aiと雇用ceis.sakura.ne.jp/2018/c2_4_2018.pdf · 2018. 11. 26. · ai(人工知能)の概念...
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AIと雇用~人工知能に負けないために~
青山 魅士
岡田 怜士
小林 英人
佐藤 芳紀
永田 隆将
若山 礼治
AI(人工知能)の概念
• 人間の脳が行っている知的な作業をコンピューターで模倣したソフトウェアやシステムのこと
• 「特化型人工知能」と「汎用人工知能」の二種類に区別される
• 「特化型人工知能」は一つのタスクしかこなせない人工知能
(例)IBMのWatson、Googleの自動運転者、「Siri」など
• 「汎用人工知能」は覚えた知識を応用し実行する自律的な人工知能
(例)バーチャル秘書、バーチャル事務員など
AIの歴史
1700年代末~第一次産業革命→動力を獲得(蒸気機関が普及)
1800年代後半~第二次産業革命→動力を革新(電力やモーターが普及)
1900年代半ば~第三次産業革命→自動化が進む(パソコンやインターネットが発達)
2000年代~第四次産業革命→AIの実用化やIoT(モノのインターネット)の利用が広がる
第三次産業革命によりAIが生まれる
• 19世紀の産業革命。労働は新しい技術が生まれるたびに代替えされた
• 1947年ロンドン数学会で、アラン・チューリングによってAI(人工知能)の概念が提唱される
• 1956年ダートマス会議でジョン・マッカーシーらにより初めてAI(Artifical Intellijence)という言葉が用いられる
AIブームの到来
第一次AIブーム(1950年代)
第二次AIブーム(1980年代)
第三次AIブーム(2000年代半ば)
第一次AIブーム(1950年代)
• 1956年AIという言葉が使われるようになる
• 1970年代有限な問題でなければAIは解を得られないという問題が明るみに出て、ブームは下火になり冬の時代を迎える
第二次AIブーム(1980年代)
• 1977年に学術研究分野としての「知識工学」が誕生し技術が進展
• 1980年代特定の知識やルールに基づいて結論を導くコンピューターシステムが開発され、産業界が多数採用
• 1982年通商産業省(現・経済産業省)主導で高速な並列推論マシン「第5次世代コンピューター」プロジェクト開始
• 1990年代ルールが複雑である現実的な問題を処理できず、実用化には至らなかったため再び冬の時代を迎えるが、「データマイニング」研究が加速
第二次AIブーム(1980年代)
• 1997年米IBM「ディープブルー」がチェスの世界チャンピオンに勝利
• 1990年代末インターネットの検索エンジンから収集された情報がAI技術を用いて処理されるようになる
第三次AIブーム(2000年代半ば)
• 2006年にディープランニング(深層学習)研究が加速
• 2011年IBM「ワトソン」がクイズ番組でクイズ王に勝利
• 2012年ディープランニングが画像認識コンテストで驚異的な精度を実現
米グーグルがネコを認識するAIを開発
第三次AIブーム(2000年代半ば)
• 2016年グーグル「アルファ碁」がプロ棋士に勝利
• 2017年AIスピーカー続々と日本で市販化
第三次ブームでいよいよ実用化が始まる
•現在も進化を続けており、AI技術はこれからも様々な分野においてインパクトをもたらすと考えられる
•実用化が始まったきっかけはディープランニング(深層学習)の研究が進められたこと
•実用化されることによって労働がAI技術に代替えできる可能性があるものが出てくる
AIビジネス導入 代表例①
AI技術の導入率
20%
27%
20%
17%
16%
AIに置き換え会社の業務を行ったことがあるか
ある
既にある、さらに拡大希望
今はないが具体的な導入予定あ
り今はない。予定もない
無回答。その他
AI技術の導入例
・AIによる顔認証・入場システムの導入
・検品作業の効率化
・医療系
顔認証・入場システムの導入
ex⇒USJ、ライブ会場...
・認証時間約1秒
・不正入場防止
・30%の経費削減
・30%に時間短縮
カメラで顔を登録 入場時認証 認証OKで入場可能
検品作業の効率化
導入前
• 作業人数多数
• 作業時間の限度
• 見落とし
導入後
• 作業人数少数
• 作業時間24時間
• ミスの減少
医療系
数十万件の医学的根拠を学習
• ex⇒雑誌、論文データ、臨床医療のデータ...
3000枚の画像をスキャンで皮膚がんを早期発見
•人間の診断の精度75~84%
• IBMの診断の精度95%超え
AIビジネス代表例
AIビジネス具体的使用例
• ベーカリーショップ
• コールセンター
• AIタクシー
ベーカリーショップ
ソフトウェア開発のブレインが開発した「 Bakery Scan 」。
導入することで作業効率の向上、時間短縮、パンの種類を覚えていない新人店員でもレジ担当が可能。
複数のパンをトレーに乗せて
レジ横のカメラの下に置く
パンを画像認識
パンの種類を判別
価格・数量から購入金額を算出
コールセンター
三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友など大手銀行のコールセンターや保険会社にIBM開発のAI「Watson」導入。
機械学習と自然言語処理を利用し必要な情報を素早く取り出す、日構造化データの分析をする技術。
顧客の問い合わせ
会話内容をWastonの音
声認識システムがテキスト化
内容に適合する回答候補をオペレーターに提示
オペレーターが調査する時間や手間が省略でき
る
AIタクシーAI(人工知能)が現在から30分後のタクシー乗車需要を予測し、客の待ち時間を減らす。
実車率が約3%アップし、新人では車両1台あたり平均で1日に
3000~4000円アップした。
ドライバーの生産性が上がるとともに、客を乗せずに走る距離がへり、エネルギー消費が減るため、地球環境にも優しい。
リアルタイム移動需要
予測システム
運行データ
気象データ
人口統計データ
AIによる分析
需要の予測
効率的な運行を実現
AIビジネスのメリット・労働力不足の解消
・人件費の大幅圧縮
・生産効率の大幅向上
・単純な作業を正確に素早く行える
など
労働力不足の解消
•人口の27,3%が65歳以上の高齢者で、2030年には38道府県で
需要に対し供給が追い付かなくなり労働力不足に陥る。
AIを導入することにより、生産・製造が自動化できる。
人件費の大幅圧縮
• AIは決まりきった作業において大きく力を発揮し、経理やマーケティングに必要な計算はAIで行える。
•しかし、AIを導入するには、多少のコストがかかるが長期的に見ればコストは大幅に圧縮できる。
生産効率の大幅向上
例えば、営業の分野にAIを導入すると…
学習を通じてAIは、セールスパーソンがどう行動
すれば高い成績を上げられるか体系化できアド
バイスするようになる。
単純な作業を正確に素早く行える
・単純な作業を人間よりも正確に素早く行えて作業効率が良くなる。
ミスが減り、時間を大幅圧縮できる
AIのデメリット
誤解されやすい
過度な期待
対立構造を考える
過激な悲観論
今後10~20年以内に米国の職業の47%がコンピュータ化するリスクが高い
今後10~20年以内に日本の職業の49%がコンピュータ化するリスクが高い
AIによる雇用の減少
低賃金な仕事ほどコンピュータ化の確率が高い。
貧富の格差が生まれる
0
20
40
60
80
100
第一階級 第二階級 第三階級 第四階級 第五階級
賃金階級別のコンピュータ化確率
高賃金 低賃金
デパート店員
一般
事務員
スーパーのレジ打ち
タクシーの運転手
バーテンダー
AIに奪われる可能性のある仕事
AIロボットの東ロボ君が東大合格目標に作られた
しかし…
2016年11月断念!
AIの弱点
人間にしかない読解力・感情
AIの弱点
断念の原因
18世紀後半の産業革命➡蒸気機関車
新たな職種が生まれる可能性!
前例とこれから活躍する職業
AIのための人材育成と教育
人工知能に負けないために
•AIの弱点である人間にしかできない読解力、論理力、数学力や表現の強化•AIを扱いコンピュータを自由に扱える人材を育成する。•その力をビジネス分野に生かす人材を育成する。
•産学連携による実践的な教育ネットワークを構築し、人材不足が深刻化している情報技術人材やデータサイエンティスト等、社会のニーズに応じた人材を育成。
AIにできないことは、、、
•人間のようには知覚できない。
•意思がない。
•問いを生み出せない。
•デザインができない
•ひらめきがない。
•人を動かす力がない。
必要とされる教育の変化
•創造性、芸術性、体験。
•個別性、柔軟性、生活への密着(ローカ
•リズム)
• ルール重視から価値と本質の重視
•集団(大きな人数と小グループ)ですべきこと、個人ですべきことの切り分け。
•思考力とコミュニケーション力の教育
•体験学習
子供が習得すべき、3つの力
読解力
•教科書レベルの文章を正確に理解する力。
論理力
•自分の考えや意思を相手に明確に伝え説得や議論ができる力。
数学力
•問題を設定し、試行錯誤しながら数学を使って分析的に説く力。
AI人材が不足している!
・図のように、2020年に約4.8万人の人工知能を担う人材が不足。
AI人材の育成
•全学的な数理・データサイエンス教育の強化により、我が国全体のリテラシーの醸成を加速する。
•大学入試で「情報」の試験を必須化
•小学校から高校までコンピュータサイエンス(AI・統計・情報教育等)を抜本強化
•大学における一般教養でコンピュータサイエンスを必須化
•学部・学科の縦割りを越えて「AI学位プログラム」を創設
専門人材の拡大
・ IT技術者向け等の学び直しプログラム等の開発・実施(5拠点大学、31連携大学、65社の連携企業等)
• 社会人のキャリアアップ・キャリアチェンジに資するための短期の学び直しプログラム
<データサイエンティスト育成事業>
•産官学連携によるデータサイエンティスト育成のための実践的教育の推進
• データから価値を創造し、ビジネス課題に答えを出す人材(データサイエンティスト)を育成