第4回 pc 合同研究会 - 一般社団法人 建設コンサルタン … 210040 42 0 3 9 18...

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第4回 PC 合同研究会 PC 橋梁設計の品質向上に関する報告」 平成24年11月 (社)プレストレスト・コンクリート建設業協会

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第4回 PC 合同研究会

「PC 橋梁設計の品質向上に関する報告」

平成24年11月

( 一 社 ) 建 設 コ ン サ ル タ ン ツ 協 会

九 州 支 部

( 社 ) プ レ ス ト レ ス ト ・ コ ン ク リ ー ト 建 設 業 協 会

九 州 支 部

はじめに

(一社)建設コンサルタンツ協会九州支部と(社)プレストレスト・コンクリート建設業協会九州支

部は、良質なPC技術を構築することを目的として平成15年10月に『合同研究会』を発足し、

今回で第4回目合同研究会となります。

本報告書は、コンサルタント業務のPC橋梁設計における不具合の発生防止を目的とし、PC

橋梁の設計成果に対する品質向上の1つの指標となると考えています。

PC建協の協力のもと、工事見学や資料提供を頂き、コンサルタント協会員が中心となり、まと

めています。

報告書の特徴は

①設計業務における不具合事例、内容、発生原因・頻度などをまとめています。

②発生事例の多い不具合や影響度の高い不具合など、代表的な事例を紹介しています。

③設計者の観点だけでなく、施工者から製作や施工の観点から対策(案)を紹介しております。

④不具合の発生事例をもとにしたチェックシート、補修補強に対する照査要領を作成しております。

なお、記述している事例などについては、道路橋示方書(H14.3)に準拠した内容を記載しており

ますので取り扱いにはご注意下さい。加えて、記載している対処方法などは一事例を示しておりま

すので、採用については留意下さい。

本報告書は、建設コンサルタンツ協会のホームページの中に載せていますので、是非ご活用下さ

い。 後に、平成 22 年 10 月から平成 24 年 11 月の長きにわたり、報告書の作成に携わっていた

ただいた建設コンサルタンツ協会の皆様やプレストレスト・コンクリート建設業協会の皆様にお礼

申し上げます。

報告書編成委員

氏 名 所 属  氏 名 所 属

中村 雄一郎 PC建設業協会九州支部委員会 竹村 太佐 八千代エンジニヤリング(株) 九州支店

田中 政章 PC建設業協会九州支部委員会 藤野 真也 大日本コンサルタント(株) 九州支社

宮原 裕二 PC建設業協会九州支部委員会 川平 英史 新日本技研(株) 福岡支店

二宮 雄司 建設コンサルタンツ協会九州支部道路委員会 吉村  徹 オリエンタル白石(株) 福岡支店

西村 一朗 建設コンサルタンツ協会九州支部道路委員会 吉村 広治 コーアツ工業(株) 福岡支店

勝谷 康之 建設コンサルタンツ協会九州支部道路委員会 井口 浩行 (株)富士ピーエス 土木本部

橋本 努 パシフィックコンサルタンツ(株) 九州支社 堤 博 中央コンサルタンツ(株) 福岡支店

福田 周吾 (株)橋梁コンンサルタント 福岡支社 大森 貴行 (株)オリエンタルコンサルタンツ 九州支店

大海 輝伸 九州建設コンンサルタント(株) 畑 秀明 (株)千代田コンサルタント西日本事業部

片岡 智宏 (株)ピーエス三菱 九州支店 田中 誠一郎 (株)長大 福岡支社

桒野 勝哉 極東興和(株) 福岡支店 溝部 聡 (株)綜合技術コンサルタント

福田 健作 川田建設(株) 九州支店 中原  晋 (株)安部日鋼工業 九州支店

宮崎 賢太郎 ピーシー橋梁(株) 九州支店 河口 慎也 (株)日本ピーエス 福岡支店

井上 英二 三井住友建設(株) 九州支店

建コン協ワーキング幹事

PC建協ワーキング幹事

ワ|キング③

ワ|キング①

ワ|キング②

PC建協幹事

建コン幹事

目 次

第1章 WG1:プレキャスト桁における設計照査 ・・・・・・ 1 - 1

1.不具合事例に関するアンケート結果と分析 ・・・・・・ 1 2

2.不具合事例の紹介 ・・・・・・ 1 8

END 1 36

第2章 WG2:場所打ち桁における設計照査 ・・・・・・ 2 - 1

1.不具合事例に関するアンケート結果と分析 ・・・・・・ 2 2

2.不具合事例の紹介 ・・・・・・ 2 8

END 2 25

第2章 WG3:補修補強における設計照査 ・・・・・・ 3 - 1

1.不具合事例に関するアンケート結果と分析 ・・・・・・ 3 3

2.不具合事例の紹介 ・・・・・・ 3 8

3.不具合事例に基づくチェックシート(案) ・・・・・・ 3 18

4.施工要領例の紹介 ・・・・・・

END

3 29

3 33

PC合同研究会

第1章 WG1:プレキャスト桁における設計照査

1-1

§1: 不具合事例に関するアンケート結果と分析

1-2

1.はじめに

本章ではプレテン桁(T桁、ホロー桁)、ポステン桁(T 桁、ホロー桁、コンポ桁)などの『プレキ

ャスト桁』に対して、設計業務に対する不具合について整理し、設計成果の品質向上に向けて、不具

合の予防を目的として取りまとめた。

設計業務の不具合については、表-1.1 に示す7項目に分類して事例収集を行い、表-1.2 に示す

発生頻度および工事に対する影響度についてアンケートを実施した。

表-1.1 不具合事例の分類

不具合事例の分類 ①設計計算のミス

設計計算 ②図面と計算の不整合 ③干渉

④構造細目 ⑤平面変化、勾配への配慮不足 ⑥施工への配慮不足

設計図面

⑦付属物・その他

表-1.2 アンケート項目の定義 アンケート項目の定義

発生頻度 不具合が発生する頻度を(多・中・少) の3段階で評価 大:そのまま施工することが困難であり、

設計変更が必要なミス 中:三者協議および施工承諾が必要であり、

修正設計で対応可能なミス 工事に対する

影響度

小:現場で対応可能なミス

次項以降にアンケート集計結果を示す。集計結果では、不具合事例の分類毎に発生頻度、工事に対

する影響度などの分析を行い、設計照査において注意すべき箇所や段階などが見て取れる結果が得ら

れた。 また、代表的な不具合事例について、発生状況や内容、処置方法、予防策などを紹介しているので、

今後の設計業務に役立てて頂きたい。

1-3

2.収集結果 ミス事例55題の各項目に対して、12票の回答数が得られた。

3.収集結果分類分け

3-1. 集計結果の分析 収集された事例に対する『発生頻度別集計』および『工事に対する影響度別集計』の結果は、以下に示す方法により集計した。 発生頻度、工事に対する影響度の項目、多(大)・中・少(小)に対して、それぞれ重み付け係数として、5点・3点・1点に乗じた値を集計値として算出する。 更に、①~⑦までの項目毎に集計を行い、収集された事例に占める割合を分析した。集計結果一覧を、表-1.3に示す。

  表-1.3 重み付け集計結果一覧

多 中 少 大 中 小 多 中 少 大 中 小×5 ×3 ×1 ×5 ×3 ×1 ×5 ×3 ×1 ×5 ×3 ×1

1 0 0 11 11 1 6 5 28 37 0 1 11 14 3 9 0 42

2 0 0 11 11 3 9 0 42 38 0 1 11 14 1 10 1 36

3 0 1 10 13 3 8 1 40 39 0 0 12 12 1 11 0 38

4 0 6 6 24 1 7 4 30 40 0 4 9 21 1 9 3 35

5 0 2 10 16 1 9 1 33 41 0 1 11 14 1 9 2 34

6 0 2 9 15 2 10 0 40 42 0 3 9 18 0 9 3 30

7 0 1 10 13 2 8 2 36 43 0 4 6 18 2 8 1 35

8 0 4 9 21 3 8 2 41 44 0 2 10 16 1 9 2 34

9 0 2 9 15 2 9 1 38 45 0 3 9 18 3 7 2 38

10 0 2 8 14 1 9 1 33 46 0 3 9 18 1 10 1 36

11 0 2 10 16 0 9 3 30 集計 163 358

12 0 5 8 23 2 5 6 31 47 3 6 2 35 0 5 7 22

集計 192 422 48 3 3 5 29 0 6 6 24

13 0 1 11 14 1 10 1 36 49 0 4 6 18 0 9 2 29

14 0 1 11 14 0 11 1 34 集計 82 75

15 0 1 11 14 0 10 2 32 50 0 4 8 20 1 8 3 32

16 0 0 11 11 3 7 2 38 51 0 3 9 18 5 7 0 46

17 0 2 10 16 0 4 8 20 52 0 3 9 18 5 7 0 46

18 0 8 4 28 0 6 6 24 集計 56 124

集計 97 184 53 0 5 7 22 0 4 8 20

19 3 5 4 34 0 4 8 20 54 0 2 10 16 0 9 3 30

20 4 4 3 35 0 5 7 22 55 0 0 12 12 1 7 4 30

21 1 4 6 23 0 5 7 22 集計 50 80

22 5 3 4 38 0 8 4 28 1094 1736

23 1 6 5 28 0 11 1 34

24 0 7 5 26 0 3 9 18

25 2 6 4 32 0 3 9 18

26 0 3 8 17 0 11 1 34

27 0 4 8 20 0 5 7 22

28 0 4 8 20 2 10 0 40

29 0 3 9 18 0 6 6 24

30 1 4 7 24 0 6 6 24

31 0 5 8 23 0 5 7 22

32 0 5 7 22 4 5 3 38

33 1 3 7 21 1 6 4 27

34 1 7 4 30 0 6 6 24

35 1 2 8 19 0 11 1 34

36 1 4 7 24 3 9 0 42

集計 454 493

<全項目集計>

設計図面

④構造細目

⑤平面変化、勾配への配慮不足

⑥ 施工への配慮不足

⑦付属物その他

設計計算

①設計計算ミス

②図面・計算の不整合

設計図面

③干  渉

No.発生頻度 工事に対する影響度

集計値 集計値 集計値 集計値項 目 No.

発生頻度 工事に対する影響度項 目

1-4

3-2. 発生頻度別集計 収集された事例について、発生頻度別の集計結果を示す。本調査においては、『設計計算のミス』が約17%、『図面と計算の不整合』が約9%、『干渉』が約41%、『構造細目』が約15%、『平面変化、勾配への配慮不足』が約8%、『施工への配慮不足』が約5%、『付属物・その他』が約5%という割合となっている。

①設計計算の

ミス

17.6%

②図面と計算

の不整合

8.9%

③干渉

41.5%

④構造細目

14.9%

⑤平面変化、

勾配への配慮

不足7.5%

⑥施工への配

慮不足

5.1%

⑦付属物・その

4.6%

図-2.1 発生頻度別集計結果

分類 集計値 比率(%)① 設計計算のミス 192 17.6② 図面と計算の不整合 97 8.9③ 干渉 454 41.5④ 構造細目 163 14.9⑤ 平面変化、勾配への配慮不足 82 7.5⑥ 施工への配慮不足 56 5.1⑦ 付属物・その他 50 4.6

合計 1094 100.0

1-5

図-1.1

 3-3. 工事に対する影響度別集計 収集された事例について、工事に対する影響度別の集計結果を示す。本調査においては、『設計計算のミス』が約24%、『図面と計算の不整合』が約11%、『干渉』が約28%、『構造細目』が約21%、『平面変化、勾配への配慮不足』が約4%、『施工への配慮不足』が約7%、『付属物・その他』が約5%という割合となっている。

①設計計算の

ミス

24.3%

②図面と計算

の不整合

10.6%

③干渉

28 4%

④構造細目

20.6%

⑤平面変化、

勾配への配慮

不足4.3%

⑥施工への配

慮不足

7.1%

⑦付属物・そ

の他

4.6%

図-2.2 工事に対する影響度別集計結果

28.4%

分類 集計値 比率(%)① 設計計算のミス 422 24.3② 図面と計算の不整合 184 10.6③ 干渉 493 28.4④ 構造細目 358 20.6⑤ 平面変化、勾配への配慮不足 75 4.3⑥ 施工への配慮不足 124 7.1⑦ 付属物・その他 80 4.6

合計 1736 100.0

1-6

図-1.2

 4. 考察 ミスの発生頻度の集計結果については、『干渉』が も多く41.5%となっており続いて『設計計算のミス』、『構造細目』の順となっている。 また、工事に対する影響度については、『干渉』が も多く28.4%となっており続いて『設計計算のミス』、『構造細目』の順となっている。 頻度、影響度ともに『干渉』が多くなっているのは、鉄筋とPC鋼材の干渉や、落橋防止、台座との干渉など、図面相互の整合を図る必要のあるものについての精査が不足しており、工事段階での修正が発生していること等が理由のひとつと思われる。

1-7

§2:不具合事例の紹介

1-8

WG1・WG2合同アンケート調査

不具合事例の発生頻度および工事への影響度【プレキャスト桁編】  【WG1】

1 張出床版設計において衝突荷重/高欄推力が考慮されていない.または荷重が異なる. 少 中

2 適切なセット量、ロス率および、余裕量を考慮した初期緊張力が設定されていない. 少 中

3 床版の設計において、活荷重曲げモーメントを算出する際、中間横桁間隔が15m以上の場合、単純版の80%となっている. 少 中

4 断面力算出に用いている支承バネ定数が支承計算結果に比べ小さい値となっている. 中 中

5 接合キーのコンクリート埋め込み部の支圧応力度が許容値を超えている. 少 中

6 端部横桁の検討においてずれに対するせん断の検討がされていない. 少 中

7 端支点横桁の横締めPC鋼材位置(横方向)が、主桁定着切り欠き幅となっている. 少 中

8 支承部計算に用いる設計水平震度が他の計算書(下部工計算)と異なっている 少 中

9 張出床版の設計において、版端部の設計曲げモーメントに、活荷重の2倍が考慮されていない. 少 中

10 沖縄県および、離島等のように早強コンクリートが供給されていない地域の橋梁設計において、クリープ係数に早強の数値が使われている. 少 中

11 スターラップ配置区間が計算上必要な区間に有効高さ分を加算した区間となっていない.(シフト理論) 少 中

12 主桁(張出床版)設計に添架物重量(水道管、照明受台など)を考慮していない.または、考慮する位置が違っている. 少 小

13 横締め鋼材の配置間隔及び配置高さが、計算書と異なる. 少 中

14 せん断キー配置高さが、計算書と異なる.(プレキャスト桁;継ぎ目部) 少 中

15 連結鉄筋の埋め込み長が、計算書と異なる(コンポ桁;床版) 少 中

16 主桁形状(ウェブ拡幅延長)が、計算書と異なる. 少 中

17 排水桝設置間隔は流量計算にて決定しているが、計算書と異なる. 少 小

18 斜角等を有し、横締め定着部に切り欠きを設ける場合、設計計算書と図面で設計長が異なる. 中 中

19 端支点横桁、中間横桁及び中間支点横桁において、差し筋と主ケーブルが干渉する. 中 小 ※事例シート 1-3-19 にて詳述

20 端支点横桁及び中間支点横桁において、シースとスターラップが干渉する. 多 小 ※事例シート 1-3-20 にて詳述

21 横締めPC鋼材(定着具)と排水桝が干渉する. 少 小 ※事例シート 1-3-21 にて詳述

22 袴部に配置された主ケーブルが、端部曲げ上げに伴う水平移動時に主桁スターラップと干渉する.(少主桁、コンポ橋) 多 中 ※事例シート 1-3-22 にて詳述

23 支承部アンカーと主ケーブル定着具、横締めPC鋼材、スターラップなどが干渉する. 中 中 ※事例シート 1-3-23 にて詳述

24 主桁PC鋼材用箱抜きと差し筋が干渉する. 中 小 ※事例シート 1-3-24 にて詳述

25 横桁横方向鉄筋と変位制限装置アンカーキャップが干渉する. 中 小 ※事例シート 1-3-25 にて詳述

26 中間横桁(中間支点側)の横締めシースと主ケーブルシースが干渉する. 少 中 ※事例シート 1-3-26 にて詳述

27 地覆カット部の鉄筋を桁天端より70mmにて配置した場合、主ケーブルと干渉する. 少 小 ※事例シート 1-3-27 にて詳述

28 端支点横桁の打ち下ろしと台座コンクリートが、レベル2地震時に干渉する. 少 中 ※事例シート 1-3-28 にて詳述

29 桁端部において、支圧板とシースが干渉する. 少 中 ※事例シート 1-3-29 にて詳述

30 端支点横桁において、鉄筋と落橋防止装置が干渉する. 少 中

31 主桁埋込鉄筋と床版横締め定着が干渉する. 少 小 ※事例シート 1-3-31 にて詳述

32 掛け違い部において、横桁打ち下ろし部と下部工段差部がレベル2地震時に干渉する. 少 中 ※事例シート 1-3-32 にて詳述

33 セグメント目地部の補強鉄筋と主ケーブルが干渉する. 少 中 ※事例シート 1-3-33 にて詳述

34 床版横締め定着切欠きと主桁埋込み鉄筋が干渉する. 中 中 ※事例シート 1-3-34 にて詳述

35 接合キーと主ケーブルが干渉する. 少 中 ※事例シート 1-3-35 にて詳述

36 プレホローにタイプB支承を採用した場合に落橋防止装置と干渉する. 少 中 ※事例シート 1-3-36 にて詳述

37 端支点部の主桁断面形状に伸縮装置切り欠き形状が考慮されていない。また、切り欠き幅が端支点横桁より大きいため、片持ち、連続床版部で設計床版厚が確保できていない. 少 中

38 定着部切り欠きにおいて、グラウトキャップにより定着端のかぶりが確保できない. 少 中

39 伸縮継手装置の切り欠きが考慮されていない.(床版鉄筋や床版横締めに干渉する) 中 中

40 重ね継手長に関する不具合(【継手長不足】、【埋込長不足】、【重ね継手長を細径で算出】、【中間床版部において、主桁上フランジテーパー部を考慮されていない】など) 少 中

41 床版横締め部において、鉄筋のあきが確保されていない. 中 中

42 横締めPC鋼材のグリッド筋の作図漏れがある. 少 小

43 床版横締め定着具のかぶりが、塩害区分ⅡのRC構造の必要かぶり70mmを満足していない. 少 大

44 排水桝の開口部に補強筋が適切に配置されていない. 中 小

45 定着具の縁端距離が確保されていない.(伸縮切欠きも考慮する必要がある) 少 中 ※事例シート 1-4-45 にて詳述

46 連結桁において、排水桝設置位置が連結鉄筋との取り合いを考慮されていない. 少 中

47 張出床版を有するT桁橋において、張出床版差し筋、壁高欄主鉄筋と床版定着具が干渉する. 少 小 ※事例シート 1-5-47 にて詳述

48 横断勾配の急な橋梁で、勾配の影響により、勾配の高い側の地覆(歩車道境界地覆)の高欄アンカーと主桁天端が干渉し、アンカーが設置できない. 少 中 ※事例シート 1-5-48 にて詳述

49 構造中心線上の沓座モルタル(レアー)形状を作図していたが、斜角、横断勾配(排水勾配)の影響を考慮した場合、 小厚t=30mm(施工可能な厚さ)が確保できていなかった. 少 中

50 架設桁架設工法でT桁を架設する際、橋脚はりが小判型であるため門型クレーン設置が困難となる. 中 中

51 張出床版鉄筋の排水桝設置位置による配慮不足がある.(干渉により切断する箇所が生じる) 中 小 ※事例シート 1-6-51 にて詳述

52 プレテン床版の連結鉄筋において、連結部下側鉄筋の施工が困難な場合がある. 少 小 ※事例シート 1-6-52 にて詳述

53 排水管と落橋防止装置(キャップ)が干渉する. 少 中 ※事例シート 1-7-53 にて詳述

54 地覆図面においてVカット目地位置が記載されていない。また、Vカット目地位置に高欄のアンカーが配置されている. 少 中 ※事例シート 1-7-54 にて詳述

55 アンカーボルトの埋込み長が不足している. 少 中 ※事例シート 1-7-55 にて詳述

設 計 図 面

⑦付属物・その他

④構造細目

⑤平面変化、勾配への配慮不足

⑥施工への配慮不足

③干渉

発生頻度工事に対する

影響度

※設計計算 における不具合一覧表にて基準、 参考図書などを紹介。

設 計 計 算

①設計計算のミス

項 目 不 具 合 事 例

②図面と計算の

不整合

備考

1-9

不具合事例箇所略図

張出

床版

中間

横桁

セグ

メン

ト目

排水

壁高

伸縮

継手

装置

導水

舗装

目地

部の

補強

筋と

主ケ

ーブ

ル(W

G1-3-33)

接合

キー

と主

ケー

ブル

干渉

(W

G1-3-35)

打下

しと

台座

コン

干渉

(W

G1-3-28)

掛け

違い

部の

横桁

打下

し(W

G1-3-32)主

ケー

ブル

とス

ター

ラッ

プ干

渉(W

G1-3-22)

主ケ

ーブ

ルと

差し

筋干

渉(W

G1-3-19)

シー

スと

スタ

ーラ

ップ

干渉

(W

G1-3-20)

主ケ

ーブ

ルと

横締

め干

渉(W

G1-3-26)

箱抜

きと

差し

筋干

渉(W

G1-3-24)

変位

制限

装置

と横

桁鉄

筋干

渉(W

G1-3-25)

アン

カー

ボル

トの

埋込

長(W

G1-7-55)

支承

アン

カー

と各

種干

渉(W

G1-3-23)

支承

アン

カー

と落

橋防

止干

渉(W

G1-3-36)

張出

床版

鉄筋

と排

水干

渉(W

G1-6-51)

埋込

鉄筋

と横

締め

定着

干渉

(W

G1-3-31)

 〃

 と

横締

め切

欠き

干渉

(W

G1-3-34)

壁高

欄鉄

筋と

定着

具干

渉(W

G1-5-47)

Vカ

ット

目地

と高

欄ア

ンカ

ー(W

G1-7-54)

高欄

アン

カー

と主

桁干

渉(W

G1-5-48)

排水

管と

落橋

防止

干渉

(W

G1-7-53)

横締

めP

Cと

排水

桝干

渉(W

G1-3-21)

横締

め鋼

材と

鉄筋

干渉

(W

G1-4-41)

定着

部の

かぶ

り(W

G1-4-43)

支圧

板と

シー

ス干

渉(W

G1-3-29)

定着

部縁

短距

離不

足(W

G1-4-45)

※(

)内

は事

例番

号を

示す

1-10

不具合事例【プレキャスト桁編】 

 ①設計計算のミス

発生頻度工事に対する影響度

参考資料

1張出床版設計において衝突荷重/高欄推力が考慮されていない.または荷重が異なる.

少 中・道路橋示方書Ⅲコンクリート橋編 7.4.2床版の設計曲げモーメント・道路橋示方書Ⅰ共通編 5.1 橋梁用防護柵

2適切なセット量、ロス率および、余裕量を考慮した初期緊張力が設定されていない.

少 中・道路橋示方書Ⅰ共通編 2.2.4 プレストレス力・コンクリート道路橋設計便覧4.3 プレストレス力・各定着工法の基準書(セット量)

3

床版の設計において、活荷重曲げモーメントを算出する際、中間横桁間隔が15m以上の場合、単純版の80%となっている.

少 中・道路橋示方書Ⅲコンクリート編 9.2 設計一般・PCコンポ橋の手引き 4.2.4 PC合成床版

4断面力算出に用いている支承バネ定数が支承計算結果に比べ小さい値となっている.

中 中

・設計便覧(案)第3編道路編 第6章 橋梁上部工 第3節 プレストレスコンクリート橋 3-9 連結桁橋(標準)・土木工事設計要領 第3編道路編 第2章 橋梁設計5-6-4 設計・設計要領第2集 8章 コンクリート橋 5-2設計一般※ 終のゴム形状について、設定したバネ定数と近似になっているか検証が必要.

5接合キーのコンクリート埋め込み部の支圧応力度が許容値を超えている.

少 中・道路橋示方書Ⅲコンクリート編 17.3 継目部の設計・コンクリート道路橋設計便覧 21.2.3 接合キーの設計

6端部横桁の検討においてずれに対するせん断の検討がされていない.

少 中

・PC橋の支承部及び落橋防止システムに関する設計資料 8.4 支点横げたの設計例・設計要領第2集 8章 コンクリート橋 2-4-2定着部の設計、2-5 横げたの設計

7端支点横桁の横締めPC鋼材位置(横方向)が、主桁定着切り欠き幅となっている.

少 中・アンカーバーの位置を含めたPC鋼材と取合いの確認が必要. 状況により、横桁厚の変更もある.

8支承部計算に用いる設計水平震度が他の計算書(下部工計算)と異なっている

少 中 ※ 終計算時に確認が必要.

9張出床版の設計において、版端部の設計曲げモーメントに、活荷重の2倍が考慮されていない.

少 中・道路橋示方書Ⅲコンクリート編 7.8 片持版端部及び横桁上の床版

10

沖縄県および、離島等のように早強コンクリートが供給されていない地域の橋梁設計において、クリープ係数に早強の数値が使われている.

少 中

・道路橋示方書Ⅰ共通編 2.2.5 コンクリートのクリープ及び乾燥収縮の影響※日数については、施工工程に基づいて設定する必要がある.

11スターラップ配置区間が計算上必要な区間に有効高さ分を加算した区間となっていない.(シフト理論)

少 中

・道路橋示方書Ⅲコンクリート編 6.6.10 スターラップ及び折曲げ鉄筋の配置・コンクリート道路橋設計便覧 10.3.10 スターラップおよび折曲げ鉄筋の配置

12

主桁(張出床版)設計に添架物重量(水道管、照明受台など)を考慮していない.または、考慮する位置が違っている.

少 小 ※ 終計算時に確認が必要.

不 具 合 事 例

 設計計算における不具合一覧表

1-11

不具合事例【プレキャスト桁編】 

 ②図面と計算の不整合

発生頻度工事に対する影響度

参考資料

13横締め鋼材の配置間隔及び配置高さが、計算書と異なる.

少 中

※図面作成時にチェックが必要.横締め配置高さについては、主方向・横方向の鋼材が干渉しないかどうかあらかじめ確認する必要がある.

14せん断キー配置高さが、計算書と異なる.(プレキャスト桁;継ぎ目部)

少 中

※図面作成時にチェックが必要.接合キー配置高さについては、主方向鋼材を作図して、干渉しない位置をあらかじめ設定する必要がある.

15連結鉄筋の埋め込み長が、計算書と異なる(コンポ桁;床版)

少 中※図面作成時にチェックが必要.図面作成時に、鉄筋の継手のずらし等踏まえた配置を計算書に反映させる必要がある.

16主桁形状(ウェブ拡幅延長)が、計算書と異なる.

少 中

※図面作成時にチェックが必要.計算書としては、支間の10~8等分プラス部材変化位置を照査断面にする等、形状寸法がわかるように工夫も必要と考えられる.

17排水桝設置間隔は流量計算にて決定しているが、計算書と異なる.

少 小 ※図面作成時にチェックが必要.

18斜角等を有し、横締め定着部に切り欠きを設ける場合、設計計算書と図面で設計長が異なる.

中 中

※図面作成時にチェックが必要.平面線形によっては、計算書と図面で整合がとれない場合もあるが、この場合、図面にコメントする等の配慮が必要.

【参考資料】

● 道路橋示方書・同解説(平成14年3月、社団法人 日本道路協会)

● コンクリート道路橋設計便覧(平成6年2月、社団法人 日本道路協会)

● 設計要領 第二集(平成23年7月、NEXCO)

● PCコンポ橋の手引き(平成19年5月、社団法人 プレストレスト・コンクリート建設業協会)

● PC橋の支承部及び落橋防止システムに関する設計資料

● PC連結げた橋 設計の手引き(案)(平成10年6月、社団法人 プレストレスト・コンクリート建設業協会)

● 土木工事設計要領 第3編 道路編(九州地方整備局)

● 設計便覧(案) 第3編 道路編(近畿地方整備局)

不 具 合 事 例

(平成17年7月、社団法人 プレストレスト・コンクリート建設業協会)

 設計計算における不具合一覧表

1-12

・鉄筋間隔が広くなる場合は、追加鉄筋を行うこと

発生頻度

工事に対する影響度

WG1-3-19事例番号

構造形式 ■①ポスT ■②コンポ橋 □③プレT □④プレH

備考

照査項目 設計図面:③干渉

不具合内容端支点横桁、中間横桁及び中間支点横桁において、差し筋と主ケーブルが干渉する。

不具合事例

対処方法

【側面図】 【断面図】

【側面図】 【断面図】

鉄筋ピッチ変更

主ケーブルに干渉

1-13

・鉄筋間隔が広くなる場合は、追加鉄筋を行うこと

備考

照査項目 設計図面:③干渉

不具合内容端支点横桁及び中間支点横桁において、シースとスターラップが干渉する。

不具合事例

対処方法

WG1-3-20事例番号

構造形式 ■①ポスT ■②コンポ橋 □③プレT □④プレH発生頻度

工事に対する影響度

【側面図】

【側面図】

横締めシースとスターラップが干渉

スターラップピッチを変更

1-14

横締め間隔(a):排水桝と干渉しない幅まで広げる

横締め間隔(b):(a)を広げた分、(b)を狭める

・横締め間隔の変更は、計算書で求めた鋼材量(mあたり)以上であることを

 確認すること

・定着具の 小配置間隔については、各工法の施工マニュアル参照のこと

発生頻度

工事に対する影響度

WG1-3-21事例番号

構造形式 ■①ポスT □②コンポ橋 ■③ プレT □④プレH

備考

照査項目 設計図面:③干渉

不具合内容 横締めPC鋼材(定着具)と排水桝が干渉する。

不具合事例

対処方法

横締め間隔(a)横締め間隔(b) 横締め間隔(b)

平面図

張出床版

主桁フランジ

張出床版

主桁フランジ

横締め定着具(支圧板)と

排水桝が干渉する

横締め定着間隔 @A

(計算書間隔)

平面図断面図

1-15

スターラップ形状を変更し鋼材水平移動空間を確保する

WG1-3-22事例番号

構造形式 ■①ポスT ■②コンポ橋 □③ プレT □④プレH

備考

照査項目 設計図面:③干渉

不具合内容袴部に配置された主ケーブルが、端部曲げ上げに伴う水平移動時に主桁スターラップと干渉する。

不具合事例

対処方法

・対処例の一例を示したが、ケーブル平面形状により、その他の形状も考えられるため、設計段階で加工形状を判断できない場合には、『スターラップとケーブルがが干渉するため、形状変更が施工段階で必要』であることを図中に注記する

発生頻度

工事に対する影響度

PC鋼より線

1 2

C6 C4 C3C5 C2 C1

C1

C2

C3

C4

C5

C6

5゚30'

5゚30'

5゚30'

5゚30'

4゚30'

2゚30'

端 部 支間中央部ウェブ厚変化(鋼材水平移動)部

C1

C2

C3

C4

C5

C6

C1

C2

C3

C4

C5

C6

C1

C2

C3

C4C5 C6

鋼材水平移動時に干渉

変更前 変更後

1-16

 対処方法として以下の4案が考えられる。

対処方法 対処に伴い、注意する内容

 ①:支承のアンカー配置を変更 ・支承設計の見直し

 主桁鉄筋との取合い確認

 ②:主ケーブル定着位置の変更 ・設計計算の修正

 (主桁応力度、配置鉄筋量、反力等)

 他の付属物等との取合い確認

 ③:横締めPC鋼材位置の変更 ・横桁設計の修正

 他の付属物等との取合い確認

 ④:スターラップ配置の変更 ・mあたりの必要鉄筋量の確認

備考

照査項目 設計図面:③干渉

不具合内容支承部アンカーと主ケーブル定着具、横締めPC鋼材、スターラップなどが干渉する。

不具合事例

対処方法

WG1-3-23事例番号

構造形式 ■①ポスT ■②コンポ橋 ■③ プレT □④プレH発生頻度

工事に対する影響度

断面図 側面図 平面図

鋼材定着が2列の場合、

主鋼材との干渉が生じる可能性が

斜角を有する場合、

横締め鋼材、スターラップ等と鋼材角度によっては干渉する

縦断勾配を有する場合、

可能性があるある 干渉する可能性がある

1-17

対処方法として、以下の2案が考えられる。

①主桁内で鉄筋を折り曲げる。 ②主桁にシースを配置し、主桁打設後

 鉄筋を後挿入する。

発生頻度

工事に対する影響度

WG1-3-24事例番号

構造形式 ■①ポスT ■②コンポ橋 □③プレT □④プレH

備考

照査項目 設計図面:③干渉

不具合内容 主桁PC鋼材用箱抜きと差し筋が干渉する。

不具合事例

対処方法

PC鋼より線

主桁PC鋼材用

箱抜き

横桁差し筋

側 面 図 平 面 図

横桁差し筋PC鋼より線

主桁

横桁

主桁PC鋼材用

箱抜き

平 面 図

横桁差し筋PC鋼より線

主桁

横桁

主桁PC鋼材用

箱抜き

シース

平 面 図

横桁差し筋PC鋼より線

主桁

横桁

主桁PC鋼材用

箱抜き

1-18

対処方法として、以下の2案が考えられる。

①アンカーキャップと干渉しないように ②鉄筋を切断し、補強筋を追加する。

 鉄筋を配置する。

・設計段階で取り合いを確認すること

備考

照査項目 設計図面:③干渉

不具合内容 横桁横方向鉄筋と変位制限装置アンカーキャップが干渉する。

不具合事例

対処方法

WG1-3-25事例番号

構造形式 ■①ポスT ■②コンポ橋 ■③プレT □④プレH発生頻度

工事に対する影響度

変位制限装置

アンカーキャップ

鉄筋とアンカー

キャップが干渉

70 3@220=66 0 7 0

8 0 0

側 面 図

変位制限装置

アンカーキャップ

70 70

80 0

側 面 図

160 34 0 1 60

変位制限装置

アンカーキャップ

平 面 図

70 3@22 0 = 66 0

8 0 0

7 0

補強筋

定着

長以

1-19

・横締め位置を変更した場合、計算書との整合を確認すること

発生頻度

工事に対する影響度

WG1-3-26事例番号

構造形式 ■①ポスT ■②コンポ橋 □③プレT □④プレH

備考

照査項目 設計図面:③干渉

不具合内容中間横桁(中間支点側)の横締めシースと主ケーブルシースが干渉する。

不具合事例

対処方法

【側面図】

【側面図】

横締め鋼材の高さを変更

横締めシースと主ケーブルシースが干渉

1-20

 事例①:変断面桁における干渉

鉄筋が上縁から一定の高さで

配筋される場合、

右図の囲われた範囲で、

主ケールとの干渉が生じる

 事例②:機械式継手との干渉

機械式継手鉄筋(グリップ)と

主ケーブルが干渉する

 事例①に対する対処方法

鉄筋の位置(高さ)を

2通りに分けて配筋する

 事例②に対する対処方法

機械式継手鉄筋の位置(高さ)を

干渉しない位置まで下げる

・機械式継手の径(大きさ)は、使用するメーカーにて確認すること

・鉄筋位置の変更する際、再計算にて確認すること備考

照査項目 設計図面:③干渉

不具合内容地覆カット部の鉄筋を桁天端より70mmにて配置した場合、主ケーブルと干渉する。

不具合事例

対処方法

WG1-3-27事例番号

構造形式 □①ポスT □②コンポ橋 □③ プレT ■④プレH発生頻度

工事に対する影響度

7050

主ケーブル:1S15.2機械式継手:φ16(グリップ径φ26.5)  15.2/2+26.5/2=20.85 > 20

50

80

桁天端から一定の高さ 桁下から一定の高さ

(干渉しない位置)

1-21

UB: 橋軸直角方向変位量(レベル2地震動) UB = 145 mm

W : 台座コンと打ち下ろしの遊間量 W = 30 mm

台座コンと打ち下ろしの遊間を各地震動の必要遊間まで広げる

(打ち下ろしの幅を狭くする)

UB: 橋軸直角方向変位量(レベル2地震動) UB = 145 mm

W : 台座コンと打ち下ろしの遊間量 W = 150 mm

・ジョイントプロテクターを有する場合、

  部材厚(かぶりの確保など)に配慮すること

・打ち下ろし部が落橋防止壁を兼ねている場合、耐力照査が必要である

発生頻度

工事に対する影響度

WG1-3-28事例番号

構造形式 ■①ポスT ■②コンポ橋 ■③ プレT □④プレH

備考

照査項目 設計図面:③干渉

不具合内容端支点横桁の打ち下ろしと台座コンクリートが、レベル2地震時に干渉する。

不具合事例

対処方法

145 ≧ 30 NG

145 ≦ 150 OK

W=30

W=150

1-22

・横締PC鋼材配置を変更する際、定着具の 小配置間隔と縁端距離を確認すること

 (定着具の 小配置間隔と縁端距離は、各工法の施工マニュアルに記載)

・横締PC鋼材配置を変更する際、再計算(端横桁の計算)にて確認すること

備考

照査項目 設計図面:③干渉

不具合内容 桁端部において、支圧板とシースが干渉する。

不具合事例

対処方法

WG1-3-29事例番号

構造形式 ■①ポスT ■②コンポ橋 □③プレT □④プレH発生頻度

工事に対する影響度

【側面図】

【側面図】

支圧板とシースが干渉

横締PC鋼材の配置変更および、それに伴う鉄筋ピッチの変更

1-23

・鉄筋間隔が広くなる場合は、追加鉄筋を行うこと

・鉄筋間隔の変更は、計算書で求めた鋼材量(mあたり)を満足することを

 確認すること

発生頻度

工事に対する影響度

WG1-3-31事例番号

構造形式 ■①ポスT □②コンポ橋 ■③プレT □④プレH

備考

照査項目 設計図面:③干渉

不具合内容 主桁埋込鉄筋と床版横締め定着が干渉する。

不具合事例

対処方法

【平面図】

【平面図】

550

18C

鉄筋間隔

横締めPC鋼材間隔

主桁埋込筋

C16 D13

[email protected]=924.5

@500

60 185.5 @300

D13

18

主桁埋込筋

横締めPC鋼材間隔

C

鉄筋間隔変更

@[email protected]=924.5

550

D13

185.560

16C

D13

400350250200300

200 350400

270330

3@300

=900鉄筋間隔変更

1-24

対処方法として、以下の2案が考えられる。

①道路橋示方書 V耐震設計編 [14.4.1 上部構造端部の遊間]に準拠し、遊間量

 SBを確保できるように下部工段差部を橋軸方向へシフトする。

SB = uS+LA

ここに、

uS : レベル2地震動が作用した場合に遊間量を算出する位置に

おいて生じる上部構造と下部構造との間の 大相対変位

LA : 遊間の余裕量で、一般に 15mmを目安とする。

②支承部に台座コンクリートを設置し、 橋座面を段差のない構造とする。

発生頻度

工事に対する影響度

WG1-3-32事例番号

構造形式 ■①ポスT ■②コンポ橋 ■③プレT □④プレH

備考

照査項目 設計図面:③干渉

不具合内容掛け違い部において、横桁打ち下ろし部と下部工段差部がレベル2地震時に干渉する。

不具合事例

対処方法

us>SBの場合打ち下ろしと下部工段差部が干渉

【側面図】

SB

SRSL

主桁

主桁

橋脚

us:レベル2地震時の上部構造と

   下部構造との 大相対変位

下部工段差部

横桁打ち下ろし

1-25

事例①[接合キーと主ケーブルの干渉]

事例②[補強筋と主ケーブルの干渉]

・接合キー配置の見直し

・補強鉄筋形状の変更

【不具合発生状況】

・主桁両端の斜角(起点、終点)が異なっている

・各主桁で桁長が異なっている

・中央セグメント長を一定とし、端部セグメント長で桁長調整

・各主桁毎に図面は作製せず変化する箇所を寸法表で明示

・ケーブル配置は直線区間で調整

以上のような状況の場合、不具合を見落としやすい

発生頻度

セグメント目地部の補強鉄筋と主ケーブルが干渉する。および接合キーと主ケーブルが干渉する。

工事に対する影響度

中照査項目 設計図面:③干渉

不具合事例

対処方法

備考

事例番号 WG1-3-33、35

構造形式 ■①ポスT ■②コンポ橋 □③ プレT □④プレH少

不具合内容

接合キー

10-00

10-00

7-00

10-00

10-00

4-00

接合キー

主ケーブル

1-26

・鉄筋間隔が広くなる場合は、追加鉄筋を行うこと

・鉄筋間隔の変更は、計算書で求めた鋼材量(mあたり)以上であることを

 確認すること

備考

照査項目 設計図面:③干渉

不具合内容 床版横締め定着切欠きと主桁埋込み鉄筋が干渉する。

不具合事例

対処方法

WG1-3-34事例番号

構造形式 ■①ポスT □②コンポ橋 ■③プレT □④プレH発生頻度

工事に対する影響度

【平面図】

【平面図】

150 250250

主桁埋込み筋と横締切欠きが干渉

(横締間隔ctc400区間)

3x100

=300

150

G1

6000 4511

150

250

150 250

1002752x150

=300

300

300275111

275

11x400=4400 350 600 2x300

=600 361600

300 100 300

を防ぐ配置を変更して干渉主桁埋込み筋の

3002x100

=200

300

2x200

=400

300

400

300

2x100

=200

300 100300

100

45116000

300

100380

340

320160

300

100300

100

300

91

307

308

400

308315

315

308

160

2x100

=200

50

600 500 700 700 4x600=2400500 4x400=1600

460

340340

4602x400

=800

391315

700 3x315

=945

560

G1

1-27

平 面 図 断 面 図

①落橋防止(支圧板など)の配置、主桁断面内でのバランス、踏掛板の取合い

 を考慮し、上縁側(もしくは左右)に落橋防止位置を調整

②支承アンカーの本数、配置の見直し

事例番号 WG1-3-36

対処方法

備考・ポステン方式、バイプレ方式などホロー断面桁であれば、同様の不具合が起こりうる

構造形式 □①ポスT □②コンポ橋 □③ プレT ■④プレH発生頻度 少

不具合内容プレホローにタイプB支承を採用した場合に落橋防止装置と干渉する。

工事に対する影響度

不具合事例

中照査項目 設計図面:③干渉

支承アンカー

落橋防止装置 落橋防止装置

支承アンカー

遊間

パラ

ペッ

ト主

落橋防止装置

支承(タイプB)

落橋防止装置

支承アンカー

1-28

・定着具の縁端距離が確保されていない。(伸縮切欠きも考慮する必要がある)

・定着具の 小配置間隔及び縁端距離は,部材断面に作用する応力が 大となる

 プレストレス導入時の断面において必ず確保されなければならない。

・伸縮装置用の切欠きや斜橋などで定着端部を階段状に切り欠く場合などについ

 ては,断面方向だけでなく,平面方向や側面方向から縁端距離が確保されてい

 るかを検討する必要がある。

・参考文献

1) PC定着工法 2010年版 (社)プレストレストコンクリート技術協会

2) FKKフレシネー工法施工基準 2010年改訂

P33-34

備考

照査項目 設計図面:④構造細目

不具合内容定着具の縁端距離が確保されていない。(伸縮切欠きも考慮する必要がある)

不具合事例

対処方法

WG1-4-45事例番号

構造形式 ■①ポスT ■②コンポ橋 □③プレT □④プレH発生頻度

工事に対する影響度

1-29

張出床版差し筋、壁高欄主鉄筋が床版定着具と干渉しないように配筋計画を行う。

・鉄筋間隔を変更する場合は、計算書で求めた鉄筋量(mあたり)以上であることを

 確認すること

発生頻度

工事に対する影響度

WG1-5-47事例番号

構造形式 ■①ポスT □②コンポ橋 ■③プレT □④プレH

備考

照査項目 設計図面:⑤平面変化、勾配への配慮不足

不具合内容張出床版を有するT桁橋において、張出床版差し筋、壁高欄主鉄筋と床版定着具が干渉する。

不具合事例

対処方法

床版横締め

側 面 図

@500 4 @50 0=2 000 @ 500

1 25

2 50

12 5

@250 9 @25 0=2 250 @2 50

床版横締め 床版横締め

差し筋と床版横締め定着具が干渉

側 面 図 断 面 図

@500 4@50 0=2 000 @5 00

@ 250 1 0@2 50=2 500 @ 250

2 50 250

1-30

地覆立ち上がり高を変更する。死荷重増加となるため主桁応力の要確認

発生頻度 少

不具合内容横断勾配の急な橋梁で、勾配の影響により、勾配の高い側の地覆(歩車道境界地覆)の高欄アンカーと主桁天端が干渉し、アンカーが設置できない。 工事に対

する影響度

事例番号 WG1-5-48

構造形式 ■①ポスT □②コンポ橋 ■③ プレT ■④プレH

対処方法

備考

・死荷重増加により主桁応力が許容値を満足できない場合には、参考図で示したような『追加補強を行いアンカー埋込長を短くした』対処事例も考えられる。但し、防護柵の設置基準・同解説((社)日本道路協会)に載っていない事から、実施にあたってはメーカー、発注者に確認すること

中照査項目 設計図面:⑤平面変化、勾配への配慮不足

不具合事例

100

200

802.000%

4.000%

80

主桁直角方向横断勾配i=4.000%

76

250

80

76200 ←地覆立ち上がり高を変更

主桁直角方向横断勾配i=4.000%

25080200

4.000%

2.000%

65

M22X190(前)

90

115

アンカープレート

(2-D16X900)

補強筋

150

L-M20X300(後)

76.3

9

250

55

60

8035 35

参考図

1-31

 事例①:排水桝が張出床版と主桁フランジを跨ぐため、張出床版鉄筋が配筋できない

 事例②:張出床版鉄筋として必要な埋め込み長が確保できない

・鉄筋径の変更は、床版厚との兼ね合いに注意すること

  (フランジ内の収まり、他の主鉄筋との取り合い等)

・横締め間に配筋が不可あるいは本数不足が生じる場合、

  横締め間隔を広げるなどし、配筋スペースを確保する(事例:WG1-3-21参照)

発生頻度

工事に対する影響度

WG1-6-51事例番号

構造形式 ■①ポスT □②コンポ橋 ■③ プレT □④プレH

備考

照査項目 設計図面:⑥施工への配慮不足

不具合内容張出床版鉄筋の排水桝設置位置による配慮不足がある。(干渉により切断する箇所が生じる)

不具合事例

対処方法

張出床版鉄筋

(計算書による必要鉄筋量)

張出床版

主桁フランジ

平面図断面図

排水桝によって、

鉄筋が切断される

事例①

事例②

事例① 事例②

張出床版

主桁フランジ

平面図

(※鉄筋径は必要鉄筋量を満足する径にランクアップ)

配置可能な本数を配筋する

必要鉄筋量 必要鉄筋量

(mあたり) (mあたり)

必要鉄筋量

(mあたり)

1-32

・【PC連結げた橋設計の手引き(案)平成10年6月

   (社)プレストレスト・コンクリート建設業協会】参照備考

照査項目 設計図面:⑥施工への配慮不足

不具合内容プレテン床版の連結鉄筋において、連結部下側鉄筋の施工が困難な場合がある。

不具合事例

対処方法

WG1-6-52事例番号

構造形式 □①ポスT □②コンポ橋 □③プレT ■④プレH発生頻度

工事に対する影響度

【側面図】 【断面図】

上側鉄筋が密に配置されており、下側鉄筋の組立が困難

1-33

排水管と落橋防止装置(キャップ)が干渉する

排水管(縦引き管)を曲げることで干渉を避ける

・排水管の曲げ加工( 小半径)に注意すること

備考

照査項目 設計図面:⑦付属物・その他

不具合内容 排水管と落橋防止装置(キャップ)が干渉する。

不具合事例

対処方法

WG1-7-53事例番号

構造形式 ■①ポスT ■②コンポ橋 ■③ プレT □④プレH発生頻度

工事に対する影響度

1-34

Vカット目地を高欄のアンカーと干渉しない位置に配置する。

・Vカット目地位置は高欄アンカー位置を避けて計画すること

・地覆図面にVカット位置および高欄アンカー位置を記載すること備考

照査項目 設計図面:⑦付属物

不具合内容地覆図面においてVカット目地位置が記載されていない。また、Vカット目地位置に高欄のアンカーが配置されている。

不具合事例

対処方法

WG1-7-54事例番号

構造形式 ■①ポスT ■②コンポ橋 ■③プレT ■④プレH発生頻度

工事に対する影響度

@2000 5@2000=10000 @2000

@6000 6000 @6000

高欄アンカー

vカット目地

側 面 図

@2000 5@2000=10000 @2000

@6000 6000 @6000

高欄アンカー

vカット目地

干渉

側 面 図

干渉

1-35

・アンカーボルトの埋込み長が不足している。

・アンカーボルトの直径は25mm以上,埋込み長さは直径の10倍以上とする。

・アンカーボルトに上向きの力が作用する場合は,無収縮モルタルと鋼材の

 付着力で照査する。

・参考文献

1) 道路橋示方書 平成14年3月  (社)日本道路協会 Ⅰ 共通編 P92 4.1.4

2) 道路橋支承便覧 平成16年4月 (社)日本道路協会

P129

P176

3) ゴム支承の鋼材部の設計標準(案) 平成17年10月 (社)日本支承協会

                          ゴム支承協会

発生頻度

工事に対する影響度

WG1-7-55事例番号

構造形式 ■①ポスT ■②コンポ橋 ■③プレT ■④プレH

備考

照査項目 設計図面:⑦付属物・その他

不具合内容 アンカーボルトの埋込み長が不足している。

不具合事例

対処方法

1-36

第2章 WG2:場所打ち桁における設計照査

2-1

§1:不具合事例に関するアンケート結果と分析

2-2

1.はじめに

本章では、場所打ち桁(中空床版形式、版桁形式、箱桁形式など)を対象として、設計成果の品質向

上を目的に、設計業務に対する不具合事例について整理してとりまとめた。

設計業務における不具合としては、表-2.1 に示す7項目に分類して事例収集を行い、表-2.2 に示す

発生頻度および工事に対する影響度についてアンケートを実施した。

表-2.1 不具合事例の分類

不具合事例の分類

設計計算 ①設計計算のミス ②図面と計算の不整合

設計図面

③干渉

④構造細目

⑤平面変化、勾配への配慮不足 ⑥施工への配慮不足 ⑦付属物・その他

表-2.2 アンケート項目の定義 アンケート項目の定義

発生頻度 不具合が発生する頻度を(多・中・少) の3段階で評価

工事に対する 影響度

大:そのまま施工することが困難であり、 設計変更が必要なミス

中:三者協議および施工承諾が必要であり、 修正設計で対応可能なミス

小:現場で対応可能なミス

次頁以降に示すアンケート集計結果では、不具合事例の項目毎に発生頻度、工事に対する影響度等の

分析を行い、設計照査において注意すべき箇所などがわかる結果が得られた。 また、代表的な不具合事例については、発生状況や内容、対処方法および予防策などを紹介している

ので、今後の設計業務に役立てて頂きたい。

2-3

2.収集結果

ミス事例38題の各項目に対して、12票の回答数が得られた。

3.収集結果分類分け

3-1.集計結果の分析

収集された事例に対する『発生頻度別集計』および『工事に対する影響度別集計』の結果は、以下

に示す方法により集計した。

発生頻度、工事に対する影響度の項目、多(大)・中・少(小)に対して、それぞれ重み付け係数

として、5点・3点・1点を乗じた値を集計値として算出する。

更に、①~⑦までの項目毎に集計を行い、収集された事例に占める割合を分析した。集計結果一覧

を、表-2.3 に示す。

表-2.3 重み付け集計結果一覧

多 中 少 大 中 小 多 中 少 大 中 小

×5 ×3 ×1 ×5 ×3 ×1 ×5 ×3 ×1 ×5 ×3 ×1

1 0 0 12 12 4 8 0 44 20 0 1 11 14 3 9 0 42

2 0 5 7 22 3 9 0 42 21 0 1 11 14 1 10 1 36

3 0 2 10 16 1 11 0 38 22 0 0 12 12 1 11 0 38

4 0 1 11 14 6 4 2 44 23 0 4 9 21 1 9 3 35

5 0 0 12 12 6 6 0 48 24 0 1 11 14 1 9 2 34

6 0 3 9 18 3 9 0 42 25 0 3 9 18 0 9 3 30

7 0 3 9 18 0 11 1 34 26 0 4 6 18 2 8 1 35

集計 112 292 27 0 2 10 16 1 9 2 34

8 0 3 9 18 0 9 3 30 28 0 3 9 18 3 7 2 38

9 0 4 9 21 1 11 1 39 29 0 3 9 18 1 10 1 36

10 0 5 8 23 1 11 1 39 集計 163 358

集計 62 108 30 3 6 2 35 0 5 7 22

11 1 9 2 34 0 2 10 16 31 3 3 5 29 0 6 6 24

12 2 7 3 34 0 1 11 14 32 0 4 6 18 0 9 2 29

13 1 6 5 28 1 10 1 36 集計 82 75

14 0 5 7 22 0 6 6 24 33 0 4 8 20 1 8 3 32

15 0 10 2 32 0 4 8 20 34 0 3 9 18 5 7 0 46

16 0 2 9 15 1 9 3 35 集計 38 78

17 0 6 5 23 0 6 6 24 35 0 5 7 22 0 4 8 20

18 0 5 5 20 0 6 5 23 36 0 2 10 16 0 9 3 30

19 0 4 9 21 1 9 3 35 37 0 0 12 12 1 7 4 30

集計 229 227 38 1 5 6 26 0 3 9 18

集計 76 98

762 1236

項 目 No.

発生頻度 工事に対する影響度

集計値 集計値

発生頻度 工事に対する影響度

項 目 No.集計値 集計値

設計図面

設計図面

⑤平面変化、勾配への配慮不足

⑥ 施工への配慮不足

⑦付属物その他

③干  渉

④構造細目

<全項目集計>

設計計算

①設計計算ミス

②図面・計算の不整合

2-4

3-2.発生頻度別集計

収集された事例について、発生頻度別の集計結果を図 2-1 に示す。

本調査においては、『設計計算のミス』が約 15%、『図面と計算の不整合』が約 8%、『干渉』が約

30%、『構造細目』が約 21%、『平面変化、勾配への配慮不足』が約 11%、『施工への配慮不足』が約

5%、『付属物・その他』が約 10%という割合となっている。

図-2.1 発生頻度別集計結果

設計計算のミス

14.7%

図面と計算

の不整合

8.1%

③干渉

30.1%

④構造細目

21.4%

平面変化、勾配

への配慮不足

10.8%

⑥施工への配慮

不足

5.0%

付属物・その他

10.0%

集計値 比率(%)

① 設計計算のミス 112 14.7

② 図面と計算の不整合 62 8.1

③ 干渉 229 30.1

④ 構造細目 163 21.4

⑤ 平面変化、勾配への配慮不足 82 10.8

⑥ 施工への配慮不足 38 5.0

⑦ 付属物・その他 76 10.0

合計 762 100.0

不具合事例の分類

2-5

3-3.工事に対する影響度別集計

収集された事例について、工事に対する影響度別の集計結果を図 2-2 に示す。

本調査においては、『設計計算のミス』が約 23%、『図面と計算の不整合』が約 8%、『干渉』が約

20%、『構造細目』が約 28%、『平面変化、勾配への配慮不足』が約 6%、『施工への配慮不足』が約 8%、

『付属物・その他』が約 8%という割合となっている。

図-2.2 工事に対する影響度別集計結果

設計計算のミス

23.6%

図面と計算

の不整合

8.7%

③干渉

18.4%

④構造細目

29.0%

⑤平面変化、勾

配への配慮不足

6.1%

⑥施工への

配慮不足

6.3%

付属物・その他

7.9%

集計値 比率(%)

① 設計計算のミス 292 23.6

② 図面と計算の不整合 108 8.7

③ 干渉 227 18.4

④ 構造細目 358 29.0

⑤ 平面変化、勾配への配慮不足 75 6.1

⑥ 施工への配慮不足 78 6.3

⑦ 付属物・その他 98 7.9

合計 1236 100.0

不具合事例の分類

2-6

4. 考察

ミスの発生頻度の集計結果については、『干渉』が も多く約 30%を占めており、続いて『構造細

目』、『設計計算のミス』および『平面変化、勾配への配慮不足』の順となっている。

また、工事に対する影響度については、『構造細目』が も多く約 30%を占めており、続いて『設

計計算のミス』、『干渉』の順となっている。

発生頻度、工事に対する影響度ともに、『構造細目』および『干渉』の割合が上位を占めている結

果である。『構造細目』については、道路橋示方書、各種基準類および標準図等を十分確認し、設計

を行う必要があると考えられる。『干渉』については、鋼材、鉄筋および付属物との干渉が大部分を

占めており、入念な設計計画や図面の照査が必要であると考えられる。

『設計計算ミス』や『施工への配慮不足』に分類された項目については、『修正設計で対応可能な

場合』や『そのまま施工することが困難で設計変更が必要となる場合』があり、工事に対する影響度

も比較的大きいため、設計および照査に十分留意する必要がある。

2-7

§2:不具合事例の紹介

2-8

不具合事例の発生頻度および工事への影響度に関するアンケート結果一覧【場所打ち桁編】 

1 斜角を考慮した解析手法で設計を行っていない。(例:斜角55°であるが、格子解析ではなく棒解析により計算など)

2 主桁のスターラップかぶせ筋配置範囲が、常時設計結果のみで計画しており、動的解析結果を考慮していない。

3 床版設計において、片持版端部における版端補強がされていない。(桁端部以外の片持版の必要鉄筋量の2倍もしくは活荷重2倍による計算が必要)

4 張出施工において、計算では両引き緊張としているが、一方の緊張端が旧ブロック定着であり、現場では両引き緊張できない。

5 導入時PC鋼材応力度が、許容応力度を超過している。

6 鉛直折れ角よりも平面折れ角の方が大きい鋼材配置で、鋼材の初引張応力(σpi)に平面折れ角の影響(σpiの低減)が考慮されていない。

7中間支点部下床版下側の軸方向鉄筋が、直角方向鉄筋の下側に配置されている。ねじりモーメントを考慮しているため、軸方向鉄筋は直角方向鉄筋の内側に配置する必要がある。

8 計算で算出された有効高さの位置に、鉄筋が配置されていない。

9 設計計算と図面の不整合(ねじりモーメントを考慮した設計において、外ウェブと内ウェブのスターラップ配筋量や軸方向鉄筋の必要鉄筋量)

10 設計計算と図面の不整合(中間支点部における下床版上縁側における直角方向鉄筋や上床版下縁側における軸方向鉄筋など)

11 緊張ジャッキが鉄筋(スターラップ)と干渉する。 ※事例シートにて詳述

12 アンカーキャップと直角方向鉄筋が干渉する。

13 主ケーブル定着具背面筋(グリッド筋)とアンカー装置のスパイラル筋が干渉する。 ※事例シートにて詳述

14 桁端部において、伸縮装置の切り欠きが考慮されていないため、伸縮装置と鉄筋が干渉する。

15 箱桁内に排水管を引き込む排水構造で、ウェブを通過する排水管とスターラップが干渉する。 ※事例シートにて詳述

16 開閉式の蓋が落橋防止装置と干渉するため、蓋の開閉が不可能である。

17 斜π橋において、主桁軸方向鉄筋とメナーゼヒンジ鉄筋が干渉する。

18 斜π橋において、竪壁の主鉄筋と斜材PC鋼棒のアンカープレートが干渉する。

19 ラーメン橋脚杭頭部における下部工主鉄筋と杭頭部横締め鋼材定着部が干渉する。 ※事例シートにて詳述

20 下床版橋軸方向鉄筋の径が下床版厚さの1/10~1/15以下になっておらず、構造細目を満足しない。 ※事例シートにて詳述

21 異径鉄筋の重ね継手が断面積比1/2以下であり、構造細目を満足していない。 ※事例シートにて詳述

22 主桁軸方向鉄筋の鉄筋長が、必要範囲+有効長(有効高)以下であり、構造細目を満足していない。 ※事例シートにて詳述

23 定着部(群定着部)や開口部(マンホール、排水管など)に対する補強鉄筋量が不足しており、構造細目を満足していない。 ※事例シートにて詳述

24 連続げた橋における中間支点部の用心鉄筋が不足する。 ※事例シートにて詳述

25 定着部近傍における緊張時のひび割れ防止のため、ウェブの軸方向筋、鉛直方向筋を密に配置する。

26 偏向部における偏向管と鉄筋のかぶり不足が不足する。 ※事例シートにて詳述

27 斜橋の影響を考慮した場合、定着具の縁端距離が確保されていない。 ※事例シートにて詳述

28 ケーブル配置が左右対称でない。偏心によるねじれが発生する可能性がある。

29 伸縮切欠きの控除分の打ち下ろしが無く、張出床版の厚さが不足する。

30 PC鋼材の平面変化に対して、スターラップと干渉する。 ※事例シートにて詳述

31 横断勾配、縦断勾配が鉄筋加工に考慮されていない。

32 アウトケーブルを用いた橋梁において、平面変化や縦断勾配を考慮していないため、図面における中間横桁の通過位置が、現場での通過位置と合わない。

33 緊張作業スペースに橋台パラペット部の主鉄筋があるため緊張作業ができない。 ※事例シートにて詳述

34 隣接工区の施工状況に配慮していないため、緊張方向を変更する必要がある。 ※事例シートにて詳述

35 排水桝と高欄支柱が干渉するため、排水桝位置を変更する必要がある。

36 排水桝と排水管の継手部が床版内に配置されているため、取替えができない構造である。 ※事例シートにて詳述

37 勾配の も低い場所に、排水枡が配置されていない。

38 地覆図面においてVカット目地位置が記載されていない。また、Vカット目地位置に高欄のアンカーが配置されている。

備 考 欄

別紙(『設計計算』・『図面と計算』に関する不具合事例および参考資料【場所打ち桁編】)を参照

⑦付属物その他

設計図面

②図面・計算の不整合

設計計算

⑤平面変化、勾配への配慮不足

No. 不 具 合 事 例

⑥ 施工への配慮不足

項 目

④構造細目

①設計計算ミス

③干  渉

発生頻度

工事に対する影響度

少 中

2-9

『設計計算』・『図面と計算』に関する不具合事例および参考資料【場所打ち桁編】 

 ①計算計算のミス

発生頻度

工事に対する影響度

参考資料

1 斜角を考慮した解析手法で設計を行っていない。 少 中

・道路橋示方書Ⅲコンクリート橋編 例えば、8.3構造解析(床版橋)、9.3構造解析(Tげた橋)、10.3構造解析(箱げた橋)など、上部工形式毎の構造解析方法を参照

2主桁のスターラップかぶせ筋配置範囲が、常時設計結果のみで計画しており、動的解析結果を考慮していない。

少 中※ 終計算時に確認が必要である。例えば、常時・動的解析それぞれに必要な範囲を示した配筋要領図等を作成して、確実に図面に反映する。

3床版設計において、片持版端部における版端補強がされていない。

少 中・道路橋示方書Ⅲコンクリート橋編 7.5.4片持版端部及び横げた上の床版

4張出施工において、計算では両引き緊張としているが、一方の緊張端が旧ブロック定着であり、現場では両引き緊張できない。

少 大※設計時に、施工計画・施工工程を検討した上で、設計に反映すること。

5導入時PC鋼材応力度が、許容引張応力度を超過している。

少 大

・道路橋示方書Ⅲコンクリート橋編 3.4PC鋼材の許容応力度※応力度の状態に応じて、許容引張応力度が異なるため、各状態について確認が必要である。

6鉛直折れ角よりも平面折れ角の方が大きい鋼材配置で、鋼材の初引張応力(σpi)に平面折れ角の影響(σpiの低減)が考慮されていない。

少 中 ・道路橋示方書Ⅲコンクリート橋編 2.2.4プレストレス力

7

中間支点部下床版下側の軸方向鉄筋が、直角方向鉄筋の下側に配置されている。ねじりモーメントを考慮しているため、軸方向鉄筋は直角方向鉄筋の内側に配置する必要がある。

少 中

・道路橋示方書Ⅲコンクリート橋編 6.6.11ねじりモーメントに対する鉄筋の配置・コンクリート道路橋設計便覧 10.3.12ねじりモーメントに対する鉄筋の配置

 ②図面と計算の不整合

発生頻度

工事に対する影響度

参考資料

8計算で算出された有効高さの位置に、鉄筋が配置されていない。

少 中※図面作成時にチェックが必要である。例えば、計算上必要な範囲を示した配筋要領図等を作成して、確実に図面に反映する。

9ねじりモーメントを考慮した設計において、外ウェブと内ウェブのスターラップ配筋量や軸方向鉄筋の必要鉄筋量が計算と図面で不整合

少 中※図面作成時にチェックが必要である。。例えば、設計計算上考慮した鉄筋を明示した配筋要領図等を作成して、確実に図面に反映する。

10中間支点部における下床版上縁側における直角方向鉄筋や上床版下縁側における軸方向鉄筋などが計算と図面で不整合

少 中※図面作成時にチェックが必要である。例えば、計算上必要な範囲を示した配筋要領図等を作成して、確実に図面に反映する。

【参考資料】下記参考資料は、あくまで一例のため、その他関係資料も参照の上で計画すること。

●道路橋示方書・同解説(平成14年3月 社団法人 日本道路協会)

●コンクリート道路橋設計便覧(平成6年2月 社団法人 日本道路協会)

●設計要領 第二集 橋梁建設編(平成23年7月 西日本高速道路株式会社)

●土木工事設計要領 第Ⅲ編 道路編(平成23年7月 九州地方整備局)

不 具 合 事 例

不 具 合 事 例

2-10

事例番号 WG2-3-11

構造形式 ■①中空床版形式 □②版桁形式 □③箱桁形式 □④共通発生頻度 中

不具合内容 緊張ジャッキが鉄筋(スターラップ)と干渉する。

工事に対する影響度

備考

照査項目 設計図面:③干渉

不具合事例

【不具合事例】

対処方法

【対処方法】 ・干渉する鉄筋(スターラップ)の加工形状を変更し対応した。

12°00'

12°00'

PC鋼材 12S12.7

片引き緊張

800緊張ジャッキ(S6型)

定着部補強筋D13

定着部切欠補強筋D16

主桁スターラップD16

※1

※1 主桁スターラップと緊張ジャッキは平面上で干渉を避けているが、   上面側フックが緊張ジャッキと干渉するため、外曲げ等の処理が必要。

2-11

中照査項目

発生頻度

不具合事例

不具合内容主ケーブル定着具背面筋(グリッド筋)とアンカー装置のスパイラル筋が干渉する。

設計図面:③干渉

工事に対する影響度

対処方法

備考

【不具合事例】

【対処方法】 ・アンカー装置のスパイラル筋を格子鉄筋に変更した。

事例番号 WG2-3-13

構造形式 □①中空床版形式 □②版桁形式 □③箱桁形式 ■④共通

4@100=40045 55

500

135

210

2-12

【不具合事例】

・箱桁内に排水管を引き込む排水構造でウェブを通過する排水管がスターラップ

 と干渉する。 スターラップが125mmピッチの場合、スターラップを切断しなけ

 れば配置が困難となる為、切断したスターラップの鉄筋量を補う必要がある。

  断 面 図    側 面 図

【対処方法①】 【対処方法②】

 スターラップのピッチを調整する方法  スターラップに補強筋を配置する方法

スターラップピッチが125mmの場合

・排水管位置の前後500mmの範囲において ・スターラップを配置する際に、上図に

 切断した鉄筋を除いて必要本数が配置  示すスターラップ補強筋を添わせて配

 できるようにピッチを調整する。  置し排水管通過位置でスターラップを

 切断するような鉄筋加工図とする。

・ラップ長については、コンクリート道路橋設計便覧(日本道路協会)

 P195参照のこと。

事例番号 WG2-3-15

構造形式 □①中空床版形式 □②版桁形式 ■③箱桁形式 □④共通中

不具合内容箱桁内に排水管を引き込む排水構造で、ウェブを通過する排水管とスターラップが干渉する。

工事に対する影響度

小照査項目 設計図面:③干渉

不具合事例

対処方法

備考

発生頻度

排 水 管 ctc100 ctc125

排水管が主桁スターラップと干渉する

 主桁スターラップ

 主桁スターラップ主桁スターラップ

定着

(La+20φ

)スターラップ補強筋

ウェブ貫通排水管

この位置で切断

定着

(La+20φ

)

スターラップ

スターラップ

開口補強筋

ct c 1 0 0c t c 1 2 5 c t c 1 2 5

8本有効

10 0 0

5 0 0 5 0 0

 を125→10 0とする※この区間のピッチ

2本切断

開口補強筋

2-13

・ 【その他対処方法】においては、桁とダイヤフラムは、鉄筋にて接続する

こと。またその接地面は粗面仕上げとし、防水処理について検討すること。

備考

照査項目 設計図面:③干渉

不具合事例

【不具合事例】 ・ラーメン構造の橋梁において、下部工鉄筋と定着切欠きが干渉する。

対処方法

【その他対処方法】 ・桁側面での定着方式とし、ダイヤフラムを設置する。 (ただし、景観性を考慮して、配置を決定すること)

【対処方法】 ・PC構造ではなく、RC構造への変更が可能か、検討を実施する。 ・下部工鉄筋が、切断可能(必要鉄筋でない)であるか、検討を実施する。 ・定着切欠き寸法が小さくなる配慮を実施する。

事例番号 WG2-3-19

構造形式 □①中空床版形式 □②版桁形式 ■③箱桁形式 □④共通発生頻度 少

不具合内容ラーメン橋脚杭頭部における下部工主鉄筋と杭頭部横締め鋼材定着部が干渉する。

工事に対する影響度

橋脚鉄筋と切欠きの干渉

<側面図> <断面図>

後打ちのダイヤフラムの設置

2-14

【対処方法①】 【対処方法②】

・上部構造のモデル化の変更 ・高強度鉄筋の使用

  動的解析において、上部構造に塑性   鉄筋の材質をSD345からSD490に変更

  化を考慮しない場合、橋軸方向鉄筋   することで 大鉄筋径に関する構造

  量が多くなる傾向があるため、上部   細目を満足することが可能となる。

  構造に副次的な塑性化を考慮するこ

  とで橋軸方向鉄筋量の低減を図る。

事例番号 WG2-4-20

構造形式 □①中空床版形式 □②版桁形式 ■③箱桁形式 □④共通

照査項目

発生頻度 少

設計図面:④構造細目

不具合内容下床版橋軸方向鉄筋の径が下床版厚さの1/10~1/15以下になっておらず、構造細目を満足しない。

工事に対する影響度

備考

不具合事例

【不具合事例】 ・PCラーメン箱桁橋において、下床版厚が300mmに対して橋軸方向鉄筋径が  D32を使用している。

対処方法

55 16x125=2000 110 390 85 18x125=2250

2140 440 2310

75 290 135 18x125=2250

440 2310

2140 2750

250

250

325

0375

0

B 7 D 3 2

B 6 D 3 2

315

0300

375

0

(SD345)

(SD345)

300

75 290 135 18x125=2250

440 2310

2750

B 7 D 2 9

B 6 D 2 9

(SD490)

(SD490)

300

2-15

【不具合事例】

・継手の集中度が1/2またはそれ未満の場合で、異径鉄筋の断面積の比が1/2以下

 である。下図の場合は、D19とD13の組合せであり、断面積比は1/2以下である。

【側 面 図】

【対処方法】

・継手の集中度が1/2またはそれ未満の場合には、原則として異なった径の鉄筋の

 断面積の比を1/2以上とする。(下表参照)

・継手の集中度が1/2をこえる場合には、原則として異なった径の鉄筋の断面積の

 比を3/4以上とする。

≪重ね継手における異種径の継手に関する参考資料≫

・「コンクリート道路橋設計便覧 平成6年2月 (社)日本道路協会」 P.174~175

・「鉄筋定着・継手指針【2007年版】 土木学会」 P.40

事例番号 WG2-4-21

構造形式 □①中空床版形式 □②版桁形式 □③箱桁形式 ■④共通

不具合事例

対処方法

備考

発生頻度

設計図面:④構造細目

不具合内容異径鉄筋の重ね継手が断面積比1/2以下であり、構造細目を満足していない。

工事に対する影響度

中照査項目

D19 D13

呼び名 D13 D16 D19 D22 D25

呼び名 S(mm2) 126.70 198.60 286.50 387.10 506.70

D13 126.70 100% 64% 44% 33% 25%

D16 198.60 64% 100% 69% 51% 39%

D19 286.50 44% 69% 100% 74% 57%

D22 387.10 33% 51% 74% 100% 76%

D25 506.70 25% 39% 57% 76% 100%

※ハッチング部は、断面積の比が1/2以下となる組合せ

鉄筋の断面積比(細径/太径)

2-16

 ・柱頭部付近等の桁高が高くなる箇所については、曲げモーメントのシフト量

  が大きくなるため、注意が必要である。

照査項目

発生頻度 少

設計図面:④構造細目

不具合内容主桁軸方向鉄筋の鉄筋長が、必要範囲+有効長(有効高)以下であり、構造細目を満足していない。

工事に対する影響度

事例番号 WG2-4-22

構造形式 □①中空床版形式 □②版桁形式 ■③箱桁形式 □④共通

不具合事例

【不具合事例】 ・PCラーメン箱桁橋において、主桁軸方向鉄筋長が必要範囲+有効長(有効高)  となっていない。

対処方法

備考

【対処方法】 ・有効高分シフトした曲げモーメントを考慮して、配置鉄筋量を見直す。

7 6 5 4 3 2 1

5x3000=15000 2x2500=5000 3000 2375 2125 2125 2375 3000 2x2500=5000 5x3000=15000

支間長 113300 支間長 113300

桁長 228800

7654321

3231302928272625242322 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42

40.0

60.0

80.0

100.0

120.0

140.0

950

0

950

0

D19ctc125(41本)

D16ctc125(41本) D16ctc125(41本)

鉄筋

量(cm2)

9000

4000 4000

(不足区間) (不足区間)

55005500

9500(有効高) 9500(有効高)

: 必要鉄筋量

: 耐震設計による必要鉄筋量

: 実配筋

7 6 5 4 3 2 1

5x3000=15000 2x2500=5000 3000 2375 2125 2125 2375 3000 2x2500=5000 5x3000=15000

支間長 113300 支間長 113300

桁長 228800

7654321

3231302928272625242322 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42

40.0

60.0

80.0

100.0

120.0

140.0

9500

9500

D19ctc125(41本)

D16ctc125(41本)

鉄筋

量(cm2)

900011000(≧有効高) 11000(≧有効高)

D16ctc125(41本)

: 必要鉄筋量

: 耐震設計による必要鉄筋量

: 実配筋

2-17

備考

照査項目 設計図面:④構造細目

不具合事例

【不具合事例】 ・排水枡補強鉄筋が必要鉄筋量を満足していない。

対処方法

【対処方法】 ・補強筋を切断鉄筋と同じ方向にも配置する。

事例番号 WG2-3-23

構造形式 □①中空床版形式 □②版桁形式 □③箱桁形式 ■④共通発生頻度 少

不具合内容開口部(マンホール、排水管など)に対する補強鉄筋量が不足している。

工事に対する影響度

800 800

D16×800

800 800

D16×800

2-18

備考

照査項目 設計図面:④構造細目

不具合事例

【不具合事例】 ・中間支点部の用心鉄筋が配筋されていない。

対処方法

【対処方法】 ・適切な用心鉄筋を配置した。

事例番号 WG2-4-24

構造形式 □①中空床版形式 □②版桁形式 □③箱桁形式 ■④共通発生頻度 少

不具合内容 連続げた橋における中間支点部の用心鉄筋が不足する。

工事に対する影響度

水平方向補強鉄筋

鉛直方向補強鉄筋

2-19

発生頻度 少

不具合内容 偏向部における偏向管と鉄筋のかぶりが不足する。

工事に対する影響度

事例番号 WG2-4-26

構造形式 □①中空床版形式 □②版桁形式 □③箱桁形式 ■④共通

備考

照査項目 設計図面:④構造細目

不具合事例

【不具合事例】 ・外ケーブル構造における偏向部において偏向管と鉄筋のかぶりが不足する。

対処方法

【対処方法】

 ・適切なかぶりが取れるように、部材寸法の変更を行う。

 ・偏向部は外ケーブルによる偏向力が作用する場所であるため、部材厚決定の際  にも余裕のある形状寸法とすることが望ましい。

偏向管上縁からデビエータ上面までの必要厚さについて

 ①必要なかぶりを確保した場合の部材の厚さ→96mm  35+13(鉄筋Y1)+13(鉄筋Y2)+35=96mm ②図面上での部材厚→61mm(上図参照)

 ⇒【不具合】35mm不足してしまう(96-61=35)。

800800

Y1(D13)

Y2(D13) 320

800

320

320

61

2-20

・定着工法毎に定着間距離・縁端距離が異なることに注意すること。

・縁端距離を確保した場合(対処案①)においては、別途に補強筋の検討を実施

 するのがよい。

発生頻度 少

不具合内容斜橋の影響を考慮した場合、定着具の縁端距離が確保されていない。

工事に対する影響度

事例番号 WG2-4-27

構造形式 □①中空床版形式 □②版桁形式 □③箱桁形式 ■④共通

備考

【不具合事例】・斜橋において、定着部の縁端部距離が確保されておらず、緊張力による局部応力 により、定着部に不具合を生じる恐れがある。

照査項目 設計図面:④構造細目

不具合事例

対処方法

【対処方法】 ①縁端距離を確保するため、定着具を水平移動させる。 ②斜角の影響をなくすため、定着面の位置を同一面とする。

【その他対処方法】

縁端距離不足

平 面 図

縁端距離を確保

定着面を同一面とする。

【対処案①】 【対処案②】

補強鉄筋

2-21

発生頻度 中

不具合内容 PC鋼材の平面変化に対して、スターラップと干渉する。

工事に対する影響度

事例番号 WG2-5-30

構造形式 □①中空床版形式 □②版桁形式 ■③箱桁形式 □④共通

備考

照査項目 設計図面:⑤平面変化、勾配への配慮不足

不具合事例

【不具合事例】 ・定着突起部(箱桁橋)において、主ケーブルの平面変化に対してスターラップ  と干渉する。

対処方法

【対処方法】 ・干渉するスターラップの幅を広げる(加工形状の変更)。

定着突起

定着突起

ウェ

ブ350

ウェ

ウェブ定着突起平面図

主ケーブル

3~4本のスターラップが干渉する

3~4本のスターラップが干渉する

スターラップ

350

干渉するスターラップ

(変更後)

干渉するスターラップ

(変更前)

350 350ウェブ350ウェブ

定着突起定着突起

主ケーブル 主ケーブル

350

2-22

【不具合事例】

・PC鋼材緊張作業スペースに橋台パラペット部の主鉄筋が立ち上がっているため、

 緊張作業ができない。

【側 面 図】

※斜線部は、上部工(後施工)範囲を示す。

【対処方法】

 ・パラペット部の主鉄筋に対して、緊張作業の支障が無い位置に継手を設ける。

 ・鉄筋の継手は、機械式継手、ガス圧接継手等から適切に選定する。

 ・一断面に継手が集中する場合は、鉄筋の許容応力度を低減して照査を行う等の

  配慮が必要と考えられる。

 ・機械式継手を用いる場合は、カプラー、スリーブ等の継手部が鉄筋径より太い

  ため、必要なかぶり厚さやあきが不足することがないように留意する。

不具合事例

対処方法

備考

【パラペット部および主桁端部 正面図】

事例番号 WG2-6-33

構造形式 □①中空床版形式 □②版桁形式 □③箱桁形式 ■④共通少

不具合内容緊張作業スペースに橋台パラペット部の主鉄筋があるため緊張作業ができない。

工事に対する影響度

中照査項目

発生頻度

設計図面:⑥施工への配慮不足

鉄筋の継手PC鋼材定着具

2-23

【不具合事例】

 ・緊張方向を両引きとして設計されていたが、隣接工区の橋体が架設済みで

  あるため、緊張作業ができない。

【対処方法】

 ・片引きとして照査を行い、応力度超過等の設計上の問題が無いか確認する。

 ・上記の変更で設計上の問題が生じた場合、導入緊張力もしくは鋼材配置の

  変更等を行う。

備考

照査項目

不具合内容

不具合事例

対処方法

事例番号 WG2-6-34

構造形式 □①中空床版形式 □②版桁形式 ■③箱桁形式 □④共通少

設計図面:⑥施工への配慮不足

隣接工区の施工状況に配慮していないため、緊張方向を変更する必要がある。

工事に対する影響度

発生頻度

鋼鈑桁(架設済)

端横桁コンクリート巻立(施工済)

床版(施工済) 700 700 1100

【 側 面 図 】

2-24

照査項目

発生頻度 少

設計図面:⑦付属物その他

不具合内容排水桝と排水管の継手部が床版内に配置されているため、取替えができない構造である。

工事に対する影響度

事例番号 WG2-7-36

構造形式 □①中空床版形式 □②版桁形式 □③箱桁形式 ■④共通

不具合事例

対処方法

備考

【不具合事例】・排水桝と排水管の継手部が床版内に配置されており、取替えができない構造と なっている。

【対処方法】・取替えが可能となるよう、床版外に継手部を設ける。

【その他対処方法】 ・排水管の材質を、VP管ではなく、劣化し難い材質に変更する。  (SGP管(メッキ)、FRP管、ステンレス管など)

床版内に継手部が配置されている

VP150

VP150

床版外に継手部を配置する

2-25

PC合同研究会

第3章 WG3:補修補強における設計照査

3-1

1.はじめに

本章では補修補強の設計業務に対する不具合について整理し、設計成果の品質向上に向

けた照査要領(案)を示す。 不具合事例についてはアンケートを実施し、事例の収集を行った。その結果は分類分け

したのち、分類ごとに発生割合などの分析を行い、照査において注意すべき箇所や段階な

どが見て取れる結果となった。なお、本WGにおいてはPC橋のみならず、共通する項目

やコンクリート部材について事例収集を行っている。 また、代表的な不具合事例については2.項にて、発生状況や内容、処置方法、予防策

などの紹介を行った。 具体的な品質向上策としては、3.項に今回作成した照査要領(案)を示しているため、

各段階での照査に活用して頂きたい。

後に4.項にておいて、一般的に計画される工種ではあるが、施工方法や手順の認知

度が低い工種について、施工方法などを紹介しているので、これについても今後の補修補

強設計に役立てて頂きたい。

3-2

§1:不具合事例に関するアンケート結果と分析

3-3

2.収集結果

不具合事例収集は、設計コンサルタントおよび施工会社にヒアリングを行い 44 件収集した。ア

ンケートは、表-3.1 の様式にて行い、補修補強工法、原因、処置方法の3項目について、それぞ

れ分類および分析を行った。

表-3.1 アンケート様式

3.収集結果分類分け

3-1.補修補強工法別

収集された事例について、補修補強工法の内訳を図-3.1 に示す。

本調査においては、変位制限工、落橋防止工、沓座拡幅工といった『落防システム工』が約 32%、

外ケーブル工、床版補強工といった『上部工補強工』が 23%、『舗装打ち変え、橋面防水工』が

16%となっており、『上部工補修工』11%、『付属物補修・取替工』が 11%、その他 5%という割合と

なっている。

≪凡例説明≫

①落防システム工 ・・・ 変位制限工、落橋防止工、沓座拡幅工等

②上部工補強工 ・・・ 外ケーブル工、床版補強工、ダンパー等

③舗装打換工+橋面防水工 ・・・ 舗装打換工、橋面防水工

④上部工補修工 ・・・ ひび割れ注入工、断面修復工、表面被覆工、再グラウト工等

⑤付属物補修・取替工 ・・・ 伸縮取替工、支承取替工、支承補修工(金属溶射)、防護柵取

替工等

⑥その他 ・・・ 桁連結工、仮設工等

図-3.1 補修補強工法内訳

補修補強工法

その他5%

舗装打換工+橋面防水工

16%

落防システム工

32%

上部工補強工23%

上部工補修工11%

付属物補修・取替工

11% ①

番号 設計区分 上部工形式対象部位

補修補強工法 内 容(不具合事例) 原  因 処 置 方 法 予 防 対 策(留意点)

1(例)補修設計

ポステンT桁 付属 変位制限装置アンカーバーのコア削孔位置に既設鉄筋が干渉

竣工図と実際が合わない

アンカーバーの位置を変更

アンカーバーの位置が現場で変更になることを想定し、設計計算段階でアンカーバー移動範囲を照査する

2(例)補強設計

ポステンT桁 主桁 外ケーブル両引きの計画となっているが、施工スペースより施工不可

現地条件に合わない補強計画

計画の見直し 施工計画と現地条件の確認

3

3-4

3-2.原因別集計

ミス事例の原因別に分類した結果を図-3.2 に示す。

原因として も多かったのは、情報収集不足であり、全体の 6割以上を占めた。これについて

は、実際の施工において、現地の条件が設計に反映されていないなど、調査段階での情報収集不

足や竣工図面と実構造物に不整合がみられるなどといった事例がみられる。なお、この情報収集

不足の割合は、単なる収集漏れだけでなく、収集不可能なものも含めた数字である。

次に多いのが、設計・検討の不具合で全体の 21%となっている。これは、単純な検討不足や施

工を考慮していない設計となっているなどの事例である。

3番目は施工計画の不具合で 12%である。これは、施工のステップや手順を踏んでいない、足

場等の計画が不適切であったなどといった事例である。

それ以外には、計算書と図面のチェック漏れといった軽微な不具合が報告されている。

≪凡例説明≫

①情報収集不足 ・・・ 現地調査不足、現地調査の結果が成果に反映されていない、舗

装厚未調査、既存資料を基に設計(現地確認無し)等

(※収集漏れだけでなく、収集不可能なものも含む。)

②設計・検討の不具合 ・・・ 終計画と設計計算書が不整合、形状寸法を施工を考慮せず設

定、許容値を 満足しない(応力チェック漏れ)等

③施工計画の不具合 ・・・ 施工ステップが示されていない、型枠・生コン打設スペースが

困難等

④軽微な不具合 ・・・ 記載ミス・漏れ、計算書と図面の不整合、数量算出未計上等

図-3.2 原因内訳

原因

軽微な不具合

7%

施工計画の不具合

12%

設計・検討の不具合

21%

情報収集不足60%

①②

3-5

3-3.処置方法別集計

ミス事例の処置方法別に分類した結果を図-3.3 に示す。

図面・数量のみを修正することで対処した事例が も多く全体の半数を占めた。当初の計画か

ら見直し、工法や施工方法を変更した事例は 25%であり、設計計算から見直したのは 11%であっ

た。

工事への影響を考えると、計画からの見直しが も影響が大きく、続いて、設計計算からの見

直し、図面・数量のみの修正の順番で影響度が高いと考えられる。

≪凡例説明≫

①計画からの見直し ・・・ 工法変更、施工方法変更等

②設計計算からの見直し ・・・ 設計計算のやり直し、計算書に追加等

③図面・数量のみの修正 ・・・ 図面修正、数量修正

④その他 ・・・ 施工時に適宜調整、不明等

図-3.3 処置方法内訳

処置方法

設計計算からの見直し

11%

その他14%

図面・数量のみの修正

50%

計画からの見直し

25%

②③

3-6

3-4.各原因毎の処置方法の集計

3-2で分類した各原因それぞれについて、ミス事例の処置方法別に分類した結果を図-3.4

に示す。

計画からの見直しに至った原因としては、『情報収集不足』が も多く、次に『設計・検討の

不具合』が多いという結果となった。

図-3.4 各原因に対する処置方法の割合

4.考察

計画からの見直しの割合が も大きい情報収集不足は工事に与える影響が大きいことから、設

計するにあたり、入念な現地調査が重要であると言える。

また、施工計画の不具合についても、計画からの見直しが多く、入念な施工計画の立案が必要

と言える。

各原因に対する処置方法の割合

その他

7%

その他

5%

情報収集不足

60%

設計・検討

の不具合

21%

施工計画

の不具合

12%

軽微な

不具合

7%

図面・数量

のみの修正

31%

設計計算

からの見直し

9%

計画からの

見直し

5%

その他

 2%

計画からの

見直し

20%

図面・数量

のみの修正

7%

図面・数量

のみの修正

5%

図面・数量

のみの修正

7%

設計計算  2%

からの見直し

3-7

§2:不具合事例の紹介

3-8

1 / 1

不具合事例に関するアンケート【補修補強編】

番号 補修補強工法 上部工形式 対象部位 内  容(不具合事例) 原因 処 置 方 法 予 防 対 策(当事者コメント) 備 考

1 上部工補強工 外ケーブル ポステンT桁 主桁両引き緊張の計画となっていたが、緊張スペースが確保されていなかった。

情報収集不足 現地条件に合わない補強計画 計画からの見直し 緊張計画の見直し 施工計画と現地条件の整合性を確認する。 事例番号 - 1

2 上部工補修工 再グラウト ポステンT桁 主桁竣工図をもとに設計していたが、実際の配置が異なっていた為、鋼材位置を特定するのが困難であった。

情報収集不足 現地調査不足 計画からの見直し レントゲン調査によりPC鋼材位置を特定設計段階で詳細調査を実施する。(提案事項が受け入れられず、なかなか難しい)

3 上部工補修工 断面修復 プレテンT桁 地覆 設計図書との相違(かぶり0mm) 情報収集不足 設計図書と現地の相違 計画からの見直し 表面塗装の追加 発注時に的確な現状把握を行う。

4 その他 巻き立て ポステン箱桁 橋脚 橋脚が張出し構造のため鉛直鉄筋が建て込めなかった。 情報収集不足 検討不足 計画からの見直し 圧接継ぎ手を追加 現地の確認を行う。

5 付属物補修・取替工 金属溶射 ポステンT桁 支承遊間部(桁とパラ前)に溶射機が入るスペースがなく、溶射可能角度を確保することができなかった。

情報収集不足 現地条件に合わない施工計画 計画からの見直し 重防食塗装(はけ塗り)に変更 使用機械に応じた現地確認を徹底する。 事例番号 - 2

6 舗装打換工+橋面防水工 舗装打ち替え 全般 橋面既存アスファルト舗装厚が図面では60mmで現地は20mmであった。

情報収集不足 現地調査不足 計画からの見直し 薄層舗装系に変更 現地の試掘調査を実施する。

7 舗装打換工+橋面防水工 防水 ポステン箱桁 床版歩道マウンドアップがコンクリートでは無く砕石であった。砕石部からのわき水により防水シートが付着せず。

情報収集不足 竣工時の図面のチェック漏れ 計画からの見直し 施工方法を変更 マウンドアップの材料を確認する。

8 落防システム工 変位制限装置 ポステンT桁 付属 アンカーバーのコア削孔機械を設置するスペースがなかった。 情報収集不足 現地条件に合わない施工計画 計画からの見直し 橋座をはつりスペースを確保

9 落防システム工 変位制限装置 ポステンT桁 沓座 台座コンクリートと変位制限壁が干渉する。 情報収集不足 現地条件に合わない計画 計画からの見直し 設計計画の見直し 終計画と設計計算の整合確認

10 落防システム工 落防システム 全般 付属 支承の損傷を無視して落防・変制を設計していた。 情報収集不足 現地調査不足 設計計算からの見直し 支承取替を踏まえた落防システムの設計に修正支承は落防システムに密接に関連することを再認識する

事例番号 - 3

11 上部工補強工 床版補強 ポステンT桁 床版 既設落防壁があり端部の鋼板接着が困難であった。 情報収集不足 現地調査不足(アンカー削孔が出来ない) 図面・数量のみの修正 アンカー径と位置を変更 既設確認と施工機材の確認

12 その他 断面修復 ポステンT桁 橋台パラペットが欠損していたが断面修復工が計上されていなかった。

情報収集不足 現地調査不足(調査漏れ) 図面・数量のみの修正 図面の修正 現地調査内容を現地で十分把握する。

13 付属物補修・取替工 伸縮継ぎ手工 ポステンT桁 付属 設計遊間量と現地遊間量が異なっていた。 情報収集不足 現地調査の未実施(竣工図を基に設計) 図面・数量のみの修正 調査後に図面修正 現地計測を徹底する。

14 付属物補修・取替工 伸縮継ぎ手工 ポステンT桁 付属旧橋は、横桁位置が現在と異なり支承線上に200mmで配置されており伸縮アンカー打ち込み位置では、横桁が無い為削孔が床版を貫通した。(伸縮固定アンカーの削孔長不足)

情報収集不足 図面・数量のみの修正 アンカー径、本数の変更 施工年度からの標準図面の確認及び現地確認

15 舗装打換工+橋面防水工 橋面舗装 全般 橋面 現地の埋設物が未確認であった。 情報収集不足 情報収集不足 図面・数量のみの修正 図面の修正 現地情報の正確な把握

16 舗装打換工+橋面防水工 橋面防水 側道橋 橋面 As舗装ではなくCo舗装であった。 情報収集不足 現地調査不足(舗装はAsとの思い込み) 図面・数量のみの修正 Co舗装のひびわれ注入のみ 補修対策と現地状況の整合確認

17 舗装打換工+橋面防水工 橋面防水 ポステンT桁 橋面 水抜きパイプが図面通りの位置に設置できなかった。 情報収集不足 竣工図と既設との不整合 図面・数量のみの修正 排水間隔を変更 現地計測を徹底する。

18 落防システム工 変位制限構造 PCホロー桁 付属 ブラケットの設置が困難である。 情報収集不足 竣工図と既設との不整合 図面・数量のみの修正 調査後にブラケット形状を変更 現地計測を徹底する。

19 舗装打換工+橋面防水工 橋面防水工 ポステンT桁 橋面 既設排水桝を無視して導水パイプを計画していた。 情報収集不足 既設桝の位置を未確認 図面・数量のみの修正 図面を修正 既設桝位置を確認する。 事例番号 - 4

20 落防システム工 変位制限構造 鋼橋 付属 添架管が支障となり補強部材が取り付かなかった。 情報収集不足 現地調査結果の復元構造図への未反映 図面・数量のみの修正 補強部材取付位置の変更添架管、排水管などの支障物件は必ず図面に明記する。

21 落防システム工 桁下での削孔、はつり 全般 橋座 桁下空間が狭く、削孔できない。 情報収集不足 施工計画の精度不足 図面・数量のみの修正 施工対応・鉄筋加工修正 施工知識の向上を図る。

22 落防システム工 変位制限装置 ポステンT桁 付属 アンカーバーのコア削孔位置に既設鉄筋が干渉した。 情報収集不足 竣工図と現地との相違 図面・数量のみの修正 アンカーバーの位置を変更アンカーバーの位置が現場で変更になることを想定し、設計計算段階でアンカーバー移動範囲を照査する。

23 落防システム工 変位制限構造 ポステンT桁 付属 補強部材と排水管が干渉した。 情報収集不足 現地計測結果を図面に未反映 図面・数量のみの修正 排水管の形状を変更 現地計測を徹底する。

24 落防システム工 変位制限構造 ポステンT桁 橋脚 既設鉄筋とアンカーバーが干渉した。 情報収集不足 現地調査不足(既設図面の未入手) 図面・数量のみの修正 既設に合わせ図面修正 鉄筋探査調査を提案し実施する。

25 上部工補修工 ひび割れ注入工 鋼橋 床版ひび割れが狭小部にあり、注入器具の取付けが不可能であった。

情報収集不足 図面と現地写真のチェック漏れ その他遊離石灰を伴う損傷であったため、注入不可能との判断

損傷図と損傷写真を照合する。

26 舗装打換工+橋面防水工 橋面防水 ポステンT桁 橋面 橋面防水が施工済みであった。 情報収集不足 情報収集不足 その他 施工対応 補修工事の経緯を確実に残す。

27 付属物補修・取替工 高欄工 ポステンT桁 高欄 地覆鉄筋に高欄アンカーが干渉していた。 情報収集不足 情報収集不足 その他 施工時に適宜調整

28 上部工補強工 外ケーブル ポステンT桁 支持金具 ケーブル支持間隔が10mを超えていた。 設計・検討の不具合 照査不足 設計計算からの見直し 支持金具の追加設置 変更図面、数量計算書により変更

29 上部工補強工 外ケーブル ポステンT桁 主桁 定着具取付け用の突起荷重を考慮していなかった。 設計・検討の不具合 終計画との不整合 設計計算からの見直し 設計計算の見直し 終計画と設計計算の整合性を確認する。

30 落防システム工 変位制限装置 ポステンT桁 支承アンカーバーの計算で、すき間の比h/dが0.5以上の場合に曲げ耐力の照査を省略していた。

設計・検討の不具合 設計計算からの見直し 曲げ耐力に対する照査を追加 事例番号 - 5

31 上部工補強工 外ケーブル ポステンT桁 床版 主桁の左右で非対称の外ケーブル配置となっていた。 設計・検討の不具合 不均等荷重による主桁の設計照査漏れ。 設計計算からの見直し FEMによる局部解析を実施 必要本数だけでなく構造的な観点でも検討を行う。

32 上部工補強工 ダンパー横桁 ポステンT桁 主桁 横桁鉄筋と主桁ケーブル(実配置)が干渉していた。 設計・検討の不具合施工時の対処方法への配慮不足(横桁形状や配筋計画に応力的な余裕がない)

図面・数量のみの修正 横桁および配筋の見直しケーブル位置が想定と相違する場合の対処法を設計時に考えておく。

33 上部工補強工 床版取り替え 鋼橋 床版上下線の継ぎ目コンクリートを交通解放した状態で打設・養生する計画であった。

設計・検討の不具合 検討不足 図面・数量のみの修正 CFRP格子筋を設置 施工方法の確認を行い、材料を選定する。

34 上部工補強工 外ケーブル ポステンT桁 主桁 定着突起鋼棒の緊張力が不足していた。 設計・検討の不具合 計算書のチェック漏れ 図面・数量のみの修正 PC鋼棒を追加配置 計算書のチェックを徹底する。

35 上部工補強工 外ケーブル ポステンT桁 主桁ケーブル定着体の曲げ、せん断に対する検討項目が不足していた。

設計・検討の不具合 照査不足 その他 追加照査 設計書のチェックを徹底する。

36 落防システム工 落橋防止壁 ポステンT桁 主桁 主桁との離隔が小さく、施工性が非常に悪い 設計・検討の不具合 形状寸法を設定する際の施工への配慮不足 その他 形状寸法と施工スペースを確認する。

37 付属物補修・取替工 取替 箱桁 支承ダンパー・縁端拡幅設置、支承取替え等多くの工種が発生するが、設計図書に施工ステップが明記されていない。

施工計画の不具合 現地条件に合わない補強計画 計画からの見直し 施工ステップの明記

38 落防システム工 変位制限装置 附属 型枠設置、生コン打設が困難であった。 施工計画の不具合 型枠設置、生コン打設スペースへの配慮不足 計画からの見直し 鋼製ブラケットに変更 変更図面、数量計算書により変更

39 上部工補修工 断面修復 全般 足場 全面吊り足場としていたが、補修箇所は部分的であった 施工計画の不具合 桁下面の補修=全面吊り足場との思い込み 図面・数量のみの修正 補修が必要な箇所のみ足場を計上 補修範囲を考慮し、足場範囲を決定する。 事例番号 - 6

40 落防システム工 落橋防止装置 ポステンT桁 付属 鋼製ブラケットのT桁への固定方法が不明確であった。 施工計画の不具合 ブラケットの取付手順が図示されていなかった 図面・数量のみの修正 施工者側の順序に変更 現場にて手順の変更

41 上部工補強工 外ケーブル ポステンT桁 主桁 設計計算に基づいた施工手順が明記されていなかった。 施工計画の不具合 施工への配慮不足 その他 施工手順の明記 制約がある場合は施工手順の明記 事例番号 - 7

42 上部工補修工 ひび割れ注入 PC箱桁 主桁 吊足場の2段足場が計上されていなかった。 軽微な不具合 数量計算書と図面のチェック漏れ 図面・数量のみの修正 数量の修正 数量計算書と図面のチェック 事例番号 - 8

43 落防システム工 変位制限構造 ポステンT桁 橋脚 鋼製ブラケット形状が計算書と相違していた。 軽微な不具合 設計計算書と図面のチェック漏れ 図面・数量のみの修正 図面の修正 計算書と図面のチェック

44 落防システム工 縁端拡幅 ポステンT桁 橋台 縁端拡幅が斜角を考慮していなかった。 軽微な不具合 設計計算書と図面のチェック漏れ 図面・数量のみの修正 図面の修正 計算書と図面のチェック

注)表中の文章については、アンケート結果を引用している。

3-9

■計画概要

 PCT桁における外ケーブル補強を計画した事例である。既設橋は斜角を有してお

 り、横桁は主桁に対して直角方向に配置されていた。この橋梁に対して、外ケーブ

 ルは横桁との取合いを考慮し、定着位置等の配置を決定し、両引きでの計画にて設

 計計算を行った。

■不具合内容

 緊張具が横桁に近く、緊張作業スペースが確保されていない箇所が存在したため、

 両引きでの作業が困難であった。

・外ケーブルを片引きでの緊張作業として、設計計算の見直しを行い、緊張力を上げ

 て対応した。

・場合によっては、ケーブル規格の変更が生じ、定着具及び偏向具等の大幅な変更が

 伴うこともある。

・設計条件と施工計画の不整合が原因である。設計条件を確定する段階で、施工条件

 や計画との整合を図る。

発生頻度

工事に対する影響度

不具合原因■①情報収集不足    □②設計検討の不具合□③施工計画の不具合  □④軽微な不具合   □その他

不具合内容

WG3-1事例番号

施工への配慮が不足した外ケーブルの設計計画

図-1 平面図

備考

照査項目 照査②:3.補強設計(上部構造)

不具合事例

対処方法

偏向装置 外ケーブル

G1

G10

G5

緊張作業のスペースがない

横桁

3-10

■計画概要

 支承の補修を計画した事例である。支承の鋼板に腐食を確認したため、亜鉛メッキ

 の溶射で、補修計画とした。

■不具合内容

 補修箇所である橋座部には横桁も存在し、狭小なスペースでの施工となり、溶射機

 を挿入するスペースが無く、溶射可能角度が確保できない計画となっていた。

・溶射機での溶射可能角度が確保できないため、施工が可能な重防食塗装(はけ塗り)

 での補修に変更した。

・施工条件に対する現橋調査不足である。現況調査により施工条件を明確し、調査結

 果と施工計画の整合性を確認する。

発生頻度

工事に対する影響度

不具合原因■①情報収集不足    □②設計検討の不具合□③施工計画の不具合  □④軽微な不具合   □その他

不具合内容

WG3-2事例番号

支承補修における施工条件の確認不足

備考

照査項目 照査②:2.補修設計

不具合事例

対処方法

現況写真

常温金属溶射の作業条件

狭小なスペース

3-11

■計画概要

 落橋防止システム工の設置を提案した事例である。

 Aタイプ支承を採用した単純桁の落橋防止システムとして、変位制限構造を提案し

 た。

■不具合内容

 施工時に桁端部を再調査したところ、既設の支承(鋼製

 支承)が腐食しており、支承取替えの必要性が新たに

 判明した。桁端部が狭隘な本橋の支承の取替えは、既設

 コンクリートブロック(直角方向の変位制限構造)を撤

 去しなければならない。

 この時、直角方向変位制限構造の再設置が必要となるた

 め、新たに落橋防止システムの計画を見直す必要が生じた。

・支承の取替え設計を新たに実施した。

・既設コンクリートブロックをすべて撤去することから、変位制限構造の設計見直し

 を実施した。

<現況桁端部構造>    → <当初設計の桁端部構造> → <修正後の桁端部構造>

鋼製支承          → 既設鋼製支承     → ゴム支承に取替え

橋軸方向変位制限構造なし  → 新設鋼製ブラケット  → アンカーバーに変更

直角方向変位制限構造あり  → 既設RC突起     → アンカーバーに変更

・現橋調査による確認不足が原因であるため、既存資料等を基に確実な調査計画と調

 査結果の確認を行う。

発生頻度

工事に対する影響度

WG3-3事例番号

不具合原因■①情報収集不足    □②設計検討の不具合□③施工計画の不具合  □④軽微な不具合   □その他

備考

照査項目 照査②:1.詳細調査

不具合事例

対処方法

図-2 断面図

不具合内容 現橋調査における損傷箇所の確認不足

図-1 側面図

図-3 修正設計後の支承と変位制限構造

3-12

■計画概要

 橋面防水工の補修に伴い、排水パイプの配置計画を行った。

 ※橋面の縦断勾配:1%以下であったため、5m間隔で設置とした。

■不具合内容

 既設橋の場合、床版削孔箇所を極力少なくするために既設桝を利用するが、情報収

 集において既設排水桝位置を把握しておらず、既設排水枡を無視して排水パイプ箇

 所を決定していた。

・既設排水桝の位置を現地確認し、既設排水桝箇所付近の排水パイプを削除する様に

 図面と数量の修正を行った。

・現橋調査による確認不足が原因であるため、既存資料等の所在を確認すると共に、

 補修設計及び施工計画を見据えて現橋調査時に確認すべき項目を事前整理し、調査

 に臨むことが必要である。

発生頻度

工事に対する影響度

不具合原因■①情報収集不足    □②設計検討の不具合□③施工計画の不具合  □④軽微な不具合   □その他

不具合内容

WG3-4事例番号

現橋調査における既設排水桝の確認不足

備考

照査項目 照査②:1.詳細調査

不具合事例

対処方法

図-2 既設桝を考慮した場合の排水パイプ配置計画図

図-1 橋面防水工における排水パイプの配置計画図

コア削孔φ50 5m間隔排水パイプ

コア削孔φ50 5m間隔排水パイプ

橋 面 防 水 工

コア削孔φ50 5m間隔

排水パイプ

排水パイプ不要 排水パイプ不要

排水パイプ不要

既設枡

橋 面 防 水 工

コア削孔φ50 5m間隔排水パイプ

既設枡

既設枡 既設枡

排水パイプ不要

3-13

■計画概要

 既設橋について横桁を改良し、変位制限構造の設置計画を行った。

■不具合内容

 既設橋が中規模であったため、設置条件等より、変位制限構造をD32の異径棒鋼に

 て計画し、アンカーバーについてはせん断に対する照査を行った。

 しかし、上下部工間のすき間を20mmとしていたため、支承便覧の規定により、せ

 ん断照査に加え、曲げと引張りを考慮した照査も必要であった。

・支承便覧の規定(p.179)

 既存の研究より、アンカーバーの破壊形態はコンクリートの剥離を伴った曲げ

 引張り破壊であり、下部構造と上部構造のすき間が大きすぎると耐力が低下す

 ることが明らかとなっている。したがって、アンカーバーは、曲げと引張りを

 考慮して照査するのがよい。ただし、図-3.6.32(下図)に示す、アンカー

 バーの径(d)と下部構造と上部構造のすき間(h)の比h/dを0.5程度以下とする場

 合には、式(3.6.69)により照査してよい。

・アンカーバーに対して、曲げの照査を行い、照査を満足しなかったため、アン

 カーバー径の変更を行った。

 また、上下部構造間のすき間をD/2以下とすることも一つの対処方法である。

・基準を理解し、設計計算段階で必要な照査を把握する必要がある。

 また、照査においても計算項目等についての照査を行う。

・構造の計画検討段階でアンカーバー径と上下部構造間のすき間に対する関係も

 確認することが必要である。

発生頻度

工事に対する影響度

不具合原因□①情報収集不足    ■②設計検討の不具合□③施工計画の不具合  □④軽微な不具合   □その他

不具合内容

WG3-5事例番号

アンカーバーに対する照査不足

備考

照査項目 照査②:6.補強設計(落防、支承等)

不具合事例

対処方法

図-1 上部工と下部工のすき間

3-14

■計画概要

 PCT桁橋の補修設計において、既点検成果から損傷・補修範囲を確定した事例で

 ある。施主との協議により設計時は近接目視点検を省略し、工事で近接目視を実施

 することとして申送りを行った。このため、近接目視と補修作業の両方を見越して、

 上部工全範囲において足場設置を計画した。

■不具合内容

 工事発注後、1径間分の近接目視を実施したところ上部工が健全であることが確認

 されたため、足場の設置範囲の妥当性について再検討する必要が生じた。

 

・現状の損傷状況を確認した上で近接目視は高所作業者での作業に変更した。

・補修の範囲も部分的であったことから足場の範囲も部分足場に変更した。

・詳細調査の省略が原因であるため、特に設計計画や工事費等に大きく影響する項

 目については詳細調査(外観変状調査)を基本とし、発注者との協議を行う。

・その他事情により現地調査が出来ない場合はその旨を図面等に記載する。

WG3-6事例番号

発生頻度

工事に対する影響度

不具合内容 詳細調査の省略による足場の過大計上

不具合原因□①情報収集不足    □②設計検討の不具合■③施工計画の不具合  □④軽微な不具合   □その他

備考

照査項目 照査②:1.詳細調査

不具合事例

対処方法

図-1 足場設置範囲

図-2 損傷状況

3-15

■計画概要

 PCT桁における床版上面増厚及び外ケーブル補強を計画した事例である。荷重の

 増加に対して、床版及び主桁の応力が許容値を超過するため、床版の補強を上面増

 し厚工法、主桁の補強を外ケーブルにて行う計画とした。

■不具合内容

 外ケーブルの設計計算を実施していたが、施工手順を明記していなかったため、外

 ケーブル緊張時における条件が確認出来ない計画となっていた。

・設計計画と施工計画の整合性を確認した結果、上面増し厚後に外ケーブルを緊張す

 ることにより成り立つ計画となっていたため、同手順にて施工を行う様に施工手順

 を明記した。

・施工計画における施工条件・施工手順の記載不足が原因である。設計条件と施工計

 画の整合を確認した上で、設計計算に起因する施工条件や施工手順は設計図書に明

 記する。備考

照査項目 照査②:3.補強設計(上部構造)

不具合事例

対処方法

不具合原因□①情報収集不足    □②設計検討の不具合■③施工計画の不具合  □④軽微な不具合   □その他

不具合内容

WG3-7事例番号

外ケーブル補強における施工手順の明記不足

発生頻度

工事に対する影響度

上面増し厚:施工

外ケーブル:緊張 外ケーブル:緊張済み

外ケーブル:緊張

上面増し厚:施工済み

上面増し厚:施工

①上面増し厚施工後の外ケーブル緊張

②外ケーブル緊張後の上面増し厚施工

3-16

■計画概要

 既設PC箱桁橋のひび割れについて注入工にて補修を行うこととした。仮設工は桁

 下条件より地上からの足場設置が困難であるため、吊足場工を計画した。

■不具合内容

 吊足場工の数量は㎡単位で計上するため、平面図より集計していたが、張出床版下

 面のひび割れ注入工のための中段足場工が未計上であった。

・施工計画を確認の上、中段足場工の数量を計上した。

・中段足場とする他の対応方法としては、枠組足場を計上する方法も考えられる。

・施工対象箇所と足場設置位置の不整合が原因である。施工計画を行う際は

 補修対象位置や高さと吊足場工設置位置等の整合を確認する。

 備考

照査項目 照査③:5.施工法検討

不具合事例

対処方法

図-1 足場工断面図

不具合原因□①情報収集不足    □②設計検討の不具合□③施工計画の不具合  ■④軽微な不具合   □その他

不具合内容

WG3-8事例番号

補修設計における中段足場の未計上

発生頻度

工事に対する影響度

約3.0

m

吊足場

ひび割れ注入工範囲

作業高さが高い(2.0m以上)

中段足場

3-17

§3:不具合事例に基づくチェックシート(案)

3-18

※本照査フローは、【土木設計業務等の照査報告時チェックポイント】の「橋梁詳細設計照査フローチャート」を参考に

(一社)建設コンサルタンツ協会九州支部と(社)プレストレスト・コンクリート建設業協会九州支部合同で作成したもの

である。

契      約

現地踏査、既存資料の収集・整理

条 件 等 打 合 せ

設 計 計 画

照   査   ①

報告①(基条条件の照査)

詳細調査、補修・補強検討等

報告②

(細部条件、構造物細目の照査)

設計報告書、計算書作成

数   量   計   算施   工   計   画

照査報告書作成

報告③

(成果品の照査及び設計調書)

成果品の提出・検査

照査計画の策定

基本条件の照査

調査結果、対策工法対策構造の照査

成果品の照査設計計算書設計数量計算書施工計画書 等

設計調書の 作成

条 件 等 指 示

照査状況の把握

照査状況の把握

照査状況の把握

主任調査員

調査員

総括調査員主任調査員調査員

主任調査員調査員

主任調査員調査員

照査技術者

照査技術者

照査技術者

照査技術者

照査技術者

発   注   者 受   注   者

業務計画書(照査計画を含む)(

照査項目一覧表

照査項目一覧表

照査項目一覧表、設計調書

(照査①~③及び設計調書含む)

照査報告書

受注者が実施する照査関連事項

橋梁補修・補強設計照査フローチャート(案)※

照   査   ②

照査項目一覧表、設計調書

補修・補強詳細図作成

照   査   ③

現況一般図、損傷図、補修・補強一般図

3-19

対象

照査

1設

計の

目的

、主

旨1

)目

的、

主旨

は理

解し

たか

業務

計画

書注

1) 

2の

1)に

つい

2)

設計

の主

な項

目、

工程

につ

いて

具体

的内

容を

把握

した

2貸

与資

料の

問題

点貸

与資

料の

不足

及び

追加

事項

はあ

るか

打合

せ資

料注

1)

3現

地踏

査1

)地

形、

地質

、気

象、

現地

状況

は把

握し

たか

現場

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2)

交通

状況

、河

川状

況は

把握

した

3)

民家

、民

地等

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境状

況(

振動

、騒

音等

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は把

握し

たか

注2) 

3の

4)に

つい

4)

支障

物件

の状

況は

把握

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か注

2)

5)

施工

時の

注意

事項

は把

握し

たか

6)

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資料

と現

地と

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確認

した

注3) 

4の

3)に

つい

4設

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本条

件1

)重

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の区

分(

A種

の橋

、B

種の

橋)

は適

正か

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2)

荷重

条件

は適

正か

検討

3)

施工

条件

の基

本は

確認

した

か(

時期

、ス

ペー

ス、

環境

、交

条件

、安

全性

の確

保、

近接

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、部

材の

輸送

条件

)注

3)

注4) 

4の

4)に

つい

4)

使用

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き設

計基

準は

把握

した

か注

4)

5)

新工

法、

新技

術の

採用

の検

討が

必要

6)

関連

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設計

、示

方書

等と

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いる

か注

5)

5交

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件1

)河

川条

件は

整理

され

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 (

基準

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長、

阻害

率、

流心

方向

、桁

下余

裕、

堤防

定規

断面

等)

注5) 

4の

6)に

つい

2)

交差

条件

は整

理さ

れて

いる

3)

支障

物件

への

対応

方法

の検

討の

必要

性は

確認

した

4)

交差

協議

に関

わる

協議

資料

作成

の種

類と

内容

は確

認し

たか

 支

障物

件を

整理

して

いる

か確

認し

たか

?(

支障

物件

:水

道管

、通

信管

(NTT管

)、

架空

線等

主 

な 

内 

容照

査①

チェ

ック

ポイ

ント

項 

  

 目

提示

資料

備考

 現

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把握

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る資

料で

ある

こと

を確

認し

たか

?(

貸与

資料

:道

路台

帳、

橋梁

台帳

、重

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造物

デー

タ、

添架

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び埋

設物

調書

、当

初成

果(

設計

図・

報告

書)

、工

事竣

工図

書、

既往

補修

補強

設計

成果

等)

基本

条件

の照

査項

目一

覧表

(様

式-

1 

チェ

ック

ポイ

ント

No

 基

本条

件を

整理

して

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か確

認し

たか

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記仕

様書

に記

載さ

れて

いる

資料

や九

地整

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ーム

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確認

した

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た、

使用

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基準

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中で

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れな

い場

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優先

順位

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認し

たか

 設

計者

の判

断に

任さ

れて

いる

設計

手法

であ

るが

、九

地整

が認

める

基準

を採

用し

てい

るか

確認

した

か?

※本

照査

フロ

ーは

、【

土木

設計

業務

等の

照査

報告

時チ

ェッ

クポ

イン

ト】

の「

橋梁

詳細

設計

照査

フロ

ーチ

ャー

ト」

を参

考に

(一

社)

建設

コン

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会九

州支

部と

(社

)プ

レス

トレ

スト

・コ

ンク

リー

ト建

設業

協会

九州

支部

合同

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たも

ので

ある

3-20

対象

照査

6地

盤条

件1

)土

質定

数の

設定

は妥

当か

基本

条件

注6)

注6) 

6の

1)に

つい

2)

支持

力、

地盤

バネ

値の

設定

は妥

当か

検討

書注

7)

3)

水位

、水

圧の

評価

は妥

当か

注8)

4)

構造

図と

柱状

図と

の位

置関

係は

妥当

5)

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地盤

とし

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討す

る必

要性

を確

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6)

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び流

動化

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地盤

から

決ま

る許

容支

持力

は妥

当か

注9)

注7) 

6の

2)に

つい

8)

支持

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岩の

場合

の考

え方

は妥

当か

注10)

9)

支持

層の

設定

位置

は妥

当か

7耐

震検

討1

)耐

震検

討は

妥当

か(

固有

周期

、地

域別

補正

係数

、〃

  

地盤

種別

、等

価水

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度、

設計

水平

震度

等)

注11)

2)

設計

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単位

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正か

注8) 

6の

3)に

つい

3)

免震

・制

振設

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討の

必要

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確認

した

4)

動的

解析

の必

要性

を確

認し

たか

8地

形条

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ード

スペ

ース

は確

認し

たか

2)

資機

材運

搬路

は確

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きる

か注

9) 

6の

7)に

つい

 注

7) 同

じ。

9使

用材

料1

)使

用材

料と

規格

、許

容応

力度

は妥

当か

注12)

注10) 

6の

8)に

つい

 (

鋼、

コンクリート、

PC等

2)

特殊

材料

の供

給条

件は

確認

した

注11) 

7の

1)に

つい

注12) 

9の

1)に

つい

備考

基本

条件

の照

査項

目一

覧表

(様

式-

1 

チェ

ック

ポイ

ント

No

項 

  

 目

主 

な 

内 

容提

示資

料照

査①

チェ

ック

ポイ

ント

・設

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、土

質報

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をも

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決定

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設計

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整理

され

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るか

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力度

(C,φ

)、

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極限

支持

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定が

道路

橋示

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には

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ため

、採

用値

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確認

した

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 設

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平震

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書が

ある

か確

認し

たか

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時の

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強度

、材

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した

か?

(例

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筋丸

鋼SR235、

コン

クリ

ート

σck=16~

21N/mm2)

 支

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、地

盤バ

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定の

計算

は、

計算

に採

用し

た数

値の

取り

間違

い、

土質

報告

書等

との

矛盾

、計

算間

違い

等が

おこ

りや

すい

箇所

であ

るが

、確

認は

した

か?

 土

質調

査結

果の

水位

と設

計に

用い

た水

位が

異な

って

いる

場合

があ

り、

その

場合

設計

に用

いた

水位

の決

定根

拠を

確認

した

か?

※本

照査

フロ

ーは

、【

土木

設計

業務

等の

照査

報告

時チ

ェッ

クポ

イン

ト】

の「

橋梁

詳細

設計

照査

フロ

ーチ

ャー

ト」

を参

考に

(一

社)

建設

コン

サル

タン

ツ協

会九

州支

部と

(社

)プ

レス

トレ

スト

・コ

ンク

リー

ト建

設業

協会

九州

支部

合同

で作

成し

たも

ので

ある

3-21

対象

照査

1詳

細調

査1

)道

路使

用許

可申

請を

行っ

てい

るか

実施

計画

書注

1)

注1) 

1の

1)に

つい

2)

現橋

の寸

法と

設計

図(

竣工

図)

との

整合

を確

認し

たか

3)

現橋

の変

状・

損傷

を確

認し

たか

4)

現橋

の補

修・

補強

状況

につ

いて

把握

した

か注

2)

5)

設計

に必

要な

試験

は抽

出し

たか

注3)

注2) 

1の

4)に

つい

 (

塩害

、中

性化

、ASR、

凍害

等の

調査

・試

験)

2補

修設

計1

)適

用基

準は

正し

いか

設計

条件

注3) 

1の

5)に

つい

2)

現橋

の調

査結

果が

整理

され

てい

るか

検討

3)

損傷

要因

が整

理さ

れて

いる

4)

補修

要否

の判

定は

妥当

か注

4) 

3の

7)に

つい

5)

補修

方法

の選

定は

妥当

6)

補強

設計

との

整合

は図

れて

いる

7)

使用

材料

は妥

当か

8)

施工

法は

妥当

か(

施工

ヤー

ド、

施工

スペ

ース

等)

注5) 

3の

9)に

つい

9)

構造

細目

は妥

当か

(鉄

筋か

ぶり

、ピ

ッチ

、継

手、

折り

曲げ

位置

フッ

ク形

状等

10)

添架

物を

考慮

して

いる

3補

強設

計(

上部

構造

)1

)適

用基

準は

正し

いか

2)

現橋

の調

査結

果が

整理

され

てい

るか

3)

補強

要否

の判

定は

妥当

4)

補強

方法

の選

定は

妥当

5)

補修

設計

との

整合

は図

れて

いる

6)

支承

条件

及び

地盤

条件

を考

慮し

た設

計と

なっ

てい

るか

7)

解析

上の

モデ

ル化

は妥

当か

注4)

8)

解析

法(

適用

プロ

グラ

ム、

構造

モデ

ル)

は適

切か

9)

施工

法は

妥当

か(

運搬

路、

施工

ヤー

ド、

施工

スペ

ース

等)

注5)

10)

材料

使用

区分

は妥

当か

(鋼

材、

コン

クリ

ート

、鉄

筋)

11)

構造

細目

は妥

当か

(鉄

筋か

ぶり

、ピ

ッチ

、継

手、

折り

曲げ

位置

フッ

ク形

状等

)細部

条件

の照

査項

目一

覧表

(様

式-

2 

チェ

ック

ポイ

ント

備考

No

項 

  

 目

主 

な 

内 

容提

示資

料照

査②

チェ

ック

ポイ

ント

 交

差物

件に

応じ

、道

路・

河川

・鉄

道管

理者

等と

の協

議が

必要

とな

るが

、全

て実

施し

てい

るか

 計

画に

影響

する

補修

補強

履歴

等を

確認

した

か?

 試

験抽

出の

根拠

は整

理さ

れて

いる

か?

  

上下

部工

の施

工計

画が

立案

され

てい

るか

。工

事用

進入

路等

は計

画さ

れて

いる

か確

認し

たか

 斜

角の

ある

橋梁

にお

いて

、設

計水

平震

度作

用位

置が

上部

工重

心位

置と

なっ

てい

るか

確認

した

か?

※本

照査

フロ

ーは

、【

土木

設計

業務

等の

照査

報告

時チ

ェッ

クポ

イン

ト】

の「

橋梁

詳細

設計

照査

フロ

ーチ

ャー

ト」

を参

考に

(一

社)

建設

コン

サル

タン

ツ協

会九

州支

部と

(社

)プ

レス

トレ

スト

・コ

ンク

リー

ト建

設業

協会

九州

支部

合同

で作

成し

たも

ので

ある

3-22

対象

照査

12)

防水

工は

適切

13)

塗装

系は

適切

14)

添架

物を

考慮

して

いる

4補

強設

計(

下部

構造

)1

)適

用基

準は

正し

いか

2)

現橋

の調

査結

果が

整理

され

てい

るか

3)

補強

要否

の判

定は

妥当

4)

補強

方法

の選

定は

妥当

5)

補修

設計

との

整合

は図

れて

いる

6)

支承

条件

及び

地盤

条件

を考

慮し

た設

計と

なっ

てい

るか

7)

解析

上の

モデ

ル化

は妥

当か

8)

解析

法(

適用

プロ

グラ

ム、

構造

モデ

ル)

は適

切か

9)

形状

、寸

法の

基本

的統

一は

計ら

れて

いる

10)

施工

法は

妥当

か(

運搬

路、

施工

ヤー

ド、

施工

スペ

ース

等)

11)

材料

使用

区分

は妥

当か

(鋼

材、

コン

クリ

ート

、鉄

筋)

12)

構造

細目

は妥

当か

(鉄

筋か

ぶり

、ピ

ッチ

、継

手、

折り

曲げ

位置

フッ

ク形

状等

13)

橋脚

の地

震時

保有

水平

耐力

及び

応答

塑性

率、

残留

変位

を確

認し

たか

提示

資料

No

項 

  

 目

主 

な 

内 

容チ

ェッ

クポ

イン

細部

条件

の照

査項

目一

覧表

(様

式-

2 

チェ

ック

ポイ

ント

照査

②備

※本

照査

フロ

ーは

、【

土木

設計

業務

等の

照査

報告

時チ

ェッ

クポ

イン

ト】

の「

橋梁

詳細

設計

照査

フロ

ーチ

ャー

ト」

を参

考に

(一

社)

建設

コン

サル

タン

ツ協

会九

州支

部と

(社

)プ

レス

トレ

スト

・コ

ンク

リー

ト建

設業

協会

九州

支部

合同

で作

成し

たも

ので

ある

3-23

対象

照査

5補

強設

計(

基礎

構造

)1

)適

用基

準は

正し

いか

2)

現橋

の調

査結

果が

整理

され

てい

るか

3)

補強

要否

の判

定は

妥当

4)

補強

方法

の選

定は

妥当

5)

補修

設計

との

整合

は図

れて

いる

6)

形式

、寸

法は

妥当

か(

杭で

あれ

ば、

杭種

、杭

径等

7)

支持

層へ

の根

入れ

は妥

当か

8)

液状

化及

び流

動化

の検

討は

妥当

9)

軟弱

地盤

の場

合、

橋台

の側

方移

動、

圧密

沈下

量、

杭の

ネガ

ティ

ブフ

リク

ショ

ンの

照査

を行

った

10)

近接

施工

の問

題は

ない

11)

設計

理論

と解

析手

法は

妥当

12)

施工

法は

妥当

か(

運搬

路、

施工

ヤー

ド、

施工

スペ

ース

等)

13)

材料

使用

区分

は妥

当か

(鋼

材、

コン

クリ

ート

、鉄

筋)

14)

構造

細目

は妥

当か

(鉄

筋か

ぶり

、ピ

ッチ

、継

手、

折り

曲げ

位置

  

フッ

ク形

状、

杭頭

処理

等)

15)

埋設

物と

の取

合い

は問

題な

いか

16)

地盤

改良

の必

要性

を確

認し

たか

17)

耐震

設計

上の

基盤

面、

地盤

面は

適切

18)

土質

定数

は妥

当か

19)

基礎

の地

震時

保有

水平

耐力

及び

応答

塑性

率、

残留

変位

を確

認し

たか

No

項 

  

 目

主 

な 

内 

容チ

ェッ

クポ

イン

ト提

示資

料照

査②

備考

細部

条件

の照

査項

目一

覧表

(様

式-

2 

チェ

ック

ポイ

ント

※本

照査

フロ

ーは

、【

土木

設計

業務

等の

照査

報告

時チ

ェッ

クポ

イン

ト】

の「

橋梁

詳細

設計

照査

フロ

ーチ

ャー

ト」

を参

考に

(一

社)

建設

コン

サル

タン

ツ協

会九

州支

部と

(社

)プ

レス

トレ

スト

・コ

ンク

リー

ト建

設業

協会

九州

支部

合同

で作

成し

たも

ので

ある

3-24

対象

照査

6補

強設

計1

)選

定形

式、

位置

、寸

法は

妥当

か〃

注6) 

7に

つい

(落

防、

支承

等)

2)

適用

基準

は正

しい

3)

現橋

の調

査結

果が

整理

され

てい

るか

4)

補強

要否

の判

定は

妥当

5)

補強

方法

の選

定は

妥当

6)

補修

設計

との

整合

は図

れて

いる

7)

使用

実績

はあ

るか

8)

維持

管理

性は

配慮

した

9)

添架

物を

考慮

して

いる

7仮

設構

造物

1)

経済

性、

施工

性、

安全

性、

及び

周辺

環境

の面

から

総合

的に

工法

注6)

  

の比

較選

定が

行わ

れて

いる

か。

2)

沿道

条件

、交

通処

理方

法を

考慮

して

いる

か。

3)

既設

構造

物へ

の影

響を

考慮

して

いる

か。

8そ

の他

1)

埋設

物、

支障

物件

、周

辺施

設と

の近

接等

、施

工条

件が

設計

計画

  

に反

映さ

れて

いる

9建

設副

産物

対策

1)

建設

副産

物の

処理

方法

は適

正か

2)

リサ

イク

ル計

画書

を考

慮し

たか

リサ

イク

ル計

画書

 そ

の他

項目

につ

いて

は、

「仮

設構

造物

詳細

設計

照査

要領

」に

よる

こと

提示

資料

No

項 

  

 目

主 

な 

内 

容照

査②

備考

チェ

ック

ポイ

ント

細部

条件

の照

査項

目一

覧表

(様

式-

2 

チェ

ック

ポイ

ント

※本

照査

フロ

ーは

、【

土木

設計

業務

等の

照査

報告

時チ

ェッ

クポ

イン

ト】

の「

橋梁

詳細

設計

照査

フロ

ーチ

ャー

ト」

を参

考に

(一

社)

建設

コン

サル

タン

ツ協

会九

州支

部と

(社

)プ

レス

トレ

スト

・コ

ンク

リー

ト建

設業

協会

九州

支部

合同

で作

成し

たも

ので

ある

3-25

対象

照査

1設

計報

告書

1)

打合

せ事

項は

反映

され

てい

るか

設計

計算

書注

1) 

2の

4)に

つい

2)

条件

設定

の考

え方

が整

合し

てい

るか

  

3)

補修

・補

強の

内容

、対

策が

一覧

とし

て整

理さ

れて

いる

  

4)

比較

・検

討の

結果

が整

理さ

れて

いる

  

5)

既存

資料

(竣

工図

、既

往補

修履

歴等

)は

整理

され

てい

るか

注2) 

3の

4)に

つい

  

6)

調査

、試

験内

容は

整理

され

てい

るか

  

7)

調査

、試

験内

容を

踏ま

えた

補修

・補

強設

計と

なっ

てい

るか

  

8)

工事

発注

に際

して

の留

意事

項が

記述

され

てい

るか

  

9)

関係

機関

協議

資料

は整

理さ

れて

いる

(道

路使

用許

可書

、交

差物

件管

理者

協議

資料

等)

2設

計計

算書

1)

打合

せ事

項は

反映

され

てい

るか

2)

対策

後の

上部

工の

床版

、主

桁の

応力

度は

許容

値を

満た

して

いる

3)

対策

後の

下部

工、

基礎

工の

各部

応力

及び

安定

計算

結果

は許

容値

満た

して

いる

4)

許容

応力

度の

取り

方は

正し

いか

注1)

5)

荷重

の組

合わ

せと

割増

し係

数は

適当

6)

二次

応力

を計

算す

る必

要は

無い

7)

破壊

安定

度の

照査

をし

たか

8)

座屈

規定

に基

づく

計算

がさ

れて

いる

9)

施工

条件

を配

慮し

た計

算と

なっ

てい

るか

10)

小鉄

筋量

等構

造細

目は

正し

いか

11)

所要

のじ

ん性

率を

確保

する

ため

の帯

鉄筋

を配

置し

てい

るか

3補

修・

補強

設計

図1

)縮

尺は

共通

仕様

書と

整合

して

いる

か設

計図

2)

補修

・補

強一

般図

には

必要

な項

目が

記載

され

てい

るか

 (

設計

条件

、交

差条

件、

添架

条件

、土

質条

件等

3)

補修

・補

強図

の基

本寸

法、

高さ

関係

は照

合さ

れて

いる

4)

補強

設計

計算

書・

補修

設計

報告

書と

の整

合は

図ら

れて

いる

か注

2)

5)

構造

詳細

は適

用基

準及

び標

準構

造と

整合

して

いる

6)

既設

部材

との

取り

合い

部の

構造

寸法

は適

正か

備考

 各

種材

料の

許容

応力

度や

物性

値が

適正

か確

認し

たか

照査

③チ

ェッ

クポ

イン

トN

o項

  

  

目提

示資

料主

 な

 内

 容

成果

品の

照査

・確

認項

目一

覧表

(様

式-

3 

チェ

ック

ポイ

ント

 設

計計

算書

と図

面の

整合

(例

えば

、鉄

筋径

、か

ぶり

、ピ

ッチ

等で

図面

が計

算書

と一

致)し

てい

るか

確認

した

か?

※本

照査

フロ

ーは

、【

土木

設計

業務

等の

照査

報告

時チ

ェッ

クポ

イン

ト】

の「

橋梁

詳細

設計

照査

フロ

ーチ

ャー

ト」

を参

考に

(一

社)

建設

コン

サル

タン

ツ協

会九

州支

部と

(社

)プ

レス

トレ

スト

・コ

ンク

リー

ト建

設業

協会

九州

支部

合同

で作

成し

たも

ので

ある

3-26

対象

照査

7)

解り

易い

注記

がつ

いて

いる

か注

3) 

3の

12)に

つい

8)

既設

付属

物の

配慮

や取

り合

いは

妥当

9)

各設

計図

がお

互い

に整

合さ

れて

いる

  

  

  

 ・

補修

・補

強一

般図

と各

部補

修・

補強

  

  

  

 ・

補強

構造

図と

補強

配筋

  

  

  

 ・

補強

図・

補修

図と

仮設

10)

使用

材料

は明

記さ

れて

いる

11)

工法

指定

とな

る明

記等

が含

まれ

てい

ない

12)

設計

計算

書の

結果

が正

しく

図面

に反

映さ

れて

いる

 (

特に

応力

計算

、安

定計

算等

の結

果が

適用

範囲

も含

めて

整合

され

てい

るか

  

・部

材厚

  

・鉄

筋(

径ピ

ッチ

、使

用材

料、

ラッ

プ位

置、

  

 ラ

ップ

長、主

鉄筋

の定

着長

、ガ

ス圧

接位

置)

  

・鋼

材形

状寸

  

・使

用材

  

・そ

の他

注3)

4数

量計

算書

1)

数量

計算

書は

数量

算出

要領

及び

打合

わせ

事項

と整

合し

てい

るか

数量

計算

(有

効数

字、

位取

り、

単位

、区

分等

2)

数量

計算

に用

いた

寸法

、数

値は

図面

と一

致す

るか

3)

数量

取り

まと

めは

種類

毎、

材料

毎に

打合

わせ

区分

に合

わせ

てま

とめ

られ

てい

るか

備考

チェ

ック

ポイ

ント

成果

品の

照査

・確

認項

目一

覧表

(様

式-

3 

チェ

ック

ポイ

ント

 鉄

筋の

定尺

が12m

以内

かの

確認

はし

たか

No

項 

  

 目

主 

な 

内 

容提

示資

料照

査③

※本

照査

フロ

ーは

、【

土木

設計

業務

等の

照査

報告

時チ

ェッ

クポ

イン

ト】

の「

橋梁

詳細

設計

照査

フロ

ーチ

ャー

ト」

を参

考に

(一

社)

建設

コン

サル

タン

ツ協

会九

州支

部と

(社

)プ

レス

トレ

スト

・コ

ンク

リー

ト建

設業

協会

九州

支部

合同

で作

成し

たも

ので

ある

3-27

対象

照査

5施

工法

検討

1)

施工

時の

道路

・河

川等

の切

廻し

計画

は妥

当か

施工

計画

書注

4) 

3の

12)に

つい

2)

工事

用道

路、

運搬

路計

画は

妥当

3)

既設

構造

物を

考慮

した

施工

ヤード、

施工

スペースを

確保

して

いる

4)

既設

構造

物を

考慮

した

部材

長・

寸法

・重

量と

なっ

てい

るか

5)

施工

法、

施工

順序

は妥

当か

6)

支保

工、

仮設

備等

は妥

当か

7)

施工

工程

は妥

当か

8)

経済

性は

配慮

され

てい

るか

9)

安全

確保

は配

慮さ

れて

いる

10)

環境

対策

は配

慮さ

れて

いる

11)

工事

用仮

設電

源は

検討

され

てい

るか

12)

施工

機械

の種

類、

規格

は適

切か

注4)

13)

施工

時の

条件

・留

意点

・申

送り

事項

等を

整理

して

いる

6建

設副

産物

対策

1)

リサ

イク

ル計

画書

を作

成し

てい

るか

7TECRISの

登録

TECRISの

登録

はさ

れた

か登

録受

領書

No

項 

  

 目

主 

な 

内 

 検

討段

階と

施工

計画

で重

機等

の規

格決

定根

拠を

確認

した

か?

 ク

ロー

ラク

レー

ンの

吊り

荷重

の決

定根

拠を

確認

した

か?

リサ

イク

ル計

画書

備考

提示

資料

チェ

ック

ポイ

ント

照査

成果

品の

照査

・確

認項

目一

覧表

(様

式-

3 

チェ

ック

ポイ

ント

※本

照査

フロ

ーは

、【

土木

設計

業務

等の

照査

報告

時チ

ェッ

クポ

イン

ト】

の「

橋梁

詳細

設計

照査

フロ

ーチ

ャー

ト」

を参

考に

(一

社)

建設

コン

サル

タン

ツ協

会九

州支

部と

(社

)プ

レス

トレ

スト

・コ

ンク

リー

ト建

設業

協会

九州

支部

合同

で作

成し

たも

ので

ある

3-28

§4:施工要領例の紹介

3-29

■施工要領例の紹介

支承取替要領

(1)支承前面縁端部の補強鉄板を敷設 (1)ジャッキ設置位置の下部工 (1)ジャッキアップは、1支承線上(2)ジャッキアップ時に支障となる部品の撤去   コンクリートの耐力チェックを   にある全沓を同時に行うことを  (ピンチプレート・アンカーナット)   行い、必要に応じて補強材を    原則とする(3)主桁補強及び勾配調整、ジャッキ配線   設ける (2)ジャッキアップ中は、主桁、(4)高さ管理のためのダイヤルゲージ設置 (2)ジャッキ設置可能な空間がある   橋台等に異常が発生しないよう(5)各位置に人員を配置し、高さを確認しながら    か現地調査時に確認する   沈下量、ひずみ量を確認する  慎重に行う (3)ジャッキアップ後は、油圧抜(6)反力移行確認後、ロックボルトを固定する   けが起きた際に降下しない様に、

  ロックボルトで固定した状態で  作業する

(1)既設アンカーボルト周辺をはつり、 (1)既設の沓座モルタルは全て (1)はつり作業時には、既設鉄筋   アンカーバーをガス切断する   はつり取るのを原則とする   を傷つけないよう注意する

(2)はつりガラの飛散・落下防止  のために、適切な防護を行う(3)はつり作業には騒音・振動が  伴うため、作業方法・作業時間  の選定には十分配慮する

(1)ブラストにより既設上沓の錆を除去する (1)既設の上沓を再利用する場合、 (1)研磨剤の飛散防止を行う(2)既設上沓錆に防錆剤を塗布する   錆の完全除去と、防錆処理の計画

  を行う

(1)沓座補強筋を設置する (1)新設支承の高さ調整には、 (1)支承据付けは温度変化による

(2)支承本体の取付、高さ調整を行う   調整ボルト等を使用する   伸縮量を考慮する

(2)支承重量が大きい場合は、 (2)新設支承としてゴム支承を  吊込み用のボルト孔の計画を行う   使用する場合には、荷重載荷

  より支承高が変化するので、  据付け時にはこれを考慮する  ことが必要である(3)支承は水平に据付ける

既存上沓防錆処理

側面図 写真

正面図側面図

新支承据付

正面図

施工上の留意点

施工上の留意点

施工手順 設計上の留意点

設計上の留意点

側面図

上部工ジャッキアップ

施工上の留意点正面図 施工手順 設計上の留意点写真

施工上の留意点

既設アンカーバー切断

施工手順 設計上の留意点

写真

新設鋼製枠取付工

施工手順

ステッ

プ2

既存下沓撤去

側面図 正面図 写真

支承設置

ステッ

プ1

ステッ

プ3

ステッ

プ4

ジャッキアップ状況

ジャッキ(例)

ブラスト状況

アンカーバーのガス切断状況

橋台

橋台

アンカーバーガス切断

下沓撤去

上沓

橋台

橋台

サイドブロック撤去

ジャッキアップ

橋台

橋台

既存上沓防錆処理

沓座補強鉄筋

橋台

橋台

既存上沓巻立処理

ゴム沓

3-30

(1)沓座は流し込み方式にて打設する (1)無収縮モルタルは、原則と (1)無収縮モルタル打設前に、  してセメント系のものを用いる   はつり面・型枠及びアンカー(2)所定の形状で型枠の組立てを   ボルト孔内の清掃を行う  行う  型枠下端は必要に応じてシール  を行う(3)打設は、連続して安定注入の  できる方法を採用する

 

(1)沓座モルタルが所定の圧縮強度を満足して (1)ジャッキダウンは、1支承線  いるか確認する   上の全沓位置で同時に行うのを(2)反力を本支承に移行する   原則とする

(2)ジャッキダウン中は、主桁、  橋台等に異常が発生しないよう  沈下量、ひずみ量を確認する

KK-080028-A

設計上の留意点 施工上の留意点側面図 写真 施工手順正面図

沓座モルタル充填

正面図

完 成

上部工ジャッキダウン(完成)

無収縮モルタル打設

施工上の留意点側面図 写真

使用資機材

施工手順 設計上の留意点

ステッ

プ5

ステッ

プ6

モルタル充填状況

橋台

橋台沓座モルタル

橋台

橋台

低床タイプの油圧ジャッキの例(主桁直下にジャッキが設置できない場合に使用)

3-31

■施工要領例の紹介

横桁打替え要領

(1)コア削孔

(2)ワイヤーソー切断

(3)既設横桁撤去

(1)鉄筋探査 (1)主桁鉄筋及びPC鋼材を

(2)アンカー削孔   傷つけないようにするため、

  鉄筋、PC鋼材位置を把握する。

(2)鉄筋挿入の作業スペース

  に配慮して横方向鉄筋の定尺長

  を計画する

(1)変位制限アンカーバー取付 (1)主桁を貫通する鉄筋挿入後、

(2)鉄筋組立   エポキシ樹脂を充填する

(2)エポキシ樹脂が未充填となら

  ない様計画する。

(1)型枠組立 (1)交通条件等の周辺環境を (1)コンクリートは流動性の高い

(2)コンクリート打設・養生  考慮して施工計画を作成する   ものを使用する

(3)脱枠  (生コン車、ポンプ車の設置が

可能か)

  留意する

(3)はつり作業には騒音・振動が

  伴うため、作業方法・作業時間

  の選定には十分配慮する

(1)鉄筋探査を行い削孔位置を

  決定する

(2)削孔時に発生する濁水処理に

  のために、適切な防護を行う

(3)はつり作業には騒音・振動が

  伴うため、作業方法・作業時間

  の選定には十分配慮する

  を考慮した計画とする

(1)はつり作業時には、既設鉄筋

  を傷つけないよう注意する

(2)はつりガラの飛散・落下防止ステッ

プ1

ステッ

プ3

写真

既設横桁撤去

既設横桁撤去

概略図

概略図

概略図 写真

ステッ

プ4

ステッ

プ2

施工上の留意点

アンカー削孔

施工手順 施工上の留意点概略図

施工手順 設計上の留意点

設計上の留意点

型枠組立・コンクリート

写真

鉄筋組立

施工手順

コンクリート工

施工上の留意点

施工上の留意点

施工手順 設計上の留意点

アンカー削孔

写真

設計上の留意点

鉄筋組立・アンカーバー設置

(1)ワイヤーソーを使用して、横桁

  を撤去する際は、搬出可能な重量

横方向鉄筋

鉄筋探査状況

コンクリート投入孔

ワイヤーソー切断状況

既設横桁撤去

橋台

アンカー削孔

橋台

橋台

鉄筋挿入後、エポキシ樹脂注入

主桁貫通鉄筋のエポキシ樹脂注入状況

新コンクリート

3-32

■施工要領例の紹介床版防水工要領

ステップ1

舗装切削工

床版防水工

(1)コンクリート床版面にレイタンス、塵埃、油脂等が付着していると、防  水層の接着性能に悪影響を及ぼすことが多いため、これらの有害物は確実  に除去すること。特に舗装の打換時に防水層を施工する場合は、既存の舗  装材はスイパー等により丁寧に除去する必要がある。(2)乾燥の不十分なコンクリート床版に防水  層を施工すると、コンクリート内部に滞留  している水分が防水層の下面に達し、その  水分が気化することによって、防水層は膨  張してコンクリート面との接着力が低下す  る原因となる。従って、施工前には、高周  波水分計により乾燥状態を確認後(水分量  10%以下)防水層の施工を行う。

施工手順写真 設計・施工上の留意点

(1)貼付用アスファルトを用いる場合、作業がしやすい温度(200~260℃程  度)まで加熱溶解する必要があるが、長時間過熱してアスファルトに引火  しないよう注意すること。※貼付用アスファルトの引火点は300℃程度で  あるため、それ以上に加熱させてはならない。(2)防水シートを貼付ける方向は、橋軸方向に平行、かつ低い方(水しも)  から貼ることが望ましい。防水シートの貼付けは、エアポケットが生じた  場合にはピン等で孔をあけ、エアーを抜き、その部分を十分に押し付け、  圧着する必要がある。(3)防水層施工後は、防水層の上に油脂類をこぼしたり火気類を近づけたり  しないよう注意する。

(1)コア削孔は既設鉄筋を傷つけないよう、事前調査を実施した上で施工す  ること。

写真

写真

設計・施工上の留意点施工手順

ステップ2

施工手順

橋面排水工

ステップ3

設計・施工上の留意点

ステップ4

舗設工

写真 施工手順 設計・施工上の留意点

(1)合材ダンプ等が走行する際は、タイヤに泥等が付着しないようにすると  共に、車の急制動、急回転に注意して、防水層が損傷しないようにするこ  と。

(1)アスファルト舗装切削 ・切削機による切削 ・バックホウによる切削 ・人力による切削(2)床版防水層の除去(3)切削面清掃

(1)橋面排水装置設置 ・排水桝改良 ・床版コア削孔 ・スラブドレーン設置

(1)床版防水 ・プライマー塗布 ・防水シート敷設 ・端部処理

(1)アスファルト舗装 ・基層、表層

バックホウによる舗装剥ぎ取り

スラブドレーンコア削孔

切削機による舗装切削 切削ビット

切削面清掃状況 切削面清掃状況(人力)

スラブドレーン排水桝側面削孔状況

防水シート敷設状況

基層二次転圧状況基層敷均し状況 基層初期転圧状況

プライマー塗布状況 端部処理状況

水分計

3-33