atlas実験における ftk飛跡を使ったトリガーシス...
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ATLAS実験における FTK飛跡を使ったトリガーシステムの改善
仲松弥,飯澤知弥, 木村直樹A,桜井雄基,三谷貴志,寄田浩平 早大理工,AUTHA,他ATLAS-FTKグループ
!日本物理学会 2014年秋季大会@佐賀大学 本庄キャンパス
2014年9月18日(木) 講演番号:18pSH-3
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導入 2
• Run2からFTKにより、HLT開始時に全領域の飛跡情報が使える (pt >1GeVの再構成率は90%、分解能はofflineに近い) →FTK飛跡を使ってHLTを高輝度実験に対応できるよう改善する!
q/pt
η φ
d0 z0
FTK飛跡分解能 (ATLAS-TDR-021 p23より)
ー FTK ー offline
導入 3
一次衝突点
×
レプトン タウ bジェット
1.FTK飛跡による一次衝突点の再構成 2.τトリガーへの衝突点情報の利用
改善できる例
etc..1,3本の飛跡 二次崩壊点アイソレーション全領域の飛跡を利用
FTKによる改善の可能性は多岐に渡るが、本講演では以上の2点について発表する。
• Run2からFTKにより、HLT開始時に全領域の飛跡情報が使える (pt >1GeVの再構成率は90%、分解能はofflineに近い) →FTK飛跡を使ってHLTを高輝度実験に対応できるよう改善する!
1.FTK飛跡を用いた一次衝突点の再構成
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一次衝突点の再構成 5
hard scatterpile uppile up
××
必要な性能時間 HLT最初期に可能(<1ms)分解能 隣接する衝突点との分離が可能(~100mm/~100個 : <1mm)個数 再構成された衝突点の数からofflineの衝突点数を予測可能
FTKにより全領域の飛跡が得られる→HLT初期に一次衝突点の再構成が可能
Run2からpile up増加(~80) → hard scatterとの区別が難しい
hard scatterの飛跡をpile upから分離可 -> 各object判別に有効 反応の数が得られる -> pile up依存の緩和に有効
~100mm
再構成の方法 6
FTK飛跡にFast Vertex Fitterを適用
MCサンプル(H->ττ, di-jet, ttbar)で再構成時間<1ms →HLT初期に時間を圧迫せず再構成可能 ※日本物理学会2014年春期大会で山崎が報告(29pTH-3)
1. 最もptの高い飛跡からz軸で0.35mmの範囲内の飛跡でクラスタを作る 2. クラスタ内の飛跡にカルマンフィルタを適用し、衝突点の位置をフィット 3. 残った飛跡で1~2を繰り返す
クラスターサイズ : 0.35mm (飛跡のz分解能と同程度)
z分解能
ー FTK ー offline
Cluster Size 7
1つのvertexに対しFTK vertexが再構成されない場合や、 複数個再構成される場合があった →cluster sizeを大きくすることによって対応関係が改善
ttbarサンプルの1イベントでの飛跡、衝突点のz分布
ー FTK tracks ● FTK vertex(cluster size 1mm) ○ FTK vertex(cluster size 0.35mm) ○ Offline Vertex ● MC Hard Scatter Vertex
Cluster Size 8
1つのvertexに対しFTK vertexが再構成されない場合や、 複数個再構成される場合があった →cluster sizeを大きくすることによって対応関係が改善
ttbarサンプルの1イベントでの飛跡、衝突点のz分布
ー FTK tracks ● FTK vertex(cluster size 1mm) ○ FTK vertex(cluster size 0.35mm) ○ Offline Vertex ● MC Hard Scatter Vertex
MCとFTK vertexが 1対1になる割合は 1mmで最大
Hard Scatter Vertex 9
サンプル 再構成率(%) z分解能(mm)
H->ττ(<μ>=69) 97 0.168
di-jet(<μ>=60) 98 0.138
ttbar(<μ>=69) 95 0.122
Hard Scatter Vertexは 95%以上再構成でき、z分解能も要請を満たす(<0.2mm)
再構成率 : MCから1mm以内にFTK vertexがある割合 分解能 : MCからz軸上で最も近いFTK vertexまでの距離
H->ττのz分解能
衝突点の個数 10
FTK vertexとFTK trackの数 ・線形性がある ・異なるサンプルでも同じような分布 →FVFはサンプルによらず FTK trackの数を直接反映する
FTK vertexとoffline vertexの数 ・一致はしないが線形性はある ・サンプルによる関係性の違いも小さい →FTK vertexの数から offline vertexの数を予測できる
2.τトリガーへの衝突点情報の利用
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hadronic tau 12
τについて • 65%の確率でハドロン崩壊 • 狭い領域で奇数個の荷電粒子に崩壊 • ヒッグス測定やBSM探索等、幅広く必要 • 多量のjetとの分離が必要
tau jetRun2に向けたτ HLTの改善 1.FTK情報によるPreselection →HLT初期にレートを落とせる 2.多変量解析を用いた選別 ・カロリメータと飛跡の情報を利用 ・HLTでは衝突点の情報も得られる
レート
時間
1. FTK Preselection2.多変量解析
<目的>衝突点情報を用いた分離能力の向上とパイルアップ依存の緩和
多変量解析 13
信号事象背景事象training
BDT
実データ
信号事象背景事象
分離
1. 複数の変数から分岐木を作成 分岐後のスコア:信号が大、背景事象が小 2. 何度も分岐木を”training” 3. スコア分布からカット値を決定 4. 実データに分岐木を適用する →変数の相関も考慮した選別
τ HLTでの条件 信号 : MC Z->ττ(<μ>=60) 背景事象: MC di-jet(<μ>=60) 事象選択: L1のτトリガーを通過 変数 : HLTの変数(次ページ)
BDT(Boosted Decision Tree)を使用
BDT input variables 14
変数名 vertex 依存性
カロリメⅠタ
centFrac ○PSSFraction ○nStrip ○EMRadius ○HadEnergy △stripWifth ◎
numEffTopoClusters ◎ effTopoInvMass ◎effTopoMeanDeltaR ◎EMFractionAtEMScale △
lead2ClusterEOverAllCluster ◎lead3ClusterEOverAllClusterE ◎
トラッキング
EtOverLeadTrackPt △trkAvgDist ○ipSigLeadTrk ○nWideTrk △
ChPiEMEOverCaloEME ○EMPOverTrkSysP ○
dRMax △trFlightPathSig ○massTrkSys △
サンプルをoffline vertexの数で分け、変数の分布を見た
・分布が大きく変わる変数がある →BDTの入力変数に衝突点依存がある
ー 衝突点が少ない ー 衝突点が多い
衝突点情報の利用信号のサンプルをoffline vertexの数から、小・中・大の3つに分割 1)衝突点情報がない場合(全サンプルでtrainingしたBDTを適用) 2)衝突点情報がある場合(小・中・大でtrainingしたBDTを適用) signal efficiencyが90%になる点でのbackground efficiencyを比較した
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・1)から、background efficiencyに衝突点の数依存がある ・2)から、衝突点の数で適用するBDTを変えるとrateが下がった 3prongではvertex依存が小さくなっている
~31 32~36 37~
BDT sample小 中 大
小 中 大
全サンプル1)
2)
小 中 大 小 中 大
●1)● 2)
まとめと展望一次衝突点:Fast Vertex Fitterで再構成 • HLT初期に可能(<1ms/event) • Hard Scatterは隣接する衝突点と区別可能(z分解能<0.2mm) • offline vertexの個数との間に線形性がある
tau HLT:BDTに衝突点情報を利用 • 変数やBDTによる分離能力は衝突点の数に依存する • 衝突点の数で適用するBDTを変えるとrateが下がる !
今後の課題 • 衝突点の個数の関係におけるサンプル依存の調査 • BDTの衝突点の数依存の解消
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Back Up
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プロセス時間• 研究室PC Intel (R) Xeon(R) E3-1270 V2 @ 3.50GHz memory : 7.6GB • HLT PC 2.5GHz memory:2.0GB
http://cds.cern.ch/record/1176574/files/ATL-DAQ-PROC-2009-011.pdf, ”The ATLAS online High Level Trigger frame work
• 合計時間 = trackをsort(event) + (clustering + fit)(vertex)
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MC pile up
IBL eventsVBF H->ττ(lep-had) MC12 69 × 18849
ttbar MC12 69 × 500di-jet MC12 60 ○ 20000
再構成率と分解能 19
サンプル 再構成率(%) z分解能(offline) (μm)
x分解能(offline) (μm)
H->ττ(<μ>=69) 97 168(117) 39(11)
di-jet(<μ>=60) 98 138(77) 34(9)
ttbar(<μ>=69) 95 122(49) 32(9)
Fast Vertex Fitter• trackのerrorはL2のtrackのerrorを現在使用 • highest ptのtrackを探す • trackからzの範囲内のtrackをclusterとする • z0平均がseedのz(z0のerror^4で重み付け) • trackが4本未満のとき、seedは破棄 • cluster内でKalman Filterで位置を決定 • vertexのtrack2本以上、位置error<1mmを要求
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Kalman Filter• cluster内のtrackを用いてvertexの位置、その誤差(共分散行列)をiterateする
• 初期値として、位置はseedの位置、誤差はx,y=100 z=9
• trackごとに以下の操作を行う • trackのパラメータをvertexの位置、誤差から予想し、実際の値と比べる
• そのときのchi2が最小(15以下)になるような位置、誤差を適用し、次の値にする
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Athena• Fast Vertex Fitterは、ATLASのソフトウェアチェーンAthenaのL2_StarFというアルゴリズムに沿って行っている。
• Athenaとの一致がttbar eventを用いてevent by eventにとれている
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衝突点間の距離 23
0.35mm 1mm
衝突点、飛跡の数 24
offline track pt 25
tau HLT 26
2014/3/27 JPS 27pSD-12 三谷貴志氏のスライドより ・FTK preselectionで、~msでレート1/5 ・BDT selectionで、~sでレート1/5
selection 27
L1_TAU8を通ったeventのoffline tauにeta cutをかけ、 truth , Level1 , EFのobjectにmatchingするものを選んだ
衝突点の数分布 28
小 ~31 中 32~36 大 37~
ーsignal ーbackground
1prong 3prong
変数の意味 29
衝突点情報の効果の違い• 「全」と「中」の違い • 1prongではほぼ同じ、3prongではやや異なる
• 「全」と「大」の違い • 1prongよりも3prongのほうが違いが大きい
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1prong 3prong
サンプル ー全 ー中 ー大
変数の分布(1-prong)赤:衝突点が少ない 青:衝突点が多い
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変数の分布(3-prong)赤:衝突点が少ない 青:衝突点が多い
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