第2933号 第3種郵便物認 国内修学旅行の実態とまとめ第2933号...

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国内修学旅行の実態とまとめ 学校や受け入れ地域に役立つデータ 14第2933号 第3種郵便物認2018年(平成30年)4月7日(土曜日) 調 調 西 調

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Page 1: 第2933号 第3種郵便物認 国内修学旅行の実態とまとめ第2933号 第3種郵便物認可 2018年(平成30年)4月7日(土曜日) (14) 日 本 修 学 旅

国内修学旅行の実態とまとめ 日本修学旅行協会「教育旅行年報 

データブック」から

重点を置いた活動

「歴史学習」や「平和学習」

学校や受け入れ地域に役立つデータ

重点を置いた活動

旅行先

見学先、行動形態

(14)第2933号 第3種郵便物認可 2018年(平成30年)4月7日(土曜日)

 日本修学旅行協会(竹内秀一理事長)は、

中学校、高等学校が実施する修学旅行の実

態をまとめた「教育旅行年報 データブッ

ク2017」を昨年月に発行した。ここ

では同書の調査データ「国内修学旅行の実

態とまとめ(高等学校)」から「旅行内容」

の項目を抜粋して紹介する。

 「教育旅行年報 データブック」は、中学校、高等学校の国

内修学旅行のほか、海外教育旅行、訪日教育旅行の実態調査、

修学旅行の歴史などを掲載する。学校・教育旅行関係者や受け

入れ地域の関係者に活用してもらうため、毎年、発行している。

 2017年版は、年度分データを分析した「国内修学旅行

の実態とまとめ(中学校)」「同(高等学校)」「海外・訪日

教育旅行の実態とまとめ」を掲載。今回はさらに「修学旅行の

歴史」や同協会が開催した「教育旅行(修学旅行)シンポジウ

ム」一覧も付けている。

 A4判㌻。定価は千円(税込み、送料別)。

 問い合わせ、申し込みは日本修学旅行協会☎03(5640)

8061まで。

 修学旅行で重点を置い

た学習や体験を分類した

分類別件数比率=グラフ

1=を見ると、「歴史学

習」が683件(・3

%)で最も多く、次いで

「平和学習」が399件

(・4%)、「スポー

ツ体験」が302件(

・7%)で、この3分類

内容で全体の・4%を

占めている。

 重点を置いた学習や体

験の具体的な活動内容を

三つまであげてもらった

ものが表1である。これ

によると、1位「遺跡、

史跡、文化財、寺社など

の見学」、2位「平和学

習」が毎回圧倒的に多く、

「伝統的町並みや建造物

群保存地区の見学」「ス

キー(スノーボード)」

「自然・野外活動体験」

「マリンスポーツ」が上

位にきているが、活動内

容は多岐にわたってお

り、各学校が実態に応じ

てさまざまに重点を置い

た活動を実施しているこ

とがうかがわれる。

 かつて重点を置いた活

動であった「博物館など

の見学」や「美術館など

の見学」(2010年度

はともに2位)は、ここ

数年で大きく順位が下が

っており、それに対して

「いなか暮らし体験」

「産業遺産の見学」や

「ラフティング・カヌー

体験」などが上位に上が

ってきている。「職場訪

問、職場体験」「学校見

学(大学、専門学校など)」

など進路やキャリア教育

に重点を置く学校も多く

ある。前回から「防災・

震災学習」を項目にあげ

たが、今回位、件で

あった。

 また、国内修学旅行の

行き先に沖縄、北海道が

多いことから「スキー」

「自然・野外活動体験」

「マリンスポーツ」「伝

統文化、伝統芸能、祭体

験」など、訪問地域の特

性を生かした体験学習に

重点を置く学校も多い。

 カウント方法は、滞在

時間に関係なく、例えば

滞在が半日であっても、

2日であっても、初日と

3日目であっても、行っ

た旅行先を「1」として

いる。

 都道府県別旅行先上位

=表2=を見ると、ト

ップは前回に引き続き沖

縄県で、2位東京都、3

位京都府、そして大阪府、

千葉県の順である。7位

までの順位は3年間変わ

りがない。沖縄県は平和

学習やマリンスポーツ体

験など、東京

都は首都の観

光・学習、京

都府、奈良県

は寺社などの

歴史学習、大

阪府、千葉県

は人気のテー

マパーク、北海道は自然

体験の豊富な素材などが

大きな要因であろうか。

 東北各県を見てみる

と、宮城県が9件で位

に入っており、その他は

岩手県5件、福島県4件、

青森県、山形県各1件、

計件で、前回(件)

より増加している。出発

地は九州と近畿からが各

7件、関東から3件など

である。今後も震災学習

を含め東北への修学旅行

が積極的に検討、実施さ

れることを期待したい。

 各地方の学校がどの地

方へ修学旅行に行ってい

るかを表したものが表3

である。地方別に多い行

き先を見ると、北海道か

らは6割が近畿へ、東北

からは8・5割が近畿へ、

関東からは沖縄と近畿

へ、中部からは九州と沖

縄へ、近畿からは北海道

と沖縄へ、中国、四国、

九州、沖縄からは6~7

割が関東へ行っている。

中部は中学校の修学旅行

が大部分関西と関東であ

るため、高校では九州、

沖縄が多いと考えられ

る。

 表4、表5の見学先に

ついては、同じエリア内

にある見学地は一つにま

とめて記載している。

(例=同じ公園内にある

施設など)

 見学先は「沖縄平和祈

念公園、平和祈念資料館」

が前回に引き続き1位

で、位までは前回とあ

まり変わりはない。旅行

先都道府県1位の沖縄県

の見学地が上位位まで

に6カ所含まれ、前回と

同様に人気の高さがうか

がわれる。「法隆寺、薬

師寺」が徐々

に順位を下げ

てきているの

は地理的条件

も関係してい

るのであろう

か。また、今

回の調査でも

前回までと同様に平和学

習に関連する施設、テー

マパーク、神社仏閣、さ

らに班別自主行動や体験

学習が可能な個所、施設

などが上位ランクに入っ

てきている。