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第2章 ミャンマーの投資機会
第2章
ミャンマー投資ガイド
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第2章 ミャンマーの投資機会
2.1 農業分野 2.1.1 概要
ミャンマーの国土面積は676,577平方kmであり、その50%は熱帯気候向けの
各種作物のプランテーションに適している。
国内および外国の起業家により、次の農業関連分野における合弁事業や
全額出資事業への投資が行われている。
* 農業関連産業の設立
* 軽量農業機械、小型農機具の組立て・製造
* 農業投入物および関連支援製品の製造
2.1.2 農業関連産業の確立 ミャンマー政府の政策は、付加価値のある農産物の生産増大を目指し、
農業関連産業の開発促進を行うことである。
各種の農業関連産業(ジュート、砂糖、木綿、養蚕、農薬、ゴム、農業機械・
農機具、缶詰工場等)はそれぞれの関係省庁のもとで運営されており、関係省庁は、
プランテーションの設立や適切な農業関連産業の設立等について、民間投資家に
対する働きかけを行っている。
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潜在性のある農業関連産業には以下がある。 (a) プランテーション
多年生および季節性作物(ゴム、油やし、カシューナッツ等)および
園芸作物(マンゴー、バナナ、スイカ、パイナップル等)。
(b) 製糖所
農業灌漑省は、現在製糖所8ヵ所(最大破砕能力90,000 MT)を運営し、 砂糖年間数千トンを輸出している。1997-1998年以降は外国の起業家ら との合弁事業という形態で、8ヵ所の拠点に製糖所が新設された。
(c) 綿工業
木綿の綿繰り、切り離し、こん包工場の修復・近代化への投資が歓迎
される。さらに、綿糸製造や、綿実油産業、繭生産、絹生産・織物にも
多大なビジネス機会がある。
(d) ジュート産業
異なる拠点に、計13種類の農業灌漑省管轄下のジュート産業(ジュート 工場、等級付け・こん包工場、ジュート製絨毯製品工場等)がある。
ジュート関連製品(ジュート製バッグ、絨毯裏地、ジュート製絨毯、 綿絨毯、ポリプロピレン絨毯、ジュート糸、ジュート製工芸品等)が
輸出されている。ミャンマーに、ジュート関連産業を立ち上げることも
今後まだ可能である。
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(e) ゴム産業
地域拡大に伴い、ミャンマー国内におけるクラムラバー生産の改良および、
その他ゴム生産やゴムの木産業が必要となっている。適した土地として
商業目的の私有地を使用することも可能である。それらを目的とした
全額出資による投資ならびに官民との合弁事業は大いに歓迎される。
(f) その他の関連産業
国内需要および輸出を実現するための、農薬、種子加工、食用油の工場、
ならびに農業関連の食品加工、飼料工場への投資は大いに注目される。 (g) 軽量農業機械および小型農機具の組立て・製造
主作物の種蒔き面積や作付強度の増大により、農業機械への需要が
高まっている。農業機械、農機具の組立て・製造は、今後、可能性のある
分野である。 2.2 林業分野 高品質の木材としては約85種がある。木材関連産業の発展は、林業分野において
重要である。木材以外にも、ミャンマーの天然林には幅広い非木材の林産品がある。
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林産品は、主要品と主要品以外の2種類に分類される。
主要な林産品としては、チークや硬材(ピィンガドー( pyinkadoe )、
インドカリン(padauk)、インジン(ingyin)、イン(in)、カニャン(kanyin)、
テイヤー(thitya)、ティンガン(thingan)、タマラン(tamalan)、イェンマー
(yinmar)、メルパウ(taungtheyet)、ピンマ(pyinma)、デードゥ(dedu)、
レッパン(letpan)、ミャウチョー(myautchaw))などがある。
収入記録者が、ロイヤルティー評価のために測定を行い、生産を記録する。 主要品以外の林産品は、竹、炭、カモジグサ(cutch)、インドゥエ・ポエニャ
(indwe-pwenyet)、ラタン、アピトン樹脂、ハチミツ、蜜ろう、バット・グアノ、
食用のツバメの巣などがある。 チーク材家具や硬材家具の生産は、優れたデザインと高度な技術を要する、
最も有望な投資分野である。 2.3 鉱業分野 ミャンマーは、金、銅、鉛、亜鉛、銀、ニッケル、石炭、規格石材(花崗岩、
大理石、石灰石等)の埋蔵量が豊富である。外国企業が鉱物の採掘に参入できる
機会も豊富にある。 1989年、ミャンマーは外国投資を奨励し、外国企業によるミャンマー国内の
鉱業分野における試掘・採掘を奨励する政策を取り入れた。 鉱業省の政策および目的は、国内に豊富にあり、まだ充分に活用されていない
鉱物資源の採掘・開発を奨励することである。
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モン州のカヤイークトとイェーには、花崗岩の鉱脈が6ヵ所ある。タニンダーリ
管区のミェイとダウェイ周辺には、鉱脈が18ヵ所点在する。モン州の鉱石埋蔵量は
推定37億トンとみられている。タニンダーリ管区の鉱石埋蔵量は、合計570億トン
と推定される。
ミャンマーの石灰石は、主に岩石層に埋蔵されている。石灰石は産出に値する
高品質である。ミャンマー全体の装飾石および鉱石の推定埋蔵量は、約5億6,300万トンである。 ルビー、サファイア、色石の原石、翡翠等、宝石用原石が輸出されている。
翡翠硬玉は、グアテマラ、日本、ロシア、カリフォルニア等、世界中に埋蔵されて
いる中で、ミャンマー産は最高級の品質を誇る。フパカントの翡翠硬玉の埋蔵区は
世界最大の埋蔵量を誇る。
構造境界線
ミャンマーの構造単元
地質単元
鮮新世 - 完新世沖積世 中新世 - 鮮新世の砕屑物 始新世 - 漸新世の砕屑物 白亜紀の砕屑物 ジュラ紀から白亜紀にかけての赤色層 ジュラ紀の砂岩 三畳紀の石灰石と蒸発岩 二畳紀の砕屑物 上部古生界台地 石炭系砂岩・石灰石 古生界変成-砕屑物 シルル紀の頁岩 オルドビス紀の炭酸塩 カンブリア紀の岩砂・石灰石 前カンブリア紀の変成岩 中生代の変成岩 片岩・片麻岩 中生代の花崗質岩 古生代から中生代にかけての花崗質岩 中生代の斑レイ岩 白亜紀から始新世にかけての超苦鉄質 新生代の火山岩 不明
西カチン単元
モゴック鉱山帯
スコータイ造山帯
シャン・ テナセリム 大山塊
シャン境界断層
アラカン・チン・ オフィオライト帯
アラカン 海岸部
中央火山弧
アラカン・チン 造山帯
東第三系盆地
西第三系 盆地
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2.4 畜産・水産分野
畜産・水産分野は、ミャンマー経済の貢献度において第5位を占める分野である。
ミャンマーの漁業は、淡水漁業と海洋漁業に分類される。淡水漁業とは、
主に広大な河系と豪雨を通じて可能となる氾濫原漁業(flood fishery)である。 ミャンマーの海岸線は、全長2,832kmと長く、海岸線に沿って点在する沼地は
合計面積50万ヘクタールあり、クルマエビなどエビの養殖に適している。 大陸棚の面積は228,781平方km、ミャンマーの経済専管水域は486,000平方km
である。海洋漁業について行った調査・研究によると、ミャンマーの最大持続可能
生産量(MSY)は、年間約105万トンと推定されている。
ミャンマー
ヤンゴン
マンダレー
ミッチーナー
カムティ
カマイン
ミッチーナー
モガウン
ホーピン
Nanyaseik
Maingkwan
カンシイ モウシッシ
トーモー
フパカント ロンキン Maw-sisa
マカピン
ホーピン
ニャウンビン
Hwehka
タマカン
Haungpa
マモン Sate Mu
翡翠埋蔵区
ウル川
インドゥージー湖
Hwe
インド川 モガウン川
レド公路
鉄道(ヤンゴン-ミッチーナー)
マイル
キロメートル
未舗装道路 舗装道路
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2.5 輸送分野
ミャンマーの道路網は、約142,395kmである。道路の種類別の距離は、
以下の通りである。 ・ 国道 18,740km ・ 郡区間道路 19,045km ・ 主要都市その他の道路 26,427km ・ 村落および国境地帯の道路 78,183km
ミャンマー連邦共和国を走る多国間ハイウェイは、以下の通りである。
ミャンマーからつながる多国間ハイウェイ
タチレク
チャイントン
ミャワディ
メイッティーラ
マンダレー
ムセ タム
マインラ
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周辺国へつながる主要道路は、以下の通りである。
(1) アジアハイウェイ
ミャンマー国内における
アジアハイウェイ(AH)
・AH1 1,650km (ミャワディ - ヤンゴン - マンダレー - タム)
・AH2 807km (タチレック - メイッティーラ - タム)
・AH3 93km (モングラ – チャイントン)
・AH14 453km (ムセ - マンダレー)
合計 3,003km
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(2) ASEANハイウェイ
既存のハイウェイ 将来のハイウェイ
既存の鉄道 将来の鉄道
バンコク
プノンペン ホーチミン
クアラルンプール
シンガポール
ビエンチャン
ハノイ マンダレー
昆明
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(3) 大メコン圏(GMS)経済回廊
建設省は、BOT(Built-Operate-Transfer)システムでの民間企業および合弁事業
による、道路、内陸貨物基地、港湾、空港の建設等のインフラ開発への参加・促進
を奨励している。
大メコン圏経済回廊 6ヵ国、9回廊
1 南北回廊 昆明 - バンコク
2 東西回廊 モーラミャイン ―ダナン
3 南回廊 ダウェイ ― クイニョン/ブンタウ
4 北回廊 防城 ―タム
5 西回廊 タム ―モーラミャイン
6 中央回廊 昆明 ― シアヌークビル/サタヒップ
7 東回廊 昆明―ホーチミン
8 南岸回廊 バンコク―ナムカン
9 東回廊 南寧― バンコク/レムチャバン
大メコン圏経済回廊・深海港の計画
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2.6 水力発電分野 水力発電は、ミャンマーの豊富な水資源を利用した主要な発電源の一つである。 電力サブセクターについては、適切な電力プロジェクトのために、合弁事業や
BOTシステムでの外国直接投資(FDI)が可能である。また、ミャンマー国内の
投資家は、水力発電プロジェクトのための独立系発電事業者(IPP)スキームへ
の参加が認められている。 2.7 石油・天然ガス分野 ミャンマーの石油分野は、エネルギー省の管轄である。同省はエネルギー分野に
おける開発プログラムの調整、協議、交渉で指導的な役割を果たしている。 エネルギー省の管轄下にある石油ガス公社(MOGE)は、オンショアと
オフショアの両領域において、原油と天然ガスの採掘と産出を担当している。 エネルギー省は、MOGEと協力し、オンショアとオフショアの両領域において、
生産物分与ベースで原油と天然ガスの探査・採掘に参加する多国籍企業を
募集した。 オンショアエリアでは、合計47ブロックの境界線が定められている。内訳として、
生産物分与契約(PSC)が18ブロック、探査・採掘(EP)が5ブロック、停止油田
の再稼働(RSF)が10ブロック、改良型採取油田( IPR)が7ブロック、
MOGEブロックが7ブロックである。 一方、オフショアエリアでは、26ブロックの境界線が定められている。
具体的には、ラカイン・オフショアエリアが7ブロック、モアッタマ・オフショア
エリアが10ブロック、タニンダーリ・オフショアエリアが 9ブロックである。
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石油・天然ガスブロック
石油・天然ガスセクターにおけるその他、投資機会
・ 国内のオンショア、オフショアエリアにおける石油の探査・採掘
・ 限界油田の回復および、採掘減少油田と採掘停止油田の向上
・ 新工場の試運転:石油精製所、液化石油ガス、液化天然ガス、肥料工場
・ 浮体式貯蔵設備(FSU)、浮体式貯蔵およびオフテイク施設
・ 圧縮天然ガスの燃料補給所と必要な部品・セット
・ 研究開発
・ 石油製品の取引、マーケティング、小売り
・ 掘削装置、石油精製所、工場の改良・改修に不可欠な設備
ミャンマー ブロックマップ
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2.8 ホテル・観光分野
世界の驚異の一つ シュエダゴン・パゴダ
ホテル・観光分野は近年好況であり、ミャンマーの景観豊かな史跡に
世界中から旅行者が訪れている。
インレー湖
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ウーペイン橋(マンダレー)
ホテル産業は、三ツ星より上のレベルのホテル開発については外資100%の
投資が認可される。ただし、観光業は、合弁事業のみ参入が認められている。
古都 バガン
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新首都 ネーピードー 国会議事堂
マンダレー 旧王宮