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2.自家用有償旅客運送事例 ※掲載情報は令和2年3月末時点のものです 8

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Page 1: 2.自家用有償旅客運送事例 - MLIT · 語に対応した資料(どこからど こに行くのかなど)」を用意し て欲しい、という要望がある。 しかし、なかなか対応できず苦

2.自家用有償旅客運送事例

※掲載情報は令和2年3月末時点のものです8

Page 2: 2.自家用有償旅客運送事例 - MLIT · 語に対応した資料(どこからど こに行くのかなど)」を用意し て欲しい、という要望がある。 しかし、なかなか対応できず苦

占冠村

運行状況

導入背景

運送の基本情報

運送の特徴

中心地 観光地

占冠村問合せ:0167-56-2173

市町村運営有償運送(交通空白)北海道地方

北海道勇払郡占冠村人口:1,508人 平成31(2019)年1月1日現在

運行開始時期 昭和46(1971)年2月1日

運行形態 路線型(運行ルートを設定)

使用車両 団体所有4台

運送対価 距離制:50円/km

運送対価以外の対価 特になし

ドライバー数(免許) 6名(二種6名、一種0名)

(c)Esri Japan

実施エリア:占冠村全域

・村内から、主に通院や通学のため、富良野市、JR幾寅駅(南富良野町)まで運行している。・住民の利用のほかに、数は少ないが観光客の利用もある。・住民懇談会の開催時に、住民から出る要望を受け検証を行い、ルートや時刻表の改正を随時実施している。

・導入のきっかけとして、「民間事業者の撤退」、「日常的な通院、買物は離れたエリアに行く必要がある」、「鉄道駅から遠いエリアが多い」、「タクシーの事業所が少なく、車両も少ない」などが挙げられる。

・占冠村の自家用有償旅客運送は、同制度が始まる前から、民間バスの撤退にあわせて自治体が運行開始したもの。・当初は村直営でバスを運行していたが、その後委託に切り替わっている。

・運行は、ふらのバスに委託している。・年間利用者数は、13,000人程度。・主要な目的地は「学校」、「病院・診療所」、「スーパー・店舗」など。

ゆうふつぐんしむかっぷむら

移動手段の拡充モデル

1.占冠村(北海道占冠村)しむかっぷむら

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・自家用有償旅客運送の制度の前から、民間バスの撤退にあわせて自治体が運行を開始。ホームページでは、「村営バス」として紹介している。

・住民の利用のほかに、星野リゾートへの観光客の利用がある。(ただし数は多くなく、利用者全体13,000人/年のうち10人程度)

・村内には、総合病院と高校が無い、そのため、主に通院や通学のため、村内から、富良野市とJR幾寅駅(南富良野町)まで運行している。

概要と特徴

・富良野市行き:44人乗りの中型 バス 3台・南富良野行き:14人乗りのワンボックス 1台※いずれも、車いすの利用はできない。

使用車両

・運行は、ふらのバスに委託している。そのため、ドライバーは、ふらのバスのドライバー。高齢の方が多い。

※民間バスの撤退後、当初は村直営でバスを運行していた。その後、平成20年代に委託に切り替わっている。

関係者(ドライバー等)の詳細

経緯

・運行費用の確保のため、小荷物運送の事業化に向けて検討を進めている(2020年4月から事業化予定)。村営バスの運賃収入を、小荷物運送の運送収入で賄うことを期待している。

計画の検討

実施

今後の予定、課題

ニーズの把握

協議

行ったこと

・自家用有償旅客運送の制度が出来てからは、地域公共交通会議で既存の交通事業者にも参加してもらい、協議している。

・当初は、1年に1回。10数年前からは、3年に1回の頻度。

※運行に関する制度が変わって行くのにあわせて、協議をしている。

※近年では、道路整備にあわせて利用ルートが変更になったため地域公共交通会議を開催した。また、バス停が追加になった際には書面会議を開催した。

・住民懇談会※で、住民から出る要望を受け、検証を行い、ルートや時刻表の改正を定期的に実施している。

※住民懇談会:住民と村長とが近い距離で話をする場で、年2回、6つの地域で行う。バスだけではなく、様々なことについて、地域の意見や要望を聞いている。

苦労・工夫したこと検討開始

・トマムリゾートを利用する外国人が、年に数回程度、村営バスを利用する。そのため、「外国語に対応した資料(どこからどこに行くのかなど)」を用意して欲しい、という要望がある。しかし、なかなか対応できず苦慮している。

・利用者数が少ないことから、運行継続のための費用の確保

(予算の確保)に苦慮している。

・空港から村へのシームレスな移動への対応として、外国語対応やキャッシュレスへの対応が迫られている。

関係者の声

・収入が約977万円、費用が約4,400万円。収入と支出の差額は村の一般会計から事業費として支出。

・北海道からの補助あり(310万円/年)。

収支状況等

1.占冠村(北海道占冠村)【詳細】しむかっぷむら

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占冠村

運行状況

導入背景

運送の基本情報

運送の特徴

中心地 観光地

社会福祉法人占冠村社会福祉協議会問合せ:0167-56-2700

公共交通空白地有償運送北海道地方

北海道勇払郡占冠村人口:1,508人 平成31(2019)年1月1日現在

運行開始時期 平成21(2009)年3月18日

運行形態 区域型(運行区域を設定)

使用車両 団体所有4台

運送対価 地区及び地域ごとに設定

運送対価以外の対価迎車料金:50㎞以上1,000円など待機料金:30分以上500円など

ドライバー数(免許) 4名(二種0名、一種4名)

(c)Esri Japan

・要介護・要支援認定者や障がい者だけではなく、単独で移動が困難な方を対象としたサービス。・車いすのまま乗降できる車両などを使用。・村内相互間のほか、富良野市や旭川市などへも利用可能。・運転は、社会福祉協議会の職員が本来の業務と兼任で実施。

・導入のきっかけとして、 「既存の公共交通だけでは十分な移動手段が確保できなくなった」、「高齢化等により、地域で移動手段の確保に困る人が増加した」 、「日常的な通院は離れたエリアにある病院に行く必要がある」、「バス停から遠いエリアが多い」などが挙げられる。

・ニーズの把握は、個別の口コミや地域からの意見聴取などにより行った。

・年間利用者数は60人程度。・主要な目的地は「病院・診療所」、「金融機関・郵便局」、「公民館・交流施設」など。・基本的に利用前の予約が必要であるが、利用者のニーズに応じて柔軟に対応している。

ゆうふつぐんしむかっぷむら

実施エリア:占冠村全域

2.社会福祉法人占冠村社会福祉協議会(北海道占冠村)

移動手段の拡充モデル

しむかっぷむら

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・要介護・要支援認定者や障がい者にとらわれず、単独移動が困難な方を対象としたサービス。(登録制)

・占冠村の地域ケア会議(行政職員、社会福祉協議会、診療所、消防署、地域包括支援センターで構成)で、要介護・要支援認定者や障がい者だけではなく、移動が困難と思われる方も対象と決定している。

・村内相互間のほか、富良野市や旭川市などへの利用も可能。

概要と特徴

・団体所有の車両4台のうち、車いすのまま乗降できる車いす仕様車は3台。(2台はシートリフト型、1台はスロープ型)

・1台は普通の乗用車。

使用車両

・社会福祉協議会の職員が運転(本業務と兼任)。・ドライバーの年齢は、30代~40代。

関係者(ドライバー等)の詳細

経緯

・予約も混みあわないため、使いたい時に使えて便利。

(利用者からは、特に改善のニーズは出ていない。)

利用者の声

・ドライバーとして、一度退職した方などを地元で確保できれば、運転が楽になる。しかし、その時の人件費の捻出が課題になる。

計画の検討

実施

今後の予定、課題

ニーズの把握

協議

行ったこと

・運営協議会で協議。・運営協議会は年2回程度。(富良野市には、ハイヤー・バス会社が2、3件ある。富良野市から占冠村まで車で1時間かかり、会議を頻繁にできないため。)

・自家用有償旅客運送の更新が必要なため、運行開始後、運営協議会は、有効期間中1回は開催している。

苦労・工夫したこと検討開始

・村内に1つタクシー会社がある。顔の見える関係であるため、協議会を開催する際にも、事務レベルで話が出来る。

・基本的に利用前に予約が必要だが、利用者のニーズに応じて柔軟に対応している。

・村外への送迎の場合、行き帰りの時間だけではなく、待機時間もかかる。社協の職員が兼業でドライバーをしているため、時間がかかる※ことが課題。

・タクシーが1社しかない地域で、この取組みは地域の役に立っていると思う。

・北海道は広いので大変。また天候にも悩まされる。(猛吹雪でも病院に行かなければならない場合、通常は高速道路を使うところを、下道を使うなど)

関係者の声

・費用合計 62万円。・収入は、利用者からの対価5.7万円のほか、初回登録時に会費として1人300円。費用と収入の差額は社会福祉協議会が事業費として支出。

・会員は、現在27名。利用者は、1年間で延べ60人程度。

収支状況等

2.社会福祉法人占冠村社会福祉協議会(北海道占冠村)【詳細】しむかっぷむら

※例えば、富良野には1時間、帯広には1.5時間かかる。病院に片道1時間のほか、待機時間が1~2時間かかる。(待機時間が3~4時間になることもある)

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運行状況

導入背景

運送の基本情報

運送の特徴

中心地

NPO法人あつたライフサポートの会問合せ:0133-77-2717

公共交通空白地有償運送北海道地方

北海道石狩市人口:58,345人 平成31(2019)年1月1日現在

運行開始時期 平成22(2010)年4月1日

運行形態 区域型(運行区域を設定)

使用車両 持込15台

運送対価1km単位の料金設定(1kmまで250円、10kmまで900円、17kmまで1,200円、距離による傾斜配分)

運送対価以外の対価 特になし

ドライバー数(免許) 17名(二種1名、一種16名)

(c)Esri Japan

石狩市

実施エリア:厚田区

・日常生活を支援し、地域住民の健康と福祉の向上に寄与することを目的とした運送。・厚田区内居住者を対象として、会員制による有償運送や、冬季の除雪支援活動を実施。・住民が主体となり、地域の課題であった移動手段の確保を実現した。

・平成17年石狩市との合併後、地域自治区となり地域協議会が設置され、地域課題として最初に検討されたのが、地域交通サービスであった。平成21年に試行実験が行われ、平成22年4月からNPO法人化し、運行を開始した。

・地域協議会の中で「足」の問題が地域課題の一つとしてあがり、地域交通分科会が協議会の下部組織として設置され、先進地(北海道滝川市:滝の川東町内会)視察研修や3回にわたる聞き取り調査などを経て、地域ニーズにあった課題解決に取り組み現在に至る。

・年間利用者数は600人程度。・主な目的地は、会員登録している利用者の居宅から最寄りのバス停留所、最寄りの集会施設及び高齢者福祉施設(さざなみ会館(厚田)、寿の家(望来)、繁富会館(繁富))まで。主な利用会員は高齢者。

いしかりし

3.NPO法人あつたライフサポートの会(北海道石狩市)

住民主導モデル

い し か り し

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運行状況

導入背景

運送の基本情報

運送の特徴

中心地

社会福祉法人佐井村社会福祉協議会問合せ:0175-38-4181

公共交通空白地有償運送福祉有償運送

東北地方青森県下北郡佐井村人口:2,042人 平成31(2019)年1月1日現在

運行開始時期 平成18(2006)年4月1日

運行形態 区域型(運行区域を設定)

使用車両 団体所有7台、持込3台

運送対価区域別料金例)佐井-大間町片道1,000円

運送対価以外の対価 特になし

ドライバー数(免許) 12名(二種0名、一種12名)

(c)Esri Japan

佐井村

実施エリア:佐井村全域

・移動が困難な住民などを対象に、日常生活に支障が生じないよう、住民ドライバーのマイカーを活用して支援を行うことを目的とした運送。・住民ドライバーを広報誌などで募集し、研修(費用は全額支援)を受けた後に、ドライバーとして活動する。・行先が同一地区の利用者には、なるべく同乗してもらうなど、運営の効率化にも努めて運行を行う。

・導入のきっかけとして、「バスやタクシーなどの既存の公共交通だけでは、充分な移動手段を確保できなくなった」、「高齢化等により、地域で移動手段の確保に困る人が増加した」などが挙げられる。

・ニーズの把握は、居住者などへのヒアリング、グループインタビューにより行った。

・年間利用者数は、2,100人程度。・主要な目的地は、「病院」としてはむつ市むつ総合病院、大間町大間病院、「買い物」としては、大間町にあるマエダストア、スーパーさとう、ドラックストア。その他は、佐井郵便局など。

・利用者層としては、高齢者が多くを占める。

しもきたぐんさいむら

4.社会福祉法人佐井村社会福祉協議会(青森県佐井村)さ い む ら

佐井地区

住民主導モデル

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運行状況

導入背景

運送の基本情報

運送の特徴

NPO法人くちない問合せ:0197-71-4700

公共交通空白地有償運送福祉有償運送

東北地方岩手県北上市人口:92,742人 平成31(2019)年1月1日現在

運行開始時期 平成22(2010)年7月29日

運行形態 区域型(運行区域を設定)

使用車両 団体所有1台、持込7台

運送対価福祉輸送:距離制8km以内800円など空白地輸送:均一制100円/回

運送対価以外の対価 特になし

ドライバー数(免許) 9名(二種0名、一種9名)

(c)Esri Japan

北上市

実施エリア:口内地区 (※福祉有償運送は市内全域で実施)

北上市中心地

・地域内の生活施設の撤退や、路線バスの運行縮小を背景に、住民の共助による外出支援を目的に行われている運送。・有償運送と路線バスの乗継施設を兼ねた食品・日用品販売店「店っこくちない」も運営し、口内地域の「小さな拠点」として住民が交流する場となっている。店舗の奥には、NPO法人の事務スペースを併設。

・導入のきっかけとして、「既存の公共交通では、充分な移動手段を確保できなくなった」、「病院や生活に必要な施設が減少した」、「ドア・ツー・ドアでないと移動できない人が増加した」などが挙げられる。

・ニーズの把握は、居住者などへのアンケートの実施により行った。・合意形成に至るまでは、1年2ヶ月かかった。

・年間利用者数は、1,565人(平成30年度)・主要な目的地(公共交通空白地有償運送)は、 「産直(店舗)」、「路線バスの停留所」、 「郵便局」、「公民館・交流施設」など。・福祉有償運送の発着地は、一方が口内地区内、もう一方が医療機関・金融機関・公的機関など生活に必要な施設であることが条件。・空白地有償運送は地区住民なら誰でも利用可能(世帯登録制1,000円/年)、福祉輸送は要支援・要介護認定者や市が認める者が利用可能。・空白地有償運送、福祉有償運送とも、主な利用者は高齢者。

きたかみし

5.NPO法人くちない(岩手県北上市)き た か み し

口内地区

店っこくちない

<地区文化祭への運送>

住民主導モデル

路線バス

<口内地区風景>

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運行状況

導入背景

運送の基本情報

運送の特徴

中心地

加美町企画財政課問合せ:0229-63-3115

市町村運営有償運送(交通空白)東北地方宮城県加美郡加美町人口:23,377人 平成31(2019)年1月1日現在

運行開始時期 平成18(2006)年10月1日

運行形態 路線・区域型(運行ルート・区域をともに設定)

使用車両 団体所有12台、持込2台

運送対価区間制:1区間300円、2区間500円

運送対価以外の対価 特になし

ドライバー数(免許) 22名(二種22名、一種0名)

(c)Esri Japan

加美町

実施エリア:加美町全域

・住民の移動手段として、デマンドバスと、定時定路線型バスの2種類で運行。・運行業務は、タクシー事業者3社とバス事業者2社に委託。・予約センターの設置(空き店舗の活用)や配車システムの活用により利便性向上を図っているほか、学生や高齢者に向けたPR活動などを行い、利用者の確保に努めている。

・導入のきっかけとして、民間事業者の路線バス撤退により、住民の移動手段が確保できなくなったことが挙げられる。・導入にあたっては、利用者が少ないため撤退することとなった民間事業者と同様の路線バスを運行してもニーズがないと考え、ドア・ツー・ドアの「デマンドバス」の運行を検討した。

・デマンドバスは、タクシーと運行形態が似通っていることから、町内タクシー事業者との棲み分けをどのように行うか、時間をかけて協議を行った。

・ニーズの把握は、住民などへのアンケート調査により行った。

・年間利用者数は、49,000人程度(平成30年度)。・主要な目的地は、「病院・診療所」、「スーパー・店舗」、「金融機関、郵便局」など(いずれも町内)。・主な利用者は、高齢者(デマンドバス)、高校生(定時定路線型バス)など。

かみぐん かみまち

6.加美町(宮城県加美町)か み ま ち

<予約センター>

地域資源活用モデル

<路線の一例>

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運行状況

導入背景

運送の基本情報

運送の特徴

中心地

横手市総務企画部経営企画課問合せ:0182-35-2164

市町村運営有償運送(交通空白)東北地方秋田県横手市人口:90,324人 平成31(2019)年1月1日現在

運行開始時期 平成29(2017)年11月27日

運行形態 路線・区域型(運行ルート・区域をともに設定)

使用車両 団体所有3台、持込1台

運送対価エリアにより200円、400円、700円

運送対価以外の対価 特になし

ドライバー数(免許) 8名(二種0名、一種8名)

(c)Esri Japan

横手市

・住民組織「狙半内(さるはんない)共助運営体」が運行を担う、ミニバンによる運送。・狙半内地域内では自宅前でも乗降できるようにするなど、フリー乗降区間を設けて利便性の向上を図っている。・令和元年12月には、狙半内地域出身の漫画家矢口高雄氏の代表作「釣りキチ三平」のラッピングを、車両に施した。

・導入のきっかけとして、「既存の公共交通だけでは十分な移動手段が確保できなくなった」、「高齢化等により、地域で移動手段の確保に困る人が増加した」、「ドア・ツー・ドアでないと移動できない人が増加した」などが挙げられる。

・既存の代替交通路線は、年々利用者が減少しており、利用者1人当たりの運行費用も増加していたため、運行の見直しが急務であった。

・年間利用者数は、1,100人程度。・主要な目的地は、「マルシメ(横手市増田町)」、「ラッキー(横手市十文字町)」などのスーパーや、「高橋医院(横手市増田町)」、「高橋整形外科(横手市十文字町)」などの病院。

・主な利用者は、運転免許証を持っていない狙半内地域の高齢者。・運行ルートや乗降場所の選定にあたっては、共助組織との定期的な意見交換を行い、運行開始後も利用者の希望を踏まえた乗降場所の追加などの工夫を行っている。

よこてし

7.横手市(秋田県横手市)よ こ て し

狙半内地域

住民主導モデル

実施エリア:増田町狙半内地域

<路線の一例>

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運行状況

導入背景

運送の基本情報

運送の特徴

非営利活動法人上小阿仁村移送サービス協会問合せ:0186-77-2633

公共交通空白地有償運送東北地方秋田県北秋田郡上小阿仁村人口:2,311人 平成31(2019)年1月1日現在

運行開始時期 平成17(2005)年12月22日

運行形態 区域型(運行区域を設定)

使用車両 持込10台

運送対価行先別の定額運賃(村内片道:600円、北秋田市鷹ノ巣:往復2,400円など)

運送対価以外の対価待機料金:100円/15分添乗料金:600円/1人

ドライバー数(免許) 10名(二種4名、一種6名)

(c)Esri Japan

実施エリア:村内全域のほか、北秋田市、大館市、秋田市、熊代市北秋田郡、山本郡、南秋田郡

・運送による収入で支出が賄われている。・高齢者などの住民や、村への来訪者を対象とした運送。・事務員などはすべてボランティアで従事している。※自家用車による運送に加え、令和元年11月からは、村内の道の駅「かみこあに」から各集落を結ぶルートで、自動運転車による運送サービスが開始された。

・導入のきっかけとして、生活に必要な店舗や病院などの施設が村内に無いことが大きな要因としてあった。そのほか、移動にはドア・ツー・ドアの交通が必要な人が増加したこと、既存の公共交通では充分な移動手段を確保できなくなったことなどが挙げられる。

・ニーズの把握は、居住者へのヒアリングやグループインタビュー、個別意見の聴取により行った。(現在は乗車時の応答でも把握)・合意形成にあたっては、交通行政に関する関係者の知識が十分でなく、会議などの手続きが円滑でない場合があった。・「村外に買い物に行けば、村内の店の客が減ってしまう」という意見もあった。

・年間利用者数は、500人程度。・主要な目的地は、病院(北秋田市民病院、湖東厚生病院)であり、これらが9割を占める。そのほか、スーパー・店舗、鉄道駅など。・利用者は、高齢者が中心。高校生はあまり利用していない。

かみこあにむら

8.NPO法人上小阿仁村移送サービス協会(秋田県上小阿仁村)

移動手段の拡充モデル

収支改善モデル

か み こ あ に む ら

技術活用あり

上小阿仁村湖東厚生病院

北秋田市民病院

道の駅「かみこあに」

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・高齢者などの住民の外出や、村への来訪者の利用にも対応した運送。

・「バスより高くタクシーより安い、ドア・ツー・ドアのサービス」として、村民の通院や買物をはじめ冠婚葬祭などにも利用され、村民の足として定着している。

概要と特徴

・使っている車両は、持ち込みのもの10台。・車両はマイカーを使用。・10台中、6台は軽自動車。

使用車両

・以下のような方々が運転している。①長年タクシーやバスの運転に従事してきた方②退職後の方③主婦(家事を行っている方)④施設のバスの運転をされている方(診療所のバスやデイサービスの送迎の運転手の方が、空き時間に運転している)

⑤農業を行っている方(冬期は時間があるため)⑥役場や公共施設の日直の方

・ドライバーの年齢は、50代~60代。

関係者(ドライバー等)の詳細

経緯

・運転免許を持っていないので、バス代よりは高いものの、タクシー代よりは安く外出できるのでありがたい。

利用者の声

・ドライバーの後継者がいないことが課題。(この運転による収入は、これで生活できるほど多くはない。また高齢になると免許返納などの問題もある。そのため、新しい人にドライバーとして加わって欲しいが、難しい。)

・一種免許のドライバーは講習を受ける必要があるが、講習費用は本人負担としている。今後は団体が負担することも考えている。

計画の検討

実施

今後の予定、課題

ニーズの把握

協議

行ったこと

・既存の交通事業者との調整を実施した。(タクシーが撤退し、バスも村から補助を受けている状態だったため、協議について、大きな問題はなかった。)

・平成17年12月に運行開始。・更新の際に、地域公共交通会議で説明。

苦労・工夫したこと

検討開始

<きっかけ>・平成14年、村の1,200世帯のうち200世帯は自家用車が無かった。年金で生活する人も多く、タクシーは経済的に利用できなかった。そのため、外出の際には知人の車に乗せてもらっていたが、お礼に苦労するとともに、好きな時に好きな移動が出来なかった。

・一方、仕事を引退して時間のある方が多かったため、そのような方に運転をお願いすることで、タクシーより安い運送が出来ないかと考えた。

<協会の設立から運行開始まで>・平成15年9月に協会を設立。・平成17年1月にNPO法人に移行。

・当時はほかに類似の事例がなく、運行の方法としてタクシーかバスしかなかったため、関係者との調整に時間を要した。

・交通事業者などとの協議が重要。

関係者の声・運送による収入で支出が賄われている。・運送の対価は、5割がドライバーの収入になる。残り5割は団体に入り、そこからガソリン代や保険などの経費が支払われる。

収支状況等

・居住者などを対象としたヒアリングやグループインタビューを実施。

・個別に口コミや地域からの意見把握など。

8.NPO法人上小阿仁村移送サービス協会(秋田県上小阿仁村)【詳細】か み こ あ に む ら

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運行状況

導入背景

運送の基本情報

運送の特徴

中心地・観光地

酒田市問合せ:0234-26-5756

市町村運営有償運送(交通空白)東北地方山形県酒田市人口:102,789人 平成31(2019)年1月1日現在

運行開始時期 平成10(1998)年10月28日

運行形態 路線型(運行ルートを設定)

使用車両 団体所有10台

運送対価均一制:200円/回運転免許返納者は100円/回

運送対価以外の対価 特になし

ドライバー数(免許) 26名(二種26名、一種0名)

(c)Esri Japan

酒田市

実施エリア:旧酒田市の市街地、八幡地域

・市街地の路線バスが運行されていない地域で「るんるんバス」、八幡地域で「ぐるっとバス」を運行している。・るんるんバスは庄内交通㈱、ぐるっとバスは鳥海やわた観光㈱に運行委託。・スマートフォンから運行状況を確認できるバスロケーションシステムの導入、経路検索アプリへの対応、運転免許返納者向けの割引など、利便性向上に取り組んでいる。

・酒田市には、JR、路線バス及び酒田市営バスによる公共交通があったが、一部地域は交通空白地であり、自家用車を持たない高齢者や通院者にとっては、通院や買い物などの移動手段に困難をきたしている状況であった。

・酒田市は、全国平均よりも高齢者の割合が高く、公共交通の確保は喫緊の課題であったため、高齢者、障がい者や一般市民も含めて、交通弱者の足の確保に努める必要があることから導入した。

・導入当時は誰でも、どこから乗っても100円均一料金で乗車できるようにした(令和2年4月より200円均一料金)。

・年間利用者数は、るんるんバスが約170,000人、ぐるっとバスが約10,000人。・るんるんバスの主要な目的地は「日本海総合病院」、「中町・中町西」など。・主に高齢者が、医療機関への通院や買い物のために利用している。・運転免許返納者(運転経歴証明書保持者)への運賃割引や、東北公益文科大学生への回数券の購入補助により、利用者は増えている。・現在、酒田駅前再開発の完成(令和4年4月予定)に合わせ、るんるんバス・ぐるっとバスなど地域公共交通の再編を検討している。

さかたし

9.酒田市(山形県酒田市)

移動手段の拡充モデル 技術活用あり

さ か た し

※島しょ部(飛島)を除く

八幡地域

市街地

<山居倉庫>

<バスロケーションシステム>

20

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・高齢者、障がい者、高校生の通学などの足の確保を目的に、るんるんバス(酒田市中心部など)、ぐるっとバス(八幡地域)を「酒田市福祉乗合バス」として運行。

・るんるんバスは、全路線が中町(中心街)、酒田駅、日本海総合病院(市内最大の病院)を経由し、拠点を結ぶ動線の確保による、まちの賑わい創出も担う。

・冬季降雪時の遅延の多発を背景に、るんるんバスには、平成30年秋にロケーションシステムを導入。スマートフォンから車両の位置をリアルタイムで把握できるようになり、市役所への運行状況の問合せは導入前の約5分の1に減少。

概要と特徴

・るんるんバス:ノンステップバス(34人乗り)またはマイクロバス(24人乗り)

・ぐるっとバス:ワンボックス車(13人乗り)・特徴:ノンステップバスには、車いす対応設備を設置。

使用車両

るんるんバス:ドライバーの年齢層は、30~70歳代(庄内交通㈱の運転手)

ぐるっとバス:ドライバーの年齢層は、50~70歳代(鳥海やわた観光㈱の運転手)

関係者(ドライバー等)の詳細

経緯

・料金が安いので気軽に乗れる。・バスに乗って買い物に行くのが楽しみになった。

利用者の声

・令和4年4月の酒田駅前再開発完成に伴い、運行ルート、ダイヤの見直しを行う予定。・現在、委託先事業者のドライバーの平均年齢は55歳であり、今後の人手不足が懸念される。事業の安定的な継続のためには、特に働き手の確保が課題。

計画の検討

(約2ヶ月)

実施

今後の予定、課題

ニーズの把握

(約2ヶ月)

協議(約10ヶ月)

行ったこと

・平成9年度にプロジェクトチームを立ち上げ、市内の主要医療機関3箇所で、職員によるヒアリング調査を実施した。

・計532人から回答を得られた。

・先進地視察(関東地方の自治体8箇所)などを行い、実施計画を策定。

・平成10年度から具体的な検討作業を行った。

・庁内職員で構成される公共交通体系検討推進委員会で、取組みを決定。

・バス事業者、ハイヤー事業協同組合など、既存事業者と運行可否について交渉。

・警察や道路管理者と運行ルートについて協議。

・平成10年10月中旬に試験運行を実施。

・平成10年10月28日、運行開始。・現在、るんるんバスの年間利用者は約17万人、ぐるっとバスは約1万人で推移。・利用者の要望に合わせたルートの見直しを、年1回程度実施。

苦労・工夫したこと

・主な利用者層として、通院目的の高齢者を見込んだ。

検討開始

・運行に関する企画書のとりまとめに時間を要した。

・コスト面の問題から、4条バスでの運行は断念し、市保有の自家用車による運行を目指した。

・運輸支局との協議の結果、既存事業者の了承を得て、道路運送法第80条の例外規定「公共の福祉目的」に基づいた運行とした。

・均一料金の導入にあたり、関係者との調整を要した。

・路線バスとの競合をできる限り避けてルートを設定した。

・路線は極力片道1時間以内で運行できるようにしている。

・自治会連合会、老人クラブ連合会などの各種団体に運行ポスターを持参し、利用要請を行った。

・これからも安心、安全、快適な運転を心がけ、皆様から愛されるバスを目指していく。

関係者の声

・市が委託料を全額拠出し、運賃収入や県の補助金(市町村総合交付金)、車両への広告収入で補填。

・広告収入をもとにバス時刻表を作成。

収支状況等

・平成8年度に庁内勉強会を立ち上げる。・コミュニティバスが話題になった時期であり、酒田市でも市内の移動手段の拡充を目指した。

ぐるっとバスるんるんバス

9.酒田市(山形県酒田市)【詳細】さ か た し

乗車体験ツアー 21

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運行状況

導入背景

運送の基本情報

運送の特徴

中心地 観光地

金山町問合せ:0241-54-5222

市町村運営有償運送(交通空白)東北地方福島県大沼郡金山町人口:2,075人 平成31(2019)年1月1日現在

運行開始時期 平成30(2018)年7月1日

運行形態 区域型(運行区域を設定)

使用車両 団体所有8台

運送対価町民:200~400円/回(年齢別)当日予約・その他利用者:500円/回

運送対価以外の対価 特になし

ドライバー数(免許) 14名(二種3名、一種11名)

(c)Esri Japan

金山町

実施エリア:金山町全域

・町所有の自家用車により運行される乗合運送。利用者登録した町民が利用可能。予約は、当日の1時間前まで可能。・JR会津川口駅から観光地や温泉施設を結ぶ路線は、JR只見線で来訪する観光客の2次交通の充実を目的に、休日等は予約不要で利用可能な便を設定している。・運転業務は、町内の建設会社などに委託している。

・従来の町営バス(自家用自動車有償運送)に変わる交通体系として、町内巡回バスの試験運行を実施したが、ドア・ツー・ドアでないと移動できない住民等の増加等の理由から、区域型のデマンド運行に方向性を変えて実施。

・町では、平成21年4月から乗合タクシー(4条)の運行を始めたが、平日と一部土曜日のみの運行であった。このため、日曜、祝日などの運行や、平日の早朝便の運行も導入した。これにより、4条と79条とを組み合わせた乗合タクシーの運行となり、年中無休の体制と、運行時間の拡大が図れた。

・乗車料金や乗車券は、乗合タクシー(4条)と共通になっている。

・年間利用者数は、2,600人程度。・主要な目的地は、「町診療所」、「金融機関・郵便局」、「JR駅」など。早朝便は、会津若松市方面の医療機関への通院者が多い。・平日の朝夕は、町保育所児童の通所にも利用されている。

おおぬまぐんかねやままち

10.金山町(福島県金山町)

観光需要等に対する補完モデル

かねやままち

<金山町温泉保養施設「せせらぎ荘」>

<JR只見線>

22

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運行状況

導入背景

運送の基本情報

運送の特徴

NPO法人サンライズ問合せ:029-875-0410

公共交通空白地有償運送福祉有償運送

関東地方茨城県牛久市人口:85,036人 平成31(2019)年1月1日現在

運行開始時期 平成23(2011)年3月28日

運行形態 区域型(運行区域を設定)

使用車両 団体所有4台 持込1台

運送対価 均一制:500円/回

運送対価以外の対価 特になし

ドライバー数(免許) 13名(二種1名、一種12名)

(c)Esri Japan

牛久市

実施エリア:奥野地区

・高齢者や運転免許を持たない住民に対して、通院や買い物などでの外出に際して送迎を行う。・牛久市内の送迎、済生会病院(龍ケ崎市)、東京医科大学茨城医療センター(阿見町)などへの送迎を実施。

・導入のきっかけとして、 「バスやタクシーなどの既存の公共交通だけでは、充分な移動手段を確保できなくなった」、「高齢化等により、地域で移動手段の確保に困る人が増加した」 、「ドア・ツー・ドアでないと移動できない人が増加した」などが挙げられる。

・奥野地区内を運行していた茨城観光バスが撤退した後に、牛久市が運行していた「カッパバス」も撤退したため、奥野地区内を走るバスが1台もなくなり、高齢の方の買い物、通院のための移動手段がなくなっていた。また、地域には店舗がコンビニ程度しかない状況となっていた。

・合意形成にあたっては、タクシー会社との調整を要した。

・年間利用者数は、1,100人程度。・目的地は、市内の病院と個人経営の病院が多く、次いで市内のスーパー、市役所など。・免許返納者の数が増えており、運転者の確保が重要となっている。

うしくし

11.NPO法人サンライズ(茨城県牛久市)

移動手段の拡充モデル

う し く し

済生会病院(龍ケ崎市)

奥野地区

東京医科大学茨城医療センター(阿見町)

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運行状況

導入背景

運送の基本情報

運送の特徴

大田原市問合せ:0287-23-8740

市町村運営有償運送(福祉)関東地方栃木県大田原市人口:71,449人 平成31(2019)年1月1日現在

運行開始時期 平成17(2005)年10月1日

運行形態 区域型(運行区域を設定)

使用車両 団体所有6台

運送対価 均一制:300円/回

運送対価以外の対価 特になし

ドライバー数(免許) 14名(二種7名、一種7名)

(c)Esri Japan

大田原市

実施エリア:大田原市全域

・身体障がい者や介護保険要介護認定者などの、移動制約者を対象とした運送。・市内全域が対象となるため、委託事業者2者(山和タクシー㈲、NPO法人サポートセンター清流)にそれぞれ担当地区を割り振り、待ち時間の短縮や、利用希望への柔軟な対応を図っている。

・導入のきっかけとして、「既存の公共交通では充分な移動手段を確保できない」、「地域で移動手段の確保に困る住民等の増加」、「ドア・ツー・ドアでないと移動できない住民等の増加」などが挙げられる。旧大田原市、旧黒羽町、旧湯津上村では外出支援事業を行っていたが、平成17年10月1日に3市町村が合併し事業が統合された。

・当初はタクシー会社1社が委託事業者であったが、NPO法人が新たに委託事業者に加わり地区の分担ができたため、利用者の増加や待ち時間の短縮などが図られた。

・利用の回数の増加や院外処方への移送など、利用者のニーズへの対応を行っている。

・年間の利用者数は片道延べ13,263人(平成30(2018)年度実績)。・主要な目的地は大田原市内及び隣接する県内4市町に所在する病院・診療所。特に那須塩原市の国際医療福祉大学病院、大田原市の那須赤十字病院、那須中央病院などの病院への通院手段として利用が多い。

・主な利用者は、介護保険の要介護認定者などであるが、身体障がい者(障害等級第1級)である透析患者の利用頻度も非常に高い。

おおたわらし

12.大田原市(栃木県大田原市)

移動手段の拡充モデル

お お た わ ら し

大田原市内及び隣接する県内4市町の医療機関が目的地

湯津上地区

黒羽地区

国際医療福祉大学病院(那須塩原市)

那須赤十字病院

24

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運行状況

導入背景

運送の基本情報

運送の特徴

NPO法人奥武蔵グリーンリゾート問合せ:090-2677-4362

公共交通空白地有償運送関東地方埼玉県飯能市人口:79,708人 平成31(2019)年1月1日現在

運行開始時期 平成30(2018)年12月9日

運行形態 区域型(運行区域を設定)

使用車両 持込6台

運送対価距離制:3㎞未満500円

(加算100円/1km)

運送対価以外の対価待機料金:30分未満無料

30分~60分 250円

ドライバー数(免許) 6名(二種0名、一種6名)

(c)Esri Japan

中心地

・バス路線や駅待ちタクシーがない吾野・東吾野地区で運行。・飯能市地域公共交通網形成計画で、公共交通を補完する自家用有償旅客運送の導入と位置づけた。

・「地区内の運送」、「地区内から地区外(飯能市内)の運送」に限定することで、既存公共交通と役割分担し、双方の供給効率を担保。

・従前より、住民懇話会の席などで吾野・東吾野地区の公共輸送サービスの必要性が話題になっていた。・平成23年から地域住民の組織「たすけあいあがの」が、サロン送迎、買い物ツアーのための無償の運転ボランティア事業「らくだ号」の運行を開始した。

・無償の運転ボランティアではかなえられない個別の移動ニーズに対応するため、平成26年頃から公共交通空白地有償運送の実施に向けて動き始め、NPO法人奥武蔵グリーンリゾートを設立した。

・運行開始後約半年間の利用者数は、214人(平成30年12月~令和元年6月)。・主要な目的地は、「西吾野駅(地区内)」、「吾野駅(地区内)」。・主に地区内の高齢者が利用しており、徐々に登録者が増加している。・令和元年度は「飯能市公共交通空白地有償運送支援事業費補助金(初年度事業)」(10/10補助、上限50万円)を活用している。・現在、利用者から隣接市の施設への移動ニーズがあり、事業範囲の拡大について検討している。

はんのうし

実施エリア:吾野地区・東吾野地区

13.NPO法人奥武蔵グリーンリゾート(埼玉県飯能市)は ん の う し

事業者との役割分担モデル

飯能市

吾野地区

東吾野地区

中心地

あがの ひがしあがの

25

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・吾野・東吾野地区は、地区内にバス路線がなく、自家用車がないと移動困難な地域だった。

・住民の間には、「これからは高齢化で車を運転できない人が増えるだろう」という危機感があり、最初に構想が持ち上がってから約10年を経て運行を開始した。

・車両の持込運行や、ドライバーとの直接連絡による予約体制の構築で、NPOの負担を最小限に抑えている。

・事前登録した会員のほか、鉄道駅から地区内までの来訪者の利用も可能としており、観光客の利用もある。

概要と特徴

・車種:ドライバー保有の持込車両(セダン、軽自動車など)

・定員:4人乗り程度・車両を持込とすることで、NPOの車両管理の負担軽減と、ドライバーの自家用車の有効活用を両立。(保険関係費用はNPOが負担)

使用車両

・ドライバーの年齢層は、60~70歳代で、いずれも退職者。かつてタクシー運転手だった方もいる。

・ドライバーは原則75歳までとしているが、会員の合意が得られれば、それ以降も運転可能としている。

関係者(ドライバー等)の詳細

経緯

・「便利なサービス」と評価する声が多く、日常生活の足として年間を通じて利用する住民も多い。

利用者の声

・将来的には、吾野・東吾野の両地区に事務所を設置し、両地区の事情にさらに即した運送の提供を行えるようにしたい。

・担当ドライバーが居住していない集落も多く、協力者の確保が課題。

計画の検討

(協議含め約4年)

実施

今後の予定、課題

ニーズの把握

協議

行ったこと

・アンケートなどは特に行っていないが、住民が懇話会などの場で意見交換を行う中で、「地区の将来を考えると、輸送サービスは絶対に必要である」と、住民の間から運行への機運が高まった。

・平成24年度から、地域の住民組織が福祉目的で無償ボランティア運送を開始。

・さらに本格的な輸送サービスの実施を検討していたところ、国土交通省関東運輸局から自家用有償旅客運送の実施を提案され、具体的な検討を開始した。

・飯能市の地域公共交通対策協議会で、市の交通担当者や交通事業者との協議を行った。

・埼玉県内では東秩父村に続く2例目の公共交通空白地有償運送として、平成30年10月に協議会の承認を得た。

・平成30年12月9日、運行開始。・利用登録者は100名程度で、毎日1~3台の車両により運行を行っている。

苦労・工夫したこと

検討開始

・平成19年頃から、住民懇話会などで公共輸送サービスの必要性が話題に上がる。

・自家用有償旅客運送の先進事例(埼玉県東秩父村、静岡県浜松市、京都府京丹後市)の視察、全国移動ネットの講習会などでの相談を通じ、仕組み作りの参考とした。

・民間バス事業者が市内の路線を縮小する意向を示し、移動手段の確保が市全体の課題となる中、住民が組織を作り移動支援を行う機運が高まり、NPOが設立された。

・各集落の居住者を、当該集落周辺の担当ドライバーとすることで、基本的に顔見知りの人に運転を依頼できる体制とした。

・ドライバーの一層の確保に努め、将来的に観光客や実家に里帰りする人など、居住者以外の人にも使いやすい運送にして、吾野・東吾野地区を移動に困らない地区にしていきたい。

関係者の声・運送の対価のほか、飯能市からの補助金で運行経費を賄っている。

・補助金は、主にドライバーの法定研修の受講費、ドライブレコーダーやステッカーなどの備品購入費に充当している。

収支状況等

13.NPO法人奥武蔵グリーンリゾート(埼玉県飯能市)【詳細】は ん の う し

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運行状況

導入背景

運送の基本情報

運送の特徴

中心地

下仁田町問合せ:0274-64-8809

市町村運営有償運送(交通空白)関東地方群馬県甘楽郡下仁田町人口:7,406人 平成31(2019)年1月1日現在

運行開始時期 平成24(2012)年4月1日

運行形態 路線型(運行ルートを設定)

使用車両しもにたバス5台スクールバス7台

運送対価均一制:200円/回70歳以上、免許返納者などは無料スクールバス混乗は無料

運送対価以外の対価 特になし

ドライバー数(免許) 12名(二種12名、一種0名)

実施エリア:下仁田町全域

・上信電鉄下仁田駅や町役場周辺を中心に、町内各所に全5路線を運行している「しもにたバス」。上信ハイヤー㈱に運行委託。・全ての路線が町内の小中学校のスクールバスと同じルートで運行され、登下校時間帯のスクールバスも、空席があれば住民の混乗を可能としている。

・平成24年4月より町内4小学校を1校に統合することに伴い、スクールバスの拡充が必須となり、車両の増加や安心安全な運行体系の整備が必要となった。また、路線バスにおいては、利用者は年々減少し運行も厳しい状況にあったことから、路線バスと同じ経路で運行するスクールバスを一体的に見直す必要があった。

・ニーズの把握は、居住者などを対象としたヒアリング、説明会の開催などにより行った。・スクールバスとの混乗による運送を導入したため、合意形成にあたっては、住民及び学校関係者、児童・生徒の保護者などとの調整に時間を要した。

・平成30年度の「しもにたバス」の年間利用者数は、13,500人程度。スクールバスの混乗利用者数は、7,000人程度。・主要な目的地は「病院・診療所」、「スーパー・店舗」、「鉄道駅」など。・利用者は、通院目的の高齢者が多い。

かんらぐんしもにたまち

14.下仁田町(群馬県下仁田町)

地域資源活用モデル

し も に た ま ち

(c)Esri Japan

27

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・平成24年度に、町内の小学校が中心地にある1校に統合されたことを機に、従来の町営バスとスクールバスの一体的な見直しを実施した。

・平日の昼間と休日は自家用有償運送「しもにたバス」を、平日の登下校時間帯には、住民の混乗利用が可能なスクールバスを運行することで、1日を通じて、町中心部と町内各地を結ぶ住民の足を確保した。

概要と特徴

・バス車両(29~56人乗り)またはワンボックス車両(10~14人乗り)。

・通常、バス車両はスクールバス、ワンボックス車両は「しもにたバス」で使用。

・学校の長期休暇中は、スクールバスもワンボックス車両を活用。

使用車両

・運転や運行管理は、上信ハイヤー㈱に委託。・運転手の平均年齢は、約55歳。

関係者(ドライバー等)の詳細

経緯

・見直しにより一定の効率化を図れたが、町の高齢化率は年々上昇し、停留所まで歩くのが困難な高齢者も増加しているなど、定時定路線型の運行形態で補完できていない移動の需要があることが課題。

計画の検討

(協議含め約2年)

実施

今後の予定、課題

協議

行ったこと

・庁内の交通、教育担当部署で打合せを繰り返し実施した。

・地域公共交通会議を設置し、運行ルート、運行時刻、スクールバスの混乗化の方法などについて検討を行った。

・町内5地区の住民と、学校関係者に対する説明会を開催した。

・警察署と、停留所の位置やスクールバスの運行の安全性について協議を行った。

・平成24年4月1日、運行開始。・平成30年度の「しもにたバス」の利用者は、約13,500人/年、スクールバスの混乗利用者は、約7,000人/年。

・利用者数や、病院の診察時間、鉄道の運行時刻に合わせたダイヤ変更を、これまでに数回実施している。

苦労・工夫したこと

検討開始

・平成22年度に、小学校の統合時の運行開始を見据えて、検討を開始。

・計画の取りまとめにあたっては、県外で行われているスクールバスの混乗化の先行事例の調査や、群馬運輸支局への相談を行った。

・児童の保護者からは、スクールバスに一般の乗客が混乗することへの不安の声が大きく、繰り返し協議を行った。

・住民や学校関係者への説明の場を多く設け、合意形成を図った。

・スクールバスは、車両内への監視カメラの設置と、添乗員の乗車により、児童の安全確保を図った。

・高齢ドライバーによる事故が社会問題となっていることを背景に、平成30年度から、70歳以上の高齢者や、運転免許返納者の利用を無料とした。

・現在、町の高齢化率は約50%となっており、今後はさらに、高齢者や交通弱者に対して、地域性に合った利便性の高い公共交通を確保する必要があると考えている。

関係者の声

・町が運行経費(委託料など)を全額負担。・「しもにたバス」の運行経費は、約1,800万円/年、スクールバスの運行経費は、約4,200万円/年。

収支状況等

14.下仁田町(群馬県下仁田町) 【詳細】し も に た ま ち

・平成24年度に町内の小学校4校を1校に統合することとなり、スクールバスの拡充が必須となった。

・一方、町営バスは利用者の減少が続いていたため、両者の一体的な見直しによる効率化を計画した。

バス車両(スクールバス) ワンボックス車両(しもにたバス) 28

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運行状況

導入背景

運送の基本情報

運送の特徴

中心地

NPO法人グループ28問合せ:090-7196-4932

公共交通空白地有償運送関東地方群馬県桐生市人口:112,032人 平成31(2019)年1月1日現在

運行開始時期 平成17(2005)年3月15日

運行形態 区域型(運行区域を設定)

使用車両 団体所有1台、持込7台

運送対価 距離制:100円/km

運送対価以外の対価待機料金:200円/15分介助料金:250円/15分 など

ドライバー数(免許) 10名(二種2名、一種8名)

(c)Esri Japan

桐生市

実施エリア:黒保根町地区東町地区(みどり市)

・桐生市黒保根町地区並びにみどり市東町地区を拠点とし、行政区を越えて、広域的な利用者ニ-ズに応じて運行。・日常生活で移動支援を必要とする住民に対し、通院、買い物などきめ細かく個別ニ-ズに対応している。・サービス利用についてのチラシの配布、利用券の交付などにより、周知と利用促進を行っている。

・平成15年当時、法人が所在する過疎地域において、特に高齢者の移動手段については、表面化しないながらも大きな課題となっていた。スタッフ自らボランティアで始めた移動サ-ビスを、正式に過疎地有償運送(当時)として県内では初めて登録を受け、運送を開始した。

・開始当初はスタッフ自らの自家用車、保険、ガソリン代などを工面して赤字覚悟で実施していたが、実績を積み重ねた結果、現在では、桐生市、みどり市からの支援を受けながら、「地域の便利な足」として利用者に認知されている。

・年間利用者数は1,600人程度(平成31年1月~令和元年12月)、月平均130人前後。・主要な目的地は通院が8割、その他買い物、役所、金融機関、郵便局など。具体的には、黒保根町の水沼診療所、東町の花輪診療所。町外では、厚生総合病院・恵愛堂病院・協立診療所(桐生市)、東邦病院・アイダ痛みのクリニック・みどり病院(みどり市)など。買い物は、フジマ-ト・ベイシア・さくらも-る・セキチュ-(みどり市)、ヤオコ-(桐生市)など。

・主な利用者は、大部分が高齢者(70代~90代)。

きりゅうし

15.NPO法人グループ28(群馬県桐生市)

移動手段の拡充モデル

き り ゅ う し

中心地

桐生市

みどり市

中心地

東町地区

黒保根町地区

29

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運行状況

導入背景

運送の基本情報

運送の特徴

社会福祉法人小鹿野町社会福祉協議会問合せ:0494-75-4181

福祉有償運送関東地方埼玉県秩父郡小鹿野町人口:11,687人 平成31(2019)年1月1日現在

運行開始時期 平成19(2007)年1月18日

運行形態 区域型(運行区域を設定)

使用車両 団体所有4台

運送対価距離制:3km未満300円、

3~10km未満500円、30km未満1,000円など

運送対価以外の対価待機料金:200円/10分時間外料金:300円/回 など

ドライバー数(免許) 22名(二種3名、一種19名)

(c)Esri Japan

小鹿野町

実施エリア:小鹿野町全域

・要介護者、身体障がい者等、単独移動が困難な住民を対象に、通院、買い物、通所等による移動の利便を図る「ハッピー・パートナー」。・主な移送範囲は、町内および秩父郡市内(県内も可能)とし、発着地のどちらかが町内の場合に利用可能。

・導入のきっかけとして、 「バスやタクシーなどの既存の公共交通だけでは、充分な移動手段を確保できなくなった」、「高齢化等により、地域で移動手段の確保に困る人が増加した」 、 「ドア・ツー・ドアでないと移動できない人が増加した」などが挙げられる。

・ニーズの把握は、個別意見の聴取により行った。・合意形成にあたっては、秩父地区の福祉有償運送運営協議会が設立されて最初の申請だったため、町と協議して進めた。

・年間利用者数は、2,600人程度。・主な利用者は、要介護者、身体障がい者など。・主要な目的地は、町内や秩父市の医療機関(中央病院、診療所、歯科、眼科など)、町内のスーパー、商店、郵便局など。

ちちぶぐん おがのまち

16.社会福祉法人小鹿野町社会福祉協議会(埼玉県小鹿野町)

移動手段の拡充モデル

お が の ま ち

皆野町

秩父市

横瀬町

東秩父村

長瀞町

みなのまち

ながとろまち

よこぜまち

中心地

(※発着地のどちらかが町内の場合、県内利用可能。)

30

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実施エリア:富山地域、富浦地域、丸山地域、和田地域

運行状況

導入背景

運送の基本情報

運送の特徴

中心地 観光地

南房総市問合せ:0470-33-1001

市町村運営有償運送(交通空白)関東地方千葉県南房総市人口:38,401人 平成31(2019)年1月1日現在

運行開始時期 昭和59(1984)年11月1日

運行形態 路線・区域型(運行ルート・区域をともに設定)

使用車両 団体所有4台

運送対価 均一制:200円/回

運送対価以外の対価 特になし

ドライバー数(免許) 7名(二種7名、一種0名)

・市内の民間路線バスによりカバーされていない地域を運行する市営バス。民間バス事業者に運行委託。・平日の病院利用、休日の観光利用など、平日と休日の需要の違いを意識したダイヤ編成や、スクールバスとの混乗運行により、利便性向上や効率化を図っている。・また、市内の公共交通を事業者横断的に掲載した「南房総市公共交通マップ」を作成し、周知している。

・導入のきっかけとして、 「既存の公共交通では、充分な移動手段を確保できなくなった」 、「居住者の大部分が日常的な移動手段として自家用車を利用」、「買物や通院は離れた所にある店舗や病院を利用する必要がある」などが挙げられる。

・民間事業者が運行していた路線が廃止することに伴い、廃止代替路線として運行を開始した。・ニーズの把握は、居住者などを対象としたヒアリングや、ワークショップ、意見交換会などの開催により行った。・和田地域では、路線バスとスクールバスの運行経路が競合することになったため、合理的な運行としてスクール混乗化を導入した。

・年間利用者数は、4路線で11,600人程度・主要な目的地は、富山線は「富山国保病院」、「伊予ヶ岳(登山)」など、富浦線は「原診療所」、「大房岬自然公園」、「道の駅」など、丸山線・北三原線は「千歳駅」、「南三原駅」など

・主な利用者は、沿線住民の高齢者と観光客の利用が多い傾向。

みなみぼうそうし

17.南房総市(千葉県南房総市)

事業者との役割分担モデル

みなみぼうそうし

富山地域

富浦地域丸山地域

和田地域

南房総市

31

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運行状況

導入背景

運送の基本情報

運送の特徴

NPO法人わだち問合せ:0439-67-2203

公共交通空白地有償運送福祉有償運送

関東地方千葉県富津市人口:44,798人 平成31(2019)年1月1日現在

運行開始時期 平成24(2012)年2月1日

運行形態 路線・区域型(運行ルート・区域をともに設定)

使用車両 団体所有2台、持込2台

運送対価初乗り600円(30分・3km)+超過分(100円/km+250円/15分)

運送対価以外の対価 特になし

ドライバー数(免許) 4名(二種0名、一種4名)

・竹岡地区の住民が対象の「ぷちバスわだち」と、移動困難者が対象の福祉有償運送の2種のサービスを実施。・住民との定期的なワークショップの開催やアンケートの実施、行政との打合せを通じ、利用者確保や継続的な運行を図っている。

・介護事業に携わる中、通院もままならない・自分で買い物にも行けない移動困難な高齢者が増え、引きこもり状態を引き起こしていることを危惧していた。家族の休みを待たずに、安価で外出できないかと思い、福祉有償を始めた。しかし、人員にも台数にも限りがある中、福祉有償では基本的に複数人を乗せることができないことと、介護認定もしくは障がい者の認定がないと会員になれないことから、地域の住民を多く運べる手段を求め、公共交通空白地有償運送に至った。

・ニーズの把握は、居住者へのアンケートやヒアリング、ワークショップや意見交換会の開催、個別意見の聴取により行った。

・主要な目的地は「病院・診療所」、「スーパー・店舗」、「金融機関・郵便局」など*福祉有償運送…君津中央病院(木更津市)、君津中央病院大佐和分院(富津市大貫)、原田医院(富津市湊)、*公共交通空白地有償運送…スーパー吉田屋(富津市湊)、原田医院(富津市湊)、上総湊駅

ふっつし

18.NPO法人わだち(千葉県富津市)

移動手段の拡充モデル

ふ っ つ し

実施エリア 公共交通空白地有償運送:富津市竹岡地区~上総湊のルート福祉有償運送 :富津市全域

(c)Esri Japan富津市

福祉有償運送

公共交通空白地有償運送

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運行状況

導入背景

運送の基本情報

運送の特徴

武蔵野市問合せ:0422-60-1940

市町村運営有償運送(福祉)関東地方東京都武蔵野市人口:146,399人 平成31(2019)年1月1日現在

運行開始時期 平成12(2000)年10月1日

運行形態 区域型(運行区域を設定)

使用車両 市所有9台

運送対価 時間制(800円/30分)

運送対価以外の対価 特になし

ドライバー数(免許) 43名(二種0名、一種43名) 実施エリア:武蔵野市全域

・平成12年10月、地域のボランティア(運行協力員)として、米屋や酒屋などの商店主の協力を得て開始。・車両は軽自動車を使用し、その形状・色・メッセージ性から「レモンキャブ」と名付け、市民から親しまれている。・個別のニーズに対応するドア・ツー・ドアの移送サービスを市民の共助の取組みとして実施しており、レモンキャブ事業を通じて地域の結びつきを深め、地域の福祉力向上に寄与している。

・導入のきっかけは、商店主の方から「空いている時間を利用して、高齢者の外出のお手伝いをすることができないか」との提案があったこと。平成11年2月に「新たな移送サービス事業研究会」を発足させ、地域のボランティアの柔軟な取組みによる高齢者・障がい者を対象とした新たな移送サービスの在り方について検討を行った。

・平成12年3月からモデル事業を実施。この中で運行協力員や利用者にアンケート調査を行い、利用料金や運行時間などのニーズを把握するとともに、組織体制の整備などを行った。

・登録会員数904名、総利用件数18,941件、運行日数292日(平成30年度実績)。・主要な目的地は、「病院・診療所」、「福祉施設」など。・利用者からは、「同じ地域に住む顔なじみの方の運転で、車いすでも安心して外出できる」などと大変喜ばれている。

むさしのし

19.武蔵野市(東京都武蔵野市)

地域資源活用モデル

む さ し の し

武蔵野市

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・外出困難者の生活の利便性を高めることで、閉じこもり防止、生きがい増進を図るとともに、地域の結びつきを深め、地域の福祉力をあげることを目標としている。

・利用者と運転者をともに会員制として、会員相互の助け合いという位置づけで事業を実施している。

・コミュニティバス(ムーバス)と寝台型タクシー事業(つながり)の間を埋めるサービス。

・サービスの利用範囲は、市内と隣接市・区(三鷹市、小金井市、西東京市、練馬区、杉並区)。

概要と特徴

・スロープ型が8台、シートリフト型が1台。

・小型車を使用しているので、自宅玄関まで迎えに行くことが出来る。(武蔵野市は住宅地が多いため、玄関先まで行けることが重要)

使用車両

・事業主体は武蔵野市で、武蔵野市民社会福祉協議会に委託している。

・運行管理者と運行協力員(ドライバー)は、ともにボランティアで、市に登録している。

・運行管理者は、商売をしている人が兼業で行っている(これまでの経緯から、米穀店が多い)。

・運行協力員の職業は、サラリーマンの方(土曜日に運転)、子育て後のお母さん、消防団の方など様々。

・運行協力員の平均年齢は58.8歳。(最年長は74歳、一番若い人は30歳)

関係者(ドライバー等)の詳細

経緯

・歩行困難で、一人ではタクシーに乗ることができない場合でも、車いすのまま乗車できるので、大変にありがたい。

・同じ地域に住む顔馴染みの運転手さんなので、安心して利用できる。

利用者の声

・担い手の確保に苦労している。(運行管理者、運行協力員とも)

計画の検討・協議

実施

今後の予定、課題

ニーズの把握

行ったこと

・実施エリアの居住者などを対象として、ワークショップや意見交換会などを実施。

・「武蔵野市新たな移送サービス事業研究会」で検討、協議した。

・この研究会は、市、(社福)武蔵野市民社会福祉協議会、(社福)武蔵野、(財)武蔵野市福祉公社、武蔵野警察署、武蔵野市米穀小売商組合等で構成。

・平成11年12月に「武蔵野市新たな移送サービス事業研究会」会議の終了。最終報告書を提出。

・平成12年3月から半年間、モデル事業を実施。平成12年10月から本格実施。

・平成12年(モデル事業)の時には、利用登録118名(車両5台)だったが、平成30年には、利用登録904名(車両9台)に増加している。

・3年に1回、自家用有償旅客運送の登録の更新があるため、武蔵野市地域交通活性化協議会で、関係者と調整している。

苦労・工夫したこと

検討開始

・米穀店の店主から、「配達先で買い物を頼まれたり、近くまで乗せて欲しいなどの依頼が多く、移送サービスを立ち上げてはどうか。手の空く時間を有効に使って地域の役に立ちたい」との申し入れを受けた。

・それをきっかけに、平成11年2月に「武蔵野市新たな移送サービス事業研究会」を設置した。

・自家用有償旅客運送の利便性向上・効率化に工夫していることとして、以下の2つを実施。①毎月、運行管理者会議を実施し、現場の状況や情報共有に努めている。②利用者向けと運転協力員向けに毎月会報を発行し、利用時の注意事項や連絡などを伝達。

・利用者確保や継続的な運行に向けて工夫していることとして、市民社協の社協だよりに年に一回特集記事を発行し、広報に努めている。

・利用者へのアンケート調査を近年は行っていないが、利用者は意見があると運転手に直接言い、それを運行管理者会議で共有している。

・レモンキャブの取組みは、地域の相互の助け合いとして、顔の見える関係の中で取り組んでいることが大きな特徴。外出の困難な方をつなぐ架け橋となるように、みなさんが頑張っている。

関係者の声

・収入合計は3,849万円、費用合計は3,757万円。・運転者の人件費としては、800円/30分の利用者の対価が、そのままドライバーにわたる。

収支状況等

19.武蔵野市(東京都武蔵野市)【詳細】む さ し の し

※検討開始から計画検討終了まで約11か月、協議(報告書完成からモデル事業開始の前まで)約3か月。

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運行状況

導入背景

運送の基本情報

運送の特徴

中心地

社会福祉法人 悠々会問合せ:042-737-7288

公共交通空白地有償運送

運行開始年 令和元年12月3日

運行形態 区域型(運行区域を設定)

使用車両 団体所有2台

運送対価 会費制:年間500円

運送以外の対価 特になし

ドライバー数(免許) 2名(二種0名、一種2名)

実施エリア:鶴川団地(町田市鶴川2丁目、5丁目、6丁目地内)

・東京都町田市鶴川団地において、買い物などのお出掛けに困っている高齢者を対象とした送迎サービスを実施。

・グリーンスローモビリティの、自家用有償旅客運送による全国初の本格事業開始。

※グリーンスローモビリティ:電動で、時速20km未満で公道を走ることが可能な4人乗り以上のパブリックモビリティ。

・買い物支援により、鶴川団地センター商店街や地域の施設の活性化を図り、鶴川団地の再生につなげることを目的とする。・移動手段を常設することにより、高齢者自ら買い物をすることで引きこもりを抑制し、併せて高齢者の免許返納を促す。・「鶴川団地地域支え合い連絡会」が中心となり「鶴川地区協議会」、「鶴川団地センター名店街」、「鶴川第二高齢者支援センター」などの地域団体にて運営し、UR都市機構とも連携して取り組んでいる。

・利用対象者は、団地に居住する高齢者10名程度。 ・週2回運行。・利用方法は、電話による予約。

関東地方東京都町田市人口:428,685人 平成31(2019)年1月現在

移動手段の拡充モデル 技術活用あり

20.社会福祉法人 悠々会(東京都町田市)ゆ うゆう かい

町田市

鶴川団地

ま ち だ し

まちだし

(c)Esri Japan

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・町田市で高齢者福祉施設を運営している社会福祉法人が、買い物などの外出支援を通じた地域貢献活動として実施。

・市内の鶴川団地で、エレベーターの無いアパートに住む高齢者の外出機会の減少による社会からの孤立、身体機能の衰えが問題化していたことを背景に、高齢者を孤立させないことを主目的として取組みを開始。

・ほかにも、団地内の商店街を行先とすることによる商店街の活性化、外出手段を用意することによる免許返納の促進、電動カートの利用による環境負荷の軽減を目指している。

概要と特徴

・車種:電動カート・定員:4人乗り・特徴:電気自動車。充電設備は、

主な行先となる商店街の負担で設置。

使用車両

・ドライバーの年齢層は、50~70歳代。福祉関係の職業の方が中心。

・運転だけでなく、乗降場所~利用者の自宅の荷物運搬の補助をすることもある。

関係者(ドライバー等)の詳細

経緯

・現在は介護保険制度における要支援認定を受けた方を対象としているが、会員登録後要介護認定となり、対象者から外れてしまうことがある。対象者の見直しなどを図り、外出のニーズを持つ方と運送サービスとのマッチングを改善していきたい。

計画の検討

(約1年)

実施

今後の予定、課題

ニーズの把握

(約3ヶ月)

協議(約半年)

行ったこと

・鶴川団地の住民へのアンケートと、自治会長や民生委員へのヒアリングを実施。

・アンケートにより日常生活で困っていることを質問したところ、1人では外出や買い物がしづらく、支援が必要という意見が多く寄せられた。

・町田市の地域活動支援制度「町田まるごと大作戦18-20」に、提案を応募し採択されたため、本格的な検討を開始した。

・鶴川団地で定期的に関係者会議を開催し、外出支援の方法、対象者、利用者の受付体制を検討した。

・町田市の地域公共交通会議で協議し、バス・タクシー事業者など、市内の交通関係者の同意を得た。

・国土交通省、警視庁、軽自動車協会と、運行の安全性や車両のナンバープレートの取得に関する協議を行った。

・令和元年12月3日、運行開始。・現在、週に1回、鶴川2・5・6丁目団地~鶴川団地センター名店街を運行。

・利用登録者は10名、利用者は1回につき2~3名程度。

苦労・工夫したこと

検討開始

・平成30年、高齢者の外出支援活動について、検討を開始。

・電動カートは輸入車であり、国内での公道走行の前例が無く、ナンバープレートの取得手続きに時間を要した。

・開始後もドライバー養成講座を開催し、運行の担い手の確保を図っている。興味を持ってもらえた方が、新たにドライバーとなっている。

・電動カートは自転車並みの速度で走り、オープンカーでもあるため、団地を走るだけでなく、乗客と歩行者とのコミュニケーションがとれることが特徴。顔見知りの人とすれ違った時に挨拶や会話が生まれ、街が明るく楽しくなっている印象がある。

・現在の対象者は要支援認定を受けた高齢者であるが、子どもや近隣の大学の学生など、多くの世代の人々を巻き込み、地域を明るく活性化していければと考えている。

関係者の声・町田市の地域活動の支援制度「町田まるごと大作戦18-20」の補助金のほか、利用者からの会費と、広告の掲出費で運行費用を賄っている。

収支状況等

20.社会福祉法人 悠々会(東京都町田市)【詳細】ま ち だ しゆうゆうかい

出発式(令和元年10月28日)36

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運行状況

導入背景

運送の基本情報

運送の特徴

中心地

公益社団法人北汲沢地域総合福祉活動委員会問合せ:045-871-4350

福祉有償運送関東地方神奈川県横浜市人口:3,745,796人 平成31(2019)年1月1日現在

運行開始時期 平成23(2011)年7月12日

運行形態 区域型(運行区域を設定)

使用車両 持込10台

運送対価距離制:300円/2km以内

以降100円/1km

運送対価以外の対価 待機料金:150円/30分

ドライバー数(免許) 10名(二種1名、一種9名)

(c)Esri Japan

横浜市

実施エリア:戸塚区北汲沢地区(汲沢5~8丁目)

・住民が主体となり設立した社団法人が運営する運送。・戸塚区北汲沢地区は坂道が多く、区内でも高齢化率が比較的高く、鉄道駅やバス停が遠い住民も多かったことを背景に、サービスを開始。・月1回、ドライバーの意見などを聞く場を設けているほか、広報誌や説明会等でのPRを通じ、利用者を募っている。

・導入のきっかけとして、 「高齢化により、地域で移動手段の確保に困る人が増加した」、「地域内で生活に必要な店舗が減少した」、「ドア・ツー・ドアでないと移動できない人が増加した」などが挙げられる。

・ニーズの把握は、居住者等へのアンケートの実施、個別意見の聴取により行った。・3年かけて一般社団法人を立ち上げ、国土交通省、横浜市の許可をとり、正式運用を開始した。その後、県から公益社団法人の許可を取得。公益社団法人による福祉有償運送は珍しく、自治体などからの説明依頼も多い。

・年間利用者数は、2,000人程度。・主要な目的地は、「病院・診療所」、「福祉施設」、「スーパー・店舗」、「公共施設」、「公共交通機関の駅や停留所」、「金融機関・郵便局」など。

・主な利用者は、60代から90代の高齢者。

よこはまし

21.公益社団法人北汲沢地域総合福祉活動委員会(神奈川県横浜市)

住民主導モデル

よ こ は ま しきたぐみさわ

広報誌「ねむのき」

北汲沢地区

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・当初はボランティアで輸送を行っていたが、有償運送を可能にするため、法人格を取得した。

・公益社団法人を選択した理由は、NPOの対象は不特定多数であるが、公益社団法人は地域の狭い部分のニーズに合わせて活動が可能なため。

・地域の住民にアンケートを実施して考え方をまとめた際、送迎要望が多かったため、運行の開始に至った。

概要と特徴

・ドライバー保有の持込車両・車種:セダン・定員:4人乗り

使用車両

・ドライバーは、男性7人、女性3人。・ドライバーの年齢層は、男性は1人が80代のほか、ほぼ70代が占める。女性は50代と60代。

・女性のうち、2人はアルバイト(民生委員)とパートを兼業している。

関係者(ドライバー等)の詳細

経緯

・ありがたいという声を受ける。

利用者の声

・後任への引き継ぎが課題。いつどのような形で引き継ぐか、人との関係が重要であるためで考えていかなければならない。

・公益社団法人という形態をとっているため、取組みを広げていくべきなのではないかという考えと、地域に特化した範囲でサービス提供したいという要望のギャップにどのように対応するかが課題。

計画の検討・協議

実施

今後の予定、課題

ニーズの把握

(約2ヶ月)

(約2ヶ月)

行ったこと

・住民約2,000名(地域の連合に加入している世帯数)を対象にアンケート調査を2回実施。(約2ヶ月)

・日常的に、民生委員が毎月高齢者に意見を聞いている。(現在まで継続的に実施中)600人から800人程度が対象。

・国土交通省や横浜市の移動サービス協議会と協議を各1回実施。

・運営協議会を1回実施。

・平成23年7月12日、運行開始。・現在まで、利用者は約2,000人/年で推移。

苦労・工夫したこと

・アンケートを100パーセント回収することは難しい。

・回収率の低い地域には、督促を行った。

検討開始

・平成10年に地域のボランティアとして取組みを開始し、平成16年まで続いたが、有償運送を可能にするため、法人格を取得した。

・担い手が少なく、募集してもなかなか集まらない。

・日常的に利用者の意見を聞くようにしている。

・若手の担い手を増やして、持続的に取組みを続けていけるようにしたい。

関係者の声

・運行に係る費用は、「対価」、「会費(年会費制)」、「行政等からの補助」、「寄付金・協賛金」で賄う。

・行政からの補助はほとんどなく、共同募金会からのみ。

収支状況等

21.公益社団法人北汲沢地域総合福祉活動委員会(神奈川県横浜市)【詳細】きたぐみさわ よ こ は ま し

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中心地

運行状況

導入背景

運送の基本情報

運送の特徴

社会福祉法人八ヶ岳名水会問合せ:0551-32-0035

福祉有償運送関東地方山梨県北杜市人口:47,117人 平成31(2019)年1月1日現在

運行開始時期 平成18(2006)年9月5日

運行形態 区域型(運行区域を設定)

使用車両 団体所有23台

運送対価30分以下800円(北杜・韮崎市の場合)

運送対価以外の対価 迎車加算:400円(北杜市の場合)

ドライバー数(免許) 69名(二種0名、一種69名)

(c)Esri Japan

北杜市

実施エリア:北杜市、韮崎市、甲府市、甲斐市、南アルプス市、中央市、昭和町の各全域

・地域の障がい者の、日常生活における移動手段の確保のために開始した。・障がいの特性に対応できるよう、車いす移動車などを完備している。・運送時刻や運送場所などについて、ニーズに応じたきめ細かいサービスを提供している。

・北杜市とその周辺は過疎化が顕著で、市民バスの運行も1日数本しかないなど、公共交通網が十分に整備されていなかった。その影響を強く受けたのは障がい者であり、障がい者の社会参加を保障するために、きめ細かい運送サービスが求められるようになった。

・福祉有償運送は、当時の山梨県内では初めての試みであるため、開始にあたり山梨県内の他の社会福祉法人とも連携し、「やまなし障害者移送ネットワーク」を創設した。

・外部講師を招き、福祉有償運送運転者代替講習を年1~2回開催し、安全で安心な移動サービスの実現に努めている。

・年間利用者数は、延べ1,000人程度。・主要な目的地は、北杜市立甲陽病院(北杜市)、大泉中央診療所(北杜市)、富士見高原病院(長野県諏訪郡富士見町)、韮崎東ケ丘病院(韮崎市)、山梨県立北病院(韮崎市)、オギノ長坂店(北杜市)、ラザウォーク甲斐双葉(甲斐市)、韮崎市立大村記念図書館(韮崎市)など。

・主な利用者は、北杜市や韮崎市内に住む知的・精神・身体障がい者。

ほくとし

22.社会福祉法人八ヶ岳名水会(山梨県北杜市)

韮崎市 (甲斐市・甲府市・昭和町・中央町)

南アルプス市

移動手段の拡充モデル

ほ く と しや つ が た け め い す い か い

北杜市立甲陽病院

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運行状況

導入背景

運送の基本情報

運送の特徴

中心地

新発田市 市民まちづくり支援課問合せ:0254-22-3030(代表)

市町村運営有償運送(交通空白)北陸信越地方

新潟県新発田市人口:97,997人 平成31(2019)年1月1日現在

運行開始時期 平成18(2006)年10月1日

運行形態 路線型(運行ルートを設定)

使用車両 団体所有7台

運送対価均一制:100円/回、菅谷・加治地区~市街地は100円加算

運送対価以外の対価 特になし

ドライバー数(免許) 12名(二種11名、一種1名)実施エリア:菅谷・加治地区、川東地区の一部、市街地の一部

・民間事業者の路線バスが廃止される可能性が高まったことを背景に、路線バスと別途事業者に委託していたスクールバスを一体的に捉え、効率的な運行に見直した運送。・地元事業者からのバス車両への広告掲出により、財源確保に努めているほか、事前予約した場合のみ経由するルートの設定により、運行の効率化を図っている。

・導入のきっかけとして、「当該地区を運行する路線バスの廃止の可能性が高まった」、「地区内に歩いて行ける店舗等の生活施設が少ない」、「通院は日常的に遠くの病院を利用する必要がある」などが挙げられる。

・ニーズの把握は、居住者などへのアンケートの実施、ワークショップや意見交換会の開催により行った。・料金が区間制から均一制に変わることで、各利用区間の値下げ額に差があることに地域から不満の声があったが、当時の区長が、額は違うが値下げされることには変わりないと、住民を説得した。

・合意形成にあっては、許認可手続きにおけるバス事業者との調整を要した。

・地元で設立されたNPO法人七葉へ運行業務を委託している。・年間利用者数は58,000人程度、主な利用者は菅谷・加治地区の高齢者、高校生。・主要な目的地は「JR新発田駅」、「新潟県立新発田病院」、「新発田高校、新発田商業高校、新発田農業高校、新発田南高校、西新発田高校、新発田中央高校」など。

しばたし

23.新発田市(新潟県新発田市)

収支改善モデル

し ば た し

40

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運行状況

導入背景

運送の基本情報

運送の特徴

NPO法人上庄谷地域協議会問合せ:070-2687-8060

公共交通空白地有償運送北陸信越地方

富山県氷見市人口:47,535人 平成31(2019)年1月1日現在

運行開始時期 平成28(2016)年10月1日

運行形態 路線型(運行ルートを設定)

使用車両 団体所有6台

運送対価年会費制:世帯ごとに2,000円加えて利用者は定期券か回数券を購入

運送対価以外の対価 特になし

ドライバー数(免許) 13名(二種1名、一種12名)

(c)Esri Japan

氷見市

実施エリア:久目地域、速川地域、熊無地域、上庄地域

・中山間地域と市中心部を結ぶ、会員制のバス。・収支の見通しの明確化を目的に年会費制を導入しており、会費を納入することで1年間バスを利用できる。・各地域の代表者が法人の理事となり、利用促進の呼びかけを行っているほか、市との日常的な連携の強化を図っている。

・導入のきっかけとして、「民間事業者による路線バスが廃止された」、 「高齢化により、地域で移動手段の確保に困る人が増加した」 、「地域内で生活に必要な店舗が減少した」などが挙げられる。

・ニーズの把握は、居住者などへのアンケートの実施により行った。・合意形成にあたっては、運行ルートの設定、料金の設定、運行時刻の設定に苦労した。・運行が地域全体の活性化に不可欠との認識の下、利用回数の有無に関わらず、一律で年2,000円/世帯の会費を設定した。

・年間利用者数は、24,000人程度。・主要な目的地は、市街地の「病院・診療所」、「スーパー・店舗」、「高校」など。・主な利用者は、高齢者や高校生。

ひみし

24.NPO法人上庄谷地域協議会(富山県氷見市)

移動手段の拡充モデル

かみしょうだに ひ み し

中心地

久目地域

速川地域

熊無地域上庄地域

<路線図>

41

Page 35: 2.自家用有償旅客運送事例 - MLIT · 語に対応した資料(どこからど こに行くのかなど)」を用意し て欲しい、という要望がある。 しかし、なかなか対応できず苦

運行状況

導入背景

運送の基本情報

運送の特徴

中心地:

NPO法人小勢地区活性化協議会問合せ:0766-31-1527

公共交通空白地有償運送北陸信越地方

富山県高岡市人口:171,984人 平成31(2019)年1月1日現在

運行開始時期 平成21(2009)年8月1日

運行形態 路線型(運行ルートを設定)

使用車両 団体所有1台

運送対価 年会費制:1世帯3,000円/年

運送対価以外の対価 特になし

ドライバー数(免許) 13名(二種0名、一種13名)(c)Esri Japan

高岡市

実施エリア:小勢地区、福岡町、戸出町

・公共交通空白地域であった小勢地区などで、生活の足を確保するために、地域住民が主体的に運行する「地域バス」。・市から車両の無償貸与を受け運行している。・年会費制を導入しており、1世帯あたり年間3,000円の納入により、1年間バスを利用できる。

・導入のきっかけとして、「高齢化等により、地域で移動手段の確保に困る人が増加した」、「地域で生活に必要な店舗が減少した」などが挙げられる。

・ニーズの把握は、居住者などへのヒアリングにより行った。

・年間利用者数は、1,500人程度。・主要な目的地は、「西高岡駅(市内)」、「小勢公民館(地区内)」、「スーパー・店舗」など。・主に、地区内の高齢者や学生が利用している。・年会費3,000円/世帯にもかかわらず、住民が事業の趣旨を理解し、苦情ひとつないことが運行の継続につながっている。

たかおかし

25.NPO法人小勢地区活性化協議会(富山県高岡市)お ぜ た か お か し

小勢地区

戸出町

福岡町

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住民主導モデル