月刊現代ギター - 2015年3月号
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DESCRIPTION
TRANSCRIPT
現代
ギタ
ー
昭和
42年
6月
27日
第三
種郵
便物
認可
平
成27
年3
月1
日発
行(
毎月
1回
1日
発行
)第
49巻
第3
号
株式会社 現代ギター社
(本体 1,200 円 + 税)定価 1,296 円
【修
正日
】 2015/02/06_01:30 【
出力
日】 2015/02/06_01:30
takedatakeda
【修正日】 2015/02/06_01:41 【出力日】 2015/02/06_01:41
12 特 集
第 2 回クラシックギター検定試験
CONCERT PHOTO REPORT
24 コンサート・フォトレポート 福田進一、大萩康司、朴 葵姫~ GG ニューイヤーコンサート
キケ・シネシ & 岩川 光(ケーナ) 古川忠義〔ゲスト〕Chizu 西垣正信 キム・ヨンテ クラシックギターの新しい時代 岩崎慎一 & 富川勝智 新堀ギタークリスマスコンサート 角 圭司〔共演〕黄 子珊(S) 谷辺昌央
REPORT
44 第 12回パリ国際ギターフェスティバル48 第 11回ミゲル・リョベート 国際ギターコンクール51 東京ギターアンサンブル in スペイン54 第 22回名古屋ギターコンクール61 アルバロ・ピエッリ・マスタークラス②
INTERVIEW
36 Jiro'sBar ~濱田滋郎対談〔25〕 福嶋伸洋(ボサノヴァ研究家)56 エディン・ソリス58 いちむじん
READING / ESSAY / LECTURE
32 愛器を語る[72] 長谷川郁夫(ハウザー 1 世“ラウテ 1914 年”)
40 ポインツ・オブ・ギターテクニック[12] 毛塚功一66 奇蹟のギタリスト〔最終回〕(手塚健旨) アンドレス・セゴビア
INFORMATION
78 めもらんだむ98 新譜案内100 外盤案内102 新刊案内106 今月の見どころ聴きどころ108 各地から112 イベント&コンサートガイド117 コンクール・インフォメーション
ENSEMBLE
104 アンサンブルの広場
SCORE
129 今月の楽譜解説130 葬送行進曲(ベートーヴェン~マンホン)134 ジュ・トゥ・ヴ(サティ~宮原一浩)137 また君に恋してる(森正明~佐藤弘和)※二重奏142 虹のスカイライン(佐藤正美)144 ヴァスティ・ワルツ(永島志基)
Vol.49 No.3 March2015 No.615 March
福田進一、朴葵姫、大萩康司
●表紙 いちむじん●写真 大村祐里子
71 ポピュラー・ヒット・レパートリー〔24〕 Tomorrow ~「ANNIE」より(ストラウス)
(小関佳宏)74 オールド・ポップス・コレクション〔12〕 タンゴ・ジェラシー(ゲーゼ)(たしまみちを)79 キネマ楽園〔最終回〕(鈴木大介) ナターシャのワルツ~映画『戦争と平和』より(ロータ)
82 遡行ギター音楽史年表〔最終回〕(朝川博)86 atempo 日記〔60〕(渡辺和彦)88 セゴビアとパキータ〔48〕 (A.エスカンデ/訳:坪川真理子)92 ロンドン便り〔63〕(ワシリー・サバ/訳:関塚亮司)94 レパートリー充実講座〔240〕(亀井貴幸) 12 の練習曲①(ヴィラ=ロボス)
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12 Gendai Guitar
クラシックギター検定試験楽器(ギター)、ギタリスト、作曲家、音楽史、雑学……クラシックギターの様々なジャンルから出題される“誌上検定試験”です。「我こそはクラシックギター通」という方はぜひ力試しを。今回は「プレゼントクイズ」付きです!
【特集】
検定試験の受け方 試験問題は全部で 50 問あります。30 分を目安に解答してください。 結果は自己採点です。[1 問(2 点)× 50 問 =100 満点]グレード別の点数制。※弊社に解答をお送りいただいても採点いたしかねますのでご了承く
ださい。
17 ページ以降に解答・解説を掲載しています。16 ページの「プレゼントクイズ」にもぜひ挑戦を!
69 ~ 60 点シルバークラス
GGマイスター
スコア別グレード
89~ 80 点
100 ~ 90 点
プラチナクラス
79 ~ 70 点ゴールドクラス
出題:編集部
1. ディアンス作曲〈タンゴ・アン・スカイ〉を直訳すると?①かっこいいタンゴ ②なめし革のタンゴ③タンゴを弾こう ④空飛ぶタンゴ
2. 次のうち、ギター協奏曲が現存していない作曲家は?①カルッリ②モリーノ③ソル④ジュリアーニ
3. ギターデュオ「いちむじん」は土佐弁でどんな意味?①一期一会 ②一心同体③一生懸命 ④一攫千金
4.「ロメロ四重奏団」メンバーでないのは次のうち誰?①セレドニオ ②セリン③アンヘル ④アンヘリータ
5. ミロシュが音楽で参加したスタジオジブリ映画は?①思い出のマーニー ②借りぐらしのアリエッティ③風立ちぬ ④コクリコ坂から
1. ディアンス作曲〈タンゴ・アン・スカイ〉を直訳すると?
初 級 6.〈アランフエス協奏曲〉を演奏していないギタリストは?
7. フェルメールの「ギターを弾く女」の楽器の正確な種類は?
①リュート ②バロック・ギター③エレキ・ギター ④リラ・ギター
初級の解答は四者択一です。
①アンドレス・セゴビア
クラシックギター検定試験 クラシックギター検定試験第2回
②R.S. デ・ラ・マーサ
③パコ・デ・ルシア ④ナルシソ・イエペス
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24 Gendai Guitar
Shin-ichi Fukuda 会場をHakuju ホールに替えて 3年目となる新春恒例の「GGニューイヤーコンサート」。今年も福田進一のプロデュースで大萩康司、朴 葵姫をゲストに満員の聴衆を集めて開催された。阪神・淡路大震災 20年となるこの日、黙祷の意味合いも込めて福田による細川俊夫「さくら」で始められたコンサートは、3人のソロとデュオが各 3曲、トリオが 5曲(+アンコール2曲)演奏された。ギターによる重奏、特にトリオは名曲とされる曲が少ないのと、3人のパート間のバランスが必ずしも良くないということで、1曲目のグラニャーニが福田ヴァージョンで演奏されるなど様々な工夫が凝らされた。重奏を聴く楽しみは、完璧なアンサンブルによる響きの美しさであったり、個性の異なる演奏家どおしのぶつかり合いであったりするが、この日の楽しさは主に後者。とりわけ福田 &大萩の
ディアンス「ハクジュ・パルス」は会場の大きな拍手を呼んだ。ソロは各人 1曲だったが、重奏曲の間に聴くと 3人の個性がより鮮明に響いた。(朝川 博)プログラム:福田/さくら~「日本古謡集」より(細川俊夫編)、トリオ/トリオ・ニ長調(グラニャーニ)、大萩 &朴/詩的ワルツ集(グラナドス~デュオ・メリス)、大萩/今朝、オーマに再び陽は昇った(ラヴレディ)、福田&大萩/ハクジュ・パルス(ディアンス)、朴/ヘネラリーフェのほとり(ロドリーゴ)、朴&福田/粉屋の踊り~魔法の輪~火祭りの踊り(ファリャ~グル―バー&マクラー)、トリオ/不良少年(武満 徹)、挽歌~「組曲」より(原 博)、ロンド(ヒンデミット)、サパテアード・カリブ(バリオス~福田改編)
〔1月 17日/東京・Hakuju Hall〕
GGニューイヤーコンサート2015
福田進一写真:東 昭年
写真:満田 聡
大萩康司 朴 葵姫Yasuji Ohagi Kyuhee Park
32 Gendai Guitar
愛器を語る
長谷川郁夫 ◆ヘルマン・ハウザー1世(ラウテ1914年)
Ikuo Hasegawa日本大学芸術学部音楽学科ギター専攻卒業。ギターを故・芳志戸幹雄、建 孝三、吉田佳正他の諸氏に師事。1982年全日本ギターコンクール重奏部門第1位。1988 年 G.L.C. 学生ギターコンクール大学生の部第 2 位を受賞。現在「美しい曲を親しみやすく」をモットーに独奏のほか、ギター二重奏及び他楽器や歌とのアンサンブルにも力を入れて活動を行っている。また 98 年ごろより、19 世紀~ 20 世紀初頭にかけての当時の楽器を使った演奏なども興味をもって取り組んでいる。武蔵村山・立川・昭島で「はせがわギター音楽教室」主宰するほか、池袋・昭島・立川・あきる野・武蔵村山にてギターサークルの指導を行なっている。ブログ:「ギター・音楽・いろいろ」http://has.tea-nifty.com/
写真:木田新一
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―― 概要 ―― 毎年 11 月末になるとパリではノエルの準備が始まり、華やかな様子になってくる。それとちょうど同じ時期、パリ国際ギターフェスティバルが開催される。今回で12 回を数えるフェスティバルの会場となるのはパリ左岸の 7 区、エッフェル塔と目の鼻の先にあるテアトル・アドヤー Théâtre Adyar、アール・ヌーヴォーの影響を受けた建築で 100 年の歴史を持つ。このバルコニー付きの 200 席ほどのホールが毎晩パリジャンたちによって埋め尽くされる。期間中、コンサートの他、マスタークラス、フランス内外のギター製作家による展示会も催される(以下、文中敬称略)。
―― コンサート ―― フェスティバル期間中、毎日 20 時半からコンサートが開催される。コンサートは 2 部構成で 2 組の演奏家たちが登場し、ヨーロッパで活躍するトップギタリストとフランス、特にパリを拠点に活躍している若手ギタリストを取り上げるのがこのフェスティバルの特徴でもある。ちなみに途中の休憩時間にエッフェル塔のイルミ
ネーションが見られることが多い(1 時間毎にシャンパンクラッシュがある)。
・1日目 フェスティバル初日のコンサート前半はエクリス・カルテット Quatuor Eclisses。パリ国立高等音楽院の卒業生であるガブリエル・ビアンコ、アルカイツ・シャンボネ、ピエール・ルリエーヴル、バンジャマン・ヴァレットによって 2012 年に結成されたギター四重奏。 コシュキンの〈警護兵交代〉以外は、彼ら自身による編曲の、フランス近代のレパートリーを中心としたプログラム。ドビュッシーの《ベルガマスク組曲》、ラヴェルのピアノ組曲《鏡》より〈道化師の朝の歌〉、サン = サーンスの〈死の舞踏〉などが四重奏によって演奏された。個々の高い技術はもとより、四重奏ならではの豊かな響き、演奏効果の高い編曲が際立った。デビュー以来の彼らの活躍ぶりを見ると、日本で聴く事ができる日もそう遠くはないように思える。エクリス・カルテット公式ウェブサイトhttp://www.quatuoreclisses.com/
44 Gendai Guitar
第12回 パリ国際ギターフェスティバルFestival International de Guitare de Paris2014 年 11 月 27 〜 30 日 テアトル・アドヤー 公式ウェブサイト http://www.festivalguitareparis.fr
文⃝徳永真一郎1988 年徳島県生まれ。9歳よりギターを川竹道夫氏に師事。国内のコンクールで入賞を重ね、2007 年にフランスへ渡る。ストラスブール地方音楽院にてギターをデュオ・メリスのアレクシス・ムズラキス、古楽・リュートを今村泰典に師事。現在パリ国立高等音楽院にてローラン・ディアンスのクラスに在籍。2008年ナクソス国際ギターコンクール第 3位、2010 年オルシュティン国際ギターコンクール第 1位及びグランプリ。2011、2012、2013 年度ヤマハ留学奨学生。
パリギターフェスティバル.indd 44 2015/02/05 11:35:33
| さまざまなアーティストとの共演 |――あなたのギター作品についてお教えください。エディン・ソリス(以下S) 私の作品は、コスタリカ大学でクラシックギターを学んだことと、イベロアメリカやコスタリカのトラディショナル・ミュージックを演奏する様々なアンサンブルに参加した経験が基になっています。クラシック音楽とある程度のジャズの要素を持った民族音楽を結びつけた語法になっています。――このたび出版された《パサーヘ・アビエルト》は、いつごろ、どのような経緯で作曲されたのでしょう?S 《パサーヘ・アビエルト》の最初のバージョンを書いたのは、エディトゥス・トリオ(ヴァイオリン、ギター、パーカッションからなるアンサンブル)のためで、2001年のことです。私は創設メンバーで、1991 年に結成しました。 最新の《パサーヘ・アビエルト》は、ギター・ソロのために改作し、〈ダンサ〉というタイトルにしました。この曲はアフロ・カリブ音楽のリズムにインスパイアされているのと、ある種の右手のエチュードでもあります。
〈プレリュード〉は数年後に作曲した作品です。リック・ローゼンタール監督のドキュメンタリー映画『Coiba : A Savage Paradise』(コイバ~未開の楽園)のテーマとして書きました。この曲は、コイバ島の透き通った水と、ドキュメンタリーで「アリシア・イバニェス」と呼ばれている人物の繊細さや女性らしさを反映しています。――あなたは多数のアーティストとCDを共作していますが、特に印象深かったものはありますか?S レコーディングを共にしていく中でさまざまなアーティストから影響を受けましたが、もっとも印象深く、また音楽家としての私のキャリアに決定的なものとなったのは、ルーベン・ブラデス※1
との 2 枚のアルバム『Mundo』(世界)と『Tiempos』(時間)、そしてメキシコのシンガーソングライターのアルマンド・マンサネーロ※2
と共演した 2nd アルバム『Master Class』(マスタークラス)です。※ 1:パナマのサルサ歌手、作詞作曲家。スティングやエルヴィス・コステロらと共演し、グラミー賞を 2 度受賞している。俳優としても活躍したが、2004 年以降は若いころから目指し
エディン・ソリスEdín SolísAn interview with
コスタリカの人気ギタリストエディン・ソリスの実像に迫る!
エディン・ソリス◎プロフィール1963年、コスタリカ共和国アラフエラ州のサルセロ出身。クラシックギターと音楽指導者の課程でコスタリカ大学を卒業。1985年から1990年までコスタリカのバンド“カントアメリカ”でアフロカリビアン音楽を演奏する。1991年にコスタリカの国内ギターコンテストで優勝し、クラシックギターの留学のためスペインとフランスに渡る。ルーベン・ブラデスと共作したアルバム『ムンド』で、2003年にベスト・プロデューサー賞とベスト・エンジニア賞の2つのグラミー賞を受賞する。また、コスタリカのACAM(作家・作曲家協会)から、2000年に最優秀編曲家賞を、2007年に最優秀作曲家賞を授与されている。2008年には“エディトゥス”として日本・台湾・韓国で39公演に及ぶアジア・ツアーを敢行。2014年には中東でのコンサート・ツアーと、カナダの著名な歌手アラニス・モリセットとレコーディング・セッションを行なった。� 公式HP:http://edinsolis.com/
英訳◦マルティン・アデビシインタビュー・和訳◦小川智史(編集部)
大萩康司やベルタ・ロハスなど、さまざまな名手たちにより演奏され話題を呼んでいるギター作品〈パサーヘ・アビエルト〉。その作曲者にして、世界中でツアーを行なう人気ユニット“エディトゥス”のメンバーでもあるギタリストのエディン・ソリス。メールによるインタビューを申し出たところ、快く引き受けてくれたのでここに掲載する。また、日本ではなかなか知られることのない、コスタリカの音楽事情についても伺った。
56 Gendai Guitar
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