2 ict機器等を活用した 体育の授業の充実...2014/12/04  · ction 今後の課題 1...

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全校児童数 429名(男子234名 女子195名) 全クラス数 16 教職員数 50名(内体育専科0名) クラブ活動または 運動部活動 4 参加延べ人数 80人 地域のスポーツ指導者の活用(年間延べ人数) 1人 再生する機能を活用し、自分の動きと比較したり、 改善点を見つけたりする手立てとした。 (2)映像で確認し、すぐに改善につなげるために ①前述した3つの機能を生かし、自分自身の動きを視覚 的・客観的に確認することで、何ができていて何がで きていないのかを把握できるようにした。 ②教え合い学習が活性化するよう、友達の運動を直接見 た後、映像を再生させながら、どこがよかったか、ど こを工夫すればよかったのかを意見交換するよう促し た。 ●工夫したこと ①持ち運びが便利なタブレットの利点を生かし、跳び箱 やマット運動などに取り組む際は、全体像を撮るだけ でなく、手の着く位置や足の位置など、技のポイント となる部分に注目させるようにした。 ②タブレットだけでなく、固定したパソコン、大画面テ レビなど、様々な機器を用途に合わせて使用できるよ うにし、児童自身が適切な機器を選択できるようにし た。 ①映像を活用した指導により、学習カードでは伝えきれ ない、流れの中での指導を行うことができた。また、 運動のポイントや自分の動きを視覚的に把握すること で、児童も動きをイメージしながら運動に取り組むこ とができるようになった。 ②映像を活用することでポイントとなる部分のみを再生 することができ、技能ポイントを押さえた指導を充実 させることができた。 ③映像を介したことで、特別支援学級の児童との教え合 いを活性化させることができた。 ①映像を活用する上で、技ができているかを判断した上 で「どのように工夫すればよいか」までを考えさせる ためには、「見合う視点の指導」と「助言方法の指 導」を並行して行う必要がある。 ②体育の領域ごとの活用方法を、今後も模索し続ける必 要がある。 C heck 取組の成果 A ction 今後の課題 1 取組時の課題 今年度より、ユニバーサルデザインの視点に立った授 業の改善を目指し、ICT機器を活用した効果的な指導方 法を研究テーマとして取り組んでいる。その中で、各教 科における活用方法を模索しているが、「どのような場 面で」「どのような機器を使用して」「どのように活用す るのか」を明確化することが、まず課題としてあがっ た。 2 取組の目的 ①ICT機器の、視覚的に動きを把握できる利点を生かし 児童の体育への興味・関心を高める。 ②ICT機器の、自身や友達の動きを確認したり、比較し たりできる利点を生かして、思考力・判断力を高め る。 ③改善点の把握や、技能の向上の実感を視覚的に把握で きる利点を生かして、技能を高める。 ④特別支援学級児童への配慮を充実させる。 1 ICT機器の使用方法の把握 本校ではICT機器の一つとしてタブレットを30台導入 し、全職員で使用方法に関する研修会を実施した。全機 で情報を共有する方法、お互いに情報を書き込む方法な ど、体育を含め、全教科で活用する方法を学び、授業で の活用方法を模索した。 2 ICT機器の活用 (1)視覚的に把握できるために ①遅延再生機能(撮影10秒後に再生させる機能) 撮影した動きが遅れて再生されるタブレットやパ ソコンの機能を活用して、運動に取り組んだあと、 すぐに自身の動きを確認し、改善点を知り、再度挑 戦できるようにした。 ②スローモーション再生機能 器械運動等において、一瞬の動きを捉えるため に、スローモーションで再生する機能を活用した。 跳び箱運動の踏み切りの位置、着手の位置等、細か い部分まで確認でき、改善につなげている。 ③連続再生機能 手本となる動きや、自身の前時の動きを繰り返し P lan 取組時の課題と目的 D o 取組の内容 ………… 体育・保健体育の授業の充実 2 テーマ 東京都文京区立林 はやし ちょう 小学校 ICT機器等を活用した 体育の授業の充実 26/ 第1章 分析結果と取組事例(平成26年度)

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Page 1: 2 ICT機器等を活用した 体育の授業の充実...2014/12/04  · ction 今後の課題 1 取組時の課題 今年度より、ユニバーサルデザインの視点に立った授

全校児童数 429名(男子234名 女子195名)

全クラス数 16 教職員数 50名(内体育専科0名)

クラブ活動または運動部活動

数 4

参加延べ人数 80人

地域のスポーツ指導者の活用(年間延べ人数) 1人

再生する機能を活用し、自分の動きと比較したり、改善点を見つけたりする手立てとした。

(2)映像で確認し、すぐに改善につなげるために①前述した3つの機能を生かし、自分自身の動きを視覚的・客観的に確認することで、何ができていて何ができていないのかを把握できるようにした。②教え合い学習が活性化するよう、友達の運動を直接見た後、映像を再生させながら、どこがよかったか、どこを工夫すればよかったのかを意見交換するよう促した。

●工夫したこと①持ち運びが便利なタブレットの利点を生かし、跳び箱やマット運動などに取り組む際は、全体像を撮るだけでなく、手の着く位置や足の位置など、技のポイントとなる部分に注目させるようにした。②タブレットだけでなく、固定したパソコン、大画面テレビなど、様々な機器を用途に合わせて使用できるようにし、児童自身が適切な機器を選択できるようにした。

①映像を活用した指導により、学習カードでは伝えきれない、流れの中での指導を行うことができた。また、運動のポイントや自分の動きを視覚的に把握することで、児童も動きをイメージしながら運動に取り組むことができるようになった。②映像を活用することでポイントとなる部分のみを再生することができ、技能ポイントを押さえた指導を充実させることができた。③映像を介したことで、特別支援学級の児童との教え合いを活性化させることができた。

①映像を活用する上で、技ができているかを判断した上で「どのように工夫すればよいか」までを考えさせるためには、「見合う視点の指導」と「助言方法の指導」を並行して行う必要がある。②体育の領域ごとの活用方法を、今後も模索し続ける必要がある。

Check 取組の成果

Action 今後の課題

1 取組時の課題今年度より、ユニバーサルデザインの視点に立った授業の改善を目指し、ICT機器を活用した効果的な指導方法を研究テーマとして取り組んでいる。その中で、各教科における活用方法を模索しているが、「どのような場面で」「どのような機器を使用して」「どのように活用するのか」を明確化することが、まず課題としてあがった。2 取組の目的①ICT機器の、視覚的に動きを把握できる利点を生かし児童の体育への興味・関心を高める。②ICT機器の、自身や友達の動きを確認したり、比較したりできる利点を生かして、思考力・判断力を高める。③改善点の把握や、技能の向上の実感を視覚的に把握できる利点を生かして、技能を高める。④特別支援学級児童への配慮を充実させる。

1 ICT機器の使用方法の把握本校ではICT機器の一つとしてタブレットを30台導入し、全職員で使用方法に関する研修会を実施した。全機で情報を共有する方法、お互いに情報を書き込む方法など、体育を含め、全教科で活用する方法を学び、授業での活用方法を模索した。2 ICT機器の活用(1)視覚的に把握できるために①遅延再生機能(撮影10秒後に再生させる機能)撮影した動きが遅れて再生されるタブレットやパソコンの機能を活用して、運動に取り組んだあと、すぐに自身の動きを確認し、改善点を知り、再度挑戦できるようにした。

②スローモーション再生機能器械運動等において、一瞬の動きを捉えるために、スローモーションで再生する機能を活用した。跳び箱運動の踏み切りの位置、着手の位置等、細かい部分まで確認でき、改善につなげている。

③連続再生機能手本となる動きや、自身の前時の動きを繰り返し

Plan 取組時の課題と目的

Do 取組の内容

…………体育・保健体育の授業の充実2テーマ

東京都文京区立林はやし

町ちょう

小学校

ICT機器等を活用した体育の授業の充実

26/ 第1章 分析結果と取組事例(平成26年度)

Page 2: 2 ICT機器等を活用した 体育の授業の充実...2014/12/04  · ction 今後の課題 1 取組時の課題 今年度より、ユニバーサルデザインの視点に立った授

本校の結果

●運動やスポーツが好き ●体育の授業は楽しい

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100本校

全国

好き やや好き ややきらい きらい

●男子74.5 19.7

92.0 8.0

4.1 1.7

0.0

0.0

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100本校

全国●女子

55.1 32.5

62.5 37.5

9.3

(%)

(%)

3.1

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100本校

全国●男子

74.4 20.5

87.0 13.0

3.6

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100本校

全国●女子

60.3 30.9

81.3 15.63.1

6.8

(%)

(%)

0.0

2.0

1.5

0.0

楽しい やや楽しい あまり楽しくない 楽しくない

●体力合計点と運動時間男子 女子

体力合計点(点) 57.2 57.8

総合評価

(段階別)

A 10.0 16.1B 40.0 32.3D 5.0 16.1E 0.0 0.0

AB-DE 45.0 32.3 1週間の総運動時間(分) 801.3 384.460分未満の割合(%) 0.0 9.0

※こちらでグラフなどいれますので、 データ作成時には空白にしてください。

ICT機器等を活用した体育の授業の流れ

Plan

映像をもとに教え合う 自分の動きをふり返る

ICT機器等の活用場面

すぐに改善策を立て、もう一度挑戦する

【タブレット型端末】 ○遅延再生機能・・・自分の動きをすぐに確認する。 ○スローモーション再生機能・・・動きの流れを一つずつ確認する。 ○連続再生機能・・・手本となる動きを常に確認できるようにする。 ○技のポイントとなる部分に焦点を当てて撮影することができる。

【パソコン】 ○タブレット端末と同様の機能を使用することができる。 ○机等で固定する必要があるが、両手が空くため、学習カード等と

照らし合わせながら教え合いをすることができる。 ○大型画面のため、複数人で見合い、教え合うことができる。

使用するICT機器

Do Action Check

前時をふり返り 本時の

めあてを立てる

めあてをもとに 技に取り組む

自分の動きを ICT機器を用いて確認する

改善点を明確にした上でもう一度技に挑戦する

視覚的に把握する

事例3

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