日本文化の心

11081039　川真田　慧

　日本文化の心とはなんだろうか。

　それを考えるには、日本文化とは何かを考えなくてはならない。日本文化

の例として挙げられるものは、日本食、華道や茶道そして剣道や柔道などの

武道、さらに近年では、アニメやオタク文化などのポップカルチャーも日本

の文化であると言われている。実際、平成２２年６月には、経済産業省製造産

業局にはクールジャパン室なるものを設置し、日本の戦略産業分野である文化

産業を海外に輸出しようと試みている。

　しかし、日本文化と言われて思いつくのはこれらだけではない。もう一つ、

日本という国を語る上で外すことの出来ないものが、「挨拶」や「おもてな

しの心」、「思いやり」、「恥」などの、人間の性格的な部分である。これら

は簡単に目に見えるものではないので、表現するのは難しいが必ず、日本文

化とは密に関わっているものである。実際、日本を代表するスポーツである、

剣道や柔道、さらに弓道などでも、相手への敬意をはらい、必ず挨拶を大切に

する。さらに、戦国時代の武士の決闘の時に、お互い名を名乗り、挨拶をして

から戦いを始めたなどいう話も伝えられている。

　これらの考え方は、日本以外の国ではなかなかみることのできない文化で

ある。日本人は、他人を思いやり、相手に敬意を払い、迷惑をかけることを嫌

う。そのことについて、よく海外からの観光客が日本を訪れた際に、言うこ

とのひとつに街が綺麗でゴミが落ちていないというものがある。これは、日

本人が大衆の場である街中に、ゴミを落とすことによって迷惑をかけるのを

嫌うからではないかと考えられる。実際、世界一の都市であるニューヨーク

ではそこら中にゴミが落ちている。

　さらに、日本の文化の中で育てられた人間性の一つの例として、「恥」とい

う考え方がある。日本人は。恥をかくということを大変おそれ、それを嫌う。

古来、行われていた、切腹という自決方法はそういう日本人の感性というの

を如実に表している例ではないだろうか。

　また、もう一つの良い考え方として、思いやりの精神というものがある。

　しかし、近年この思いやりや、謙虚さという心をもつ日本人が少なくなっ

てきているのではないかと言われている。実際、電車の車内などをみても、

大きく脚を広げて座席に座る若者や、自分が優先されて当然と考え、列に並ば

ない高齢者など、多くの人が他人をおもいやることを忘れ、自分勝手になっ

ている。

　では、このようなすばらしい日本文化の心をもう一度取り戻すには、いっ

たいどうすればよいのだろうか。私はその方法の一つとして、日本人が海外

で生活してみるという方法があると考える。

　筆者は、大学時代に半年間、アメリカはカリフォルニア州サンディエゴに

留学していた経験があるが、そこで感じたことは日本人とは、なんて特殊な

人びとなのかということである。

　島国である日本は、他国と比べ、比較的外部の人間が流入しにくい国である。

これに起因して、他国の文化が入りづらい状況にあった。これらが原因で日

本独自の文化が育まれたと言われている。

　そしてその特異性は、海外に行き、他国の文化と触れた時に初めて気づかさ

れるものである。

　そのような経験を経た日本人は、自国の文化とは何かと考え、本当の意味で

の「日本文化の心」というものを意識し、考え始めると、筆者は考える。

参考文献：

１．経済産業省クール ジャパン室の設置について（• 2013/7/3閲覧）http://

www.meti.go.jp/press/20100608001/20100608001.html