1. · らませて書く 推 すい 敲 こう して読みやすい文章に仕上げる...
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1. 編修の趣旨及び留意点
2. 編修の基本方針
編 修 趣 意 書(教育基本法との対照表)
受理番号 学 校 教 科 種 目 学 年
2 6 ― 3 1 中 学 校 国 語 科 国 語 第 1 学年発行者の番号・略称 教科書の記号・番号 教 科 書 名
2 東 書 国 語 7 2 7 新 編 新 し い 国 語 1
別紙様式 8
一生ものの「言葉の力」を育てたい。思考を巡らし,想像を広げ,他者とコミュニケーションをとりながら,日々をいきいきと暮らし,主体的に社会に参加していくための言葉の力。 心に響く「珠玉の日本語」をだいじにしたい。古代より現代に至るまで,豊かな言語文化の伝統の中で磨かれながら,人々の知恵と思いを伝える役目を果たしてきた珠玉の日本語。 言葉の力を育み,珠玉の日本語を受け継いでゆく。そんな願いを込めて,私たちはこの教科書を編みました。
「言葉の力」を,しっかり鍛える。―どんな力を,どうやって身につけるのか。その問いに答える教科書です。
この作品を読むことで,この文章を書くことで,このスピーチをすることで,どんな力を養っていくのか。それぞれの学びのポイントを,「言葉の力」という囲みで明示しています。 力がつくのは,実践と基礎トレーニングの繰り返しから。小説を読んだり,意見文をまとめたりすることが実践なら,国語科の基礎トレーニングとは? その問いに,「学びを支える言葉の力」が答えます。
1.
知性と感性を,もっと豊かに。―日本の言語文化を受け継ぎ,未来を切りひらいてゆく言葉の担い手を育てます。
よりすぐりの古典作品に加えて,鑑賞・紹介の文章や美しい写真資料を豊富に盛り込み,古典の世界へいざないます。格調高く手応えのある近代文学,親しみやすくて心に残る現代文学も,手厚く取り上げました。 また,中学生の発達段階と知的好奇心に応じて,現代の科学の成果や社会・人間の抱える問題についてやさしく説いた文章を掲載しています。構成の明快な文章を通して,論理的な思考の筋道を学べます。
2.
学ぶ心に,火をつける。―生徒を主体的な学びへといざなう仕掛けを随所にちりばめました。
ぱらぱらと教科書をめくり,たまたま開いたページをつい,読みふけってしまう。いつのまにか学びが始まっていて,本を閉じたときには,生徒の言葉の世界が少し豊かになっている。そんな教科書になるよう,学ぶ意欲を引き出す紙面を追求しました。 個性ある6人の生徒たちと案内役のキャラクターとともに,豊かな言葉の学びへの扉を開きます。
3.
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- 2 -
「言葉の力」を,しっかり鍛える。―どんな力を,どうやって身につけるのか。その問いに答える教科書です。
❶ 「話す・聞く」「書く」「読む」それぞれの学習材で身につけたい知識・技能のポイントが,「言葉の力」として明確に示されています。ㅦ「言葉の力」は,習得と活用を繰り返しながら 3年間で系統的に積み上がるように配置されています。ㅦ習得した知識・技能を後の学習で活用することによって,思考力・判断力・表現力を高めることができます。
❷ 「話す・聞く」「書く」「読む」の「言葉の力」を支える学習材「学びを支える言葉の力」(基礎編)が用意されています。3領域に共通して必要となる基礎的な知識・技能を,取り立てて鍛えることができます。ㅦ「学びを支える言葉の力」への導入として,本編に「学びの扉」が設けられています。ㅦ「学びを支える言葉の力」で学んだことは,国語科だけでなく,他教科の学習や実生活にも生きてきます。
1.
知性と感性を,もっと豊かに。―日本の言語文化を受け継ぎ,未来を切りひらいてゆく言葉の担い手を育てます。
教育基本法 第 1章 第2条に掲げられた目標を達成するために,以下の観点で題材を選定・作成しました。
❶ 日本の伝統・文化への理解を深め,親愛の情を持てる題材❷ 情報化・国際化の進む現代社会を担っていく素養を育む題材❸ 論理的・批判的に考え,説得力をもって伝える力を磨く題材❹ 豊かな想像力と,共感する心,他者と協働する精神を養う題材
2.
一年
二年
三年
聞く
会話が弾は
ず
む質問をしよう
●メモを取り、質問する﹇57﹈
問題意識を持って聞こう
●聞き取ったことを吟ぎ
ん
味み
する
評価しながら聞こう
●話をさまざまな観点から評価する
話す
具体例を挙げて伝えよう
「ことわざ」スピーチ
●順序立てて話を組み立てる﹇118﹈
●聞き取りやすく効果的な話し方をす
る﹇119﹈
説得力のある提案をしよう
プレゼンテーション
●説得力のある話を組み立てる
●資料や機器を活用する
場面に応じて話そう
条件スピーチ
●目的や相手、時間を意識する
●場の状じ
ょうきょう
況や相手の様子に応じて話す
話し合う
話し合いで理解を深めよう
グループディスカッション
●体験や考えを出し合う﹇199﹈
●相手の考えを受けて話す﹇200﹈
話し合いで問題を検討しよう
リンクマップによる話し合い
●テーマを決め、メリットとデメリッ
トを出し合う
●テーマについて検討する
話し合いで問題を解決しよう
チャート式討論
●論点を整理する
●お互た
が
いの考えを生かし合う
詩歌創作
小さな発見を詩にしよう
●表現を工く
夫ふう
する﹇31﹈
短歌のリズムで表現しよう
●描え
が
き方を工く
夫ふう
する
俳句を作って句会を開こう
●読み合って評価する
伝達
構成を考えて書こう
「私わ
たし
」の説明文
●材料を集める﹇72﹈
●材料を整理し、文章を構成する
﹇73﹈
調べて考えたことを伝えよう
「食文化」のレポート
●テーマを設定する
●レポートの構成を工く
夫ふう
する
編集して伝えよう
「環か
ん
境きょう
」のミニ雑誌
●内容を膨ふ
く
らませて書く
●推す
い
敲こう
して読みやすい文章に仕上げる
論証・説得
根こん
拠きょ
を明確にして書こう
意見文
●根拠を示す﹇111﹈
●読んで確かめ合う﹇112﹈
反対意見を想定して書こう
意見文
●反論を考える
●分かりやすい構成で意見文をまとめ
る
観察・分ぶ
ん
析せき
して論じよう
批評文
●複数の対象を比ひ
較かく
する
●説得力のある批評文を書く
●批評文を評価する
通信・手紙
案内や報告の文章を書こう
●掲け
い
載さい
する情報を選せ
ん
択たく
する﹇153﹈
依い
頼らい
状やお礼状を書こう
●手紙を推す
い
敲こう
する
情報発信
学校新聞の記事を書こう
●図表を用いて情報を伝える﹇195﹈
タウン誌の記事を推す
い
敲こう
しよう
●より効果的に伝わるように推敲する
感性・創造
作品のよさを表現しよう
歌の鑑か
ん
賞しょう
文
●作品を鑑賞し、考えをまとめる
﹇204﹈
●感じたことや考えたことを表現する
﹇207﹈
いきいきと描え
が
き出そう
短歌から始まる物語
●豊かに描び
ょう
写しゃ
する
●意見交こ
う
換かん
の観点を持つ
今の思いをまとめよう
時を超こ
える手紙
●書きたい内容を考える
●手紙の書きだしと結びを整える
言語感覚
詩の心
︱発見の喜び
●詩を鑑か
ん
賞しょう
する﹇28﹈
短歌を楽しむ
●短歌を鑑か
ん
賞しょう
する
俳句の読み方、味わい方
●俳句を鑑か
ん
賞しょう
する
文学一
飛べ かもめ
さんちき
●表現を手がかりにして考える﹇40﹈
字のない葉は
書がき
卒業ホームラン
●登場人物の言葉や行動の意味に注意
する
形百科事典少女
●作品を批評する
構成・展開
オオカミを見る目
●段落の役割や段落どうしの関係を捉と
ら
える﹇68﹈
鰹かつお
節ぶし
︱世界に誇ほ
こ
る伝統食
●文章の構成を捉と
ら
え、要約する
絶ぜつ
滅めつ
の意味
●説得力を高めるための論の進め方を
捉とら
える
吟ぎん
味み
・判断
スズメは本当に減っているか
●事実と筆者の考えを区別する﹇106﹈
哲てつ
学がく
的思考のすすめ
●論証を吟ぎ
ん
味み
する
黄金の扇せ
ん
風ぷう
機
サハラ砂さ
漠ばく
の茶会
●読み比べて自分の考えをまとめる
文学二
少年の日の思い出
●伏ふ
く
線せん
に着目する﹇169﹈
走れメロス
●人物像に着目する
故郷
●人間関係の変化に着目する
言葉とメディア
ニュースの見方を考えよう
●情報を見み
極きわ
める﹇193﹈
「正しい」言葉は信じられるか
●事実と言葉の関係を意識する
いつものように新聞が届いた
︱メディアと東日本大震し
ん
災さい
●情報をより深く捉と
ら
える
一年
二年
三年
実用的な言葉の力整理する力
分類する[230]
要約する
比ひ かく
較する
説明する力
順序立てて説明する[233]
テーマを立てて説明する
目的や相手に応じて説明する
論理的な言葉の力分ぶん
析せき
する力
事実と考えを区別する[236]
論証の組み立てを捉とら
える
論理的に読む
議論する力
質問する[239]
反論する
合意を形成する
創造的な言葉の力解かい
釈しゃく
する力
文脈を捉とら
え,伏ふく
線せん
に気づく[242]
人物像を捉とら
える
人物どうしの関係に着目する
表現する力
鮮あざ
やかに表現する[245]
想像を誘さそ
うように表現する
素材を生かして表現する
◆
各領域の
言葉の力
◆
学びを支える言葉の力
言葉の力
一覧 ( ﹇ ﹈は載の
っているページ
)
話すこと・聞くこと読むこと 書くこと
巻末「言葉の力 一覧」
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- 3 -
186187
◆ 読む〈 言葉とメディア 〉 ニュースの見方を考えよう
大きな出来事があったとき、あるいは、政治的に賛成・
反対の意見が分かれる問題を考えるとき、テレビの
ニュースでは、街頭インタビューが流れます。例えば、
ある政治問題について、テレビのニュースで、賛成の人
が二人、反対の人が二人、どちらともいえないという人
が一人、インタビューに答えている場面が放送されたと
しましょう。「おお、賛成と反対の人が同じくらいいる
んだなあ。」と思いませんか。
でも、本当にそうかどうかは、分からないのです。街
頭インタビューは、記者やディレクターがカメラマンと
街に出かけて、歩いている人にマイクを向けて質問しま
す。政治的に意見が分かれる問題についてインタビュー
をしてみたら、賛成の人は二人しかいなかったけれど、
反対の人が十人いたとしましょう。ビデオを収録して放
①
送局に戻も
ど
ってきたスタッフは、編集作業をしようとして、
はたと悩な
や
みます。
賛成より反対の人のほうが多かったのだから、それを
そのまま放送すればいい、という考え方もあるでしょう。
でも、それはたまたまインタビューした場所を歩いてい
た人の中に反対が多かっただけかもしれません。全国で
世論調査をすれば、賛成のほうが多いかもしれないので
す。それなのに、一か所でのインタビューで、「反対の
人が多い」という印象を与あ
た
える番組を作ってしまうと、
これは事実と違ち
が
うことになりかねません。
こんなとき、V T Rを編集する人は、賛成と反対の意
見を同じ数だけ紹し
ょう
介かい
しておこう、と考えてしまうもので
す。「両方の意見を紹介しましたよ。」と言えるからです。
ところが、この放送を見た人は、「賛成と反対が同じく
②
③
ニュースの見方を考えよう
�
池いけ
上がみ
彰あ
きら
510
152025
情報への接し方と情報の用い方を身につけよう。
読む〈言葉とメディア〉
らいなんだ。」と思ってしまうかもしれません。これが、
テレビニュースの難しいところなのです。
私わ
たし
は以前、あるテレビ局の記者でした。新聞記者と同
じように、現場で取材して原げ
ん
稿こう
を書く仕事をしていまし
た。大きな出来事が起こると、カメラマンといっしょに
街頭インタビューに飛び出すことも多かったのです。こ
のとき、どこに取材に行くか、ということをまず判断し
なければなりません。
渋し
ぶ
谷や
駅周辺で平日の午後にインタビューをしたことが
あります。ところが、歩いている若い人にマイクを向け
ても、そもそもニュースについて知らなかったり、自分
の意見を持っていなかったりして、全くインタビューに
なりませんでした。
このときは、困ってしまって銀ぎ
ん
座ざ
に移動。夕方の銀座
を歩いている人にマイクを向けると、こちらは会社帰り
のサラリーマンが多く、次々に真面目な答えをしてくれ
ました。あっという間に、大勢のインタビューが採れた
のです。でも、これはこれで困ったものです。だって、
インタビューに出てくるのは、「銀座の街を歩いている
サラリーマン」という限られた人たちばかりだからです。
④
⑤
テレビの世界では、どんなインタビューを採るか、と
いうことを先に決めてから行く場所を決める、というこ
ともしばしばです。つまり、街頭インタビューをどこで
行うか、ということを決める段階で、番組制作者の判断
が行われているのです。
ニュースというのは、「客観的なもの」と考えている
人が多いと思います。確かに、ニュースを取材して放送
する人たちは、客観的なニュースを視し
聴ちょう
者に伝えようと
努力しています。でも、番組を作っているのも人間。ど
こで取材をするか、何をどのようにニュースとして伝え
るかは、制作する人の考え方で決まってくるのです。
ニュースは編集されているのです。
編集の例を、更さ
ら
にいくつか見てみましょう。
5101520
2530
110111
◆ 書く〈 論証・説得 〉 根拠を明確にして書こう
次のような問題を例にして、意見文を書く手順を学ん
でいこう。
問題 「イソップ物語」の中に、「老いたライオンと
キツネ」という話がある。この話に挿さ
し
絵え
を入れるとし
たら、下のA・Bのうち、どちらがよいだろうか。
まずは、問題について検討してみよう。例えば、この
問題の場合には次のようなことを検討してみるとよい。
��
「老いたライオンとキツネ」の話を丁て
い
寧ねい
に読み、内
容を確か
く
認にん
する。
��
A・Bのそれぞれの挿絵に、何がどのように表現さ
れているのかを確かめる。
��
物語における、挿絵の役割を考えてみる。挿絵は何
のためにあるのか。物語にとって、よい挿絵とはど
んな挿絵か。
51015
A・Bそれぞれの長所と短所を書き出してみよう。
書き出した長所と短所を見比べながら、AとBのうち、
どちらがよいと考えるか、自分の立場を決めよう。
自分の立場(主張)が決まったら、どのような根拠を
挙げて意見文を書くかを考えよう。もし、「Aのほうが
よい」という主張を述べるなら、「Aの長所」が根拠と
なりうる。更さ
ら
に、「Bの短所」を根拠にすることもできる。
5
1問題を検討する
2長所・短所を書き出し、根拠を考える
▼
A・Bそれぞれの長所と短所を書き出した例
根拠を示す
言葉の
力
自分の主張を述べるときには、なぜそう考えるのかという根拠
を明確に示すようにする。
根拠は、できるだけ具体的に述べるとよい。また、一つよりも
複数の根拠を示したほうが説得力が増すことが多い。
根拠を考えてから、本当にそれで説得力があるかどうかを更に
検討してみることが大切である。
(ほかに考えられる長所・短所を書き出してみよう。)
A
B
長所
・ライオンが暗い洞窟の中
からキツネを眺な
が
める構図
で、不気味さが伝わる。
・動物たちの一方通行の足
跡がよく分かる。
・話の後半が、キツネ側か
ら見た書き方で、Bの挿
絵の構図と合っている。
短所
・この話で重要な、動物た
ちの足跡がはっきり見え
ない。
・ライオンの姿が弱々しく、
キツネが危険にさらされ
ている感じがしない。
・最後のせりふを言ったキ
ツネの表情が分からない。
老いたライオンとキツネ
ライオンが年を取って、獲え
物もの
を狩か
りに行く力もなくなってし
まった。そこでライオンは洞ど
う
窟くつ
の中に横たわり、病気で苦しん
でいるふりをした。心配した動物たちがお見み
舞ま
いにやってくる
と、ライオンはそれをかたっぱしから捕つ
か
まえて食べてしまった。
賢か
しこ
いキツネはライオンのたくらみに気づき、洞窟の入り口ま
で来ると、「王様、ぐあいはいかがですか?」と外側から声を
掛か
けた。ライオンが、「中に入って話
しておくれ。」と頼た
の
むと、キツネはこ
う答えた。「私わ
たし
も中に入りたいのですが、
入っていく足あ
し
跡あと
はたくさんあるのに、
出ていく足跡が一つもないので、入る
ことができないのです。」
(ここに挿絵を入れる。)
A
B
❶ 日本の伝統・文化への理解を深め,親愛の情を持てる題材
いにしえより届く、言葉の贈り物。
❸ 論理的・批判的に考え, 説得力をもって伝える力を磨く題材
「確かだ。」と言うのは、簡単なことではない。
❷ 情報化・国際化の進む現代社会を担っていく素養を育む題材
見方を変えると、世界が広がる。
142 141
阿倍のみうしが持参した「火鼠の皮衣」を見るかぐや姫
唐も
ろ
こ
し土(中国)の商人に求められるまま、大金をは
たいて「火鼠の皮衣」を買う。しかし、燃えないは
ずの「火鼠の皮衣」は、かぐや姫が火をつけると、
あっという間に燃えてしまう。
伝説の島蓬萊山へ行くふりをして、職人六人に命
じて「蓬萊の玉の枝」を作らせる。それを翁の家に
届け、架か
空くう
の冒ぼ
う
険けん
話をするが、代金を請せ
い
求きゅう
に来た職
人たちによって、うそがばれてしまう。
「蓬萊の玉の枝」を翁に差し出すくらもちの皇子
天て
ん
竺じく
(インド)まで「仏の御石の鉢」を探しに行
く、とうそをつく。三年後、大や
ま
と和の国(奈な
良ら
県)の山
寺にあった鉢を「仏の御石の鉢」として持参するが、
輝きがないことから、偽に
せ
物もの
だと見破られてしまう。
「仏の御石の鉢」を錦にしき
の袋ふくろ
に入れて持参した石作りの皇子(「竹取物語絵巻」より)
二人がこの子を育て始めてから、翁は、節の間に黄こ
金がね
の入っ
た竹をたびたび見つけるようになり、次し
第だい
に暮らしが豊かに
なっていきました。
この女の子は、たった三か月で美しく成長し、「なよ竹のか
ぐや姫ひ
め
」と名付けられました。その美しさは、部屋中、隅す
み
々ずみ
ま
で光り輝か
がや
くほどなのです。翁は気分の優す
ぐ
れないときも、かぐや
姫を見れば心楽しくなるのでした。
かぐや姫の美しさを聞きつけて、多くの男性が結け
っ
婚こん
を申し込こ
んできました。なかでも熱心だったのは、石い
し
作つく
りの皇み
子こ
、くら
もちの皇子、右う
大だい
臣じん
阿あ
倍べ
のみうし、大だ
い
納な
言ごん
大おお
伴とも
のみゆき、中ち
ゅう
納な
言ごん
石いそのかみ上
のまろたりの五人の貴公子たちでした。
かぐや姫は、求婚者の中で、誰だ
れ
がいちばん熱心で誠実なのか
確かめたいと言って、それぞれ、石作りの皇子には「仏の御み
石いし
の鉢は
ち
」を、くらもちの皇子には「蓬ほ
う
萊らい
の玉の枝」を、阿倍のみ
うしには「火ひ
鼠ねずみ
の皮か
わ
衣ぎぬ
」を、大伴のみゆきには「竜た
つ
の首の珠た
ま
」を、
石上のまろたりには「燕
つばくらめの
子こ
安やす
貝がい
」を手に入れて持ってくるよ
うに言いました。
①
②
③
④
⑤
仏の御石の鉢 釈しゃ
迦か
(前 463 年頃〜前 383 年頃)が托たく
鉢はつ
に用いた,宝石製の鉢。 蓬萊の玉の枝 中国の東方海上の伝説の島にある,金銀や宝石でできた枝。 火鼠の皮衣 伝説上の動物の皮で作った,火に焼けない衣服。 竜の首の珠 伝説上の動物の首に付いている,大きな真
しん
珠じゅ
。 燕の子安貝 燕
つばめ
が卵を産むときに出すというが,未み
詳しょう
。
①
②
③
④
⑤
石作りの皇子
くらもちの皇子
阿倍のみうし
5 10 15
174175
◆ 読む〈 読書 2 〉 集まって住む
君はどんな場所に住んでいますか︒どんな家に住んで
いますか︒いろいろな場所で︑いろいろな家に住んでい
ると思うけど︑ぽつんと一軒け
ん
だけで住んでいる人は少な
いのではないだろうか︒近くに必ず何軒かの家があるは
ずです︒アパートやマンションなどの集合住宅に住んで
いる人もたくさんいると思う︒それぞれの家は違ち
が
ってい
ても︑ほとんどの人は集まって住んでいます︒人はなぜ
集まって住むのか︑私わ
たし
はずっと考えてきました︒
左の絵は︑九き
ゅう
龍りゅう城じょう砦さいと
よばれた︑香ホ
ン
港コン
にあった住宅群
①
②
です︒﹁集まって住む﹂ということを考えるとき︑私は
いつもこの風景を思い出します︒﹁人って︑こんなふう
に住むことができるのか︒﹂初めて出会ったとき︑あま
りのすごさに感動しました︒一軒一軒は似ていますが︑
よく見ると︑洗せ
ん
濯たく
物の様子︑植木の様子などが少しずつ
違っています︒それぞれが生き物のように見えませんか︒
それぞれが人のように見えませんか︒人は集まって住む
生き物なのだということを︑九龍城砦は教えてくれます︒
私は東京の下町で育ちました︒九龍城砦ほどではあり
ませんが︑家がぎっしりと集まっている街です︒印刷屋︑
紙の裁断屋︑製本屋︑金属の旋せ
ん
盤ばん
加工︑プレス加工︑畳た
たみ
屋︑建具屋︑おもちゃを制作している家︑人形師の家︑
八百屋︑乾か
ん
物ぶつ
屋︑床と
こ
屋など︑さまざまな家がありました︒
そこではさまざまな大人たちが︑みんな必死に働いてい
ました︒街には何でもありました︒人々は家というより
街に暮らしていました︒生活することと働くことがいっ
しょになっていました︒
子供たちは︑いつも外で遊んでいました︒大きい子も
小さい子も︑男の子も女の子も︑みんないっしょに遊ん
でいました︒そして︑子供たちは︑街にはさまざまな家
があり︑さまざまな仕事があり︑いろんな人たちが︑助
け合いながら一生懸け
ん
命めい
暮らしていることを︑いつの間に
か学んでいました︒街は子供にとっては遊び場でしたが︑
大切な学習の場でもありました︒私がたくさんの人たち
が集まって生活している所が好きなのは︑こんな所で
育ったからだと思います︒
集落という言葉があります︒家が集まってひとかたま
りになっている小さな街のことです︒日本には︑そして
世界には︑さまざまな集落があります︒
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
集まって住む
元もと
倉くら
眞ま
琴こと
5
101551015
読書への招待
香港にあった九龍城砦
127
いろはにほへと
ちりぬるを
わかよたれそ
つねならむ
うゐのおくやま
けふこえて
あさきゆめみし
ゑひもせす
「いろは歌」
伝統文化に触ふ
れる
伊い
曽そ
保ほ
物もの
語がたり
竹たけ
取とり
物もの
語がたり
矛む
盾じゅん
古典の世界
◆文法の窓
名詞﹁
名前﹂はいろいろ
案内や報告の文章を書こう
写真・山本 一
書く〈通信・手紙〉
古典 5
◆花は
な
火び
打ち上げ花火、仕し
掛か
け花火、
玩がん
具ぐ
花火(ねずみ花火や線せ
ん
香こう
花火など)がある。
◆蛍ほ
たる
狩が
り
夏の夜、水辺などで蛍を
追って捕と
らえる遊び。
◆夕ゆ
う
涼すず
み
夏の夕方、屋外や縁え
ん
側がわ
など
に出て涼むこと。
◆風ふ
う
鈴りん
軒のき
下した
につるし、風で鳴る音
を楽しむ、釣つ
り鐘が
ね
型の鈴す
ず
。
﹇旧暦の月の名前﹈
一月
睦む
月つき
二月
如き
さらぎ月
三月
弥や
よ
い生
四月
卯う
月づき
五月
皐さ
月つき
六月
水み
無な
月づき
七月
文ふ
み
月づき
八月
葉は
月づき
九月
長な
が
月つき
十月
神か
ん
無な
月づき
十一月
霜しも
月つき
十二月
師し
走わす
﹇各地の祭り
﹈
五月
神かん
田だ
祭まつり
(東京都)
七月
博はか
多た
祇ぎ
園おん
山やま
笠がさ
(福ふ
く
岡おか
県)
祇ぎ
園おん
祭まつり
(京都府)
「さんちき」(41ペー
ジ)に出てくる。
天てん
神じん
祭まつり
(大お
お
阪さか
府)
日本には豊かな四季があり︑四季を楽しむ暮らしがある︒
季節ごとの行事や遊び︑生活を表す言葉を探してみよう︒
四季を楽しむ言葉
◆端た
ん
午ご
の節せ
っ
句く
五月五日に、子供の成長を
祝う行事。男の子のいる家で
は甲か
っ
冑ちゅう
や武者人形を飾り、屋
外に鯉こ
い
のぼりを立てる。
◆更こ
ろもがえ衣
季節に応じて、衣類や身の
回りの道具を改めること。
夏
◆花は
な
見み
桜の花を観賞しながら飲食
し、楽しむこと。
◆潮し
お
干ひ
狩が
り
潮の引いた浜は
ま
辺べ
で貝などを
採る遊び。春の大お
お
潮しお
のときが
最適。
◆桜さ
くら
餅もち
塩しお
漬づ
けした桜の葉で包んだ
餅もち
菓が
子し
。
◆雛ひ
な
祭まつ
り︵桃も
も
の節せ
っ
句く
︶
三月三日に、雛人形を飾か
ざ
り、
ひし餅も
ち
・白し
ろ
酒ざけ
・桃の花を供え
て、女の子の成長を願う行事。
◆野の
焼や
き
新しい草がよく生えるよう
に、早春に野の枯か
れ草を焼く
こと。
春
野焼き
鯉のぼり
桜餅
花火
ㅦ知的好奇心に訴える題材で,明快な構成の説明文がそろっていて,論理的な考え方や書き方を学べます。ㅦ「書く」では,説得力のある意見文を書くことを,3学年を通して学んでいきます。
ㅦ文化論や科学論が取り上げられていて,物事を多面的に見ることの大切さを学ぶことができます。ㅦメディアリテラシーは全学年で扱われています。情報の受信者・発信者の,双方の姿勢が学べるように工夫されています。
ㅦ美しく豊かな日本語に触れる機会が多く設けられています。ㅦ古典は,写真資料が豊富に掲載されるなど,丁寧に扱われています。また,近代文学や近代詩の名作も,全学年に掲載されています。
左:p.139~「竹取物語」中:巻頭口絵「四季を楽しむ言葉」右:p.127 扉(「いろは歌」)
左下:p.174~「集まって住む」右上:p.186~「ニュースの見方を考えよう」
p.109~「根拠を明確にして書こう」
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- 4 -
❹ 豊かな想像力と,共感する心,他者と協働する精神を養う題材
葛藤と決意。今、大人への扉を開く。
3637
◆ 読む〈 文学一 〉 飛べ かもめ
海沿いに走る鈍ど
ん
行こう
列車の片か
た
隅すみ
の席に、少年はいた。
冬の初めの、どんよりと曇く
も
った昼過ぎ。車内には、ほんの数人の人ひ
と
影かげ
が、うつ
むいているだけ。
少年は黙だ
ま
って、窓にもたれる。目が落ち着かない。誰だ
れ
にも言わずに、家を出て
きたのだ。もう帰らない、帰りたくない、と、自分に念を押お
すように思い続ける。
といって、家出、というほどきっぱりしたつもりでもなかった。課外活動の陸
上競技に熱中しすぎて、成績がいくらか下がってきたのを、今朝、母親にやや強
く言われて、おもしろくない。深くも考えずに、自由になるお金をありったけか
き集めて、行き当たりばったりの列車に乗ったのだ。
こんなときでも、幼い頃こ
ろ
からの癖く
せ
で、海の見える側へ席を取る。しかし、放心
した目は、何も見ていない。ふと、面め
ん
目もく
を失し
っ
しないで帰宅するにはどうしたらよ
かろうと弱気に考え、すぐさままた、何とかなるさ、帰るもんか、と思う。窓ガ
ラスが、少年の息で曇る。
ふと、その窓ガラスに、大きなしみ
のようなものを感じて、少年は目を上
げた。
しみ? いや、かもめだ。かもめが
一羽、全身の力を込こ
めて激しく羽ばた
きながら、列車と同じ方向に、まっす
ぐに飛んでゆく。そうと悟さ
と
りながら、
少年はまたも、それが何かのしみでは
ないか
―紙切れか何かが、外側から
ぴったり窓ガラスに貼は
り付いているの
ではないか、と疑った。そんな錯さ
っ
覚かく
を
起こさせるほど、その鳥と
り
影かげ
は、窓ガラ
スの同じ位置にぴったり貼り付いて
―ということはつまり、走っている
列車と全く同じ速度で、必死に羽ばた
いていたのである。
飛べ かもめ
�
杉すぎ
みき子こ
510
51015
読む〈文学一〉
﹇
目
標
﹈
�
場面の様子や登場人物の思いに注
意して、作品を読み味わう。
�
作品から読み取ったことをもとに
想像を膨ふ
く
らませ、自分のものの見
方を広くする。
◌◌
6
文�
きっぱり
8
類�
ありったけ
10
意�
放心
1
鈍 ドン
にぶい
にぶる
鈍にぶ
い音お
と
2
曇 ドン
くもる
曇どん
天てん
2
影 エイ
かげ
影えい
響きょう
10
頃 ころ
日ひ
頃ごろ
11
貼 チョウ
はる
貼ちょう
付ふ
8
類�
悟る
12
意�
錯覚
200201
◆ 話す・聞く〈 話し合う 〉 話し合いで理解を深めよう
出し合った体験や考えを︑付ふ
箋せん
に書き出そう︒新たに
思いついたことがあれば︑それを追加してもよい︒
全て書き出せたら︑自分たちが選んだ言葉について︑
理解を深めるための話し合いをしよう︒一つ一つの付箋
を台紙に貼は
り︑共通点のあるものをまとめて見出しを付
けたり︑気がついたことを台紙に書き込こ
んだりしながら︑
話し合いを深めていくとよい︒
3話し合いを通して理解を深める
▼ 体験や考えを整理しながら理解を深める
(次のような話し合いをしながら、上のように付箋を整理した。)
5
◎
好きなことをする
相手の気持ちがうれしい
達成感を感じる
◎ 自分で何かができるようになる
したいこと?
やしたいこと
「幸せ」って何だろう?
◎
欲しいものが手に入る
◎
気にかけてくれる人がいる移動する
追加する
A
台紙に付箋を貼りながら︑みんなの考えを分けていこう︒
B
﹁野球をしているとき﹂や﹁好きな本を読んでいるとき﹂
に幸せだと思うのは︑それが﹁好きなこと﹂だからだよね︒﹁お
しゃべりをしているとき﹂も同じかな︒
E
そうだね︒﹁好きなことをする﹂と見出しを付けよう︒
B
Cさん︑﹁寝る前﹂はどうかなあ︒
C
﹁好きなこと﹂じゃないよね︒﹁したいこと﹂なのかな︒
A
じゃあ︑見出しを変えなくちゃ︒﹁好きなことやしたいこ
とをする﹂となるね︒
C
﹁洋服を買ってもらったとき﹂や﹁欲ほ
しいゲームを買った
とき﹂︑﹁プレゼントをもらったとき﹂はどうかな︒
A
﹁欲しいものが手に入る﹂から幸せなんだよね?
D そうだと思う︒雑誌に載の
っていた洋服がずっと欲しくて︑
ついに買ってもらえたからうれしかったんだ︒
B
ええと︑そういう場合も多いと思うけど︑僕はちょっと違
うよ︒自分で買ったんだ︑っていう達成感みたいなものを感
じて幸せに思ったんだ︒
D
頑が
ん
張ば
ってお小こ
遣づか
いをためて買ったからこそ︑幸せを感じ
たっていうこと?
B
そう︒
C
それなら︑﹁二重跳と
びができたとき﹂と似ているかも︒私
も必死で練習したから︑できたときは達成感があったよ︒
…
C
﹁プレゼントをもらったとき﹂について︑もう一度考えて
みようよ︒本当に︑﹁欲しいものが手に入る﹂から幸せなの
かな︒
D
欲しいものじゃなくてもうれしいよね︒相手の気持ちがう
れしいのかな︒
E
あっ︑﹁気にかけてくれる人がいる﹂っていうことが幸せ
なんじゃない? そういえば︑落ち込んでいるときに友達が
励はげ
ましてくれて︙︙︒
…
↓292ページ「発想・整理の方法」
相手の考えを受けて話す
◌
分からないことや知りたいことを質問したり、確か
く
認にん
したりする。
◌
相手の考えを受けて自分の考えや感想を述べる。相手の発言を
一部引用して話すのもよい。
◌
相手の考えに反対したり疑問を述べたりするときには、強い調
子にならないように、和や
わ
らげる言い方を用いる。
◌ほかの人にも発言を促う
なが
し、全員で話し合いを作りあげていく。
言葉の
力
野球をしているとき。
洋服を買ってもらったとき。
テニスの大会で優勝したとき。
好きな本を読んでいるとき。
欲しいゲームを買ったとき。
二重跳びができたとき。
おしゃべりをしているとき。
プレゼントをもらったとき。
寝る前。眠くてたまらないとき。
友達が励ましてくれたとき。
ㅦ文学では,登場人物の思いや意志に触れながら,想像力や共感する心を育んでいくことができます。ㅦ平和への思いを受け継ぐ作品が各学年に掲載されています。ㅦ「話す・聞く」では,協働的な学びができるように,活動の内容や流れが工夫されています。
学ぶ心に,火をつける。―生徒を主体的な学びへといざなう仕掛けを随所にちりばめました。
❶ 国語の学びへの関心を高め,進んで学習に入っていけるような紙面になっています。ㅦ個性ある 6人の生徒たちと案内役のキャラクターが登場し,彼らとともに学んでいくスタイルになっています。ㅦゲーム感覚で学べる「文法の窓」,豊富な語彙が用例とともに示されている「言葉を広げよう」,さまざまな図書が紹介文と写真入りで取り上げられている「読書案内」など,学ぶ意欲を引き出すページが随所に設けられています。ㅦ基礎編・資料編を中心に,家庭学習に使える学習材が多く用意されています。
❷ 生徒自身が学びの見通しを持ったり,これまで学んだことを振り返ったりすることができます。ㅦ巻頭の折り込みで,国語科のねらいや学習の進め方を,生徒自身が確かめることができます。ㅦ巻末の「言葉の力 一覧」で 3学年の学習のつながりをつかむことができます。また,「学びを支える言葉の力」では,学んだことが国語や他教科の学習,実生活にどう生きていくのかを,「つながる・広がる」の欄で知ることができます。
3.
つながる・広がる
学習のつながり
構成を考えて書こう
具
体例を挙げて伝えよう
ニュースの見方を考えよう
話し合いで理解を深めよう
生活への広がり
﹇
﹈71P
書
﹇
﹈115P
話
読﹇
﹈186P
﹇
﹈197P
話
左:p.36~「飛べ かもめ」右:p.197~「話し合いで理解を深めよう」
p.9~「『言葉の力』を探しに行こう」,p.11~「学習の進め方・教科書の使い方」,p.15~「これから 1 年間で学ぶこと」 p.230~「分類する」より
オオカミを見る目オオカミは昔, 「大神」だった ?
読62
構成を考えて書こう 「私わたし
」の説明文
私を見つめ,私を伝える。
書71
分類する次の学習材で学びを生かそう。学70
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- 5 -
3. 対照表
4. 上記の記載事項以外に特に意を用いた点や特色
図書の構成・内容 特に意を用いた点や特色 ( )内は,教育基本法 第 1章 第 2条のうち,特に関連の深いものを示す。 該当箇所
四季を楽しむ言葉季節ごとの伝統的な行事や遊び,生活を表す言葉に触れて,我が国の伝統や言語文化に親しみを持つことができます。(第 5号)
巻頭口絵
言葉を楽しむ コミュニケーションの基本,「話し方」から学びが始まります。(第 3号)詩の鑑賞と創作を通して,豊かな情操を育みます。(第 1号)
18~22ページ 24~31ページ
思いを捉える少年の葛藤と成長を描いた「飛べ かもめ」を通して自律の精神を,職人の弟子の決意を描いた「さんちき」を通して勤労を重んずる心を育みます。(第 2号)相手の話を共感的に聞くことを学び,他者を尊重する態度を養います。(第 3号)
36~40,41~52ページ
55~57ページ
分かりやすく 伝える
オオカミに対する見方の相違や変化を論じた「オオカミを見る目」を通して,価値観の多様性や環境の保全についての認識を深めます。(第 1・4号)自分について伝える文章を書き,読み合うことによって,他者をよりよく理解し,相互に尊重し合う態度を養います。(第 3号)
62~68ページ
71~78ページ
考えをまとめる「スズメは本当に減っているか」を通して科学的なものの見方を,根拠を明示して意見文を書くことを通して論理的な考え方を学びます。(第 1号)ことわざについてのスピーチをして,言語文化への認識を深めます。(第 5号)
98~106,109~113ページ 115~120ページ
伝統文化に 触れる
導入学習材「古典の世界」で古典への関心を高めます。(第 5号)豊富な写真資料と併せて古典を学び,伝統文化に親しみます。(第 5号)案内や報告の文章を書いて,社会と関わっていく態度を養います。(第 3号)
128~133ページ 134~151ページ 152~153ページ
作品を読み解く 少年時代の熱情と悔恨を描いた「少年の日の思い出」を通して,豊かな情操と自律の精神を育みます。(第 1・2号)
156~169ページ
表現を考える
ニュース制作の裏側を明かす「ニュースの見方を考えよう」を読み,ニュースの編集や,インターネットの情報の読み比べに取り組んだり,学校新聞の記事を書いたりして,情報を受信・発信する際の注意点を学びます。(第 1・3号)話し合いの活動を通して,公共的・協働的な態度を養います。(第 3号)歌の鑑賞文を書くことを通して,個性を磨き,創造性を養います。(第 2号)
186~193,194~196ページ
197~202ページ 203~208ページ
読書への招待/ 読書案内
原爆の悲劇を伝える「碑」を読み,生命を尊び平和を願う心を育みます。(第 4・5号)街や住居について歴史的・文化的な視点から論ずる「集まって住む」を読んで,生活や社会の在り方について考えるとともに,郷土を愛する心を育みます。(第3・4・5号)
芥川龍之介の「トロッコ」を読み,近代文学に親しみます。(第 1・5号)一年間を通して多種多様な読書案内が配置され,3学年で 305 冊ものさまざまなジャンル・テーマの本が紹介されています。(第 1~5号)
82~93ページ 174~181ページ
214~222ページ 94~96,223~225ページ ほか
詩一人一人の多様性とその調和をうたう「風の五線譜」,主体的に生きる決意をうたう「名づけられた葉」を学びます。(第2号)
「日本語のしらべ」として,中原中也の「月夜の浜辺」を学びます。(第 5号)
巻頭見返し, 212~213ページ 124~126ページ
広がる言葉 学年に 4か所ある「広がる言葉」で語彙を広げることができます。(第 1号) 53ページ ほか
【 基礎編 】国語科だけでなく,全教科および実生活にも生きる,基礎的な知識・技能(「学びを支える言葉の力」)を取り立てて学び,鍛えていきます。(第 1号)
230~247ページ
【 資料編 】本編の作品と読み比べられる小説・説明文や古典作品,語彙・漢字資料など,多くの資料が掲載され,自主的な学習に役立てることができます。(第 1~5号)
266~328ページ
12
3
456
7
教育基本法に定められた教育の根本精神に基づき,幅広い知識・教養と思考力,豊かな人間性,伝統文化を受け継ぐ心,未来を切りひらく創造性と公共の精神を育む,多彩な学習材や学習活動が調えられています。
全ての生徒の学びが確かなものとなるように,カラーバリアフリーを含めたユニバーサルデザインや,特別支援教育等の観点から,次のような配慮がなされています。ㅦ全ての生徒にとって,紙面上の各部分の区分けや働きが分かりやすく,重要な部分が判別しやすいように,文字の大きさと書体,罫線や囲みの使い方,色遣いなど,デザイン・レイアウトの工夫がなされています。ㅦ小学校で学習していない漢字には,学習材ごとの初出箇所に振り仮名が付けられていて,生徒の抵抗感を和らげています。
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- 6 -
1. 編修上特に意を用いた点や特色
編 修 趣 意 書(学習指導要領との対照表,配当授業時数表)
別紙様式 9
受理番号 学 校 教 科 種 目 学 年
2 6 ― 3 1 中 学 校 国 語 科 国 語 第 1 学年発行者の番号・略称 教科書の記号・番号 教 科 書 名
2 東 書 国 語 7 2 7 新 編 新 し い 国 語 1
読む〈構成・展開〉
オオカミを見る目
段落の役割や段落どうしの関
係を捉える
学びの扉
分類する
書く〈伝達〉
構成を考えて書こう
材料を集める
材料を整理し、文章を構成す
る
分かりやすく伝える
3
読む〈構成・展開〉
鰹節―世界に誇る伝統食
学びの扉
要約する
学びの扉
テーマを立てて説明する
書く〈伝達〉
調べて考えたことを伝えよう
伝え方を工夫する
3
読む〈構成・展開〉
絶滅の意味
学びの扉
論理的に読む
学びの扉
素材を生かして表現する
書く〈伝達〉
編集して伝えよう
文章の展開を考える
3
読む〈吟味・判断〉
スズメは本当に減っているか
事実と筆者の考えを区別する
学びの扉
事実と考えを区別する
書く〈論証・説得〉
根拠を明確にして書こう
根拠を示す
読んで確かめ合う
考えをまとめる
4
読む〈吟味・判断〉
哲学的思考のすすめ
学びの扉
論証の組み立てを捉える
書く〈論証・説得〉
反対意見を想定して書こう
説得力を高める
4
読む〈吟味・判断〉
黄金の扇風機
/
サハラ砂漠の茶会
学びの扉
比較する
書く〈論証・説得〉
観察・分析して論じよう
多面的に検討する
4
読む〈言葉とメディア〉
ニュースの見方を考えよう
情報を見極める
書く〈情報発信〉
学校新聞の記事を書こう
図表を用いて情報を伝える
表現を考える
7
読む〈言葉とメディア〉
「正しい」言葉は信じられるか
書く〈情報発信〉
タウン誌の記事を推敲しよう
効果的に表現する
7
読む〈言葉とメディア〉
いつものように新聞が届いた
―メディアと東日本大震災
思いを馳せる
7
一
年
二
年
三
年
〈分析する力〉事実と考えを区別する
〈解釈する力〉文脈を捉え, 伏線に気づく
〈表現する力〉鮮やかに表現する
〈議論する力〉質問する
〈説明する力〉順序立てて説明する
〈整理する力〉分類する
【 基礎編 】学びを支える言葉の力実用的な言葉の力論理的な言葉の力創造的な言葉の力
「言葉の力」を,しっかり鍛える。―どんな力を,どうやって身につけるのか。その問いに答える教科書です。
ㅦ国語学習で身につけたい知識・技能のポイントが,「言葉の力」として,各学習材に明確に示されています。ㅦそれぞれの「言葉の力」は,各学習材間でつながりを持ちながら,中学校 3年間で系統的に積み上がるように配置されています。習得した知識・技能を後の学習で活用することによって,思考力・判断力・表現力を高めることができます。ㅦ基礎編「学びを支える言葉の力」では,「話す・聞く」「書く」「読む」に共通して必要となる基礎的な「言葉の力」(知識・技能)を,取り立てて鍛えることができます。本編の「学びの扉」が,「学びを支える言葉の力」への入り口となっています。
1.
深まる
積み上がる言葉の力
積み上がる
つながるつながる
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- 7 -
ㅦ各学習材には,学習のねらいや進め方が分かりやすく示され,生徒が主体的に学習に取り組めるように工夫されています。ㅦ「話す・聞く」「書く」の学習材では,生徒の活動の助けとなるよう,具体例が豊富に盛り込まれています。また複数の完成作品例が示されるなど,生徒の多様な思考・表現を支援する配慮がなされています。
目標学習材冒頭および「てびき」に示されている目標と,「てびき」に示されている言語活動を確認し,学習の見通しを持つ。
文章/脚注/読み取る・考えを深める/言葉の力文章を通して読み,脚注の言葉や漢字を確かめる。「てびき」の「読み取る」設問に沿って,内容を読み取る。「てびき」の「考えを深める」設問に沿って,内容や構成・表現について考えを深める。
「言葉の力」で学習のポイントを確認する。
広がる言葉・広がる漢字文章と関連して,使える言葉や漢字を増やす。
目標/学習の流れ(例)学習材冒頭に示されている目標と,「学習の流れ(例)」を確認し,学習の見通しを持つ。
学習の手順・具体例/言葉の力初めに,必要に応じて,基本的な技能の練習をする。学習材の上段で,言語活動の手順を学ぶ。適宜,学習のポイントである「言葉の力」を確認する。活動の過程では,学習材の下段の具体例を参考にする。学習材末尾の完成作品例(適宜複数示されている)も参考にする。
学習を振り返ろう最後に学習を振り返り,目標に照らして自己評価を行う。
話すこと・聞くこと/書くこと 読むこと
知性と感性を,もっと豊かに。―日本の言語文化を受け継ぎ,未来を切りひらいてゆく言葉の担い手を育てます。2.
風の五線譜 高階杞一 [詩]扉の詩七編 [詩]口絵 扉 うち三編 新詩の心―発見の喜び 嶋岡 晨 [詩の鑑賞文]飛べ かもめ 杉 みき子 [小説]新さんちき 吉橋通夫 [小説]月夜の浜辺 中原中也 [詩]少年の日の思い出 ヘルマン・ヘッセ [小説]名づけられた葉 新川和江 [詩]新トロッコ 芥川龍之介 [小説]読書【資料編】そこに僕はいた 辻 仁成 [小説]
新…「読むこと」「古典」の新学習材,書…教科書のために書き下ろした作品
ㅦ現代の作家の新鮮な作品から定評のある作品,近代文学の名作まで,幅広い作品が掲載されています。 ㅦ登場人物の思いや意志に触れながら,想像力や共感する心を育んでいくことができます。 ㅦ各扉に詩歌が配置され,美しい日本語に触れることができます。
ㅦ学習目標に則した書き下ろしの文章が数多くあります。 ㅦ構成の明快な文章を通して,論理的・批判的に考える力を磨くことができます。読み比べや図表の読み取りも扱われています。 ㅦ文化論,科学論,メディアリテラシー
等の,知的好奇心に訴える文章から,多様な考え方を学ぶことができます。
話し方はどうかな 川上裕之 [随筆]オオカミを見る目 高槻成紀 [説明文]書碑 広島テレビ放送/松山善三 [ドキュメンタリー]読書
スズメは本当に減っているか 三上 修 [説明文]新 書集まって住む 元倉眞琴 [説明文]読書 新ニュースの見方を考えよう 池上 彰 [説明文]書【資料編】「常識」は変化する 古田ゆかり [説明文]書
読むこと ●
文学
読むこと ●
説明文
図 2 農業被害面積と水稲田の作付面積の推移 (農林水産省のウェブページより作成)
0
50
100
150
200
250
300
1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 年
0
1990 1995 2000 2005 2010 年度
6万
4万
2万
0
80万
160万
240万
被害面積(ha)
水稲田の作付面積(ha)
被害面積水稲田の作付面積
◆ 読む〈 構成・展開 〉 オオカミを見る目
6869
て
び
き
広がる言葉
広がる漢字
51015 510
1520252025
ⓐ 「オオカミを見る目」には、「賢い」(64・1)や「ずる
賢い」(62・7)のようなよい印象・悪い印象を表す言葉
が用いられている。ほかに、オオカミのよい印象・悪い
印象を表す言葉を、文章中から探そう。
ⓑ 例に倣な
ら
い、1~3の生き物の印象を表す言葉を考えよ
う。
例 クラゲ → 美しい 危険 など
1 猫ね
こ
→�
2 熊く
ま
→�
3 チョウ →�
ⓒ 次の、印象を表す言葉のリストに、一つ付け加えよう。
❶ この文章を、問いが示されている第一のまとまり、答
えが説明されている第二のまとまり、筆者の考えが述べ
られている第三のまとまりに分けてみよう。続いて、第
二のまとまりを、更に二つのまとまりに分けてみよう。
❷ オオカミに対する見方について、昔のヨーロッパと日
本とを比ひ
較かく
して、分かったことを表に整理してみよう。
❸ 日本において、昔と今とでオオ
カミのイメージが変わってしまっ
た理由を要約してみよう。
たすけ
オオカミのイメージを変えた
二つの出来事に着目して、まとめてみ
よう。
次の傍ぼ
う
線せん
部の漢字を読んでみよう。
ⓓ 県名の漢字
1 埼玉県の三峯神社。 [�
]
2 茨城県は私の故郷だ。 [�
]
3 栃木県の温泉に行く。 [�
]
4 岐阜県庁を訪ねる。 [ �
]
ⓔ 哺ほ
乳にゅう
類を表す漢字
1 稲を食べる草食獣。 [�
]
2 鹿の姿が多く見られる。 [�
]
3 猿も木から落ちる。 [�
]
4 海で鯨を見たことがある。 [�
]
↓300ページ「言葉を広げよう」
13
臆 オク
臆おく
する
21
茨(茨) いばら
茨いばら
城き
県けん
22
栃 とち
栃とち
木ぎ
県けん
23
阜 フ
岐ぎ
阜ふ
県けん
24
哺 ホ
哺ほ
乳にゅう
瓶びん
26
鹿 しか
か
鹿か
児ご
島しま
県けん
27
猿 エン
さる
類るい
人じん
猿えん
28
鯨 ゲイ
くじら
捕ほ
鯨げい
臆おく
病びょう
爽さ
わ
やか 凛り
ん
とした はかない 華は
な
やか
頼たの
もしい ずるい むしずが走る 見かけ倒だ
お
し
鮮せん
烈れつ
エレガント (�
)
段落の役割や段落どうしの関係に着目して文章の構成を捉え、内容を読み取る。
筆者の文章の書き方について、自分の考えを持つ。
目標 書き方の工く
夫ふう
されているところを発表しよう
読み取る
考えを深める
段落の役割や段落どうしの
関係を捉える
説明的な文章の内容や構成を捉えるには、次の三つに着目
し、文章全体をいくつかのまとまりに分けてみるとよい。
各段落の内容……キーワードを見つける。
文章全体における段落の役割……段落の役割には、例えば、
次のようなものがある。
導入、問題提起・話題提示、説明、補足、まとめ
など
前後の段落との関係(段落どうしの関係)……接続表現(つ
なぐ言葉)や指示語(指し示す言葉)を手がかりにする。
言葉の
力
❹ 読み手に分かりやすく伝えるために文章の書き方が工
夫されているところを見つけ、発表し合おう。
たすけ
文章の構成や説明の仕方、言葉の使い方に注目しよう。
7677
◆ 書く〈 伝達 〉 構成を考えて書こう
▼
完成作品例・B
▼
完成作品例・A
構成を考えたら︑文章の下書きをしよう︒その際︑内
容のまとまりごとに段落を分けて書くようにする︒
下書きができたら︑読み返してみて︑言葉遣づ
か
いの間違
いや︑もっと分かりやすくなりそうなところを見つけた
ら︑直していこう︒グループ内でお互いの下書きを読ん
で助言し合うのもよい︒
見直しを終えたら︑丁て
い
寧ねい
に清書しよう︒
完成したら︑クラス内で読み合って︑感想を交こ
う
換かん
しよ
う︒そして︑お互いのことをよりよく知るためのきっか
けにしよう︒全員の説明文を文集にまとめてもよい︒
3下書きする
4下書きを読み返して清書する
5完成した説明文を読み合う
学習を振り返ろう
◌
ふだんの生活や自分について振り返り、書くための材料を集
め、伝える内容を考えたか。
▢
連想を広げながら︑書くための材料を多く挙げたか︒
▢
集めた材料をもとに︑自分について知ってもらうためにふさ
わしい内容を考えたか︒
◌
材料を分類するなどして整理し、段落の役割を考えて、伝え
たい内容にふさわしい文章構成で書いたか。
▢
材料を絞り込むために︑分類して見出しを付けるなどして整
理したか︒
▢
どんな構成の文章にしたら分かりやすくなるかを考え︑内容
のまとまりごとに段落を分けて書いたか︒
僕の好きなことの変化
中学校に入って二か月︒生活が変わるとともに︑好きな
ことも少しずつ変わっている︒では︑どんなふうに変わっ
たのだろうか︒今の僕が好きなことを三つ紹介したい︒
まず︑バレーボールをすること︒小学校までサッカーク
ラブに入っていたが︑新しいことに挑戦したかったのでバ
レーボール部に入った︒水曜と金曜の朝練習は走り込みが
多くてきついこともあるが︑放課後に仲間とパスをしたり︑
先せん
輩ぱい
にサーブを教えてもらったりするのがとても楽しい︒
次に︑自転車に乗ること︒祖父に買ってもらった自転車
は︑今までのよりも大きくて変速ギアが付いている︒坂道
もわりと楽に登れるのがいい︒連休中に境川のサイクリン
グコースを走り︑気分がよかった︒この自転車のおかげで︑
最近は母に買い物を頼た
の
まれても喜んで行くようになった︒
最後に︑本を読むこと︒中学校では図書委員になって︑
本をたくさん借りている︒最近は市の図書館よりも山田中
の図書館を利用している︒今読んでいるのは︑宮沢賢治の
﹁銀河鉄道の夜﹂︒おすすめの一冊になりそうだ︒
このように︑好きなことは小学校時代から徐じ
ょ
々じょ
に変化し
てきている︒今後︑趣味の範は
ん
囲い
をもっと広げていきたい︒
パティシエになった未来の私
将来は自分の店を持つパティシエになりたい︒これから
私の未来を予想してみる︒
五年後︑十八歳の私は高校生活を楽しんでいる︒そして
お菓子の専門学校を目指して勉強している︒世界中どこに
行ってもいいように英語には力を入れ︑店を持つことを考
えて苦手な数学にも頑張って取り組む︒
十年後︑二十三歳になったら世界のいろいろな国に行っ
てお菓子のことを調べたい︒飴あ
め
細工などの技術をたくさん
知って︑自分のお菓子作りに役立てる︒できたらフランス
に留学したいので︑フランス語も学ぶ必要がある︒
十五年後︑二十八歳の私はケーキ店で働いている︒オリ
ジナルのケーキを開発したり︑店長にお店の経営の仕方を
教わったりしている︒
二十年後の私は︑念願の自分の店を持つ︒特別な日のケー
キだけでなく︑ふだんのおやつで食べられそうなお菓子も
売る﹁街のケーキ屋さん﹂を目指したい︒お年寄りからも
小さな子からも親しまれる︑かわいらしい店作りをしたい︒
大きな夢だが︑勉強や部活動など今できることはしっか
りやる︒来年の職場体験で︑洋菓子店に行けたらうれしい︒
項目を立てて説明している。
時間の経過に沿って説明している。
510
152025
↓294ページ「原げ
ん
稿こう
用紙の使い方・推す
い
敲こう
の観点」
「さんちき」より
p.71~「構成を考えて書こう」 p.62~「オオカミを見る目」
「スズメは本当に減っているか」より
![Page 8: 1. · らませて書く 推 すい 敲 こう して読みやすい文章に仕上げる 論証・説得 根 こん 拠 きょ を明確にして書こう ﹈ 意見文 根拠 示す](https://reader035.vdocuments.net/reader035/viewer/2022071004/5fc0b965d75ef31816407e18/html5/thumbnails/8.jpg)
- 8 -
四季を楽しむ言葉 口絵 新いろは歌 口絵 扉 新古典の世界 新伊曽保物語 犬と肉のこと/鳩と蟻のこと竹取物語 冒頭/昇天(別れの場面)矛盾【資料編】古事記/土佐日記/伊勢物語/源氏物語 新/
方丈記 新/浦島太郎(御伽草子)新/ 芭蕉・蕪村・一茶の句
ㅦ「四季を楽しむ言葉」では,暮らしの中で受け継がれてきた季節感豊かな言葉に触れることができます。 ㅦ古典の学習材では,鑑賞・紹介の文章や美しい写真資料が豊富に掲載されていて,伝統的な言語文化の豊かさを知り,古典作品に親しめるように,工夫されています。
ㅦ友達と言葉を交わして,よりよく理解し合いながら学びを深める活動が取り上げられています。 ㅦ互いに認め合い,高め合い,協力し合う心性を育むことができます。
ㅦ実用的な文章,論理的な文章,創造的な文章と,多様な文種を書く活動がそろっています。 ㅦ分かりやすく説得力をもって書くことを通して論理的思考力を,発想豊かに書くことを通して想像力を養っていくことができます。
会話が弾む質問をしよう具体例を挙げて伝えよう 「ことわざ」スピーチ話し合いで理解を深めよう グループディスカッション
小さな発見を詩にしよう構成を考えて書こう 「私」の説明文根拠を明確にして書こう 意見文案内や報告の文章を書こう学校新聞の記事を書こう作品のよさを表現しよう 歌の鑑賞文【資料編】原稿用紙の使い方・推敲の観点/手紙の書き方/
新聞の作り方/レポートの書き方
古典(伝統的な言語文化)
話すこと・聞くこと
書くこと
学ぶ心に,火をつける。―生徒を主体的な学びへといざなう仕掛けを随所にちりばめました。
ㅦ楽しく学ぶ 個性あるキャラクターが登場し,生徒にさまざまな気づきを促してくれます。また,苦手意識を持たれがちな文法をゲーム感覚で楽しく学べる「文法の窓」が設けられているなど,学ぶ意欲を高める数々の工夫がなされています。ㅦ学び方を知る 巻頭折り込みには,国語で何を学ぶのかということや学習の進め方が,生徒にも分かるように示されています。また,中学 1年の最初に確認しておきたい小学校の既習事項が,「学習を始める前に」として資料編に掲載されています。ㅦつながる・広がる 巻末には 3学年の「言葉の力 一覧」が掲載されていて,3年間の学習の流れを見通すことができます。また,「学びを支える言葉の力」には,学んだことが国語や他教科の学習,実生活にどう生きていくのかが示されています。ㅦ語彙を豊かにする 「読む」学習材末に「広がる言葉」,資料編に「言葉を広げよう」が設けられていて,生徒の語彙を豊かにする手立てが工夫されています。「広がる言葉」「言葉を広げよう」には,3学年で 1570 の言葉が掲載されています。ㅦ読書が進む 教科書で読んだ作品をきっかけに,さまざまな本に手を伸ばすことができるように,「読書案内」が工夫されています。多種多様なテーマの本,古典,翻訳書,話題の作品から名作まで,3学年で 305 冊の本が紹介されています。ㅦ家庭で学ぶ 資料編には,本編の作品と関連させて読むことのできる文学・説明文・古典の作品や,「話す・聞く」「書く」の学習に役立つさまざまな資料が掲載されています。資料編の学習材は家庭学習で活用することもできます。
3.
私は春がいちばん好き。
へえ。
④ 質問する
② 相づちを打つ
「古典の世界」より
「話し合いで理解を深めよう」より
「作品のよさを表現しよう」より
p.299~「言葉を広げよう」 p.121「単語の分類」 p.284~「本と出会おう」 p.266~「学習を始める前に」
![Page 9: 1. · らませて書く 推 すい 敲 こう して読みやすい文章に仕上げる 論証・説得 根 こん 拠 きょ を明確にして書こう ﹈ 意見文 根拠 示す](https://reader035.vdocuments.net/reader035/viewer/2022071004/5fc0b965d75ef31816407e18/html5/thumbnails/9.jpg)
- 9 -
教科書の特色教育基本法の遵守
教育基本法の目的と理念を実現するため,特に次の 4点を育むことを重視して編集されています。 ①幅広い知識・教養と思考力 ②豊かな人間性 ③伝統文化を受け継ぐ心 ④未来を切りひらく創造性と公共の精神
学習指導要領の遵守
中学校学習指導要領(国語)に示された教科の目標に則り,指導事項と言語活動例はもれなく扱われています。各指導事項を多彩な言語活動を通して習得・活用することができ,知識・技能と思考力・判断力・表現力を養えます。「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」が重視されていて,伝統文化や言語について深く学ぶことができます。
内容・系統
「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」の学習が,相互に関連しながら,3年間で系統的に積み上がるように構成されています。また,各領域を支える基礎的な力を鍛える「学びを支える言葉の力」が設けられています。「伝統的な言語文化」「国語の特質」の学習は,生徒が意欲的に取り組み,確かな力をつけられるように工夫されています。生徒の知的好奇心に訴え,知性と感性を育む,多彩な題材が用意されています。
配列・分量本編・基礎編・資料編の 3部から成っています。学習指導要領の内容は本編で網羅されており,基礎編・資料編を用いて,適宜学習の深化や拡充が図れます。3学期制でも 2学期制でも各領域等の指導がバランスよくなされるように,学習材の配列が考えられています。
学力の育成
各領域の各学習材に,身につけたい知識・技能が「言葉の力」として明示されていて,その着実な習得が図られています。習得した「言葉の力」を後の学習で活用することによって,思考力・判断力・表現力を高められるようになっています。各領域の「言葉の力」を支える基礎的な力を,「学びの扉」と,それにつながる基礎編「学びを支える言葉の力」において,しっかり鍛えることができます。複数の文章を読み比べる活動や,図表を読み取ったり作成したりする活動が,全学年に用意されています。語彙・文法・漢字を確実に習得するための学習材が設けられ,また,生徒の語彙を豊かにする工夫がなされています。
学習意欲・主体的な学習態度の育成
巻頭折り込みに,国語学習の意義と進め方,1年間の見通しが,生徒にも分かりやすく示されています。巻末の「言葉の力 一覧」を用いて,3年間の学習を見通したり振り返ったりすることができます。また,資料編の「学習用語一覧」を用いて,具体的に学習内容を確かめたり振り返ったりすることができます。「学びを支える言葉の力」では,学んだことが国語や他教科の学習,実生活にどう生きていくのかを確かめられます。多種多様な「読書案内」や「言葉を広げよう」などで,主体的に読書をしたり語彙を豊かにしたりする態度を養えます。キャラクターの使用,ゲーム仕立ての学習材,折り込みの効果的な使用など,生徒の学習意欲を高める工夫が豊富です。
伝統・文化の取り上げ方
我が国で長く読み継がれてきた優れた古典作品が,多くの美しい写真資料とともに掲載されています。古典の鑑賞・紹介の文章も豊富に掲載されています。また,近代文学や近代詩の名作も,全学年に掲載されています。口絵と扉に季節感のある言葉や詩歌が掲載されていて,一年を通じて日本の豊かな風土に培われた言語文化に親しめます。「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」でも,日本の伝統・文化に関する文章や言語活動が多く扱われています。
今日的課題の取り上げ方
次のように,さまざまな今日的課題に対応した内容が扱われています。([ ]内は扱われている学年・ページの例) 生命の尊重,安全・防災[3年 p.184~] 環境[3年 p.62~] 人権・福祉[2年 p.80~] キャリア教育[3年 p.174~]食育[2年 p.60~] 郷土への思い[3年 p.52~] 国際理解・平和[1年 p.82~] メディアリテラシー[1年 p.186~]
小学校・高校との関連
「言葉の力」は,小学校国語の学習内容を受け,小中 9年間の見通しを持って系統的に設定されています。1年では「学習を始める前に」で,小学校で学んだ,国語学習の土台となる内容を,適宜確かめることができます。3年では評論文が多く扱われ,資料編で「古典の文法」も学べるなど,高校国語へ移行しやすいように配慮されています。
他教科・実生活との関連
全教科の学習と実生活の言語活動を支える基礎的な力を,「学びを支える言葉の力」で鍛えることができます。レポートや,手紙,スピーチ,多様な話し合いなど,他教科の学習や実生活で生きる言語活動が豊富に扱われています。社会,理科,技術・家庭,音楽など,他教科と関連する題材が積極的に取り上げられています。
道徳との関連 豊かな情操を育む文学作品,共感する心を養うドキュメンタリー,公共の精神を育てる協働的な言語活動が豊富です。
家庭学習への配慮
巻頭折り込みに学習の進め方が示され,その中で,家庭でも扱うことができる学習内容にマークが付けられています。特に資料編には,自学できる素材が多く掲載されています。例えば「言葉を広げよう」には,3学年で 1412 もの言葉が,分類されて,全て例文つきで示されていて,生徒が語彙を豊かにしていけるようになっています。
読書生活への配慮
多種多様な「読書案内」が用意されていて,3学年で 305 冊もの本が,紹介文と写真入りで掲載されています。読んだ本を紹介したり,その内容について話し合ったりする読書活動が,全学年に複数示されています。
情報活用・ICT活用
全学年に「言葉とメディア」の系統が設けられていて,メディアリテラシーを深く学ぶことができます。デジタルコンテンツを利用することが効果的な学習材には,そのことを示すマークが付けられています。
特別支援・ユニバーサル
デザイン
特別支援教育の観点から,内容およびデザインについて検討・校閲がなされています。全ての生徒にとって,各部分の認識や重要な部分の判別がしやすいように,文字の大きさと書体,罫線や囲みの使い方,色遣いが工夫されています。カラーバリアフリーの観点からも,全ページにわたり配色とデザインの検証が行われています。小学校で学習していない漢字には,学習材ごとの初出箇所に振り仮名が付けられていて,生徒の抵抗感を和らげています。
文字・印刷・製本
本文書体に,小学校教科書で使用されている教科書体に筆遣いや字形を合わせた,特別な明朝体が使用されています。環境への配慮から,再生紙・植物油インキが用いられています。本文用紙は軽量化が図られ,製本は堅牢です。
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2. 対照表
ページ 学習材名 指導事項・言語活動例との対応 配当時数 配当学期話 書 読 伝 話 書 読 伝巻頭 風の五線譜 ア/ 活ア 1
前期60時間/書・予8時間
一学期39時間/書・予9時間
18 話し方はどうかな ア/ 活ア 223 音声の働きや仕組み イ(ア) 124 詩の心―発見の喜び ア,オ/ 活ア 229 鮮やかに表現する エ イ(オ) 130 小さな発見を詩にしよう エ 332 文法とは・言葉の単位 イ(エ) 133 活字と書き文字・画数・筆順 ウ(ア),(イ) 136 飛べ かもめ ウ,オ/ 活ア 341 さんちき ウ,オ/ 活ア 454 質問する エ 155 会話が弾む質問をしよう エ/ 活イ 258 つなぐ言葉・指し示す言葉 イ(エ) 162 オオカミを見る目 イ,エ 470 分類する イ 171 構成を考えて書こう ア,イ 679 文の成分・連文節 イ(エ) 280 音読み・訓読み ウ(ア),(イ) 182 碑 カ/ 活ウ 298 スズメは本当に減っているか イ,オ/ 活イ 5
二学期47時間/書・予9時間
108 事実と考えを区別する イ 1109 根拠を明確にして書こう ウ,オ 6114 順序立てて説明する イ 1115 具体例を挙げて伝えよう イ,ウ/ 活ア 5121 単語の分類 イ(エ) 2122 漢字の部首 ウ(ア),(イ) 1124 月夜の浜辺 ア/ 活ア 1
後期52時間/書・予20時間
128 古典の世界 オ ア(イ) 1 (1)134 伊曽保物語 エ ア(ア) 3 (3)139 竹取物語 オ ア(ア) 4 (4)148 矛盾 ア ア ア(ア) 1 2 (3)152 案内や報告の文章を書こう イ/ 活ウ 3154 名詞 イ(エ) 1156 少年の日の思い出 ウ,エ 6171 文脈を捉え,伏線に気づく ウ 1172 語の意味と文脈・多義語 イ(イ),(ウ) 1174 集まって住む カ/ 活ウ 2186 ニュースの見方を考えよう オ 3 三
学期26時間/書・予10時間
194 学校新聞の記事を書こう ウ/ 活イ 3197 話し合いで理解を深めよう ア,オ/ 活イ 6203 作品のよさを表現しよう ア,ウ/ 活ア 6209 連体詞・副詞・接続詞・感動詞 イ(エ) 1210 漢字の成り立ち ウ(ア),(イ) 1212 名づけられた葉 ア,オ 2214 トロッコ エ 4
計 15 30 53 14 112書写および予備 28
総計 140
[ 備考 ]・見出し欄の,「話」は「話すこと・聞くこと」領域,「書」は「書くこと」領域,「読」は「読むこと」領域,「伝」は「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」を表す。・「指導事項・言語活動例との対応」の「話」「書」「読」欄に,活とともに示された記号は言語活動例を表し,それ以外の記号は指導事項を表す。・「配当時数」の「伝」欄に,括弧付きで示された数字は,それぞれの学習材における「書」および「読」の配当時数を合計したものである。・「配当学期」欄に, 書・予とともに示された数字は,書写および予備の時数である。・「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」の「イ(ウ)」は,上表に記載した学習材のほか,「読むこと」の全ての学習材で扱っている。・「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」の「ウ(ア)」のうち,学年別漢字配当表の漢字については,読み慣れることを目的として全ての学習材で扱っている。その他の常用漢字については,377 字を第 1学年で新出漢字として提出している。・「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」の「ウ(イ)」は,上表に記載した学習材のほか,「書くこと」の全ての学習材で扱っている。特に小学校 6年で学習した漢字は,「小学校 6年の漢字一覧」で確かめられるようにしている。