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金属量の大きいGRB母銀河とGRB起源天体シナリオへの示唆
新納 悠 (京大 宇物)2010.8.27
金属量の大きいGRB母銀河とGRB起源天体シナリオへの示唆
新納 悠 (京大 宇物)2010.8.27
もくじ
背景
遠方GRB観測をする上でGRB金属量依存性は重要か?
高金属な環境でのGRB発生の示唆
モデルと結果
低金属星を起源とするGRBモデルと高金属を示唆する母銀河観測の整合性
まとめ
背景1遠方GRB観測をする上で
GRB金属量依存性は重要か?
星生成率とGRB頻度
RGRB(z) = α × SFR(z)
将来計画におけるイベントレート見積
CSFH を仮定 各zでのGRB頻度観測データから遠方の星生成史を知る観測によるRGRB(z) CSFH
long GRB は星生成と関連した現象(大質量星の重力崩壊)と考えられている。
観測的に α ~ 10-5 [M⊙-1]
星生成率とGRB頻度
将来計画におけるイベントレート見積
CSFH を仮定 各zでのGRB頻度観測データから遠方の星生成史を知る観測によるRGRB(z) CSFH
long GRB は星生成と関連した現象(大質量星の重力崩壊)と考えられている。
RGRB(z) = α(z) × SFR(z)比較的近傍(z ≲ 2)では観測的に α ~ 10-5 [M⊙
-1]
Low-Metallicity Preference
恒星進化モデルの予言
恒星風が強く吹くと角運動量を維持できない。Z ≲ 0.2Z⊙ が必要。
GRB母銀河観測からの示唆
分光で金属量がわかる近傍(z < 0.5)
のGRB母銀河は一般の星生成銀河より低金属。
z ≲ 1 のGRB母銀河はcore-collapse SN
母銀河より小さく暗い。
Fruchter+ (2006)
Stanek+ (2006)
GRB-星生成ratioの進化
RGRB(z) = α(z) × SFR(z)
long GRB の金属量依存性によりα は赤方偏移進化
現状の観測から近傍 α(0)
は決定できる。
遠方で、10
010
110
2
0 2 4 6 8 10
(z)/
(0)
redshift
Mitaka model, Zcrit = 1.0ZsunMitaka model, Zcrit = 0.4ZsunMitaka model, Zcrit = 0.2ZsunMitaka model, Zcrit = 0.02ZsunLN06, Zcrit = 1.0ZsunLN06, Zcrit = 0.4ZsunLN06, Zcrit = 0.2ZsunLN06, Zcrit = 0.02ZsunYLN06 w/ LN06
α(z) = α ’× fCSFR, <Zcrit (z)金属量効果、「Zcrit」「宇宙の化学進化史」に依存
金属量以外の効果、IMFや星の初期角運動量など
α(z) = α(0)×fCSFR, <Zcrit (z)fCSFR, <Zcrit (0)
背景2高金属な環境でのGRB発生の示唆
高金属量GRB母銀河
高い金属量を持つ(と考えられる)母銀河で発生したGRBも数例知られている。
GRBが低金属の領域で起きるという理解は間違い(観測バイアス)?
低金属星の重力崩壊とは異なるGRBチャンネルが存在する?
高金属の銀河にも部分的に低金属の領域がある?
Jakobsson+ (2004)
Levesque+ (2010a)
host of GRB 020810z [12+log(O/H)]R23
GRB 020810 0.411 9.0GRB 051022 0.807 8.62GRB 050826 0.296 8.83GRB 080325 2 8.88 (?) or 9.06 (?)
Dark GRB
dark GRB とは、
可視残光が高エネルギー(X線)での残光に比べて暗い
母銀河内の減光 and/or 中性IGM (z > 6)による減光
GRB 全体の20% - 50%を占める
母銀河の同定や赤方偏移の測定が困難
高金属量の母銀河を持つGRBの多く(3/4)がdark
GRB母銀河の低金属量は観測バイアス?
観測バイアスだけでは説明できない観測もある。
dark GRB母銀河の多くは通常のGRB母銀河と同様の青い銀河。
まとめ(仮)
どうなっているのか?
GRBの金属量依存性は、遠方GRB頻度の予想したり将来計画で得られるデータを解釈する上で、とても重要な効果。
最近のGRB母銀河観測によって、従来の理解とは異なる示唆が
得られている。
モデル計算
GRB起源星の金属量は必ずしも母銀河の金属量と一致しない。
銀河の中の星やガスは化学的に一様ではない。
Question: 従来示唆されてきた低金属星を起源とす
るGRBシナリオは最近発見されている高金属母銀河の
存在と矛盾する?しない?
高金属な銀河の、低金属な部分でのGRB頻度(全体の
GRB頻度に占める割合)を求めたい。
銀河モデル
SDSS や2MASS で得られた近傍銀河に関する経験則を仮定(Stanek+ 2006 と同じ)
mass functionM*-Z relationM*-SFR relation各経験則の分散はlog-normal型
各銀河内の星生成の金属量はlog-normal分布
中間値は M*-Z relation に従う
分散 σ はモデルパラメータ
Stanek+ (2006)
銀河内での金属量分散Trundle &
Lennon (2005)
Rolleston+ (1999)
Metallicity of GRB hosts
preliminary
Zcrit = 0.2Z⊙
σ = 0.3 - 0.5 dex でGRB母銀河の約半数が> Zcrit
σ > 0.5 dex なら10%の母銀河が、> Z⊙
Swift GRBのうちz < 0.5 は15程度、~Z⊙の母銀河が知られているのは1つ。 Zcrit Z⊙
まとめ
どうなっているのか?
GRBの金属量依存性は、遠方GRB頻度の予想したり将来計画で得られるデータを解釈する上で、とても重要な効果。
最近のGRB母銀河観測によって、従来の理解とは異なる示唆が
得られている。
まとめ
従来の理解で定性的には問題ない(最新の観測とも無矛盾)
GRBの金属量依存性は、遠方GRB頻度の予想したり将来計画で得られるデータを解釈する上で、とても重要な効果。
最近のGRB母銀河観測によって、従来の理解とは異なる示唆が
得られている。
将来計画への見積もり・データ解釈の際には、金属量効果をお忘れなく
まとめ
従来の理解で定性的には問題ない(最新の観測とも無矛盾)
GRBの金属量依存性は、遠方GRB頻度の予想したり将来計画で得られるデータを解釈する上で、とても重要な効果。
最近のGRB母銀河観測によって、従来の理解とは異なる示唆が
得られている。
将来計画への見積もり・データ解釈の際には、金属量効果をお忘れなく
ただし、
Zcritの定量的制限は不十分
観測バイアスだけで全ての観測は説明できないが、観測バイアスが無いと決まった訳ではない。
高赤方編移に行くためには、低赤方編移を知らなければならない。
BACKUP
赤方偏移のわかっているGRBの赤方偏移分布はCSFH
に比べてhigh-z に寄っている。Butler+ (2010)
Survey for “Dark” GRB Host GalaxiesPerley+ (2009) searched host galaxies of 14 optically dark GRBs
g- & R-band (for most of the GRBs)limiting AB magnitude ~ 25
error circlecyan: XRTgreen: opticalred: NIR
Survey for “Dark” GRB Host GalaxiesHost (candidate) galaxies are found for 11 GRBs.
Significant reddening effect is not seen.
Optically dark GRBs typically have AV ≳ 1.0 on their line of sight. Locally distributed absorber (e.g. molecular cloud) may be important.
No GRB in the sample is likely to be at z > 7.
Lyman-break is not seen.
Dust distributionGRB position
T. Hashimoto’s slide
10-2
10-1
0 1 2 3 4 5 6 7 8
SFR
[Msu
n yr
-1 M
pc-3
]
redshift
Mitaka modelBromm and Loeb 2002C09 (total)HB06
10-6
10-5
10-4
10-3
10-2
10-1
5 10 20
SFR
[Msu
n yr
-1 M
pc-3
]
redshift
Mitaka modelBL02C09 (total)HB06
10−5
10−4
10−3
10−2
10−1
100
0 5 10 15 20
Star
For
mat
ion
Rat
e D
ensi
ty [M
sun/
yr/M
pc3 ]
Redshift z
Mitaka modelZ<0.0001
0.0001<=Z<0.00040.0004<Z<0.0040.004<=Z<0.008
0.008<=Z<0.02(=Zsun)0.02<=Z<0.005
0.05<=ZC09 : PopIIIC09 : PopIIC09 : Total
Butler+ (2010)