意見が出ない振り返りからチームを自己組織化に近づけたふりかえり改善事例...

Post on 15-Apr-2017

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意見が出ない振り返りから チームを自己組織化に近づけた

ふりかえり改善事例

ヤフー株式会社 川鯉 光起

アジャイルジャパン 初心者向けセミナー

自己紹介 ・ヤフー株式会社新卒3年目

・スクラムマスター5ヶ月生

川鯉 光起

学生時代からプログラミングメイン 会社でLEGOスクラムに参加して興味を持ちました ずっとスクラムがやりたくて導入を半年くらい挑戦 スクラム、リーンスタートアップ、TOC 最近はプロセス改善をすることが好き

プロジェクト状況 Join前

•  数年間一緒なメンバーの4名チーム

•  2014年後半 – 社内の1日スクラム研修受講 – アジャイルコーチが3回位セレモニーを見学 – 2ヶ月程度スクラムを実践

メンバ紹介

•  PO – エンジニア歴15年以上のベテランのリーダー

•  SM – 月一交代制 PO以外のメンバで交代

•  メンバ – 全員エンジニア歴5年以上 – BEチーム

プロジェクト状況 Join後

•  2015年5月~ – 他エンジニアと2人でJoinして6人に – 開発メンバとしてチームに参加

•  2015年7月~ – スクラムマスターをやることに

新メンバ紹介 •  先輩エンジニア – エンジニア歴10年 – エンジニアリング大好き

•  自分 – スクラムをやってみたかった – スクラムの勉強をしていた

問題発生

•  毎スプリント計画通り終わらない •  振り返りで活発な意見がでない

振り返りカイゼン4回

1. 活発な意見が出ない振り返り改善 2. 費用対効果のいいものからやろう思考 3. 表面的な問題改善 4. 自分ではどうにもならない問題改善

アジェンダ

1. 活発な意見が出ない振り返り改善 2. 費用対効果のいいものからやろう思考 3. 表面的な問題改善 4. 自分ではどうにもならない問題改善

状況

•  メンバとして参加していた時期

振り返りが中止!?

•  振り返りの場で発言が出ない •  課題や改善案が出なく改善ができない •  「誰も意見が出ないからやめよう」

振り返りが中止!?

•  振り返りの場で発言が出ない •  課題や改善案が出なく改善ができない •  「誰も意見が出ないからやめよう」

•  意見が出ないと振り返りも無くなる!!

対策

大切なのは相手の環境や立場を理解すること 批評や提案は後回し

実は前の部署での行動 ・相手の環境を理解しない ・最初から批評や提案をする → 信頼が下がっていました。

対策

大切なのは相手の環境や立場を理解すること 批評や提案は後回し

•  チームを観察する(チャット、会話) •  スクラムのセレモニーが導入されてない所は理由を聞く (何かの制約でできていないはず)

•  どうしてそうなっているのか自分で考える •  チームが困っているであろうことを探す

困っているであろうこと •  本番とテストのプロダクトの差異があった •  1コンポーネント1人の担当 •  問題・改善意見がでないが出ない •  見積もりの精度が上がらない

チームが困っているであろうこと

•  本番とテストのプロダクトの差異があった •  1コンポーネント1人の担当 •  意見が出ない •  見積もりの精度が上がらない

•  テスト環境に不具合があって障害発生 •  遅延の巻き返しのため担当に負荷が集中 •  見積もり以上に働く •  スケジュール遅延

状況

•  この辺りでSMを任せてもらえるように – 定期的にスクラムの勉強内容をシェア – 任せてもらいやすい空気に

次に何をしたか

•  例示して話すハードルを下げた – 振り返りの時間に集めた困っているであろうことをシェア

•  チームにTry実施の責任を負わせなくした – 「スクラムマスターが何でも解決します」

結果

•  チームの発言 – 「Aさんが体調不良なのに負荷が集中している」 – 「Xサーバのバージョンが古くてできなかった」 – 「Yサーバの設定が間違えて放置されてた」

問題を提示してもらえるようになった

アジェンダ

1. 活発な意見が出ない 2. 費用対効果のいいものからやろう思考 3. 表面的な問題改善 4. 自分ではどうにもならない問題改善

問題発生

•  問題が大量に出るようになり 振り返りの時間が非常に長くなった

原因 •  大量の問題を出すのに時間がかかる •  それぞれの改善案を考えるのに時間がかかる

原因

対策 •  問題と改善案を同時に考えるのをやめた •  みんなで問題に優先順位を付けた •  改善案を考えない問題は障害物リストへ

•  大量の問題を出すのに時間がかかる •  それぞれの改善案を考えるのに時間がかかる

結果

•  チームの発言 – 「この問題はたいしたことないから、後で」

振り返りの時間の軽減 費用対効果の高い問題から解決する

アジェンダ

1. 活発な意見が出ない 2. 費用対効果のいいものからやろう思考 3. 表面的な問題改善 4. 自分ではどうにもならない問題改善

問題発生

•  毎回改善をやっているはずなのに同じような事態が発生する

原因 •  根本的な問題を解決せずに表面的な問題だけ解決している

old  

原因 •  根本的な問題を解決せずに表面的な問題だけ解決している

new   old  

原因 •  根本的な問題を解決せずに表面的な問題だけ解決している

new   new   old  

原因 •  根本的な問題を解決せずに表面的な問題だけ解決している

•  同じ対策を繰り返してしまう!!

サーバが古くなる根本原因に対策できず、同じ問題が発生する

new   new   new   old  

原因

対策 •  問題の深掘りをした(理由) – どうして問題が起きたのか?

•  問題を整理した(カテゴライズ、抽象化) – この問題とこの問題って似てないか?

•  根本的な問題を解決せずに表面的な問題だけ解決している

•  同じ対策を繰り返してしまう!!

結果

•  チームの発言 – 「この問題も、この問題も同じ原因だね」 – 「これが影響しているよね」

問題の根本原因を見つけて対策する

アジェンダ

1. 活発な意見が出ない 2. 費用対効果のいいものからやろう思考 3. 表面的な問題改善 4. 自分ではどうにもならない問題改善

問題発生

•  根本原因を考えていくとチーム外の影響 – e.g. 上司が決めたことが影響している

•  「決まっていることだから仕方ない」

原因 •  チーム外の人が決めたことは対策できない認識

対策 •  ボトルネックをスコープ内にする提案 •  無理だと思うことの対策を考える提案 – チーム外の理想と問題を洗い出す – チーム内とチーム外の両方にメリットのある対策を考える

TOCから俯瞰するリーンスタートアップ,h-p://www.slideshare.net/inuro/toc-­‐43579895

原因 •  チーム外の人が決めることには何もできないと思っている

対策 •  ボトルネックをスコープ内にする提案 •  無理だと思うことの対策を考える提案 – チーム外の人が決めるときに使う情報は何か

結果

•  チームの発言 – 「決まっていることを良い方法に変えるように働きかけよう」

– 「双方が良い結果になるようにしよう」

問題の解決方法を考える前向きなマインドになった。

これらの4つを経験して

•  活発な意見が出ない振り返り改善 •  費用対効果のいいものからやろう思考 •  表面的な問題改善 •  自分ではどうにもならない問題改善

最終結果としてのマインドの変化

•  チームの発言 – 「どんな問題があっても解決しよう」 – 「解決するため自分達ができることはなんだろう」 – 「重要な問題から取り組もう」

どんな問題でも自分達で解決していける 効率的に解決できる

まとめ

•  「相手の環境や立場を理解する」効果大 – 信頼がないと何も上手くいかない

•  相手の立場でひたすら観察して良かった – うまく行かないコンテキスト探しが大変 – 周りの誰に聞いても課題が出ない理由不明

•  事前に仕入れて解決策をストックする – スクラム実施前に学んでいたことが使えた

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