menumenu

5
38 OPINiON… ………………………………………………・ 15 額に汗する爽快さを求めて/久 水宏之 TOP:CS… ……………………………………………… !8 原子力の日米協定、 PP条 約が国会審議 21条 」の弾力的運用で料金改定 も自由 化の時代 オール電化にはずみつ くか単相三 線式 200V 00LUMN… ・……・……………………・…………・・ 22 電力 =時 代即応のエネルギー税制を 石油 =OPECは 18ド ル維持 ガス =LNGと 石油税問題 石炭 =エ ネルギー需要予測 と石炭 国際エネルギー情報………………… ………… …・ 24 原発施設の否定 傾斜深まる/岸 本康 記者の目 ……………………… …… …… …………26 電力系通信業者 横の連携 は実現す るか/松 本庸史 CROSSOVER FILE… ……………・………… 28 日米原子力問題の因縁の宇野 新外相 /『 エ レカ』もで た電 中研 の未来 フ ォー ラム /な お険 しい 森林 河り |1整 備基金 集金の道/東 北電が気象衛星「ノア」 データ活用/交 通公社が通販で売 るセ ラ ミックフ ァンヒー ター ■表紙デザイン/大 ■表紙撮影/福 田周平 52 48 44 J干 」昭和 30年 日召禾口 63年 1月 各種計算用 ソフ トウェアの開発 受託計算 よび解析 評価 電気 土木 原子力 環境 学等 雲開発計算センタ 取締役社長 木村友三 〒 100東 京都千代田区丸の内182(第 一鉄鋼 ビル)● 0321309210 エネルギ フォ ラム 19881

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Page 1: MenuMenu

I 特集論文競争的公益事業。革新的ネツトワーク産業への展開

o革新の時代を迎えるネットワーク型産業

●競争的公益事業への展開と課題

撃」れからの電力流通シるアム形成の新視点

新春対談豊かな「国際文化国家」をめざそう

平岩外四/酒井節雄 38

南部鶴彦

一瀬智司

野浜波直

OPINiON… ………………………………………………・15

額に汗する爽快さを求めて/久水宏之

TOP:CS… ………………………………………………!8

原子力の日米協定、PP条約が国会審議

「21条 」の弾力的運用で料金改定も自由

化の時代

オール電化にはずみつ くか単相三線式200V

00LUMN…・……・……………………・…………・・22

電力=時代即応のエネルギー税制を

石油=OPECは 18ド ル維持ヘ

ガス=LNGと 石油税問題

石炭 =エネルギー需要予測と石炭

国際エネルギー情報………………………………・24

原発施設の否定へ傾斜深まる/岸本康

記者の目……………………………………………26

電力系通信業者の`横の連携

″は実現す

るか/松本庸史

CROSSOVER FILE… ……………・………… 28日米原子力問題の因縁の宇野・新外相

/『エレカ』もでた電中研の未来フォー

ラム/なお険 しい`森林・河り|1整備基金

集金の道/東北電が気象衛星「ノア」の

データ活用/交通公社が通販で売るセ

ラミックファンヒーター

■表紙デザイン/大石 学

■表紙撮影/福田周平

52 48 44

倉J干」昭和30年

日召禾口63年 1月号

各種計算用ソフトウェアの開発

受託計算および解析・評価●電気 ●土木 ●原子力 ●環境工学等

雲開発計算センター取締役社長 木村友三

〒 100東 京都千代田区丸の内182(第一鉄鋼 ビル)●0321309210

エネルギーフォーラム 19881 Iδ

Page 2: MenuMenu

魏舅舅置聰柩

額に汗する爽快さを求めて

久水宏 之経済評論家

アメリカの体質が悪化している

のは財政と貿易という双子の赤字

に表現されているが、その元にな

っている発想こそが問題である。

額に汗して得る所得で足りなけれ

ば、借金をしてでも日前の快適な

消費の増加を選んでしまうことが

当然になっている。戦後四〇年の

間、前例のない世界の局成長を牽

引している間に離れなくなった思

いこみと言えるのだろう。しか

し、肉体感覚にとって快適で、楽

な生活のスタイルをなるべく汗を

出さずにやれることを求める、と

いうのはわれわれも無縁というわ

けではない。アメリカ的な発想

に、強い影響を受けていることは

疑いもないからである。

それにしても、最近のわが国の

経済や企業収益の好調さには気を

許せぬところがある。

「汗」と業

績との期間対応がずれているから

である。

例えば、消費が活発なのは良い

が、その要因である円高や、気前

の良い高級消費を促がしている地

価、株価の上昇による資産効果

は、いま汗をかいている中味とは

あまり関係がない。住宅投資の盛

況には、金利の低下、地価の上昇

が関係しているというが、金利の

低下は、これまでの設備投資で供

給力が当面は過剰だということに

よる。六兆円の財政追加支出も似

たようなものである。ならば好況

と読むほかないような成果は上が

っているが、実体としては資産の

食潰しのようなことになってはい

ないか、少なくも十分元気が発揮

されてのこととは言えない。

このような経済はかつて経験し

たことのないものである。汗をか

かずに楽をするのが目的なら

‐―ぞ

れヽ結構だ一‐がずは■き‐‐りいちてそ

れは滅びい0従だろうず心磯一転

して、他人や

‐他国のために汗をか

く爽快ドを求めて‐‐‐、晰槻港■埴t

の年にしたLものである。

エネルギーフォーラム 19881

Page 3: MenuMenu

有識1者からの提言

●\ιも\ξ悔鸞0000ヽお000(デ0ヽおヽお0ヽおもももも 3ヽ\らヽウ\ξもももももおヽヽ3\0億今もヽ8θ 工刺庁―力r―ラム 19881

太陽熱自動車レースが

教えてくれたもの

後藤

 

前衆議院議員

エネルギー政策を考える会代表

豪州縦断三、二〇〇キロを走る

「ソーラーカー一レース」で、米

GM社の

『サン・レーサー』が

断然トップでゴールした。

「ハ

イテクロ本も、ソーラーカーに

関しては完全に後れをとってい

る」と外電は伝えていた。

昨年十

一月、太陽電池で動く

自動車レースはこのトップ車の

平均時速六五キロ、他車を寄せつ

けなかった世界初のソーラー

チャレンジに、私は強い関心を

もった。

わが国の原子力発電の安全性

とその稼働率の品さは、世界的

に注日を集めるまでになってき

た。関係者の努力の結実であろ

う。しかし、このことがソフト

エネルギーをはじめ新しいエネ

ルギーの開発研究への取り組み

を相対的に弱くさせている面が

ありはしないだろうか。

安全への限りない追及と二十

一世紀のエネルギー安全供給

に、ソーラーカー

・レースは多

くのものを教えてくれたように

田やつ。

新しい局面には

新しい戦略を

鈴木

篤之

東京大学教授

代替エネルギー開発や省エネ

ルギー努力の必要性が殊のほか

叫ばれていたこれまでは、■ら

石油価格の安定化がその日標で

あった。石油価格は安定化どこ

ろか低落化の傾向にあり、その

傾向は構造化しつつあるようで

あるから、これまでのエネルギ

ー戦略は

一応の成果を収めたと

みるべきであろう。

これからの課題は安定価格を

長期的にいかに維持して行くか

である。直接的政策目標を失

た代替エネや省エネの開発にか

わる政策手段を探すことは、そ

れ程容易ではなさそうだ。中東

の不安をもたらしている要因の

一つに石油の政治的価値の低下

があるとすれば、その価格の安

定化はこれまで以上に重要であ

り、石油への政策的回帰が必要

ではなかろうか。石炭の環境コ

ストは地球規模で見直されるべ

きである。原子力も単なる資源

経済論では、その開発の上量我は

理解され難くなってきている。

必要なときに必要な量を求め

るというこれからの消費構一造に

対応しつつこれらの諸課題を解

決して行くことが、わが国のエ

ネルギー産業にとっては特に重

要であるという印象を受ける。

アンケートに答えさせて頂く

とすれば、町中にドンと立ちは

だかるコンクリートの電柱と、

国立公回の美しい景色の中にあ

る赤白塗りわけの送電鉄塔がひ

どく気にかかる。ヨーロッパで

は自然の景観や都市の歴史的な

文化財を保護するよう憲法に明

文化している国もあ

って、私権

は勿論、公共の日的に名をかり

ても美観を優先させている。日

本の電気屋さんは美に対する感

覚が薄いようだ。

エネルギーという視点で住ま

いのエネルギー源を考えた場

合、私は電力が

一番使い易いと

思う。安全性、クリーン性、機

器の操作性などトータルエネル

ギーとしての魅力から、わが家

ではむかしから電熱や空調など

電力で賄っていた。いた――と

いうのは四年半程前に、これら

電力契約

(低圧電力上

一一キトッ)

を解約してしま

ったのである。

何故かというと、七三年七月の

電気料金が八四五

。キロッ時も使用

して八、三〇

一円だ

ったのが、

八二年七月にはたった三キロロッ時

しか使わないのに、なんと

一万

三、二五六円もの電気料金を支

美に対する感覚を

Page 4: MenuMenu

■,

ほど“一くなつ・てtiつたか

, 一」一年」」一」一一一一一一̈一一 必ずしも優位に立てるとはいえ

ない。ぜひオール電化にしたい

のだが、残念なことにコスト

パフォーマンスが悪すぎる。

そつヽいつヽことで、電柱の一品さ

と電力料金の高さを含め、わが

国の電力供給は世界のトップ水

準にある。

変革の時代への

適確な対応高

毅夫

新潟大学教授

二十

一世紀に至るあと十三年

間は、世界経済にとって激動の

時期である。それは、アメリカ

経済の凋落と変革、反面、日本

経済のグローバリズム化と影響

力の増大、ソ連経済の変革、中

国経済のアジアヘの影響力増大

があるからだ。世界の石油需給

は次第にタイト化し、第二次石

油危機が起こるかも知れない

が、それをテコに新しい技術革

新が開花する。それは超電導体

の工業化と普及を軸に、産業構

造の変革と省エネ化が急速に進

展し、またエネルギー体系では

核融合の具体化が早まるからで

ある。

さらに、超電導を利用した電

力網の世界的規模でのグローバ

ル化が進み、国際的にエネルギ

ー体系の電力使用比率が高ま

る。こうしたなかで、情報化社

会のネットヮークはすみずみま

で浸透し、それを促進する情報

伝達手段としてスーパーコンピ

ュータや光ファイバーが長足の

進歩を遂げる。こうした変革の

時代に適確な対処をすることが

なによりもエネルギー産業界に

望まれる。

ワイヤレス供給の

エネ

ルギー源を

伏見

康治

一参豊誡咆四圭醸一貝

①電気もガスも、現在のとこ

ろ、 モ不ルギー供給方式は主に

電線とガス管に頼っている。将

来、遠隔地や宇宙、海整底で利

用することや、動くものの中で

使,

ことを考えると、電線やガ

ス管のいらないエネルギー源が

ますます必要となってくる。

ワイヤレスで供給できるエネ

ルギーを開発してください。そ

して、人間を複雑な線から解放

してください。

②公害の原因を作らない、強

力で運搬可能なエネルギー源の

開発を望まれる。それを使

った

電気自動車をぜひ作

って普及さ

せてください。

そのためには、同時に小型で

高性能の蓄電池の開発も不可欠

です。

国民を思いやる

企業努力を尽せ

松本

房子

大阪市地域婦人

団体協議会会長

ガス、石油、電気は、今や毎

日の生活に欠かせないものとな

っておりますが、二十

一世紀に

向かい、熱エネルギー需要の多

様化はさらに進むことと考えら

れます。これは生活を便利にす

る反面、経済的には消費者にと

って大きな負担となるもので

す。社会の高齢化もいよいよ進

む中で、このような負担をも

と軽くすることはできないでし

ょつヽか。

現在では都市ガスの殆どがL

NGになり、今後中期的には原

価が安くなるとのこと、また今

後原油価格も、為替レートがど

のように変化するかにより多少

の変動はあ

っても、当面は比較

的安定的に推移するものと見ら

れます。さらにはどうか経営合

理化努力を織り込み、円高メリ

ット、低金利などによる利益の

大幅な還元をお願い致します。

公益事業として、国民を思いや

った企業努力をしていただきた

いと思います。

次世紀への構想

 

一久

日本原子力産業会議専務理事

)3ヽ3ヽお(メドダ NヽN誓≠ヽ≠〆)● 3ヽヽ3も 3ヽもつも彎均 3ヽ\ξヽウヽウヽ3\ξ今も彎ヽξ\ξ\ξ\ひお

工剌暉…1乃―ラム 19881 84

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r‥‥―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

有識者からの提言

ひひひひひひ55ひ島嶋弩均ひヽひひらヽひひら弩湯鴻 Lヽヽこもらヽヽ3つももも悔ヽξ\おヽひひから

人間は周囲の存在を次々と対

象化することによって、今日の

高度な科学技術文明を築いてき

た。しかしエネルギーというも

のは、おそらくは人間認識の態

様から、完全な対象化が不可能

なものであり、このことは過

去、現在の諸予測が、短期的局

所的な場合を除き、きわめて不

的確

・不確実でありつづけたこ

とにも端的に現れている。ただ

確実なことは、いかなる種類の

エネルギー消費というものも、

結局は多少なりとも宇宙、地球

の衰退に手を貸すことになると

いう厳粛な事実であろう。

ところで、 モ不ルギー産業は

そのようなものを委託された責

任の重い‐、文字通りの公益事業

である。当面ベストミックスや

多角化で企業の効率向上に励む

のはいいとしても、次の百年を

展望するならば、世界の資源と

環境の損耗を補償するような本

格的な手立てとか、日本の場

合、とくに資源国との長期的な

関係

(単なる売手買手なのか)

等について知恵を絞り、できる

ことから行動に移していかねば

ならないのではないか。またそ

れには、すべてのエネルギー産

業が力を合わすための体制づく

りも必要であろう。

エネ

ルギー事業に

期待する

米沢 

民社党政策審議会長

近年、国際エネルギー情勢は

緩和基調で推移している。しか

し、今後とも石油需要の着実な

増大が見込まれるにもかかわら

ず、ペルシャ湾をめぐる情勢な

どエネルギーを取巻く環境は依

然として厳しいものがある。石

油供給の不安定化と石油需給の

逼迫化への懸念は払拭されえて

いない。

従って、 モ不ルギー供給構造

が極めて脆弱なわが国は、安定

供給のための総合エネルギー政

策を引き続き強力に展開しなけ

ればならない。

一方、経済社会の高度化が

層進むとともに、産業構造調整

期を迎え、モ不ルギーの安定的

かつ低廉な供給の確保が従来に

もまして強く要請されていくこ

とからも、新世代の新エネルギ

ー開発は急務の課題である。

二十

一世紀に向け、国民生活

の向上に資するため、電力、都

市ガス、石油等のエネルギー供

給産業は、国際化や技術開発の

促進に強力に取り組むと同時

に、経営効率の徹底を図り、流

動的な国際エネルギー需給動向

に柔軟かつ強靭に対応じ得る経

営基盤を確立されることを強く

期待する。

私が商工政策、とくにエネル

ギー問題に係わりを持

ったの

は、自民党の商工部会長や電源

立地等推進本部事務局長などの

任を通してでした。商工部会長

在任中には大幅な電力料金の値

上げを余儀なくされました。そ

の時、電力料金の安定の難しさ

を痛感しました。

その意味からも、中長期的な

観点に立ち、安定した供給コス

ト低減策を講じていくことがも

っとも大切なことである、と感

じました。

またわが国産業のすべてに言

えることですが、諸外国とどう

つきあうかという問題です。発

展途上国の電力

・ガス供給事業

への積極的な協力などで、世界

に貢献することも大きな意義の

あることと思います。

電力

・ガス等の企業にも最近

経営の多角化が言われておりま

すが、公益性を基とした情報サ

ービス業等には、将来大きな夢

がたくさんあると思います。

夢大きい企業をめざせ

渡部

恒三

自民党国対委員長

エネルギー乃―ラム 1988185