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2010年以降の自動車業界 ~ 次に見えてくるもの ~ 第100回NRIメディアフォーラム 200925株式会社野村総合研究所 コンサルティング事業本部 グローバル戦略コンサルティング一部長 北川 史和 100-0005 東京都千代田区丸の内1-6-5 丸の内北口ビル

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2010年以降の自動車業界

~ 次に見えてくるもの ~

第100回NRIメディアフォーラム

2009年2月5日

株式会社野村総合研究所コンサルティング事業本部グローバル戦略コンサルティング一部長

北川 史和

〒100-0005東京都千代田区丸の内1-6-5 丸の内北口ビル

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目次

1.世界の乗用車市場の動向

2.日本の乗用車市場の振り返り

3.2010年以降の自動車業界を取り巻く環境

4.2010年以降に見えてくるもの

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目次

1.世界の乗用車市場の動向

2.日本の乗用車市場の振り返り

3.2010年以降の自動車業界を取り巻く環境

4.2010年以降に見えてくるもの

Page 4: 2010年以降の自動車業界 - nri.com · 2010年以降の自動車業界 ~次に見えてくるもの~ 第100回nriメディアフォーラム 2009年2月5日 株式会社野村総合研究所

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世界の乗用車市場の動向

経済危機を受け、08年12月の販売台数は日本17%減、米国36%減、欧州18%減(前年同月比)。このまま行くと、09年の世界乗用車市場はピークの07年比で15%(800万台相当)落ち込む可能性がある。

2桁の高成長を続けていた中国も明らかに失速している。

一方で、08年を年間で見ると、 米国は18%減に対して欧州6%減(前年比)と欧州は米国ほどには落ち込んでいない。

小型トラックは、 GVW 3.5t 以下

出所)マークラインズ

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1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

2007 2008

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1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

2007 2008

米国の「乗用車+小型トラック」の月次販売台数の推移

(万台)

中国の乗用車(SUV/MPVを含む)の月次販売台数の推移

(万台)

36%減少

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2004

2006

2008

2010

2012

2014

2016

2018

2020

その他

インド

中国

日本

EU

米国

世界の乗用車市場の動向

経済危機からの回復シナリオを前提とすると、長期的には世界の乗用車市場は再び拡大に転じ、2020年に7200万台市場となる可能性がある。

2007年までの水準に戻るまでに、米国は3~5年、欧州は5~7年の低成長を迎えるというシナリオ。

一方、相対的に回復の早い中国、インドをはじめとする新興国が市場を牽引することで年成長率2.2%(07年~20年)を達成できる可能性がある。

世界の乗用車販売台数見通し(百万台)

(年)

CAGR(07→20)

注)・EUは27カ国を対象・乗用車は、米国のみ小型トラックを含む

低成長

7200万台

低成長

20072008(予測)

2009(予測)

2010(予測)

米国 2.0% 1.4% -0.7% 0.8%

ユーロ圏 2.6% 1.0% -0.8% 1.2%

日本 2.4% -0.2% -2.1% 0.6%

中国 11.9% 9.2% 8.0% 8.5%

インド 9.0% 6.8% 5.3% 7.6%

出所) 野村證券金融経済研究所(2008年12月)

世界の経済(GDP)見通し

5400万台2.2%

8.6%

7.4%

▲1.1%

0.6%

0.6%

07年までの実績値は、世界自動車統計年報

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目次

1.世界の乗用車市場の動向

2.日本の乗用車市場の振り返り

3.2010年以降の自動車業界を取り巻く環境

4.2010年以降に見えてくるもの

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日本の乗用車市場の振り返り

日本市場は、ここ数年のダウントレンドに加え、経済危機の影響で2008年末から更に落ち込みを見せている。

注)軽乗用車を含む出所) 日本自動車販売協会連合会及び社団法人全国軽自動車協会連合会

日本の乗用車の月次新車販売台数実績の推移(07、08年)

(万台)

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1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

2007 2008

過去を振り返ると、日本では1990年代のバブル崩壊時も同じように販売台数の激減を経験している。

日本の乗用車の新車販売台数実績の長期推移

注)軽乗用車を含む出所)自動車販売統計(自動車販売協会連合会)

(万台)

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500

600

75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 (年)

バブル崩壊 経済

危機

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日本の乗用車市場の振り返り

バブル崩壊後の90年代に起きたのは、“車型の大衆化(=車種の多様化)”であった。

80年代まで“セダン”以外の車型は珍しかったが、90年代以降、MPV、SUVなどの“RV”が一般化した。

車種別の販売台数推移(660cc以下除く)

出所)自動車販売統計(自動車販売協会連合会)

Sedan

Station Wagon

Compact Car

SUV

MPV

0%

10%

20%

30%

40%

50%

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70%

80%

90%

100%

1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000(年)

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日本の乗用車市場の振り返り

日本市場ではこれまでも、ほぼ10年毎に消費者の価値観に変化が起きてきた。

70年代は“自動車の大衆化”、80年代は“高級化”、90年代は“車型の大衆化”、00年代は“高級化”

さて、2010年以降、次に見えてくるものは何か!?

車型の高級化

多様化期・複雑化期

・ニューラグジュアリー

・消費の拡大

・ライフスタイル重視

・こだわり型消費の拡大

00年~ 10年~

車型の大衆化自動車の高級化自動車の大衆化

自動車嗜好

90年~80年~70年~

経済停滞期

・家族重視傾向の高まり

・消費支出の総額が停滞

バブル期

・消費支出の総額がピーク

オイル・ショック

・高度経済成長の終焉

・終身雇用・年功序列

経済・

社会環境

・レジャー志向

・仕事から家族への関心

・ブランド重視

・豪華主義

・自分に合った物を買う

・ベビーブームの終了ライフ

スタイル

二代目Corolla

初代SUNNY1000(Nissan)

初代CIMA(Nissan)

BMW 3Series

初代ODYSSEY(Honda)

初代RAV4(Toyota)

Harrier(Toyota)

Lexus IS(Toyota)

2010年以降、次に見えてくるものは何か!?

経済危機

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目次

1.世界の乗用車市場の動向

2.日本の乗用車市場の振り返り

3.2010年以降の自動車業界を取り巻く環境

4.2010年以降に見えてくるもの

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2010年以降の自動車業界を取り巻く環境

“燃料価格の上昇”、“厳しい環境規制”、“環境意識の一般化”が重大要素。

①燃料価格の上昇

②厳しい環境規制

③環境意識の一般化

2010年以降の自動車業界を取り巻く環境

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doller / barrel

2010年以降の自動車業界を取り巻く環境

足元では暴落したものの、長期的には再び“燃料価格の上昇”が起こると見込まれている。

原油価格の将来見通し(WTI先物価格)

出所)各種資料よりNRI作成

110$/bbl IEA予測

89$/bbl 資源エネルギー庁予測

2020年2016年

57$/bbl EIA予測

75~100$/bbl NRI予測

2008年までの灰色プロットは実績値

100 $/bbl (2010年)

110 $/bbl (2020年)

IEA (実質ベース)

(2008年データ)

約70 $/bbl (2010年)

57 $/bbl (2016年)

EIA

(2008年データ)

79.4 $/bbl (2010年)

89.1 $/bbl (2020年)

資源エネルギー庁

(2008年データ)

原油価格予測機関名

(年)

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2010年以降の自動車業界を取り巻く環境

“厳しい環境規制”が、各地域で更に強化される方向にある。

現在、米国では連邦規制よりも厳しい、カリフォルニア州規制の適用を検討している。

10年 EURO III13年 EURO IV(未定)

10年 国IV規制(EURO IV相当)12年~EURO V (未定)

09年9月 EURO V14年9月 EURO VI

07MY 連邦 Tier II bin5カリフォルニア州LEV II → LEV III

2009年 ポスト新長期規制

排ガス規制

CO2排出量連動型自動車税

低燃費車購入で7000ドルの減税

新グリーン税制(3年間時限的措置)

その他

現在はなし今後設定される可能性あり

2020年に欧州2015年並みの基準になる可能性あり

13年 130g/km (15年までに達成)20年 95g/km (議論中)

08MY 乗用27.5mpg 商用22.5mpg → 20MY 35mpg(両平均)

カリフォルニア州GHG*規制16年までに温室効果ガス30%削減

10・15モード→ JC08モード

04FY 13.6km/l →15FY 16.8km/l(JC08モード換算)

燃費規制

CO2排出量

規制

「低コストかつ十分なエネルギー供給量の確保」

石油輸入依存度を67%(米国ピーク時依存度)以下に

CO2排出量を2020年に90年比で20%削減

2020年までに運輸部門エネルギー消費20%削減

運輸エネルギー石油依存度を2030 年までに80%程度

エネルギー

セキュリティ

インド中国欧州米国日本

*GHG Green House Gas 出所)各種資料よりNRI作成

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34%

8%6%

52%

2010年以降の自動車業界を取り巻く環境

“環境意識の一般化”で、自動車購入時に環境に配慮して自動車を選択することが当たり前になってくる。

自動車を選択する際の価値観(日欧米のハイブリッド自動車以外のユーザー)~あなたが新型車を購入する場合に、最も近い考え方を選択してください~

出所)NRI「自動車パワートレイン調査」 (2008年9月)

自動車購入時に“環境に配慮する”層自分のライフスタイルや排気量を重視

新型車の購入は検討していない

自動車購入時に“経済合理性を重視する”層

N=2,241

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目次

1.世界の乗用車市場の動向

2.日本の乗用車市場の振り返り

3.2010年以降の自動車業界を取り巻く環境

4.2010年以降に見えてくるもの

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2010年以降に見えてくるもの

次に見えてくるものは“エコ・カーの大衆化” 。

“燃料価格の高騰”、“厳しい環境規制”、“消費者の環境意識”を受けて、ハイブリッド自動車を中心としたエコ・カーの大衆化が進む。

車型の高級化

多様化期・複雑化期

・ニューラグジュアリー

・消費の拡大

・ライフスタイル重視

・こだわり型消費の拡大

00年~

エコ・カーの大衆化

経済回復期

・厳しい環境規制

・燃料価格の上昇

・環境意識の一般化

10年~

車型の大衆化

自動車嗜好

90年~

経済停滞期

・家族重視傾向の高まり

・消費支出の総額が停滞

経済・

社会環境

・レジャー志向

・仕事から家族への関心ライフ

スタイル

初代ODYSSEY(Honda)

初代RAV4(Toyota)

Harrier(Toyota)

Lexus IS(Toyota)

経済危機

INSIGHT(Honda)

SMART(Daimler)

ハイブリッド EV

i-MiEV(Mitsubishi)

BOON(Daihatsu)

小型化Z

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11

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日本

米国

欧州

中国

インド

ガソリン 小型ガソリン ディーゼル HEV EV その他

2010年以降に見えてくるもの

とりわけハイブリッド自動車が大衆化する。

将来購入したいパワートレイン(非ハイブリッド自動車ユーザ)~あなたが購入したいと思ったモデルで、以下の車種が販売されていた場合、あなたはどの自動車を選びますか~

(N=663)

(N=1,016)

(N=722)

(N=2,094)

(N=1,750)

出所)NRI「自動車パワートレイン調査」 (2008年9月)

注)HEV:ハイブリッド自動車

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2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018

2019

2020

その他

インド

中国

日本

EU

米国

(万台)

(年)

試練の年

メーカ計画の積上げ

2010年以降に見えてくるもの

2020年のハイブリッド自動車の構成比(17%)を乗用車販売台数見通し(7200万台)に乗ずると、ハイブリッド自動車の世界販売台数は1,200万台規模となる。

将来のハイブリッド自動車の構成比は、政策動向、消費者アンケート等から予測した。

ハイブリッド自動車をシステム別に見ると、今後は『ストロング以外』のシステムが相対的に伸びる。

また、2010年以降の数年間は、市場規模を超えるメーカ計画が存在するという厳しい状況に陥る。

世界のハイブリッド自動車の市場予測とシステム構成

システム構成(2020年)

注)ISS(アイドリングストップ・システム)は予測に含まない

システム構成(2007年)

Strong29%

Mild40%

Micro27%

Plug-in4%

その他35%

Strong65%

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2010年以降に見えてくるもの

これまで、ハイブリッド自動車と言えば、「ストロング」であったが、今後は、「マイルド」、「マイクロ」、「ISS(アイドリングストップ・システム)」といった様々なシステムに注目が集まる。

ハイブリッド自動車のシステムによる分類

アイドルストップ アイドルストップ アイドルストップ

回生ブレーキ 回生ブレーキ 回生ブレーキ

パワーアシスト パワーアシスト

電気走行パワーアシスト(小)各システムの

実現機能

システム分類 ストロング マイクロマイルド

自動車の例

(一部、販売予定を含む)

ISS

アイドルストップ

PRIUS(TOYOTA)

TAHOE(GM) 1Series(BMW)

VUE(GM)CIVIC(HONDA)

INSIGHT(HONDA)

SMART(DAIMLER)

注目

C3(CITROEN)

S400(DAIMLER)ALTIMA(NISSAN) MINI MIRA(DAIHATSU)

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2010年以降に見えてくるもの

ハイブリッド自動車ユーザの声を聞くと、“燃費については、プリウスもシビック・ハイブリッドもユーザ満足度に差がない”。

車両本体価格に関しては、シビックよりもプリウス・ユーザの満足度が低い。

97.1%

84.3%

78.6%

70.0%

65.7%

68.6%

28.6%

75.7%

77.1%

1.4%

100.0%

79.4%

64.7%

47.1%

44.1%

23.5%

29.4%

70.6%

52.9%

2.9%

0% 20% 40% 60% 80% 100% 120%

燃費が良い

排気ガスがきれい

低騒音である

加速性能が良い

小回りが利く

荷室や室内空間が広い

本体価格が安い

税制面で優遇が受けられる

技術的に最先端である

その他

プリウス シビック

プリウスとシビックの期待通りだったこと(米国 プリウス:n=70、シビック:n=34)

プリウスとシビックの期待通りでなかったこと(米国 プリウス:n=70、シビック:n=34)

2.9%

1.4%

7.1%

10.0%

5.7%

7.1%

38.6%

5.7%

1.4%

8.6%

37.1%

0.0%

0.0%

11.8%

17.6%

2.9%

35.3%

17.6%

14.7%

0.0%

14.7%

20.6%

0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 45%

燃費が悪い

排気ガスが汚い

音がうるさい

加速性能が悪い

小回りが利かない

荷室や室内空間が狭い

本体価格が高い

税制面で優遇が受けられない

技術的に最先端ではない

メンテナンスコストが高い

その他

プリウス シビックその他は「特になし」がほとんど

価格は、特にプリウスの満足度が低い

ユーザからみると、燃費は双方満足

出所)NRI「米国におけるハイブリッド車に関するユーザ意識調査 」(2007年7月)

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2010年以降に見えてくるもの

次の10年を生き抜くための5つの心得

1. 低価格なマイクロ・ハイブリッド、マイルド・ハイブリッドのシステムは重要技術になってくる。

2. メーカを跨いで、ハイブリッド・システムは統一されるなど、コスト対応力が重要となる。

3. ハイブリッド関連の原材料の資源制約、不足への対応が重要となる。

4. ハイブリッド自動車には、一層のイメージ・マーケティングが欠かせなくなる。

5. 一方で、既存技術がハイブリッド自動車の差別化のポイントとなる可能性がある。