第2章 草草津津市の現状状分析と将来見通し 現 - …...第2章...
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草津市立地適正化計画
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第第22章章 草草津津市市のの現現状状分分析析とと将将来来見見通通しし
2-1 調査の視点
草津市の現状を把握するため、人口の推移や交通網の現状、都市機能の立地状況等を整理し
ます。併せて、2040 年の本市の姿を展望し、人口の将来見通しとその影響を考察します。
人口や交通、都市機能等の現状分析および将来見通しから関係施策と一体となって対応すべ
き都市構造上の課題を抽出し、これらの調査結果を基礎資料として、目指す将来像(まちづく
りの方針)を本計画におけるまちづくりの基本的な方針として取りまとめ、その実現のための
施策等について検討します。
■調査の視点 整理図(体系図)
都市の現状
【人口の推移】
・年齢階層別人口、DID 地区
2018 年 2040 年
将来の都市の姿
【将来人口の予測】
・人口密度、高齢化率
都市構造上の課題抽出・分析
・徒歩圏人口の将来見通し
草津市が抱える課題
・都市の骨格構造についての基本的な考え方
・実現のための施策等の検討 (都市機能の維持・増進、居住の促進等)
【土地利用の動向】
・土地利用、開発許可、空き家
【土地利用に関する見通し】
・土地利用、開発許可、空き家
【交通環境の動向】
・公共交通の分担率、カバー圏域
【日常生活サービス施設の動向】
・徒歩圏人口密度
【その他の調査】
・財政の状況、市民意識
【交通環境の方向性】
・交通課題と改善の対応方策
【日常生活サービス施設の見通し】
・サービス施設の持続可能性
目指す将来像(まちづくりの方針)
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2-2 人口の状況と将来見通し
(1) 将来人口の推移
1)総人口および高齢化率
本計画では、国の都市計画運用指針に則して、人口等の将来の見直しは、社人研が公表して
いる将来人口推計の値を用います。社人研では、2010 年(平成22年)の総人口 13.1 万人
に対し、2040年では、14.5 万人と予測しています。2030年から 2040年頃を本市の総
人口のピークとし、その後、2060 年には 13.7万人になるなど、緩やかな人口減少となると
予測されており、草津市人口ビジョンと同様の傾向を示しています。
本市における高齢化については、2010年(平成22年)の高齢者人口 21,766 人・高齢
化率 16.6%に対し、2040 年では、高齢者人口約 4.1 万人・高齢化率 28.2%となっていま
す。さらに、2060年では、高齢者人口約 4.6万人・高齢化率 33.8%となっています。
※2040年以降は独自推計
出典:「国立社会保障・人口問題研究所」(2013年【平成 25年】公表)
「草津市人口ビジョン」
■これまでの人口の推移と社人研による将来予測
将来人口
・2010 年 約 13.1 万人 ⇒ 2030 年~2040 年 約 14.5 万人
⇒ 2060 年 約 13.7 万人(2040 年以降は独自推計)
高齢化率(65歳以上)
・2010 年 約 16.6% ⇒ 2040 年 約 28.2%(約 11.6%上昇)
⇒ 2060 年 約 33.8%(約 17.2%上昇)(2040 年以降は独自推計)
14.0
13.1
14.5 14.5
13.7
12.0
12.5
13.0
13.5
14.0
14.5
15.0
2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 2055 2060
(万人) 草津市 人口の将来推移
「草津市人口ビジョン」による推計
「社人研」による推計
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2)地域別将来人口および人口密度
本市は、社人研の予測値において、2010 年(平成22年)から概ね 30年間で総人口が
約 1.4 万人増加すると予測されています。
地域別に将来人口予測を行ったところ、増加すると予測される地域のうち、人口密度が高い
エリアに着目すると、主にJR草津駅周辺(大路一~三丁目、渋川一丁目、西渋川一丁目周辺、
若竹町、西大路町周辺等)、JR南草津駅周辺(南草津一・二・四丁目周辺、野路一・二丁目
周辺、西矢倉三丁目周辺等)、国道 1 号沿線(野路東五・六丁目周辺、東矢倉一・二・四丁
目周辺等)で、いずれも 100 人/ha を上回るとみられます。また、市街地の居住の目安と
されている 40 人/ha※は上回らないまでも、市南東部(山寺町・岡本町)などの一部の市街
化調整区域でも人口増加が予測されています。(※都市計画運用指針より)
一方、人口密度が、40人/ha を新たに下回ると予測されるエリアは、草津一丁目、駅西
部の西渋川二丁目、川原一・二丁目、野村四丁目などで、大津市との市境で南笠東二丁目、市
東部で名神高速道路付近の桜ヶ丘一~三丁目、若草二・四・五丁目などとなっています。
なお、市街化調整区域では、ほとんどの地域で 40 人/ha を下回ると予測されています。
■人口密度
2010年現況 2040 年将来
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■地域別人口増減図(2010年~2040 年)
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3)地域別の高齢化率
本市の高齢化率は、2010 年(平成22年)から概ね 30年間で 11.6%増加し、28.2%
程度になると予測されています。
65 歳以上の高齢者に関する高齢化率は 2010 年(平成22年)で 16.6%であり、地域別
に行った将来人口予測のうち、30%を上回っている地域は、市中心部の草津三丁目、市南部
の桜ヶ丘三丁目・五丁目、市街化調整区域の上笠一丁目となっており、その他の地域では高齢
化率は 30%未満となっています。
北部の市街化調整区域の高齢化率の上昇とともに、市街化区域内でも大路一丁目・二丁目な
ど一部を除くJR草津駅周辺をはじめ、桜ヶ丘、若草などの高度経済成長期あたりに整備され
た住宅団地等で高齢化が進展している様子が伺えます。
■高齢化率
2010年現況 2040 年将来
凡 例
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4) 地域別の高齢者数
本市の高齢者数は、2010 年(平成22年)から概ね 30年間で約 1.9 万人増加すると予
測されています。
高齢者数は、医療・高齢者福祉施設の立地において重要な指標です。2010 年(平成22
年)の高齢者数が多い地域は、市街化区域では、西大路町、木川町、市街化調整区域では、矢
橋町、青地町となっており、いずれも地域内に 500 人以上の高齢者が居住しています。特に
木川町、矢橋町では、高齢者数だけでなく、高齢化率も 20%を上回っています。
概ね 30年後の 2040年になると、JR草津駅周辺(大路一丁目・三丁目、西大路町等)、
JR南草津駅周辺(西矢倉三丁目、野路一丁目、東矢倉四丁目等)等を中心に、高齢者を多く
抱える地域が、数多くみられるようになっています。
さらに、2010 年(平成22年)から 2040年までの増減数でみると、矢橋町等では現在
より高齢者数が 1,000 人以上増加し、野路東二丁目・三丁目、東矢倉四丁目、大路一丁目等
では、高齢者数が 500人以上増加すると予測されています。
■高齢者人口分布
2010年現況 2040 年将来
凡 例
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■高齢者人口増減分布図(2010年~2040年)
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(2) 人口集中地区(DID 地区)の推移
本市の DID地区※は、JR草津駅周辺のエリアに限定されていましたが、1970 年(昭和4
5年)、1980年(昭和55年)と駅を中心に放射状に拡大し、1990 年(平成2年)には
JR草津駅北部へ拡大し、既に現在のDID 地区に達しています。2000 年(平成12年)に
はJR南草津駅南部にDID 地区が拡大し、現在ではJR南草津駅北部や東海道新幹線付近に至
るまで拡大しています。
1965 年(昭和40年)の本市の総人口は 4万人程度で、その内、約 1/4(9,136 人)が
DID 地区内に居住し、その人口密度は 83人/ha程度となりました。その後、人口増加に伴
い DID地区が広がりはじめ、一時的にDID 地区の人口密度は低下するものの、1995年(平
成7年)まで約 60 人/ha 程度で推移していました。1995年(平成7年)以降のDID 地区
の人口密度は、現在に至るまで上昇しています。
2015 年(平成 27 年)国勢調査の結果、市の総人口は 137,247 人となり、DID 地区の
人口密度は 73.9人/haであり都市内人口密度としては高密度を保っています。
※ DID(人口集中)地区
人口密度が 1 平方キロメートル当たり 4,000 人以上の基本単位区等が市区町村の境域
内で互いに隣接し、それらの隣接した地域の人口が国勢調査時に 5,000 人以上を有する地
域のこと。
■人口および人口集中地区の人口密度の推移
46,409
64,87377,012
87,54294,767
101,828
115,455121,159
130,874137,247
59.1 59.7 61.4
64.5 63.0 62.5 65.1
68.4 70.8
73.9
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
0
20,000
40,000
60,000
80,000
100,000
120,000
140,000
昭和45(1970)
昭和50(1975)
昭和55(1980)
昭和60(1985)
平成2(1990)
平成7(1995)
平成12(2000)
平成17(2005)
平成22(2010)
平成27(2015)
人口集中地区人口密度(人
/
h
a)
総人口(人)
人口及び人口集中地区の人口密度の推移
総人口 DID地区人口密度(人/ha)
出典:国勢調査(総務省)
(総務省)
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2-3 土地利用の動向
(1) 土地利用の推移
旧来はJR草津駅南側の中心市街地に限定的であった都市的土地利用が、農地等の減少を伴
いながら、JR草津駅周辺において大きく拡大しました。
また、1994 年(平成6年)のJR南草津駅開業と立命館大学開学により、JR南草津駅の
北部と、駅から立命館大学に至るエリアの都市的土地利用が拡大しました。一部の市街化の拡
大の流れは、本市から隣接する大津市、栗東市に至っています。
2009 年(平成21年)現在の都市的土地利用は、1976 年(昭和51年)と比較すると
面積が大きく拡大しているものの、DID 地区の人口密度は緩やかな増加程度となっていること
から、本市の土地利用は、人口増加に見合った市街地拡大がなされていると考えられます。し
かし、今後さらに都市的土地利用が増加すると、新たなインフラ等の公共投資が必要となると
ともに、公共施設等のストックに対する維持管理費の増大が懸念されます。
■土地利用の推移
1976 年 2009 年
出典:国土数値情報(国土交通省)
凡 例
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(2) 開発許可の動向
本市の市街化調整区域における開発許可面積は、それまで市全域の開発許可面積の数%であ
ったものが、1990年代に入ると過半数に迫るほど比率が伸びています。特に 2010年(平
成22年)以降(2015年(平成27年)まで)では、約 57%と過半数を超えています。こ
の背景としては、本市が都市計画法第 34条 11号に規定する、市街化区域と一体的な日常生
活圏を構成していると認められる地域であって概ね 50 戸以上の建築物が連坦している地域
のうち、条例※で指定する土地の区域内(住宅地 61.5ha、商業地 20.3ha)において要件を
満たした場合、市街化調整区域であっても、開発行為が認められることが要因となっています。
※草津市開発行為の手続および基準等に関する条例 2012 年(平成24年)3 月 30 日草津市
条例第 7 号
■10年毎の開発許可面積
件数(%) 面積(%) 件数(%) 面積(%)
1970~1979年 68.4 96.7 31.6 3.3
1980~1989年 62.4 94.1 37.6 5.9
1990~1999年 58.4 54.2 41.6 45.8
2000~2009年 35.1 54.0 64.9 46.0
2010年以上(~2015年) 26.0 43.0 74.0 57.0
合計 45.2 68.3 54.8 31.7
市街化区域 市街化調整区域開発許可年
出典:草津市資料