140226_反転授業勉強会_淺田
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医療分野での反転授業事例紹介
自治医科大学 淺田義和
Who am I?• 本業:自治医科大学の教員(from 2010/4)
• シミュレーション教育の運営サポート
• eラーニング・eポートフォリオの運用サポート
• 教育の効果・効率・魅力を高める研究(=ID)
• その他(副業 / 趣味的)
• ブログ、執筆、iOS App 開発
• マインドマップ、蘇生講習のインスト
シミュレーション教育
• マネキン、模擬患者などを利用して、実際の医療行為の仮想訓練を行うこと
• 「避難訓練の医療行為版」のようなイメージ
シミュレーション教育
Why Simulation?
いきなり本番・・・?
いきなり本番・・・?自動車免許
適性検査
場内教習+講習
仮免用の試験
路上教習+講習
卒業試験
都道府県での試験
初心者マーク
普通のドライバー
いきなり本番・・・?自動車免許 医学教育
適性検査
場内教習+講習
仮免用の試験
路上教習+講習
卒業試験
都道府県での試験
初心者マーク
普通のドライバー
いきなり本番・・・?自動車免許 医学教育
適性検査
場内教習+講習 マネキン等でのシミュレーション
仮免用の試験
路上教習+講習
卒業試験
都道府県での試験
初心者マーク
普通のドライバー
いきなり本番・・・?自動車免許 医学教育
適性検査
場内教習+講習 マネキン等でのシミュレーション
仮免用の試験
路上教習+講習 臨床実習(医学部の授業)
卒業試験
都道府県での試験
初心者マーク
普通のドライバー
いきなり本番・・・?自動車免許 医学教育
適性検査
場内教習+講習 マネキン等でのシミュレーション
仮免用の試験
路上教習+講習 臨床実習(医学部の授業)
卒業試験
都道府県での試験
初心者マーク 臨床研修(初期研修医)
普通のドライバー
いきなり本番・・・?自動車免許 医学教育
適性検査
場内教習+講習 マネキン等でのシミュレーション
仮免用の試験
路上教習+講習 臨床実習(医学部の授業)
卒業試験
都道府県での試験
初心者マーク 臨床研修(初期研修医)
普通のドライバー
• 運転免許と同じく、まずは模擬練習
!
• 段階を踏んで、よりレベルの高い実践へ
余談ですが自動車免許 医学教育
適性検査 入学試験
場内教習+講習 マネキン等でのシミュレーション
仮免用の試験 CBT、OSCE
路上教習+講習 臨床実習(医学部の授業)
卒業試験 大学の卒業試験
都道府県での試験 医師国家試験
初心者マーク 臨床研修(初期研修医)
普通のドライバー 一般のDr.
余談ですが自動車免許 医学教育
適性検査 入学試験
場内教習+講習 マネキン等でのシミュレーション
仮免用の試験 CBT、OSCE
路上教習+講習 臨床実習(医学部の授業)
卒業試験 大学の卒業試験
都道府県での試験 医師国家試験
初心者マーク 臨床研修(初期研修医)
普通のドライバー 一般のDr.
• 試験・資格制度も結構似てます
で、何をするの?
基本的な知識・技能
学習困難な状況
コミュニケーション
試験として
反転授業の導入
医学教育
• 基礎的な医学知識に関する教育
• シミュレーションによる手技教育
• プロフェッショナリズムや態度の教育
• 教養教育
医学教育
事例1
医学生向けの教育 Instructional Design入門
きっかけ• 2013年度のカリキュラム変更
• 1年生の選択必修科目の枠が余った
!
• 「やります!」 → 実現。
2013のシラバス• ガイダンス / インストラクショナル・デザインとは
• ARCSモデル:学習者の意欲を高める
• 学習課題の分類と教授方略
• 分析手法の紹介(ニーズ / 学習者 / タスク / 学習目標)
• 分析手法の実践:実際の医学教育事例を題材として
• メディアとツール(eラーニング、IT機器の活用、etc.)
• 評価方法の紹介(学習者 / 教育・研修そのものの評価)
• 評価方法の実践:実際の医学教育事例を題材として
• シミュレーション教育とインストラクショナルデザイン
1年生の「意欲」を高める
• A(Attention)
• R(Relevance)
• C(Confidence)
• S(Satisfaction)
例:ARCSの回• (ちょうど前の回が休講だったので)事前課題を提示(Attention)
• 事前課題:これまで受けてきた授業・講義・講習会などの中で、 1)特に記憶に残った(勉強になった)授業とその理由 2)特に面白かった授業とその理由 3)特につまらなかった授業とその理由 に関して、掲示板に投稿して下さい。(Relevance)
• また、他人の投稿に対して1つ以上、コメント(返信)をつけてください。(Satisfaction)
授業では• ARCSモデルとは何か※本来なら、ここも事前課題でよかった
• 解説+ディスカッション
• 宿題事例のみなおし
• ARCSを自分のために使うには?
• 何をどうすれば「ARCS」を刺激できるか?
その他、授業の工夫• 毎回の小テスト(Confidence)
• 授業開始時のゴール提示(Confidence)
• 他の授業で使った内容の利用(Relevance)
• 毎回の感想シート+フィードバック(Satisfaction)
• 掲示板での課題は斬新(Attention)
一方で改善点も• コンテンツが広すぎ(多すぎ)
• もう少し内容を絞って深くやりたい
• 先生とのディスカッションがもっと増えたら嬉しい
!
• 追加コンテンツ(Advanced)をやってくれない
シラバス見直し• ガイダンス / インストラクショナル・デザインとは
• ARCSモデル -1:学習者の意欲を高める方略
• ARCSモデル -2:学習者の視点からARCSモデルを考える
• 医学教育とインストラクショナルデザイン
• 学習課題 - 1:学習課題の区分と扱う内容
• 学習課題 - 2:学習者の視点から学習課題を考える
• ガニェの9教授事象 -1:学習を支援する働きかけ
• ガニェの9教授事象 -2:学習者の視点から9教授事象を考える
• シミュレーション教育とインストラクショナルデザイン
• これからの学習とインストラクショナルデザイン
ADDIE的に改善• 2サイクル目のADDIE
• A:実際にやってみて、学生の生の声
• DD:全体の作り直し(授業設計、moodleの中身、etc)
• IE:4月以降
手技教育と反転授業
手技教育と反転授業• 動画教材での予習
• 扱う器具の種類や名称、操作方法
• 手技全体の手順
• 必要な前提知識の確認
• 授業時間には身体を動かすことに専念
看護師対象 多重課題
シミュレーション
事例2
患者B
患者A 患者D
患者C
ナースステーション
トイレ 入口
末梢、点滴投与
肺炎、SpO2低 痰量多、 O2 5l
歩行ふらつきあり
明日、急遽退院
ADDIE的な改善の流れ• A(Analysis)
• D(Design)
• D(Development)
• I(Implementation)
• E(Evaluation)
2010• A(Analyze)
• 共通シナリオを作成し、教育担当者の負荷を低減させることを試みた。新人看護師は入職時にBLS研修を行っているが、「忘れないうちに復習したい」という声がみられている。
• D(Design、Development)
• BLSの復習を兼ねた多重課題シミュレーション研修とすることを考え、「4床部屋においてトイレ介助を実施中、他の患者が急変する」というシナリオを作成した。研修目的は「多重課題、時間切迫の状況下で安全に優先順位を選択肢基本的な看護技術が実践できる」。研修目標は以下の3点とした。 (1)安全に配慮した優先順位の選択ができる (2)必要に応じ先輩に報告や連絡をすることができる (3)基本的な看護技術が正確にできる
• I(Implementation)& E(Evaluation)
• 2010年度の新卒採用者に対する実践前に、主任看護師を対象とした研修会においてシナリオのテスト運用を行った結果、急変対応と多重課題をひとまとめで扱うことはレベルが高すぎることが判明した。
• 次年度以降は共通シナリオを見直し、部署のニーズにあったシナリオへと変更することを課題として掲げた。一方、部署毎に評価項目を含めた報告書の提出を課すことは、多重課題シミュレーションの目的や実施方法に関する共通認識を深めることにつながっていた。
2011• A(Analyze)
• より日常的な業務内容である項目を取り入れたシナリオが必要であることが判明。シミュレーションを通じて身体を動かすだけで終了とするのではなく、その振り返りを行って学習者の理解を深める部分までを研修の枠組として捉える必要がある。
• D(Design、Development)
• 退院患者への対応、点滴の交換、トイレ介助、喀痰吸引という4項目を盛り込んだ共通シナリオおよび評価項目を作成した。
• I(Implementation)&E(Evaluation)
• シミュレーションセンターを利用しなかった部署は5部署存在した。そのうち4部署は日程の都合が合わず、残り1部署は、標準シナリオと普段の業務内容が乖離しているために独自シナリオでの実施を部署内で行っていた。
• シミュレーションセンターを利用した18部署について、トイレ介助と喀痰吸引の多重課題時は新人にとって特に困難であったことがチェックリストから判明。デブリーフィングに慣れない部署も多く、学びを深めるための振り返りが反省会となってしまった点も問題。
• 次年度の課題としてデブリーフィングの方法を統一化し、学習者の学びをより高めるための企画を練ることが掲げられた。
2012• A
• デブリーフィング手法の統一というニーズを満たす。目標を見直し、「現在の技術達成度を確認でき、今後の自己課題が分かる」を加えた。
• D&D
• デブリーフィングを統一するため、動画を撮影し、その後の振り返りで上映しながら振り返りを行うという方法を各部署に取り入れてもらうこととした。動画の撮影はiPadを用いて行い、録画後に即プロジェクターで映すことができるようにした。
• I&E
• シミュレーション時の動画撮影およびデブリーフィングの運用は適宜サポートを行った。シミュレーションセンターの教員はほぼ全ての部署の研修に参加しているため、他部署での知見を参考情報として伝える役割を担った。
• シミュレーションセンターの利用は23部暑中22部署となり、独自シナリオが必要となるNICUを除いて新人が配属された全ての部署でシミュレーションセンターの利用がみられた。このため、2010年度より掲げていた共通シナリオをシミュレーションセンターで実施することによる人的・資源的な負荷の低減という目的は達成されたと考えられる。
• チェックリストの結果から、トイレ介助と喀痰吸引の多重課題時は困難であった。デブリーフィング内容に関しては有意な差がみられ、目的が達成されていると考えられる。
1回で終わってはNG
• 何度もサイクルを回しながら、より良いものに改善
• スタートがどうか、ではなく、改善プロセスと「最終的にどう変わったか」がポイント
ADD(IE) for 2014• A
• 研修を通じて、シナリオを実践するにあたって必要となる前提知識、および新人が陥りやすい判断ミスに関してデータ収集を実施
• D&D
• 得られたデータからシナリオ(症例など)をmoodle(自治医科大学にて運用中)上に実装:小テストないしレッスン機能を利用
• 各新人看護師の進捗管理・学習記録を記録(ゲーミフィケーション的に)
• 研修の事前課題配付は8月頃。2014年の7月末を目標に開発し、形成的評価を行う。評価結果をもとに改善、再評価へ
ARCS for 2014• A : eラーニング、ゲーム的(面白そう)
• R:現場での状況に近い(患者も看護師も)
• C:実際にストーリーが進むようになる(成功体験)
• S:*現場で役に立つ(これから)
(注意)• 予習内容と授業内容(演習・応用)との整合性
• 「量」と「質」のバランス
• 予習させすぎ / 教材がない などは問題か
• それでも予習してこない場合の対応、どうしよう
• 予習必須は嫌われる(アンケート結果より)