家族内発生(兄 弟)の ミユラー管遺残症候群...tients have azoospermia. here in we...

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日泌 尿 誌, 94巻, 4号, 2003年: 525~528 525 家族 内発 生(兄 弟)の ミユラー管遺残症候群 新潟市民病院泌尿器科 新井 啓* 川上 芳明 大澤 哲雄 新潟県立新発田病院泌尿器科 新潟大学大学院腎泌尿器病態学分野 糸井 俊之 水澤 隆樹 筒井 寿基 谷川 俊貴 高橋 公太 PERSISTENT MULLERIAN DUCT SYNDROME IN BROTHERS Kei Arai, Yoshiaki Kawakami and Tetsuo Osawa Department of Urology, Niigata City General Hospital Akihiko Hatano Department of Urology, Shibata Hospital Toshiyuki Itoi, Takaki Mizusawa, Toshiki Tsutsui, Toshiki Tanikawa and Kota Takahashi Division of Urology, Department of Regenerative and Transplant Medicine, Course of Biological Function and Medical Control, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Niigata University Persistent Mullerian duct syndrome is associated with cryptorchidism and transverse testicular ectopia. Such gonads are at an increased risk of malignant transformation. Furthermore, most pa- tients have azoospermia. Here in we report about two brothers with persistent Mullerian duct syn- drome. The diagnosis was made during surgical operation for testicular cancer in younger brother. In the other one, persistent Mullerian duct syndrome was diagnosed during examination for infertil- ity. Key words: Mullerian duct syndrome, transverse testicular ectopia, testicular tumor 要 旨:症例 は, 28歳男性および30歳男性の兄弟. 弟 は左精 巣 の腫脹 を主 訴 に受診 し精巣 腫瘍 を疑 わ れ手 術 とな った.術 中,子宮 ・卵 管 の遺残 を認 め たため, 交 叉性精 巣転 移 を伴 う ミュ ラー管 遺残 症候 群 に精 巣腫瘍 を合 併 した もの と診 断 された. 兄 は不 妊症 を主訴 に受診 し精 巣 の生検 の際, 子宮 ・卵 管 の遺残 を 認 め,交 叉性精 巣転 移 を伴 う ミュ ラー管遺残 症候 群 と診 断 された. キ ーワ ー ド: ミュラー管 遺残 症候 群, 交叉性 異所 性精 巣, 精巣 腫瘍 *現新潟大学大学院腎泌尿器病態学分野

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Page 1: 家族内発生(兄 弟)の ミユラー管遺残症候群...tients have azoospermia. Here in we report about two brothers with persistent Mullerian duct syn-drome. The diagnosis was

日泌 尿 会誌, 94巻, 4号, 2003年: 525~528 525

家族 内発 生(兄 弟)の ミユラー管遺残症候群

新潟市民病院泌尿器科

新井 啓* 川上 芳明 大澤 哲雄

新潟県立新発田病院泌尿器科

波 田 野 彰 彦

新潟大学大学院腎泌尿器病態学分野

糸井 俊之 水澤 隆樹 筒井 寿基

谷川 俊貴 高橋 公太

PERSISTENT MULLERIAN DUCT SYNDROME IN BROTHERS

Kei Arai, Yoshiaki Kawakami and Tetsuo Osawa

Department of Urology, Niigata City General Hospital

Akihiko Hatano

Department of Urology, Shibata Hospital

Toshiyuki Itoi, Takaki Mizusawa, Toshiki Tsutsui,

Toshiki Tanikawa and Kota Takahashi

Division of Urology, Department of Regenerative and Transplant Medicine,

Course of Biological Function and Medical Control,

Graduate School of Medical and Dental Sciences, Niigata University

Persistent Mullerian duct syndrome is associated with cryptorchidism and transverse testicular

ectopia. Such gonads are at an increased risk of malignant transformation. Furthermore, most pa-

tients have azoospermia. Here in we report about two brothers with persistent Mullerian duct syn-

drome. The diagnosis was made during surgical operation for testicular cancer in younger brother.

In the other one, persistent Mullerian duct syndrome was diagnosed during examination for infertil-

ity.

Key words: Mullerian duct syndrome, transverse testicular ectopia, testicular tumor

要旨: 症例は, 28歳 男性および30歳 男性の兄弟. 弟は左精巣の腫脹を主訴に受診し精巣腫瘍を疑われ手

術となった. 術中, 子宮 ・卵管の遺残を認めたため, 交叉性精巣転移を伴うミュラー管遺残症候群に精

巣腫瘍を合併したものと診断された. 兄は不妊症を主訴に受診し精巣の生検の際, 子宮 ・卵管の遺残を

認め, 交叉性精巣転移を伴うミュラー管遺残症候群と診断された.

キーワード: ミュラー管遺残症候群, 交叉性異所性精巣, 精巣腫瘍

*現 新潟大学大学院腎泌尿器病態学分野

Page 2: 家族内発生(兄 弟)の ミユラー管遺残症候群...tients have azoospermia. Here in we report about two brothers with persistent Mullerian duct syn-drome. The diagnosis was

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緒 言

ミュ ラ ー 管 遺 残 症 候 群(persistent MUIIerian duct

syndrome;PMDS)は, 染色 体構 成 が46, XYで あ り外

性器 も完 全 な 男性 で あ るが, 卵 管 ・子 宮 ・膣 上 部 と

い った ミュ ラー管 由来 の内性 器が 遺残 す る男性仮 性半

陰 陽の一 型 と して知 られて お り, 現在 まで に世 界で約

I5O例1)2), 国内では約80例3)の報告がある家族内発

生 も報告 されてお り, 遺伝形 式 は常染 色体 劣性遺 伝 も

し くはX連 鎖 劣 性 遺 伝 と考 え ら れ て い る捌, 今 回

我 々 は, 兄弟 に発生 した ミュ ラー管遺 残症候 群 の2例

を経 験 した ので報告 す る.

症 例

症例1

患 者: 28歳, 男 性.

主 訴: 左 精 巣 の腫 脹.

既 往歴: 生 後8カ 月で両側 鼠径 ヘ ルニ アの手術(手

術 の詳細 は不 明).

現 病歴: 1999年10月 頃 よ り左 精巣 の腫 脹 を 自覚 し

てい たが 放 置 してい た. 200O年6月7日, 血精 液症 が

出現 し初 診 となった. 触診 にて左 精 巣腫瘍 を疑 わ れ精

査加 療 目的 にて, 6月12日 入 院 となっ た.

入 院時現症: 触 診 では左 陰嚢 内 に精巣 を上下 二つ に

触 れ, 下 に位 置す る精 巣 の腫 脹 を認 め, 精巣 腫瘍 を疑 っ

た. 右 陰嚢 内 には精索 は触 知せ ず, またその他 の 陰嚢

内容物 も触 知で きなか った. 陰茎 は正 常 であ った.

検査 成績: 末梢 血, 血液 生化 学;異 常 な し. 検尿 検

査;異 常 な し. 腫瘍 マ ーカー;AFP3. 6ng/m1, 1レHCG<

0. 2ng/ml.

手術: 6月13日 腰椎 麻 酔下 に手術 を行 った. 右 精索

を触 れず, 左 陰嚢内 に上下 二つ に精 巣 を触 れる とい う

特 異 な所 見 で あっ たため に, まず 陰嚢 内容 の確 認 を 目

的 に陰嚢正 中か ら切 開 を行 った. 内容物 を出 した とこ

ろ, 固有鞘 膜 の中 に二つ の精巣 を触 知 した. さ らに 固

有鞘膜 を切 開 した と ころ中 に左 右 の精巣 を認 め た. 新

た に左 の鼠 径部 に切 開 を加 え, 左右 の精 巣 を ま とめ て

切 開 部か ら脱転 した. 左 の精索 は左 右 の精巣 に向か っ

て二 股 に分 岐 して いた. 精索 の分 岐部 に は弾 性硬 の組

織が 硬 く付 着 して いた(図1). 弾性 硬 の組織 は内腔 を

有 してお り, 病 理 迅速 診 断 で は子 宮 粘 膜 との診 断 で

あ った. この弾 性硬 の組 織 と腫 瘍化 した精 巣 を精 索分

岐部 で結 紮切 断 して一塊 に摘 除 した.

病 理組織 検査 所見: 精 巣腫瘍 は精上 皮腫, 弾性 硬 の

組織 は 閉経後 の子宮 に酷 似す る もの であ り(図2), 手

術 中 の所 見 とあ わせ て交 叉性 異 所 性 精 巣 に 精巣 腫 瘍

(Stage I pT1 NO MO)を 合 併 した ミュ ラー管 遺残 症 候

群 と診 断 した.

術後 経過: 染色 体検 査;46, XY. 内分泌 学 的検査;

テス トス テ ロン5. 2ng/ml, プ ロラ クチ ン9. 51ng/ml,

LH522mIU/ml, FSH7. 93mIU/m1と すべ て正常. 精

液 検 査;精 液 量2, 5ml, 1~2/毎 視 野 と乏 精 子 症 の 所

見. 精 巣腫 瘍の他 臓器, リンパ 節転移 を認め ず, 術 後

総 量30GyのY字 型 分割 照射 を行 った,

症 例2

患者: 30歳, 男性(症 例1の 実兄).

主訴: 挙 児希 望.

既往 歴: 生後7カ 月で左 側 鼠径 ヘル ニア の手術(手

図1術 中所見(症 例1): 腫瘍化 した右精巣(RT), 左

精巣(LT), 子宮(U), 卵管(F), 右精巣腫瘍, 交

叉性異所性精巣, ミュラー管異残組織 を認める.

図2病 理組織所見(症 例1): 切除 した子宮のHE染

色(×10O). 閉経後の子宮粘膜に酷似 している.

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術 の詳細 は不 明).

家 族歴: 弟;精 巣腫瘍, ミュラー管 遺残 症候 群.

現 病 歴: 2000年10月27日 不 妊 症 に対 す る精 査 目

的 に紹介初 診 となっ た. 初診 時 は左精 索静 脈瘤 を疑 わ

れ, 200l年1月4日 加療 目的 に入院 となった.

入 院時 現 症: 触 診 で は左 陰嚢 内 に精 巣 を 上 下 に認

め, 左 精 索静 脈瘤 は判 然 とせ ず, 左精 索 内背側 に栂指

頭 大 の硬 結 を認 めた. 右陰嚢 内 に は精 索 は触知 せず,

またそ の他 の陰嚢 内容物 も触 知 で きなか った.

検 査成 績: 末梢 血, 血 液 生化学;異 常 な し. 内分泌

学 的検 査;テ ス トス テ ロ ン5. 3ng/ml, プ ロ ラ クチ ン

4. 7ng/ml, LH2. 5mIU/ml, FSH4. 1mIU/mlと すべ て

正常. 検 尿検 査;異 常 な し. 精 液検査;無 精子 症, 精

液量2. 3ml

手 術: 手術 は左 精索 内背 側 に揖 指頭 大 の硬結 の精査

お よび精巣 の生検 を 目的 に行 わ れ た. 20O1年l月lO

日, 左 鼠径 部 に切 開 を加 え, 内容 物 を脱転 した. 精 巣

は左 右 と も共 通 の固有 鞘膜 で被 覆 されて いた. 右 の精

索 は触 れず左 の精 索 は左 右 の精巣 に向か って 二股 に分

岐 して いた. 精索 の分 岐部 に は弾 性硬 の組 織 が硬 く付

着 して いた(図3). 精 巣表 面(白 膜)は ま だ ら状 を呈

してお り, この部 位 の生検 を行 っ た.

手 術 中の所 見 と, 家 族歴 よ り精索分 岐部 に硬 く付 着

す る組織 は子 宮 と予想 され, 交 叉性異 所性 精巣 を伴 っ

た ミュラー管 遺残 症候 群 と診断 した. 両側 の精 索 に沿

うよ うに精巣 に延 び る卵管 様の組 織 も確認 で きた.

病 理組 織検 査所 見: Johensen's score: 6

染 色体 検査: 46, XY,

考 察

1886年 にVOn LenhOssekが 初 め て交 叉性 異 所 性 精

巣 の報 告 を行 い, 1895年 にJordanが ミュラ ー管遺 残

症 候群(persistent MUerian duct syndrome;PMDS)

と して修正 報告 を行 っ た. 男 性 の分 化 に は1)Leydig

細 胞 か ら分 泌 さ れ る テ ス トス テ ロ ン, 2)未 成 熟 の

Sertoi細 胞 か ら分泌 され るanti-MUerianホ ルモ ン,

即 ち ミュラー管抑 制 因子(MUIIerian inhibiting factOr;

MIF)が 必 要 であ る6)~8). 男性では胎生期7~8週にか

けて ミュラー管 抑制 因子 が ミュ ラー管 を退化 させ る よ

うに作 用 し精巣 垂, 前 立腺 小 室頭方 部 にな る. ミュ ラー

管 抑 制 因 子 は 分 子 量145, 00Oの 糖 蛋 白 体 で あ り9),

ミュ ラー管 抑 制 因子遺 伝子 は第19染 色体 遺伝 子 短 腕

上 に同定 され てい る10). ミュラー管遺残症候群の発生

原 因は(1)ミ ュ ラー管抑 制 因子 の分泌 障害, (2)ミ ュ

ラー管 の ミュラー管 抑制 因子 に対 す る感 受性 の低 下,

(3)ミ ュ ラー 管抑 制 因子 分 泌 時期 の遷 延 とさ れ て い

る. ミュラー管 遺残 症候 群で は ミュ ラー管 由来 の内性

器(卵 管 ・子宮 ・膣 上部1/3)が 残 存 す る

これ まで に約l50例 の ミュ ラー 管遺残 症候 群 の報告

が あ り, 約100例 に交叉 性異 所性 精巣 の合併 を認 め て

い る1)2}. 交叉性異所性精巣の合併の原因は両精巣と精

索 に近接 す る子 宮広 間膜 及 び ミュ ラー管 遺残 組織 が精

巣 の正 常 な下 降 を妨 げ るか らだ と考 え られて い る5).

自験例 で は2例 と も両精 巣 の間 に強 固に付着 す る ミュ

ラー管遺 残組織 を認 め てい る.

ミュ ラー管 遺残症 候群 には しば しば精 巣腫 瘍 の合併

を認 め る. 発 生率 はl5%11)とされており, これは腹腔

内精 巣 の正 常 男子 に発 生 す る精 巣腫 瘍 の発 生 率l2}13)と

ほ ぼ同様 であ る. 腫 瘍 の約半 数 はセ ミノーマで あ り,

他 に胎 児性 癌, 卵黄 嚢腫 瘍, 奇形腫, 絨 毛癌, 複 合組

織 型 の報 告 もあ るl4}. 精巣腫瘍の発生はほとんど思春

期以 降で あ る15). またミュラー管遺残組織自体が悪性

化 した とい う報告 はみ られ ない.

ミュ ラー 管遺 残 症 候 群 に は家 族 内発 生 の報 告 もあ

り, 遺伝 形式 は常染 色体 劣性 遺伝, も し くはX連 鎖劣

性 遺伝4)5)と考えられている. 一卵性双生児へ発生した

報告 もある5固が家 族 内発生 は非常 に稀 で あ る.

診 断 は鼠径 ヘル ニ アや, 腹 腔 内精巣 の外科 的 な処置

の 際に偶 然見 つか る こ とが ほ とん どであ る. ミュ ラー

管遺残 組 織が 痕跡程 度 で ある とい う報 告 よ り, 明 らか

な子 宮様 組織, 膣 な どを認 め た とす る報 告が 多 い17}.

ミュ ラー管遺残 組織 へ の対処 で は精巣 動静脈, 精管,

お よび精 巣損傷 の可 能性 を考 慮 し, 積極 的に子宮 お よ

び付 属 物 を摘 除 しな い 方が よい と され て い る5}l8). 本

症例 で もミュ ラー 管遺残 組織 の摘 除 は行 わなか った.

図3術 中所見(症例2): 右精巣(RT), 左精巣(LT),

子宮(U), 卵管(F)

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妊孕性について, 精液所見はほとんどが無精子症,

乏精子症である19). 本症例も同様であり, いまだに妊

孕は認められていない.

染色体構成は46, XYで あり, 内分泌学的検査ではテ

ストステロン, プロラクチン, LH, FSHす べて正常で

ある. 本症例でも異常を認めなかった.

結 語

兄弟にみられたミュラー管遺残症候群の2症 例を報

告した・弟には精巣腫瘍の合併を認め, 精巣切除を行

い術後予防照射の後, 経過観察を行っている. 兄にも

今後精巣腫瘍の発生の危険性があり, 厳重な経過観察

を行っている.

文 献

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(2002年5月24日 受付, 11月22日 受 理)