根っこを踏みつけますの

で裸地化してまいりましたトイレの問

題もありますが道が悪いというので林

野庁が登山道に木道を作りました石段で

はなく木段ですところが幅が70センチ

しかなくすれ違いができませんこれで

は裸地化がますます進むばかりではない

でしょうか

現在屋久島を訪れる方は年間だいたい

30万から40万人前後ですオーバーユー

スであるというのは明らかですから入島

制限あるいは入山規制をしたらどうかと

いうことを我々は申しておるのですが町

はなかなか動きません

以前は漁業と林業の島で屋久杉の伐

採がやはり経済的な潤いを島にもたらし

ていたようですしかしだんだん日本の

国が豊かになってきますと木材は外国か

ら輸入し大事な木材は残そうということ

かどうか知りませんが屋久島の屋久杉と

いうのは非常に貴重なものです樹齢千

年未満は屋久杉とは言いません古杉とい

います千年を越えたものだけが屋久杉と

呼ばれますいまも屋久杉は伐採を禁止さ

れていますいま出回っているものは以

前伐採した根っこを取り出してきてそれ

を細工しているという状況であります

とにかく入島制限という話も直接町長

さんにもしましたが現在の町長さんは民

宿経営をなさっているのでお客さんが減

るとやっぱり困るのですだから実際

なかなか動きは悪い特に町議会が動きま

せん前の町長さんが規制の案を議会に

提出したのですが全会一致で否決されま

した全会一致ということはおかしいです

よね

それは別としてもう一つの問題はガイ

ドシステムがなっていないことです観光

協会というのがあり非常に力が強いです

島民の3分の1以上が観光業に関与して

いるこの観光協会の講習を2回くらい受

ければ「それでOK」となってしまい

実際にはっきりした教育トレーニングと

いうのが行われていませんそういうこと

で何とかシステムを構築しようという動

きが強いのですがいよいよとなると一部

の強い反対が起こりなかなかうまくいき

ませんそれを何とかしなければと思いま

(記録土井

充)

支部報告のひとコマ

<全国集会報告>

4

山地における放射線量報告

宮城支部

柴崎

宮城支部から東京電力の福島第一原子力

発電所の事故に伴う郷土の汚染状況について

お話させて頂きますご存じのようにこの

事故で非常に広い地域が放射能汚染にさらさ

れることになりました『新日本山岳誌』に日

本の基本的な地形図がのっていますがそれ

に照らして眺めてみますと汚染地帯の中心

は阿武隈山地とその周辺の山八溝山地北

上山地我々の住む場所の近くの奥羽山地

上越山地関東山地それに加えその間に

ある北上盆地仙台平野関東平野が汚染さ

れたことが分かります私達宮城支部のフィ

ールドとなっている山々はなんといっても

奥羽山脈ですが阿武隈山地や北上山地も

我々の大事なフィールドです我々と関わり

の深い大切なフィールドが汚染されたわけで

す国や県市町村に働きかけて汚染状況を

示すデータが無いのか尋ねてまいりました

しかし都市部におけるモニタリング測定はな

されていますが自然の中特に山地に関し

てはほとんど測定されていないというお返事

でした私達が常日頃登っている山々がどの

くらい汚染されているのかそれによって

我々は登山の際にどう考えて行動していか

なければならないのか家族や子連れで行く

対象になりうるのか深刻な問題が含まれて

います日本山岳会の支部で諮ったところ

我々で測定しようじゃないかという話になり

ました本来は一山岳団体ではなく国ある

いは調査機関がやるべき仕事だと思います

ですが誰もやらないのだったらとりあえ

ず我々で測定しようということになりました

日本山岳会宮城支部の中で自然保護委員会

とは別に山岳放射線量調査特別委員会をたち

あげました最初は支部をあげて全員で取り

組む予定でしたが効率が悪いものですから

測定に慣れた五六人で継続して測定してい

くことになりましたこの調査は長期にわた

ると予想されましたので第一期と第二期に

分けて測定しましたさらに一期と二期で

は足りず現在第三期として調査しています

第一期が昨年の六月から八月までとくに栗

駒山船形山泉ヶ岳大東岳蔵王山など

を調査しました第二期はその後九月から今

年の三月まで半年がかりで色々な丘陵地や山

をできるだけたくさん測定しましたお配り

した黒い背表紙の赤い冊子にまとめておりま

す今年の九月から今まで北上山地築館

丘陵岩手県の境の磐井丘陵辺りを調査しま

したなぜそこを再度調査したかといいます

とその辺りは我々が考えていたよりも広い

範囲で汚染された地域にあたっていると考え

られたためです

測定器具はHORIBA PA-1000 Radi

ですコ

ンパクトで簡易型ですが意外と精度がよく

測定できます線量計はシンチレーション式

で電離放射線を受けたシンチレータから出

た蛍光をセンサで捉えて表示するというもの

ですγ線を測っています測定の対象とな

っているのはセシウム134ならびにセシウム

137であると考えて頂いていいと思いますセ

シウム134の半減期は二年ですがセシウム

137の半減期は約三十年で非常に長い時間か

かりますですから仮に我々が汚染地域だと

認めた場合にはその地域とこれから長い間

つきあっていかなければならないということ

になります

測定の際には放射線を測定するだけでな

くその測定地点の地形や植生の特徴も記録

しています位置はGPSで測り標高山

頂か山麓かなどの地形分類尾根斜面谷

といったことをも記録しています斜面の場

合は微気象には斜面の方位と傾斜も大事で

すので同時に測っていますまた植生分類

<全国集会報告>

5

を記録しています宮城県の場合実際には

七十八に分けてありますがそのうち簡易型

の四十に分けたものを使っておりどこに該

当するかを番号で記載しています将来この

地点を再度調べる機会があったときに今回

の記録を生かして継続的な変化を見るチャン

スにしたいと思っています放射線の強い所

ではおそらくこれから植物の変化が起こる

でしょうからその変化を捉えておく必要が

あるだろうと思います写真で示したように

高さ一メートルと五十センチの二地点で測っ

ています一メートルは大人の大事な部分

五十センチは子供の大事な部分にあたります

宮城県は狭いように見えて以外と広いです

面積は72843 km

2

南北約140北緯37度47

分39度00分まで宮城県の範囲です東西

幅の平均が60あります汚染の詳細な図面

を作ろうと思ったら相当の数の測定点が必

要ですこれをなんとか少ない人数でもいい

からカバーして汚染地図というか放射能の

線量地図を作るのが我々の目標です現在

まで山岳二五〇ヶ所測定点四五〇ヶ所くら

いを測定してまいりましたそれによって

なんとか福島第一原子力発電所の事故が宮

城県に及ぼした放射線影響の分布図が作れた

と思います

色々な見方があるかと思いますがまず第

一に宮城県のほぼ全域にわたって放射能汚

染が認められたと言えるのではないかと思い

ます通常我々が自然被ばくしている量の約

二倍から二五倍の値になっていますこれ

は大変重大なことですなにげなく生活して

いる所でもそれなりの被ばくがあったと結

論せざるをえないのではないかと思います

それから奥羽山脈の東側と西側で大きく違い

ます西側の山形県と秋田県は我々の所と

比べるとずっと低い放射線の値を示していま

す奥羽山脈が存在することでさらなる拡散

を抑えたのではないかと思います山岳はた

だそこにそびえているだけでなく気象条件

を通じて放射線の拡散という現象において大

きな影響を持ちます

新聞その他でよく紹介される汚染図です

が原子力発電所の北西の方向に強い放射能

汚染帯が伸びていますその先端は福島県で

終わっているのではなく宮城県の南部の地

域阿武隈山地の北端部にかかっています

その中には非常に高い放射線量の値を示す地

域が存在していますここに来る四五日前

にようやく除染をする手はずを進めていると

いうニュースを聞きました私達が放射線量

の結果をお知らせしたのは六月ごろですが

それも含めて色々なことが検討されたのかと

思います原子力発電所の事故による放射能

の影響の範囲について三十キロ圏という表

現がよく使われていますが約八十キロ離れ

た所まで被ばく量の限度と言われている年

間一ミリシーベルトに達している所がありま

すですからこのような事故が起これば三

十キロではなくて八十キロの範囲で影響が出

ると言えますさらに気象的な条件によって

宮城県の北側栗駒山の東側一帯の山地から

丘陵にかけた所でも非常に高い値を示すとこ

ろがあります従ってときには二百キロぐ

らいは放射能の汚染圏内に入るのではないか

と思います

三期の今年の九月からこれまで測定して

きたデータを背表紙のついていない冊子にの

せています測定した日と場所経緯度と測

定値と山の名前標高植生を記録していま

す測定は最低五回測り最高値と最低値と

平均値を示しています九月以降十一月一六

日までに八十一ヶ所を追加して調査しそれ

を図面化したのか最後のページです宮城県

北部地域の放射能分布図で特に値の高い三

地域をAとBとCとして示しましたAの中

には牡鹿半島と金華山が入っています金

華山の山頂部分の北西斜面にも非常に高い所

<全国集会報告>

6

がありましたこれをよく見ていただくと

このAのちょうど真ん中に東北電力の女川原

子力発電所があります女川原子力は震災の

時に少しトラブルがあったと新聞に報道され

ておりましたその影響なのかあるいは福

島原子力発電所の事故の影響がここまで来て

いるのかはまだ諮りかねておりますがい

ずれ検討していきたいと思いますここには

花崗岩の山が沢山ありますそれから粘板岩

のはいった面白い山もたくさんあるのですが

そのような山々の放射線が他の所に比べると

高い値を示しています次にBの地域ですが

宮城県の北側の蚕飼山(こがいさん)から始

まって烏兎山(うどやま)周辺が大変汚

染されています平泉の向かい側の束稲山(た

ばしねやま)まで高い地域がまとまってあり

ますそれからもう一つがCの地域で栗原

市にあたります文字三山の大土ヶ森という

山があり興味深い地域なのですがここにも

非常に高い地点がありますまだまだ測定地

点が少ないのでこれからさらに地点を増や

して正確な汚染地図を作りたいと思っており

ますがだいたい宮城県の汚染の実態は現在

のものと近いものになるだろうと考えていま

す も

う一度福島原子力発電所で起った事故

が日本の自然に対してどの程度の大きさの

事故だったのかと考えてみますこの事故に

より立ち入ることができない地域として帰還

困難区域居住制限地域区域避難指示解除

準備区域ができましたこの地域を足します

と約2300km

2

にあたりますその中に山が約

二五座ありますいつまでの間か分かりま

せんが我々はこの二五座には入ることは

まかりならないということになりますもう

少し広げて年間一ミリシーベルトの地域こ

れは年間の被ばく限度量ですがこの地域を

全部足しますと約16000 km

2

となります

まだ正確に計算していませんが概算でこの

くらいの値になりますこれは日本の国土の

約五にあたりますこのような地域に登山

に行くときは我々はどのような知識を頭に

入れておくべきかそもそも登山してもよい

のかも検討しておかなければならないと思い

ます一ミリシーベルト以上の地域には将

来生態系の変化が起こる可能性もあります

私達の登山は健全な自然山岳を対象にし

てきました日本山岳会の自然保護活動も

この健全な自然山岳を将来にいかに確実に残

していくかを追求してきたと思います登山

はただの娯楽では無くて自然保護と両輪をな

さなければならなりません日本山岳会の皆

さんにこのような事態にたちあったときに

どのような行動をとるのかどのような指針

を持つべきなのかご検討頂いて原子力発電

所事故という大災害に対する我々の意志をは

っきりと持って登山を行っていければと思い

ます

宮城県北部の牧草地帯に放射性物質で汚

染された廃棄物の処分場候補地が三ヶ所挙げ

られています全て奥羽山脈の中で河川の

水源地にあたりますただ単に被ばくしたと

いうだけでなく汚染された廃棄物によって

も様々な影響を受けるかもしれません汚染

されてこなかった山岳も新たに影響を受ける

のではないかと心配されます

私達の報告書を色々な皆様に差し上げて

きましたが色々なコメントを頂戴しました

まだまだ不十分ですがこれからも測定を続

けてできるだけ沢山の正確な情報を皆さん

に伝えていければと思っております今日は

特別にご紹介する場を設けて頂いて宮城支

部としては非常にありがたいと思っています

どうもありがとうございました

(記録下野綾子)

<全国集会報告>

7

リニア新幹線に関する報告

静岡支部

白鳥

勝治

本日はリニア中央新幹線工事に関する

南アルプスの自然保護について静岡支部

がどのようにとらえて現状を取り扱って

いるかということについて報告申し上げ

ます

南アルプスはご承知のように静岡県の

最北端にある白峰三山の間ノ岳を源にし

て真南に流れる延長168の大井川を

中央に東側に富士川西側に天竜川と

いずれも静岡県に河口がある1級河川の

源流域で山梨県長野県静岡県にまた

がる北岳をはじめ3000m以上の嶺峰

13座を持つ国立公園です今年は国立

公園に指定されてからちょうど50年にな

りますまた6月には周辺の3県10市

町村の協力と関係者の尽力によりユネス

コエコパークに登録を認められました

この南アルプスの中央部にある塩見岳

(3046m)と荒川東岳(3141m)

中間点をほぼ真横に貫くリニア中新幹線

計画が本年(平成26年)発表されまし

た東側の山梨県早川町から静岡県の静岡

市北部を通り抜けて西側の長野県大鹿村

に出る22のトンネルですこれらにつ

きましては計画の段階からマスコミで報

じられていましたが静岡県では11月18

日JR東海が県民に対し直接説明会を開

いて工事内容が明らかになりました

私達はそれ以前より新聞などで情報を

得てはいましたが正直な話支部の会員

の中ではこの問題についてあまり話題に

なりませんでしたなぜならリニア新幹

線が静岡県を通る場所は地下の深い所で

一番浅い所でも地下500mくらいとい

うことであまり影響はないのではないか

と言われていたこととそれからリニアが

通る地域は人が全く住んでいない山の中

であるということもあり駅も出来ないこ

とから山梨県や長野県の皆さんよりも感

度が低かったということは否めなかった

ことです

私達がこれは大変だという情報を得た

のは「木の目草の芽」111号がきっかけ

でした特に今回の工事計画の中で問題に

なっているのは掘削土です静岡県内では

大井川の上流域二軒小屋と椹島の間に一

か所それから西俣の上流側に一か所計

二つの口を開けることになっています

ldquo非常口rdquoという表現をJR東海はしてい

ますがこのldquo非常口rdquoはどうも説明の内

容ではトンネルの掘削工事を進める段階

での必要性の方が高かろうと思われます

そこから排出される360万という膨

大な掘削土を大井川上流域へ置くとい

う具体的な位置を説明書で示しています

この川には大きな滝こそありませんが

周辺地域は年間3000の降雨量があ

りますそれに昭和40年代二軒小屋か

ら東俣の奥の広河原に建てられた東海パ

ルプの事業所へ通ずる車道が大雨で一晩

のうちに崩壊したことがありましたそれ

ほど地盤は落ち着いていない地域である

ということをご理解いただけると思いま

すがここへ360万の土砂を排出する

ということになれば河川の増水時の流出

や水質への影響もしくは河川の水底質

への影響などを考えるとこれはただごと

ではないという懸念がひとつあります

それからもうひとつはJR東海から発

表された計画ではトンネルの掘削に伴う

地下水等への影響により源流域において

表流水の量が毎秒2トン程度減水すると

<全国集会報告>

<全国集会報告>

8

想定されていることです

これは自然に対する影響ばかりでなく

て下流における7市63万人の飲み水や

農業用水などもっと大きな問題にもかか

わってきます

少し話題が外れますが大井川は全長1

68の中に支流を含めて大小15カ所ほ

どのダムがありますそのうちのほとんど

が電源開発によって造られ利用されてい

るものです昭和30年代に最後のダムが出

来上がった時下流域が砂漠化したことが

ありますこの砂漠化について流域の住民

が危機感をもって蜂起し県を通じ電力会

社に対して川へ水を戻せと要求したこと

があります発電用水を減らす事を拒んだ

電力会社にたいして住民の強い結束力に

押された当時の県知事が交渉してなんと

か毎秒5トンの水を放流して今の流れが

保たれています

皆さんご承知のように江戸時代には大

井川は東海道の難所として「箱根八里は馬

でも越すが越すに越されぬ大井川」とう

たわれたように深さが通常2尺5寸あっ

たそうです約75ですそして水深4尺

5寸まで増水すると川留めをしていまし

たこの川は幕府の政策上橋を架けるこ

とも船を使うことも禁じていましたので

東海道を往来する旅人は川渡しの人夫の

肩を借りるか神輿にように担いで人夫に

渡してもらっていたということで両岸に

は350人ずつの川人夫を幕府直轄で配

置して川渡しに当たらせていたといいま

すつまりそれほど流量豊かな川であっ

たのが申し上げました通り流量が減少

して現在も下流へ行くと川原が広く水は

細々と流れている状態なのです

リニア新幹線工事が大井川へ及ぼすこ

れ以上の影響について県知事は流量の減

少計算結果は不確実性が高いと懸念して

います

それからリニア新幹線が通過する静岡

市ですが実際市は大井川の水を一部の

地区でしか使っていませんしかし静岡市

長もこの減水については掘削土と同様に

自然保護上成り行きを重視しています

こうした状況の中で静岡支部は南アル

プスの自然を身近にして楽しんできた地

元の山岳団体として又南アルプスの自

然を大切にして次の世代に継承するため

にもこの問題についてなんらかの意思表

示をしなければならないとして登山愛好

者のみなさんにこの実態を訴えてみなさ

んの考えを聞かせていただきたいという

ことを含めて静岡県知事と静岡市長に対

して申し入れをすることになりました

又これまで静岡支部は静岡県内の静岡

県山岳連盟静岡県勤労者山岳連盟および

静岡市山岳連盟など県内の山岳団体と一

緒に行動を起こしたということはありま

せんでしたが今回は静岡支部の大島支部

長がこの問題を提起して各団体へ話をし

た結果これは四山岳団体として行政を通

じてJR東海に申し立てをしなければな

らないということになりました

意見は色々がありましたが静岡支部は

やはり自然保護という切り口から意見さ

せていただこうということで合意を戴き

「リニア中央新幹線南アルプストンネル

工事に関する申し入れ書」(次頁)を作成

し提出しました

ご清聴ありがとうございました

(記録元川里美)

<全国集会報告>

9

静岡県知事 川勝平太殿

平成 26年 9 月 10 日

リニア中央新幹線南アルプストンネル工事に関する申し入れ書

静岡県山岳連盟(代表 滝田博之)

静岡県山岳連盟(代表 松永義夫)

静岡県勤労者山岳連盟(代表 竹本幸造)

公益社団法人 日本山岳会静岡支部

(代表 大島康弘)

リニア中央新幹線南アルプストンネル工事の残土処分と地下水湧に関してJR東海の対策は現段

階においてずさんであると言わざるを得ません

大井川の上流二軒小屋の地下 500m付近を貫通するトンネル掘削の残土は斜坑より二軒小屋付近

に運び上げられて谷筋の中部電力残土置き場に上積み一部は転付峠北方の尾根付近にも投棄され

るとのこと私たち静岡県の岳人は残土をこの美しい渓谷や山に投棄することによって大井川上流

の自然景観が破壊されるのではないかと大きな危惧を抱いております

さらに水の問題が指摘されています地下水脈は私達の理解を超えるほどに複雑で今なお年間

4mm の隆起を続けている南アルプスの破砕帯を貫通するトンネルが地下水脈を思わぬ方向に導く

ことは容易に想像できますまた調査の結果トンネル工事で大井川の水量が毎秒 2 トン減水する

と予測されていますがその場合はポンプで大井川に戻すとのことトンネルの 500m上部を流れる

大井川までポンプで汲み上げるとは恐れ入りますがそのためには 20000kw もの大規模な揚水設備

が必要になりリニア新幹線の膨大な電力消費をさらに押し上げることになります

先の敗戦の後農薬水質汚濁大気汚染などにより多様な生物に溢れていた野山の豊かな生態

系はすでに取り返しのつかないほど破壊されています私たちは豊かさと便利さのために貴重な自然

をこれ以上壊すことに慎重でなければなりません静岡県がリニア新幹線のトンネル工事により

大井川上流域の生態系や自然景観が破壊されるであろうことを深刻に受け止め計画路線の変更も視

野に入れながらJR東海を指導するよう次の2点について知事に要請いたします

1)残土を大井川渓谷に投棄しないこと

2)大井川の水量の低下をさせないこと

時を同じくして本年6月南アルプスはユネスコエコパーク登録承認されました

南アルプスは太古の自然が息づく日本に残された数少ない地域ですこの地域を保全することが

リニア新幹線のトンネル工事に優先することは言うまでもありません私たち静岡県の山岳関係者

は南アルプスの大自然を享受してきた者としてその豊かな生態系を私たちの子孫に手つかずのま

ま継承することが最も大切と信じるからです

上記について知事の見解をお伺いできれば幸甚です

<全国集会報告>(資料)

10

弥山山頂にて

宮島

厳島神社参拝弥山ハイキング

野島

信隆

目的UAAA広島山岳平和祭自然保護全

国集会で広島に来られた方に世界遺産の宮

島厳島神社を参拝して貰い原生林が残り展

望の良い弥山ハイキングを楽しみ自然保護状

況を見て頂く

日時11

月24

日(

月)

8時~15

時30

天候晴れ

場所広島県廿日市市宮島町

弥山(

535m)

参加者13名自然保護委員会

下野渡邉

川口宮城支部

柴崎千葉支部

石岡東京

多摩支部

河野西村石川支部

安田東九

州支部

阿南緑爽会

里見広島支部

野島

寺西井川

コースタイム大混雑での遅れを心配したが

早めに行動した為無事ほぼ計画書通り行動

できた

700広島県スポーツ会館発750宮

島口到着800松大汽船団体乗船

810宮島下船受付で弁当お茶受取り

830JAC隊出発845厳島神社参

拝920多宝塔でストレッチ後多宝塔

コースを登山(絶景ポイント朝日観音等

約20分毎休憩)

1105~1145駒ケ林(

昼食)

1200~

1205仁王門(

軽登山靴倶楽部隊と挨拶)

1225~1240弥山(展望台で360度

の展望記念撮影)

1250~1300弥

山本堂

霊火堂1300~もみじ谷コース

で下山(植物観察しながら)1400~

1420もみじ谷公園東屋で大休憩

1425~1430四之宮神社前でクーリ

ングストレッチ1430~商店街でお土

産購入1458宮島桟橋受付へ帰着

1520~1530松大汽船で宮島口解散

概要宮島の自然保護状況や歴史にも触れて

頂き交流を図りながら紅葉の秋の宮島を堪

能頂く事ができた

UAAA創立20周年記念総会が広島で開

催される事になり国内の山岳団体も一堂に

会する目的でJACの自然保護全国集会が広

島で開催されたこれのフィールドスタディ

と観光を兼ねて世界遺産の宮島厳島神社を

参拝し弥山ハイキングを楽しみながら原生

林の自然保護状況を見て頂く事にした

広島支部では全国から参加される大半が

宮島に行かれる事を想定して引率慣れした

登山講座委員会に要請して講師アシスタン

ト講師12名を準備したが県外参加者が10

名となったので無理に依頼した2名は断り

JAC隊10名は野島をCLに3名軽登山靴

倶楽部24名は兼森支部長をCLに7名で対

応した

当日は宿舎へ広島支部会員の自家用車3

台でお迎えして宮島口へ3連休で紅葉の見

頃なので宮島は大混雑が予想されたがJA

C隊は追加料金を払って朝食を早めて貰い

他隊より30分先行したのでほぼ計画通りス

ムーズに宮島に渡る事が出来終始和気藹々

<全国集会報告>

<全国集会報告>

11

厳島神社境内で鳥居をバックに

と秋の宮島を楽しんで頂く事ができた

宮島口から宮島へ渡った後受付で「山の

おべんとう」とお茶CLは無線機と引率用

の旗を受取って出発出発直後に野島の親友

であるJACの本井伝夫妻と出会いカメラマ

ンを依頼した

鹿が人懐っこく近づく中厳島神社へ厳

島神社で安全祈願後鳥居をバックに記念撮

多宝塔で入念にストレッチ後山道を登る

宮島は世界遺産で木を勝手に切れず道幅は

狭い途中の絶景ポイントで休憩しながらゆ

っくり登り途中で日山協隊に追いつかれ大

渋滞に巻き込まそうになったが彼らが回り

道をしている間に駒ケ林にトップで到着

広島県山岳連盟が広島駅弁と共同開発した

自然に優しく自然環境基金にも貢献している

登山者用「山のおべんとう」を温かい味噌汁

つきで食べコーヒーサービス

仁王門で軽登山靴倶楽部隊などUAAA

の名札をつけた多くの皆さん方と挨拶しなが

ら大日堂干満岩を経由して弥山山頂へ

完成間もない山頂展望台からは360度

の展望が臨め主な山や瀬戸内の島々廿日

市広島市街を紹介して楽しんで頂き記念

撮影

消えずの火の霊火堂弥山本堂を参拝し

もみじ谷コースを植物の詳しい石川支部の

安田さんと宮城支部の柴崎さんに珍しい植物

の説明を受けながら下山

もみじ谷の東屋では無事下山を祝って持

参した缶ビールとお菓子果物等を出し合っ

て休憩後四之宮神社でお礼の参拝をしてク

ールダウン

商店街ではもみじ饅頭などのお土産を購

入して宮島桟橋で帰着の受付を済ませフェ

リーで本土に渡って解散宮島口駅からはJ

Rで広島駅迄移動して新幹線で各地に帰っ

て頂いた

宮島は世界遺産に指定されている為に木

を切ったり石を動かすのにいくつもの団体へ

の申請が必要で原生林が残されている今

回は時間がなくて他の隊は自然観察を省略

して観光とハイキングのみだったがJAC

隊は早く行動した事と参加者の中に植物に

詳しい会員がおられて何カ所かで説明を受

けてフィールドスタディが出来て良かったと

思う

私は自然保護全国集会へは初めての参加

だったが今回広島で開催され受入を担当さ

せて頂いたので沢山の方とお知り合いにな

りJACの人材の豊富さと自然保護委員会

の取り組み状況を再認識しました行き届か

ない点があってご迷惑をかけた事と思います

がご容赦下さい今後ともよろしくお願い

致します

(広島支部

副支部長)

<全国集会報告>

12

自然保護委員会の活動記録

〈十二月度〉

①山岳団体自然環境連絡会

12月

19日(金)

出席者近藤渡邉富澤武藤

bull 各団体の報告

②自然保護委員会

12月

24日(水)

bull 『木の目草の芽』について

「113号」の発行は1月8日に延期

する

「114号」は1月

26日に発行し

1月は二号発行する

bull 講演会について

「平成

26年度に起きた我が国の火山

噴火に学ぶ」というテーマで寺田暁彦

氏(東工大火山流体研究センター専任

講師)の講演会を開催することを決定

(3月

31日)

bull 自然保護全国集会について

自然保護全国集会(広島)における静

岡支部宮城支部などの報告内容を

「木の目草の芽」全国集会報告号に掲

載することを決定した

次回の自然保護全国集会について検

討を行った

〈講演会のご案内〉自然保護委員会主催

『平成

26年度に起きた

我が国の火山噴火に学ぶ』

講師 寺田 暁彦 氏

東京工業大学

火山流体研究センター専任講師

日時 平成

27年3月

31日( 火

)

18時

30分~

20時

30分

会場 日本山岳会ルーム104号室

定員

35名

申込 3月

25日( 水

)

18時までに

左記いずれかの方法でお願いします

① 山

岳会事務所入り口脇の

投函袋に出席票を挿入

② 左

記あてにメール

tsimoictvnejp(下野)

③ 左

記宛てに電話かFAX

04―264―4447(下野)

会場の準備および講演会用資料の準備等

のため必ず期日までに申し込みをお願いいた

します

火山流体研究センター

東京工業大学で火山の観測研究が始まったの

は約

60年前1974年に国家プロジェクト

「火山噴火予知計画」にも参画し全国の火山を

対象に火山研究を進めることになる1976

年の草津白根山水釜火口の噴火を事前に予測す

ることができこれは水蒸気爆発を地球化学的

に予測した世界最初の事例として有名です

購読料をありがとうございます

8月

21日~1月

20日 敬称略

齋藤長作(渋川市)

舩田洋子(福井市)

合計2000円

訂正とお詫び

『木の目草の芽』113号

11ページ「国見利

夫さんを偲ぶ」の文中2段目右から

11行目

織内信孝さんのお名前は「織内信彦」です

訂正してお詫び申し上げます

〈編集後記〉113号に続きまして全国集会報告号

です次号(3月号)からは定期奇数月にお届けする

予定です今年もよろしくお願いいたします(元川)

Page 2: Â E r K Z u H J 8 M - JAC · K S HÎ Q b |: ^ G \?} HÍ Ò º b +¬! 1¤ ² \ 7 c ¾ ¿ ¨ ¶ -4 b 8 S T A HÍ ¥ £ Å b +¬! 1¤ q · >3>. º ú ~ 3É ~ HÍ Q G Ë I « _

2

〈支部報告当日追加分〉

北九州支部

山田

武史

北九州支部からは2点について報告し

たいと思います

まず第一点は福岡県と大分県の県境に

英彦山という標高1200mの山がある

のですが今年の5月この山頂にトイレ

が完成いたしました英彦山は年間22万

人ぐらいの人が入り従来よりトイレの必

要性は言われていたのですが日本三大霊

山のひとつになっていますので霊山を守

る会の反対の声も非常に強くこれまで実

現していませんでしたしかし福岡県を代

表する福知山宝満山等には既にトイレが

設置されているということもあり英彦山

の地元である添田町がトイレの必要性を

訴え我々北九州支部も他の山岳団体と

同一歩調でトイレ設置についての運動を

展開していったのですがその結果やっと

実現する運びとなりましたトイレが完成

した現在他の山岳団体と当番制で月に一

回山に登ってはトイレの清掃作業を行っ

ています

もう1点は森林保全巡視活動ですが

我々北九州支部は九州管理局から森林保

全の巡視について委託を受けておりまし

て現在会員27名が巡視員として活動し

ております内容としては登山道の状況

把握高山植物の盗掘やゴミ不法投棄の監

視等々をやっておりますが森林管理署

から支給された腕章を付けておりますと

他の登山者の方から注目されたり質問さ

れたりすることもありますのでそういう

活動によって自然保護の啓蒙にも役立っ

ているのではないかと思っています

(記録

元川)

福岡支部

山本

これまで各支部の報告を聞いておりま

すと非常に活発に活動しておられる支部

が多くて「私どもはちょっと元気がない

なぁ」という思いを強くいたします

現在福岡支部の会員数約90名平均

年齢は72歳です72歳というのは全国

で3支部あるように聞いておりますがこ

れが最高齢でありますやはりヤングパワ

ーが必要です私どもの力不足もあるので

しょうけれども若い人がなかなか入って

くれないというのが現実でございます

それでも御多分に漏れず「観察会」や「清

掃登山」等はやっております「観察会」

は九州関連が多かったのですが今年は

9月に山研を利用させていただいて上高

地にまいりました来年は島根出雲の

方に行く予定です

「清掃登山」は支部単独ではなかなかや

れませんので他の団体と共同でやってい

る状況です

昨年はちょっと面白いことをしました

最近はツキノワグマが里まで下りてきて

あちらこちらで人を襲うあるいは人が亡

くなるということが報道されております

が九州のツキノワグマは絶滅していると

いうのが定説ですところが時々目撃情

報が報道されます「ならばちょっと探し

に行こうじゃないか」と山行を計画しま

したちょっと行ってちょっと見つかる

ようなものなら絶滅という報道は当然な

いのでしょうけれどもとにかく夢とロマ

ンを求めて参りました

結局空振りに終わりましたが皆さん

やはりそれなりに充足感を胸に秘めて帰

ってこられたようです

<全国集会報告

<全国集会報告

<全国集会報告

<全国集会報告>

3

数年前に本部と福岡支部と共同いたし

まして屋久島のことを少し調べました

屋久島は周囲130キロぐらいの小さな

島ですが1900くらいの山を中心にし

て山が沢山集まっています

パワースポットがあるということで縄

文杉が300年とか6000年とかいう

話しも飛び交い皆さん大いに山に出掛け

られました九州一円よりも関東関西

からの方が多く特に山ガールが多くなっ

ています

小さな島といいましてもパワースポッ

トの最たる縄文杉に登る道はやはり山で

す大勢が通ると根っこを踏みつけますの

で裸地化してまいりましたトイレの問

題もありますが道が悪いというので林

野庁が登山道に木道を作りました石段で

はなく木段ですところが幅が70センチ

しかなくすれ違いができませんこれで

は裸地化がますます進むばかりではない

でしょうか

現在屋久島を訪れる方は年間だいたい

30万から40万人前後ですオーバーユー

スであるというのは明らかですから入島

制限あるいは入山規制をしたらどうかと

いうことを我々は申しておるのですが町

はなかなか動きません

以前は漁業と林業の島で屋久杉の伐

採がやはり経済的な潤いを島にもたらし

ていたようですしかしだんだん日本の

国が豊かになってきますと木材は外国か

ら輸入し大事な木材は残そうということ

かどうか知りませんが屋久島の屋久杉と

いうのは非常に貴重なものです樹齢千

年未満は屋久杉とは言いません古杉とい

います千年を越えたものだけが屋久杉と

呼ばれますいまも屋久杉は伐採を禁止さ

れていますいま出回っているものは以

前伐採した根っこを取り出してきてそれ

を細工しているという状況であります

とにかく入島制限という話も直接町長

さんにもしましたが現在の町長さんは民

宿経営をなさっているのでお客さんが減

るとやっぱり困るのですだから実際

なかなか動きは悪い特に町議会が動きま

せん前の町長さんが規制の案を議会に

提出したのですが全会一致で否決されま

した全会一致ということはおかしいです

よね

それは別としてもう一つの問題はガイ

ドシステムがなっていないことです観光

協会というのがあり非常に力が強いです

島民の3分の1以上が観光業に関与して

いるこの観光協会の講習を2回くらい受

ければ「それでOK」となってしまい

実際にはっきりした教育トレーニングと

いうのが行われていませんそういうこと

で何とかシステムを構築しようという動

きが強いのですがいよいよとなると一部

の強い反対が起こりなかなかうまくいき

ませんそれを何とかしなければと思いま

(記録土井

充)

支部報告のひとコマ

<全国集会報告>

4

山地における放射線量報告

宮城支部

柴崎

宮城支部から東京電力の福島第一原子力

発電所の事故に伴う郷土の汚染状況について

お話させて頂きますご存じのようにこの

事故で非常に広い地域が放射能汚染にさらさ

れることになりました『新日本山岳誌』に日

本の基本的な地形図がのっていますがそれ

に照らして眺めてみますと汚染地帯の中心

は阿武隈山地とその周辺の山八溝山地北

上山地我々の住む場所の近くの奥羽山地

上越山地関東山地それに加えその間に

ある北上盆地仙台平野関東平野が汚染さ

れたことが分かります私達宮城支部のフィ

ールドとなっている山々はなんといっても

奥羽山脈ですが阿武隈山地や北上山地も

我々の大事なフィールドです我々と関わり

の深い大切なフィールドが汚染されたわけで

す国や県市町村に働きかけて汚染状況を

示すデータが無いのか尋ねてまいりました

しかし都市部におけるモニタリング測定はな

されていますが自然の中特に山地に関し

てはほとんど測定されていないというお返事

でした私達が常日頃登っている山々がどの

くらい汚染されているのかそれによって

我々は登山の際にどう考えて行動していか

なければならないのか家族や子連れで行く

対象になりうるのか深刻な問題が含まれて

います日本山岳会の支部で諮ったところ

我々で測定しようじゃないかという話になり

ました本来は一山岳団体ではなく国ある

いは調査機関がやるべき仕事だと思います

ですが誰もやらないのだったらとりあえ

ず我々で測定しようということになりました

日本山岳会宮城支部の中で自然保護委員会

とは別に山岳放射線量調査特別委員会をたち

あげました最初は支部をあげて全員で取り

組む予定でしたが効率が悪いものですから

測定に慣れた五六人で継続して測定してい

くことになりましたこの調査は長期にわた

ると予想されましたので第一期と第二期に

分けて測定しましたさらに一期と二期で

は足りず現在第三期として調査しています

第一期が昨年の六月から八月までとくに栗

駒山船形山泉ヶ岳大東岳蔵王山など

を調査しました第二期はその後九月から今

年の三月まで半年がかりで色々な丘陵地や山

をできるだけたくさん測定しましたお配り

した黒い背表紙の赤い冊子にまとめておりま

す今年の九月から今まで北上山地築館

丘陵岩手県の境の磐井丘陵辺りを調査しま

したなぜそこを再度調査したかといいます

とその辺りは我々が考えていたよりも広い

範囲で汚染された地域にあたっていると考え

られたためです

測定器具はHORIBA PA-1000 Radi

ですコ

ンパクトで簡易型ですが意外と精度がよく

測定できます線量計はシンチレーション式

で電離放射線を受けたシンチレータから出

た蛍光をセンサで捉えて表示するというもの

ですγ線を測っています測定の対象とな

っているのはセシウム134ならびにセシウム

137であると考えて頂いていいと思いますセ

シウム134の半減期は二年ですがセシウム

137の半減期は約三十年で非常に長い時間か

かりますですから仮に我々が汚染地域だと

認めた場合にはその地域とこれから長い間

つきあっていかなければならないということ

になります

測定の際には放射線を測定するだけでな

くその測定地点の地形や植生の特徴も記録

しています位置はGPSで測り標高山

頂か山麓かなどの地形分類尾根斜面谷

といったことをも記録しています斜面の場

合は微気象には斜面の方位と傾斜も大事で

すので同時に測っていますまた植生分類

<全国集会報告>

5

を記録しています宮城県の場合実際には

七十八に分けてありますがそのうち簡易型

の四十に分けたものを使っておりどこに該

当するかを番号で記載しています将来この

地点を再度調べる機会があったときに今回

の記録を生かして継続的な変化を見るチャン

スにしたいと思っています放射線の強い所

ではおそらくこれから植物の変化が起こる

でしょうからその変化を捉えておく必要が

あるだろうと思います写真で示したように

高さ一メートルと五十センチの二地点で測っ

ています一メートルは大人の大事な部分

五十センチは子供の大事な部分にあたります

宮城県は狭いように見えて以外と広いです

面積は72843 km

2

南北約140北緯37度47

分39度00分まで宮城県の範囲です東西

幅の平均が60あります汚染の詳細な図面

を作ろうと思ったら相当の数の測定点が必

要ですこれをなんとか少ない人数でもいい

からカバーして汚染地図というか放射能の

線量地図を作るのが我々の目標です現在

まで山岳二五〇ヶ所測定点四五〇ヶ所くら

いを測定してまいりましたそれによって

なんとか福島第一原子力発電所の事故が宮

城県に及ぼした放射線影響の分布図が作れた

と思います

色々な見方があるかと思いますがまず第

一に宮城県のほぼ全域にわたって放射能汚

染が認められたと言えるのではないかと思い

ます通常我々が自然被ばくしている量の約

二倍から二五倍の値になっていますこれ

は大変重大なことですなにげなく生活して

いる所でもそれなりの被ばくがあったと結

論せざるをえないのではないかと思います

それから奥羽山脈の東側と西側で大きく違い

ます西側の山形県と秋田県は我々の所と

比べるとずっと低い放射線の値を示していま

す奥羽山脈が存在することでさらなる拡散

を抑えたのではないかと思います山岳はた

だそこにそびえているだけでなく気象条件

を通じて放射線の拡散という現象において大

きな影響を持ちます

新聞その他でよく紹介される汚染図です

が原子力発電所の北西の方向に強い放射能

汚染帯が伸びていますその先端は福島県で

終わっているのではなく宮城県の南部の地

域阿武隈山地の北端部にかかっています

その中には非常に高い放射線量の値を示す地

域が存在していますここに来る四五日前

にようやく除染をする手はずを進めていると

いうニュースを聞きました私達が放射線量

の結果をお知らせしたのは六月ごろですが

それも含めて色々なことが検討されたのかと

思います原子力発電所の事故による放射能

の影響の範囲について三十キロ圏という表

現がよく使われていますが約八十キロ離れ

た所まで被ばく量の限度と言われている年

間一ミリシーベルトに達している所がありま

すですからこのような事故が起これば三

十キロではなくて八十キロの範囲で影響が出

ると言えますさらに気象的な条件によって

宮城県の北側栗駒山の東側一帯の山地から

丘陵にかけた所でも非常に高い値を示すとこ

ろがあります従ってときには二百キロぐ

らいは放射能の汚染圏内に入るのではないか

と思います

三期の今年の九月からこれまで測定して

きたデータを背表紙のついていない冊子にの

せています測定した日と場所経緯度と測

定値と山の名前標高植生を記録していま

す測定は最低五回測り最高値と最低値と

平均値を示しています九月以降十一月一六

日までに八十一ヶ所を追加して調査しそれ

を図面化したのか最後のページです宮城県

北部地域の放射能分布図で特に値の高い三

地域をAとBとCとして示しましたAの中

には牡鹿半島と金華山が入っています金

華山の山頂部分の北西斜面にも非常に高い所

<全国集会報告>

6

がありましたこれをよく見ていただくと

このAのちょうど真ん中に東北電力の女川原

子力発電所があります女川原子力は震災の

時に少しトラブルがあったと新聞に報道され

ておりましたその影響なのかあるいは福

島原子力発電所の事故の影響がここまで来て

いるのかはまだ諮りかねておりますがい

ずれ検討していきたいと思いますここには

花崗岩の山が沢山ありますそれから粘板岩

のはいった面白い山もたくさんあるのですが

そのような山々の放射線が他の所に比べると

高い値を示しています次にBの地域ですが

宮城県の北側の蚕飼山(こがいさん)から始

まって烏兎山(うどやま)周辺が大変汚

染されています平泉の向かい側の束稲山(た

ばしねやま)まで高い地域がまとまってあり

ますそれからもう一つがCの地域で栗原

市にあたります文字三山の大土ヶ森という

山があり興味深い地域なのですがここにも

非常に高い地点がありますまだまだ測定地

点が少ないのでこれからさらに地点を増や

して正確な汚染地図を作りたいと思っており

ますがだいたい宮城県の汚染の実態は現在

のものと近いものになるだろうと考えていま

す も

う一度福島原子力発電所で起った事故

が日本の自然に対してどの程度の大きさの

事故だったのかと考えてみますこの事故に

より立ち入ることができない地域として帰還

困難区域居住制限地域区域避難指示解除

準備区域ができましたこの地域を足します

と約2300km

2

にあたりますその中に山が約

二五座ありますいつまでの間か分かりま

せんが我々はこの二五座には入ることは

まかりならないということになりますもう

少し広げて年間一ミリシーベルトの地域こ

れは年間の被ばく限度量ですがこの地域を

全部足しますと約16000 km

2

となります

まだ正確に計算していませんが概算でこの

くらいの値になりますこれは日本の国土の

約五にあたりますこのような地域に登山

に行くときは我々はどのような知識を頭に

入れておくべきかそもそも登山してもよい

のかも検討しておかなければならないと思い

ます一ミリシーベルト以上の地域には将

来生態系の変化が起こる可能性もあります

私達の登山は健全な自然山岳を対象にし

てきました日本山岳会の自然保護活動も

この健全な自然山岳を将来にいかに確実に残

していくかを追求してきたと思います登山

はただの娯楽では無くて自然保護と両輪をな

さなければならなりません日本山岳会の皆

さんにこのような事態にたちあったときに

どのような行動をとるのかどのような指針

を持つべきなのかご検討頂いて原子力発電

所事故という大災害に対する我々の意志をは

っきりと持って登山を行っていければと思い

ます

宮城県北部の牧草地帯に放射性物質で汚

染された廃棄物の処分場候補地が三ヶ所挙げ

られています全て奥羽山脈の中で河川の

水源地にあたりますただ単に被ばくしたと

いうだけでなく汚染された廃棄物によって

も様々な影響を受けるかもしれません汚染

されてこなかった山岳も新たに影響を受ける

のではないかと心配されます

私達の報告書を色々な皆様に差し上げて

きましたが色々なコメントを頂戴しました

まだまだ不十分ですがこれからも測定を続

けてできるだけ沢山の正確な情報を皆さん

に伝えていければと思っております今日は

特別にご紹介する場を設けて頂いて宮城支

部としては非常にありがたいと思っています

どうもありがとうございました

(記録下野綾子)

<全国集会報告>

7

リニア新幹線に関する報告

静岡支部

白鳥

勝治

本日はリニア中央新幹線工事に関する

南アルプスの自然保護について静岡支部

がどのようにとらえて現状を取り扱って

いるかということについて報告申し上げ

ます

南アルプスはご承知のように静岡県の

最北端にある白峰三山の間ノ岳を源にし

て真南に流れる延長168の大井川を

中央に東側に富士川西側に天竜川と

いずれも静岡県に河口がある1級河川の

源流域で山梨県長野県静岡県にまた

がる北岳をはじめ3000m以上の嶺峰

13座を持つ国立公園です今年は国立

公園に指定されてからちょうど50年にな

りますまた6月には周辺の3県10市

町村の協力と関係者の尽力によりユネス

コエコパークに登録を認められました

この南アルプスの中央部にある塩見岳

(3046m)と荒川東岳(3141m)

中間点をほぼ真横に貫くリニア中新幹線

計画が本年(平成26年)発表されまし

た東側の山梨県早川町から静岡県の静岡

市北部を通り抜けて西側の長野県大鹿村

に出る22のトンネルですこれらにつ

きましては計画の段階からマスコミで報

じられていましたが静岡県では11月18

日JR東海が県民に対し直接説明会を開

いて工事内容が明らかになりました

私達はそれ以前より新聞などで情報を

得てはいましたが正直な話支部の会員

の中ではこの問題についてあまり話題に

なりませんでしたなぜならリニア新幹

線が静岡県を通る場所は地下の深い所で

一番浅い所でも地下500mくらいとい

うことであまり影響はないのではないか

と言われていたこととそれからリニアが

通る地域は人が全く住んでいない山の中

であるということもあり駅も出来ないこ

とから山梨県や長野県の皆さんよりも感

度が低かったということは否めなかった

ことです

私達がこれは大変だという情報を得た

のは「木の目草の芽」111号がきっかけ

でした特に今回の工事計画の中で問題に

なっているのは掘削土です静岡県内では

大井川の上流域二軒小屋と椹島の間に一

か所それから西俣の上流側に一か所計

二つの口を開けることになっています

ldquo非常口rdquoという表現をJR東海はしてい

ますがこのldquo非常口rdquoはどうも説明の内

容ではトンネルの掘削工事を進める段階

での必要性の方が高かろうと思われます

そこから排出される360万という膨

大な掘削土を大井川上流域へ置くとい

う具体的な位置を説明書で示しています

この川には大きな滝こそありませんが

周辺地域は年間3000の降雨量があ

りますそれに昭和40年代二軒小屋か

ら東俣の奥の広河原に建てられた東海パ

ルプの事業所へ通ずる車道が大雨で一晩

のうちに崩壊したことがありましたそれ

ほど地盤は落ち着いていない地域である

ということをご理解いただけると思いま

すがここへ360万の土砂を排出する

ということになれば河川の増水時の流出

や水質への影響もしくは河川の水底質

への影響などを考えるとこれはただごと

ではないという懸念がひとつあります

それからもうひとつはJR東海から発

表された計画ではトンネルの掘削に伴う

地下水等への影響により源流域において

表流水の量が毎秒2トン程度減水すると

<全国集会報告>

<全国集会報告>

8

想定されていることです

これは自然に対する影響ばかりでなく

て下流における7市63万人の飲み水や

農業用水などもっと大きな問題にもかか

わってきます

少し話題が外れますが大井川は全長1

68の中に支流を含めて大小15カ所ほ

どのダムがありますそのうちのほとんど

が電源開発によって造られ利用されてい

るものです昭和30年代に最後のダムが出

来上がった時下流域が砂漠化したことが

ありますこの砂漠化について流域の住民

が危機感をもって蜂起し県を通じ電力会

社に対して川へ水を戻せと要求したこと

があります発電用水を減らす事を拒んだ

電力会社にたいして住民の強い結束力に

押された当時の県知事が交渉してなんと

か毎秒5トンの水を放流して今の流れが

保たれています

皆さんご承知のように江戸時代には大

井川は東海道の難所として「箱根八里は馬

でも越すが越すに越されぬ大井川」とう

たわれたように深さが通常2尺5寸あっ

たそうです約75ですそして水深4尺

5寸まで増水すると川留めをしていまし

たこの川は幕府の政策上橋を架けるこ

とも船を使うことも禁じていましたので

東海道を往来する旅人は川渡しの人夫の

肩を借りるか神輿にように担いで人夫に

渡してもらっていたということで両岸に

は350人ずつの川人夫を幕府直轄で配

置して川渡しに当たらせていたといいま

すつまりそれほど流量豊かな川であっ

たのが申し上げました通り流量が減少

して現在も下流へ行くと川原が広く水は

細々と流れている状態なのです

リニア新幹線工事が大井川へ及ぼすこ

れ以上の影響について県知事は流量の減

少計算結果は不確実性が高いと懸念して

います

それからリニア新幹線が通過する静岡

市ですが実際市は大井川の水を一部の

地区でしか使っていませんしかし静岡市

長もこの減水については掘削土と同様に

自然保護上成り行きを重視しています

こうした状況の中で静岡支部は南アル

プスの自然を身近にして楽しんできた地

元の山岳団体として又南アルプスの自

然を大切にして次の世代に継承するため

にもこの問題についてなんらかの意思表

示をしなければならないとして登山愛好

者のみなさんにこの実態を訴えてみなさ

んの考えを聞かせていただきたいという

ことを含めて静岡県知事と静岡市長に対

して申し入れをすることになりました

又これまで静岡支部は静岡県内の静岡

県山岳連盟静岡県勤労者山岳連盟および

静岡市山岳連盟など県内の山岳団体と一

緒に行動を起こしたということはありま

せんでしたが今回は静岡支部の大島支部

長がこの問題を提起して各団体へ話をし

た結果これは四山岳団体として行政を通

じてJR東海に申し立てをしなければな

らないということになりました

意見は色々がありましたが静岡支部は

やはり自然保護という切り口から意見さ

せていただこうということで合意を戴き

「リニア中央新幹線南アルプストンネル

工事に関する申し入れ書」(次頁)を作成

し提出しました

ご清聴ありがとうございました

(記録元川里美)

<全国集会報告>

9

静岡県知事 川勝平太殿

平成 26年 9 月 10 日

リニア中央新幹線南アルプストンネル工事に関する申し入れ書

静岡県山岳連盟(代表 滝田博之)

静岡県山岳連盟(代表 松永義夫)

静岡県勤労者山岳連盟(代表 竹本幸造)

公益社団法人 日本山岳会静岡支部

(代表 大島康弘)

リニア中央新幹線南アルプストンネル工事の残土処分と地下水湧に関してJR東海の対策は現段

階においてずさんであると言わざるを得ません

大井川の上流二軒小屋の地下 500m付近を貫通するトンネル掘削の残土は斜坑より二軒小屋付近

に運び上げられて谷筋の中部電力残土置き場に上積み一部は転付峠北方の尾根付近にも投棄され

るとのこと私たち静岡県の岳人は残土をこの美しい渓谷や山に投棄することによって大井川上流

の自然景観が破壊されるのではないかと大きな危惧を抱いております

さらに水の問題が指摘されています地下水脈は私達の理解を超えるほどに複雑で今なお年間

4mm の隆起を続けている南アルプスの破砕帯を貫通するトンネルが地下水脈を思わぬ方向に導く

ことは容易に想像できますまた調査の結果トンネル工事で大井川の水量が毎秒 2 トン減水する

と予測されていますがその場合はポンプで大井川に戻すとのことトンネルの 500m上部を流れる

大井川までポンプで汲み上げるとは恐れ入りますがそのためには 20000kw もの大規模な揚水設備

が必要になりリニア新幹線の膨大な電力消費をさらに押し上げることになります

先の敗戦の後農薬水質汚濁大気汚染などにより多様な生物に溢れていた野山の豊かな生態

系はすでに取り返しのつかないほど破壊されています私たちは豊かさと便利さのために貴重な自然

をこれ以上壊すことに慎重でなければなりません静岡県がリニア新幹線のトンネル工事により

大井川上流域の生態系や自然景観が破壊されるであろうことを深刻に受け止め計画路線の変更も視

野に入れながらJR東海を指導するよう次の2点について知事に要請いたします

1)残土を大井川渓谷に投棄しないこと

2)大井川の水量の低下をさせないこと

時を同じくして本年6月南アルプスはユネスコエコパーク登録承認されました

南アルプスは太古の自然が息づく日本に残された数少ない地域ですこの地域を保全することが

リニア新幹線のトンネル工事に優先することは言うまでもありません私たち静岡県の山岳関係者

は南アルプスの大自然を享受してきた者としてその豊かな生態系を私たちの子孫に手つかずのま

ま継承することが最も大切と信じるからです

上記について知事の見解をお伺いできれば幸甚です

<全国集会報告>(資料)

10

弥山山頂にて

宮島

厳島神社参拝弥山ハイキング

野島

信隆

目的UAAA広島山岳平和祭自然保護全

国集会で広島に来られた方に世界遺産の宮

島厳島神社を参拝して貰い原生林が残り展

望の良い弥山ハイキングを楽しみ自然保護状

況を見て頂く

日時11

月24

日(

月)

8時~15

時30

天候晴れ

場所広島県廿日市市宮島町

弥山(

535m)

参加者13名自然保護委員会

下野渡邉

川口宮城支部

柴崎千葉支部

石岡東京

多摩支部

河野西村石川支部

安田東九

州支部

阿南緑爽会

里見広島支部

野島

寺西井川

コースタイム大混雑での遅れを心配したが

早めに行動した為無事ほぼ計画書通り行動

できた

700広島県スポーツ会館発750宮

島口到着800松大汽船団体乗船

810宮島下船受付で弁当お茶受取り

830JAC隊出発845厳島神社参

拝920多宝塔でストレッチ後多宝塔

コースを登山(絶景ポイント朝日観音等

約20分毎休憩)

1105~1145駒ケ林(

昼食)

1200~

1205仁王門(

軽登山靴倶楽部隊と挨拶)

1225~1240弥山(展望台で360度

の展望記念撮影)

1250~1300弥

山本堂

霊火堂1300~もみじ谷コース

で下山(植物観察しながら)1400~

1420もみじ谷公園東屋で大休憩

1425~1430四之宮神社前でクーリ

ングストレッチ1430~商店街でお土

産購入1458宮島桟橋受付へ帰着

1520~1530松大汽船で宮島口解散

概要宮島の自然保護状況や歴史にも触れて

頂き交流を図りながら紅葉の秋の宮島を堪

能頂く事ができた

UAAA創立20周年記念総会が広島で開

催される事になり国内の山岳団体も一堂に

会する目的でJACの自然保護全国集会が広

島で開催されたこれのフィールドスタディ

と観光を兼ねて世界遺産の宮島厳島神社を

参拝し弥山ハイキングを楽しみながら原生

林の自然保護状況を見て頂く事にした

広島支部では全国から参加される大半が

宮島に行かれる事を想定して引率慣れした

登山講座委員会に要請して講師アシスタン

ト講師12名を準備したが県外参加者が10

名となったので無理に依頼した2名は断り

JAC隊10名は野島をCLに3名軽登山靴

倶楽部24名は兼森支部長をCLに7名で対

応した

当日は宿舎へ広島支部会員の自家用車3

台でお迎えして宮島口へ3連休で紅葉の見

頃なので宮島は大混雑が予想されたがJA

C隊は追加料金を払って朝食を早めて貰い

他隊より30分先行したのでほぼ計画通りス

ムーズに宮島に渡る事が出来終始和気藹々

<全国集会報告>

<全国集会報告>

11

厳島神社境内で鳥居をバックに

と秋の宮島を楽しんで頂く事ができた

宮島口から宮島へ渡った後受付で「山の

おべんとう」とお茶CLは無線機と引率用

の旗を受取って出発出発直後に野島の親友

であるJACの本井伝夫妻と出会いカメラマ

ンを依頼した

鹿が人懐っこく近づく中厳島神社へ厳

島神社で安全祈願後鳥居をバックに記念撮

多宝塔で入念にストレッチ後山道を登る

宮島は世界遺産で木を勝手に切れず道幅は

狭い途中の絶景ポイントで休憩しながらゆ

っくり登り途中で日山協隊に追いつかれ大

渋滞に巻き込まそうになったが彼らが回り

道をしている間に駒ケ林にトップで到着

広島県山岳連盟が広島駅弁と共同開発した

自然に優しく自然環境基金にも貢献している

登山者用「山のおべんとう」を温かい味噌汁

つきで食べコーヒーサービス

仁王門で軽登山靴倶楽部隊などUAAA

の名札をつけた多くの皆さん方と挨拶しなが

ら大日堂干満岩を経由して弥山山頂へ

完成間もない山頂展望台からは360度

の展望が臨め主な山や瀬戸内の島々廿日

市広島市街を紹介して楽しんで頂き記念

撮影

消えずの火の霊火堂弥山本堂を参拝し

もみじ谷コースを植物の詳しい石川支部の

安田さんと宮城支部の柴崎さんに珍しい植物

の説明を受けながら下山

もみじ谷の東屋では無事下山を祝って持

参した缶ビールとお菓子果物等を出し合っ

て休憩後四之宮神社でお礼の参拝をしてク

ールダウン

商店街ではもみじ饅頭などのお土産を購

入して宮島桟橋で帰着の受付を済ませフェ

リーで本土に渡って解散宮島口駅からはJ

Rで広島駅迄移動して新幹線で各地に帰っ

て頂いた

宮島は世界遺産に指定されている為に木

を切ったり石を動かすのにいくつもの団体へ

の申請が必要で原生林が残されている今

回は時間がなくて他の隊は自然観察を省略

して観光とハイキングのみだったがJAC

隊は早く行動した事と参加者の中に植物に

詳しい会員がおられて何カ所かで説明を受

けてフィールドスタディが出来て良かったと

思う

私は自然保護全国集会へは初めての参加

だったが今回広島で開催され受入を担当さ

せて頂いたので沢山の方とお知り合いにな

りJACの人材の豊富さと自然保護委員会

の取り組み状況を再認識しました行き届か

ない点があってご迷惑をかけた事と思います

がご容赦下さい今後ともよろしくお願い

致します

(広島支部

副支部長)

<全国集会報告>

12

自然保護委員会の活動記録

〈十二月度〉

①山岳団体自然環境連絡会

12月

19日(金)

出席者近藤渡邉富澤武藤

bull 各団体の報告

②自然保護委員会

12月

24日(水)

bull 『木の目草の芽』について

「113号」の発行は1月8日に延期

する

「114号」は1月

26日に発行し

1月は二号発行する

bull 講演会について

「平成

26年度に起きた我が国の火山

噴火に学ぶ」というテーマで寺田暁彦

氏(東工大火山流体研究センター専任

講師)の講演会を開催することを決定

(3月

31日)

bull 自然保護全国集会について

自然保護全国集会(広島)における静

岡支部宮城支部などの報告内容を

「木の目草の芽」全国集会報告号に掲

載することを決定した

次回の自然保護全国集会について検

討を行った

〈講演会のご案内〉自然保護委員会主催

『平成

26年度に起きた

我が国の火山噴火に学ぶ』

講師 寺田 暁彦 氏

東京工業大学

火山流体研究センター専任講師

日時 平成

27年3月

31日( 火

)

18時

30分~

20時

30分

会場 日本山岳会ルーム104号室

定員

35名

申込 3月

25日( 水

)

18時までに

左記いずれかの方法でお願いします

① 山

岳会事務所入り口脇の

投函袋に出席票を挿入

② 左

記あてにメール

tsimoictvnejp(下野)

③ 左

記宛てに電話かFAX

04―264―4447(下野)

会場の準備および講演会用資料の準備等

のため必ず期日までに申し込みをお願いいた

します

火山流体研究センター

東京工業大学で火山の観測研究が始まったの

は約

60年前1974年に国家プロジェクト

「火山噴火予知計画」にも参画し全国の火山を

対象に火山研究を進めることになる1976

年の草津白根山水釜火口の噴火を事前に予測す

ることができこれは水蒸気爆発を地球化学的

に予測した世界最初の事例として有名です

購読料をありがとうございます

8月

21日~1月

20日 敬称略

齋藤長作(渋川市)

舩田洋子(福井市)

合計2000円

訂正とお詫び

『木の目草の芽』113号

11ページ「国見利

夫さんを偲ぶ」の文中2段目右から

11行目

織内信孝さんのお名前は「織内信彦」です

訂正してお詫び申し上げます

〈編集後記〉113号に続きまして全国集会報告号

です次号(3月号)からは定期奇数月にお届けする

予定です今年もよろしくお願いいたします(元川)

Page 3: Â E r K Z u H J 8 M - JAC · K S HÎ Q b |: ^ G \?} HÍ Ò º b +¬! 1¤ ² \ 7 c ¾ ¿ ¨ ¶ -4 b 8 S T A HÍ ¥ £ Å b +¬! 1¤ q · >3>. º ú ~ 3É ~ HÍ Q G Ë I « _

3

数年前に本部と福岡支部と共同いたし

まして屋久島のことを少し調べました

屋久島は周囲130キロぐらいの小さな

島ですが1900くらいの山を中心にし

て山が沢山集まっています

パワースポットがあるということで縄

文杉が300年とか6000年とかいう

話しも飛び交い皆さん大いに山に出掛け

られました九州一円よりも関東関西

からの方が多く特に山ガールが多くなっ

ています

小さな島といいましてもパワースポッ

トの最たる縄文杉に登る道はやはり山で

す大勢が通ると根っこを踏みつけますの

で裸地化してまいりましたトイレの問

題もありますが道が悪いというので林

野庁が登山道に木道を作りました石段で

はなく木段ですところが幅が70センチ

しかなくすれ違いができませんこれで

は裸地化がますます進むばかりではない

でしょうか

現在屋久島を訪れる方は年間だいたい

30万から40万人前後ですオーバーユー

スであるというのは明らかですから入島

制限あるいは入山規制をしたらどうかと

いうことを我々は申しておるのですが町

はなかなか動きません

以前は漁業と林業の島で屋久杉の伐

採がやはり経済的な潤いを島にもたらし

ていたようですしかしだんだん日本の

国が豊かになってきますと木材は外国か

ら輸入し大事な木材は残そうということ

かどうか知りませんが屋久島の屋久杉と

いうのは非常に貴重なものです樹齢千

年未満は屋久杉とは言いません古杉とい

います千年を越えたものだけが屋久杉と

呼ばれますいまも屋久杉は伐採を禁止さ

れていますいま出回っているものは以

前伐採した根っこを取り出してきてそれ

を細工しているという状況であります

とにかく入島制限という話も直接町長

さんにもしましたが現在の町長さんは民

宿経営をなさっているのでお客さんが減

るとやっぱり困るのですだから実際

なかなか動きは悪い特に町議会が動きま

せん前の町長さんが規制の案を議会に

提出したのですが全会一致で否決されま

した全会一致ということはおかしいです

よね

それは別としてもう一つの問題はガイ

ドシステムがなっていないことです観光

協会というのがあり非常に力が強いです

島民の3分の1以上が観光業に関与して

いるこの観光協会の講習を2回くらい受

ければ「それでOK」となってしまい

実際にはっきりした教育トレーニングと

いうのが行われていませんそういうこと

で何とかシステムを構築しようという動

きが強いのですがいよいよとなると一部

の強い反対が起こりなかなかうまくいき

ませんそれを何とかしなければと思いま

(記録土井

充)

支部報告のひとコマ

<全国集会報告>

4

山地における放射線量報告

宮城支部

柴崎

宮城支部から東京電力の福島第一原子力

発電所の事故に伴う郷土の汚染状況について

お話させて頂きますご存じのようにこの

事故で非常に広い地域が放射能汚染にさらさ

れることになりました『新日本山岳誌』に日

本の基本的な地形図がのっていますがそれ

に照らして眺めてみますと汚染地帯の中心

は阿武隈山地とその周辺の山八溝山地北

上山地我々の住む場所の近くの奥羽山地

上越山地関東山地それに加えその間に

ある北上盆地仙台平野関東平野が汚染さ

れたことが分かります私達宮城支部のフィ

ールドとなっている山々はなんといっても

奥羽山脈ですが阿武隈山地や北上山地も

我々の大事なフィールドです我々と関わり

の深い大切なフィールドが汚染されたわけで

す国や県市町村に働きかけて汚染状況を

示すデータが無いのか尋ねてまいりました

しかし都市部におけるモニタリング測定はな

されていますが自然の中特に山地に関し

てはほとんど測定されていないというお返事

でした私達が常日頃登っている山々がどの

くらい汚染されているのかそれによって

我々は登山の際にどう考えて行動していか

なければならないのか家族や子連れで行く

対象になりうるのか深刻な問題が含まれて

います日本山岳会の支部で諮ったところ

我々で測定しようじゃないかという話になり

ました本来は一山岳団体ではなく国ある

いは調査機関がやるべき仕事だと思います

ですが誰もやらないのだったらとりあえ

ず我々で測定しようということになりました

日本山岳会宮城支部の中で自然保護委員会

とは別に山岳放射線量調査特別委員会をたち

あげました最初は支部をあげて全員で取り

組む予定でしたが効率が悪いものですから

測定に慣れた五六人で継続して測定してい

くことになりましたこの調査は長期にわた

ると予想されましたので第一期と第二期に

分けて測定しましたさらに一期と二期で

は足りず現在第三期として調査しています

第一期が昨年の六月から八月までとくに栗

駒山船形山泉ヶ岳大東岳蔵王山など

を調査しました第二期はその後九月から今

年の三月まで半年がかりで色々な丘陵地や山

をできるだけたくさん測定しましたお配り

した黒い背表紙の赤い冊子にまとめておりま

す今年の九月から今まで北上山地築館

丘陵岩手県の境の磐井丘陵辺りを調査しま

したなぜそこを再度調査したかといいます

とその辺りは我々が考えていたよりも広い

範囲で汚染された地域にあたっていると考え

られたためです

測定器具はHORIBA PA-1000 Radi

ですコ

ンパクトで簡易型ですが意外と精度がよく

測定できます線量計はシンチレーション式

で電離放射線を受けたシンチレータから出

た蛍光をセンサで捉えて表示するというもの

ですγ線を測っています測定の対象とな

っているのはセシウム134ならびにセシウム

137であると考えて頂いていいと思いますセ

シウム134の半減期は二年ですがセシウム

137の半減期は約三十年で非常に長い時間か

かりますですから仮に我々が汚染地域だと

認めた場合にはその地域とこれから長い間

つきあっていかなければならないということ

になります

測定の際には放射線を測定するだけでな

くその測定地点の地形や植生の特徴も記録

しています位置はGPSで測り標高山

頂か山麓かなどの地形分類尾根斜面谷

といったことをも記録しています斜面の場

合は微気象には斜面の方位と傾斜も大事で

すので同時に測っていますまた植生分類

<全国集会報告>

5

を記録しています宮城県の場合実際には

七十八に分けてありますがそのうち簡易型

の四十に分けたものを使っておりどこに該

当するかを番号で記載しています将来この

地点を再度調べる機会があったときに今回

の記録を生かして継続的な変化を見るチャン

スにしたいと思っています放射線の強い所

ではおそらくこれから植物の変化が起こる

でしょうからその変化を捉えておく必要が

あるだろうと思います写真で示したように

高さ一メートルと五十センチの二地点で測っ

ています一メートルは大人の大事な部分

五十センチは子供の大事な部分にあたります

宮城県は狭いように見えて以外と広いです

面積は72843 km

2

南北約140北緯37度47

分39度00分まで宮城県の範囲です東西

幅の平均が60あります汚染の詳細な図面

を作ろうと思ったら相当の数の測定点が必

要ですこれをなんとか少ない人数でもいい

からカバーして汚染地図というか放射能の

線量地図を作るのが我々の目標です現在

まで山岳二五〇ヶ所測定点四五〇ヶ所くら

いを測定してまいりましたそれによって

なんとか福島第一原子力発電所の事故が宮

城県に及ぼした放射線影響の分布図が作れた

と思います

色々な見方があるかと思いますがまず第

一に宮城県のほぼ全域にわたって放射能汚

染が認められたと言えるのではないかと思い

ます通常我々が自然被ばくしている量の約

二倍から二五倍の値になっていますこれ

は大変重大なことですなにげなく生活して

いる所でもそれなりの被ばくがあったと結

論せざるをえないのではないかと思います

それから奥羽山脈の東側と西側で大きく違い

ます西側の山形県と秋田県は我々の所と

比べるとずっと低い放射線の値を示していま

す奥羽山脈が存在することでさらなる拡散

を抑えたのではないかと思います山岳はた

だそこにそびえているだけでなく気象条件

を通じて放射線の拡散という現象において大

きな影響を持ちます

新聞その他でよく紹介される汚染図です

が原子力発電所の北西の方向に強い放射能

汚染帯が伸びていますその先端は福島県で

終わっているのではなく宮城県の南部の地

域阿武隈山地の北端部にかかっています

その中には非常に高い放射線量の値を示す地

域が存在していますここに来る四五日前

にようやく除染をする手はずを進めていると

いうニュースを聞きました私達が放射線量

の結果をお知らせしたのは六月ごろですが

それも含めて色々なことが検討されたのかと

思います原子力発電所の事故による放射能

の影響の範囲について三十キロ圏という表

現がよく使われていますが約八十キロ離れ

た所まで被ばく量の限度と言われている年

間一ミリシーベルトに達している所がありま

すですからこのような事故が起これば三

十キロではなくて八十キロの範囲で影響が出

ると言えますさらに気象的な条件によって

宮城県の北側栗駒山の東側一帯の山地から

丘陵にかけた所でも非常に高い値を示すとこ

ろがあります従ってときには二百キロぐ

らいは放射能の汚染圏内に入るのではないか

と思います

三期の今年の九月からこれまで測定して

きたデータを背表紙のついていない冊子にの

せています測定した日と場所経緯度と測

定値と山の名前標高植生を記録していま

す測定は最低五回測り最高値と最低値と

平均値を示しています九月以降十一月一六

日までに八十一ヶ所を追加して調査しそれ

を図面化したのか最後のページです宮城県

北部地域の放射能分布図で特に値の高い三

地域をAとBとCとして示しましたAの中

には牡鹿半島と金華山が入っています金

華山の山頂部分の北西斜面にも非常に高い所

<全国集会報告>

6

がありましたこれをよく見ていただくと

このAのちょうど真ん中に東北電力の女川原

子力発電所があります女川原子力は震災の

時に少しトラブルがあったと新聞に報道され

ておりましたその影響なのかあるいは福

島原子力発電所の事故の影響がここまで来て

いるのかはまだ諮りかねておりますがい

ずれ検討していきたいと思いますここには

花崗岩の山が沢山ありますそれから粘板岩

のはいった面白い山もたくさんあるのですが

そのような山々の放射線が他の所に比べると

高い値を示しています次にBの地域ですが

宮城県の北側の蚕飼山(こがいさん)から始

まって烏兎山(うどやま)周辺が大変汚

染されています平泉の向かい側の束稲山(た

ばしねやま)まで高い地域がまとまってあり

ますそれからもう一つがCの地域で栗原

市にあたります文字三山の大土ヶ森という

山があり興味深い地域なのですがここにも

非常に高い地点がありますまだまだ測定地

点が少ないのでこれからさらに地点を増や

して正確な汚染地図を作りたいと思っており

ますがだいたい宮城県の汚染の実態は現在

のものと近いものになるだろうと考えていま

す も

う一度福島原子力発電所で起った事故

が日本の自然に対してどの程度の大きさの

事故だったのかと考えてみますこの事故に

より立ち入ることができない地域として帰還

困難区域居住制限地域区域避難指示解除

準備区域ができましたこの地域を足します

と約2300km

2

にあたりますその中に山が約

二五座ありますいつまでの間か分かりま

せんが我々はこの二五座には入ることは

まかりならないということになりますもう

少し広げて年間一ミリシーベルトの地域こ

れは年間の被ばく限度量ですがこの地域を

全部足しますと約16000 km

2

となります

まだ正確に計算していませんが概算でこの

くらいの値になりますこれは日本の国土の

約五にあたりますこのような地域に登山

に行くときは我々はどのような知識を頭に

入れておくべきかそもそも登山してもよい

のかも検討しておかなければならないと思い

ます一ミリシーベルト以上の地域には将

来生態系の変化が起こる可能性もあります

私達の登山は健全な自然山岳を対象にし

てきました日本山岳会の自然保護活動も

この健全な自然山岳を将来にいかに確実に残

していくかを追求してきたと思います登山

はただの娯楽では無くて自然保護と両輪をな

さなければならなりません日本山岳会の皆

さんにこのような事態にたちあったときに

どのような行動をとるのかどのような指針

を持つべきなのかご検討頂いて原子力発電

所事故という大災害に対する我々の意志をは

っきりと持って登山を行っていければと思い

ます

宮城県北部の牧草地帯に放射性物質で汚

染された廃棄物の処分場候補地が三ヶ所挙げ

られています全て奥羽山脈の中で河川の

水源地にあたりますただ単に被ばくしたと

いうだけでなく汚染された廃棄物によって

も様々な影響を受けるかもしれません汚染

されてこなかった山岳も新たに影響を受ける

のではないかと心配されます

私達の報告書を色々な皆様に差し上げて

きましたが色々なコメントを頂戴しました

まだまだ不十分ですがこれからも測定を続

けてできるだけ沢山の正確な情報を皆さん

に伝えていければと思っております今日は

特別にご紹介する場を設けて頂いて宮城支

部としては非常にありがたいと思っています

どうもありがとうございました

(記録下野綾子)

<全国集会報告>

7

リニア新幹線に関する報告

静岡支部

白鳥

勝治

本日はリニア中央新幹線工事に関する

南アルプスの自然保護について静岡支部

がどのようにとらえて現状を取り扱って

いるかということについて報告申し上げ

ます

南アルプスはご承知のように静岡県の

最北端にある白峰三山の間ノ岳を源にし

て真南に流れる延長168の大井川を

中央に東側に富士川西側に天竜川と

いずれも静岡県に河口がある1級河川の

源流域で山梨県長野県静岡県にまた

がる北岳をはじめ3000m以上の嶺峰

13座を持つ国立公園です今年は国立

公園に指定されてからちょうど50年にな

りますまた6月には周辺の3県10市

町村の協力と関係者の尽力によりユネス

コエコパークに登録を認められました

この南アルプスの中央部にある塩見岳

(3046m)と荒川東岳(3141m)

中間点をほぼ真横に貫くリニア中新幹線

計画が本年(平成26年)発表されまし

た東側の山梨県早川町から静岡県の静岡

市北部を通り抜けて西側の長野県大鹿村

に出る22のトンネルですこれらにつ

きましては計画の段階からマスコミで報

じられていましたが静岡県では11月18

日JR東海が県民に対し直接説明会を開

いて工事内容が明らかになりました

私達はそれ以前より新聞などで情報を

得てはいましたが正直な話支部の会員

の中ではこの問題についてあまり話題に

なりませんでしたなぜならリニア新幹

線が静岡県を通る場所は地下の深い所で

一番浅い所でも地下500mくらいとい

うことであまり影響はないのではないか

と言われていたこととそれからリニアが

通る地域は人が全く住んでいない山の中

であるということもあり駅も出来ないこ

とから山梨県や長野県の皆さんよりも感

度が低かったということは否めなかった

ことです

私達がこれは大変だという情報を得た

のは「木の目草の芽」111号がきっかけ

でした特に今回の工事計画の中で問題に

なっているのは掘削土です静岡県内では

大井川の上流域二軒小屋と椹島の間に一

か所それから西俣の上流側に一か所計

二つの口を開けることになっています

ldquo非常口rdquoという表現をJR東海はしてい

ますがこのldquo非常口rdquoはどうも説明の内

容ではトンネルの掘削工事を進める段階

での必要性の方が高かろうと思われます

そこから排出される360万という膨

大な掘削土を大井川上流域へ置くとい

う具体的な位置を説明書で示しています

この川には大きな滝こそありませんが

周辺地域は年間3000の降雨量があ

りますそれに昭和40年代二軒小屋か

ら東俣の奥の広河原に建てられた東海パ

ルプの事業所へ通ずる車道が大雨で一晩

のうちに崩壊したことがありましたそれ

ほど地盤は落ち着いていない地域である

ということをご理解いただけると思いま

すがここへ360万の土砂を排出する

ということになれば河川の増水時の流出

や水質への影響もしくは河川の水底質

への影響などを考えるとこれはただごと

ではないという懸念がひとつあります

それからもうひとつはJR東海から発

表された計画ではトンネルの掘削に伴う

地下水等への影響により源流域において

表流水の量が毎秒2トン程度減水すると

<全国集会報告>

<全国集会報告>

8

想定されていることです

これは自然に対する影響ばかりでなく

て下流における7市63万人の飲み水や

農業用水などもっと大きな問題にもかか

わってきます

少し話題が外れますが大井川は全長1

68の中に支流を含めて大小15カ所ほ

どのダムがありますそのうちのほとんど

が電源開発によって造られ利用されてい

るものです昭和30年代に最後のダムが出

来上がった時下流域が砂漠化したことが

ありますこの砂漠化について流域の住民

が危機感をもって蜂起し県を通じ電力会

社に対して川へ水を戻せと要求したこと

があります発電用水を減らす事を拒んだ

電力会社にたいして住民の強い結束力に

押された当時の県知事が交渉してなんと

か毎秒5トンの水を放流して今の流れが

保たれています

皆さんご承知のように江戸時代には大

井川は東海道の難所として「箱根八里は馬

でも越すが越すに越されぬ大井川」とう

たわれたように深さが通常2尺5寸あっ

たそうです約75ですそして水深4尺

5寸まで増水すると川留めをしていまし

たこの川は幕府の政策上橋を架けるこ

とも船を使うことも禁じていましたので

東海道を往来する旅人は川渡しの人夫の

肩を借りるか神輿にように担いで人夫に

渡してもらっていたということで両岸に

は350人ずつの川人夫を幕府直轄で配

置して川渡しに当たらせていたといいま

すつまりそれほど流量豊かな川であっ

たのが申し上げました通り流量が減少

して現在も下流へ行くと川原が広く水は

細々と流れている状態なのです

リニア新幹線工事が大井川へ及ぼすこ

れ以上の影響について県知事は流量の減

少計算結果は不確実性が高いと懸念して

います

それからリニア新幹線が通過する静岡

市ですが実際市は大井川の水を一部の

地区でしか使っていませんしかし静岡市

長もこの減水については掘削土と同様に

自然保護上成り行きを重視しています

こうした状況の中で静岡支部は南アル

プスの自然を身近にして楽しんできた地

元の山岳団体として又南アルプスの自

然を大切にして次の世代に継承するため

にもこの問題についてなんらかの意思表

示をしなければならないとして登山愛好

者のみなさんにこの実態を訴えてみなさ

んの考えを聞かせていただきたいという

ことを含めて静岡県知事と静岡市長に対

して申し入れをすることになりました

又これまで静岡支部は静岡県内の静岡

県山岳連盟静岡県勤労者山岳連盟および

静岡市山岳連盟など県内の山岳団体と一

緒に行動を起こしたということはありま

せんでしたが今回は静岡支部の大島支部

長がこの問題を提起して各団体へ話をし

た結果これは四山岳団体として行政を通

じてJR東海に申し立てをしなければな

らないということになりました

意見は色々がありましたが静岡支部は

やはり自然保護という切り口から意見さ

せていただこうということで合意を戴き

「リニア中央新幹線南アルプストンネル

工事に関する申し入れ書」(次頁)を作成

し提出しました

ご清聴ありがとうございました

(記録元川里美)

<全国集会報告>

9

静岡県知事 川勝平太殿

平成 26年 9 月 10 日

リニア中央新幹線南アルプストンネル工事に関する申し入れ書

静岡県山岳連盟(代表 滝田博之)

静岡県山岳連盟(代表 松永義夫)

静岡県勤労者山岳連盟(代表 竹本幸造)

公益社団法人 日本山岳会静岡支部

(代表 大島康弘)

リニア中央新幹線南アルプストンネル工事の残土処分と地下水湧に関してJR東海の対策は現段

階においてずさんであると言わざるを得ません

大井川の上流二軒小屋の地下 500m付近を貫通するトンネル掘削の残土は斜坑より二軒小屋付近

に運び上げられて谷筋の中部電力残土置き場に上積み一部は転付峠北方の尾根付近にも投棄され

るとのこと私たち静岡県の岳人は残土をこの美しい渓谷や山に投棄することによって大井川上流

の自然景観が破壊されるのではないかと大きな危惧を抱いております

さらに水の問題が指摘されています地下水脈は私達の理解を超えるほどに複雑で今なお年間

4mm の隆起を続けている南アルプスの破砕帯を貫通するトンネルが地下水脈を思わぬ方向に導く

ことは容易に想像できますまた調査の結果トンネル工事で大井川の水量が毎秒 2 トン減水する

と予測されていますがその場合はポンプで大井川に戻すとのことトンネルの 500m上部を流れる

大井川までポンプで汲み上げるとは恐れ入りますがそのためには 20000kw もの大規模な揚水設備

が必要になりリニア新幹線の膨大な電力消費をさらに押し上げることになります

先の敗戦の後農薬水質汚濁大気汚染などにより多様な生物に溢れていた野山の豊かな生態

系はすでに取り返しのつかないほど破壊されています私たちは豊かさと便利さのために貴重な自然

をこれ以上壊すことに慎重でなければなりません静岡県がリニア新幹線のトンネル工事により

大井川上流域の生態系や自然景観が破壊されるであろうことを深刻に受け止め計画路線の変更も視

野に入れながらJR東海を指導するよう次の2点について知事に要請いたします

1)残土を大井川渓谷に投棄しないこと

2)大井川の水量の低下をさせないこと

時を同じくして本年6月南アルプスはユネスコエコパーク登録承認されました

南アルプスは太古の自然が息づく日本に残された数少ない地域ですこの地域を保全することが

リニア新幹線のトンネル工事に優先することは言うまでもありません私たち静岡県の山岳関係者

は南アルプスの大自然を享受してきた者としてその豊かな生態系を私たちの子孫に手つかずのま

ま継承することが最も大切と信じるからです

上記について知事の見解をお伺いできれば幸甚です

<全国集会報告>(資料)

10

弥山山頂にて

宮島

厳島神社参拝弥山ハイキング

野島

信隆

目的UAAA広島山岳平和祭自然保護全

国集会で広島に来られた方に世界遺産の宮

島厳島神社を参拝して貰い原生林が残り展

望の良い弥山ハイキングを楽しみ自然保護状

況を見て頂く

日時11

月24

日(

月)

8時~15

時30

天候晴れ

場所広島県廿日市市宮島町

弥山(

535m)

参加者13名自然保護委員会

下野渡邉

川口宮城支部

柴崎千葉支部

石岡東京

多摩支部

河野西村石川支部

安田東九

州支部

阿南緑爽会

里見広島支部

野島

寺西井川

コースタイム大混雑での遅れを心配したが

早めに行動した為無事ほぼ計画書通り行動

できた

700広島県スポーツ会館発750宮

島口到着800松大汽船団体乗船

810宮島下船受付で弁当お茶受取り

830JAC隊出発845厳島神社参

拝920多宝塔でストレッチ後多宝塔

コースを登山(絶景ポイント朝日観音等

約20分毎休憩)

1105~1145駒ケ林(

昼食)

1200~

1205仁王門(

軽登山靴倶楽部隊と挨拶)

1225~1240弥山(展望台で360度

の展望記念撮影)

1250~1300弥

山本堂

霊火堂1300~もみじ谷コース

で下山(植物観察しながら)1400~

1420もみじ谷公園東屋で大休憩

1425~1430四之宮神社前でクーリ

ングストレッチ1430~商店街でお土

産購入1458宮島桟橋受付へ帰着

1520~1530松大汽船で宮島口解散

概要宮島の自然保護状況や歴史にも触れて

頂き交流を図りながら紅葉の秋の宮島を堪

能頂く事ができた

UAAA創立20周年記念総会が広島で開

催される事になり国内の山岳団体も一堂に

会する目的でJACの自然保護全国集会が広

島で開催されたこれのフィールドスタディ

と観光を兼ねて世界遺産の宮島厳島神社を

参拝し弥山ハイキングを楽しみながら原生

林の自然保護状況を見て頂く事にした

広島支部では全国から参加される大半が

宮島に行かれる事を想定して引率慣れした

登山講座委員会に要請して講師アシスタン

ト講師12名を準備したが県外参加者が10

名となったので無理に依頼した2名は断り

JAC隊10名は野島をCLに3名軽登山靴

倶楽部24名は兼森支部長をCLに7名で対

応した

当日は宿舎へ広島支部会員の自家用車3

台でお迎えして宮島口へ3連休で紅葉の見

頃なので宮島は大混雑が予想されたがJA

C隊は追加料金を払って朝食を早めて貰い

他隊より30分先行したのでほぼ計画通りス

ムーズに宮島に渡る事が出来終始和気藹々

<全国集会報告>

<全国集会報告>

11

厳島神社境内で鳥居をバックに

と秋の宮島を楽しんで頂く事ができた

宮島口から宮島へ渡った後受付で「山の

おべんとう」とお茶CLは無線機と引率用

の旗を受取って出発出発直後に野島の親友

であるJACの本井伝夫妻と出会いカメラマ

ンを依頼した

鹿が人懐っこく近づく中厳島神社へ厳

島神社で安全祈願後鳥居をバックに記念撮

多宝塔で入念にストレッチ後山道を登る

宮島は世界遺産で木を勝手に切れず道幅は

狭い途中の絶景ポイントで休憩しながらゆ

っくり登り途中で日山協隊に追いつかれ大

渋滞に巻き込まそうになったが彼らが回り

道をしている間に駒ケ林にトップで到着

広島県山岳連盟が広島駅弁と共同開発した

自然に優しく自然環境基金にも貢献している

登山者用「山のおべんとう」を温かい味噌汁

つきで食べコーヒーサービス

仁王門で軽登山靴倶楽部隊などUAAA

の名札をつけた多くの皆さん方と挨拶しなが

ら大日堂干満岩を経由して弥山山頂へ

完成間もない山頂展望台からは360度

の展望が臨め主な山や瀬戸内の島々廿日

市広島市街を紹介して楽しんで頂き記念

撮影

消えずの火の霊火堂弥山本堂を参拝し

もみじ谷コースを植物の詳しい石川支部の

安田さんと宮城支部の柴崎さんに珍しい植物

の説明を受けながら下山

もみじ谷の東屋では無事下山を祝って持

参した缶ビールとお菓子果物等を出し合っ

て休憩後四之宮神社でお礼の参拝をしてク

ールダウン

商店街ではもみじ饅頭などのお土産を購

入して宮島桟橋で帰着の受付を済ませフェ

リーで本土に渡って解散宮島口駅からはJ

Rで広島駅迄移動して新幹線で各地に帰っ

て頂いた

宮島は世界遺産に指定されている為に木

を切ったり石を動かすのにいくつもの団体へ

の申請が必要で原生林が残されている今

回は時間がなくて他の隊は自然観察を省略

して観光とハイキングのみだったがJAC

隊は早く行動した事と参加者の中に植物に

詳しい会員がおられて何カ所かで説明を受

けてフィールドスタディが出来て良かったと

思う

私は自然保護全国集会へは初めての参加

だったが今回広島で開催され受入を担当さ

せて頂いたので沢山の方とお知り合いにな

りJACの人材の豊富さと自然保護委員会

の取り組み状況を再認識しました行き届か

ない点があってご迷惑をかけた事と思います

がご容赦下さい今後ともよろしくお願い

致します

(広島支部

副支部長)

<全国集会報告>

12

自然保護委員会の活動記録

〈十二月度〉

①山岳団体自然環境連絡会

12月

19日(金)

出席者近藤渡邉富澤武藤

bull 各団体の報告

②自然保護委員会

12月

24日(水)

bull 『木の目草の芽』について

「113号」の発行は1月8日に延期

する

「114号」は1月

26日に発行し

1月は二号発行する

bull 講演会について

「平成

26年度に起きた我が国の火山

噴火に学ぶ」というテーマで寺田暁彦

氏(東工大火山流体研究センター専任

講師)の講演会を開催することを決定

(3月

31日)

bull 自然保護全国集会について

自然保護全国集会(広島)における静

岡支部宮城支部などの報告内容を

「木の目草の芽」全国集会報告号に掲

載することを決定した

次回の自然保護全国集会について検

討を行った

〈講演会のご案内〉自然保護委員会主催

『平成

26年度に起きた

我が国の火山噴火に学ぶ』

講師 寺田 暁彦 氏

東京工業大学

火山流体研究センター専任講師

日時 平成

27年3月

31日( 火

)

18時

30分~

20時

30分

会場 日本山岳会ルーム104号室

定員

35名

申込 3月

25日( 水

)

18時までに

左記いずれかの方法でお願いします

① 山

岳会事務所入り口脇の

投函袋に出席票を挿入

② 左

記あてにメール

tsimoictvnejp(下野)

③ 左

記宛てに電話かFAX

04―264―4447(下野)

会場の準備および講演会用資料の準備等

のため必ず期日までに申し込みをお願いいた

します

火山流体研究センター

東京工業大学で火山の観測研究が始まったの

は約

60年前1974年に国家プロジェクト

「火山噴火予知計画」にも参画し全国の火山を

対象に火山研究を進めることになる1976

年の草津白根山水釜火口の噴火を事前に予測す

ることができこれは水蒸気爆発を地球化学的

に予測した世界最初の事例として有名です

購読料をありがとうございます

8月

21日~1月

20日 敬称略

齋藤長作(渋川市)

舩田洋子(福井市)

合計2000円

訂正とお詫び

『木の目草の芽』113号

11ページ「国見利

夫さんを偲ぶ」の文中2段目右から

11行目

織内信孝さんのお名前は「織内信彦」です

訂正してお詫び申し上げます

〈編集後記〉113号に続きまして全国集会報告号

です次号(3月号)からは定期奇数月にお届けする

予定です今年もよろしくお願いいたします(元川)

Page 4: Â E r K Z u H J 8 M - JAC · K S HÎ Q b |: ^ G \?} HÍ Ò º b +¬! 1¤ ² \ 7 c ¾ ¿ ¨ ¶ -4 b 8 S T A HÍ ¥ £ Å b +¬! 1¤ q · >3>. º ú ~ 3É ~ HÍ Q G Ë I « _

4

山地における放射線量報告

宮城支部

柴崎

宮城支部から東京電力の福島第一原子力

発電所の事故に伴う郷土の汚染状況について

お話させて頂きますご存じのようにこの

事故で非常に広い地域が放射能汚染にさらさ

れることになりました『新日本山岳誌』に日

本の基本的な地形図がのっていますがそれ

に照らして眺めてみますと汚染地帯の中心

は阿武隈山地とその周辺の山八溝山地北

上山地我々の住む場所の近くの奥羽山地

上越山地関東山地それに加えその間に

ある北上盆地仙台平野関東平野が汚染さ

れたことが分かります私達宮城支部のフィ

ールドとなっている山々はなんといっても

奥羽山脈ですが阿武隈山地や北上山地も

我々の大事なフィールドです我々と関わり

の深い大切なフィールドが汚染されたわけで

す国や県市町村に働きかけて汚染状況を

示すデータが無いのか尋ねてまいりました

しかし都市部におけるモニタリング測定はな

されていますが自然の中特に山地に関し

てはほとんど測定されていないというお返事

でした私達が常日頃登っている山々がどの

くらい汚染されているのかそれによって

我々は登山の際にどう考えて行動していか

なければならないのか家族や子連れで行く

対象になりうるのか深刻な問題が含まれて

います日本山岳会の支部で諮ったところ

我々で測定しようじゃないかという話になり

ました本来は一山岳団体ではなく国ある

いは調査機関がやるべき仕事だと思います

ですが誰もやらないのだったらとりあえ

ず我々で測定しようということになりました

日本山岳会宮城支部の中で自然保護委員会

とは別に山岳放射線量調査特別委員会をたち

あげました最初は支部をあげて全員で取り

組む予定でしたが効率が悪いものですから

測定に慣れた五六人で継続して測定してい

くことになりましたこの調査は長期にわた

ると予想されましたので第一期と第二期に

分けて測定しましたさらに一期と二期で

は足りず現在第三期として調査しています

第一期が昨年の六月から八月までとくに栗

駒山船形山泉ヶ岳大東岳蔵王山など

を調査しました第二期はその後九月から今

年の三月まで半年がかりで色々な丘陵地や山

をできるだけたくさん測定しましたお配り

した黒い背表紙の赤い冊子にまとめておりま

す今年の九月から今まで北上山地築館

丘陵岩手県の境の磐井丘陵辺りを調査しま

したなぜそこを再度調査したかといいます

とその辺りは我々が考えていたよりも広い

範囲で汚染された地域にあたっていると考え

られたためです

測定器具はHORIBA PA-1000 Radi

ですコ

ンパクトで簡易型ですが意外と精度がよく

測定できます線量計はシンチレーション式

で電離放射線を受けたシンチレータから出

た蛍光をセンサで捉えて表示するというもの

ですγ線を測っています測定の対象とな

っているのはセシウム134ならびにセシウム

137であると考えて頂いていいと思いますセ

シウム134の半減期は二年ですがセシウム

137の半減期は約三十年で非常に長い時間か

かりますですから仮に我々が汚染地域だと

認めた場合にはその地域とこれから長い間

つきあっていかなければならないということ

になります

測定の際には放射線を測定するだけでな

くその測定地点の地形や植生の特徴も記録

しています位置はGPSで測り標高山

頂か山麓かなどの地形分類尾根斜面谷

といったことをも記録しています斜面の場

合は微気象には斜面の方位と傾斜も大事で

すので同時に測っていますまた植生分類

<全国集会報告>

5

を記録しています宮城県の場合実際には

七十八に分けてありますがそのうち簡易型

の四十に分けたものを使っておりどこに該

当するかを番号で記載しています将来この

地点を再度調べる機会があったときに今回

の記録を生かして継続的な変化を見るチャン

スにしたいと思っています放射線の強い所

ではおそらくこれから植物の変化が起こる

でしょうからその変化を捉えておく必要が

あるだろうと思います写真で示したように

高さ一メートルと五十センチの二地点で測っ

ています一メートルは大人の大事な部分

五十センチは子供の大事な部分にあたります

宮城県は狭いように見えて以外と広いです

面積は72843 km

2

南北約140北緯37度47

分39度00分まで宮城県の範囲です東西

幅の平均が60あります汚染の詳細な図面

を作ろうと思ったら相当の数の測定点が必

要ですこれをなんとか少ない人数でもいい

からカバーして汚染地図というか放射能の

線量地図を作るのが我々の目標です現在

まで山岳二五〇ヶ所測定点四五〇ヶ所くら

いを測定してまいりましたそれによって

なんとか福島第一原子力発電所の事故が宮

城県に及ぼした放射線影響の分布図が作れた

と思います

色々な見方があるかと思いますがまず第

一に宮城県のほぼ全域にわたって放射能汚

染が認められたと言えるのではないかと思い

ます通常我々が自然被ばくしている量の約

二倍から二五倍の値になっていますこれ

は大変重大なことですなにげなく生活して

いる所でもそれなりの被ばくがあったと結

論せざるをえないのではないかと思います

それから奥羽山脈の東側と西側で大きく違い

ます西側の山形県と秋田県は我々の所と

比べるとずっと低い放射線の値を示していま

す奥羽山脈が存在することでさらなる拡散

を抑えたのではないかと思います山岳はた

だそこにそびえているだけでなく気象条件

を通じて放射線の拡散という現象において大

きな影響を持ちます

新聞その他でよく紹介される汚染図です

が原子力発電所の北西の方向に強い放射能

汚染帯が伸びていますその先端は福島県で

終わっているのではなく宮城県の南部の地

域阿武隈山地の北端部にかかっています

その中には非常に高い放射線量の値を示す地

域が存在していますここに来る四五日前

にようやく除染をする手はずを進めていると

いうニュースを聞きました私達が放射線量

の結果をお知らせしたのは六月ごろですが

それも含めて色々なことが検討されたのかと

思います原子力発電所の事故による放射能

の影響の範囲について三十キロ圏という表

現がよく使われていますが約八十キロ離れ

た所まで被ばく量の限度と言われている年

間一ミリシーベルトに達している所がありま

すですからこのような事故が起これば三

十キロではなくて八十キロの範囲で影響が出

ると言えますさらに気象的な条件によって

宮城県の北側栗駒山の東側一帯の山地から

丘陵にかけた所でも非常に高い値を示すとこ

ろがあります従ってときには二百キロぐ

らいは放射能の汚染圏内に入るのではないか

と思います

三期の今年の九月からこれまで測定して

きたデータを背表紙のついていない冊子にの

せています測定した日と場所経緯度と測

定値と山の名前標高植生を記録していま

す測定は最低五回測り最高値と最低値と

平均値を示しています九月以降十一月一六

日までに八十一ヶ所を追加して調査しそれ

を図面化したのか最後のページです宮城県

北部地域の放射能分布図で特に値の高い三

地域をAとBとCとして示しましたAの中

には牡鹿半島と金華山が入っています金

華山の山頂部分の北西斜面にも非常に高い所

<全国集会報告>

6

がありましたこれをよく見ていただくと

このAのちょうど真ん中に東北電力の女川原

子力発電所があります女川原子力は震災の

時に少しトラブルがあったと新聞に報道され

ておりましたその影響なのかあるいは福

島原子力発電所の事故の影響がここまで来て

いるのかはまだ諮りかねておりますがい

ずれ検討していきたいと思いますここには

花崗岩の山が沢山ありますそれから粘板岩

のはいった面白い山もたくさんあるのですが

そのような山々の放射線が他の所に比べると

高い値を示しています次にBの地域ですが

宮城県の北側の蚕飼山(こがいさん)から始

まって烏兎山(うどやま)周辺が大変汚

染されています平泉の向かい側の束稲山(た

ばしねやま)まで高い地域がまとまってあり

ますそれからもう一つがCの地域で栗原

市にあたります文字三山の大土ヶ森という

山があり興味深い地域なのですがここにも

非常に高い地点がありますまだまだ測定地

点が少ないのでこれからさらに地点を増や

して正確な汚染地図を作りたいと思っており

ますがだいたい宮城県の汚染の実態は現在

のものと近いものになるだろうと考えていま

す も

う一度福島原子力発電所で起った事故

が日本の自然に対してどの程度の大きさの

事故だったのかと考えてみますこの事故に

より立ち入ることができない地域として帰還

困難区域居住制限地域区域避難指示解除

準備区域ができましたこの地域を足します

と約2300km

2

にあたりますその中に山が約

二五座ありますいつまでの間か分かりま

せんが我々はこの二五座には入ることは

まかりならないということになりますもう

少し広げて年間一ミリシーベルトの地域こ

れは年間の被ばく限度量ですがこの地域を

全部足しますと約16000 km

2

となります

まだ正確に計算していませんが概算でこの

くらいの値になりますこれは日本の国土の

約五にあたりますこのような地域に登山

に行くときは我々はどのような知識を頭に

入れておくべきかそもそも登山してもよい

のかも検討しておかなければならないと思い

ます一ミリシーベルト以上の地域には将

来生態系の変化が起こる可能性もあります

私達の登山は健全な自然山岳を対象にし

てきました日本山岳会の自然保護活動も

この健全な自然山岳を将来にいかに確実に残

していくかを追求してきたと思います登山

はただの娯楽では無くて自然保護と両輪をな

さなければならなりません日本山岳会の皆

さんにこのような事態にたちあったときに

どのような行動をとるのかどのような指針

を持つべきなのかご検討頂いて原子力発電

所事故という大災害に対する我々の意志をは

っきりと持って登山を行っていければと思い

ます

宮城県北部の牧草地帯に放射性物質で汚

染された廃棄物の処分場候補地が三ヶ所挙げ

られています全て奥羽山脈の中で河川の

水源地にあたりますただ単に被ばくしたと

いうだけでなく汚染された廃棄物によって

も様々な影響を受けるかもしれません汚染

されてこなかった山岳も新たに影響を受ける

のではないかと心配されます

私達の報告書を色々な皆様に差し上げて

きましたが色々なコメントを頂戴しました

まだまだ不十分ですがこれからも測定を続

けてできるだけ沢山の正確な情報を皆さん

に伝えていければと思っております今日は

特別にご紹介する場を設けて頂いて宮城支

部としては非常にありがたいと思っています

どうもありがとうございました

(記録下野綾子)

<全国集会報告>

7

リニア新幹線に関する報告

静岡支部

白鳥

勝治

本日はリニア中央新幹線工事に関する

南アルプスの自然保護について静岡支部

がどのようにとらえて現状を取り扱って

いるかということについて報告申し上げ

ます

南アルプスはご承知のように静岡県の

最北端にある白峰三山の間ノ岳を源にし

て真南に流れる延長168の大井川を

中央に東側に富士川西側に天竜川と

いずれも静岡県に河口がある1級河川の

源流域で山梨県長野県静岡県にまた

がる北岳をはじめ3000m以上の嶺峰

13座を持つ国立公園です今年は国立

公園に指定されてからちょうど50年にな

りますまた6月には周辺の3県10市

町村の協力と関係者の尽力によりユネス

コエコパークに登録を認められました

この南アルプスの中央部にある塩見岳

(3046m)と荒川東岳(3141m)

中間点をほぼ真横に貫くリニア中新幹線

計画が本年(平成26年)発表されまし

た東側の山梨県早川町から静岡県の静岡

市北部を通り抜けて西側の長野県大鹿村

に出る22のトンネルですこれらにつ

きましては計画の段階からマスコミで報

じられていましたが静岡県では11月18

日JR東海が県民に対し直接説明会を開

いて工事内容が明らかになりました

私達はそれ以前より新聞などで情報を

得てはいましたが正直な話支部の会員

の中ではこの問題についてあまり話題に

なりませんでしたなぜならリニア新幹

線が静岡県を通る場所は地下の深い所で

一番浅い所でも地下500mくらいとい

うことであまり影響はないのではないか

と言われていたこととそれからリニアが

通る地域は人が全く住んでいない山の中

であるということもあり駅も出来ないこ

とから山梨県や長野県の皆さんよりも感

度が低かったということは否めなかった

ことです

私達がこれは大変だという情報を得た

のは「木の目草の芽」111号がきっかけ

でした特に今回の工事計画の中で問題に

なっているのは掘削土です静岡県内では

大井川の上流域二軒小屋と椹島の間に一

か所それから西俣の上流側に一か所計

二つの口を開けることになっています

ldquo非常口rdquoという表現をJR東海はしてい

ますがこのldquo非常口rdquoはどうも説明の内

容ではトンネルの掘削工事を進める段階

での必要性の方が高かろうと思われます

そこから排出される360万という膨

大な掘削土を大井川上流域へ置くとい

う具体的な位置を説明書で示しています

この川には大きな滝こそありませんが

周辺地域は年間3000の降雨量があ

りますそれに昭和40年代二軒小屋か

ら東俣の奥の広河原に建てられた東海パ

ルプの事業所へ通ずる車道が大雨で一晩

のうちに崩壊したことがありましたそれ

ほど地盤は落ち着いていない地域である

ということをご理解いただけると思いま

すがここへ360万の土砂を排出する

ということになれば河川の増水時の流出

や水質への影響もしくは河川の水底質

への影響などを考えるとこれはただごと

ではないという懸念がひとつあります

それからもうひとつはJR東海から発

表された計画ではトンネルの掘削に伴う

地下水等への影響により源流域において

表流水の量が毎秒2トン程度減水すると

<全国集会報告>

<全国集会報告>

8

想定されていることです

これは自然に対する影響ばかりでなく

て下流における7市63万人の飲み水や

農業用水などもっと大きな問題にもかか

わってきます

少し話題が外れますが大井川は全長1

68の中に支流を含めて大小15カ所ほ

どのダムがありますそのうちのほとんど

が電源開発によって造られ利用されてい

るものです昭和30年代に最後のダムが出

来上がった時下流域が砂漠化したことが

ありますこの砂漠化について流域の住民

が危機感をもって蜂起し県を通じ電力会

社に対して川へ水を戻せと要求したこと

があります発電用水を減らす事を拒んだ

電力会社にたいして住民の強い結束力に

押された当時の県知事が交渉してなんと

か毎秒5トンの水を放流して今の流れが

保たれています

皆さんご承知のように江戸時代には大

井川は東海道の難所として「箱根八里は馬

でも越すが越すに越されぬ大井川」とう

たわれたように深さが通常2尺5寸あっ

たそうです約75ですそして水深4尺

5寸まで増水すると川留めをしていまし

たこの川は幕府の政策上橋を架けるこ

とも船を使うことも禁じていましたので

東海道を往来する旅人は川渡しの人夫の

肩を借りるか神輿にように担いで人夫に

渡してもらっていたということで両岸に

は350人ずつの川人夫を幕府直轄で配

置して川渡しに当たらせていたといいま

すつまりそれほど流量豊かな川であっ

たのが申し上げました通り流量が減少

して現在も下流へ行くと川原が広く水は

細々と流れている状態なのです

リニア新幹線工事が大井川へ及ぼすこ

れ以上の影響について県知事は流量の減

少計算結果は不確実性が高いと懸念して

います

それからリニア新幹線が通過する静岡

市ですが実際市は大井川の水を一部の

地区でしか使っていませんしかし静岡市

長もこの減水については掘削土と同様に

自然保護上成り行きを重視しています

こうした状況の中で静岡支部は南アル

プスの自然を身近にして楽しんできた地

元の山岳団体として又南アルプスの自

然を大切にして次の世代に継承するため

にもこの問題についてなんらかの意思表

示をしなければならないとして登山愛好

者のみなさんにこの実態を訴えてみなさ

んの考えを聞かせていただきたいという

ことを含めて静岡県知事と静岡市長に対

して申し入れをすることになりました

又これまで静岡支部は静岡県内の静岡

県山岳連盟静岡県勤労者山岳連盟および

静岡市山岳連盟など県内の山岳団体と一

緒に行動を起こしたということはありま

せんでしたが今回は静岡支部の大島支部

長がこの問題を提起して各団体へ話をし

た結果これは四山岳団体として行政を通

じてJR東海に申し立てをしなければな

らないということになりました

意見は色々がありましたが静岡支部は

やはり自然保護という切り口から意見さ

せていただこうということで合意を戴き

「リニア中央新幹線南アルプストンネル

工事に関する申し入れ書」(次頁)を作成

し提出しました

ご清聴ありがとうございました

(記録元川里美)

<全国集会報告>

9

静岡県知事 川勝平太殿

平成 26年 9 月 10 日

リニア中央新幹線南アルプストンネル工事に関する申し入れ書

静岡県山岳連盟(代表 滝田博之)

静岡県山岳連盟(代表 松永義夫)

静岡県勤労者山岳連盟(代表 竹本幸造)

公益社団法人 日本山岳会静岡支部

(代表 大島康弘)

リニア中央新幹線南アルプストンネル工事の残土処分と地下水湧に関してJR東海の対策は現段

階においてずさんであると言わざるを得ません

大井川の上流二軒小屋の地下 500m付近を貫通するトンネル掘削の残土は斜坑より二軒小屋付近

に運び上げられて谷筋の中部電力残土置き場に上積み一部は転付峠北方の尾根付近にも投棄され

るとのこと私たち静岡県の岳人は残土をこの美しい渓谷や山に投棄することによって大井川上流

の自然景観が破壊されるのではないかと大きな危惧を抱いております

さらに水の問題が指摘されています地下水脈は私達の理解を超えるほどに複雑で今なお年間

4mm の隆起を続けている南アルプスの破砕帯を貫通するトンネルが地下水脈を思わぬ方向に導く

ことは容易に想像できますまた調査の結果トンネル工事で大井川の水量が毎秒 2 トン減水する

と予測されていますがその場合はポンプで大井川に戻すとのことトンネルの 500m上部を流れる

大井川までポンプで汲み上げるとは恐れ入りますがそのためには 20000kw もの大規模な揚水設備

が必要になりリニア新幹線の膨大な電力消費をさらに押し上げることになります

先の敗戦の後農薬水質汚濁大気汚染などにより多様な生物に溢れていた野山の豊かな生態

系はすでに取り返しのつかないほど破壊されています私たちは豊かさと便利さのために貴重な自然

をこれ以上壊すことに慎重でなければなりません静岡県がリニア新幹線のトンネル工事により

大井川上流域の生態系や自然景観が破壊されるであろうことを深刻に受け止め計画路線の変更も視

野に入れながらJR東海を指導するよう次の2点について知事に要請いたします

1)残土を大井川渓谷に投棄しないこと

2)大井川の水量の低下をさせないこと

時を同じくして本年6月南アルプスはユネスコエコパーク登録承認されました

南アルプスは太古の自然が息づく日本に残された数少ない地域ですこの地域を保全することが

リニア新幹線のトンネル工事に優先することは言うまでもありません私たち静岡県の山岳関係者

は南アルプスの大自然を享受してきた者としてその豊かな生態系を私たちの子孫に手つかずのま

ま継承することが最も大切と信じるからです

上記について知事の見解をお伺いできれば幸甚です

<全国集会報告>(資料)

10

弥山山頂にて

宮島

厳島神社参拝弥山ハイキング

野島

信隆

目的UAAA広島山岳平和祭自然保護全

国集会で広島に来られた方に世界遺産の宮

島厳島神社を参拝して貰い原生林が残り展

望の良い弥山ハイキングを楽しみ自然保護状

況を見て頂く

日時11

月24

日(

月)

8時~15

時30

天候晴れ

場所広島県廿日市市宮島町

弥山(

535m)

参加者13名自然保護委員会

下野渡邉

川口宮城支部

柴崎千葉支部

石岡東京

多摩支部

河野西村石川支部

安田東九

州支部

阿南緑爽会

里見広島支部

野島

寺西井川

コースタイム大混雑での遅れを心配したが

早めに行動した為無事ほぼ計画書通り行動

できた

700広島県スポーツ会館発750宮

島口到着800松大汽船団体乗船

810宮島下船受付で弁当お茶受取り

830JAC隊出発845厳島神社参

拝920多宝塔でストレッチ後多宝塔

コースを登山(絶景ポイント朝日観音等

約20分毎休憩)

1105~1145駒ケ林(

昼食)

1200~

1205仁王門(

軽登山靴倶楽部隊と挨拶)

1225~1240弥山(展望台で360度

の展望記念撮影)

1250~1300弥

山本堂

霊火堂1300~もみじ谷コース

で下山(植物観察しながら)1400~

1420もみじ谷公園東屋で大休憩

1425~1430四之宮神社前でクーリ

ングストレッチ1430~商店街でお土

産購入1458宮島桟橋受付へ帰着

1520~1530松大汽船で宮島口解散

概要宮島の自然保護状況や歴史にも触れて

頂き交流を図りながら紅葉の秋の宮島を堪

能頂く事ができた

UAAA創立20周年記念総会が広島で開

催される事になり国内の山岳団体も一堂に

会する目的でJACの自然保護全国集会が広

島で開催されたこれのフィールドスタディ

と観光を兼ねて世界遺産の宮島厳島神社を

参拝し弥山ハイキングを楽しみながら原生

林の自然保護状況を見て頂く事にした

広島支部では全国から参加される大半が

宮島に行かれる事を想定して引率慣れした

登山講座委員会に要請して講師アシスタン

ト講師12名を準備したが県外参加者が10

名となったので無理に依頼した2名は断り

JAC隊10名は野島をCLに3名軽登山靴

倶楽部24名は兼森支部長をCLに7名で対

応した

当日は宿舎へ広島支部会員の自家用車3

台でお迎えして宮島口へ3連休で紅葉の見

頃なので宮島は大混雑が予想されたがJA

C隊は追加料金を払って朝食を早めて貰い

他隊より30分先行したのでほぼ計画通りス

ムーズに宮島に渡る事が出来終始和気藹々

<全国集会報告>

<全国集会報告>

11

厳島神社境内で鳥居をバックに

と秋の宮島を楽しんで頂く事ができた

宮島口から宮島へ渡った後受付で「山の

おべんとう」とお茶CLは無線機と引率用

の旗を受取って出発出発直後に野島の親友

であるJACの本井伝夫妻と出会いカメラマ

ンを依頼した

鹿が人懐っこく近づく中厳島神社へ厳

島神社で安全祈願後鳥居をバックに記念撮

多宝塔で入念にストレッチ後山道を登る

宮島は世界遺産で木を勝手に切れず道幅は

狭い途中の絶景ポイントで休憩しながらゆ

っくり登り途中で日山協隊に追いつかれ大

渋滞に巻き込まそうになったが彼らが回り

道をしている間に駒ケ林にトップで到着

広島県山岳連盟が広島駅弁と共同開発した

自然に優しく自然環境基金にも貢献している

登山者用「山のおべんとう」を温かい味噌汁

つきで食べコーヒーサービス

仁王門で軽登山靴倶楽部隊などUAAA

の名札をつけた多くの皆さん方と挨拶しなが

ら大日堂干満岩を経由して弥山山頂へ

完成間もない山頂展望台からは360度

の展望が臨め主な山や瀬戸内の島々廿日

市広島市街を紹介して楽しんで頂き記念

撮影

消えずの火の霊火堂弥山本堂を参拝し

もみじ谷コースを植物の詳しい石川支部の

安田さんと宮城支部の柴崎さんに珍しい植物

の説明を受けながら下山

もみじ谷の東屋では無事下山を祝って持

参した缶ビールとお菓子果物等を出し合っ

て休憩後四之宮神社でお礼の参拝をしてク

ールダウン

商店街ではもみじ饅頭などのお土産を購

入して宮島桟橋で帰着の受付を済ませフェ

リーで本土に渡って解散宮島口駅からはJ

Rで広島駅迄移動して新幹線で各地に帰っ

て頂いた

宮島は世界遺産に指定されている為に木

を切ったり石を動かすのにいくつもの団体へ

の申請が必要で原生林が残されている今

回は時間がなくて他の隊は自然観察を省略

して観光とハイキングのみだったがJAC

隊は早く行動した事と参加者の中に植物に

詳しい会員がおられて何カ所かで説明を受

けてフィールドスタディが出来て良かったと

思う

私は自然保護全国集会へは初めての参加

だったが今回広島で開催され受入を担当さ

せて頂いたので沢山の方とお知り合いにな

りJACの人材の豊富さと自然保護委員会

の取り組み状況を再認識しました行き届か

ない点があってご迷惑をかけた事と思います

がご容赦下さい今後ともよろしくお願い

致します

(広島支部

副支部長)

<全国集会報告>

12

自然保護委員会の活動記録

〈十二月度〉

①山岳団体自然環境連絡会

12月

19日(金)

出席者近藤渡邉富澤武藤

bull 各団体の報告

②自然保護委員会

12月

24日(水)

bull 『木の目草の芽』について

「113号」の発行は1月8日に延期

する

「114号」は1月

26日に発行し

1月は二号発行する

bull 講演会について

「平成

26年度に起きた我が国の火山

噴火に学ぶ」というテーマで寺田暁彦

氏(東工大火山流体研究センター専任

講師)の講演会を開催することを決定

(3月

31日)

bull 自然保護全国集会について

自然保護全国集会(広島)における静

岡支部宮城支部などの報告内容を

「木の目草の芽」全国集会報告号に掲

載することを決定した

次回の自然保護全国集会について検

討を行った

〈講演会のご案内〉自然保護委員会主催

『平成

26年度に起きた

我が国の火山噴火に学ぶ』

講師 寺田 暁彦 氏

東京工業大学

火山流体研究センター専任講師

日時 平成

27年3月

31日( 火

)

18時

30分~

20時

30分

会場 日本山岳会ルーム104号室

定員

35名

申込 3月

25日( 水

)

18時までに

左記いずれかの方法でお願いします

① 山

岳会事務所入り口脇の

投函袋に出席票を挿入

② 左

記あてにメール

tsimoictvnejp(下野)

③ 左

記宛てに電話かFAX

04―264―4447(下野)

会場の準備および講演会用資料の準備等

のため必ず期日までに申し込みをお願いいた

します

火山流体研究センター

東京工業大学で火山の観測研究が始まったの

は約

60年前1974年に国家プロジェクト

「火山噴火予知計画」にも参画し全国の火山を

対象に火山研究を進めることになる1976

年の草津白根山水釜火口の噴火を事前に予測す

ることができこれは水蒸気爆発を地球化学的

に予測した世界最初の事例として有名です

購読料をありがとうございます

8月

21日~1月

20日 敬称略

齋藤長作(渋川市)

舩田洋子(福井市)

合計2000円

訂正とお詫び

『木の目草の芽』113号

11ページ「国見利

夫さんを偲ぶ」の文中2段目右から

11行目

織内信孝さんのお名前は「織内信彦」です

訂正してお詫び申し上げます

〈編集後記〉113号に続きまして全国集会報告号

です次号(3月号)からは定期奇数月にお届けする

予定です今年もよろしくお願いいたします(元川)

Page 5: Â E r K Z u H J 8 M - JAC · K S HÎ Q b |: ^ G \?} HÍ Ò º b +¬! 1¤ ² \ 7 c ¾ ¿ ¨ ¶ -4 b 8 S T A HÍ ¥ £ Å b +¬! 1¤ q · >3>. º ú ~ 3É ~ HÍ Q G Ë I « _

5

を記録しています宮城県の場合実際には

七十八に分けてありますがそのうち簡易型

の四十に分けたものを使っておりどこに該

当するかを番号で記載しています将来この

地点を再度調べる機会があったときに今回

の記録を生かして継続的な変化を見るチャン

スにしたいと思っています放射線の強い所

ではおそらくこれから植物の変化が起こる

でしょうからその変化を捉えておく必要が

あるだろうと思います写真で示したように

高さ一メートルと五十センチの二地点で測っ

ています一メートルは大人の大事な部分

五十センチは子供の大事な部分にあたります

宮城県は狭いように見えて以外と広いです

面積は72843 km

2

南北約140北緯37度47

分39度00分まで宮城県の範囲です東西

幅の平均が60あります汚染の詳細な図面

を作ろうと思ったら相当の数の測定点が必

要ですこれをなんとか少ない人数でもいい

からカバーして汚染地図というか放射能の

線量地図を作るのが我々の目標です現在

まで山岳二五〇ヶ所測定点四五〇ヶ所くら

いを測定してまいりましたそれによって

なんとか福島第一原子力発電所の事故が宮

城県に及ぼした放射線影響の分布図が作れた

と思います

色々な見方があるかと思いますがまず第

一に宮城県のほぼ全域にわたって放射能汚

染が認められたと言えるのではないかと思い

ます通常我々が自然被ばくしている量の約

二倍から二五倍の値になっていますこれ

は大変重大なことですなにげなく生活して

いる所でもそれなりの被ばくがあったと結

論せざるをえないのではないかと思います

それから奥羽山脈の東側と西側で大きく違い

ます西側の山形県と秋田県は我々の所と

比べるとずっと低い放射線の値を示していま

す奥羽山脈が存在することでさらなる拡散

を抑えたのではないかと思います山岳はた

だそこにそびえているだけでなく気象条件

を通じて放射線の拡散という現象において大

きな影響を持ちます

新聞その他でよく紹介される汚染図です

が原子力発電所の北西の方向に強い放射能

汚染帯が伸びていますその先端は福島県で

終わっているのではなく宮城県の南部の地

域阿武隈山地の北端部にかかっています

その中には非常に高い放射線量の値を示す地

域が存在していますここに来る四五日前

にようやく除染をする手はずを進めていると

いうニュースを聞きました私達が放射線量

の結果をお知らせしたのは六月ごろですが

それも含めて色々なことが検討されたのかと

思います原子力発電所の事故による放射能

の影響の範囲について三十キロ圏という表

現がよく使われていますが約八十キロ離れ

た所まで被ばく量の限度と言われている年

間一ミリシーベルトに達している所がありま

すですからこのような事故が起これば三

十キロではなくて八十キロの範囲で影響が出

ると言えますさらに気象的な条件によって

宮城県の北側栗駒山の東側一帯の山地から

丘陵にかけた所でも非常に高い値を示すとこ

ろがあります従ってときには二百キロぐ

らいは放射能の汚染圏内に入るのではないか

と思います

三期の今年の九月からこれまで測定して

きたデータを背表紙のついていない冊子にの

せています測定した日と場所経緯度と測

定値と山の名前標高植生を記録していま

す測定は最低五回測り最高値と最低値と

平均値を示しています九月以降十一月一六

日までに八十一ヶ所を追加して調査しそれ

を図面化したのか最後のページです宮城県

北部地域の放射能分布図で特に値の高い三

地域をAとBとCとして示しましたAの中

には牡鹿半島と金華山が入っています金

華山の山頂部分の北西斜面にも非常に高い所

<全国集会報告>

6

がありましたこれをよく見ていただくと

このAのちょうど真ん中に東北電力の女川原

子力発電所があります女川原子力は震災の

時に少しトラブルがあったと新聞に報道され

ておりましたその影響なのかあるいは福

島原子力発電所の事故の影響がここまで来て

いるのかはまだ諮りかねておりますがい

ずれ検討していきたいと思いますここには

花崗岩の山が沢山ありますそれから粘板岩

のはいった面白い山もたくさんあるのですが

そのような山々の放射線が他の所に比べると

高い値を示しています次にBの地域ですが

宮城県の北側の蚕飼山(こがいさん)から始

まって烏兎山(うどやま)周辺が大変汚

染されています平泉の向かい側の束稲山(た

ばしねやま)まで高い地域がまとまってあり

ますそれからもう一つがCの地域で栗原

市にあたります文字三山の大土ヶ森という

山があり興味深い地域なのですがここにも

非常に高い地点がありますまだまだ測定地

点が少ないのでこれからさらに地点を増や

して正確な汚染地図を作りたいと思っており

ますがだいたい宮城県の汚染の実態は現在

のものと近いものになるだろうと考えていま

す も

う一度福島原子力発電所で起った事故

が日本の自然に対してどの程度の大きさの

事故だったのかと考えてみますこの事故に

より立ち入ることができない地域として帰還

困難区域居住制限地域区域避難指示解除

準備区域ができましたこの地域を足します

と約2300km

2

にあたりますその中に山が約

二五座ありますいつまでの間か分かりま

せんが我々はこの二五座には入ることは

まかりならないということになりますもう

少し広げて年間一ミリシーベルトの地域こ

れは年間の被ばく限度量ですがこの地域を

全部足しますと約16000 km

2

となります

まだ正確に計算していませんが概算でこの

くらいの値になりますこれは日本の国土の

約五にあたりますこのような地域に登山

に行くときは我々はどのような知識を頭に

入れておくべきかそもそも登山してもよい

のかも検討しておかなければならないと思い

ます一ミリシーベルト以上の地域には将

来生態系の変化が起こる可能性もあります

私達の登山は健全な自然山岳を対象にし

てきました日本山岳会の自然保護活動も

この健全な自然山岳を将来にいかに確実に残

していくかを追求してきたと思います登山

はただの娯楽では無くて自然保護と両輪をな

さなければならなりません日本山岳会の皆

さんにこのような事態にたちあったときに

どのような行動をとるのかどのような指針

を持つべきなのかご検討頂いて原子力発電

所事故という大災害に対する我々の意志をは

っきりと持って登山を行っていければと思い

ます

宮城県北部の牧草地帯に放射性物質で汚

染された廃棄物の処分場候補地が三ヶ所挙げ

られています全て奥羽山脈の中で河川の

水源地にあたりますただ単に被ばくしたと

いうだけでなく汚染された廃棄物によって

も様々な影響を受けるかもしれません汚染

されてこなかった山岳も新たに影響を受ける

のではないかと心配されます

私達の報告書を色々な皆様に差し上げて

きましたが色々なコメントを頂戴しました

まだまだ不十分ですがこれからも測定を続

けてできるだけ沢山の正確な情報を皆さん

に伝えていければと思っております今日は

特別にご紹介する場を設けて頂いて宮城支

部としては非常にありがたいと思っています

どうもありがとうございました

(記録下野綾子)

<全国集会報告>

7

リニア新幹線に関する報告

静岡支部

白鳥

勝治

本日はリニア中央新幹線工事に関する

南アルプスの自然保護について静岡支部

がどのようにとらえて現状を取り扱って

いるかということについて報告申し上げ

ます

南アルプスはご承知のように静岡県の

最北端にある白峰三山の間ノ岳を源にし

て真南に流れる延長168の大井川を

中央に東側に富士川西側に天竜川と

いずれも静岡県に河口がある1級河川の

源流域で山梨県長野県静岡県にまた

がる北岳をはじめ3000m以上の嶺峰

13座を持つ国立公園です今年は国立

公園に指定されてからちょうど50年にな

りますまた6月には周辺の3県10市

町村の協力と関係者の尽力によりユネス

コエコパークに登録を認められました

この南アルプスの中央部にある塩見岳

(3046m)と荒川東岳(3141m)

中間点をほぼ真横に貫くリニア中新幹線

計画が本年(平成26年)発表されまし

た東側の山梨県早川町から静岡県の静岡

市北部を通り抜けて西側の長野県大鹿村

に出る22のトンネルですこれらにつ

きましては計画の段階からマスコミで報

じられていましたが静岡県では11月18

日JR東海が県民に対し直接説明会を開

いて工事内容が明らかになりました

私達はそれ以前より新聞などで情報を

得てはいましたが正直な話支部の会員

の中ではこの問題についてあまり話題に

なりませんでしたなぜならリニア新幹

線が静岡県を通る場所は地下の深い所で

一番浅い所でも地下500mくらいとい

うことであまり影響はないのではないか

と言われていたこととそれからリニアが

通る地域は人が全く住んでいない山の中

であるということもあり駅も出来ないこ

とから山梨県や長野県の皆さんよりも感

度が低かったということは否めなかった

ことです

私達がこれは大変だという情報を得た

のは「木の目草の芽」111号がきっかけ

でした特に今回の工事計画の中で問題に

なっているのは掘削土です静岡県内では

大井川の上流域二軒小屋と椹島の間に一

か所それから西俣の上流側に一か所計

二つの口を開けることになっています

ldquo非常口rdquoという表現をJR東海はしてい

ますがこのldquo非常口rdquoはどうも説明の内

容ではトンネルの掘削工事を進める段階

での必要性の方が高かろうと思われます

そこから排出される360万という膨

大な掘削土を大井川上流域へ置くとい

う具体的な位置を説明書で示しています

この川には大きな滝こそありませんが

周辺地域は年間3000の降雨量があ

りますそれに昭和40年代二軒小屋か

ら東俣の奥の広河原に建てられた東海パ

ルプの事業所へ通ずる車道が大雨で一晩

のうちに崩壊したことがありましたそれ

ほど地盤は落ち着いていない地域である

ということをご理解いただけると思いま

すがここへ360万の土砂を排出する

ということになれば河川の増水時の流出

や水質への影響もしくは河川の水底質

への影響などを考えるとこれはただごと

ではないという懸念がひとつあります

それからもうひとつはJR東海から発

表された計画ではトンネルの掘削に伴う

地下水等への影響により源流域において

表流水の量が毎秒2トン程度減水すると

<全国集会報告>

<全国集会報告>

8

想定されていることです

これは自然に対する影響ばかりでなく

て下流における7市63万人の飲み水や

農業用水などもっと大きな問題にもかか

わってきます

少し話題が外れますが大井川は全長1

68の中に支流を含めて大小15カ所ほ

どのダムがありますそのうちのほとんど

が電源開発によって造られ利用されてい

るものです昭和30年代に最後のダムが出

来上がった時下流域が砂漠化したことが

ありますこの砂漠化について流域の住民

が危機感をもって蜂起し県を通じ電力会

社に対して川へ水を戻せと要求したこと

があります発電用水を減らす事を拒んだ

電力会社にたいして住民の強い結束力に

押された当時の県知事が交渉してなんと

か毎秒5トンの水を放流して今の流れが

保たれています

皆さんご承知のように江戸時代には大

井川は東海道の難所として「箱根八里は馬

でも越すが越すに越されぬ大井川」とう

たわれたように深さが通常2尺5寸あっ

たそうです約75ですそして水深4尺

5寸まで増水すると川留めをしていまし

たこの川は幕府の政策上橋を架けるこ

とも船を使うことも禁じていましたので

東海道を往来する旅人は川渡しの人夫の

肩を借りるか神輿にように担いで人夫に

渡してもらっていたということで両岸に

は350人ずつの川人夫を幕府直轄で配

置して川渡しに当たらせていたといいま

すつまりそれほど流量豊かな川であっ

たのが申し上げました通り流量が減少

して現在も下流へ行くと川原が広く水は

細々と流れている状態なのです

リニア新幹線工事が大井川へ及ぼすこ

れ以上の影響について県知事は流量の減

少計算結果は不確実性が高いと懸念して

います

それからリニア新幹線が通過する静岡

市ですが実際市は大井川の水を一部の

地区でしか使っていませんしかし静岡市

長もこの減水については掘削土と同様に

自然保護上成り行きを重視しています

こうした状況の中で静岡支部は南アル

プスの自然を身近にして楽しんできた地

元の山岳団体として又南アルプスの自

然を大切にして次の世代に継承するため

にもこの問題についてなんらかの意思表

示をしなければならないとして登山愛好

者のみなさんにこの実態を訴えてみなさ

んの考えを聞かせていただきたいという

ことを含めて静岡県知事と静岡市長に対

して申し入れをすることになりました

又これまで静岡支部は静岡県内の静岡

県山岳連盟静岡県勤労者山岳連盟および

静岡市山岳連盟など県内の山岳団体と一

緒に行動を起こしたということはありま

せんでしたが今回は静岡支部の大島支部

長がこの問題を提起して各団体へ話をし

た結果これは四山岳団体として行政を通

じてJR東海に申し立てをしなければな

らないということになりました

意見は色々がありましたが静岡支部は

やはり自然保護という切り口から意見さ

せていただこうということで合意を戴き

「リニア中央新幹線南アルプストンネル

工事に関する申し入れ書」(次頁)を作成

し提出しました

ご清聴ありがとうございました

(記録元川里美)

<全国集会報告>

9

静岡県知事 川勝平太殿

平成 26年 9 月 10 日

リニア中央新幹線南アルプストンネル工事に関する申し入れ書

静岡県山岳連盟(代表 滝田博之)

静岡県山岳連盟(代表 松永義夫)

静岡県勤労者山岳連盟(代表 竹本幸造)

公益社団法人 日本山岳会静岡支部

(代表 大島康弘)

リニア中央新幹線南アルプストンネル工事の残土処分と地下水湧に関してJR東海の対策は現段

階においてずさんであると言わざるを得ません

大井川の上流二軒小屋の地下 500m付近を貫通するトンネル掘削の残土は斜坑より二軒小屋付近

に運び上げられて谷筋の中部電力残土置き場に上積み一部は転付峠北方の尾根付近にも投棄され

るとのこと私たち静岡県の岳人は残土をこの美しい渓谷や山に投棄することによって大井川上流

の自然景観が破壊されるのではないかと大きな危惧を抱いております

さらに水の問題が指摘されています地下水脈は私達の理解を超えるほどに複雑で今なお年間

4mm の隆起を続けている南アルプスの破砕帯を貫通するトンネルが地下水脈を思わぬ方向に導く

ことは容易に想像できますまた調査の結果トンネル工事で大井川の水量が毎秒 2 トン減水する

と予測されていますがその場合はポンプで大井川に戻すとのことトンネルの 500m上部を流れる

大井川までポンプで汲み上げるとは恐れ入りますがそのためには 20000kw もの大規模な揚水設備

が必要になりリニア新幹線の膨大な電力消費をさらに押し上げることになります

先の敗戦の後農薬水質汚濁大気汚染などにより多様な生物に溢れていた野山の豊かな生態

系はすでに取り返しのつかないほど破壊されています私たちは豊かさと便利さのために貴重な自然

をこれ以上壊すことに慎重でなければなりません静岡県がリニア新幹線のトンネル工事により

大井川上流域の生態系や自然景観が破壊されるであろうことを深刻に受け止め計画路線の変更も視

野に入れながらJR東海を指導するよう次の2点について知事に要請いたします

1)残土を大井川渓谷に投棄しないこと

2)大井川の水量の低下をさせないこと

時を同じくして本年6月南アルプスはユネスコエコパーク登録承認されました

南アルプスは太古の自然が息づく日本に残された数少ない地域ですこの地域を保全することが

リニア新幹線のトンネル工事に優先することは言うまでもありません私たち静岡県の山岳関係者

は南アルプスの大自然を享受してきた者としてその豊かな生態系を私たちの子孫に手つかずのま

ま継承することが最も大切と信じるからです

上記について知事の見解をお伺いできれば幸甚です

<全国集会報告>(資料)

10

弥山山頂にて

宮島

厳島神社参拝弥山ハイキング

野島

信隆

目的UAAA広島山岳平和祭自然保護全

国集会で広島に来られた方に世界遺産の宮

島厳島神社を参拝して貰い原生林が残り展

望の良い弥山ハイキングを楽しみ自然保護状

況を見て頂く

日時11

月24

日(

月)

8時~15

時30

天候晴れ

場所広島県廿日市市宮島町

弥山(

535m)

参加者13名自然保護委員会

下野渡邉

川口宮城支部

柴崎千葉支部

石岡東京

多摩支部

河野西村石川支部

安田東九

州支部

阿南緑爽会

里見広島支部

野島

寺西井川

コースタイム大混雑での遅れを心配したが

早めに行動した為無事ほぼ計画書通り行動

できた

700広島県スポーツ会館発750宮

島口到着800松大汽船団体乗船

810宮島下船受付で弁当お茶受取り

830JAC隊出発845厳島神社参

拝920多宝塔でストレッチ後多宝塔

コースを登山(絶景ポイント朝日観音等

約20分毎休憩)

1105~1145駒ケ林(

昼食)

1200~

1205仁王門(

軽登山靴倶楽部隊と挨拶)

1225~1240弥山(展望台で360度

の展望記念撮影)

1250~1300弥

山本堂

霊火堂1300~もみじ谷コース

で下山(植物観察しながら)1400~

1420もみじ谷公園東屋で大休憩

1425~1430四之宮神社前でクーリ

ングストレッチ1430~商店街でお土

産購入1458宮島桟橋受付へ帰着

1520~1530松大汽船で宮島口解散

概要宮島の自然保護状況や歴史にも触れて

頂き交流を図りながら紅葉の秋の宮島を堪

能頂く事ができた

UAAA創立20周年記念総会が広島で開

催される事になり国内の山岳団体も一堂に

会する目的でJACの自然保護全国集会が広

島で開催されたこれのフィールドスタディ

と観光を兼ねて世界遺産の宮島厳島神社を

参拝し弥山ハイキングを楽しみながら原生

林の自然保護状況を見て頂く事にした

広島支部では全国から参加される大半が

宮島に行かれる事を想定して引率慣れした

登山講座委員会に要請して講師アシスタン

ト講師12名を準備したが県外参加者が10

名となったので無理に依頼した2名は断り

JAC隊10名は野島をCLに3名軽登山靴

倶楽部24名は兼森支部長をCLに7名で対

応した

当日は宿舎へ広島支部会員の自家用車3

台でお迎えして宮島口へ3連休で紅葉の見

頃なので宮島は大混雑が予想されたがJA

C隊は追加料金を払って朝食を早めて貰い

他隊より30分先行したのでほぼ計画通りス

ムーズに宮島に渡る事が出来終始和気藹々

<全国集会報告>

<全国集会報告>

11

厳島神社境内で鳥居をバックに

と秋の宮島を楽しんで頂く事ができた

宮島口から宮島へ渡った後受付で「山の

おべんとう」とお茶CLは無線機と引率用

の旗を受取って出発出発直後に野島の親友

であるJACの本井伝夫妻と出会いカメラマ

ンを依頼した

鹿が人懐っこく近づく中厳島神社へ厳

島神社で安全祈願後鳥居をバックに記念撮

多宝塔で入念にストレッチ後山道を登る

宮島は世界遺産で木を勝手に切れず道幅は

狭い途中の絶景ポイントで休憩しながらゆ

っくり登り途中で日山協隊に追いつかれ大

渋滞に巻き込まそうになったが彼らが回り

道をしている間に駒ケ林にトップで到着

広島県山岳連盟が広島駅弁と共同開発した

自然に優しく自然環境基金にも貢献している

登山者用「山のおべんとう」を温かい味噌汁

つきで食べコーヒーサービス

仁王門で軽登山靴倶楽部隊などUAAA

の名札をつけた多くの皆さん方と挨拶しなが

ら大日堂干満岩を経由して弥山山頂へ

完成間もない山頂展望台からは360度

の展望が臨め主な山や瀬戸内の島々廿日

市広島市街を紹介して楽しんで頂き記念

撮影

消えずの火の霊火堂弥山本堂を参拝し

もみじ谷コースを植物の詳しい石川支部の

安田さんと宮城支部の柴崎さんに珍しい植物

の説明を受けながら下山

もみじ谷の東屋では無事下山を祝って持

参した缶ビールとお菓子果物等を出し合っ

て休憩後四之宮神社でお礼の参拝をしてク

ールダウン

商店街ではもみじ饅頭などのお土産を購

入して宮島桟橋で帰着の受付を済ませフェ

リーで本土に渡って解散宮島口駅からはJ

Rで広島駅迄移動して新幹線で各地に帰っ

て頂いた

宮島は世界遺産に指定されている為に木

を切ったり石を動かすのにいくつもの団体へ

の申請が必要で原生林が残されている今

回は時間がなくて他の隊は自然観察を省略

して観光とハイキングのみだったがJAC

隊は早く行動した事と参加者の中に植物に

詳しい会員がおられて何カ所かで説明を受

けてフィールドスタディが出来て良かったと

思う

私は自然保護全国集会へは初めての参加

だったが今回広島で開催され受入を担当さ

せて頂いたので沢山の方とお知り合いにな

りJACの人材の豊富さと自然保護委員会

の取り組み状況を再認識しました行き届か

ない点があってご迷惑をかけた事と思います

がご容赦下さい今後ともよろしくお願い

致します

(広島支部

副支部長)

<全国集会報告>

12

自然保護委員会の活動記録

〈十二月度〉

①山岳団体自然環境連絡会

12月

19日(金)

出席者近藤渡邉富澤武藤

bull 各団体の報告

②自然保護委員会

12月

24日(水)

bull 『木の目草の芽』について

「113号」の発行は1月8日に延期

する

「114号」は1月

26日に発行し

1月は二号発行する

bull 講演会について

「平成

26年度に起きた我が国の火山

噴火に学ぶ」というテーマで寺田暁彦

氏(東工大火山流体研究センター専任

講師)の講演会を開催することを決定

(3月

31日)

bull 自然保護全国集会について

自然保護全国集会(広島)における静

岡支部宮城支部などの報告内容を

「木の目草の芽」全国集会報告号に掲

載することを決定した

次回の自然保護全国集会について検

討を行った

〈講演会のご案内〉自然保護委員会主催

『平成

26年度に起きた

我が国の火山噴火に学ぶ』

講師 寺田 暁彦 氏

東京工業大学

火山流体研究センター専任講師

日時 平成

27年3月

31日( 火

)

18時

30分~

20時

30分

会場 日本山岳会ルーム104号室

定員

35名

申込 3月

25日( 水

)

18時までに

左記いずれかの方法でお願いします

① 山

岳会事務所入り口脇の

投函袋に出席票を挿入

② 左

記あてにメール

tsimoictvnejp(下野)

③ 左

記宛てに電話かFAX

04―264―4447(下野)

会場の準備および講演会用資料の準備等

のため必ず期日までに申し込みをお願いいた

します

火山流体研究センター

東京工業大学で火山の観測研究が始まったの

は約

60年前1974年に国家プロジェクト

「火山噴火予知計画」にも参画し全国の火山を

対象に火山研究を進めることになる1976

年の草津白根山水釜火口の噴火を事前に予測す

ることができこれは水蒸気爆発を地球化学的

に予測した世界最初の事例として有名です

購読料をありがとうございます

8月

21日~1月

20日 敬称略

齋藤長作(渋川市)

舩田洋子(福井市)

合計2000円

訂正とお詫び

『木の目草の芽』113号

11ページ「国見利

夫さんを偲ぶ」の文中2段目右から

11行目

織内信孝さんのお名前は「織内信彦」です

訂正してお詫び申し上げます

〈編集後記〉113号に続きまして全国集会報告号

です次号(3月号)からは定期奇数月にお届けする

予定です今年もよろしくお願いいたします(元川)

Page 6: Â E r K Z u H J 8 M - JAC · K S HÎ Q b |: ^ G \?} HÍ Ò º b +¬! 1¤ ² \ 7 c ¾ ¿ ¨ ¶ -4 b 8 S T A HÍ ¥ £ Å b +¬! 1¤ q · >3>. º ú ~ 3É ~ HÍ Q G Ë I « _

6

がありましたこれをよく見ていただくと

このAのちょうど真ん中に東北電力の女川原

子力発電所があります女川原子力は震災の

時に少しトラブルがあったと新聞に報道され

ておりましたその影響なのかあるいは福

島原子力発電所の事故の影響がここまで来て

いるのかはまだ諮りかねておりますがい

ずれ検討していきたいと思いますここには

花崗岩の山が沢山ありますそれから粘板岩

のはいった面白い山もたくさんあるのですが

そのような山々の放射線が他の所に比べると

高い値を示しています次にBの地域ですが

宮城県の北側の蚕飼山(こがいさん)から始

まって烏兎山(うどやま)周辺が大変汚

染されています平泉の向かい側の束稲山(た

ばしねやま)まで高い地域がまとまってあり

ますそれからもう一つがCの地域で栗原

市にあたります文字三山の大土ヶ森という

山があり興味深い地域なのですがここにも

非常に高い地点がありますまだまだ測定地

点が少ないのでこれからさらに地点を増や

して正確な汚染地図を作りたいと思っており

ますがだいたい宮城県の汚染の実態は現在

のものと近いものになるだろうと考えていま

す も

う一度福島原子力発電所で起った事故

が日本の自然に対してどの程度の大きさの

事故だったのかと考えてみますこの事故に

より立ち入ることができない地域として帰還

困難区域居住制限地域区域避難指示解除

準備区域ができましたこの地域を足します

と約2300km

2

にあたりますその中に山が約

二五座ありますいつまでの間か分かりま

せんが我々はこの二五座には入ることは

まかりならないということになりますもう

少し広げて年間一ミリシーベルトの地域こ

れは年間の被ばく限度量ですがこの地域を

全部足しますと約16000 km

2

となります

まだ正確に計算していませんが概算でこの

くらいの値になりますこれは日本の国土の

約五にあたりますこのような地域に登山

に行くときは我々はどのような知識を頭に

入れておくべきかそもそも登山してもよい

のかも検討しておかなければならないと思い

ます一ミリシーベルト以上の地域には将

来生態系の変化が起こる可能性もあります

私達の登山は健全な自然山岳を対象にし

てきました日本山岳会の自然保護活動も

この健全な自然山岳を将来にいかに確実に残

していくかを追求してきたと思います登山

はただの娯楽では無くて自然保護と両輪をな

さなければならなりません日本山岳会の皆

さんにこのような事態にたちあったときに

どのような行動をとるのかどのような指針

を持つべきなのかご検討頂いて原子力発電

所事故という大災害に対する我々の意志をは

っきりと持って登山を行っていければと思い

ます

宮城県北部の牧草地帯に放射性物質で汚

染された廃棄物の処分場候補地が三ヶ所挙げ

られています全て奥羽山脈の中で河川の

水源地にあたりますただ単に被ばくしたと

いうだけでなく汚染された廃棄物によって

も様々な影響を受けるかもしれません汚染

されてこなかった山岳も新たに影響を受ける

のではないかと心配されます

私達の報告書を色々な皆様に差し上げて

きましたが色々なコメントを頂戴しました

まだまだ不十分ですがこれからも測定を続

けてできるだけ沢山の正確な情報を皆さん

に伝えていければと思っております今日は

特別にご紹介する場を設けて頂いて宮城支

部としては非常にありがたいと思っています

どうもありがとうございました

(記録下野綾子)

<全国集会報告>

7

リニア新幹線に関する報告

静岡支部

白鳥

勝治

本日はリニア中央新幹線工事に関する

南アルプスの自然保護について静岡支部

がどのようにとらえて現状を取り扱って

いるかということについて報告申し上げ

ます

南アルプスはご承知のように静岡県の

最北端にある白峰三山の間ノ岳を源にし

て真南に流れる延長168の大井川を

中央に東側に富士川西側に天竜川と

いずれも静岡県に河口がある1級河川の

源流域で山梨県長野県静岡県にまた

がる北岳をはじめ3000m以上の嶺峰

13座を持つ国立公園です今年は国立

公園に指定されてからちょうど50年にな

りますまた6月には周辺の3県10市

町村の協力と関係者の尽力によりユネス

コエコパークに登録を認められました

この南アルプスの中央部にある塩見岳

(3046m)と荒川東岳(3141m)

中間点をほぼ真横に貫くリニア中新幹線

計画が本年(平成26年)発表されまし

た東側の山梨県早川町から静岡県の静岡

市北部を通り抜けて西側の長野県大鹿村

に出る22のトンネルですこれらにつ

きましては計画の段階からマスコミで報

じられていましたが静岡県では11月18

日JR東海が県民に対し直接説明会を開

いて工事内容が明らかになりました

私達はそれ以前より新聞などで情報を

得てはいましたが正直な話支部の会員

の中ではこの問題についてあまり話題に

なりませんでしたなぜならリニア新幹

線が静岡県を通る場所は地下の深い所で

一番浅い所でも地下500mくらいとい

うことであまり影響はないのではないか

と言われていたこととそれからリニアが

通る地域は人が全く住んでいない山の中

であるということもあり駅も出来ないこ

とから山梨県や長野県の皆さんよりも感

度が低かったということは否めなかった

ことです

私達がこれは大変だという情報を得た

のは「木の目草の芽」111号がきっかけ

でした特に今回の工事計画の中で問題に

なっているのは掘削土です静岡県内では

大井川の上流域二軒小屋と椹島の間に一

か所それから西俣の上流側に一か所計

二つの口を開けることになっています

ldquo非常口rdquoという表現をJR東海はしてい

ますがこのldquo非常口rdquoはどうも説明の内

容ではトンネルの掘削工事を進める段階

での必要性の方が高かろうと思われます

そこから排出される360万という膨

大な掘削土を大井川上流域へ置くとい

う具体的な位置を説明書で示しています

この川には大きな滝こそありませんが

周辺地域は年間3000の降雨量があ

りますそれに昭和40年代二軒小屋か

ら東俣の奥の広河原に建てられた東海パ

ルプの事業所へ通ずる車道が大雨で一晩

のうちに崩壊したことがありましたそれ

ほど地盤は落ち着いていない地域である

ということをご理解いただけると思いま

すがここへ360万の土砂を排出する

ということになれば河川の増水時の流出

や水質への影響もしくは河川の水底質

への影響などを考えるとこれはただごと

ではないという懸念がひとつあります

それからもうひとつはJR東海から発

表された計画ではトンネルの掘削に伴う

地下水等への影響により源流域において

表流水の量が毎秒2トン程度減水すると

<全国集会報告>

<全国集会報告>

8

想定されていることです

これは自然に対する影響ばかりでなく

て下流における7市63万人の飲み水や

農業用水などもっと大きな問題にもかか

わってきます

少し話題が外れますが大井川は全長1

68の中に支流を含めて大小15カ所ほ

どのダムがありますそのうちのほとんど

が電源開発によって造られ利用されてい

るものです昭和30年代に最後のダムが出

来上がった時下流域が砂漠化したことが

ありますこの砂漠化について流域の住民

が危機感をもって蜂起し県を通じ電力会

社に対して川へ水を戻せと要求したこと

があります発電用水を減らす事を拒んだ

電力会社にたいして住民の強い結束力に

押された当時の県知事が交渉してなんと

か毎秒5トンの水を放流して今の流れが

保たれています

皆さんご承知のように江戸時代には大

井川は東海道の難所として「箱根八里は馬

でも越すが越すに越されぬ大井川」とう

たわれたように深さが通常2尺5寸あっ

たそうです約75ですそして水深4尺

5寸まで増水すると川留めをしていまし

たこの川は幕府の政策上橋を架けるこ

とも船を使うことも禁じていましたので

東海道を往来する旅人は川渡しの人夫の

肩を借りるか神輿にように担いで人夫に

渡してもらっていたということで両岸に

は350人ずつの川人夫を幕府直轄で配

置して川渡しに当たらせていたといいま

すつまりそれほど流量豊かな川であっ

たのが申し上げました通り流量が減少

して現在も下流へ行くと川原が広く水は

細々と流れている状態なのです

リニア新幹線工事が大井川へ及ぼすこ

れ以上の影響について県知事は流量の減

少計算結果は不確実性が高いと懸念して

います

それからリニア新幹線が通過する静岡

市ですが実際市は大井川の水を一部の

地区でしか使っていませんしかし静岡市

長もこの減水については掘削土と同様に

自然保護上成り行きを重視しています

こうした状況の中で静岡支部は南アル

プスの自然を身近にして楽しんできた地

元の山岳団体として又南アルプスの自

然を大切にして次の世代に継承するため

にもこの問題についてなんらかの意思表

示をしなければならないとして登山愛好

者のみなさんにこの実態を訴えてみなさ

んの考えを聞かせていただきたいという

ことを含めて静岡県知事と静岡市長に対

して申し入れをすることになりました

又これまで静岡支部は静岡県内の静岡

県山岳連盟静岡県勤労者山岳連盟および

静岡市山岳連盟など県内の山岳団体と一

緒に行動を起こしたということはありま

せんでしたが今回は静岡支部の大島支部

長がこの問題を提起して各団体へ話をし

た結果これは四山岳団体として行政を通

じてJR東海に申し立てをしなければな

らないということになりました

意見は色々がありましたが静岡支部は

やはり自然保護という切り口から意見さ

せていただこうということで合意を戴き

「リニア中央新幹線南アルプストンネル

工事に関する申し入れ書」(次頁)を作成

し提出しました

ご清聴ありがとうございました

(記録元川里美)

<全国集会報告>

9

静岡県知事 川勝平太殿

平成 26年 9 月 10 日

リニア中央新幹線南アルプストンネル工事に関する申し入れ書

静岡県山岳連盟(代表 滝田博之)

静岡県山岳連盟(代表 松永義夫)

静岡県勤労者山岳連盟(代表 竹本幸造)

公益社団法人 日本山岳会静岡支部

(代表 大島康弘)

リニア中央新幹線南アルプストンネル工事の残土処分と地下水湧に関してJR東海の対策は現段

階においてずさんであると言わざるを得ません

大井川の上流二軒小屋の地下 500m付近を貫通するトンネル掘削の残土は斜坑より二軒小屋付近

に運び上げられて谷筋の中部電力残土置き場に上積み一部は転付峠北方の尾根付近にも投棄され

るとのこと私たち静岡県の岳人は残土をこの美しい渓谷や山に投棄することによって大井川上流

の自然景観が破壊されるのではないかと大きな危惧を抱いております

さらに水の問題が指摘されています地下水脈は私達の理解を超えるほどに複雑で今なお年間

4mm の隆起を続けている南アルプスの破砕帯を貫通するトンネルが地下水脈を思わぬ方向に導く

ことは容易に想像できますまた調査の結果トンネル工事で大井川の水量が毎秒 2 トン減水する

と予測されていますがその場合はポンプで大井川に戻すとのことトンネルの 500m上部を流れる

大井川までポンプで汲み上げるとは恐れ入りますがそのためには 20000kw もの大規模な揚水設備

が必要になりリニア新幹線の膨大な電力消費をさらに押し上げることになります

先の敗戦の後農薬水質汚濁大気汚染などにより多様な生物に溢れていた野山の豊かな生態

系はすでに取り返しのつかないほど破壊されています私たちは豊かさと便利さのために貴重な自然

をこれ以上壊すことに慎重でなければなりません静岡県がリニア新幹線のトンネル工事により

大井川上流域の生態系や自然景観が破壊されるであろうことを深刻に受け止め計画路線の変更も視

野に入れながらJR東海を指導するよう次の2点について知事に要請いたします

1)残土を大井川渓谷に投棄しないこと

2)大井川の水量の低下をさせないこと

時を同じくして本年6月南アルプスはユネスコエコパーク登録承認されました

南アルプスは太古の自然が息づく日本に残された数少ない地域ですこの地域を保全することが

リニア新幹線のトンネル工事に優先することは言うまでもありません私たち静岡県の山岳関係者

は南アルプスの大自然を享受してきた者としてその豊かな生態系を私たちの子孫に手つかずのま

ま継承することが最も大切と信じるからです

上記について知事の見解をお伺いできれば幸甚です

<全国集会報告>(資料)

10

弥山山頂にて

宮島

厳島神社参拝弥山ハイキング

野島

信隆

目的UAAA広島山岳平和祭自然保護全

国集会で広島に来られた方に世界遺産の宮

島厳島神社を参拝して貰い原生林が残り展

望の良い弥山ハイキングを楽しみ自然保護状

況を見て頂く

日時11

月24

日(

月)

8時~15

時30

天候晴れ

場所広島県廿日市市宮島町

弥山(

535m)

参加者13名自然保護委員会

下野渡邉

川口宮城支部

柴崎千葉支部

石岡東京

多摩支部

河野西村石川支部

安田東九

州支部

阿南緑爽会

里見広島支部

野島

寺西井川

コースタイム大混雑での遅れを心配したが

早めに行動した為無事ほぼ計画書通り行動

できた

700広島県スポーツ会館発750宮

島口到着800松大汽船団体乗船

810宮島下船受付で弁当お茶受取り

830JAC隊出発845厳島神社参

拝920多宝塔でストレッチ後多宝塔

コースを登山(絶景ポイント朝日観音等

約20分毎休憩)

1105~1145駒ケ林(

昼食)

1200~

1205仁王門(

軽登山靴倶楽部隊と挨拶)

1225~1240弥山(展望台で360度

の展望記念撮影)

1250~1300弥

山本堂

霊火堂1300~もみじ谷コース

で下山(植物観察しながら)1400~

1420もみじ谷公園東屋で大休憩

1425~1430四之宮神社前でクーリ

ングストレッチ1430~商店街でお土

産購入1458宮島桟橋受付へ帰着

1520~1530松大汽船で宮島口解散

概要宮島の自然保護状況や歴史にも触れて

頂き交流を図りながら紅葉の秋の宮島を堪

能頂く事ができた

UAAA創立20周年記念総会が広島で開

催される事になり国内の山岳団体も一堂に

会する目的でJACの自然保護全国集会が広

島で開催されたこれのフィールドスタディ

と観光を兼ねて世界遺産の宮島厳島神社を

参拝し弥山ハイキングを楽しみながら原生

林の自然保護状況を見て頂く事にした

広島支部では全国から参加される大半が

宮島に行かれる事を想定して引率慣れした

登山講座委員会に要請して講師アシスタン

ト講師12名を準備したが県外参加者が10

名となったので無理に依頼した2名は断り

JAC隊10名は野島をCLに3名軽登山靴

倶楽部24名は兼森支部長をCLに7名で対

応した

当日は宿舎へ広島支部会員の自家用車3

台でお迎えして宮島口へ3連休で紅葉の見

頃なので宮島は大混雑が予想されたがJA

C隊は追加料金を払って朝食を早めて貰い

他隊より30分先行したのでほぼ計画通りス

ムーズに宮島に渡る事が出来終始和気藹々

<全国集会報告>

<全国集会報告>

11

厳島神社境内で鳥居をバックに

と秋の宮島を楽しんで頂く事ができた

宮島口から宮島へ渡った後受付で「山の

おべんとう」とお茶CLは無線機と引率用

の旗を受取って出発出発直後に野島の親友

であるJACの本井伝夫妻と出会いカメラマ

ンを依頼した

鹿が人懐っこく近づく中厳島神社へ厳

島神社で安全祈願後鳥居をバックに記念撮

多宝塔で入念にストレッチ後山道を登る

宮島は世界遺産で木を勝手に切れず道幅は

狭い途中の絶景ポイントで休憩しながらゆ

っくり登り途中で日山協隊に追いつかれ大

渋滞に巻き込まそうになったが彼らが回り

道をしている間に駒ケ林にトップで到着

広島県山岳連盟が広島駅弁と共同開発した

自然に優しく自然環境基金にも貢献している

登山者用「山のおべんとう」を温かい味噌汁

つきで食べコーヒーサービス

仁王門で軽登山靴倶楽部隊などUAAA

の名札をつけた多くの皆さん方と挨拶しなが

ら大日堂干満岩を経由して弥山山頂へ

完成間もない山頂展望台からは360度

の展望が臨め主な山や瀬戸内の島々廿日

市広島市街を紹介して楽しんで頂き記念

撮影

消えずの火の霊火堂弥山本堂を参拝し

もみじ谷コースを植物の詳しい石川支部の

安田さんと宮城支部の柴崎さんに珍しい植物

の説明を受けながら下山

もみじ谷の東屋では無事下山を祝って持

参した缶ビールとお菓子果物等を出し合っ

て休憩後四之宮神社でお礼の参拝をしてク

ールダウン

商店街ではもみじ饅頭などのお土産を購

入して宮島桟橋で帰着の受付を済ませフェ

リーで本土に渡って解散宮島口駅からはJ

Rで広島駅迄移動して新幹線で各地に帰っ

て頂いた

宮島は世界遺産に指定されている為に木

を切ったり石を動かすのにいくつもの団体へ

の申請が必要で原生林が残されている今

回は時間がなくて他の隊は自然観察を省略

して観光とハイキングのみだったがJAC

隊は早く行動した事と参加者の中に植物に

詳しい会員がおられて何カ所かで説明を受

けてフィールドスタディが出来て良かったと

思う

私は自然保護全国集会へは初めての参加

だったが今回広島で開催され受入を担当さ

せて頂いたので沢山の方とお知り合いにな

りJACの人材の豊富さと自然保護委員会

の取り組み状況を再認識しました行き届か

ない点があってご迷惑をかけた事と思います

がご容赦下さい今後ともよろしくお願い

致します

(広島支部

副支部長)

<全国集会報告>

12

自然保護委員会の活動記録

〈十二月度〉

①山岳団体自然環境連絡会

12月

19日(金)

出席者近藤渡邉富澤武藤

bull 各団体の報告

②自然保護委員会

12月

24日(水)

bull 『木の目草の芽』について

「113号」の発行は1月8日に延期

する

「114号」は1月

26日に発行し

1月は二号発行する

bull 講演会について

「平成

26年度に起きた我が国の火山

噴火に学ぶ」というテーマで寺田暁彦

氏(東工大火山流体研究センター専任

講師)の講演会を開催することを決定

(3月

31日)

bull 自然保護全国集会について

自然保護全国集会(広島)における静

岡支部宮城支部などの報告内容を

「木の目草の芽」全国集会報告号に掲

載することを決定した

次回の自然保護全国集会について検

討を行った

〈講演会のご案内〉自然保護委員会主催

『平成

26年度に起きた

我が国の火山噴火に学ぶ』

講師 寺田 暁彦 氏

東京工業大学

火山流体研究センター専任講師

日時 平成

27年3月

31日( 火

)

18時

30分~

20時

30分

会場 日本山岳会ルーム104号室

定員

35名

申込 3月

25日( 水

)

18時までに

左記いずれかの方法でお願いします

① 山

岳会事務所入り口脇の

投函袋に出席票を挿入

② 左

記あてにメール

tsimoictvnejp(下野)

③ 左

記宛てに電話かFAX

04―264―4447(下野)

会場の準備および講演会用資料の準備等

のため必ず期日までに申し込みをお願いいた

します

火山流体研究センター

東京工業大学で火山の観測研究が始まったの

は約

60年前1974年に国家プロジェクト

「火山噴火予知計画」にも参画し全国の火山を

対象に火山研究を進めることになる1976

年の草津白根山水釜火口の噴火を事前に予測す

ることができこれは水蒸気爆発を地球化学的

に予測した世界最初の事例として有名です

購読料をありがとうございます

8月

21日~1月

20日 敬称略

齋藤長作(渋川市)

舩田洋子(福井市)

合計2000円

訂正とお詫び

『木の目草の芽』113号

11ページ「国見利

夫さんを偲ぶ」の文中2段目右から

11行目

織内信孝さんのお名前は「織内信彦」です

訂正してお詫び申し上げます

〈編集後記〉113号に続きまして全国集会報告号

です次号(3月号)からは定期奇数月にお届けする

予定です今年もよろしくお願いいたします(元川)

Page 7: Â E r K Z u H J 8 M - JAC · K S HÎ Q b |: ^ G \?} HÍ Ò º b +¬! 1¤ ² \ 7 c ¾ ¿ ¨ ¶ -4 b 8 S T A HÍ ¥ £ Å b +¬! 1¤ q · >3>. º ú ~ 3É ~ HÍ Q G Ë I « _

7

リニア新幹線に関する報告

静岡支部

白鳥

勝治

本日はリニア中央新幹線工事に関する

南アルプスの自然保護について静岡支部

がどのようにとらえて現状を取り扱って

いるかということについて報告申し上げ

ます

南アルプスはご承知のように静岡県の

最北端にある白峰三山の間ノ岳を源にし

て真南に流れる延長168の大井川を

中央に東側に富士川西側に天竜川と

いずれも静岡県に河口がある1級河川の

源流域で山梨県長野県静岡県にまた

がる北岳をはじめ3000m以上の嶺峰

13座を持つ国立公園です今年は国立

公園に指定されてからちょうど50年にな

りますまた6月には周辺の3県10市

町村の協力と関係者の尽力によりユネス

コエコパークに登録を認められました

この南アルプスの中央部にある塩見岳

(3046m)と荒川東岳(3141m)

中間点をほぼ真横に貫くリニア中新幹線

計画が本年(平成26年)発表されまし

た東側の山梨県早川町から静岡県の静岡

市北部を通り抜けて西側の長野県大鹿村

に出る22のトンネルですこれらにつ

きましては計画の段階からマスコミで報

じられていましたが静岡県では11月18

日JR東海が県民に対し直接説明会を開

いて工事内容が明らかになりました

私達はそれ以前より新聞などで情報を

得てはいましたが正直な話支部の会員

の中ではこの問題についてあまり話題に

なりませんでしたなぜならリニア新幹

線が静岡県を通る場所は地下の深い所で

一番浅い所でも地下500mくらいとい

うことであまり影響はないのではないか

と言われていたこととそれからリニアが

通る地域は人が全く住んでいない山の中

であるということもあり駅も出来ないこ

とから山梨県や長野県の皆さんよりも感

度が低かったということは否めなかった

ことです

私達がこれは大変だという情報を得た

のは「木の目草の芽」111号がきっかけ

でした特に今回の工事計画の中で問題に

なっているのは掘削土です静岡県内では

大井川の上流域二軒小屋と椹島の間に一

か所それから西俣の上流側に一か所計

二つの口を開けることになっています

ldquo非常口rdquoという表現をJR東海はしてい

ますがこのldquo非常口rdquoはどうも説明の内

容ではトンネルの掘削工事を進める段階

での必要性の方が高かろうと思われます

そこから排出される360万という膨

大な掘削土を大井川上流域へ置くとい

う具体的な位置を説明書で示しています

この川には大きな滝こそありませんが

周辺地域は年間3000の降雨量があ

りますそれに昭和40年代二軒小屋か

ら東俣の奥の広河原に建てられた東海パ

ルプの事業所へ通ずる車道が大雨で一晩

のうちに崩壊したことがありましたそれ

ほど地盤は落ち着いていない地域である

ということをご理解いただけると思いま

すがここへ360万の土砂を排出する

ということになれば河川の増水時の流出

や水質への影響もしくは河川の水底質

への影響などを考えるとこれはただごと

ではないという懸念がひとつあります

それからもうひとつはJR東海から発

表された計画ではトンネルの掘削に伴う

地下水等への影響により源流域において

表流水の量が毎秒2トン程度減水すると

<全国集会報告>

<全国集会報告>

8

想定されていることです

これは自然に対する影響ばかりでなく

て下流における7市63万人の飲み水や

農業用水などもっと大きな問題にもかか

わってきます

少し話題が外れますが大井川は全長1

68の中に支流を含めて大小15カ所ほ

どのダムがありますそのうちのほとんど

が電源開発によって造られ利用されてい

るものです昭和30年代に最後のダムが出

来上がった時下流域が砂漠化したことが

ありますこの砂漠化について流域の住民

が危機感をもって蜂起し県を通じ電力会

社に対して川へ水を戻せと要求したこと

があります発電用水を減らす事を拒んだ

電力会社にたいして住民の強い結束力に

押された当時の県知事が交渉してなんと

か毎秒5トンの水を放流して今の流れが

保たれています

皆さんご承知のように江戸時代には大

井川は東海道の難所として「箱根八里は馬

でも越すが越すに越されぬ大井川」とう

たわれたように深さが通常2尺5寸あっ

たそうです約75ですそして水深4尺

5寸まで増水すると川留めをしていまし

たこの川は幕府の政策上橋を架けるこ

とも船を使うことも禁じていましたので

東海道を往来する旅人は川渡しの人夫の

肩を借りるか神輿にように担いで人夫に

渡してもらっていたということで両岸に

は350人ずつの川人夫を幕府直轄で配

置して川渡しに当たらせていたといいま

すつまりそれほど流量豊かな川であっ

たのが申し上げました通り流量が減少

して現在も下流へ行くと川原が広く水は

細々と流れている状態なのです

リニア新幹線工事が大井川へ及ぼすこ

れ以上の影響について県知事は流量の減

少計算結果は不確実性が高いと懸念して

います

それからリニア新幹線が通過する静岡

市ですが実際市は大井川の水を一部の

地区でしか使っていませんしかし静岡市

長もこの減水については掘削土と同様に

自然保護上成り行きを重視しています

こうした状況の中で静岡支部は南アル

プスの自然を身近にして楽しんできた地

元の山岳団体として又南アルプスの自

然を大切にして次の世代に継承するため

にもこの問題についてなんらかの意思表

示をしなければならないとして登山愛好

者のみなさんにこの実態を訴えてみなさ

んの考えを聞かせていただきたいという

ことを含めて静岡県知事と静岡市長に対

して申し入れをすることになりました

又これまで静岡支部は静岡県内の静岡

県山岳連盟静岡県勤労者山岳連盟および

静岡市山岳連盟など県内の山岳団体と一

緒に行動を起こしたということはありま

せんでしたが今回は静岡支部の大島支部

長がこの問題を提起して各団体へ話をし

た結果これは四山岳団体として行政を通

じてJR東海に申し立てをしなければな

らないということになりました

意見は色々がありましたが静岡支部は

やはり自然保護という切り口から意見さ

せていただこうということで合意を戴き

「リニア中央新幹線南アルプストンネル

工事に関する申し入れ書」(次頁)を作成

し提出しました

ご清聴ありがとうございました

(記録元川里美)

<全国集会報告>

9

静岡県知事 川勝平太殿

平成 26年 9 月 10 日

リニア中央新幹線南アルプストンネル工事に関する申し入れ書

静岡県山岳連盟(代表 滝田博之)

静岡県山岳連盟(代表 松永義夫)

静岡県勤労者山岳連盟(代表 竹本幸造)

公益社団法人 日本山岳会静岡支部

(代表 大島康弘)

リニア中央新幹線南アルプストンネル工事の残土処分と地下水湧に関してJR東海の対策は現段

階においてずさんであると言わざるを得ません

大井川の上流二軒小屋の地下 500m付近を貫通するトンネル掘削の残土は斜坑より二軒小屋付近

に運び上げられて谷筋の中部電力残土置き場に上積み一部は転付峠北方の尾根付近にも投棄され

るとのこと私たち静岡県の岳人は残土をこの美しい渓谷や山に投棄することによって大井川上流

の自然景観が破壊されるのではないかと大きな危惧を抱いております

さらに水の問題が指摘されています地下水脈は私達の理解を超えるほどに複雑で今なお年間

4mm の隆起を続けている南アルプスの破砕帯を貫通するトンネルが地下水脈を思わぬ方向に導く

ことは容易に想像できますまた調査の結果トンネル工事で大井川の水量が毎秒 2 トン減水する

と予測されていますがその場合はポンプで大井川に戻すとのことトンネルの 500m上部を流れる

大井川までポンプで汲み上げるとは恐れ入りますがそのためには 20000kw もの大規模な揚水設備

が必要になりリニア新幹線の膨大な電力消費をさらに押し上げることになります

先の敗戦の後農薬水質汚濁大気汚染などにより多様な生物に溢れていた野山の豊かな生態

系はすでに取り返しのつかないほど破壊されています私たちは豊かさと便利さのために貴重な自然

をこれ以上壊すことに慎重でなければなりません静岡県がリニア新幹線のトンネル工事により

大井川上流域の生態系や自然景観が破壊されるであろうことを深刻に受け止め計画路線の変更も視

野に入れながらJR東海を指導するよう次の2点について知事に要請いたします

1)残土を大井川渓谷に投棄しないこと

2)大井川の水量の低下をさせないこと

時を同じくして本年6月南アルプスはユネスコエコパーク登録承認されました

南アルプスは太古の自然が息づく日本に残された数少ない地域ですこの地域を保全することが

リニア新幹線のトンネル工事に優先することは言うまでもありません私たち静岡県の山岳関係者

は南アルプスの大自然を享受してきた者としてその豊かな生態系を私たちの子孫に手つかずのま

ま継承することが最も大切と信じるからです

上記について知事の見解をお伺いできれば幸甚です

<全国集会報告>(資料)

10

弥山山頂にて

宮島

厳島神社参拝弥山ハイキング

野島

信隆

目的UAAA広島山岳平和祭自然保護全

国集会で広島に来られた方に世界遺産の宮

島厳島神社を参拝して貰い原生林が残り展

望の良い弥山ハイキングを楽しみ自然保護状

況を見て頂く

日時11

月24

日(

月)

8時~15

時30

天候晴れ

場所広島県廿日市市宮島町

弥山(

535m)

参加者13名自然保護委員会

下野渡邉

川口宮城支部

柴崎千葉支部

石岡東京

多摩支部

河野西村石川支部

安田東九

州支部

阿南緑爽会

里見広島支部

野島

寺西井川

コースタイム大混雑での遅れを心配したが

早めに行動した為無事ほぼ計画書通り行動

できた

700広島県スポーツ会館発750宮

島口到着800松大汽船団体乗船

810宮島下船受付で弁当お茶受取り

830JAC隊出発845厳島神社参

拝920多宝塔でストレッチ後多宝塔

コースを登山(絶景ポイント朝日観音等

約20分毎休憩)

1105~1145駒ケ林(

昼食)

1200~

1205仁王門(

軽登山靴倶楽部隊と挨拶)

1225~1240弥山(展望台で360度

の展望記念撮影)

1250~1300弥

山本堂

霊火堂1300~もみじ谷コース

で下山(植物観察しながら)1400~

1420もみじ谷公園東屋で大休憩

1425~1430四之宮神社前でクーリ

ングストレッチ1430~商店街でお土

産購入1458宮島桟橋受付へ帰着

1520~1530松大汽船で宮島口解散

概要宮島の自然保護状況や歴史にも触れて

頂き交流を図りながら紅葉の秋の宮島を堪

能頂く事ができた

UAAA創立20周年記念総会が広島で開

催される事になり国内の山岳団体も一堂に

会する目的でJACの自然保護全国集会が広

島で開催されたこれのフィールドスタディ

と観光を兼ねて世界遺産の宮島厳島神社を

参拝し弥山ハイキングを楽しみながら原生

林の自然保護状況を見て頂く事にした

広島支部では全国から参加される大半が

宮島に行かれる事を想定して引率慣れした

登山講座委員会に要請して講師アシスタン

ト講師12名を準備したが県外参加者が10

名となったので無理に依頼した2名は断り

JAC隊10名は野島をCLに3名軽登山靴

倶楽部24名は兼森支部長をCLに7名で対

応した

当日は宿舎へ広島支部会員の自家用車3

台でお迎えして宮島口へ3連休で紅葉の見

頃なので宮島は大混雑が予想されたがJA

C隊は追加料金を払って朝食を早めて貰い

他隊より30分先行したのでほぼ計画通りス

ムーズに宮島に渡る事が出来終始和気藹々

<全国集会報告>

<全国集会報告>

11

厳島神社境内で鳥居をバックに

と秋の宮島を楽しんで頂く事ができた

宮島口から宮島へ渡った後受付で「山の

おべんとう」とお茶CLは無線機と引率用

の旗を受取って出発出発直後に野島の親友

であるJACの本井伝夫妻と出会いカメラマ

ンを依頼した

鹿が人懐っこく近づく中厳島神社へ厳

島神社で安全祈願後鳥居をバックに記念撮

多宝塔で入念にストレッチ後山道を登る

宮島は世界遺産で木を勝手に切れず道幅は

狭い途中の絶景ポイントで休憩しながらゆ

っくり登り途中で日山協隊に追いつかれ大

渋滞に巻き込まそうになったが彼らが回り

道をしている間に駒ケ林にトップで到着

広島県山岳連盟が広島駅弁と共同開発した

自然に優しく自然環境基金にも貢献している

登山者用「山のおべんとう」を温かい味噌汁

つきで食べコーヒーサービス

仁王門で軽登山靴倶楽部隊などUAAA

の名札をつけた多くの皆さん方と挨拶しなが

ら大日堂干満岩を経由して弥山山頂へ

完成間もない山頂展望台からは360度

の展望が臨め主な山や瀬戸内の島々廿日

市広島市街を紹介して楽しんで頂き記念

撮影

消えずの火の霊火堂弥山本堂を参拝し

もみじ谷コースを植物の詳しい石川支部の

安田さんと宮城支部の柴崎さんに珍しい植物

の説明を受けながら下山

もみじ谷の東屋では無事下山を祝って持

参した缶ビールとお菓子果物等を出し合っ

て休憩後四之宮神社でお礼の参拝をしてク

ールダウン

商店街ではもみじ饅頭などのお土産を購

入して宮島桟橋で帰着の受付を済ませフェ

リーで本土に渡って解散宮島口駅からはJ

Rで広島駅迄移動して新幹線で各地に帰っ

て頂いた

宮島は世界遺産に指定されている為に木

を切ったり石を動かすのにいくつもの団体へ

の申請が必要で原生林が残されている今

回は時間がなくて他の隊は自然観察を省略

して観光とハイキングのみだったがJAC

隊は早く行動した事と参加者の中に植物に

詳しい会員がおられて何カ所かで説明を受

けてフィールドスタディが出来て良かったと

思う

私は自然保護全国集会へは初めての参加

だったが今回広島で開催され受入を担当さ

せて頂いたので沢山の方とお知り合いにな

りJACの人材の豊富さと自然保護委員会

の取り組み状況を再認識しました行き届か

ない点があってご迷惑をかけた事と思います

がご容赦下さい今後ともよろしくお願い

致します

(広島支部

副支部長)

<全国集会報告>

12

自然保護委員会の活動記録

〈十二月度〉

①山岳団体自然環境連絡会

12月

19日(金)

出席者近藤渡邉富澤武藤

bull 各団体の報告

②自然保護委員会

12月

24日(水)

bull 『木の目草の芽』について

「113号」の発行は1月8日に延期

する

「114号」は1月

26日に発行し

1月は二号発行する

bull 講演会について

「平成

26年度に起きた我が国の火山

噴火に学ぶ」というテーマで寺田暁彦

氏(東工大火山流体研究センター専任

講師)の講演会を開催することを決定

(3月

31日)

bull 自然保護全国集会について

自然保護全国集会(広島)における静

岡支部宮城支部などの報告内容を

「木の目草の芽」全国集会報告号に掲

載することを決定した

次回の自然保護全国集会について検

討を行った

〈講演会のご案内〉自然保護委員会主催

『平成

26年度に起きた

我が国の火山噴火に学ぶ』

講師 寺田 暁彦 氏

東京工業大学

火山流体研究センター専任講師

日時 平成

27年3月

31日( 火

)

18時

30分~

20時

30分

会場 日本山岳会ルーム104号室

定員

35名

申込 3月

25日( 水

)

18時までに

左記いずれかの方法でお願いします

① 山

岳会事務所入り口脇の

投函袋に出席票を挿入

② 左

記あてにメール

tsimoictvnejp(下野)

③ 左

記宛てに電話かFAX

04―264―4447(下野)

会場の準備および講演会用資料の準備等

のため必ず期日までに申し込みをお願いいた

します

火山流体研究センター

東京工業大学で火山の観測研究が始まったの

は約

60年前1974年に国家プロジェクト

「火山噴火予知計画」にも参画し全国の火山を

対象に火山研究を進めることになる1976

年の草津白根山水釜火口の噴火を事前に予測す

ることができこれは水蒸気爆発を地球化学的

に予測した世界最初の事例として有名です

購読料をありがとうございます

8月

21日~1月

20日 敬称略

齋藤長作(渋川市)

舩田洋子(福井市)

合計2000円

訂正とお詫び

『木の目草の芽』113号

11ページ「国見利

夫さんを偲ぶ」の文中2段目右から

11行目

織内信孝さんのお名前は「織内信彦」です

訂正してお詫び申し上げます

〈編集後記〉113号に続きまして全国集会報告号

です次号(3月号)からは定期奇数月にお届けする

予定です今年もよろしくお願いいたします(元川)

Page 8: Â E r K Z u H J 8 M - JAC · K S HÎ Q b |: ^ G \?} HÍ Ò º b +¬! 1¤ ² \ 7 c ¾ ¿ ¨ ¶ -4 b 8 S T A HÍ ¥ £ Å b +¬! 1¤ q · >3>. º ú ~ 3É ~ HÍ Q G Ë I « _

8

想定されていることです

これは自然に対する影響ばかりでなく

て下流における7市63万人の飲み水や

農業用水などもっと大きな問題にもかか

わってきます

少し話題が外れますが大井川は全長1

68の中に支流を含めて大小15カ所ほ

どのダムがありますそのうちのほとんど

が電源開発によって造られ利用されてい

るものです昭和30年代に最後のダムが出

来上がった時下流域が砂漠化したことが

ありますこの砂漠化について流域の住民

が危機感をもって蜂起し県を通じ電力会

社に対して川へ水を戻せと要求したこと

があります発電用水を減らす事を拒んだ

電力会社にたいして住民の強い結束力に

押された当時の県知事が交渉してなんと

か毎秒5トンの水を放流して今の流れが

保たれています

皆さんご承知のように江戸時代には大

井川は東海道の難所として「箱根八里は馬

でも越すが越すに越されぬ大井川」とう

たわれたように深さが通常2尺5寸あっ

たそうです約75ですそして水深4尺

5寸まで増水すると川留めをしていまし

たこの川は幕府の政策上橋を架けるこ

とも船を使うことも禁じていましたので

東海道を往来する旅人は川渡しの人夫の

肩を借りるか神輿にように担いで人夫に

渡してもらっていたということで両岸に

は350人ずつの川人夫を幕府直轄で配

置して川渡しに当たらせていたといいま

すつまりそれほど流量豊かな川であっ

たのが申し上げました通り流量が減少

して現在も下流へ行くと川原が広く水は

細々と流れている状態なのです

リニア新幹線工事が大井川へ及ぼすこ

れ以上の影響について県知事は流量の減

少計算結果は不確実性が高いと懸念して

います

それからリニア新幹線が通過する静岡

市ですが実際市は大井川の水を一部の

地区でしか使っていませんしかし静岡市

長もこの減水については掘削土と同様に

自然保護上成り行きを重視しています

こうした状況の中で静岡支部は南アル

プスの自然を身近にして楽しんできた地

元の山岳団体として又南アルプスの自

然を大切にして次の世代に継承するため

にもこの問題についてなんらかの意思表

示をしなければならないとして登山愛好

者のみなさんにこの実態を訴えてみなさ

んの考えを聞かせていただきたいという

ことを含めて静岡県知事と静岡市長に対

して申し入れをすることになりました

又これまで静岡支部は静岡県内の静岡

県山岳連盟静岡県勤労者山岳連盟および

静岡市山岳連盟など県内の山岳団体と一

緒に行動を起こしたということはありま

せんでしたが今回は静岡支部の大島支部

長がこの問題を提起して各団体へ話をし

た結果これは四山岳団体として行政を通

じてJR東海に申し立てをしなければな

らないということになりました

意見は色々がありましたが静岡支部は

やはり自然保護という切り口から意見さ

せていただこうということで合意を戴き

「リニア中央新幹線南アルプストンネル

工事に関する申し入れ書」(次頁)を作成

し提出しました

ご清聴ありがとうございました

(記録元川里美)

<全国集会報告>

9

静岡県知事 川勝平太殿

平成 26年 9 月 10 日

リニア中央新幹線南アルプストンネル工事に関する申し入れ書

静岡県山岳連盟(代表 滝田博之)

静岡県山岳連盟(代表 松永義夫)

静岡県勤労者山岳連盟(代表 竹本幸造)

公益社団法人 日本山岳会静岡支部

(代表 大島康弘)

リニア中央新幹線南アルプストンネル工事の残土処分と地下水湧に関してJR東海の対策は現段

階においてずさんであると言わざるを得ません

大井川の上流二軒小屋の地下 500m付近を貫通するトンネル掘削の残土は斜坑より二軒小屋付近

に運び上げられて谷筋の中部電力残土置き場に上積み一部は転付峠北方の尾根付近にも投棄され

るとのこと私たち静岡県の岳人は残土をこの美しい渓谷や山に投棄することによって大井川上流

の自然景観が破壊されるのではないかと大きな危惧を抱いております

さらに水の問題が指摘されています地下水脈は私達の理解を超えるほどに複雑で今なお年間

4mm の隆起を続けている南アルプスの破砕帯を貫通するトンネルが地下水脈を思わぬ方向に導く

ことは容易に想像できますまた調査の結果トンネル工事で大井川の水量が毎秒 2 トン減水する

と予測されていますがその場合はポンプで大井川に戻すとのことトンネルの 500m上部を流れる

大井川までポンプで汲み上げるとは恐れ入りますがそのためには 20000kw もの大規模な揚水設備

が必要になりリニア新幹線の膨大な電力消費をさらに押し上げることになります

先の敗戦の後農薬水質汚濁大気汚染などにより多様な生物に溢れていた野山の豊かな生態

系はすでに取り返しのつかないほど破壊されています私たちは豊かさと便利さのために貴重な自然

をこれ以上壊すことに慎重でなければなりません静岡県がリニア新幹線のトンネル工事により

大井川上流域の生態系や自然景観が破壊されるであろうことを深刻に受け止め計画路線の変更も視

野に入れながらJR東海を指導するよう次の2点について知事に要請いたします

1)残土を大井川渓谷に投棄しないこと

2)大井川の水量の低下をさせないこと

時を同じくして本年6月南アルプスはユネスコエコパーク登録承認されました

南アルプスは太古の自然が息づく日本に残された数少ない地域ですこの地域を保全することが

リニア新幹線のトンネル工事に優先することは言うまでもありません私たち静岡県の山岳関係者

は南アルプスの大自然を享受してきた者としてその豊かな生態系を私たちの子孫に手つかずのま

ま継承することが最も大切と信じるからです

上記について知事の見解をお伺いできれば幸甚です

<全国集会報告>(資料)

10

弥山山頂にて

宮島

厳島神社参拝弥山ハイキング

野島

信隆

目的UAAA広島山岳平和祭自然保護全

国集会で広島に来られた方に世界遺産の宮

島厳島神社を参拝して貰い原生林が残り展

望の良い弥山ハイキングを楽しみ自然保護状

況を見て頂く

日時11

月24

日(

月)

8時~15

時30

天候晴れ

場所広島県廿日市市宮島町

弥山(

535m)

参加者13名自然保護委員会

下野渡邉

川口宮城支部

柴崎千葉支部

石岡東京

多摩支部

河野西村石川支部

安田東九

州支部

阿南緑爽会

里見広島支部

野島

寺西井川

コースタイム大混雑での遅れを心配したが

早めに行動した為無事ほぼ計画書通り行動

できた

700広島県スポーツ会館発750宮

島口到着800松大汽船団体乗船

810宮島下船受付で弁当お茶受取り

830JAC隊出発845厳島神社参

拝920多宝塔でストレッチ後多宝塔

コースを登山(絶景ポイント朝日観音等

約20分毎休憩)

1105~1145駒ケ林(

昼食)

1200~

1205仁王門(

軽登山靴倶楽部隊と挨拶)

1225~1240弥山(展望台で360度

の展望記念撮影)

1250~1300弥

山本堂

霊火堂1300~もみじ谷コース

で下山(植物観察しながら)1400~

1420もみじ谷公園東屋で大休憩

1425~1430四之宮神社前でクーリ

ングストレッチ1430~商店街でお土

産購入1458宮島桟橋受付へ帰着

1520~1530松大汽船で宮島口解散

概要宮島の自然保護状況や歴史にも触れて

頂き交流を図りながら紅葉の秋の宮島を堪

能頂く事ができた

UAAA創立20周年記念総会が広島で開

催される事になり国内の山岳団体も一堂に

会する目的でJACの自然保護全国集会が広

島で開催されたこれのフィールドスタディ

と観光を兼ねて世界遺産の宮島厳島神社を

参拝し弥山ハイキングを楽しみながら原生

林の自然保護状況を見て頂く事にした

広島支部では全国から参加される大半が

宮島に行かれる事を想定して引率慣れした

登山講座委員会に要請して講師アシスタン

ト講師12名を準備したが県外参加者が10

名となったので無理に依頼した2名は断り

JAC隊10名は野島をCLに3名軽登山靴

倶楽部24名は兼森支部長をCLに7名で対

応した

当日は宿舎へ広島支部会員の自家用車3

台でお迎えして宮島口へ3連休で紅葉の見

頃なので宮島は大混雑が予想されたがJA

C隊は追加料金を払って朝食を早めて貰い

他隊より30分先行したのでほぼ計画通りス

ムーズに宮島に渡る事が出来終始和気藹々

<全国集会報告>

<全国集会報告>

11

厳島神社境内で鳥居をバックに

と秋の宮島を楽しんで頂く事ができた

宮島口から宮島へ渡った後受付で「山の

おべんとう」とお茶CLは無線機と引率用

の旗を受取って出発出発直後に野島の親友

であるJACの本井伝夫妻と出会いカメラマ

ンを依頼した

鹿が人懐っこく近づく中厳島神社へ厳

島神社で安全祈願後鳥居をバックに記念撮

多宝塔で入念にストレッチ後山道を登る

宮島は世界遺産で木を勝手に切れず道幅は

狭い途中の絶景ポイントで休憩しながらゆ

っくり登り途中で日山協隊に追いつかれ大

渋滞に巻き込まそうになったが彼らが回り

道をしている間に駒ケ林にトップで到着

広島県山岳連盟が広島駅弁と共同開発した

自然に優しく自然環境基金にも貢献している

登山者用「山のおべんとう」を温かい味噌汁

つきで食べコーヒーサービス

仁王門で軽登山靴倶楽部隊などUAAA

の名札をつけた多くの皆さん方と挨拶しなが

ら大日堂干満岩を経由して弥山山頂へ

完成間もない山頂展望台からは360度

の展望が臨め主な山や瀬戸内の島々廿日

市広島市街を紹介して楽しんで頂き記念

撮影

消えずの火の霊火堂弥山本堂を参拝し

もみじ谷コースを植物の詳しい石川支部の

安田さんと宮城支部の柴崎さんに珍しい植物

の説明を受けながら下山

もみじ谷の東屋では無事下山を祝って持

参した缶ビールとお菓子果物等を出し合っ

て休憩後四之宮神社でお礼の参拝をしてク

ールダウン

商店街ではもみじ饅頭などのお土産を購

入して宮島桟橋で帰着の受付を済ませフェ

リーで本土に渡って解散宮島口駅からはJ

Rで広島駅迄移動して新幹線で各地に帰っ

て頂いた

宮島は世界遺産に指定されている為に木

を切ったり石を動かすのにいくつもの団体へ

の申請が必要で原生林が残されている今

回は時間がなくて他の隊は自然観察を省略

して観光とハイキングのみだったがJAC

隊は早く行動した事と参加者の中に植物に

詳しい会員がおられて何カ所かで説明を受

けてフィールドスタディが出来て良かったと

思う

私は自然保護全国集会へは初めての参加

だったが今回広島で開催され受入を担当さ

せて頂いたので沢山の方とお知り合いにな

りJACの人材の豊富さと自然保護委員会

の取り組み状況を再認識しました行き届か

ない点があってご迷惑をかけた事と思います

がご容赦下さい今後ともよろしくお願い

致します

(広島支部

副支部長)

<全国集会報告>

12

自然保護委員会の活動記録

〈十二月度〉

①山岳団体自然環境連絡会

12月

19日(金)

出席者近藤渡邉富澤武藤

bull 各団体の報告

②自然保護委員会

12月

24日(水)

bull 『木の目草の芽』について

「113号」の発行は1月8日に延期

する

「114号」は1月

26日に発行し

1月は二号発行する

bull 講演会について

「平成

26年度に起きた我が国の火山

噴火に学ぶ」というテーマで寺田暁彦

氏(東工大火山流体研究センター専任

講師)の講演会を開催することを決定

(3月

31日)

bull 自然保護全国集会について

自然保護全国集会(広島)における静

岡支部宮城支部などの報告内容を

「木の目草の芽」全国集会報告号に掲

載することを決定した

次回の自然保護全国集会について検

討を行った

〈講演会のご案内〉自然保護委員会主催

『平成

26年度に起きた

我が国の火山噴火に学ぶ』

講師 寺田 暁彦 氏

東京工業大学

火山流体研究センター専任講師

日時 平成

27年3月

31日( 火

)

18時

30分~

20時

30分

会場 日本山岳会ルーム104号室

定員

35名

申込 3月

25日( 水

)

18時までに

左記いずれかの方法でお願いします

① 山

岳会事務所入り口脇の

投函袋に出席票を挿入

② 左

記あてにメール

tsimoictvnejp(下野)

③ 左

記宛てに電話かFAX

04―264―4447(下野)

会場の準備および講演会用資料の準備等

のため必ず期日までに申し込みをお願いいた

します

火山流体研究センター

東京工業大学で火山の観測研究が始まったの

は約

60年前1974年に国家プロジェクト

「火山噴火予知計画」にも参画し全国の火山を

対象に火山研究を進めることになる1976

年の草津白根山水釜火口の噴火を事前に予測す

ることができこれは水蒸気爆発を地球化学的

に予測した世界最初の事例として有名です

購読料をありがとうございます

8月

21日~1月

20日 敬称略

齋藤長作(渋川市)

舩田洋子(福井市)

合計2000円

訂正とお詫び

『木の目草の芽』113号

11ページ「国見利

夫さんを偲ぶ」の文中2段目右から

11行目

織内信孝さんのお名前は「織内信彦」です

訂正してお詫び申し上げます

〈編集後記〉113号に続きまして全国集会報告号

です次号(3月号)からは定期奇数月にお届けする

予定です今年もよろしくお願いいたします(元川)

Page 9: Â E r K Z u H J 8 M - JAC · K S HÎ Q b |: ^ G \?} HÍ Ò º b +¬! 1¤ ² \ 7 c ¾ ¿ ¨ ¶ -4 b 8 S T A HÍ ¥ £ Å b +¬! 1¤ q · >3>. º ú ~ 3É ~ HÍ Q G Ë I « _

9

静岡県知事 川勝平太殿

平成 26年 9 月 10 日

リニア中央新幹線南アルプストンネル工事に関する申し入れ書

静岡県山岳連盟(代表 滝田博之)

静岡県山岳連盟(代表 松永義夫)

静岡県勤労者山岳連盟(代表 竹本幸造)

公益社団法人 日本山岳会静岡支部

(代表 大島康弘)

リニア中央新幹線南アルプストンネル工事の残土処分と地下水湧に関してJR東海の対策は現段

階においてずさんであると言わざるを得ません

大井川の上流二軒小屋の地下 500m付近を貫通するトンネル掘削の残土は斜坑より二軒小屋付近

に運び上げられて谷筋の中部電力残土置き場に上積み一部は転付峠北方の尾根付近にも投棄され

るとのこと私たち静岡県の岳人は残土をこの美しい渓谷や山に投棄することによって大井川上流

の自然景観が破壊されるのではないかと大きな危惧を抱いております

さらに水の問題が指摘されています地下水脈は私達の理解を超えるほどに複雑で今なお年間

4mm の隆起を続けている南アルプスの破砕帯を貫通するトンネルが地下水脈を思わぬ方向に導く

ことは容易に想像できますまた調査の結果トンネル工事で大井川の水量が毎秒 2 トン減水する

と予測されていますがその場合はポンプで大井川に戻すとのことトンネルの 500m上部を流れる

大井川までポンプで汲み上げるとは恐れ入りますがそのためには 20000kw もの大規模な揚水設備

が必要になりリニア新幹線の膨大な電力消費をさらに押し上げることになります

先の敗戦の後農薬水質汚濁大気汚染などにより多様な生物に溢れていた野山の豊かな生態

系はすでに取り返しのつかないほど破壊されています私たちは豊かさと便利さのために貴重な自然

をこれ以上壊すことに慎重でなければなりません静岡県がリニア新幹線のトンネル工事により

大井川上流域の生態系や自然景観が破壊されるであろうことを深刻に受け止め計画路線の変更も視

野に入れながらJR東海を指導するよう次の2点について知事に要請いたします

1)残土を大井川渓谷に投棄しないこと

2)大井川の水量の低下をさせないこと

時を同じくして本年6月南アルプスはユネスコエコパーク登録承認されました

南アルプスは太古の自然が息づく日本に残された数少ない地域ですこの地域を保全することが

リニア新幹線のトンネル工事に優先することは言うまでもありません私たち静岡県の山岳関係者

は南アルプスの大自然を享受してきた者としてその豊かな生態系を私たちの子孫に手つかずのま

ま継承することが最も大切と信じるからです

上記について知事の見解をお伺いできれば幸甚です

<全国集会報告>(資料)

10

弥山山頂にて

宮島

厳島神社参拝弥山ハイキング

野島

信隆

目的UAAA広島山岳平和祭自然保護全

国集会で広島に来られた方に世界遺産の宮

島厳島神社を参拝して貰い原生林が残り展

望の良い弥山ハイキングを楽しみ自然保護状

況を見て頂く

日時11

月24

日(

月)

8時~15

時30

天候晴れ

場所広島県廿日市市宮島町

弥山(

535m)

参加者13名自然保護委員会

下野渡邉

川口宮城支部

柴崎千葉支部

石岡東京

多摩支部

河野西村石川支部

安田東九

州支部

阿南緑爽会

里見広島支部

野島

寺西井川

コースタイム大混雑での遅れを心配したが

早めに行動した為無事ほぼ計画書通り行動

できた

700広島県スポーツ会館発750宮

島口到着800松大汽船団体乗船

810宮島下船受付で弁当お茶受取り

830JAC隊出発845厳島神社参

拝920多宝塔でストレッチ後多宝塔

コースを登山(絶景ポイント朝日観音等

約20分毎休憩)

1105~1145駒ケ林(

昼食)

1200~

1205仁王門(

軽登山靴倶楽部隊と挨拶)

1225~1240弥山(展望台で360度

の展望記念撮影)

1250~1300弥

山本堂

霊火堂1300~もみじ谷コース

で下山(植物観察しながら)1400~

1420もみじ谷公園東屋で大休憩

1425~1430四之宮神社前でクーリ

ングストレッチ1430~商店街でお土

産購入1458宮島桟橋受付へ帰着

1520~1530松大汽船で宮島口解散

概要宮島の自然保護状況や歴史にも触れて

頂き交流を図りながら紅葉の秋の宮島を堪

能頂く事ができた

UAAA創立20周年記念総会が広島で開

催される事になり国内の山岳団体も一堂に

会する目的でJACの自然保護全国集会が広

島で開催されたこれのフィールドスタディ

と観光を兼ねて世界遺産の宮島厳島神社を

参拝し弥山ハイキングを楽しみながら原生

林の自然保護状況を見て頂く事にした

広島支部では全国から参加される大半が

宮島に行かれる事を想定して引率慣れした

登山講座委員会に要請して講師アシスタン

ト講師12名を準備したが県外参加者が10

名となったので無理に依頼した2名は断り

JAC隊10名は野島をCLに3名軽登山靴

倶楽部24名は兼森支部長をCLに7名で対

応した

当日は宿舎へ広島支部会員の自家用車3

台でお迎えして宮島口へ3連休で紅葉の見

頃なので宮島は大混雑が予想されたがJA

C隊は追加料金を払って朝食を早めて貰い

他隊より30分先行したのでほぼ計画通りス

ムーズに宮島に渡る事が出来終始和気藹々

<全国集会報告>

<全国集会報告>

11

厳島神社境内で鳥居をバックに

と秋の宮島を楽しんで頂く事ができた

宮島口から宮島へ渡った後受付で「山の

おべんとう」とお茶CLは無線機と引率用

の旗を受取って出発出発直後に野島の親友

であるJACの本井伝夫妻と出会いカメラマ

ンを依頼した

鹿が人懐っこく近づく中厳島神社へ厳

島神社で安全祈願後鳥居をバックに記念撮

多宝塔で入念にストレッチ後山道を登る

宮島は世界遺産で木を勝手に切れず道幅は

狭い途中の絶景ポイントで休憩しながらゆ

っくり登り途中で日山協隊に追いつかれ大

渋滞に巻き込まそうになったが彼らが回り

道をしている間に駒ケ林にトップで到着

広島県山岳連盟が広島駅弁と共同開発した

自然に優しく自然環境基金にも貢献している

登山者用「山のおべんとう」を温かい味噌汁

つきで食べコーヒーサービス

仁王門で軽登山靴倶楽部隊などUAAA

の名札をつけた多くの皆さん方と挨拶しなが

ら大日堂干満岩を経由して弥山山頂へ

完成間もない山頂展望台からは360度

の展望が臨め主な山や瀬戸内の島々廿日

市広島市街を紹介して楽しんで頂き記念

撮影

消えずの火の霊火堂弥山本堂を参拝し

もみじ谷コースを植物の詳しい石川支部の

安田さんと宮城支部の柴崎さんに珍しい植物

の説明を受けながら下山

もみじ谷の東屋では無事下山を祝って持

参した缶ビールとお菓子果物等を出し合っ

て休憩後四之宮神社でお礼の参拝をしてク

ールダウン

商店街ではもみじ饅頭などのお土産を購

入して宮島桟橋で帰着の受付を済ませフェ

リーで本土に渡って解散宮島口駅からはJ

Rで広島駅迄移動して新幹線で各地に帰っ

て頂いた

宮島は世界遺産に指定されている為に木

を切ったり石を動かすのにいくつもの団体へ

の申請が必要で原生林が残されている今

回は時間がなくて他の隊は自然観察を省略

して観光とハイキングのみだったがJAC

隊は早く行動した事と参加者の中に植物に

詳しい会員がおられて何カ所かで説明を受

けてフィールドスタディが出来て良かったと

思う

私は自然保護全国集会へは初めての参加

だったが今回広島で開催され受入を担当さ

せて頂いたので沢山の方とお知り合いにな

りJACの人材の豊富さと自然保護委員会

の取り組み状況を再認識しました行き届か

ない点があってご迷惑をかけた事と思います

がご容赦下さい今後ともよろしくお願い

致します

(広島支部

副支部長)

<全国集会報告>

12

自然保護委員会の活動記録

〈十二月度〉

①山岳団体自然環境連絡会

12月

19日(金)

出席者近藤渡邉富澤武藤

bull 各団体の報告

②自然保護委員会

12月

24日(水)

bull 『木の目草の芽』について

「113号」の発行は1月8日に延期

する

「114号」は1月

26日に発行し

1月は二号発行する

bull 講演会について

「平成

26年度に起きた我が国の火山

噴火に学ぶ」というテーマで寺田暁彦

氏(東工大火山流体研究センター専任

講師)の講演会を開催することを決定

(3月

31日)

bull 自然保護全国集会について

自然保護全国集会(広島)における静

岡支部宮城支部などの報告内容を

「木の目草の芽」全国集会報告号に掲

載することを決定した

次回の自然保護全国集会について検

討を行った

〈講演会のご案内〉自然保護委員会主催

『平成

26年度に起きた

我が国の火山噴火に学ぶ』

講師 寺田 暁彦 氏

東京工業大学

火山流体研究センター専任講師

日時 平成

27年3月

31日( 火

)

18時

30分~

20時

30分

会場 日本山岳会ルーム104号室

定員

35名

申込 3月

25日( 水

)

18時までに

左記いずれかの方法でお願いします

① 山

岳会事務所入り口脇の

投函袋に出席票を挿入

② 左

記あてにメール

tsimoictvnejp(下野)

③ 左

記宛てに電話かFAX

04―264―4447(下野)

会場の準備および講演会用資料の準備等

のため必ず期日までに申し込みをお願いいた

します

火山流体研究センター

東京工業大学で火山の観測研究が始まったの

は約

60年前1974年に国家プロジェクト

「火山噴火予知計画」にも参画し全国の火山を

対象に火山研究を進めることになる1976

年の草津白根山水釜火口の噴火を事前に予測す

ることができこれは水蒸気爆発を地球化学的

に予測した世界最初の事例として有名です

購読料をありがとうございます

8月

21日~1月

20日 敬称略

齋藤長作(渋川市)

舩田洋子(福井市)

合計2000円

訂正とお詫び

『木の目草の芽』113号

11ページ「国見利

夫さんを偲ぶ」の文中2段目右から

11行目

織内信孝さんのお名前は「織内信彦」です

訂正してお詫び申し上げます

〈編集後記〉113号に続きまして全国集会報告号

です次号(3月号)からは定期奇数月にお届けする

予定です今年もよろしくお願いいたします(元川)

Page 10: Â E r K Z u H J 8 M - JAC · K S HÎ Q b |: ^ G \?} HÍ Ò º b +¬! 1¤ ² \ 7 c ¾ ¿ ¨ ¶ -4 b 8 S T A HÍ ¥ £ Å b +¬! 1¤ q · >3>. º ú ~ 3É ~ HÍ Q G Ë I « _

10

弥山山頂にて

宮島

厳島神社参拝弥山ハイキング

野島

信隆

目的UAAA広島山岳平和祭自然保護全

国集会で広島に来られた方に世界遺産の宮

島厳島神社を参拝して貰い原生林が残り展

望の良い弥山ハイキングを楽しみ自然保護状

況を見て頂く

日時11

月24

日(

月)

8時~15

時30

天候晴れ

場所広島県廿日市市宮島町

弥山(

535m)

参加者13名自然保護委員会

下野渡邉

川口宮城支部

柴崎千葉支部

石岡東京

多摩支部

河野西村石川支部

安田東九

州支部

阿南緑爽会

里見広島支部

野島

寺西井川

コースタイム大混雑での遅れを心配したが

早めに行動した為無事ほぼ計画書通り行動

できた

700広島県スポーツ会館発750宮

島口到着800松大汽船団体乗船

810宮島下船受付で弁当お茶受取り

830JAC隊出発845厳島神社参

拝920多宝塔でストレッチ後多宝塔

コースを登山(絶景ポイント朝日観音等

約20分毎休憩)

1105~1145駒ケ林(

昼食)

1200~

1205仁王門(

軽登山靴倶楽部隊と挨拶)

1225~1240弥山(展望台で360度

の展望記念撮影)

1250~1300弥

山本堂

霊火堂1300~もみじ谷コース

で下山(植物観察しながら)1400~

1420もみじ谷公園東屋で大休憩

1425~1430四之宮神社前でクーリ

ングストレッチ1430~商店街でお土

産購入1458宮島桟橋受付へ帰着

1520~1530松大汽船で宮島口解散

概要宮島の自然保護状況や歴史にも触れて

頂き交流を図りながら紅葉の秋の宮島を堪

能頂く事ができた

UAAA創立20周年記念総会が広島で開

催される事になり国内の山岳団体も一堂に

会する目的でJACの自然保護全国集会が広

島で開催されたこれのフィールドスタディ

と観光を兼ねて世界遺産の宮島厳島神社を

参拝し弥山ハイキングを楽しみながら原生

林の自然保護状況を見て頂く事にした

広島支部では全国から参加される大半が

宮島に行かれる事を想定して引率慣れした

登山講座委員会に要請して講師アシスタン

ト講師12名を準備したが県外参加者が10

名となったので無理に依頼した2名は断り

JAC隊10名は野島をCLに3名軽登山靴

倶楽部24名は兼森支部長をCLに7名で対

応した

当日は宿舎へ広島支部会員の自家用車3

台でお迎えして宮島口へ3連休で紅葉の見

頃なので宮島は大混雑が予想されたがJA

C隊は追加料金を払って朝食を早めて貰い

他隊より30分先行したのでほぼ計画通りス

ムーズに宮島に渡る事が出来終始和気藹々

<全国集会報告>

<全国集会報告>

11

厳島神社境内で鳥居をバックに

と秋の宮島を楽しんで頂く事ができた

宮島口から宮島へ渡った後受付で「山の

おべんとう」とお茶CLは無線機と引率用

の旗を受取って出発出発直後に野島の親友

であるJACの本井伝夫妻と出会いカメラマ

ンを依頼した

鹿が人懐っこく近づく中厳島神社へ厳

島神社で安全祈願後鳥居をバックに記念撮

多宝塔で入念にストレッチ後山道を登る

宮島は世界遺産で木を勝手に切れず道幅は

狭い途中の絶景ポイントで休憩しながらゆ

っくり登り途中で日山協隊に追いつかれ大

渋滞に巻き込まそうになったが彼らが回り

道をしている間に駒ケ林にトップで到着

広島県山岳連盟が広島駅弁と共同開発した

自然に優しく自然環境基金にも貢献している

登山者用「山のおべんとう」を温かい味噌汁

つきで食べコーヒーサービス

仁王門で軽登山靴倶楽部隊などUAAA

の名札をつけた多くの皆さん方と挨拶しなが

ら大日堂干満岩を経由して弥山山頂へ

完成間もない山頂展望台からは360度

の展望が臨め主な山や瀬戸内の島々廿日

市広島市街を紹介して楽しんで頂き記念

撮影

消えずの火の霊火堂弥山本堂を参拝し

もみじ谷コースを植物の詳しい石川支部の

安田さんと宮城支部の柴崎さんに珍しい植物

の説明を受けながら下山

もみじ谷の東屋では無事下山を祝って持

参した缶ビールとお菓子果物等を出し合っ

て休憩後四之宮神社でお礼の参拝をしてク

ールダウン

商店街ではもみじ饅頭などのお土産を購

入して宮島桟橋で帰着の受付を済ませフェ

リーで本土に渡って解散宮島口駅からはJ

Rで広島駅迄移動して新幹線で各地に帰っ

て頂いた

宮島は世界遺産に指定されている為に木

を切ったり石を動かすのにいくつもの団体へ

の申請が必要で原生林が残されている今

回は時間がなくて他の隊は自然観察を省略

して観光とハイキングのみだったがJAC

隊は早く行動した事と参加者の中に植物に

詳しい会員がおられて何カ所かで説明を受

けてフィールドスタディが出来て良かったと

思う

私は自然保護全国集会へは初めての参加

だったが今回広島で開催され受入を担当さ

せて頂いたので沢山の方とお知り合いにな

りJACの人材の豊富さと自然保護委員会

の取り組み状況を再認識しました行き届か

ない点があってご迷惑をかけた事と思います

がご容赦下さい今後ともよろしくお願い

致します

(広島支部

副支部長)

<全国集会報告>

12

自然保護委員会の活動記録

〈十二月度〉

①山岳団体自然環境連絡会

12月

19日(金)

出席者近藤渡邉富澤武藤

bull 各団体の報告

②自然保護委員会

12月

24日(水)

bull 『木の目草の芽』について

「113号」の発行は1月8日に延期

する

「114号」は1月

26日に発行し

1月は二号発行する

bull 講演会について

「平成

26年度に起きた我が国の火山

噴火に学ぶ」というテーマで寺田暁彦

氏(東工大火山流体研究センター専任

講師)の講演会を開催することを決定

(3月

31日)

bull 自然保護全国集会について

自然保護全国集会(広島)における静

岡支部宮城支部などの報告内容を

「木の目草の芽」全国集会報告号に掲

載することを決定した

次回の自然保護全国集会について検

討を行った

〈講演会のご案内〉自然保護委員会主催

『平成

26年度に起きた

我が国の火山噴火に学ぶ』

講師 寺田 暁彦 氏

東京工業大学

火山流体研究センター専任講師

日時 平成

27年3月

31日( 火

)

18時

30分~

20時

30分

会場 日本山岳会ルーム104号室

定員

35名

申込 3月

25日( 水

)

18時までに

左記いずれかの方法でお願いします

① 山

岳会事務所入り口脇の

投函袋に出席票を挿入

② 左

記あてにメール

tsimoictvnejp(下野)

③ 左

記宛てに電話かFAX

04―264―4447(下野)

会場の準備および講演会用資料の準備等

のため必ず期日までに申し込みをお願いいた

します

火山流体研究センター

東京工業大学で火山の観測研究が始まったの

は約

60年前1974年に国家プロジェクト

「火山噴火予知計画」にも参画し全国の火山を

対象に火山研究を進めることになる1976

年の草津白根山水釜火口の噴火を事前に予測す

ることができこれは水蒸気爆発を地球化学的

に予測した世界最初の事例として有名です

購読料をありがとうございます

8月

21日~1月

20日 敬称略

齋藤長作(渋川市)

舩田洋子(福井市)

合計2000円

訂正とお詫び

『木の目草の芽』113号

11ページ「国見利

夫さんを偲ぶ」の文中2段目右から

11行目

織内信孝さんのお名前は「織内信彦」です

訂正してお詫び申し上げます

〈編集後記〉113号に続きまして全国集会報告号

です次号(3月号)からは定期奇数月にお届けする

予定です今年もよろしくお願いいたします(元川)

Page 11: Â E r K Z u H J 8 M - JAC · K S HÎ Q b |: ^ G \?} HÍ Ò º b +¬! 1¤ ² \ 7 c ¾ ¿ ¨ ¶ -4 b 8 S T A HÍ ¥ £ Å b +¬! 1¤ q · >3>. º ú ~ 3É ~ HÍ Q G Ë I « _

11

厳島神社境内で鳥居をバックに

と秋の宮島を楽しんで頂く事ができた

宮島口から宮島へ渡った後受付で「山の

おべんとう」とお茶CLは無線機と引率用

の旗を受取って出発出発直後に野島の親友

であるJACの本井伝夫妻と出会いカメラマ

ンを依頼した

鹿が人懐っこく近づく中厳島神社へ厳

島神社で安全祈願後鳥居をバックに記念撮

多宝塔で入念にストレッチ後山道を登る

宮島は世界遺産で木を勝手に切れず道幅は

狭い途中の絶景ポイントで休憩しながらゆ

っくり登り途中で日山協隊に追いつかれ大

渋滞に巻き込まそうになったが彼らが回り

道をしている間に駒ケ林にトップで到着

広島県山岳連盟が広島駅弁と共同開発した

自然に優しく自然環境基金にも貢献している

登山者用「山のおべんとう」を温かい味噌汁

つきで食べコーヒーサービス

仁王門で軽登山靴倶楽部隊などUAAA

の名札をつけた多くの皆さん方と挨拶しなが

ら大日堂干満岩を経由して弥山山頂へ

完成間もない山頂展望台からは360度

の展望が臨め主な山や瀬戸内の島々廿日

市広島市街を紹介して楽しんで頂き記念

撮影

消えずの火の霊火堂弥山本堂を参拝し

もみじ谷コースを植物の詳しい石川支部の

安田さんと宮城支部の柴崎さんに珍しい植物

の説明を受けながら下山

もみじ谷の東屋では無事下山を祝って持

参した缶ビールとお菓子果物等を出し合っ

て休憩後四之宮神社でお礼の参拝をしてク

ールダウン

商店街ではもみじ饅頭などのお土産を購

入して宮島桟橋で帰着の受付を済ませフェ

リーで本土に渡って解散宮島口駅からはJ

Rで広島駅迄移動して新幹線で各地に帰っ

て頂いた

宮島は世界遺産に指定されている為に木

を切ったり石を動かすのにいくつもの団体へ

の申請が必要で原生林が残されている今

回は時間がなくて他の隊は自然観察を省略

して観光とハイキングのみだったがJAC

隊は早く行動した事と参加者の中に植物に

詳しい会員がおられて何カ所かで説明を受

けてフィールドスタディが出来て良かったと

思う

私は自然保護全国集会へは初めての参加

だったが今回広島で開催され受入を担当さ

せて頂いたので沢山の方とお知り合いにな

りJACの人材の豊富さと自然保護委員会

の取り組み状況を再認識しました行き届か

ない点があってご迷惑をかけた事と思います

がご容赦下さい今後ともよろしくお願い

致します

(広島支部

副支部長)

<全国集会報告>

12

自然保護委員会の活動記録

〈十二月度〉

①山岳団体自然環境連絡会

12月

19日(金)

出席者近藤渡邉富澤武藤

bull 各団体の報告

②自然保護委員会

12月

24日(水)

bull 『木の目草の芽』について

「113号」の発行は1月8日に延期

する

「114号」は1月

26日に発行し

1月は二号発行する

bull 講演会について

「平成

26年度に起きた我が国の火山

噴火に学ぶ」というテーマで寺田暁彦

氏(東工大火山流体研究センター専任

講師)の講演会を開催することを決定

(3月

31日)

bull 自然保護全国集会について

自然保護全国集会(広島)における静

岡支部宮城支部などの報告内容を

「木の目草の芽」全国集会報告号に掲

載することを決定した

次回の自然保護全国集会について検

討を行った

〈講演会のご案内〉自然保護委員会主催

『平成

26年度に起きた

我が国の火山噴火に学ぶ』

講師 寺田 暁彦 氏

東京工業大学

火山流体研究センター専任講師

日時 平成

27年3月

31日( 火

)

18時

30分~

20時

30分

会場 日本山岳会ルーム104号室

定員

35名

申込 3月

25日( 水

)

18時までに

左記いずれかの方法でお願いします

① 山

岳会事務所入り口脇の

投函袋に出席票を挿入

② 左

記あてにメール

tsimoictvnejp(下野)

③ 左

記宛てに電話かFAX

04―264―4447(下野)

会場の準備および講演会用資料の準備等

のため必ず期日までに申し込みをお願いいた

します

火山流体研究センター

東京工業大学で火山の観測研究が始まったの

は約

60年前1974年に国家プロジェクト

「火山噴火予知計画」にも参画し全国の火山を

対象に火山研究を進めることになる1976

年の草津白根山水釜火口の噴火を事前に予測す

ることができこれは水蒸気爆発を地球化学的

に予測した世界最初の事例として有名です

購読料をありがとうございます

8月

21日~1月

20日 敬称略

齋藤長作(渋川市)

舩田洋子(福井市)

合計2000円

訂正とお詫び

『木の目草の芽』113号

11ページ「国見利

夫さんを偲ぶ」の文中2段目右から

11行目

織内信孝さんのお名前は「織内信彦」です

訂正してお詫び申し上げます

〈編集後記〉113号に続きまして全国集会報告号

です次号(3月号)からは定期奇数月にお届けする

予定です今年もよろしくお願いいたします(元川)

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12

自然保護委員会の活動記録

〈十二月度〉

①山岳団体自然環境連絡会

12月

19日(金)

出席者近藤渡邉富澤武藤

bull 各団体の報告

②自然保護委員会

12月

24日(水)

bull 『木の目草の芽』について

「113号」の発行は1月8日に延期

する

「114号」は1月

26日に発行し

1月は二号発行する

bull 講演会について

「平成

26年度に起きた我が国の火山

噴火に学ぶ」というテーマで寺田暁彦

氏(東工大火山流体研究センター専任

講師)の講演会を開催することを決定

(3月

31日)

bull 自然保護全国集会について

自然保護全国集会(広島)における静

岡支部宮城支部などの報告内容を

「木の目草の芽」全国集会報告号に掲

載することを決定した

次回の自然保護全国集会について検

討を行った

〈講演会のご案内〉自然保護委員会主催

『平成

26年度に起きた

我が国の火山噴火に学ぶ』

講師 寺田 暁彦 氏

東京工業大学

火山流体研究センター専任講師

日時 平成

27年3月

31日( 火

)

18時

30分~

20時

30分

会場 日本山岳会ルーム104号室

定員

35名

申込 3月

25日( 水

)

18時までに

左記いずれかの方法でお願いします

① 山

岳会事務所入り口脇の

投函袋に出席票を挿入

② 左

記あてにメール

tsimoictvnejp(下野)

③ 左

記宛てに電話かFAX

04―264―4447(下野)

会場の準備および講演会用資料の準備等

のため必ず期日までに申し込みをお願いいた

します

火山流体研究センター

東京工業大学で火山の観測研究が始まったの

は約

60年前1974年に国家プロジェクト

「火山噴火予知計画」にも参画し全国の火山を

対象に火山研究を進めることになる1976

年の草津白根山水釜火口の噴火を事前に予測す

ることができこれは水蒸気爆発を地球化学的

に予測した世界最初の事例として有名です

購読料をありがとうございます

8月

21日~1月

20日 敬称略

齋藤長作(渋川市)

舩田洋子(福井市)

合計2000円

訂正とお詫び

『木の目草の芽』113号

11ページ「国見利

夫さんを偲ぶ」の文中2段目右から

11行目

織内信孝さんのお名前は「織内信彦」です

訂正してお詫び申し上げます

〈編集後記〉113号に続きまして全国集会報告号

です次号(3月号)からは定期奇数月にお届けする

予定です今年もよろしくお願いいたします(元川)