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学 習 目 標 この章では、プロジェクト計画の目的と役割について学習します。 ・プロジェクト計画の目的を説明できる。 第1章 プロジェクト計画の必要性

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Page 1: 第1章 プロジェクト計画の必要性 · 学 習 目 標 この章では、プロジェクト計画のプロセス群の内容理解およびプロジェクト計画 書の作成方法について学習し

学 習 目 標 この章では、プロジェクト計画の目的と役割について学習します。 ・プロジェクト計画の目的を説明できる。

第1章 プロジェクト計画の必要性

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プロジェクトを目的のゴールに向けて推進するために、プロジェクト計画が必要です。承認されたプロジェクトのシナリオであるプロジェクト計画書により、問題の発生防止と早期発見を図り、プロジェクトの目的達成を確

実にします。

<プロジェクト推進で発生する問題(例)>

○開発スケジュールの問題

担当作業を開始しようとしたが、関連する作業が終了していないので作業できない。

○作業分担の問題

開発の途中で担当者不明の作業が発覚し、その作業の対応でスケジュールが見直しとなった。

○開発規模の問題

1名で3日程度の作業規模と思って作業を進めたが、3日経っても終わらなかった。

計画は以下の内容を中心に行います。

【計画内容】

○システムを“何を目的に”構築するのか?(目的、目標、ゴール)

○そのためには“どのような条件”があるのか?(前提条件、制約条件)

○そのためには“何を”実現すればよいのか?(スコープ:作業範囲、成果物)

○それは“いつまでに、どのくらいの費用・品質で”実現すればよいのか?(スケジュール:納期、コスト、品質のベースライン)

○それは“誰が”実施するのか?(体制)

○実施は“どのような作業手順”で行うのか?(プロダクトとマネジメントのプロセス)

○実施に当たって“使用可能な資源”はどうなっているのか?(リソース)

○どのようなリスクがあるのか?(リスク対応)

計画した内容は、ステークホルダー(プロジェクトの関係者)で共有・合意し、プロジェクトのゴールに向けた

拠り所とします。

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プロジェクト計画書に基づき、プロジェクトの開始から終了までをマネジメントします。情報システム構築活動

の設計、製造、テストのプロダクト(成果物)作成の各フェーズについてマネジメント・プロセス(計画、実行、監視・コントロール、終結)の観点で行います。

プロジェクトを推進すると、その活動結果が生み出されます。その結果がプロジェクトの目標の達成からかい

離していると最終的にプロジェクトの目的を達成することが困難になってきます。これを避けるために、プロジェ

クト成功のシナリオであるプロジェクト計画書によるマネジメントが重要になります。加えて、ステークホルダーによりプロジェクトに期待するものが異なります。したがって利害対立した場合、プロジェクトの開始前に共有・合意

し、ドキュメント化したプロジェクト計画書が、マネジメントに有効になります。

プロジェクト計画書は、プロジェクトの開始前に作成してステークホルダーで共有します。プロジェクトの開始前、内容に未確定の部分や十分詳細化できない部分がありますが、この部分は、プロジェクトが推進され、明確になった時点で追加、変更します。完全でなくても、できるだけ早期に作成してステークホルダーのベクトルを合わせることが重要です。

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学 習 目 標 この章では、プロジェクト計画のプロセス群とプロジェクト計画の策定手順 について学習します。 ・プロジェクトマネジメント・プロセスを説明できる。 ・プロジェクト計画の策定手順を説明できる。

第2章 プロジェクト計画の策定手順

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プロジェクトの計画は、プロジェクト企画書(ユーザー要件)を受けて、その目的を実現するためにいくつかの管理要素の計画を実施します。その際、各管理要素間のバランスを取って、プロジェクトにとって最適な計画(全体最適)になるように調整しながらプロジェクトの計画を作成していきます。

また、テンプレートや過去の類似事例など「組織のプロセス資産」を活用し、精度の高い計画書を効率的に作成します。

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学 習 目 標 この章では、プロジェクト計画のプロセス群の内容理解およびプロジェクト計画

書の作成方法について学習します。

・プロジェクト計画のプロセス群の内容と方法を説明できる。 ・プロジェクト計画書の作成方法を説明できる。

第3章 プロジェクト計画の策定

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情報システム構築には、必ず移行作業が発生します。通常の開発作業と同じように、移行に対する緻密な計画を立案します。

以下のことを考慮して計画を立案します。

・システムの移行失敗による影響の大きさ

・利用部門の移行能力

・移行段階おける新・旧両業務の並行処理体制、要員の確保

・移行に伴う指導者(インストラクター)の確保と養成

・開発側の移行支援能力

・コンバージョンについては、パイロット検証で生産性の見通しを考慮しておく

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2. 演 習 課 題

プロジェクトマネージャのW氏(あなた)は、システム開発のプロジェクト計画

を策定して、山田課長に承認してもらうことにしました。

プロジェクトマネージャのあなたは、各計画の未検討部分を検討し、担当する

プロジェクトが問題なく推進できるプロジェクト計画を策定してください。

設問1 未検討の各計画を検討し、ワークシートを作成してください。

【検討する各計画】(1) スケジュール計画(2) コスト計画(3) 人的資源計画(4) 調達計画(5) 人的資源計画(調達計画後)(6) コスト計画(調達計画後)

(7) リスク管理計画

設問2 各計画内容の整合性を検討し、プロジェクト計画書を完成してください。

【作成する内容】(1) マスタスケジュール(2) プロジェクト予算(開発費)