20150616 ohyama
TRANSCRIPT
OpenStack 利用企業に学ぶ導入背景と変化
グリー株式会社 インフラストラクチャ本部 大山 裕泰 (オオヤマ ヒロヤス)
20150616 - 「OpenStack Summit Vancouver 2015」ハイライト
自己紹介
大山 裕泰所属 :グリー株式会社 / インフラストラクチャ本部
仕事 :OpenStack による Private Cloud 環境の開発/運用
著書 :次世代ネットワーク制御技術 OpenFlow 入門 [ASCII]
Case1: TD Bank
Architecting Organizational Change at TD Bank Graeme Peacock, VP Engineering, TD Bank Group
http://sched.co/3KRd
概要
・TD Bank(トロント・ドミニオン銀行) - カナダ第2位、北米地域でも有数の銀行
・OpenStack の利用規模 - 同行の 4000 のアプリケーションの 8 割を OpenStack のプライベートクラウド環境に移管する予定
サイロ化したシステム環境をより柔軟にするため、 どのような組織変革を実施してきたかという話。
・歴史的な経緯 - 様々な企業買収を繰り返し組織規模を拡大 - 各プロジェクト毎に独自のシステムが独立して存在
・文化 / 体質 - 各システムの保守・拡張をベンダーに依存 (Vender Centric)
・結果 - ベンダーが提供する巨大なシステムを各プロジェクトが持つ - 保守・機能拡張のコストが高く、再利用できない
かつての実態
・50 人規模のエンジニアリングセンターを設立 - 既存の開発チーム・インフラのスペシャリスト達と 組織横断的に仕事をする。 - 他分野のエンジニアとの仕事を通して ソリューションのフィードバックを行う
・期待する結果 - 技術的な断片化を解消し 組織のサーステーナビリティを向上させる
組織変革と未来
Case2: Time Warner Cable (TWC)
Changing Culture at Time Warner Cable Matt Haines, VP, Cloud Engineering and Operations
Jason Rouault, Senior Director of Cloud Engineering & Operations http://sched.co/2rJL
概要
・Time Warner Cable (TWC) - アメリカで第2位のケーブル通信会社
・2014年1月から OpenStack の利用を開始
OpenStack が TWC に文化的な変化をもたらした話
・システム環境 - ハードウェアもソフトウェアもベンダー謹製 - ベンダーの年次アップデートに任せきり
・形成された文化 - 開発者 < 運用者 - ソフトウェア < ハードウェア - オープン系 < ベンダー製 - 効率性 < 安定性
かつての時代背景
・オンデマンド時代の到来 - あらゆるコンテンツを様々なデバイスに対して、 いつでも配信できるようにしなければならない
・求められるインフラの要件 - プログラマブルで、オンデマンドな提供ができること
・OpenStack 導入 - 既存のシステムを統合するシステム開発を実施したが失敗 - 一部の先端的なソフトウェアチームが OpenStack の導入を試みた
変革期
・スピード - 開発者・顧客に対しインフラをより早く提供したい
・費用対効果 - ベンダー非依存な環境でインフラを構成したい
・信頼性 - 複数の DC のサーバマネジメントから、物理/仮想ネットワーク、 LB などのネットワーク機能や HA など様々な機能について 一貫して管理したい
OpenStack 導入のきっかけ
・アプリケーションのクラウドへの移行 - セルフサービスによるオンデマンドなインフラの提供や HA, DR, XaaS など様々な付加価値がつけられた - OpenStack エキスパートを交えた ソリューションのコンサルティング・教育を始めた - 障害状況・モニタリング結果・デプロイの状況などを ダッシュボードから透過的に確認・操作できるようになった
OpenStack がもたらした文化の変化
・DevOps - 機能設計から、高負荷になった状況に備えたスケーリングや 障害時の対応まであらゆる運用上の問題を想定して開発する
・ツールと開発プロセス - CI/CD による自動デプロイ環境の構築 - 統一環境における統一的な開発プロセス
OpenStack がもたらした文化の変化 (cont)
Case3: GREE, Inc. Hiroyasu OHYAMA, Software Engineer
概要
・大手コンテンツプロバイダー - モバイルゲームを中心にインターネットサービスを提供
・OpenStack との関わり - 2013/05:プロダクション環境で利用開始 - 2014/12:OpenStack による Private Cloud を提供開始
OpenStack 導入経緯と変化
・管理の及ばない物理サーバ群 - リソースのデリバリタイムが長い - 転属・退職・貸出による管理コストの増大 - 故障対策・対応など、マシンを管理する組織毎に実施
OpenStack 導入以前
・従来基盤の課題の解決 - 管理コストの低減、開発環境の信頼性の向上
・Time to Market の短縮 - プロダクトに対してシステム環境を最速で提供する
・開発環境の機能性を最大化させる - 従来の仕組みでは提供できなかった需要や要望に応える
OpenStack 導入経緯
詳しくは CEDEC 2015 で
・安定運用に向けたエンジニアの存在 - システムを大規模化、高機能化、安定化させるためには OpenStack をある程度理解しているエンジニアの存在が不可欠
課題
・OpenStack 導入における企業文化の重要性 - 技術アイデアを自由に表明できる体質が導入をスムーズにさせる
・Cloud Aware なアプリケーション開発が可能に - Composable で Extensible なシステム環境を容易に実現可能
まとめ