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TRANSCRIPT
2. 座標と場
スカラー場平面上の各点でスカラー量が与えられているとき,これをスカラー場という.
関数 で表現される.f(x, y)(必ずしも式の形で与えられるとは限らない)
例.気圧の分布例.薄板の温度分布
ベクトル場平面上の各点でベクトル量が与えられているとき,これをベクトル場という.
V = (Vx, Vy) = Vxex + Vyey
Vx = Vx(x, y), Vy = Vy(x, y)Vx Vyと は各点で決まる量なので
例.平行平板間の水の流れ
各点にベクトルを書き込む
ベクトル場の表示
ベクトル場例.海流
Ex. 2-1
次のベクトル場を図示せよ.(1)
(3)
(2)V = (0, 1) V = (0, x)V = (0, y) (4) V = (x, y)
例.点電荷のつくる電場
ベクトル場Ex. 2-1 の解答
(1)
x
y
V = (0, 1)
(2)
x
y
V = (0, x)
(3)
x
y
V = (0, y)(4)
x
y
V = (x, y)
直交座標と極座標
!x = r cos !y = r sin !
(x, y) (r, !): 直交座標 : 極座標
には の整数倍の不定性がある.! 2!
!! < " " ! 0 ! ! < 2"または に制限
x
y
(x, y)r
!O
原点 では対応する は定義できない.(r = 0)!O
!r =
"x2 + y2
! = arg(x, y) : 偏角関数
直交座標と極座標Ex. 2-2
次の各点を座標平面にプロットし,直交座標で表された点は極座標表示に,極座標で表された点は直交座標表示に変換せよ.ただし偏角は に制限するとする.(!!,!]
(1)
(3)
(2)
(4)
(x, y) = (1,!1) (x, y) = (!1,"
3)(r, !) = (1,"/2) (r, !) = (2,"/6)
Ex. 2-2 の解答
(1)
(3)
(2)
(4)
(r, !) = (!
2,""/4)
(r, !) = (2, 2"/3)(x, y) = (0, 1)(x, y) = (
!3, 1)
(1)
x
y
(2)
(3) (4)
1 2
スカラー場と極座標
極座標は,円領域や円環領域での現象を記述する場合や,回転対称な現象を記述する場合に便利.
例えば という式で表されるスカラー場を極座標で表すと となる.
z = x2 + y2
z = r2
z = f(x, y) z = f(r cos !, r sin !)
Ex. 2-3
(1)
次のスカラー場を極座標で書け.z = x! y3 (2) z = (x2 + y2)
32
Ex. 2-3 の解答(1) (2)z = r cos ! ! r3 sin3 ! z = r3
座標曲線(r, !)極座標系
x
y
を固定し を動かして得られる曲線を 曲線という.x xyx yを固定し を動かして得られる曲線を 曲線という.yを固定し を動かして得られる曲線を 曲線という.! r rを固定し を動かして得られる曲線を 曲線という.! !r
(x, y)直交座標系
x
y
座標曲線
曲線r曲線!
曲線y
曲線x
極座標の基本ベクトル極座標の基本ベクトル とは各点で定義され, その点を通る座標曲線( 曲線, 曲線)に接する単位ベクトル(向きは座標の増加方向)
er, e!
r !
定義
原点では基本ベクトルは定義できない.!
er = (cos !, sin !)e! = (! sin !, cos !)
= cos ! ex + sin ! ey
= ! sin ! ex + cos ! ey!
ex = cos ! er ! sin ! e!
ey = sin ! er + cos ! e!
!
er
e!
x
y
1
!1
1
er
e!
er
e!
極座標の基本ベクトル
直交座標で同様に基本ベクトルを考えると,すべての点で となり,極座標の基本ベクトルのような位置依存性はない.
ex, ey
Ex. 2-4
次の各点での極座標の基本ベクトルを求めよ.(1) (2)(x, y) = (0, 1) (x, y) = (1,!1)
(2) er =!
1!2," 1!
2
", e! =
!1!2,
1!2
"
Ex. 2-4 の解答(1) er = (0, 1), e! = (!1, 0)
ベクトル場と極座標
極座標を用いているときは,基本ベクトル を用いてベクトル場を表す.
er, e!
Ex. 2-5
次のベクトル場を図示せよ.また直交座標とその基本ベクトルを用いて書き直せ.(1) (2)V = re! V = !rer
直交座標を用いているときは,基本ベクトル を用いてベクトル場を表す.
ex, ey
直交座標を用いるか極座標を用いるかは,場の様子や領域の形状に依存してケースバイケースで選択
ベクトル場と極座標Ex. 2-5 の解答
(1) V = r(! sin ! ex + cos ! ey)= !yex + xey
(2) V = !r(cos ! ex + sin ! ey)= !xex ! yey
x
y
x
y
ベクトル値関数(復習)ある変数に対してベクトル量を一つ対応させる関数をベクトル値関数という.
r(t)
例.
: 時刻 における点 の位置ベクトルt P
P点 が平面(または空間)の中を運動している.
v(t) = r!(t) a(t) = v!(t) = r!!(t)
a(t) = v(t) = r(t)v(t) = r(t)ベクトル値関数の微分は成分ごとの微分によって計算できる.
v(t) =dr
dt(t)速度: a(t) =
dv
dt(t) =
d2r
dt2(t)加速度:
ベクトル値関数の微分則Ex. 2-6
教科書57ページの (2.21)~(2.23) を証明せよ.ただし (2.22) は3次元ベクトル限定
(2.22) a(t)! b(t) の 成分はx ay(t)bz(t)! az(t)by(t) なので(a(t)! b(t))! の 成分はx a!
y(t)bz(t) + ay(t)b!z(t)! a!
z(t)by(t)! az(t)b!y(t)
= (a!y(t)bz(t)! a!
z(t)by(t)) + (ay(t)b!z(t)! az(t)b!
y(t)) となり,これはa!(t)! b(t) + a(t)! b!(t) の 成分に一致する.他の成分も同様.x
Ex. 2-6 の解答(2.21) a(t) · b(t) =
!
i
ai(t)bi(t) より
(a(t) · b(t))! =!
i
(ai(t)bi(t))! =!
i
(a!i(t)bi(t) + ai(t)b!
i(t))
=!
i
a!i(t)bi(t) +
!
i
ai(t)b!i(t)) = a!(t) · b(t) + a(t) · b!(t)
ベクトル値関数の微分則
Ex. 2-7
原点を中心とする円周上(または球面上)を運動する点の位置ベクトルと速度ベクトルは直交することを示せ.
Ex. 2-7 の解答時刻 における位置ベクトルを とする.t r(t)円(または球)の半径を とすると,R r(t) · r(t) = R2
v(t) · r(t) = 0両辺を で微分すると,2r!(t) · r(t) = 0t
a(p(t)) ax(p(t))の 成分は なのでx(2.23)
の 成分に一致する.他の成分も同様.
の 成分はxとなり,これは
x
(a(p(t)))!
p!(t)a!(p(t))(ax(p(t)))! = p!(t)a!x(p(t))
合成関数の微分を2次元ベクトル値関数とし,r(t) = (x(t), y(t))
f(x, y)を2変数関数とする.f(x(t), y(t)) は の関数(1変数関数)td
dtf(x(t), y(t)) は1変数関数の通常の微分
参考: d
dtf(x(t)) =
df
dx
dx
dt
d
dtf(x(t), y(t)) =
!f
!x
dx
dt+
!f
!y
dy
dt
微分の連鎖律
合成関数の微分Ex. 2-8
以下の に対し を合成関数の微分法によって求めよ.
f(x, y), x(t), y(t) d
dtf(x(t), y(t))
(1)
(2)
f(x, y) = 2x2 ! 3xy + 7y2, x(t) = cos t, y(t) = sin t
Ex. 2-8 の解答(1)
d
dtf(x(t), y(t)) = (4x! 3y)(! sin t) + (!3x + 14y) cos t
= (4 cos t! 3 sin t)(! sin t) + (!3 cos t + 14 sin t) cos t= 10 sin t cos t! 3(cos2 t! sin2 t) = 5 sin 2t! 3 cos 2t
f(x, y) = log (x2 + y2), x(t) = e!t, y(t) = et
(2)d
dtf(x(t), y(t)) =
2x
x2 + y2(!e!t) +
2y
x2 + y2et
= ! 2e!t
e!2t + e2te!t +
2et
e!2t + e2tet = 2
e2t ! e!2t
e2t + e!2t= 2 tanh 2t
連続関数
この際 になるどのような近付き方に対しても極限が存在し に一致しないとならない.
r ! 0f(x0, y0)
ただし とは,点 が動いて点 との (x, y)! (x0, y0)
距離 が に近付くことである.r =!
(x! x0)2 + (y ! y0)2(x, y) (x0, y0)
0
x
y
定義域の任意の点で連続な関数を連続関数( 級関数)という.C0
定義
lim(x,y)!(x0,y0)
f(x, y) = f(x0, y0)2変数関数 が において連続であるとはf(x, y) (x0, y0)
が成立することである.
定義連続関数
Ex. 2-9
以下の関数の原点における連続性をチェックせよ.(1)
f(x, y) =
!""#
""$
x3 + y3
x2 + y2for (x, y) != (0, 0)
0 for (x, y) = (0, 0)
(2)f(x, y) =
!""#
""$
x2 + y2
3x2 + 2y2for (x, y) != (0, 0)
0 for (x, y) = (0, 0)
Hint:曲座標で書き直してみると ....
x
1変数関数では近付く方向が2通りのみなので連続性は左極限と右極限をチェックすれば事足りる.
注:
連続関数Ex. 2-9 の解答
(x, y) != (0, 0) において x = r cos !, y = r sin ! とおく.
(2) f(r cos !, r sin !) =1
3 cos2 ! + 2 sin2 !なので
limr!0
f(r cos !, r sin !) =13
(for ! = 0)
limr!0
f(r cos !, r sin !) =12
(for ! ="
2)
近付く方向により極限値が異なるので原点で不連続である.
(1) f(r cos !, r sin !) = r(cos3 ! + sin3 !) なので
よって原点で連続である.limr!0
f(r cos !, r sin !) = 0 = f(0, 0) が成立する.
2階偏導関数偏導関数の偏導関数を定義することができる.
!
!x
!!f
!x
"=
!2f
!x2
!
!y
!!f
!y
"=
!2f
!y2
を で偏微分したもの!f
!xx
!f
!y を で偏微分したものy
!
!x
!!f
!y
"=
!2f
!x!y
!f
!yxを で偏微分したもの
!
!y
!!f
!x
"=
!2f
!y!xを で偏微分したもの!f
!xy
2階偏導関数Ex. 2-10
次の各関数の4通りの2階偏導関数を計算せよ.(1) (2)f(x, y) = x2y + 3xy ! 5y2 f(x, y) = ex cos y
2階偏導関数
!2f
!x2= 2y,
!2f
!y2= !10,
!2f
!x!y= 2x + 3,
!2f
!y!x= 2x + 3
Ex. 2-10 の解答(1) !f
!x= 2xy + 3y,
!f
!y= x2 + 3x! 10y
(2) !f
!x= ex cos y,
!f
!y= !ex sin y
!2f
!x2= ex cos y,
!2f
!y2= !ex cos y,
!2f
!x!y= !ex sin y,
!2f
!y!x= !ex sin y
級関数と 級関数C1 C2
は 級であるという.f(x, y)
偏導関数 がいずれも連続関数であるとき,C1
!f
!x,
!f
!y
定義
は 級であるという.f(x, y)
2階偏導関数 がいずれも
連続関数であるとき,
!2f
!x2,
!2f
!y2,
!2f
!x!y,
!2f
!y!x
C2
定義
が 級であるとき, が成立する.f(x, y) C2!2f
!x!y=
!2f
!y!x
注
Ex. 2-10 の例で確認してみよ.
1次関数による近似
f(x + !x) = f(x) + f !(x)!x + O(|!x|2)
C2関数 が 級であるときf(x)f(x) = f(x0) + f !(x0)(x! x0) + O(|x! x0|2)
(x0, f(x0)) (x0, f(x0))
Zoom In
(x0, f(x0))
Zoom In
f(x)関数 のグラフが接線で局所的に近似できる.
1次関数
x
y
z
c
x0
2変数の1次関数
x
y
z
c
2変数の1次関数 ( 双1次関数 )f(x, y) = ax + by + c a, b, c( :定数)
グラフは平面
y0
z = ax + by0 + c
z = ax0 + by + c
z = ax + c
z = by + c
偏微分係数の意味
x0
y0
y = y0平面
xy
x = x0平面
z = f(x, y0)
z = f(x0, y)
!f
!y(x0, y0)接線の傾き:
!f
!x(x0, y0)接線の傾き:
Ex. 2-11
2つの接線を含む平面の方程式を求めよ.
偏微分係数の意味Ex. 2-11 の解答この平面は点 を通るのでz = f(x0, y0) + a(x! x0) + b(y ! y0)
(x0, y0, f(x0, y0))
と書ける.!z
!x= a は平面 上の接線の傾き とy = y0
!f
!x(x0, y0)
一致していなければならない.ゆえに a =!f
!x(x0, y0)
同様に b =!f
!y(x0, y0) である.
z = f(x0, y0) +!f
!x(x0, y0)(x! x0) +
!f
!y(x0, y0)(y ! y0)
よって平面の方程式は
!1.0
!0.5
0.0
0.5
1.0!1.0
!0.5
0.0
0.5
1.00.0
0.5
1.0
1.5
2.0
z = f(x, y)(x0, y0, f(x0, y0))
1次関数による近似 が 級であるときC2f(x, y)
f(x, y) = f(x0, y0) +!f
!x(x0, y0)(x! x0) +
!f
!y(x0, y0)(y ! y0)
+O(|x! x0|2 + |y ! y0|2)1次関数
x
y
y = f(x)参考
接平面による局所近似!グラフ のz = f(x, y)
微分の連鎖律(再掲)d
dtf(x(t), y(t)) =
!f
!x
dx
dt+
!f
!y
dy
dt
f(x, y), x(t), y(t) C2が 級であるとき
Proofd
dtf(x(t), y(t)) = lim
!t!0
1!t
{f(x(t + !t), y(t + !t))! f(x(t), y(t))} である.
これより連鎖律が示せた.=
!!f
!x
dx
dt+
!f
!y
dy
dt
"!t + O(|!t|2)
f(x(t + !t), y(t + !t))! f(x(t), y(t))
=!f
!x!x +
!f
!y!y + O(|!x|2 + |!y|2)
注: 級を仮定したが,この結果は 級関数についても成立する.C1C2
と置くと!
!x = x(t + !t)! x(t)!y = y(t + !t)! y(t)
!"#
"$
!x =dx
dt!t + O(|!t|2)
!y =dy
dt!t + O(|!t|2)
曲線のパラメータ表示ベクトル値関数 r(t) = (x(t), y(t))
t を時間変数とし, を位置ベクトルと見るとr(t)r(t)は平面上を動く点の運動の記述である.tを(特に時間変数とは限らない)パラメータと見ると は平面上の曲線のパラメータ表示とみなせる.r(t)
Ex. 2-13
関数 のグラフとして表される曲線と,上のパラメータ表示で表される曲線では,どちらの方が範囲が広いか.
y = f(x)
Ex. 2-13 の解答パラメータ表示の方が広い. のグラフは r(t) = (t, f(t))y = f(x)で表せるが, で表される曲線(単位円)は,r(t) = (cos t, sin t)y = f(x) のグラフの形をしていない.
曲線の接線ベクトル位置ベクトル で表される点 における接線ベクトルはlim
!t!0
!r
!t= lim
!t!0
r(t + !t)! r(t)!t
= r"(t)
で与えられる.
r(t) P
r(t)
r(t + !t)
P
O
!r
r(t)
P
O
r!(t)t 接線ベクトルの大きさを正規化したものを単位接線ベクトルといい でt表す.
t =r!(t)|r!(t)|
Ex. 2-14次の曲線の における単位接線ベクトルを求めよ.r(t)(1) (2)r(t) = (t, sin t) r(t) = (et cos t, et sin t)
曲線の接線ベクトルEx. 2-14 の解答
(1) r!(t) = (1, cos t) であるから |r!(t)| =!
1 + cos2 t
よって t =!
1!1 + cos2 t
,cos t!
1 + cos2 t
"
(2) r!(t) = et(cos t! sin t, sin t + cos t)
|r!(t)| =!
2et
であるから =!
2et!cos (t +
!
4), sin (t +
!
4)"
よって t =!cos (t +
!
4), sin (t +
!
4)"