消防防災研究会 東北パワー ver1 

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真のプロ集団へ =理論と実践= 消防防災研究会

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真のプロ集団へ=理論と実践=

消防防災研究会

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1 社会をよむsociety

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火災実態を読む平成26年 VS 平成27年

総出火件数 H26 43,741件H27 39,111件 -10.6 %

火災死者 H26 1,678人 H27 1,563人 -6.9%

負傷者 H26 6,560人 H26 6,309人 -3.8 %

火災が減って若手へ技術を伝承できなく困っている ?

焼損面積に対する死傷者数→ ということは どんなパターンの指令?

データは嘘も思いもない! データから 読め!

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年齢層・・・高齢者、40~50歳代が多数死亡前の状態・・・病人、要介護者、酩酊者家族構成・・・1人暮らしに加えて親子2人が増加

火災による死亡者の内訳

死傷者率が上昇している現実<単に高齢化社会?そんな浅くはない現実>

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東京都新宿区大久保で昨年十

一月、木造の古いアパートが焼け、生活保護を受けていた高齢男性五人が死亡した火災。

遺体は生活保護の葬祭扶助で荼

毘(だび)に付されたが、四人の遺骨は引き取る人がなく、

山梨県上野原市の寺に安置されていることが分かった。

一人は今も身元が確定せず、三人は親類が引き取りを拒んだ。

「知らない」は時に罪になる

あの「たまゆら」運ばれたのは?

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群馬県たまゆら

札幌市 みらいとんでん

長崎県 やすらぎの里

長崎県 ベルハウス東山手 福岡県 安部整形外科

防火管理をないがしろにした彼らは悪か?

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親との同居比率 推移グラフ / 総務省統計

「親子ひきはがし」ご存知か??

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日本は貧しいか?

OECD(経済協力開発機構)日本の相対的貧困率 16% OECD平均 11%

特に66歳以上の相対的貧困率 19%高齢者の5人に1人は貧困

ところが! 総務省の家計調査65歳以上の6世帯に1世帯 資産4000万円以上所有

潤沢な資産を持つ老人も多く 二極化 “老後格差”

日本のひとり親家庭 貧困率 54.6% OECD ワースト1

経済的理由により就学困難援助 小学生・中学生 平成24(2012)年 約155万人

就学援助率は10年間以上 連続上昇 平成24(2012)年度 過去最高15.64%

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日本の生活保護

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住宅扶助費 代理納付制度(H18より公営団地から拡大適用)

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非正規雇用のグラフ

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こどもの貧困 グラフ

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自殺者数のグラフ

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自殺者 30,000人変死/社会死 20,000人行方不明 80,000人合 計 130,000人

交通死亡者 4,117人

火災死者 1,563人

問題なのは リンクしていること

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賃貸住宅/公営団地・アパート・長屋

戸建て住宅/高気密・リフオーム

高齢格差2極分化→団塊世代の後期高齢者化

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いずれにしろ 13年後 2030年は やってくる!

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消防は優遇? 冷遇? 客観的に我々を見る

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その人員変遷に対して災害の実態は ?

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では今後の救急も うなぎ登りなのか ??

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そうした様々な背景から工場/危険物災害が頻発?

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危険物災害増加ポイント(平成6~9年)シンクロ

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そして いまを象徴する課題を

5/30 刈谷市爆発事故生産停止

その影響で国内9社も連鎖して操業停止

1/8 知多市爆発事故生産停止

その影響で9万台減産

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そして 7/6 愛知県内でT社関連工場で三度目の事故

半年で3回の事故 多い? 少ない?

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15歳以上の就業業種 推移データ / 総務省統計

既に製造業離れが進行している現実飲食店など第三次産業よりも不人気

なぜこんな事態に??

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外国人研修制度 → 留学生の利用

2030年の人口減少を見据えると どうなる!?

偽装請負企業の激増 / 派遣のモノ扱い

マニュアルへの固執/伝承技術 → A I へ転換遅延

「産業災害は団塊世代退職&伝承が課題」という無根拠の思い

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外国人就業データ/ 総務省統計

欧米の専門&技術 vs アジアの製造

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平成24年9月29日(土)午後兵庫県姫路市にある日本触媒㈱姫路製造所

アクリル酸製造装置アクリル酸タンク2基とトルエンタンク1基

死傷者37人

姫路市消防局初動出動 29人の約9割25人が死傷

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日本触媒爆発災害を裏側から見る

アクリル酸とは? 紙おむつの主原料(高吸水性樹脂)

日本触媒 アクリル酸市場も世界の 15%(SAP30%)

アクリル酸は重合反応しやすく暴走反応危険2009~10年ドイツなど世界の大手工場が軒並みトラブル唯一 正常操業を維持していたのが 姫路製造所

外国企業から逃げ切る バラコンで増築を繰り返す

45万t → 85万tへ倍増/700人で増員なし

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特に注意! CNC/NC 機械

町工場でも所有 @数千万~数億円 アナログでも1,000万円

水損に最大限の配意!ボヤで全損→倒産

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見られている 現代

高まる権利意識・・・民事訴訟の増加

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1 客観的な事実検証に基づく合理的技術

2暗記ではないイメージ力の蓄積=スキル

災害対応力とは?消防士には何が必要なのか?体力? 精神? 伝統? チームワーク?愛?

説明責任とは司法説明

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客観的に自分を振り返る考えてみる

失敗しない と言い切るプロか?ひたすら 御意!! か?

選ぶのは自由

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2 火災の科学Science of fire ground

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「火災」 を客観的に住民視点で捉えろ平成22年5月28日 さいたま地方裁判所 第5民事部

争点119番通報を受けた消防職員の対応遺族に対して行った説明

原告主張119で「煙がすごい」と明確に伝達通報音声に火災放送、警告音も明確に聞こえており 煙の拡散での危険は予見可聴取事項を最小限にとどめて早期避難を指示すべきであった様の状況にあったと

提訴した理由説明会で消火活動状況の求めに「遺族に説明する義務はない。」質問に回答しようとした職員の足を突き妨げた。

さらに「すぐに駆けつけて,中に突入して助けることはできなかったのでしょうか。」

「安全管理上、隊員の命は大事ですので。」

「安全管理」は造語 過去の死傷判例を正しく理解

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「火災」とは なんだ?

火災は 粋なステージではない理化学現象を効率/効果/安全性で収束

災害現場とは? 絶対マイナスの世界/負の世界罹災者の今後を考えたことありますか?

焚火は箱に入ると燃焼原理は変わり複雑な箱になればあらゆる知識を要する世界になる

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(1)燃焼の原理①なぜ燃える? ②どう広がる?

燃える原理を知らねば消す原理も見えない

日本の消防教科書 日本以外の消防教科書

日本は可燃物(モノ) 国外では燃料(可燃性ガス)この認識差が大きな活動レベルの格差を生んでいる

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まず! 理科的な絶対基本ルールを叩き込む

① 暖かい空気は上昇温度が1℃上昇1.0037倍膨張(ボイル・シャルルの法則)相対比重が軽く上昇

② 煙は可燃性ガス可燃性ガスを含み様々な物質と共に拡散

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(2)煙の成分

① 炭 素通称スス(黒/灰) ほぼ無害木材や紙を燃焼させた時に(白=水蒸気)水素+酸素=水 →熱により水蒸気

② 一酸化炭素無色、無臭 可燃性ガス 不完全燃焼で発生空気と同比重だが 煙と対流/混合毒性/強(モグロビン結合力がO2の約250倍)

少量で致死 (後遺症)

黒い煙が危険!なのでは ナイ!

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③二酸化炭素無色、無臭 不燃性ガス 高温時に対流拡散

④ シアン化水素アクリル/ポリウレタン燃焼で発生猛毒物質 青酸ガス 不燃性ガス184℃で急激に重合急性中毒にて突然意識 消失

⑤ 塩化水素塩化ビニル系燃焼で発生無色透明 刺激臭 塩酸ガス

これに空気がミックスされ燃焼

日本は何故か 火災死 Co中毒ばかりの理由

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可燃性ガス生成

~100℃ 水分蒸発 開始

約150℃ 表面 褐色へ変色

約180℃ 木材成分の熱分解開始

約200℃ 可燃性ガス放出開始/木材表面 炭化開始

約250℃ 熱分解 急速/可燃性ガスが増大 引火

約300℃ 木材内部の炭化開始 可燃性ガス噴出

約450℃ 火源がナシでも自ら発火

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こうした可燃性ガスが密閉されたハコでどう変化するか?

Color ?

Smoke

High?

(3)建物と燃焼の関係

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①火災時、木材表面から火炎

②表面に炭化層を形成< 酸素の供給を阻止 >

③木材内部への熱を遮断< 熱分解を抑制 >

④内部(芯)が燃え尽きるまでは相当の時間

酸化燃焼と炭化燃焼

単に燃焼のみで木造建築物は容易に倒壊しない

では なぜ倒壊は起きる??

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仮に1口(500L/min)を5隊/5口放水 放水時間 20分

1隊 10,000L × 5隊 = 50,000L (水1kg=約1kg)TOTAL 50tの荷重が2階床上に掛かる

消防団などが加わり、10口ならば100t

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燃焼生成ガス 区画内 空気

区画外 空気

高温層

低温層

混合ガス排 出

混合ガス滞 留 500~600℃

燃焼室の気流と温度

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昭和の中心「鉄板張り」

いまだに在来軸組の「木造」が主流

変化したのは 外壁材 そして 天井材

サイディング/全周モルタル

高気密 高断熱

時代経過での建て替え/リフォーム

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客観的な裏付けデータ/総務省情報統計より

住宅/(5)ロ の65%は防火or耐火構造

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戸建住宅の58%は防火/耐火長屋形式では68%が防火/耐火

根拠のない憶測/思いは不要 ! 客観的データで探れ!

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石膏ボード石綿セメント板の一種石綿をセメントで水練り板状に加圧成型壁・天井や外装材

多量の結晶水を含有炎や熱に晒されると蒸気/放出結晶水は約21%

F.Oの発生時期は遅らせる主因(燃えにくいメリット? 活かすのは警防)

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F.Oの危険箇所は?/煙温度は?

F.O 着火源

高温/高濃度(加圧状態)

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「炎上中ではない」 → 安全 ×→ むしろ最大警戒

炎上の有無と居住者の安否は別物火炎がなく自然鎮火でも生命危険は変わらない

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フラッシュオーバーに遭遇する確率の高さ炎上の有無に関わらず 要救の生存率の低さ

指令1分

短時間に判断 / 進入 / 救出する能力

現着4.5分

放水体制 2.0分

無炎燃焼時間α分進入 !

7.5分+α

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Building 建築物 構造

SAHF:4 燃焼挙動の指標

Smoke 煙 高さ/色/濃度/量/圧力Air Track 経路 速度/方向/乱流/音Heat 熱 窓の黒化/割れ/変色Flame 炎 色/量/場所

B-SAHF

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外壁は総モルタル 2階軒下から火炎火元は1F

事 例 5

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ポリ塩化ビニル(PVC)常用耐熱温度 約80℃自消性/火炎に対する抵抗性は高い

軒裏に換気用パンチ穴(高気密住宅の必須設備)

雨樋が溶融していない

同様の火災事例

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3 放 水fire fighting

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警察比例の原則目的達成の障害(災害)と比例する限度で憲法等で保証された国民の権利を制限できる。但し、複数の手段がある場合は、国民にとって最も穏和かつ侵害的でない手段を選択しなければならない

1 適合性 手段が目的達成に適合2 必要性 制約が必要最小限度3 比例性 目的に対して制約の程度が比例的に過大でない

暴力装置・・・組織化され、制度化された暴力の様態

活動 = 破壊消防

最大限の配慮を喪失すると暴力装置となる

過剰注水による水損 !!本当に必要最少の破壊行為 ?

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熱伝導率水は空気の 約20倍

100℃の水蒸気800℃の炭(無炎)

100℃のサウナ

いわゆるヤケドは温度だけでなく湿度によって大きく状況は変化する

動画4

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体積膨張率水が蒸気 に 体積1700倍

容器(ジルコニウム)耐1,3000度炉心溶融 3,000℃突破冷却水と接触・・・

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高温ドライ

放水による高温ウエット

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ガス冷却 Gas Cooling /消火ではない! 冷却 !

室内の上位層高温の可燃性ガスへ ミスト注水ミストの適切量は、発火の可能性を低減活動中の消防士の熱負荷を低減室内温度を低下

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進入! その前に まず装備をcheck !

露出部分のシャットアウト

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濡れない ! スポーツ感覚を捨てる !

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①濡れない ! ②空気の層をキープ !

隊員の命と身体を守る=隊員の家族を守る隊長の最も基本的責任 !

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装備品 例示

テープスリング

ドア破壊セット

温度センサー

改造プライヤー&ドライバーセット

ビデオカメラ

面体は非固定

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くしくも 現着時 室内FOが始まってしまった場合の対応

ガス(煙)は一定温度で有炎化 → 温度を下げる→ 進入隊をサポートする GAS COOL TEAM

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続いて 実際に最先着でFOを叩いてきた実例を

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重要ポイント 出火階 1F or 2F ?

個人尊重時代背景 → 規格商品/パターン化

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最近はさらに欧米風に変化傾向が わかります?

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玄関開放=給気=火炎リーク=GAS COOL 注水

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この実験を TRY!

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4 指揮/小隊の実戦Command &Fire engine Practice

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アタックか? ディフェンスか??

最先着隊&指揮隊の概念共有化

① 煙のみ ② 部分的な燃焼 ③ 全面的な燃焼

A 要救助者情報の有無 B 気象条件 C 周辺立地状況

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最上席の現場責任者 = 指揮隊長責任の大きさ = 権限の大きさ

事前に燃焼原理を各隊員と共通認識化事前に燃焼原理を各隊員と共通認識化

客観情報 / 燃焼過程 家人の在不在

戦術の決定(吸排気指定/必要ノズル数)

指令課 入電数/通報者種別/通報者への遭遇依頼

最先着隊 煙&炎の排出などB-SAHF/施錠/隣接家屋

現着前 数分で 概ねのイメージ&意思決定現着前 数分で 概ねのイメージ&意思決定

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① アタックの判断

○構造 B ○出火階/SAHF ○火災進捗

燃焼状況

要救情報

○時間曜日 ○通報種別/数 ○玄関/外観○逆信要請/近隣

現着前に50% 方針概ね決定

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燃焼状況と要救情報により 着手する活動は異なる

② 排気設定が必要か否かの判断

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最先着 消防隊長としてどう判断?

最先着隊で現着!関係者から 「2階 左側の部屋に子供が!!」の情報

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発動要件1 建物構造2 時間帯3 家族構成4 外観判断/燃焼過程5 その他条件(情報)

phase1

○はしご設定地盤/空間/窓形状etc

○進入前確認火煙/カーテン/用途etc

○破壊範囲/手法

○進入

体勢/手法

訓練も分解して個別訓練を励行。一連の流れ訓練はその後

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phase2

○区画

区画内外の検索

共有部の火煙

○検索用途の特性

残留者の心理

火煙状態からの様態予測

○搬送状況・体型に応じた搬

送手法判断

○監視具体的役割の認識

phase3

○窓のスルー受け渡し方法

監視員との連携

○はしご降下

体型、JCSによる手法

○MAYDAYIF 2F 緊急時脱出手法

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吸排気を無視する危険

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単純ではナイ!! 吸排気理論ナシに運用は不可能

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②ディフェンスの判断延焼の主たる要因を分析&判断

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街区火災は突然発生しない一般的火災が発展した二次的な通常災害

何となくの気分で結論せず 客観的に検証を

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ここ3年間で 街区火災は急増 !

なぜ多発? なぜ消えない?? 知っていた?

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この建物形状は? どう叩きますか?あなたなら どう見立てますか?アタック? ディフェンス??

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マスゴミが食いつく御用学者&自称専門家

①強風の飛び火②マンパワー不足③水源不足

科学的根拠 一切なし!

都合の良いコメント「すべては 自然災害です!」法律と研究すべてを破綻させる連中

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建基法22条は無意味?

市街地指定/延焼ライン構造規制もムダ?流体力学者の大好きな

アスファルトシングル

建築学者 vs 流体力学者/都市構造学者

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消防力の基準(昭和36年消防庁告示第2号) 初回制定

平成12年1月20日消防庁告示第1号 大改正

平成11年3月18日 告示第1号改正にあたっての消防審議会 回答

1 基本的な考え方(1) 「消防力の基準」の見直しにあたって

消防は、住民の生命、身体、財産を災害から守るという最も基本的な行政責任を果たすものであり、必要な一定程度の水準は常に保持されていなければならない。

必要な消防力を国民に分かりやすい形で示すことを念頭において検討した。まず消火活動の水準についてみれば、今日の消防は消防力の基準が創設された昭和36年当時と比べて、施設、装備、人員とも格段に整備され、通常の火災に対応する消防活動はおおむね社会の期待に応える程度に至っていると思われる。

すなわち、建物火災の大半を占める一般住宅火災については、出火した建物はある程度焼失することはやむを得ないとしながらも、相当程度密集度が高い地域であっても、隣接する建物への延焼を防ぎ、同時に、出火建物に取り残され助けを求める人々を救出するための活動が行われている。

このような現在の活動の水準は、今後とも全国的に確保されるべきものであると考える。

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(2) 現行「消防力の基準」の基本的な課題現行の「消防力の基準」は、制定当時、全国各地で大火が頻発していたという

時代背景を受け、国として可及的速やかに市町村の消防力の増強を推進するために制定されたもの

今日、市街地大火と呼べる大規模な火災は、先の阪神・淡路大震災のように大規模地震災害に伴い発生するような特殊な条件下で見られるだけになった

しかしながら、昭和36年の制定以来40年近くが経過し、昭和50年の改正からも20数年が経過した現在、現行基準に、消防を取りまく様々な環境の変化に十分対応しえなくなった点が目立つようになったことも事実である。

現行基準が想定する市街地が、普通木造平屋建ての建物だけで構成されていると想定している点など、時代の変化の中で既にその合理性を失ったと考えられる部分が多い。

(3) 市街地における消防力配置について現行の「消防力の基準」は普通木造建築物が市街地街区を構成すると想定し

ているが、

近年の都市構造を見れば、専用住宅においても防火構造が一般的になるとともに耐火建築物が増加するなど、基準制定時の想定する市街地の姿とは相当に変化してきているのは明らかである。

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火災に対する消防機関の行う消防活動についても、現行基準が想定するものとは大きく異なってきている。

すなわち、現行基準は、出火建物を包囲し周辺建物への延焼を防止することが消防活動の全部であると想定

しかし、近年の消防活動は、なによりも人命の救出という人的損失の防止を最優先とする一方で、火災を包囲するという戦術から、炎上建物への内部進入も含み、燃焼実体に直接注水するという積極的なものへと移行している。また、こうした活動にあたっては、消火水による損害を低減しようとする活動も行われている。

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何故か伝承? 昭和36年制定の基準とは?

防火構造に都市構造が変わっても固執する戦術平成12年大改正を踏襲拒否/不勉強??実は 屋外注水と包囲体系の起源はコレ

木造平屋/防火構造ナシの想定 & 不可思議な係数の公式

口数を揃えるまで!の公式 → 揃うと消える論法? → 消し方は未記載(屋外注水想定)

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8m

長屋形式

RC/S 3F以上

民家

主観を完全排除して 事実を客観的 実験データから読む

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家具

8m

長屋形式

RC/S 3F以上

民家

家具

吊天井

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家具

8m

長屋形式

RC/S 3F以上

民家

家具

吊天井

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建物用途別 防御the type, structure attack

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①住宅

②アパート(2F)

③中高層建物

④工場/倉庫

火事は1000回あれば1000通り現場が減り経験不足の若い隊員が・・・

用途別の発生頻度→各構造特性→各社会情勢/背景アウトカム指標/火災パターンフロー化

用途別の発生頻度→各構造特性→各社会情勢/背景アウトカム指標/火災パターンフロー化

→ ハイブリッド/リフォーム→ 旧来の住宅(W 鉄板)

→ 旧来タイプ(△△荘)→ メゾネット型/パーソナル型

→ オール(5)ロ→ ゲタ履き型/(16)

→ 町工場 and 製造物→ 大型工場 / 面積区画→ 産廃処理施設 or 危険物

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重要ポイント 出火階 1F or 2F ?

上階 延焼ルートの基本&例外パターン

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押入れ

押入れ

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防火区画☆界壁の効果

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出火室側から隣室への界壁(内壁) PBタイコ張

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押入れ

押入れ

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外壁 鉄板の木造で出火室が隅っこ時 要注意 !

外壁 延焼ルート

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ベランダ 経由は??

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出火室の上階

ベランダ内 エアコン室外etc 溶融焼失しかし ガラスは 網入りにてクラックなしで耐える

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片側開放廊下 出火室 奥右はし 深夜 見極めできますか?

新しいアパートでの留意点 !

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出火室 玄関 廊下 天井部煙被害なし 気密性の高い典型的な防火区画

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出火室 防火戸の裏側相当の高温により防火戸&天井、分電盤溶融

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給排気を無視して 単純に見える炎へ屋外放水すると・・・

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多様化するニーズ/形状 外観から内部/構造が理解できますか?

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給排気/エアトラックの基本的考え方

居間K/WC

さぁ ! どう指揮(筒先配備)を?思い出して 1火災の科学 3放水を

玄関

玄関

K/WC 居間

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背 面 前 面

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6 小隊の育成Training for Fire Engine Company

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日本100から始まり減点されてゼロに欧米 ゼロから始まり加点されて100へ

減点主義細かな部分に注意が行く → 細かなミスにこだわる全体を見る視点が育たない他人の間違い探しをするくせがつく 批判論者となる

加点主義客観的な実績と効果だけを評価 → ストイックになる全体を見る視点を持つ大雑把 仕上げに完璧さがない

チャレンジャーは育たない/手堅く、間違いなく、そつ無く、抜け目なく無気力、前例主義、事なかれ主義/低い目標設定の安定志向

出る杭を叩き、互いの足を引っ張り合う集団

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モノを育てる兵学校ヒトを育てる士官学校

方法より創造を 気分より実証を 軍隊式の末路を学習セヨ

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①日本ヤンキー化現象

③モチベーション3.0

②二宮尊徳型 努力原理主義者

現代社会での人材育成キーワード

フラットな関係 → 参画意識 → 自発性

真に厳しい指導者とは??

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目標設定 最先着隊の平均放水量の1/10過程目安 訓練年間800h

身元を引受けたメンバー

隊長代理/司令補 40歳 22年 隊長級初年

機関員/消防士長 28歳 6年 元R 国立理系卒消防ヲタ

隊員&機関代理/消防士 25歳 5年 専学卒直球/自立心隊員/消防士 24歳 5年 高卒 無口 色白 細身隊員/消防士 28歳 3年 国立理系院卒引籠り 無口 運動歴0隊員/消防士 27歳 3年 国立理系院卒横柄 理屈家隊員/消防士 22歳 2年 国立文系卒おしゃべり オレオレ系琉球出身隊員/消防士 20歳 1年 高卒 体力に自信(自称) おしゃべり

誰がやる! ではない 隊として何をやる! か

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8:30 交代点検/オリジナルへ積載変更9:30 通常業務/予防査察 消火栓点検 etc

兼ねて 街区内でのSize-Up

13:30 訓練棟にて実働訓練/土日は実験

18:30 本署全体ブリーフィン / 研究発表19:30 夜間訓練/屋内 or 屋外21:00 事務処理/ヒマな奴は勝手に自主訓練23:00 PCで Size-Upトレ

隊の一日

どれも必ず 脳を徹底的に使わせる

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実働訓練では具体的に何を?

4 新任 中堅の区分なく全員 ノズルトレ !

3 くじ引き隊長 実戦ブラインド !

2 ひとつの想定は1回しかやらない

1 想定訓練はバランス確認訓練 !個人の訓練は勝手にやれ!

5 隊長役、ノズル担当は下剋上テスト !

隊のルール 走らない(早歩き)&大声禁止

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問題/課題がある → 訓練 → 解消→ 確実な現場活動になる → 早期鎮圧/救出

なぜかこだわるホース延長訓練&はしご進入!!

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入り方(ベランダ限定)は散々学ぶ脱出は ほぼやらない現実を認識する

その前にハシゴは 進入するものでなく

脱出がメインのものと認識を改める

まず 逃げる&隠れる訓練/仲間を引っ張る訓練から

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① 身体的な負荷の軽減&安定性② 延長の簡易化歩くだけで延長可能手ひろめ切替え技術不要、時間短縮

③ 資機材の同時搬送④ 機動性坂、雪、狭隘な道路も可

そこで・・・3本式島田式ホースを積載

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1 SMOKE 煙立ち登り高さ / 色 / 濃度 / 場所 / 圧力

2 Air Track 風の経路速度 / 方向 / 乱流の有無 / 脈動 / 口笛の音

3 Heat 熱窓の黒化 / ガラスの状態 / 塗装面の変色

/ 突然の発熱性4 Flame 炎

色 / 量 / 場所 / 高さ

Building 建物 構造(外壁/屋根/天井/収容物)

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B交差点から東を望む/X大通り上

イメージ訓練の重要性/ Size-UP トレーニング

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助けてぇ!

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G交差点から東を望む/G大通り上

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・・・助けてぇ!

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A交差点から東を望む/Bインター通り上

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通常訓練

1 毎日訓練目的と課題の明確化隊全体の把握自分に任された裁量

○個人訓練○隊想定訓練(フォーメーションの検証)

2 署長点検ブラインド想定訓練主に隊長判断を問う

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8 ひとづくりと組織Human resource development

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フォーマルグループとインフォーマルグループ

フォーマルG

ベテランベテラン

中堅中堅

若手若手

隊長隊長

中堅中堅

若手若手

インフォーマルG

隊長がオンオフをリラックスして繋がる

隊長は権威主義に陥ってはいけない

は学説! 実態とし組織的インフォが実態?

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目標/目的の設定と管理

隊 長 隊 員

運営参画が極めて重要 !

隊 長

中 堅

若 手

権威的&支配的 共有的&指導的

自らが隊に貢献している感(達成感/やる気)

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隊長のリーダーシップ

権威主義

民主主義

放任主義

組合せて経営参加要素を取り込む

隊員の自立心とモチベーションを成長させる

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求められる プロイズム とは?災害は 社会的な背景を複雑に関連付け

進化 している

火災など災害対応力を強化するためには社会性 を身につける事が重要!

考えなければ 感じることはできない

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『失敗の本質~日本軍の組織論的研究』

①目的と戦略性個々の作戦は最終目標の過程 目の前の問題に終始

②思考法日本人特有 練磨と改善に固執大きな変化/革新は苦手/柔軟性がない 「零戦」

③型の伝承創造ではなく「方法」に依存する組織文化の中にある型の伝承がイノベーションの目を潰す日露戦争の勝利を固執伝承し成功した時の「行動」を繰り返して追い込まれていく姿は、ビジネスにおける国際競争で劣勢を挽回できない日本企業に重なります。

若い連中は 黙って 見ている