4年・総合的な学習の時間「わが家のエコチャレンジ」 - ojiya · 2019. 3....

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「デザイン・フォー・チェンジ」レポート 4年・総合的な学習の時間「わが家のエコチャレンジ」 実施期間 2019年 2 月末~3月中旬 STEP1.FEEL【感じる】 ■ファシリテーターが提示する「ミッションやテーマ」に対して、頭で考えるのではなく、五感で感じ たことを言葉にしながら、「課題」を設定する。学校生活の -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- FEEL① 絵本の読み聞かせ(ミッションに関係する子どもたちの感情を揺さぶる) FEEL 【感じる】で提示したのは、1冊の絵本である。『買い物は投票なんだ EARTH おじさんが教 えてくれたこと』(ほう・絵、藤原ひろのぶ・文 2018 フォレスト出版) EARTH おじさん」とは、地球を擬人化したもの。そのおじさん(地 球)が困っていることとして、次の 6 つの問題が提示される。 ①ゴミ問題 ②温暖化 ③森林伐採 ④大気汚染 ⑤紫外線の問題 ⑥海洋汚染 そして、これらの問題を、ファストファッション、ファストフード、 野菜・くだもの・米、お肉、お魚、を例にイラストで紹介している。 本の最後は、次のメッセージで締めくくられている。 「いろんな問題を知って、何かを感じたり、考えたりすることができた なら、それは君のやさしさや。変えてみようかな?行動してみようか な?そんなふうに思えたらそれは君の勇気や。・・・みんなが少しだけ やさしくなって、勇気を持てば、世界はもっと良くなるんやぞ。」 授業では、読み聞かせをしながら、それに関わる最近の新聞記事(プラスチックによる海洋汚染、日 本の食料ロス問題、など)を一緒に紹介した。 FEEL② 感じたことを言語化する 子どもたちは、次のような感想をワークシートに書いた。 ・世界中にごはんを食べられない人が何億もいる。日本とかいろんな国は、たくさん食べ物をすててい るから、そういう国の人のせいで死んでしまっている。だから、まだ食べられるものは食べて、世界 中のごはんを食べられない人にたくさんごはんをあげて、世界中の人を助けてあげたいと、わたしは 思います。 ・…2 つ目は動物のことです。牛はたくさんの水と食料をたべていることが分かりました。牛はそんな に作らなくてもいと思います。食料も水もなくなるからです。鳥も魚もゴミを食べたり、小さいのは 捨てられたりしてかわいそうと思いました。…もっと大人になったら大変なことになっていると思う ので、声をかけられる人には呼びかけをしたいです。 ・…わたしたちには見えないけれど、地球をもっともっと大切にしなきゃな、と思いました。私たちが できることは、1.食べ残しをしない 2.水のむだづかいをしない 3.ファストフードばっかり 食べない(できるだけ手作りにする)これくらいだけど、EARTH おじさんにとどけばいいな、と思 います。… 学校生活の学校生活のエコチャレンジに取り組んできた子どもたちが、それをわが家に広げていった学習である。

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Page 1: 4年・総合的な学習の時間「わが家のエコチャレンジ」 - Ojiya · 2019. 3. 29. · 「デザイン・フォー・チェンジ」レポート 4年・総合的な学習の時間「わが家のエコチャレンジ」

「デザイン・フォー・チェンジ」レポート

4年・総合的な学習の時間「わが家のエコチャレンジ」

実施期間 2019年 2 月末~3月中旬

STEP1.FEEL【感じる】

■ファシリテーターが提示する「ミッションやテーマ」に対して、頭で考えるのではなく、五感で感じ

たことを言葉にしながら、「課題」を設定する。学校生活の

--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

FEEL① 絵本の読み聞かせ(ミッションに関係する子どもたちの感情を揺さぶる)

FEEL【感じる】で提示したのは、1冊の絵本である。『買い物は投票なんだ EARTH おじさんが教

えてくれたこと』(ほう・絵、藤原ひろのぶ・文 2018 フォレスト出版)

「EARTH おじさん」とは、地球を擬人化したもの。そのおじさん(地

球)が困っていることとして、次の 6 つの問題が提示される。

①ゴミ問題 ②温暖化 ③森林伐採 ④大気汚染 ⑤紫外線の問題

⑥海洋汚染

そして、これらの問題を、ファストファッション、ファストフード、

野菜・くだもの・米、お肉、お魚、を例にイラストで紹介している。

本の最後は、次のメッセージで締めくくられている。

「いろんな問題を知って、何かを感じたり、考えたりすることができた

なら、それは君のやさしさや。変えてみようかな?行動してみようか

な?そんなふうに思えたらそれは君の勇気や。・・・みんなが少しだけ

やさしくなって、勇気を持てば、世界はもっと良くなるんやぞ。」

授業では、読み聞かせをしながら、それに関わる最近の新聞記事(プラスチックによる海洋汚染、日

本の食料ロス問題、など)を一緒に紹介した。

FEEL② 感じたことを言語化する

子どもたちは、次のような感想をワークシートに書いた。

・世界中にごはんを食べられない人が何億もいる。日本とかいろんな国は、たくさん食べ物をすててい

るから、そういう国の人のせいで死んでしまっている。だから、まだ食べられるものは食べて、世界

中のごはんを食べられない人にたくさんごはんをあげて、世界中の人を助けてあげたいと、わたしは

思います。

・…2 つ目は動物のことです。牛はたくさんの水と食料をたべていることが分かりました。牛はそんな

に作らなくてもいと思います。食料も水もなくなるからです。鳥も魚もゴミを食べたり、小さいのは

捨てられたりしてかわいそうと思いました。…もっと大人になったら大変なことになっていると思う

ので、声をかけられる人には呼びかけをしたいです。

・…わたしたちには見えないけれど、地球をもっともっと大切にしなきゃな、と思いました。私たちが

できることは、1.食べ残しをしない 2.水のむだづかいをしない 3.ファストフードばっかり

食べない(できるだけ手作りにする)これくらいだけど、EARTH おじさんにとどけばいいな、と思

います。…

学校生活の学校生活のエコチャレンジに取り組んできた子どもたちが、それをわが家に広げていった学習である。

て。

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FEEL③ 課題を浮かび上がらせる

子どもたちの感じたことの中には、たくさんの

「やってみたい」ことが書かれていた。そこで、

それらを付箋に書き出し、学習班で出し合った。

子どもたちは、似たものをまとめて、次のように

「やってみたいこと」の括りを作り、「〇〇チャレ

ンジ」と名付けた。

①空気、水をよごさないチャレンジ

②ゴミをへらす。ポイ捨てをしないチャレンジ

③食べ残しをしない。食べられるところをすて

ない(食品ロスをへらす)チャレンジ

④化学薬品(有害物質)を使わないチャレンジ

⑤節約する(水、電気、服)チャレンジ

⑥人によびかける。(⑥は、①~⑤の全てに関わる

こととされた)

それぞれの班のまとめを発表させた後、そ

れらを包括する「わが家のエコチャレンジ」の

ミッションを、話し合いでつくった。

FEEL③ 課題の社会性を考える

5つの「自分がやりたいこと」を、「相手のためになる

(自分たちや対象者の状況・環境がよくなる)か」「社会

とのつながりがあるか」の2軸を加えて見直し、「やりた

いこと」を絞っていくために、自分・相手・社会とのつな

がり程度を3段階で考え、線で結ばせ、色

を塗らせた。

自分の「やりたいこと」が、「自分以外

の人のためになるのか」と考えることは、

比較的簡単だったが、「社会とのつなが

り」はイメージしにくかったようである。

そこで、「その課題は<EARTH おじさ

んが困っていること>の解決につながって

いるか」考えることにした。

最終的に個々の児童が選んだ課題は、三

角形の大きさと必ずしも一致しなかった

が、自分・相手・社会の 3 軸で考えること

は意義があると考える。

むだをなくして、地球に生きる人々や生き物

にやさしい環境にする。

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FEEL④ 取り組む課題を設定する

子どもたちは、集約された5つの「チャレンジ」から自分が取り組みたい「チャレンジ」を1つに

絞り、「チャレンジ」別にグループを作った。

自分が取り組みたい「チャレンジ」を決めた段階で、例えば「食べ残しをしないチャレンジ」の子

どもたちは「よけいなものは買わない」「賞味期限の

前に食べる」などの活動のアイディア・解決策を出

してきた。しかし、これらの解決策をより生活の実

態に即したものにしたい。そこで、それぞれのチャ

レンジの課題※を具体的に考えることにした。

※「課題とは、自分たちや誰かが困る状態や、これが変わ

ったらより暮らしや地域がよくなるというもの」(『デザイン

フォーチェンジ実践ガイドブック』P.15)

そこで、例えば「食べ残しをしないチャレンジ」

では、「どうして、食べ残しがでてしまうのか

な?」と考えると、「作りすぎてしまう」「ご飯の前

におやつを食べ過ぎる」という理由が浮かび上が

る。この「作りすぎてしまう」「おやつを食べ過ぎ

る」が、このチャレンジの「課題」となる。

このように、課題にまで降ろすことによって、次

のステップで考える課題解決のアイディアが、より

具体的・現実的になると考える。

FEEL⑤ 課題を検証し実態に近づける

FEEL④で考えた課題を、さらに実態に近づけるた

めに以下の2つを行った。

1つは、現場を見ることである。「食べ残しをし

ないチャレンジ」の児童は、2枚の写真を撮ってき

て「土曜は家族がぜんぜんいなくてめっちゃ残っ

た。日曜は、パパが作りすぎた。」と、現状を確認し

てきた。

もう 1つは、実際に家庭を切り盛りしている方々

の生の声を聞くことである。学習参観日に「わが家の

エコチャレンジ」について児童が考えた課題を発表し

合い、そこに保護者に参加してもらった。

「食べ残った物を次の日に出しても、昨日よりおい

しくはないので残ってしまう」など、作り手だからこ

そ分かることを聞くことができた。

このような取組によって、児童は課題をより生活実

態に近づけて捉えることができた。

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STEP2.IMAGIN【想像する】

■課題が解決された未来を想像し、解決策のアイディアを出し合い、アクションプランを立てる。

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IMAGIN① 未来を想像し、アイディアをつくる

FEEL⑤までに考えてきた課題の解決策を、ポストイットを使って出し合った。

次に、それらのアイディアのよさを、①実行できるか②ワクワクするか③変化の大きさ、の 3 軸か

ら想像し、ワークシートに色を塗らせた。

最後に、アクションプランを作成した。→→

「協力者」「1 週間後のイメージ」がポイントだ

と考えた。

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・好き嫌いがある

・皮などを切りすぎ

てしまう

・作りすぎてしまう

など

・賞味期限をいつも

チェックする

・マイバックを使う

など

・かつお節、煮干

しを使う。

・昔ながらの製法

のものを使う

など

・電気をつけないで

寝てみる

・明るいときは電気

をけす

など

・大掃除のときに掃

除する

・油を使ったら新聞

紙に染み込ませてす

てる など

ここまでをまとめる。

◎テーマ:わが家のエコチャレンジ

<ミッションを達成するための5つのチャレンジ>

<それぞれのチャレンジの課題>

<課題解決の方法>

STEP3.DO【行動する】

■思い描いたことをもとに作成したアクションプランに沿って活動に取り組む。活動内容や変化の様子

を記録する。

--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

活動への意欲を高めるために、絵本の読み聞かせをした。

『メイク・ア・スタンド~立ち上がれ子どもたち』(ビビアン・

ハー 2017 ワンネス出版)

世界から「子どもの奴隷制」を終わらせようと、自分個人のレ

モネード会社を立ち上げた 9 歳の女の子の話である。

お話の最後は、次のように締めくくられる。

「世界を変えるのに、大きくなくても、力もちでなくてもいいの

よ!大きなことでも最初は小さいの。さあ、つぎはあなたの番よ。

知りたいわ!あなたは何をするの?何のために立ち上がるの?

(ここに書いてみてね。)

私は するために立ち上がることを誓います。」

ミッション:むだをなくして、地球に生きる人々や生き物にやさしい環境にする。

食べ残しをしな

ゴミをへらす

ポイ捨てしない

化学薬品(有害物

質)を使わない

節約する(水、

電気、服)

空気、水をよご

さない

・好き嫌いがある

・皮などを切りすぎ

てしまう

・作りすぎてしまう

など

・賞味期限がきたも

のはすぐ捨てる

・ビニル袋をもらう

人がいる

など

・簡単だから使っ

てしまう

・おいしいから

・あっというまに

効果が上がるから

・安心だから電気を

つけたまま寝る

・明るいのに電気を

つけている。

など

・面倒くさいからエ

アコンを掃除しない

・すぐ水で洗ってし

まう

など

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読み聞かせの後、それぞれの取組を宣言書に書き、家族の前で宣言する練習をした。

それぞれのチャレンジは、1週間に期限を区切

って取り組むことにした。これは、チャレンジが

個々の家庭で行われるため実践意欲に個人差が大

きくなることが予想されたからである。

また、実践意欲を保つために次の2つを行った。

①宣言書の裏に、自分の好きな「がんばり記録

カード」を作らせた。

②毎日、朝の会でチャレンジ・ミニ報告会を行った。

がんばり表

ミニ報告会

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それぞれに工夫しな

がら、楽しく記録し

ていた。

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STEP4.SHARE【共有する】

■どうしたら伝わるかを考え、自分たちの活動が起こした変化を学校、地域、世界に共有する。

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SHARE① 生み出した変化を振り返り、まとめる

先ず、「SHARE(共有)」に向けて準備を行った。

ここでの中核となる活動は、「変化」を確認することで

ある。

「変化」には、次の3つがある。

①取り組んだ課題の変化

②自分についての変化

③チームの変化(この取組では「家庭の変化」とした)

児童の記述を列記する。

<課題の変化>

・賞味期限前に食べるようになって、賞味期限切れの物

が少なくなっている。

・ビニル袋はもらわなくなっている。

・野菜の皮は残していたが、皮も食べるようになった。

・食べられる量だけとるようになって、食べ残しがなく

なった。

・前は冷蔵庫のドアが開けっ放しになるときがあったけ

ど、もう開けっ放しにしないで、しっかりしめるようになった。

・皿に洗剤を使う量が多かったが、皿には洗剤をあまり使わなくなった。

<自分の変化>

・ゴミを出すのは面倒だと思っていたが、積極的にゴミを減らすようにした。

・エコ活動はしていたけど、他のエコにも取り組むようになった。

・水を出しっぱなしになっていても何もしなかったのに、家族にも呼びかけるようになった。

・前は、朝時間がなくて食べ残しが多かったけど、朝早く起きてごはんを食べる時間をたくさんにする

ようになった。

<家族の変化>

・ぼくがゴミを減らすようになったら、家族も協力してくれるようになった。

・家族もいろんなチャレンジをしてくれるようになった。

・おばあちゃんはシンクの汚れが落ちず、いろいろな洗剤やスポンジを使っていたが、アクリルたわし

でシンクを使っている。

・お母さんが手作りのすごくおいしい物を作ってくれたり、呼びかけたりしてくれるようになって、食

べ残しが減りました。

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まとめにも児童の個性が表れ、友達に伝えようとする意欲が感じられた。

自分の変化をマンガで表している

家族の変化をポスターで表している

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SHARE② 相手の心に届く発表をする。観点をもって聞き、フィードバックする

授業の冒頭に、次のように課題を板書した。

生み出した変化を報告しよう

↑フォローしよう

①共感したこと=なるほど!分かる!分かる!!

②工夫している思ったこと

③もっと知りたいこと

報告者には、2 月に学習した国語「ミニギャラリーの解説をしよう」の単元で学習した

・物を見せながら、指しながら

・聞く人に目線を向けて

・話しかけるように話す

の3点を使うことを確認した。

そして、聞き手には上記の板書①②③について説明した。

多くの児童が、自作のマンガやポスター、撮り貯めた写真を書画カメラで写しながら説明した。

油の処理を説明する写真

たくさんのコメントが寄せられた

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SHARE③ 体験を振り返る

体験を振り返り、次の DFC につなげる場面である。活動の結果だけを見るのでなく、チャレンジし

たプロセスにも着目させたい。

そこで、以下のようなフレームワーク※を使ったワークシートに書かせた。

※(『デザインフォーチェンジ実践ガイドブック』P.38)

次に、グループ別に共有した。

「ちがうな」「むずかしいな」「学んだな」で 1 回、さらに「始まる」「終わる」「続く」で 1 回話し合

った。この「始まる」「続く」内容が、次の「DFC/デザイン・フォー・チェンジ」につながる。

児童は、「続く」に次のように書いた。

・アクリルタワシを自分でも作り、もっと続けること。

・ごみの袋かえを 1 日 1 回で済ませられるようにゴミを減らすこと

・ストーブや電気を消すこと

・牛乳パックに油を入れて処理すること

・ティッシュをあまり使わないこと

・自分で食べられる量だけ盛ること

・冷蔵庫を閉めること。暖かいときはストーブを消すこと

・賞味期限をたえず確かめて、期限前に食べること

・食べ残しを、おいしい料理に加工すること

それぞれの成功体験や変化の実感が、次の実践意欲につながっていく。