クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

53
5. サポートベクターマシン SVMの概念 双対化によるSVMの定式化:線形分離可能な場合 KKT条件とサポートベクトル 双対化の御利益 ソフトマージンSVM:線形分離できない場合 SVM実装のためのアルゴリズム(ワーキング集合、SMO) SVMによる回帰 カーネル関数 クラシックな機械学習の入門 by 中川裕志(東京大学)

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2乗誤差最小化を基礎におく線形識別器の欠点を克服する識別器の学習として有名なサポートベクターマシンについて、原理、学習アルゴリズムについて説明する。さらに回帰の応用したサポートベクター回帰についても説明する。

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Page 1: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

5. サポートベクターマシン

SVMの概念

双対化によるSVMの定式化:線形分離可能な場合

KKT条件とサポートベクトル

双対化の御利益

ソフトマージンSVM:線形分離できない場合

SVM実装のためのアルゴリズム(ワーキング集合、SMO)

SVMによる回帰

カーネル関数

クラシックな機械学習の入門

by 中川裕志(東京大学)

Page 2: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

再掲:2乗誤差最小化の線形識別の問題点

この領域の判断が困難

この領域に青の境界線が引っ張られることあり。

そもそも、Yの値は正規分布を想定した理論なのに、{0、1}の2値しかとらないとして2乗誤差最小化を当てはめたところに無理がある。

Page 3: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

学習データ:

N個の入力ベクトルx1,…,xNと

各々に対応するクラス分け結果 y1,….,yN

ただし、 yi は+1(正例)かー1(負例)をとる。

新規のデータxに対して、yが y(x)>0なら正、y(x)<0なら負になるようにしたい

0)(

0)(

10)(10)(

,)( 0

yy

yy

yyyy

wy

x

x

xx

xwx

た場合は、当然ながら正しく分類できなかっ

すなわち、

かつあるいはかつ

合は、正しい分類ができた場

SVMの定式化

Page 4: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

y(x)=+1

y(x)=0

y(x)=ー1

Support vector

正例

負例 | || |

|)(|

w

xymargin

この図から分かるように対象は線形分離

可能な場合

この長さを最大化したい:(SVM10)の

max

境界面との距離が小さいデータを選びたい(SVM10)のmin

Page 5: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

マージン最大化 SVMの狙いは識別境界面:y(x)=0から一番近いデータ点までの距離(マージン:margin)を最大化すること。以下でその考えを定式化する。

識別境界面:y(x)=0からあるxまでの距離は、線形識別の幾何学的解釈で述べたようにy(x)/||w||

我々は正しく識別されたデータ、すなわち yny(xn)>0 のデータにだけ焦点を当てる。

すると、点xnから境界面までの距離は次式。

||||

),(

||||

)( 0

w

xw

w

x wyyy nnnn

Page 6: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

したがって、最適なw,w0を求めることは、境界面までの距離が最小の点の距離(margin)を最大化するという問題に定式化でき、以下の式となる。

この最適化はそのままでは複雑なので、等価な問題に変換する。

)10(),(min||||

1maxarg 0

, 0

SVMwy nnnw

xwww

wを定数倍してcwと変換しても、境界面までの距離

yny(xn)/||w||の値は分母子でcが相殺するので不変。

よって、境界面に一番近い点で次式が成立しているとする。

1),( 0 wy nn xw

Page 7: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

双対問題化

Nnwy nn ,,11),( 0 xw

元の問題では、argmax{ min }という一般的な枠組みの問題なので、内点法などの効率の良い最適化アルゴリズムが良く研究されている「線形制約凸2次計画問題」に変換する方向に進める。参考文献:工系数学講座17「最適化法」(共立出版)

境界面に一番近いデータでは

したがって、正しく識別された全てのデータは次式の制約を満たす。

ここで、等号が成り立つデータをactive、そうでないデータをinactiveと呼ぶ。

1),( 0 wy nn xw

Page 8: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

)30(,,11),(subject to

2

1||||

2

1minarg

0

2

,

SVMNnwy nn

T

b

xw

wwww

ここで、等号が成り立つデータをactive、そうでないデータをinactiveと呼ぶ。

定義より、activeなデータは境界面に一番近いデータであり、これがsupport vectorとなる。

このとき、marginを最大化する式(SVM10)から、||w||-1を最大化するのだが、これは等価的に||w||2を最小化する問題となる。すなわち、以下の定式化。

制約条件: )20(,,11),( 0 SVMNnwy nn xw

Page 9: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

(SVM30)のような不等式制約を持つ最適化問題は、Lagrange未定乗数ベクトルaを導入したLagrange関数: L(w, w0,a)を

w,w0(最小化)a(最大化) という最適化問題に双対化する

まず、w, w0について、 L(w, w0,a)の最適化を行う。

)60(0

)50(

,

)40(),(1||||2

1)),,(

1

1

0

0

1

2

0

SVMya

SVMya

w

SVMwyawL

n

N

n

n

nn

N

n

n

nn

N

n

n

xw

w

xwwaw

下の条件が出る。に関して微分すると以

(SVM50)(SVM60)を(SVM40)に代入して、wとw0を消すと、次のように双対問題としての定式化が得られる

Page 10: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

SVMの双対問題ー境界面で完全に分離できる場合

SVM100))()(

)(

,)(

)90(0

)80(,..,10 subject to

)70()(2

1max)(

~max

0

1

1

1 1 1

で行う対する予測は次式のまた、新規のデータに

wkyay

y

kwhere

SVMya

SVMNna

SVMkyyaaaL

N

n

nnn

mnmn

N

n

nn

n

N

n

N

n

N

m

mnmnmnn

xx,x

x

xxx,x

x,xa

上記(SVM70,80,90)を解くアルゴリズムは後に説明する。また、(SVM100)で良い理由はカーネルの関する記述で述べる(表現定理)

これがカーネル関数(データxn,xmの対だけによる)

後で説明する

Page 11: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

双対化を最適化の観点から見なおそう

mixg

xf

i ,..,10 subject to

min

最適化問題 P

ラグランジュ関数

双対問題 Q

はベクトルで書く    

  

gxgxf

xgxfxL

T

ii

m

i

,

,1

0 subject to

max

,min

q

xLqx

Page 12: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

双対定理

弱双対定理

最適化問題Pにおけるfの最適値=f*

双対問題Qにおけるqの最適値=q*

q* ≤ f*

強双対定理

目的関数fが凸で、制約条件が線形の場合は q*

= f*であり、対応するラグランジュ乗数λ*が存在する。

Pは制約条件が線形なので、 fが凸なら強双対定理が成立

Page 13: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

双対化を最適化の観点から見なおそう

元の問題(再掲)

この問題では目的関数は2乗ノルムなので凸であり、制約条件が線形な式なので、強双対定理が成立し、双対問題を解けば、この問題(主問題)の解が得られる。

)30(,,11),(subject to

||||2

1minarg

0

2

, 0

SVMNnwy nn

w

xw

ww

Page 14: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

鞍点定理からみると

元の問題(再掲)

上記のLagrange関数L(w,w0,a)の最小化の意味は次のページの図

)30(,,11),(subject to

||||2

1minarg

0

2

,

SVMNnwy nn

b

xw

ww

)60(0

)50(

,

)40(,1||||2

1),,(

1

1

0

0

1

2

0

SVMya

SVMya

w

SVMwyawL

n

N

n

n

nn

N

n

n

nn

N

n

n

xw

w

xwwaw

下の条件が出る。に関して微分すると以

Page 15: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

Lagrange関数L(w, w0,a)の最小化の意味は下の図で鞍点にかかる曲線に上から近づく処理であり、

となるw, w0を代入して のように動く。

この曲線に沿って最適点 に a を動かす処理が双対問題であり、図から分かるように最大化となる

つまり という問題

0,00

w

LL

w

awLwa

,,minmax 0, 0

ww

Page 16: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

鞍点定理

前のページとの対応はww0=x, a=λ

は双対問題の解は主問題

  

**

0

**

0

**

,

,minmax,,maxmin,

x

xLxLxLxxx

Page 17: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

スパースなデータに対する識別器

;カーネル関数を利用して、回帰や識別を行うことは k(x,y)において、 {x,y} のペアの観測データ(=教師データ)が膨大だと、正規方程式に現れた XTX (XTXがちょうどk(xn,xm)を(n,m)成分とする行列)

の逆行列の計算が計算量的に困難!

すべての観測データを使うと、重要な境界線が観測データの集中的に集まっている部分に強い影響を受けてしまう。

限定された観測データを使って効率よく計算できないものだろうか。

正例データと負例データのうち、両者の境界にあるもの(これをSupport Vectorという)だけを使えば、つまりスパースなデータによるカーネルならずいぶん楽になる。

Support Vector Machine

mnmnk xxx,x ,)(

Page 18: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

KKT条件

を有効な制約と呼ぶ。このような

なので、なら条件と呼ぶ。なおこれを

i

ii

ii

i

i

m

i

ii

m

i

ii

i

g

gKKT

KKTg

KKT

KKTg

KKTgf

gfLLagrangian

mig

f

0)(0

)4( 0)(

)3( 0

)2( 0)(

)1(0)()(

)()(),(

,..,10)( subject to

)( minimize

1

1

x

x

x

xx

xxx

x

x

を最適化する以下の条件で得られる

Page 19: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

  の解釈0)()(1

m

i

ii gf xx

g2(x)=0

g1(x)=0

 )(22 xg

 )(11 xg

)(xf

)(xf

許容領域

許容領域の内部でf(x)が大き

くなるということは、その外側へ向う有効なgi(x)たちが作る凸錐の逆方向にf(x)の勾配が向いている

は許容領域の端で最小

り込むほど大きいのでなので、許容領域に入

勾配

ほど大きいならが許容領域から離れる

)(

)()()(

)(

1

x

xxx

x

f

fgg

g

m

i

iii

i

f(x)は許容領

域の中に入るほど大きくなる

gi(x)は許容領

域から離れるほど大きくなる

Page 20: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

である。この点たちが 

の点だけ。寄与するのは

に寄与しない。の点は

となる。 かは、よって、全てのデータ

る。条件は以下のようになるなお、この問題におけ

ctor support ve

1)(

)100()(0

1)(0

4)-(KKT0))(1(

3)-(KKT 0

2)-(KKT 0)(1

nn

n

nnn

nnn

n

nn

yy

SVMya

yya

yya

a

yy

KKT

x

x

x

x

x

0

1

2

0

1

,1||||2

1),,(

0)()()(),(

wtawL

ggfL

nn

N

n

n

i

m

i

ii

xwwaw

xxxx

式化では、だったが、ここでの定

Page 21: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

w0の求め方

Sm Sn

nmnnm

mm

N

n

nmnnm

mm

yayS

w

w

yy

wyay

yy

x,x

x,x

x

||

1

1

1

1)(nS ctorsupport ve

0

0

2

0

1

る。は以下の式で与えられ

に注意すると、を掛け、両辺に

よって、

においては に含まれるデータ 

Page 22: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

双対化の御利益: 教師データアクセスの観点から

主問題と双対問題は最適化するパラメタ-数が違う。

主問題パラメタ-数 >>双対問題パラメタ-数 なら双対問題を解くほうが楽 教科書的

SVMの場合:

主問題のパラメタ-は重みベクトル:w

双対問題にパラメタ-は個別データ:xi

必ずしも教科書的なお得感ではない。

Page 23: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

双対化の御利益

SVMの場合:

主問題のパラメタ-は重みベクトル:w

下の定式化なので、全教師データ{yn,xn}が同時に必要

データ量が大きくメモリにロード仕切れない場合に困ったことになる。

データ量は最近、増加傾向

)30(,,11),(subject to

||||2

1minarg

0

2

, 0

SVMNnwy nn

w

xw

ww

高次元ベクトル

Page 24: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

双対化の御利益

必ずしも教科書的なお得感ではない。

一方、双対問題では入力データxiyiのと最適化するaiが対応

する形で最適化式に現れるので、どのデータを学習で使うか制御しやすい。(下の式参照) 例えば、 ai(i≠j)を固定して、ajを最適化する操作をjを動かして繰り返すなど。そのときには だけしか使わない。

とも書く  mnmn

N

n

nn

n

N

n

N

n

N

m

mnmnmnn

kwhereSVMya

SVMNna

SVMyyaaaL

x,xx,x

x,xa

)()90(0

)80(,..,10 subject to

)70(2

1max)(

~max

1

1 1 1

Njk ji ,...,1 , xx

スカラー

Page 25: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

双対化の御利益

入力データ、あるいはカーネル行列全体がメモリに乗り切らないビッグデータを扱うために、入力(すなわちカーネルk(xn, xm)の一部を取捨選択し

てメモリにロードして使う方法が、この双対化で可能になっている。

ビッグデータ時代における御利益 cf. 台湾大学のLIBSVM (SVMの有名な実装)

全データからどのようにメモリにロードする部分を切り出すかが重要な研究課題

k(xn, xm)

M

N

この部分だけ使って最適化:

次に使う部分ロードし直して最適化:繰り返す

Page 26: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

SVMの定式化 境界面で完全に分離できない場合

少々は間違った側に入り込んでもよいが、ゆるい境界面の内側には入るように調整soft margin

y=ー1

y=0

y=+1

ξ>1

ξ<1

ξ=0

正例側

負例側

無理やり分離する複雑な境界面(over fitting)

ξ=1

Page 27: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

スラック変数ξ≥0を導入

正しいsoft marginの境界面の上ないし内側の点ではξ=0

その他の点xnでは ξn=|yn-y(xn)|

中央の識別境界面 y(xn)=0 では、 ξn=1

間違って識別された点はξn>1

まとめると線形分離できない場合の制約条件のξによる緩和:

ξn>1 が許容されるが、できるだけ小さく押さえたい!

)10...(00)(1

)(1 0)(1)(1

SFwhereyy

yyyyyy

nnnn

nnnnnnn

x

xxx

最適化は以下のように形式化される。ただし、Cはスラック変数ξのペナルティとmargin wの按配を制御するパラメター

)20...(0| || |2

1

1

2 SFCwhereCminmize

N

n

n

w

Page 28: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

2

1

2

1

||||2

1min||||

2

1))(1(min

0)(1 if

0)(1 if0))(1(

wwx

x

xx

N

n

n

N

n

nn CyyLossC

yy

yyyyLoss

n

る。関数の最小化問題とな

のこの関数を用いると次

                   

0 1

))(1( nn yyLossn

x

)(1 nn yy x

n

2||||2

1w

Page 29: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

この最適化問題を解くためのLagrangianは以下のようになる。

最後の項はξ≧0 を表す項。

)30...()(00

)(1||||2

1),,(

0

111

2

0

SFwyawhere

yyaCwL

nnnn

N

n

nn

N

n

nnnn

N

n

n

xw,x

xwaw

KKT条件は以下の通り。

Nnwhere

yya

yy

a

nn

n

n

nnnn

nnn

n

,...,1

0

0

0

0)(1

0)(1

0

x

x

Page 30: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

w、b、ξを最適化するためにLagrangianを各々で微分すると右下の結果が得られる。

右をLagrangianに代入す

ると下の双対問題が得られ

線形制約凸2次計画問題

となる。 nn

n

n

N

n

n

nn

N

n

n

CaL

yaw

L

yaL

0

00

0

10

1

xww

N

n

nn

n

nnn

mnmn

N

n

N

m

mnmnmn

N

n

n

ya

Ca

Caa

k

yyaaaL

1

1 11

0

0

00

,,

,2

1)(

~

うになる条件は全体で以下のよ以上をまとめると制約

制約条件は

xxxx

xxa

Page 31: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

SVM実装上のアルゴリズムの工夫

さて、いよいよ ai を求める段階になった。

SVMは「線形制約を持つ凸2次計画問題」なので、標準的な実装方法が使える。

ただし、次元が高い場合には、カーネルの行列をメモリに乗せるだけで大変。

独自の工夫がなされているので、ポイントを紹介

最適解の探索は、素朴なgradient ascent法でも解けるが、効率は良くない。

Page 32: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

ワーキング集合法

教師データSを分割して部分的に解くことを繰り返す。

教師データSに対して

ai0

Sの適当な部分集合S’を選ぶ

repeat

S’に対する最適化問題を解く

KKT条件を満たさないデータから新たなS’を選択

until 停止条件を満たす

return {ai}

Page 33: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

分解アルゴリズム

変数{ai}の集合全体ではなく、ある大きさの部分集合のみを更新する。

この更新の後、ワーキング集合に新たな点を加え、他の点は捨てる。

上記の{ai}の選択における極端な方法として、2個のaiだけを使って更新する方法を 逐次最小最適化アルゴリズム (Sequential Minimal Optimization

algorithm:SMO algorithm)と言う。

Page 34: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

なぜ2点か?

復習:右の

ような最適化

だった。

(SMO-2)より、最適化の各ステップで更新されるaiの個数の最小値は2。なぜなら、1個のaiを更

新したときは、(SMO-2)を満たすために、最低でもう1個のaiを調整のために更新する必要があるから。

)2(0

)1(0

00

,,

,2

1)(

~

1

1 11

SMOya

SMOCa

Caa

k

yyaaaL

N

n

nn

n

nnn

mnmn

N

n

N

m

mnmnmn

N

n

n

条件は全体で次式以上をまとめると制約

制約条件は

xxxx

xxa

Page 35: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

S‘の2点を最適化する更新式

)9()(

)8(2

)()(

2'

222111

122211

2211222

,

11

21

SMOaayyaa

SMOKKK

yfyfyaa

fKaykay

S

newoldoldnew

oldnew

ijij

N

j

jjij

N

j

j

xx

xx,x

x,x   とする。点=更新の対象となる

Page 36: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

2点の更新式の導出

対象とする2点をa1 、 a2とする。

動かすのが2点をa1 、 a2だけなので次式が成立

まず、 a2をa2oldからa2

newに変えることにする。

a2の取る範囲の制約 0≤a2≤Cから当然 0≤a2new≤C

ただし、(SMO-3)から次の制約が加わる。

)2,1(11

)3(22112211

iy

SMOyayayaya

i

oldoldnewnew

かただし 

定数

Page 37: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

)5(

),min(),,0max(

0

)3(

)4(

),min(),,0max(

0

)3(

2

1221

1221

21212

1122

21

2

2121

2121

21212

1212

21

SMOVaU

aaCVaaCU

aaaa

aaCaCaa

aaaaSMO

yy

SMOVaU

aaCVCaaU

CaaaCa

aaaaa

aaaaSMO

yy

new

oldoldoldold

oldoldnewnew

oldoldnewnewnew

newoldoldnew

new

oldoldoldold

oldoldnewnew

oldoldnewnewnew

newoldoldnew

     

とおくと

よって、

だから、が最小値は最小になっても

だから、が最大値は最大になっても

より

の場合

     

とおくと

よって、

だから、が最小値は最小になっても

だから、が最大値は最大になっても

より

の場合

Page 38: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

a2newの更新式の導出

)6(

2

1

2

1)(

1

2

1

2

1),(

),(,)70(

2,1

,

)70()(2

1max)(

~max

2221211222

2

222

2

211222

2121

21

2

1

1221122112211

222111122121

2

222

2

1112121

2121

2

13

21

1 1 1

SMOvayvsayKasas

aKsaKasaaW

saasaa

yysy

yyayayayayaya

vayvayKaayyaKaKaaaaW

kK

aaWaaSVM

iforkayfkayv

aa

SVMkyyaaaL

newnew

oldoldnewnew

jiij

jij

j

jijij

N

j

ji

N

n

N

n

N

m

mnmnmnn

定数

とおくと上の式は  に注意し、

を掛け、の両辺にここで

定数

と略記する。ただし、

は次のように書ける。に関連する部分のすると

 と定義する。

とにする。注目して最適化するこに関連する部分だけにを、

x,x

x,xxx,x

x,xa

Page 39: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

が更新式となる。 上記

は古い値なので、 に入っているここで

であるからが更新されたまたこの式の

に注意。  

とおく。で微分しての最大化のために

)7(

,)(

)7(

)(1)2(

1

01

0)(

0)(

21

2

1

2112111122

21212111222112

22

22

2

11211

2

2212212212222211

2

2

22

SMO

aaKayfv

SMOvvKKyyyy

vvyKKssKKKa

aa

yyyyyysys

vyvysasKaKaKsasKs

a

aW

aaW

ijj

j

jii

new

new

x

Page 40: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

)9()(

)5)(4(

)8(2

)()(

2

2)()(

)()(

)()(

)2(

)7(

222111

21221122111

2

2

122211

2211222

2212221122

2112122211222112

2222211112221111121122112112

22112111121

2

2

1

21

2

1

11211112

12221122

2

SMOaayyaa

ayyayayayaa

a

SMOSMOa

SMOKKK

yfyfyaa

aaKKKya

KKKKKayffyy

KayKayKayKayKKayayffyy

ayayasyayysaa

KayfKayfKKyyy

KKKya

ySMO

newoldoldnew

newoldoldnewnewnew

new

new

oldnew

oldnew

jj

j

jjj

j

j

new

によってを掛け、今更新したの両辺には

の更新値とする。ものを  の条件で制約した

の値に対して  この結果の

としてで割れば、を掛け、の更新式は、両辺に

に注意し書き直すと および  

。直して整理してみようを掛け、もう少し書きの両辺に

xx

xx

xx

xx

Page 41: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

SVMによる回帰

SVMは本来、2クラス分類器であり、識別モデルである。

しかし、回帰すなわち生成モデルにも使える。

線形回帰では次の式を最小化した。

この考え方を拡張する。

2

1

2|||| wyy

N

n

nn

x

Page 42: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

2

1

||||2

1))((min

otherwise|)(|

|)(| if0))((

wx

x

N

n

nn yyEC

yxy

yxyyyE

る。関数の最小化問題とな

帰は、次のこの関数を用いると回

図参照         下          

-ε 0 +ε

yyE x

yy x

yy x xyy

赤、青の2個のヒン

ジ損失の組み合わせであることに注意

Page 43: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

y+ε

y

y-ε

)101(ˆ)(

)100()(

0)()(

ˆ

SVMyy

SVMyy

yyy

nnn

nnn

nnn

x

x

xx

  

  

という条件は下記。  で0、その外側で

すなわち

を導入する。なるスラック変数と、青い線の下で正とスラック変数

の上で正となるここで、上図の赤い線

ξ>0

)( nn yy x

nn yy )(x

Page 44: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

)110(ˆˆ

ˆˆ||||2

Lagrangian

)103(0ˆ

)102(0

)101(ˆ)(

)100()( subject to

||||2

1ˆmin

11

1

2

1

2

1ˆ,,

SVMyyayya

CL

SVM

SVM

SVMyy

SVMyy

C

N

n

nnnn

N

n

nnnn

N

n

nnnn

N

n

nn

n

n

nnn

nnn

N

n

nnnn

xx

w

x

x

ww

はこうすると最適化問題

Page 45: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

で微分その上で

を代入すると

nn

N

n

nnnn

N

n

nnnn

N

n

nnnn

N

n

nn

N

n

nnnn

N

n

nnnn

N

n

nnnn

N

n

nn

w

wyawya

CL

wy

SVMyyayya

CL

ˆ,,,

,ˆˆ,

ˆˆ||||2

,)(

)110(ˆˆ

ˆˆ||||2

0

1

0

1

0

1

2

1

0

11

1

2

1

w

xwxw

w

xwx

xx

w

Page 46: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

ージ以降に記述この式の導出は次々ペ

た。を求める問題に帰着しを最適化するこの

とも書く

を求めるとに代入し最大化すべきこの結果を

の最小化のために微分

nn

mnmn

N

n

nnn

N

n

nn

N

n

N

m

mnmmnn

nn

n

nn

n

N

n

nn

n

N

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aaL

k

SVMyaaaa

aaaa,L

LL

CaL

CaL

aaw

L

aaL

L

ˆ,~

,),(

)120( ˆˆ

,ˆˆ2

1)ˆ(

~

~

ˆˆ0ˆ

0

0ˆ0

ˆ0

11

1 1

10

1

xxxx

xxaa

xww

Page 47: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

mn

N

m

mmn

nn

N

n

nnn

nn

aay

yw

SVMwaay

CaCa

xx

xw

xxx

,

)120(,ˆ)(

ˆ00

1

0

0

1

下のようになる。また、回帰モデルは以

制約が得られる。上の導出過程から次の

Page 48: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

N

n

nnn

N

n

nnn

N

n

nnnn

N

n

nnnn

nn

nnnn

N

n

nnnn

N

n

nnnn

N

n

nnnn

N

n

nn

nnnnnnnn

nnnnnnnn

nnnn

nnnn

wxyawxya

aCaCaCaC

LLaCaC

wxyawxya

CL

aayyyynot

aCaC

ayya

ayya

KKT

1

0

1

0

2

11

1

0

1

0

1

2

1

,ˆ,||||2

1

ˆ)ˆ()(ˆ)ˆ()(

ˆˆ

,ˆˆ,

ˆˆ||||2

0ˆ0)ˆ(0)(

0ˆ)ˆ(ˆˆ0)(

)2(0ˆˆ

)1(0

www

ww

w

xx

x

x

かつ

制約条件を消せる。り、導入された変数と条件は以下のようにな

(SVM120)の導出

ε+ξ>0, ε+ξ^>0

Page 49: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

N

n

nnn

N

n

nn

N

n

N

m

mnmmnn

n

N

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nn

N

n

nn

N

n

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m

mnmmnn

N

n

nn

N

n

nnn

N

n

nnn

N

n

nnn

N

n

nnnn

N

n

nnnn

yaaaaaaaa

yaaaaaaaa

aaw

Laa

wyawya

aCaCaCaC

111 1

111 1

101

1

0

1

0

2

11

ˆˆ,ˆˆ2

1

ˆˆ,ˆˆ2

1

0ˆ0ˆ

,ˆ,||||2

1

ˆ)ˆ()(ˆ)ˆ()(

xx

xx

xw

xwxww

によりと

Page 50: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

内積なら 成分の第  

は教師データ数は教師データの次元数

:,,:

,,

,,

,...,

),(

1

1

111

1

1

1

1

11

1

1

1

111

1

111

1

111

1

lk

M

i

likilkkikki

NNN

N

Ni

M

i

Nii

M

i

Ni

Ni

M

i

ii

M

i

i

NMM

N

NMN

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T

NMN

MT

N

xxkxi

kk

kk

NM

xxxxxx

xxxx

xxxx

xxxx

xxxx

xx

xx

xx

xx

ΦΦK

xx

xx

xxΦ

計画行列

Design Matrix

カーネル関数:k(xi,yj)を要素とするグラム行列

カーネル

Page 51: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

正定値カーネル: 対称行列k(xi,xj)が半正定値:グラム行列:

既存のカーネル関数から別のカーネル関数を構成する方法

)10()()()(

)9()()()(

()()(

)8( )(

)7())()(()(

)6()()()(

)5()()()(

)4())(exp()(

)3())(()(

)2()()()()(

)1()()(

21

21

1

21

21

1

1

1

1

kkkk

kkkk

kk

kkk

kkkk

kkkk

kkk

kqkqk

kffkfk

kckk

bbaa

bbaa

baba

T

y,xy,xyx,

y,xy,xyx,

yx,y,yyx,xx

AAyxyx,

y,xyx,

yx,yx,yx,

yx,yx,yx,

yx,yx,

yx,yx,

yyx,xyx,

yx,yx,

のときとも同じ次元に分割)

は対称半正定値行列

は係数正の多項式

は任意の関数

Page 52: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

カーネルの例

問題の非線形性あるいは高次性を非線形なカーネルで表すことになる

線形カーネル

多項式カーネル

Gaussianカーネル:RBF

以下の分解によりGaussianカーネルがカーネル関数だといえる

by (k-1)(k-2)(k-4)

2

2

2

||||exp)(

,...2,1 )1()(

)(

yxk

Mk

k

MT

T

yx,

yxyx,

yxyx,

)exp()2

exp()2

exp()(

2||||

222

2

yxyyxxyx,

yxyyxxyx

TTT

TTT

k

Page 53: クラシックな機械学習の入門  5. サポートベクターマシン

表現定理 SVMなどの最適化は下のような形

このとき上の最適化問題の解fは下記の形

よって、一般的なカーネルであっても(SVM100)の形の解を想定できる。

flossf

wywhereyta

nntf

nn

N

n

nnn

x

xwxxw

,

0

1

2

min

,)( )(1||||2

1min

H

正の単調増加関数である正則化項

教師データに対する損失

N

i

nikf1

,xxx