積水ハウスのグリーンビルディングプロジェクト...
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2008洞爺湖サミット ゼロエミッションハウス
積水ハウス株式会社 環境推進部 環境推進グループ 村井孝嗣
2016/11/15
施工現場のゼロエミッションと IoTを活かした廃棄物管理システムの構築
平成28年度産業廃棄物3R実践講習会
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会 社 概 要
社名 : 積水ハウス株式会社 本社 : 大阪市北区大淀中一丁目1番88号 梅田スカイビル タワーイースト 設立年月日 : 昭和35年8月1日 資本金 : 2,025億9120万円 (平成28年7月31日現在) 従業員数 : 15,917名 (平成28年4月1日現在) 工場 : 東北工場 関東工場 静岡工場 兵庫工場 山口工場 拠点数 : 支店・営業所:122 カスタマーズセンター:29 展示場:406 (平成28年2月1日現在) 販売実績戸数(平成28年1月期) : 鉄骨住宅 9591戸 シャーウッド住宅(木造) 4021戸 集合住宅 34633戸 売上高(平成28年1月期) : 1兆8588億円
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梅田スカイビルについて
◆1993年大阪の空に空中庭園を誕生させた新梅田シティは、大阪のランドマークと
なっています。
◆イギリスの出版社が選ぶ「TOP 20 BUILDINGS AROUND THE WORLD」の一つに、
アテネのパルテノン神殿やローマのコロッセオ、ヴェネツィアのサン・マルコ大聖堂、
バルセロナのサグラダ・ファミリアなど世界的に有名な建築物とともに選出されました。
積水ハウスの環境への総合的な取組み
積水ハウスのエコ・ファーストの約束
環境対策のトップランナー企業が、環境大臣に環境に関する取り組みを約束することにより、「エコ・ファースト企業」に認定される制度。現在40社。
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積水ハウスの環境への総合的な取組み
積水ハウスのエコ・ファーストの約束
●生産・施工・アフターメンテナンス・リフォーム時のゼロエミッション (埋め立てゼロ、熱回収を伴わない焼却ゼロ)を継続するととも にマテリアルリサイクル率90%達成を徹底的に推進します。 また、リフォームに伴う解体工事についてもゼロエミッションの継 続を通じて環境への負荷を最小限にするべく努めていきます。 ● 「ICタグ」や電子マニフェストなどを活用した次世代型ゼロエミッ ションシステムを積極的に導入していきます。また、2010年度中 の電子マニフェスト化率100%達成を目指します。
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積水ハウスのゼロエミッションシステム 5
● 2002年 5月:工場ゼロエミッション達成
● 2004年 1月:新築現場ゼロエミッションプロジェクトスタート
● 2004年 9月:環境大臣の広域認定取得 (業界初)
● 2005年 7月:新築施工現場ゼロエミッション達成
● 2006年 3月:アフターメンテナンス部門ゼロエミッション達成
● 2007年 1月:新築施工現場で、
「ICタグ」を活用した次世代型ゼロエミッション
システムの試験運用開始
● 2007年10月:リフォーム施工現場ゼロエミッション達成
● 2010年11月: 「ICタグ」を活用した次世代型ゼロエミッション
全国導入開始
● 2013年2月:複合化・プレカット化を採用した低層賃貸住宅
商品を設定
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●大量生産・大量消費・大量廃棄の社会構造を、持続可能な 循環型共生社会に変えるために1994年に国連大学が提唱 したコンセプト。 社会全体での排出物(Emissions)をゼロにするという考え方 ●単独の企業では廃棄物をゼロにすることは難しいが、発生する 廃棄物を別の産業での原材料として利用することにより、全体 としての廃棄物発生量をゼロにしようという方法 ●まずは、各企業が廃棄物の発生量を削減し、再利用が出来る 形で排出する工夫や、再利用が可能な企業、受入規格について 情報交換などが必要で、現在多くの業種の多くの企業が、 それぞれの定義のもと、ゼロエミッションに取り組んでいる
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住宅の施工現場で排出される廃棄物の特徴 ●住宅にはさまざまな資材が使用され、施工に伴って多種多様な 廃棄物が発生します(新築工事の資材投入量はおよそ100t)。 ●他の工業製品とは違い、製品が建築現場で完成するため、廃棄 物の発生源が全国各地に点在し、その分別、回収、リサイクルが 困難とされてきました。
当社は分別ルールの設定や廃棄物の回収システムを構築する ことでゼロエミッションを達成しました。
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●廃棄物を埋立処分しない *「最終処分場」に廃棄物を持ち込まない ●エネルギーを生み出さない単純焼却をしない *原材料として使用出来ないものは、熱原料として利用する
焼却熱で発電
埋立処分をしない
最終処分場
焼却施設 発電施設
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●廃棄物の発生状況、内容を分析し、設計、生産、施工の各 工程における無駄を削減できる情報提供を継続的に行い、 工業化住宅の供給全般を通し廃棄物の発生抑制に向かうシ ステムであること ●処理委託基準を確立し、その基準に則り適正な処理委託が 担保されるに留まらず、将来に亘り要求される社会的基準 の向上にも耐えられるシステムであること ・適正なリサイクル処理の確保 ・トレーサビリティの確保 ・当社内の徹底した分別の実施 ●上記の規範を果たす基礎として広域認定に基づいた運用を 原則とすること
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今回は4つのポイントを中心に積水ハウスの取り組みを紹介します。 ●広域認定制度の活用 *廃棄物処理法の特例制度を活用した効率的な廃棄物回収手法 ●現場での確実な分別による100%リサイクル *排出時に分別することの重要性 ●トレーサビリティ(追跡可能性)の確実なゼロエミッション *リサイクル業者に引き渡すだけでなくきっちりと追跡確認出来る ●廃棄物の徹底管理と「次世代ゼロエミッション」の取り組み *現場から資源循環センターまで廃棄物をリアルタイムで管理 *「ICタグ」を使った新たなゼロエミッションシステム
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●廃棄物処理法の規定 ~廃棄物の収集運搬~ 積み降ろし場所の行政が違う場合は、両方の行政の収集運搬業の許可が必要です。全国の廃棄物を自由に動かそうとすれば、 全ての都道府県の許可が必要となります。
排出現場
A県
A県の収集運搬業 の許可が必要
B県
A県とB県両方 の収集運搬業 の許可が必要
C県 処分場A
処分場B
処分場C
A県とC県両方 の収集運搬業 の許可が必要
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廃棄物処理法
<原則は> ◆循環型社会形成のためには、廃棄物の広域的なリサイクル促進が必要
的確なリサイクル能力等の要件の下に、環境大臣の認定を受ければ自治体ごとの「業の許可」を不用とし、地方公共団体の枠を越えて効率的にリサイクルできる制度(2003創設)
自治体単位の許可制度
<環境大臣の特例制度>
全国的に処理しようとすると、全ての都道府県ごとに許可が必要となり非効率
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●製品が廃棄物となったものであって、当該廃棄物の処理を当該製品の製造・加工・販売等の事業を行う者(製造事業者等)が広域的に行うことにより、当該廃棄物の減量その他その適正な処理が確保されることを目的として、廃棄物処理業に関する法制度の基本である地方公共団体毎の許可を不要とする制度。
ユーザー
製造業者等
製品
処分業者
運送会社
廃棄物
製品
廃棄物
認定の範囲
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●広域認定制度を活用することによって、全国各地に分散している新築施工現場から出た廃棄物は、都道府県を超えて、自社施設の資源循環センターに廃棄物を全量回収しています。60種類程度(最大80種類)に分別した上で、自社の管理下で廃棄物の再資源化を推進しています。
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●施工現場から廃棄物を全量回収 ・環境大臣の「広域認定」を自社で取得。 ・廃棄物を適切な管理のもと全量回収。
●約50品目以上(工場ごとに異なる)に分別 ・自社でリサイクル可能なレベルまで分別。
●自社リサイクル ・極力、自社で活用
●リサイクル業者に委託 ・優良な業者を選定(トレーサビリティ)
◆全量を自社管理することで不法投棄を防止し、 マテリアルリサイクル率向上を目指します。
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●分別の徹底で、リサイクルの質を大幅に向上
施工現場の分別の目安:「新築現場分別表」 新築施工現場分別ガイド
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●分別後は、養生も徹底 ・特に石膏ボード、ダンボールの雨濡れ・汚れ防止の徹底 ・「濡らさない、汚さない。」で処理費用も削減
現場に設置された 廃棄物保管用テント
廃棄物の保管状況
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●分別した廃棄物は、「戻り便」で資源循環センターへ
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●現場から集荷拠点へ
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●分別した廃棄物は、「戻り便」で集荷拠点へ
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●集荷拠点内部
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●集荷拠点内部
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●集荷拠点内部
廃棄物の搬入時に、 袋ごとに重量を計測します。
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●関東資源循環センター
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●施工現場から廃棄物を搬入
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●廃棄物の搬入・荷降ろし
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●荷降ろし
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●荷降ろし
袋には、現場情報や廃棄物の 種類などを登録したICタグ がつけられています。
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●分別袋ごとに取り付けられたICタグ
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●使用済みのICタグは、分別袋から取り外す
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●取り外されたICタグは、繰り返し使用される
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●分別した廃棄物は、さらに細かく分別される。
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●分別した廃棄物は、さらに細かく分別される。
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●分別した廃棄物は、さらに細かく分別される。
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●分別した廃棄物は、さらに細かく分別される。
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●自社施設によるリサイクル(石膏ボードのリサイクル)
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●自社施設によるリサイクル(石膏ボードから剥離された紙)
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●自社施設によるリサイクル(石膏ボードを材料とした商品)
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●自社で発生した廃棄物を再び製品とするリサイクル材の 開発を当社は積極的に取り組んでいます。
人体にやさしいグラウンド用白線材「プラタマパウダー」 は、新築住宅の建築現場から回収するプラスターボード端材と食品工場から回収される卵殻を配合・粉砕し、パウダー状にした製品です。
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●リサイクル業者へ原材料となる分別後廃棄物を搬出
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・廃梱包材(ポリエチレン)を 2階床ALC防湿シートの原料 として使用
・廃梱包材(ポリプロピレン) を瓦桟の原料として使用
・廃木材を樹脂と混合し、 ウッドデッキの原料として 使用
・瓦の端材を破砕し、振動を 吸収する充填剤として使用
積水ハウスのゼロエミッションシステム
●1999年当時、145㎡あたり3,364kgだった廃棄物は、 現在は、1,450kgから1500kgの間で推移
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◆積水ハウス株式会社が、施工・販売した建物であること。 ◆積水ハウスリフォーム株式会社が行う ・その全部 ・一部の解体 ・修繕・模様替え ・増築 において排出される廃棄物を対象範囲とする。 ◆一連の工事の中でやむをえず混入してしまう他社製品も 含まれる。
積水ハウスリフォームのゼロエミッションシステム
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◆リフォーム工事で発生する廃棄物は、 ・リフォーム工事の施工範囲で行う解体工事から発生する廃棄物 ・新築工事と同様に、新規部材を施工で使用する際に発生する 不要となった端材 に分類され、それぞれ適したリサイクル方法があります。 同じ石膏ボードでも解体に伴うものは壁クロス等の異物が付着していたり、製造メーカーが不明であったりすることで、マテリアルリサイクルが出来ず、サーマルリサイクルとなることがあります。 新築部分の場合は、製造メーカーに戻せばリサイクルされるなど、それぞれリサイクル先が異なります。これらをきちんとリサイクルするため、リフォーム現場では、後工程でリサイクルしやすいように工夫することが重要です。
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◆解体工事部分 ・解体工事の施工において分別を行う ・解体したまま外したままの大きさ ・細かく解体されたものは、同じような性状のものを袋に詰める ・解体時に持てる範囲で解体される物以外は、現状と同じく ユニック等重機で引き上げる ◆新築工事部分 ・新築工事と同様に27分別を行う
積水ハウスリフォームのゼロエミッションシステム
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●分別ガイドで、指針を示しています。
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●現場から資源循環センターへ
積水ハウスリフォームのゼロエミッションシステム
廃棄物は、運搬中に 落下・飛散することが ないよう、シート掛け
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●荷降ろし
積水ハウスリフォームのゼロエミッションシステム
荷降ろし時に、 検品します。
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●荷降ろし
積水ハウスリフォームのゼロエミッションシステム
便器も、きちんと 梱包して搬入されます。
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●荷降ろし
積水ハウスリフォームのゼロエミッションシステム
現場からの搬出時に、 廃棄物の種類・量など を帳票に記載し、運搬時
に携行します。
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●搬入された廃棄物の数々
積水ハウスリフォームのゼロエミッションシステム
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●搬入された廃棄物の数々
積水ハウスリフォームのゼロエミッションシステム
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●搬入された廃棄物の数々
積水ハウスリフォームのゼロエミッションシステム
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●資源循環センター内の分別作業
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●資源循環センター内で、分別された廃棄物
積水ハウスリフォームのゼロエミッションシステム
新築部分:メタル下地など 新築部分:断熱材
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●資源循環センター内で、分別された廃棄物
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水栓金具 ・ 配管類 建具アルミ枠
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●資源循環センター内で、分別された廃棄物
積水ハウスリフォームのゼロエミッションシステム
陶器瓦 がれき類
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●資源循環センター内で、分別された廃棄物
積水ハウスリフォームのゼロエミッションシステム
サイディング類
壁クロス
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●環境配慮設計の取り組みへの社内外への動機付けとなった ●資源投入量の削減により、ゼロエミ開始前の2004年比で累 積約20億円のコストダウンを果たした。 ●日本全国で同一の廃棄物管理体制の構築が出来た ●不法投棄等のリスク低減 ●社内での廃棄物処理法に対する理解が進んだ ●資源循環の取り組みに対しての社会的な評価 2009年に積水ハウスの資源循環の取組が評価され、クリー ンジャパンセンター主催のリデュース・リユース・リサイ クル推進功労者等表彰事業において最高位の内閣総理大臣 賞を受賞。
INTERNET
現場監督
現場
運搬会社
①廃棄物の回収依頼
②依頼の通知
③配車手配
④回収場所の取得
【積水ハウス】社内サーバー 運搬会社の車両
工事の過程で発生する廃棄物
⑤廃棄物の回収
⑥回収した情報の登録 ⑦運搬
再資源化施設
⑨重量登録
社内DB
運転手
全量リサイクル
積水ハウスのゼロエミッションシステム
●新廃棄物回収システムを開発 (H28.9月~)
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積水ハウスのゼロエミッションシステム
現場監督が使用するiPadアプリから回収依頼を行う
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積水ハウスのゼロエミッションシステム
現場監督が使用するiPadアプリから回収依頼を行う
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積水ハウスのゼロエミッションシステム
●環境配慮設計の取り組みへの社内外への動機付けとなった ●日本全国で同一の廃棄物管理体制の構築が出来た ●不法投棄等のリスク低減 ●社内での廃棄物処理法に対する理解が進んだ ●資源循環の取り組みに対しての社会的な評価 2009年に積水ハウスの資源循環の取組が評価され、クリー ンジャパンセンター主催のリデュース・リユース・リサイ クル推進功労者等表彰事業において最高位の内閣総理大臣 賞を受賞。
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