日本ミツバチの飼育(小林養蜂場) 小林知治(リスクマネジャ...

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日本ミツバチの飼育(小林養蜂場) <2015.06> 小林知治(リスクマネジャ)

日本ミツバチに興味を持ったのは、大阪大学で環境の勉強を始めたころ「銀座ミツバチプロ

ジェクト」の活動を知ってからである。銀座のビルの屋上で採取されたハチミツは、銀座の

一流店でスイーツやカクテル、石鹸やハンドクリームに加工されて販売されている。

ネットで調べると、日本ミツバチは日本在来種のミツバチで、性格は優しく、危害を与えなけ

れば人を刺さない。日本ミツバチはペットとして趣味の養蜂にはぴったりだ。養蜂の専用機

材は必要ない。一年を通して放置でき(月一回巣箱の底板の清掃のみ)、薬品も一切使用

しない安全な天然の美味しいハチミツが取れる。日本ミツバチの集めるハチミツは、多くの

種類の花から採取するため「百花蜜」と呼ばれ、蜂一匹が集める蜜の量はティースプーン

一杯しかなく、一般市販されている物とは違い、世界唯一の自分オリジナルのハチミツだ。

毎年、春になると、我が家のベランダの蘭(名も無い小型のシンビジューム)の花が咲くころ

に、日本ミツバチが訪れているのを知っていた。

2013年3月に日本ミツバチの巣箱を2組作り、自宅前の森とベランダに待ち箱を設置した。

その頃、キンリョウヘン(中国原産の蘭)の花に、日本ミツバチの群れを引き寄せる匂い(フ

ェロモン)があり、日本ミツバチの分蜂群を捕獲する時に利用されることを知り、大型園芸

店(国華園)でキンリョウヘンの苗を入手した。2013年は日本ミツバチが、待ち箱に入居

することは無かった。

2014年4月、日本ミツバチの蜜蝋(巣を構成する蝋)にも群れを引き寄せる力があること

を知り、祖父より譲っていただいた。早速、蜜蝋を自宅ベランダの待ち箱に塗った。2年目

のキンリョウヘンは期待していた花は咲かず、この年も日本ミツバチの入居は諦めていた。

突然、運命の日はやってきた。4月24日 11時 30分、家内より「ベランダが蜂でいっぱい」

と携帯に電話あった。ついに分蜂群を捕獲し日本ミツバチのオーナーになった。ところが、

捕獲した群は、女王蜂が雄蜂との交尾飛行中にツバメに食べられたのか、女王蜂のいな

い無王群になってしまい、徐々に勢いを失い、約3カ月で自然消滅した。

2015年、今年は過去2年間の経験を基に、綿密に日本ミツバチの捕獲計画を立てた。

捕獲計画に基づき、新たに待ち箱を5組製作した。日本ミツバチの分蜂時期は、和歌山県

橋本市では桜開花(3/27)より 20日(4/16)~50日(5/16)が分蜂のピークである。

第一蜂場 (A群)

キンリョウヘンの開花時期を日本ミツバチの分蜂時期に合わせるために、暖かい屋内に移

動(1/24)した。開花したキンリョウヘンをベランダの待ち箱の横に設置し入居を待った。

4月19日(日)、ベランダで鉢植えの土の植え替えをしていると、一瞬、空が蜂で真っ暗に

なり、日本ミツバチがキンリョウヘンに群がった。(下の写真)

大量の日本ミツバチが一気に押し寄せて、徐々に巣箱に移動し、約20分で巣箱に入って

しまった。キンリョウヘンの威力、恐るべし。

日本ミツバチをベランダで飼育すると、近所迷惑になるので、捕獲した当日の夜、巣箱を自

宅前の森の中の第一蜂場に移動した。

4月29日(水)、第一蜂場の巣箱(左上)。蜂のしぐさを観ていると癒される。働き蜂は蜂蜜

以外に、時々黄色や赤色の花粉を運ぶ蜂がいる。入居10日後の巣箱内検(右上)

5月9日(土)、巣箱の底板の梅雨及び、

夏バージョンを作成(左の写真)

箱内部の湿気と温度上昇防止の為、底

板に換気用の穴を開けている。

5月17日(日)、

入居28日後の巣箱内検(左の写真)

日本ミツバチの働き蜂は産卵後 19日間

で羽化するので、蜂の数が増えてきて

いる。

蜂の数の爆発的な増加に備え、2段の継箱を行い、梅雨の湿気と夏の暑さに備え、底板を

梅雨及び、夏バージョン(換気用穴あき)に交換した。(下の写真)

5月24日(日)、入居35日後の巣箱内検

(左の写真)

蜂の数は増加し、巣は上から2本目の巣板

落下防止棒を飲み込んでいる。

秋の採蜜に希望が持てる。

第二蜂場(B群)

2014年3月28日(土)、日本ミツバチの待

ち箱を自宅近所の城野氏(会社の後輩)の

畑に置かせて貰った。(右の写真)

4月19日の自宅ベランダの待ち箱への入

居の教訓を基に、4月23日(木)の夜、待ち

箱の巣門の入り口を大きくし、入り口に蜜蝋

を塗り、キンリョウヘンの切り花を置いた。

(貴重なキンリョウヘンの鉢をそのまま置くと

盗難の恐れがある)

なんと翌日(4/24)、日本ミツバチが入居した。

キンリョウヘンの威力を皮膚感覚で知った。

4月25日(土)、入居1日後の巣箱内検

(右)まだ、巣は出来ていない。

4月27日(月)夜、入居した巣箱を約 5キロ

離れた松本氏(友人)の果樹園(第二蜂場)

に移動(左下)。

5月17日(日)、蜂の数の爆発的な増加に

備え、2段の継箱を行い、梅雨の湿気と夏

の暑さに備え、底板を梅雨及び、夏バージョ

ン(換気用穴あき)に交換した。

入居23日後(5月17日)の巣箱内検(右)。

白い巣板が見えるが、蜂の数の増加が感

じられない。女王蜂のいない無王群で

は?と心配している。

5月24日(日)、入居31日後の巣箱内検(下の写真)。

蜂の数は減少している。無王群の可能性大である。女王蜂が居ないと働き蜂が増えない。

2014年の例と同じように、徐々に勢いを失い、自然消滅するのだろうか。

第二蜂場(C群)

4月19日の分蜂群を捕獲した後、2匹目のドジョウを狙って、自宅ベランダに待ち箱とキン

リョウヘンを置いていた。5月4日(月)に帰省先(ゴールデンウィーク)から帰ってみると、ベ

ランダの待ち箱に入居していた。

4月29日・30日と2日間、偵察蜂が来て、待ち箱の品定めをしていたので期待をしていた。

これで今年は3群(自宅ベランダでは2群目)の捕獲となる。

5月4日の巣箱内検の様子(右上の写真)から入居日は5月1日(金)と推定する。

5月4日の夜、蜂が全て巣箱に入ったことを確認して、巣門を塞ぎ、第二蜂場(友人の果樹

園)に移動した。

翌日、蜂が第二蜂場を気に入ってくれたか、逃亡していないか確認に行った。

巣門から、多数の蜂が出入りしていた。

第二蜂場を気に入ってくれたようである。

5月17日(日)

1段の継箱を行い、梅雨の湿気と夏の暑さに備え、

底板を梅雨及び、夏バージョン(換気用穴あき)に交換した。

我が家のゴロウ(犬)はミツバチが嫌いで、巣箱に近づこうとしない。(左上)

入居16日後(5月17日)の巣箱内検(左下)。順調に巣板が増えている。

第一蜂場(D群)

5月1日、自宅ベランダで2群目の分蜂群を捕獲した後、3匹目のドジョウを狙って、待ち箱

と、名も無い蘭(下の写真:日本ミツバチが訪花することや、花の形からデボニアムの改良

種と思われる)を設置していた。

5月20日夕方、ベランダの待ち箱に、偵察蜂が20匹程度来て騒いでいた。

5月21日、会社から帰り、デジカメで待ち箱

内を撮影すると、入居していた。(右の写真)

なんと、今年は4群(自宅ベランダで3群目)

の捕獲となった。

捕獲した21日の夜、巣箱を自宅前の森の

中の第一蜂場に移動した。(右下の写真)

ベランダと第一蜂場が近い(50m)ため、迷

い蜂が50匹程度ベランダに帰って来た。

日本ミツバチの帰巣本能は、すごい。

5月24日の夜、ベランダの迷い蜂が巣箱に

入ったのを見届けて、第一蜂場の女王蜂の

隣に移動した。 仲良く再会して欲しい。

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