建築における再生・自然エネルギー利用の評価法と...
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明 治 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科
2016年度
博 士 学 位 請 求 論 文
建築における再生・自然エネルギー利用の評価法と
実用化に関する研究
A study of performance evaluation method and practical use of energy
saving for Buildings that on Renewable energy and Natural energy
utilization
学位請求者 須 藤 俊 彦
学位請求論文
題名:建築における再生・自然エネルギー利用の評価法と実用化に関する研究
1章 研究の目的 --- 1
1.1 研究の背景 --- 1
1.2 研究の目的 --- 3
1.3 研究の方法 --- 4
1.4 論文の構成 --- 5
2章 既存建築物のエネルギー利用状況調査 --- 9
2.1 既存建築物のエネルギー消費特性に関する調査 --- 9
2.2 既存建築物における再生(可能)エネルギー利用状況調査 --- 15
2.3 既存建築物における光ダクトによる自然エネルギー利用状況調査 --- 32
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価 --- 35
3.1 下水熱利用供給施設について --- 36
3.2 下水熱利用地域の熱負荷算出 --- 41
3.3 熱源システムについて --- 48
3.4 熱源シミュレーション --- 55
3.5 考察 --- 89
3.6 まとめ --- 104
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能評価 --- 105
4.1 空調ダクト用高反射材の開発 --- 106
4.2 最適な光環境導入技術の開発 --- 116
4.3 自然光と人工光の最適制御技術の開発 --- 127
4.4 光・空調統合ダクトシステム技術の開発 --- 128
4.5 考察 --- 146
4.6 まとめ --- 146
5章 結論 --- 147
参考文献
1 章 研究の目的
- 1 -
1章 研究の目的
1.1 研究の背景
「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第二次評価報告書(1995 年)では、産業革
命以降の 100 年間に全地球の平均気温が 0.3~0.6℃上昇したとされている。第四次評価報
告書(2007 年)では、その上昇の主因が人間の諸活動による温室効果ガス排出量の増加で
ある可能性が非常に高いとされた。
このような状況の中で、「気候変動枠組条約第 21 回締約国会議(COP21)」(2015 年)に
おいて、2020 年以降の地球温暖化対策「パリ協定」が国際合意され、2016 年 11 月に発効
した。気温上昇 2℃以内に向けて、世界 196 の国・地域すべてが温室効果ガス削減を約束し
ている。(COP:Conference of the Parties)
日本においての目標に向けた具体策として、2030 年度に 2013 年度比で温室効果ガスを
26%削減、業務その他部門では 2030 年度に 2013 年度比で約 40%削減を約束草案としてい
る。
表 1-1 エネルギー起源二酸化炭素の各部門の排出量の目安
単位:百万 t-CO2 2030 年度 2013 年度 低減率
産業部門 401 429 6.5%
業務他部門 168 279 39.8%
家庭部門 122 201 39.3%
運輸部門 163 225 27.6%
エネルギー転換部門 73 101 27.7%
出典:外務省/地球温暖化対策推進本部決定(平成 27 年 7 月 17 日)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_002311.html
表1-1は、COP21に対するエネルギー起源二酸化炭素の各部門の排出量の目安であるが、
業務他部門の対策・施策の建築物に対する項目として以下が挙げられ、排出量削減の試算根
拠となっている。
・新築建築物における省エネ基準適合の推進
・建築物の省エネ化(改修)
・業務用給湯器の導入(潜熱回収型給湯器、業務用ヒートポンプ給湯器、高効率ボイラ)
・高効率照明の導入
・BEMS の活用、省エネ診断等による業務部門における徹底的なエネルギー管理の実施
・照明の効率的な利用
1 章 研究の目的
- 2 -
日本のエネルギー消費の推移を図 1-1 に示す。最終エネルギー消費(エネルギー需要家側
で実際に消費されたエネルギー)は、民生部門(家庭+業務他部門)では、全体の約 1/3 を
占め、2013 年度における業務他部門の最終エネルギー消費は、1973 年度比で約 2.5 倍(1.02
→2.53)、1990 年度比で約 1.4 倍(1.79→2.53)と顕著である。
図 1-1 最終エネルギー消費と実質 GDP の推移
出典:資源エネルギー庁 エネルギー白書平成 26 年度年次報告
http://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2015pdf/
民生部門では、最終エネルギー消費の3割を占め、他部門に比べ増加が顕著であることか
ら、徹底的な省エネルギーの推進は大きな課題となっているとともに、電力需給の逼迫やエ
ネルギー供給の不安定化等を受け、建築物のエネルギー自給(自立)の必要性が強く認識さ
れてきた。
このような背景から、表 1-1 の対策・施策を活用した、室内環境の質を低下させることな
く、大幅な省エネルギーを実現する「ZEB(Net Zero Energy Building)9),10) 」化された
建築物の実現、普及による温室効果ガス削減に大きな効果が期待されている。
7.27 7.02 6.21
1.02 1.79 2.53 0.99
1.68 2.01 1.82
3.05 3.23 11.10
13.54 13.98
0
3
6
9
12
15
18
1973 75 80 85 90 95 2000 05 10 13 (年度)
産業部門
家庭部門
運輸部門
業務他部門
全体
の約
1/3
最終
エネル
ギー消費量(
×10
18J)
1 章 研究の目的
- 3 -
1.2 研究の目的
下水熱を有効利用できるシステムをエネルギーシミュレーションによる評価で示し、空
調熱源のエネルギー削減評価を行い、および、建物室内の自然光利用のための光ダクトと
空調ダクトを統合した空調システムの評価を行うことにより、ZEB化を目指した空調シ
ステムの実用化の可能性を研究・調査することを目的とする。
資源エネルギー庁「ZEBロードマップ検討委員会」におけるZEBの定義は、「先進的
な建築設計によるエネルギー負荷の抑制やパッシブ技術の採用による自然エネルギーの積
極的な活用、高効率な設備システムの導入等により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省
エネルギー化を実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、エネルギー自
立度を極力高め、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した建築
物」としている。図 1-2参照。
図 1-2 ZEB の概念図
出典:資源エネルギー庁 ZEB ロードマップ検討委員会 とりまとめ(平成 27 年 12 月)
http://www.meti.go.jp/press/2015/12/20151217002/20151217002-1.pdf
総合的な組合せで最適な計画を行うためには、建築物のエネルギー負荷特性を把握し、運
用を含めたエネルギーシミュレーションによる評価が必要となる。
2 章において、既存建築物のエネルギー特性を既往の文献・公表資料を調査し、整理する
ことにより、把握する。
ZEB化を目指す技術の内、再生(可能)エネルギーでは、下水熱利用を研究の対象とし
た。下水熱利用は、冷熱・加熱に利用でき、熱量ポテンシャルが多く、位置ポテンシャルに
1 章 研究の目的
- 4 -
ついては熱需要のあるところに比較的近いので、利用しやすいエネルギー源となる。
また、自然エネルギー利用では、昼光利用を採光・空調統合ダクトを研究の対象とした。
自然光(昼光)利用は、太陽光発電・太陽熱利用など他の自然エネルギー利用に対しエネル
ギー変換がなく、光を直接利用できる効率の高い自然エネルギー源である。既存の技術とし
て光ダクトがあり、空調ダクトと兼用することにより自然光利用技術の促進が図れる。
1.3 研究の方法
(1)下水熱利用のエネルギーシミュレーションによる評価
下水熱利用は、地域の下水排水管からの熱利用あるいは、地域外にある下水処理場の熱利
用が考えられるが、本研究では、大規模な再開発地域を対象とし、下水処理場の下水処理水
の熱利用を再開発地域全体で行うことを前提とした評価を行い、下水熱利用システムの導
入を図る。
一次エネルギー消費量、CO2 排出量およびコストについて、年間運転シミュレーションを
行う。また、同条件、同空調システムにおいて下水熱を利用した場合と利用していない場合
の年間運転シミュレーションも行い、それらの比較・検討を行う。
空調熱源のエネルギーシミュレーション手法は、コンピュータソフトとして国土交通省の
監修により開発された、LCEMツール(Life Cycle Energy Management Tool)を用い、
評価する。
システム評価は、以下の項目で行う。
① 下水熱利用建物の用途・規模の想定
② 空調熱負荷の想定
③ 空調熱源システムの想定
④ LCEMツールを用いた空調熱源エネルギーシミュレーション
⑤ シミュレーション結果の分析・評価
1 章 研究の目的
- 5 -
◆ LCEM(Life Cycle Energy Management)ツール
国土交通省開発の空調システムのエネルギー消費シミュレーションツールである。以下
にその概要を示す。
図 1-1-4 LCEM ツール概要
1 章 研究の目的
- 6 -
図 1-1-5 LCEM ツール活用イメージ
1 章 研究の目的
- 7 -
(2)採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
自然光(昼光)利用は、太陽光発電・太陽熱利用など他の自然エネルギー利用に対しエネ
ルギー変換がなく、光を直接利用できる効率の高い自然エネルギー源である。既存の技術と
して光ダクトがあり、建物室内の自然光利用は行われているが、昼光利用のみのため熱負荷
評価が行われていない。また、空調ダクトと兼用することによる冷房熱負荷への日射熱の評
価を行うことにより、実用化の可能性を研究・調査する。
採光・空調統合ダクトシステムとした場合の、光ダクト、空調ダクトで求められる技術要
素に加え以下のことを考慮した評価を行う。
・ 光の伝搬効率を考慮した空調空気の流入部・流出部での形状検討
・ 自然光のダクト内流入による熱特性の把握
システム評価は、以下の項目で行う。
① ダクト流入部・流出部のCFD評価
② 1/5全体模型によるダクト内温度分布の実負荷評価
③ 1/5全体ダクトモデルによる温度分布シミュレーション評価
ダクト内 気流なし/気流ありの2ケース
④ 実大部分模型の機能評価
空気漏えい・気流騒音・ダクト板振動
◆ CFD(Computational fluid dynamics)
温熱環境の予測法として、環境を再現した模型実験や実大実験に負うことが大であった
が、大変な手間や、高度の測定技術が必要であり、維持・実験化が多いことに難点があ
り、条件設定が比較的簡便で汎用性が高く、また、経済的かつ時間的にも優れている数値
流体解析手法(Computational fluid dynamics:CFD)が、温熱環境予測の主要な設計手
法の適用の試みとして採用されている。CFD 解析は、風速や温度差などの設計データを得
るための温度や気流分布の分布予測法としての精度確認を加治屋の論文
※
で行われてお
り、空調設備設計への応用が確立されたものとなってきている。
※ 加治屋亮一:空気調和設備設計への CFD の応用に関する研究,明治大学大学院理工
学部研究科 2008 年度博士学位請求論文,2009
1 章 研究の目的
- 8 -
1.4 論文の構成
1 章では、研究の背景、目的について述べ、ZEB 化の課題抽出し、ZEB 化を目的とした手
法を提案し、その評価方法を述べる。
2 章では、既存建築物のエネルギー特性を既往の文献・公表資料を調査し、評価・分析す
る。および、既存建築物における再生エネルギー利用・自然エネルギー利用状況を調査し、
利用例などを示す。
3 章では、再生エネルギー利用のひとつである下水熱利用の空調熱源としての実用化の可
能性を熱利用シミュレーションで有効性を評価する。
4 章では、自然エネルギー利用技術の光ダクトを空調ダクトとして兼用した採光・空調統
合ダクトシステムをしての性能検証を行い、実用化に向けた課題を評価する。
5 章では、本研究の結果および成果を総括して考察を述べるとともに、ZEB 化に向けた今
後の課題について述べる。
2章 既存建築物のエネルギー利用調査
- 9 -
2章 既存建築物のエネルギー利用調査
2.1 既存建築物のエネルギー消費特性に関する調査
官庁施設の建物のエネルギー負荷特性を既往の文献・公表資料を調査し、整理した。
(1)既往文献からの実態調査
以下に示す既往の文献から、官庁施設のエネルギー消費の実態について調査する。
① 「中央官庁庁舎のグリーン診断」(国土交通省官庁営繕部)
② 「官庁施設の運用段階におけるエネルギー消費量削減に関する調査」
(国土交通省官庁営繕部)
③ 「東北地方における庁舎建築のエネルギー消費特性に関する調査研究」
④ 「ビルの省エネルギー推進表彰制度の構築に関する調査」
(平成 19 年 3 月、(社)日本ビルエネルギー総合管理技術協会)
⑤ 「東京都地球温暖化対策計画書」(東京都環境局)14)
(2)中央官庁庁舎のエネルギー消費
既存中央官庁庁舎13施設において、グリーン診断・改修計画指針に基づき実施した診断
結果をまとめた(対象施設 24 棟、建設年次 1943~2000 年、総延床面積約 100 万㎡)。
① 電力
庁舎の単位面積当たりの電力使用量は 152 kWh/㎡・年 であった。また、土日祭日およ
び平日夜間(18時-8時)の電力消費の占める割合は約 60 % であった。その用途別内
訳を図 2-1に示す。
② ガス・油・蒸気
熱源・厨房・給湯に係わるガス・油・蒸気のエネルギー消費内訳を算定した結果、図 2-
2 に示すとおり、冷房用で 53 % 、暖房用で 29 % 、厨房・給湯用で 18 % が消費されて
いる。
図 2-1 電力消費内訳
2章 既存建築物のエネルギー利用調査
- 10 -
③ 冷暖房用負荷熱量
庁舎の単位面積当たりの冷暖房熱負荷は、冷房熱負荷が 223 MJ/㎡・年 、暖房熱負荷が
100 MJ/㎡・年 であった。
(3)東京都地球温暖化計画書の対象施設
東京都では、第一種、第二種エネルギー管理指定工場に相当する大規模建築物を対象に、
毎年エネルギー消費量の報告を義務付けており、その結果を公表している。その結果を図 2-
3 に示す。なお、民間事務所ビルの内、テナントビルについては表 2-1で示すが、民間事務
所ビルとしての一次エネルギー消費量の平均値は約 2,570 MJ/㎡・年 となる。
庁舎の一次エネルギー消費量の平均値は約 1,790 MJ/㎡・年 であり、一般的な庁舎平均よ
りもかなり大きい値となっている。これは大規模庁舎が対象となっていること、中央官庁が
多いことが原因と考えられる。
それでも、民間の事務所ビルの平均値 2,570 MJ/㎡・年に比べると、かなり小さい値であ
る。
図 2-2 エネルギー消費内訳
2章 既存建築物のエネルギー利用調査
- 11 -
図 2-3 東京都地球温暖化対策計画書対象ビルのエネルギー消費量
表 2-1 東京都地球温暖化対策計画書対象民間テナントビルのエネルギー消費量
東京都地球温暖化対策計画書対象ビルのエネルギー消費量
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
3,500
4,000
10,000 100,000 1,000,000
延床面積(㎡)
一次エネルギー原単位(MJ/㎡年)
庁舎
民間事務所
ビル
庁舎平均
民間事務所
ビル平均
経済
産業省
警視庁
東京都庁
中央合同
庁舎1号館
中央合同
庁舎6号館
名称名称名称名称
所在地所在地所在地所在地
(区市町村)(区市町村)(区市町村)(区市町村)
220277 品川シーサイドフォレスト(業務B棟) 品川区 テナントビル 101,100 10,142 100.3 2,340
220527 シーバンス (芝浦NSP) 港区 テナントビル 167,807 16,884 100.6 2,300
220962 日本工業倶楽部会館・三菱UFJ信託銀行本店ビル 千代田区 テナントビル 109,588 11,067 101.0 2,370
220359 JR東急目黒ビル 品川区 テナントビル 52,221 5,289 101.3 2,380
220406 世界貿易センタービルディング 港区 テナントビル 153,841 15,610 101.5 2,590
220473 豊洲センタービル 江東区 テナントビル 99,571 10,112 101.6 2,360
220365 エステック株式会社(エステック情報ビル) 新宿区 テナントビル 55,550 5,645 101.6 2,370
220188 丸の内オアゾA街区 千代田区 テナントビル 223,825 22,876 102.2 2,380
221018 メソニック38MTビル 港区 テナントビル 57,188 5,845 102.2 2,490
220525 東京オペラシティビル 新宿区 テナントビル 242,544 24,808 102.3 2,370
221175 芝パークビル 港区 テナントビル 102,133 10,644 104.2 2,460
220610 新宿モノリス 新宿区 テナントビル 90,451 9,556 105.6 2,440
220723 三菱地所株式会社 有楽町電気ビルヂング 千代田区 テナントビル 70,949 7,513 105.9 2,630
220321 大崎ニュー・シティ 品川区 テナントビル 138,150 14,643 106.0 2,470
220661 タイム24ビル 江東区 テナントビル 66,870 7,091 106.0 2,480
221256 国際新赤坂ビル(東館・西館) 港区 テナントビル 81,212 8,671 106.8 2,500
220686 アーク森ビル 港区 テナントビル 181,833 19,496 107.2 2,560
220764 品川インターシティ 港区 テナントビル 337,119 36,545 108.4 2,590
220247 住友不動産飯田橋ビル3号館 新宿区 テナントビル 55,667 6,064 108.9 2,740
220608 新東京ビル 千代田区 テナントビル 106,005 11,584 109.3 2,660
220579 霞が関ビル 千代田区 テナントビル 153,223 16,748 109.3 2,610
220575 新宿センタービル 新宿区 テナントビル 183,064 20,084 109.7 2,500
221068 グランパークビル 港区 テナントビル 142,813 15,698 109.9 2,560
220756 中野坂上サンブライトツイン 中野区 テナントビル 68,026 7,495 110.2 2,620
221131 東京交通会館ビル 千代田区 テナントビル 64,487 7,150 110.9 2,620
221036 青山ビル 港区 テナントビル 43,778 4,857 110.9 2,610
220454 新宿エルタワー 新宿区 テナントビル 86,042 9,661 112.3 2,550
220002 神保町三井ビルディング 千代田区 テナントビル 88,649 9,956 112.3 2,450
221133 第一ビルディング大森ベルポートオフィス 品川区 テナントビル 193,203 21,730 112.5 2,490
221191 汐留タワー 港区 テナントビル 79,819 8,995 112.7 2,570
220279 聖路加ガーデン 中央区 テナントビル 170,731 19,275 112.9 2,610
220717 汐留シティセンター 港区 テナントビル 217,753 24,713 113.5 2,670
221041 郵船ビルディング 千代田区 テナントビル 51,645 5,869 113.6 2,760
221023 青海フロンティアビル 江東区 テナントビル 54,679 6,219 113.7 2,700
220946 サンシャインシティ 豊島区 テナントビル 585,895 66,927 114.2 2,650
221034 三田国際ビル 港区 テナントビル 111,658 12,866 115.2 2,690
220611 新宿パークタワー 新宿区 テナントビル 264,141 30,717 116.3 2,660
221032 新青山ビル 港区 テナントビル 101,550 11,816 116.4 2,650
221128 大手センタービル 千代田区 テナントビル 67,412 7,912 117.4 2,760
211124 新生銀行本店ビル 千代田区 テナントビル 62,821 7,394 117.7 2,780
220386 東京イースト21 江東区 テナントビル 141,873 16,747 118.0 2,750
220304 キャロットタワー 世田谷区 テナントビル 76,754 9,067 118.1 2,840
221014 御殿山ガーデン 品川区 テナントビル 100,900 11,922 118.2 2,740
220197 りそな・マルハビル 千代田区 テナントビル 74,643 8,834 118.4 2,760
220879 新宿文化クイントビル 渋谷区 テナントビル 87,911 10,479 119.2 2,980
使用形態使用形態使用形態使用形態
CO2排出量原単CO2排出量原単CO2排出量原単CO2排出量原単
位(平成17年度)位(平成17年度)位(平成17年度)位(平成17年度)
(kg-CO2/㎡年)(kg-CO2/㎡年)(kg-CO2/㎡年)(kg-CO2/㎡年)
一次エネルギー一次エネルギー一次エネルギー一次エネルギー
消費量原単位消費量原単位消費量原単位消費量原単位
(平成17年)(平成17年)(平成17年)(平成17年)
(MJ/㎡年)(MJ/㎡年)(MJ/㎡年)(MJ/㎡年)
CO2排出量CO2排出量CO2排出量CO2排出量
(平成17年(平成17年(平成17年(平成17年
度)(t-度)(t-度)(t-度)(t-
CO2/年)CO2/年)CO2/年)CO2/年)
延べ床面積延べ床面積延べ床面積延べ床面積
(㎡)(㎡)(㎡)(㎡)
IDIDIDID
事業所事業所事業所事業所
2章 既存建築物のエネルギー利用調査
- 12 -
(4)既存庁舎のエネルギー消費分析
1)調査対象施設
既存自治体庁舎のエネルギー消費について、各種実態調査のデータをもとに分析する。
調査対象としたのは、全国の自治体の庁舎29件、警察庁舎4件、議会庁舎1件の合計
34件である。このうち月別データによる分析は、no.1 ~ 13 の13件である。
2)年間一次エネルギー原単位
年間一次エネルギー原単位を図 2-4に示す。参考までに、(1)で示した中央官庁、自治
体庁舎の一次エネルギー原単位も併せてプロットしている。
一般庁舎は 800 ~ 1,800 MJ/㎡・年 の範囲に多く分布している。東京や大阪など大都
市の庁舎のほうが、地方庁舎に比べて一次エネルギー原単位が大きい傾向にある。これは、
使用時間の長さが影響していると思われる。また、警察庁舎は 1,700 ~ 3,500 MJ/㎡・年
と、一般庁舎に比べてやや大きい。これも、使用時間の違いによるものと思われる。一方、
議会庁舎は 1,100 MJ/㎡・年 と一般庁舎に比べてやや小さい。
なお、規模による一次エネルギー原単位の違いは、あまり見られない。
図 2-4 年間一次エネルギー原単位
また、各施設の一次エネルギー原単位の平均値を図 2-5に示す。
中央官庁の平均値は 1,580 MJ/㎡・年 と、自治体庁舎の平均値 1,370 MJ/㎡・年 に比べ
てやや大きい。中央官庁、自治体庁舎とも、東京都の大規模民間事務所ビルの平均値
2,570MJ/㎡・年に比べるとかなり小さい。
警察庁舎の平均値は 2,770MJ/㎡・年と、一般庁舎に比べて大きく、民間事務所ビルに近
い値となっている。
一次エネルギー原単位
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
3,500
4,000
0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000
延床面積(㎡)
MJ/㎡年
中央官庁
自治体庁舎
警察
議会
2章 既存建築物のエネルギー利用調査
- 13 -
図 2-5 一次エネルギー原単位まとめ
3)設備区分別エネルギー消費比率
庁舎別の、設備区分別一次エネルギー消費比率のグラフを図 2-6 に示す。庁舎の熱源比
率(=熱源一次エネルギー消費量/全一次エネルギー消費量)は 22 % ~ 42 % とばらつ
きが大きい。省エネルギーセンターのパンフレットデータを図 2-7 に示すが、標準的なオ
フィスビルの熱源比率の平均値は 31 % であり、庁舎の熱源比率も、平均的にはオフィス
ビルに近い値となっている。
注)NO.6~NO.13 は、照明電力はその他に含まれる。
図 2-6 設備区分別エネルギー消費比率
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
中央官庁 自治体庁舎 警察庁舎 議会庁舎 民間事務所ビル
(n=5) (n=33) (n=5) (n=1) (n=224)
一次エネルギー原単位(MJ/㎡年)
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
1 2 4 6 7 8 9 10 11 12 13
施設NO.
エネルギー消費比率
その他
照明
暖房熱源
冷房熱源
2章 既存建築物のエネルギー利用調査
- 14 -
図 2-7 設備区分別エネルギー消費比率(省エネルギーセンターパンフレット
15)
)
2章 既存建築物のエネルギー利用調査
- 15 -
2.2 既存建築物における再生(可能)エネルギー利用状況調査
(1) 再生エネルギーの定義
再生(可能)エネルギーの定義について調査した。
1)Wikipedia
16)
より
再生可能エネルギーとは、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、太陽・地
球物理学的・生物学的な源に由来し、人間が利用する以上の速度で自然界から補充される
エネルギー全般を指す。再生可能であること以外の明確な定義がなく、多彩な利用形態の
うち全部または一部を含む。
国際再生可能エネルギー機関によると太陽光、風力、波力・潮力、流水・潮汐、地熱、バ
イオマス等、自然の力で定常的(もしくは反復的)に補充されるエネルギー資源より導か
れ、発電、給湯、冷暖房、輸送、燃料等、エネルギー需要形態全般にわたって用いられる。
再生可能エネルギーには統一的な定義がなく主要な利用方法を除くと曖昧である。
「RENEWABLE ENERGY」の翻訳は、「絶えず資源が補充されて枯渇することのないエ
ネルギー」、「利用する以上の速度で自然に再生するエネルギー」という意味であるが、実
際には自然エネルギー、新エネルギーなどと混同されて使われることが多い。一般には、
太陽光、太陽熱、水力、風力、地熱、波力、温度差、バイオマスなどが挙げられるが、具
体的な定義や、政策的な定義や法規、統計にどのようなものを含めるかについては、国際
機関、国、組織、法規等による差異が見られる。例えば、欧州連合におけるヒートポンプ
による熱利用は性能次第で含めるかどうか分けている。水力発電のうち大型のダムを用い
るものについては、環境破壊の少ない中小規模の水力発電と区別され、統計上も別扱いさ
れることがある(例えば REN21 では、出力 10MW を境に区別している (Table1))。なお、
化石燃料は定義を満たさない。
• IPCC の再生可能エネルギーと気候変動に関する特別報告書 (SRREN) では、「太
陽・地球物理学的・生物学的な源に由来し、自然界によって利用する以上の速度で補充
されるエネルギー全般」と定義される。
• 国際エネルギー機関の発行する統計「Renewables Information」では、「絶えず補充
される自然の過程に由来し、様々な形態のうち太陽から直接供給される光や地球内部で
発生する熱、太陽や風や海洋や水力やバイオマスや地熱資源から発生した熱や電力、そ
して再生可能資源に由来するバイオ燃料と水素」と定義される。「REInfo」によるとヒー
トポンプによる熱(地中熱、大気熱等)は別記している。
• 欧州連合の 2009 年 5 月の指令では「廃熱利用、水熱利用、空気熱利用」が定義に
含まれる。ヒートポンプについては「出力が投入したエネルギーより大きいもののみ統
計に含められるべき」とされる。
• 日本国内では定義が複数存在し統一されていない。「再生可能エネルギー源」につい
て、「永続的に利用することができると認められるエネルギー源」と定義する例や、「太
2章 既存建築物のエネルギー利用調査
- 16 -
陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用するこ
とができると認められるものとして政令で定めるもの」とされ、同施行令により「太陽
光」「風力」「水力」「地熱」「太陽熱」「大気中の熱その他の自然界に存する熱」。また、
「バイオマス(動植物に由来する有機物であってエネルギー源として利用することがで
きるものをいう。)」と列挙定義される例がある。
2)資源エネルギー庁
17)
現在わが国の主要なエネルギー源である石油・石炭などの化石燃料は限りがあるエネル
ギー資源です。これに対し、太陽光や太陽熱、水力、風力、バイオマス、地熱などのエネ
ルギーは、一度利用しても比較的短期間に再生が可能であり、資源が枯渇しないエネルギ
ーです。これらは、「再生可能エネルギー」ともいわれます。
① 再生可能エネルギーとは
法律(※)で「エネルギー源として永続的に利用することができると認められるもの」
として、太陽光、風力、水力、地熱、太陽熱、大気中の熱その他の自然界に存する熱、バ
イオマスが規定されています。再生可能エネルギーは、資源が枯渇せず繰り返し使え、発
電時や熱利用時に地球温暖化の原因となる二酸化炭素をほとんど排出しない優れたエネ
ルギーです。
(※)エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料
の有効な利用の促進に関する法律
エネルギーの概念図
② 再生可能エネルギー導入の意義
我が国におけるエネルギーの供給のうち、石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料がその
2章 既存建築物のエネルギー利用調査
- 17 -
8割以上を占めており、そのほとんどを海外に依存しています。一方、近年、新興国の経
済発展などを背景として、世界的にエネルギーの需要が増大しており、また、化石燃料の
市場価格が乱高下するなど、エネルギー市場が不安定化しています。加えて、化石燃料の
利用に伴って発生する温室効果ガスを削減することが重要な課題となっています。
このような状況の中、エネルギーを安定的かつ適切に供給するためには、資源の枯渇の
おそれが少なく、環境への負荷が少ない太陽光やバイオマスといった再生可能エネルギー
の導入を一層進めることが必要です。
また、再生可能エネルギーの導入拡大により、環境関連産業の育成や雇用の創出といっ
た経済対策としての効果も期待されます。
出典:エネルギー白書 2010
③ 再生可能エネルギー導入の課題
再生可能エネルギーの導入については、設備の価格が高く、日照時間等の自然状況に左
右されるなどの理由から利用率が低い等の課題があるため、火力発電などの既存のエネル
ギーと比較すると発電コストが高くなっています。また、出力が不安定で、地形等の条件
から設置できる地点も限られています。
さらに、再生可能エネルギーが大量に導入された場合、休日など需要の少ない時期に余
剰電力が発生したり、天候などの影響で出力が大きく変動し電気の安定供給に問題が生じ
る可能性があります。そのため、発電出力の抑制や蓄電池の設置等の対策が必要になりま
す。
このような課題を克服するため、国による様々な支援施策が行われており、2009 年 11
月に家庭や事業所等において太陽光で発電された電気のうち、使い切れずに余った電気の
買取りを電力会社に義務づける「太陽光発電の余剰電力買取制度」が開始され、効果を上
げています。
また、再生可能エネルギーやこれらで作られた電気を蓄え、安定的に供給するための蓄
電池の導入に関するコスト削減や性能向上等のための研究開発にも積極的に取り組んで
います。
2章 既存建築物のエネルギー利用調査
- 18 -
なお、資源エネルギー庁では再生可能エネルギーを以下のように規定している。
「エネルギー源として永続的に利用することができると認められるもの」
・ 太陽光
・ 風力
・ 水力
・ 地熱
・ 太陽熱
・ 大気中の熱
・ その他の自然界に存する熱
・ バイオマス
が規定されている。表 2-2 に再生可能エネルギーの分類を示す。
再生可能エネルギーは、資源が枯渇せず繰り返し使え、発電時や熱利用時に地球温暖化
の原因となる二酸化炭素をほとんど排出しないエネルギーとして捉えられている。
(資源エネルギー庁ホームページ17)
より)
よって、我が国においては「RENEWABLE ENERGY」を直訳し、再生可能エネルギー
としているが、利用していないもの、廃棄していたものを利用するので、
「再生エネルギー再生エネルギー再生エネルギー再生エネルギー」 とした方が捉えやすい。
2章 既存建築物のエネルギー利用調査
- 19 -
表 2-2 再生(可能)エネルギーの分類
自然エネルギー
-
-
太陽熱の再生エネルギー
太陽熱の再生エネルギー
太陽熱の再生エネルギー
地球力・太陽熱の再生エネルギー
太陽熱の再生エネルギー
自然界に存する熱 海水 太陽熱の再生エネルギー
河川 太陽熱の再生エネルギー
地中熱・地下水 太陽熱の再生エネルギー
雪氷 太陽熱の再生エネルギー
バイオマス
植物
動物
太陽光・太陽熱の再生エネルギー
汚泥 廃棄物再生エネルギー
ごみ 廃棄物再生エネルギー
廃棄・排熱再生エネルギー
未利用エネルギー・排熱エネルギー
排熱再生エネルギー
排熱再生エネルギー
排熱再生エネルギー
地熱
再生可能エネルギー
(エネルギー源として永続的に利用することができると認められるもの)
太陽光
太陽熱
風力
水力
発電所排熱
海洋エネルギー(潮力・波力)
大気中の熱
下水熱
地下鉄排熱
変電所排熱
2章 既存建築物のエネルギー利用調査
- 20 -
(2)再生エネルギーの性質
再生エネルギーの熱エネルギーポテンシャルは表 2-3 のよう考えられる。
表 2-3 再生エネルギーの熱エネルギーポテンシャル
再生エネルギー活用の空調熱源システムを熱供給事業の事例における熱効率は以下のよ
うになる。(平成22年度熱供給事業便覧18)
より)
表 2-4 熱供給事例の再生エネルギー活用熱効率
再生エネルギー
夏期 冬期
太陽熱 中温(30~100℃) 高 高 希薄 近
地熱 高温(100℃以上も可能) 高 高 多量 遠
大気中の熱 常温(0~30℃) - - 多量 近
海水 常温(10~30℃) 低 高 多量 遠(場所による)
河川水 常温(10~30℃) 低 高 多量 遠(場所による)
地中熱・地下水 低温(10~20℃) 低 高 希薄 近
雪氷 低温(0℃) 低 - 希薄 近
バイオマス(燃焼) 高温(100℃以上も可能) 高 高 多量 遠
下水熱 常温(10~30℃) 低 高
近:少量
遠:多量
近:下水管利用
遠:処理水利用
地下鉄排熱 中温(30~40℃) 高 高 少量 場所による
変電所排熱 中温(30~40℃) 高 高 少量 近
発電所排熱 高温(100℃以上も可能) 高 高 多量 遠
※都市レベルで考えた場合の熱負荷量とエネルギー利用量比較および発生場所と需要地との位置関係
温度ポテンシャル
熱量
ポテンシャル
位置
ポテンシャル
対外気温
供給区域名
供給区域 氷
加熱 冷却 槽容量(m3) 種別 用途・容量
(MJ/h) (MJ/h) (MJ/h) (MJ/h) (MJ/h) (MJ/h) 冷熱(MJ) 温熱(MJ) 熱量(MJ) (MJ/h)
31,940 26,372
111,768 84,391
36,544 43,661
786,978 404,373
63,586 60,278
変電所排熱 暖房・給湯
282,308 179,331 建物排熱 暖房
変電所排熱 暖房
101,909 76,291 建物排熱 暖房
1,415 河川水利用 冷暖房
217,670 変電所排熱 暖房
43,267 16,723
222,844 176,252
8,465
箱崎 冷暖房河川水54,40642,63924,4301,87278,83644,511
1,520
後楽一丁目 冷暖房未処理下水109,497128,550109,497128,550
中之島二・
三丁目
38,34247,73312,65851,00047,733
西鉄福岡駅
再開発
48,10240,40415,19063,29240,404
サンポート
高松
8,560
新川 29,28934,06128,47757,76634,061
冷暖房海水20,25321,26530,381
28,175
1,765
下水処理水 冷暖房
晴海
アイランド
暖房建物排熱47,47638,98829,876
幕張新都心
ハイテク・
ビジネス
249,869 259,502 10,944 37,976 22,397
天満橋
一丁目
冷暖房河川水20,25213,39663,29769,01583,54982,411
冷暖房地下水21,89916,8824,874
1,290
19,060
5,410
77,35238,988
3,100
50,63421,265
高崎市
中央・城址
26,77316,882
5,300
槽容量(m3)
再生可能エネルギー
水
ボイラー 冷凍機 ヒートポンプ
蓄熱槽
加熱能力 冷却能力
一次
エネル
ギー
換算効率
1.02
1.13
1.15
1.18
1.25
1.25
1.26
1.27
0.95
0.96
2章 既存建築物のエネルギー利用調査
- 21 -
図 2-8 熱供給事例の再生エネルギー活用熱効率と蓄熱槽容量比
図 2-9 熱供給事例の再生エネルギー活用熱効率および電力熱源比率
0.60
0.80
1.00
1.20
1.40
0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0
一次エネルギー換算効率
蓄熱槽容量比(冷水蓄熱量/時間当たり冷却能力)
晴海:建物排
高崎:地下水
天満橋:河川
幕張:下水熱
高松:海水
新川:変電所
福岡:変電所
中之島:河川
後楽:下水熱箱崎:河川水
0.00 0.20 0.40 0.60 0.80 1.00 1.20 1.40
中部国際空港
りんくうタウン
下川端再開発
大阪南港
高松市番町
新宿南口西
富山駅北
千葉問屋町
シーサイドももち
和歌山マリーナ
盛岡駅西口
箱崎
後楽一丁目
中之島
西鉄福岡駅
新川
サンポート高松
晴海アイランド
幕張新都心
天満橋一丁目
高崎市中央
一次エネルギー換算効率・電力比率
:電力比率
地下水
下水
建物排熱
海水
変電所・建物
変電所・建物
変電所・河川水
河川水
変電所・下水
河川水
海水
河川水
中水
中水・建物
海水
下水
地下鉄
変電所
発電所
海水
地下水
一次エネルギー換算効率:供給熱量/一次エネルギー換算消費量
2章 既存建築物のエネルギー利用調査
- 22 -
(3)再生エネルギーの課題
再生エネルギーの課題として、以下のようなことが考えられる。
① 再生エネルギーは希薄である
② 再生エネルギーは熱利用負荷に関係なく発生し、
貯蔵の必要がある
③ 再生エネルギーの熱利用にはヒートポンプなどによる利用可能温度への変換が必要
なものが多い
表 2-5 再生エネルギー活用の課題
再生エネルギー 冷熱利用 温熱利用 課題 技術的課題
太陽熱 冷凍機熱源 直接利用 希薄な熱の集約 集熱技術・蓄熱技術
地熱 冷凍機熱源 直接利用 熱源が遠隔地 熱搬送技術
大気中の熱 冷却 HP熱源 HP熱源機が必要 温熱利用の効率向上技術
海水 冷却 HP熱源 海岸周辺・HP熱源機が必要 採水・放水技術・水質対応
河川 冷却 HP熱源 河川周辺・HP熱源機が必要 採水・放水技術・水質対応
地中熱・地下水 冷却 HP熱源 希薄な熱の集約・HP熱源機が必要 熱交換技術・蓄熱技術
雪氷 直接利用 - 雪氷の集約 雪氷の貯蔵・熱交換技術
バイオマス 冷凍機熱源 直接利用 バイオマスの集約・搬送 集約技術・貯蔵技術
下水熱 冷却 HP熱源 下水熱の集約・HP熱源機が必要 集約技術・蓄熱技術
2章 既存建築物のエネルギー利用調査
- 23 -
(4)再生エネルギー活用事例
再生エネルギーを活用した事例をいくつか示す。
① 太陽熱利用の場合:希薄なエネルギーの有効利用
太陽熱利用の場合の課題:
・ 広い集熱面積が必要
・ 利用温度は低いほど利用効率が高くなる
・ 曇天、夜間のための蓄熱が必要
太陽熱集熱器効率(寺田鉄工所 HP より引用)
太陽熱利用事例(資源エネルギー庁 HP
17)
より引用)
2章 既存建築物のエネルギー利用調査
- 24 -
② 地熱利用の場合:遠隔地エネルギー
地熱利用の場合の課題:
・ 一般的に山間部での利用
・ 発電利用が中心(利用温度が高い)
・ 熱需要の多い都市部へは熱搬送が必要
地熱利用事例(資源エネルギー庁 HP
17)
より引用)
2章 既存建築物のエネルギー利用調査
- 25 -
③ 海水利用の場合:温度差エネルギーの利用
海水利用の場合の課題:
・ 海岸沿いなど一部の地域に限られる
・ 熱利用が可能な流水量が必要
・ 環境影響調査が必要
・ 防潮対策への考慮が必要
・ 関係各省庁との事前協議が必要
海水利用事例(資源エネルギー庁 HP
17)
より引用)
2章 既存建築物のエネルギー利用調査
- 26 -
④ 河川水利用の場合:温度差エネルギーの利用
河川水利用の場合の課題:
・ 河川沿いなど一部の地域に限られる
・ 熱利用が可能な流水量が必要
・ 環境影響調査が必要
・ 治水対策への考慮が必要
・ 関係各省庁との事前協議が必要
河川水利用事例(資源エネルギー庁 HP
17)
より引用)
2章 既存建築物のエネルギー利用調査
- 27 -
⑤ 地中熱・地下水利用の場合:希薄なエネルギーの有効利用
地中熱・地下水利用の場合の課題:
・ 地中熱利用の応答性能、利用可能量の事前調査が必要
・ 地下水利用の場合、くみ上げ可能量の事前調査が必要
・ 交換熱量が希薄であり、長時間での熱採取を考慮する必要がある
・ 熱負荷とのバランスを考慮し蓄熱が必要
※大成建設㈱施工、同社特許工法
※㈱大林組(三菱マテリアルテクノ㈱)施工
2章 既存建築物のエネルギー利用調査
- 28 -
⑥ 雪氷利用の場合:希薄なエネルギーの有効利用
雪氷利用の場合の課題:
・ 雪氷の収集方法、貯蔵技術の検討が必要
・ 雪氷熱の利用方法、熱交換方法の検討が必要
雪氷利用事例(資源エネルギー庁 HP
17)
より引用)
2章 既存建築物のエネルギー利用調査
- 29 -
⑦ バイオマス利用の場合
バイオマス利用の場合の課題:
・ バイオマス:建設廃材、間伐材、食品加工廃棄物、家畜し尿 など植物、動物に由
来するもの
・ バイオマスの収集方法、貯蔵技術の検討が必要
・ 残渣が少なく、発熱効率の高いバイオマスの検討が必要
バイオマス利用事例(資源エネルギー庁 HP
17)
より引用)
バイオマス利用事例(矢崎総業資料より引用)
2章 既存建築物のエネルギー利用調査
- 30 -
⑧ 下水熱利用の場合
下水熱利用の場合の課題:
・ 下水処理場、下水管路からの熱利用となり、利用方法、熱交換方法の検討が必要
・ 熱負荷への下水熱供給熱量の有効利用を考慮すると蓄熱技術が必要
下水熱利用事例(東京都市サービス HP より引用)
官民連携による下水道資源有効利用促進制度検討委員会資料より
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23
下水放
流量比
(11時
の値を
1とし
て)
時刻
平均
下水量の事例
2章 既存建築物のエネルギー利用調査
- 31 -
(5)再生エネルギー活用のために
ZEB 化を求めたシステム構築には、再生エネルギーを活用した空調熱源システム、下水・
河川等の公共施設を有機的・一体的に利用する高効率な「再生エネルギー熱利用高度複合シ
ステム」を新たに研究・開発する必要がある。そのシステムとしては、一次エネルギー換算
効率は1以上が必須であり、電力をエネルギー源とし、再生エネルギーを活用したヒートポ
ンプシステムとすることが最適なシステム構築となると考えられ、新たなシステムの展開・
普及を促す必要がある。
また、再生エネルギーを活用するためには、そのシステム構築のための経費が上乗せされ
る。この負担を抑えるためには、エネルギーを広範囲に面的に活用する必要があり、まちづ
くりの初期段階からエネルギー供給の在り方についても一体となっての検討(スマートシ
ティ構想)、まちで活用されていない再生エネルギーの活用を検討する必要がある。
図 2-10 再生エネルギーを活用したスマートシティ構想
それぞれの街区や地区において、最適なかたちでの熱エネルギーの有効利用を実現それぞれの街区や地区において、最適なかたちでの熱エネルギーの有効利用を実現それぞれの街区や地区において、最適なかたちでの熱エネルギーの有効利用を実現それぞれの街区や地区において、最適なかたちでの熱エネルギーの有効利用を実現するには、するには、するには、するには、スマートコミュスマートコミュスマートコミュスマートコミュ
ニティ・分散型エネルギー源の活用の推進ニティ・分散型エネルギー源の活用の推進ニティ・分散型エネルギー源の活用の推進ニティ・分散型エネルギー源の活用の推進を行い、希薄で供給と需要のシフトが必要なを行い、希薄で供給と需要のシフトが必要なを行い、希薄で供給と需要のシフトが必要なを行い、希薄で供給と需要のシフトが必要な未利用・再生エネル未利用・再生エネル未利用・再生エネル未利用・再生エネル
ギー供給の多重化ギー供給の多重化ギー供給の多重化ギー供給の多重化に対しに対しに対しに対し、、、、複数の再エネ熱源、蓄熱槽、下水・河川等の公共施設等を有機的・一体的に利用複数の再エネ熱源、蓄熱槽、下水・河川等の公共施設等を有機的・一体的に利用複数の再エネ熱源、蓄熱槽、下水・河川等の公共施設等を有機的・一体的に利用複数の再エネ熱源、蓄熱槽、下水・河川等の公共施設等を有機的・一体的に利用
する高効率な「再エネ熱利用高度複合システム」を新たに構築し、展開・普及する必要があるする高効率な「再エネ熱利用高度複合システム」を新たに構築し、展開・普及する必要があるする高効率な「再エネ熱利用高度複合システム」を新たに構築し、展開・普及する必要があるする高効率な「再エネ熱利用高度複合システム」を新たに構築し、展開・普及する必要がある
まちづくりと一体となった熱エネルギーの有効利用
(スマートシティ構想)
再生エネルギー
太陽熱
大気中の熱
海水
河川水
地中熱・地下水
雪氷
バイオマス
下水熱
希薄
供給と需要のシフト
高効率
ヒートポンプ熱源機
技術
蓄熱技術
高効率
運用手法
太陽光
地熱
風力
水力
海洋エネルギー
都市レベル・街区におけるエネルギー供給
未利用
エネルギー
汚泥
ごみ
地下鉄
変電所
発電所
2章 既存建築物のエネルギー利用調査
- 32 -
2.3 既存建築物における光ダクトによる自然エネルギー利用状況調査
事務所ビルにおいて照明が消費するエネルギーは、建物全体が消費するエネルギー量の
約 20~30%を占めるといわれており、自然光を採り入れることで、日中の人工照明用の電
力を削減でき、高い省エネルギー効果が期待できる。
自然採光は、ライトシェルフやブラインド制御等、窓廻りの工夫によって行うことが多
いが、奥行の深い事務室において、窓面から離れた廊下や地下室などのインテリア部分に
まで自然光を取り入れる手法として光ダクトシステムがあげられる。光ダクトシステムは、
従来から研究されてきた採光手法であったが、近年高反射材料が開発されたことや、調光
制御の技術が発達したことで、耐久性や快適性の検証が進み、実用化可能な手法となった。
光ダクトは、省エネルギーかつ CO₂排出量の削減や使用電力量ピーク時の電力の減少も
期待できる。また、特殊装置もなくメンテナンスフリーのため、ランニングコストがか
からず、自然光を採り入れるため、太陽高度や方位、季節等の外界条件によって明るさや
色合いが変化するという特徴をもつ。21),22)
光ダクトシステムは、南側外壁部分に設けた「採光部」、自然光を室奥に搬送するための
「導光部」、室内天井面に設けた「放光部」の3部位で構成されており、採光部から取り入
れた自然光をダクト内で反射させ放光部から室内に照射させる仕組みである。
採光部においては、太陽光を直接取り入れるため、太陽位置に捉われない高い採光効率
を持つ形状が求められる。導光部においては、取り入れた自然光の減衰を最小限にとどめ
るための高反射材料が用いられる。放光部においては、室内の光量を均一にするため、偏
光がなく拡散性能が高い形状、部材が要求される。
これらの要素から、光ダクトシステムは、大きな採光面積と同等のダクト断面積が要求
される。断面積は可能な限り縮小せず、加えて放光部以外の開口を作らないことで、室内
に伝搬する光量を確保することが重要となる。図 2-11に光ダクトの概念図を示す。
ボイドを利用したもの、ライトシェリフなどを含めた光ダクトの採用例は数多くあるが、
特に建物の天井裏を利用した水平型の採用例を図Ⅱ-3-2に示す。
2章 既存建築物のエネルギー利用調査
- 33 -
図 2-11 光ダクト概念図(東洋鋼鈑(株)「どこでも光窓」パンフレット
20)
より)
宇宙航空研究開発機構推進棟(つくば市)
19)
物質・材料研究機構環境 WIP 棟(つくば市)
図 2-12 光ダクト採用例(天井裏を利用した水平型)
採光口
採光口
放光口
2章 既存建築物のエネルギー利用調査
- 34 -
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 35 -
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
下水処理水は、年間に亘って 25℃程度の安定した温度であり、空調熱源の冷房冷却水、暖
房熱源水として利用することにより、高効率な冷暖房熱源の運用ができ、よりエネルギーの
削減が可能となる。また、冷房排熱の大気放出がなく、ヒートアイランドの抑制となる。
図 3-1 下水熱利用空調熱源システム例
下水
水再生センター
ヒート
ポンプ
建物
下水再生水
熱利用
放流(河川・海へ)
熱供給
冷水/温水
空調熱源
システム
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 36 -
3.1 下水熱利用供給施設について
未利用エネルギーとして利用可能な下水熱供給施設を想定する。
図 3-2 水再生処理フロー図
図 3-2 に水再生処理のフロー図を示す。都市部の下水は水再生センターに集め
られ、再生処理され河川等に放流されている。この下水処理水は、年間を通して
温度的に安定し、量的にも都市の活動に合わせ安定している。
高度処理された下水処理水は、水再生センターより開発地域に供給され熱利用
される。また、この下水処理水は、中水としてトイレの洗浄水等として利用する
ことも可能である。
(1)処理水(下水処理水)について
開発地域に隣接した水再生センターにおける処理水量を図 3-3 の実測値より想
定する。この実測値は、2006 年 8 月のデータで、9 日、12 日は雨水の流入があ
り増加している。この実測値を基に雨天時、休日(土曜・日曜)を除いて平均化
した予測水量を図 3-4 および表 3-1 に示す。表 3-1 の季節による相違は経験値に
より想定した。
東京都下水道局 HP より
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 37 -
図 3-3 水再生センター処理水量の実測値
(2006 年:東京都下水道局資料)
図 3-4 水再生センター処理水の供給予測量(夏期)
表 3-1 水再生センター処理水の供給量の想定
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
35,000
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23
処理
・利
用可
能水
量(m
3/h)
時刻
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
(夏期× 0.90)
18,000
20,000
24,00015,000
27,000
17,000
19,00015,000
30,000
33,000
27,000
30,000
12,000
17,000
16,000
18,000 13,000
14,000 9,000
10,000
10,000
11,0004月~11月 22,000
期間
処理水量(m3/h)
時刻
12月~3月
冬期
20,000
夏期・中間期
12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23
(夏期× 0.90)
25,000
28,000
23,000
26,000
24,000
27,000
23,000
25,000
23,000
26,000
22,000
24,000
23,000
25,000
471,000
523,000
21,000
23,000
16,000
18,000
29,000
32,000
15,000
17,000
15,000
17,0004月~11月
期間
処理水量(m3/h)
時刻
日計
12月~3月
冬期
夏期・中間期
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 38 -
下水熱利用方法として、図 3-1 下水熱利用空調熱源システム例で示す通り、ヒ
ートポンプ冷凍機への熱源水として水再生センターの処理水を用いて、冷水・温
水の熱源とする。処理水が不足したときの場合を想定し、冷房用の冷却塔を施設
する。暖房では加熱塔で大気から熱を吸熱する方式が提示されているが、暖房負
荷は小さく、水再生センターからの処理水および蓄熱槽の施設で十分賄えること
が想定され、暖房用の加熱塔の施設を考慮しないこととする。
水再生センターからの、下水処理水の水温は、年間で外気温に比べ比較的安定し
ている。夏、外気温より低く、冬、外気温より高く、外気の温度に依存する空気熱
源の熱源機より効率の高いシステムの構築が可能となる。図 3-5 に示すように、
季節により温度変化はあるが、一日のうちの時刻変化はほとんどなく、安定して
いる。
図 3-5 下水処理水の月別温度と外気温度
後楽 1丁目下水熱利用事例
新エネルギー財団 HP より
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 39 -
(2)下水熱利用地域について
未利用エネルギーの利用を優先的に検討できる新たな開発地域を想定する。図
3-1-5 に開発地域のイメージ図を示すが、開発地域に隣接し下水熱供給の可能な
大規模な水再生センターがあるものとする。
開発地域は、品川駅北周辺地区・芝浦水再生センター地区・品川駅西口地区とし、
各地区の建物用途は、表 3-2 のように想定する。
表 3-2 開発地域における規模の想定
延床面積
合計(㎡)
用途別床面積の想定(㎡)
業務 商業 居住 その他
水再生センター地区 827,895 517,181 76,715 220,155 13,844
北周辺地区 824,501 550,112 122,716 151,173 0
西口地区 965,138 356,846 86,756 111,719 409,817
北周辺地区
西口地区
水再生センター地区
図 3-6 開発地域のイメージ図
水再生センター
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 40 -
(3)検討地域の限定
未利用エネルギー利用としての下水熱利用を3地区とし、熱利用の可能性検討
を北周辺地区に限定する。
下水熱としての処理水利用量は、3地区で均等に利用できるものとし、北周辺地
区には全体の水再生センターから供給できる量の1/3とする。
下水熱利用は、居住用途を除く、熱負荷需要が大きく、安定している事務所およ
び商業用途を対象とする。
表 3-3 北周辺地区への供給量の想定
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
(夏期× 0.90)
期間
処理水量(m3/h)
時刻
6,000 5,000 4,000 4,000
夏期・中間期
7,000 7,000 6,000 11,0003,000 6,000 9,000 10,0004月~11月
5,000 4,000
冬期
6,000 6,000 5,000 5,000 4,000 3,000 5,000 8,000 9,000 10,00012月~3月
12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23
(夏期× 0.90)
期間
処理水量(m3/h)
時刻
日計
夏期・中間期
11,000 6,000 6,000 8,000 8,0006,000 9,000 9,000 9,000 8,000 175,0004月~11月 9,000 8,000
冬期
8,000 8,00010,000 5,000 7,000 7,000 155,00012月~3月 8,000 8,000 7,000 7,0005,000 5,000
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 41 -
3.2 下水熱利用地域の熱負荷算出
下水熱利用地域として北周辺地区のみの熱負荷を算出する。
地域は、東京とする。
熱負荷パターンを表 3-4 に示す。熱源機器容量は熱需要量原単位から想定し、年
間負荷は全負荷相当運転時間より想定する。
これらは、日本地域冷暖房協会資料を参照した。
表 3-4 熱負荷パターンの想定
(1)ピーク負荷
ピーク負荷は、熱需要量原単位より想定する。
表 3-5 ピーク負荷
用途 事務所 商業 合計
延床面積(㎡) 550,000 123,000 673.000
冷房負荷(W/㎡) 93 140
(MJ/h) 184,140 61,992 246,132
暖房負荷(W/㎡) 58 70
(MJ/h) 114,840 30,996 145,836
冷房 暖房 冷房 暖房 冷房 暖房
事務所 93 58 800 500 74 29
商業施設 140 70 1,000 300 140 21
主用途
熱需要量原単位
(W/㎡)
全負荷相当運転時間
(h/年)
年間熱需要量原単位
(kWh/㎡年)
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 42 -
(2)日負荷
平日の時刻別の負荷比率を表 3-6 に示す。日負荷は、年間熱需要量原単位を用
いて想定する。
休日は、各時刻において平日の負荷の 20% とする。
表 3-6 時刻別負荷比率(%)
時間 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
事務所0.7 0.7 0.6 0.6 0.6 0.6 1.0 3.7 7.2 8.3 8.3 8.5
商業施設0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 5.1 9.7
時間 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23
事務所8.4 8.2 8.1 8.1 7.9 6.4 3.6 3.0 2.2 1.4 1.1 0.8
商業施設9.8 9.8 10.0 10.2 10.2 10.2 10.0 9.9 5.1 0.0 0.0 0.0
時間 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
事務所0.3 0.0 0.0 0.3 0.5 0.6 2.1 7.2 13.7 11.6 10.3 9.3
商業施設0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 5.4 10.7
時間 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23
事務所7.8 7.6 7.0 5.9 5.8 4.0 2.0 1.4 1.3 0.7 0.4 0.2
商業施設10.6 10.0 9.9 9.4 9.4 9.4 9.8 10.0 5.4 0.0 0.0 0.0
冷
房
暖
房
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 43 -
(3)年間負荷(各月代表日負荷)
月別の負荷比率を表 3-7 および図 3-7 に示す。
表 3-7 月別負荷比率
図 3-7 月別負荷比率
月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
事務所 3.10 3.10 3.60 4.60 6.90 12.40 15.80 20.40 15.30 8.10 3.80 2.90
商業施設 1.20 1.50 2.10 4.30 9.60 14.20 15.80 22.50 15.40 8.30 3.10 2.00
月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
事務所 25.90 22.70 17.70 4.30 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 8.00 21.40
商業施設 39.70 30.30 10.70 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 19.30
冷
房
暖
房
月別冷房負荷
0.0
5.0
10.0
15.0
20.0
25.0
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 月
%
事務所
商業施設
月別暖房負荷
0.0
5.0
10.0
15.0
20.0
25.0
30.0
35.0
40.0
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 月
%
事務所
商業施設
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 44 -
各月代表日の熱負荷を図 3-8 および表 3-8 に示す。また、各月負荷を図 3-9 に
示し、年間の熱負荷を表 3-9 に示す。
図 3-8 月別時刻別熱負荷(平日)
図 3-9 月別熱負荷
月別時刻別冷熱負荷(平日平均)
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
100.0
120.0
140.0
160.0
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23時
GJ/h
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
月別時刻別温熱負荷(平日平均)
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
100.0
120.0
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23時
GJ/h
1月
2月
3月
4月
11月
12月
-30,000
-20,000
-10,000
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
月
GJ/月
冷熱負荷
暖房負荷
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 45 -
01
23
45
67
89
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
1月
1.6
1.7
1.4
1.4
1.3
1.3
2.2
7.8
15.2
18.0
19.2
19.6
19.3
19.0
18.7
18.8
18.4
15.3
9.3
7.9
5.8
3.9
3.0
2.0
232
2月
1.9
1.9
1.6
1.6
1.5
1.5
2.4
8.7
16.9
20.2
21.8
22.3
22.0
21.6
21.3
21.4
20.9
17.5
10.9
9.2
6.8
4.5
3.5
2.2
264
3月
1.9
1.9
1.5
1.5
1.5
1.4
2.3
8.3
16.1
19.4
21.4
21.9
21.6
21.2
21.0
21.1
20.6
17.4
11.1
9.4
7.0
4.7
3.6
2.3
260
4月
2.8
2.9
2.2
2.2
2.2
2.1
3.4
11.6
22.5
27.8
32.0
32.6
32.2
31.7
31.4
31.6
31.0
26.6
17.6
15.1
11.3
7.7
5.9
3.5
390
5月
5.0
5.2
4.0
4.0
3.8
3.6
5.8
19.6
37.8
47.6
56.7
57.7
57.0
56.2
55.7
56.1
55.1
47.8
32.7
28.1
21.0
14.5
11.1
6.3
692
6月
7.8
8.1
6.2
6.2
5.9
5.6
9.0
30.7
59.2
74.4
88.3
89.9
88.8
87.5
86.7
87.3
85.8
74.3
50.7
43.6
32.6
22.5
17.2
9.8
1,078
7月
9.7
10.0
7.7
7.7
7.4
7.1
11.5
39.7
76.8
95.0
110.0
112.1
110.7
109.0
108.0
108.6
106.6
91.6
61.0
52.4
39.1
26.8
20.5
12.0
1,341
8月
12.6
13.0
9.9
9.9
9.5
9.0
14.6
49.9
96.4
120.4
141.8
144.3
142.6
140.5
139.2
140.1
137.6
118.9
80.4
69.2
51.7
35.6
27.2
15.7
1,730
9月
9.8
10.1
7.8
7.8
7.5
7.2
11.6
40.2
77.7
96.2
111.3
113.3
112.0
110.2
109.2
109.8
107.8
92.6
61.7
52.9
39.5
27.0
20.7
12.1
1,356
10月
5.1
5.3
4.1
4.1
3.9
3.8
6.1
21.1
40.8
50.4
58.3
59.4
58.7
57.8
57.2
57.6
56.5
48.5
32.3
27.7
20.7
14.1
10.8
6.4
711
11月
2.3
2.4
1.9
1.9
1.8
1.7
2.8
9.9
19.2
23.4
26.4
27.0
26.6
26.2
25.9
26.1
25.5
21.8
14.2
12.1
9.0
6.1
4.7
2.8
322
12月
1.7
1.7
1.4
1.4
1.3
1.3
2.1
7.4
14.4
17.4
19.3
19.7
19.5
19.1
18.9
19.0
18.6
15.8
10.1
8.6
6.4
4.3
3.3
2.0
235
日合
計
(G
J/日
)
【平
日】
時刻
別冷
房負
荷
(G
J/h:熱
ロス
1%含
む)
月
01
23
45
67
89
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
1月
0.5
0.5
0.4
0.4
0.3
0.3
0.5
1.7
3.2
4.2
5.4
5.4
5.4
5.3
5.3
5.3
5.2
4.6
3.3
2.9
2.2
1.5
1.2
0.6
66
2月
0.6
0.6
0.4
0.4
0.4
0.4
0.6
1.9
3.7
4.9
6.5
6.6
6.5
6.4
6.4
6.5
6.4
5.7
4.2
3.7
2.8
2.0
1.5
0.8
80
3月
0.6
0.7
0.5
0.5
0.4
0.4
0.6
1.9
3.6
5.0
7.0
7.1
7.0
6.9
6.9
7.0
6.9
6.3
4.8
4.2
3.2
2.3
1.7
0.9
86
4月
1.1
1.2
0.8
0.8
0.7
0.6
1.0
2.8
5.2
7.9
12.1
12.2
12.0
12.0
12.0
12.1
12.0
11.2
9.0
7.9
6.0
4.3
3.3
1.6
150
5月
2.2
2.4
1.6
1.6
1.4
1.2
1.8
4.9
9.1
14.5
23.6
23.8
23.5
23.5
23.4
23.8
23.6
22.3
18.3
16.2
12.3
9.0
6.7
3.1
294
6月
3.5
3.8
2.4
2.4
2.1
1.8
2.7
7.6
14.2
22.5
36.4
36.7
36.2
36.2
36.1
36.7
36.4
34.3
28.2
24.8
18.9
13.7
10.3
4.8
453
7月
4.0
4.3
2.8
2.8
2.5
2.2
3.3
9.5
17.9
27.2
42.2
42.6
42.1
42.0
41.8
42.4
42.0
39.3
31.6
27.8
21.1
15.3
11.5
5.5
524
8月
5.4
5.9
3.8
3.8
3.3
2.9
4.4
12.2
22.9
35.7
57.1
57.6
56.9
56.8
56.6
57.5
57.0
53.6
43.7
38.6
29.2
21.3
16.0
7.5
710
9月
4.0
4.3
2.8
2.8
2.5
2.2
3.4
9.6
18.1
27.5
42.6
43.0
42.5
42.4
42.2
42.8
42.4
39.6
31.9
28.1
21.3
15.4
11.6
5.5
528
10月
2.1
2.3
1.5
1.5
1.3
1.2
1.8
5.0
9.5
14.4
22.3
22.5
22.2
22.1
22.0
22.4
22.2
20.7
16.6
14.7
11.1
8.1
6.1
2.9
276
11月
0.9
0.9
0.6
0.6
0.6
0.5
0.8
2.3
4.3
6.3
9.4
9.5
9.4
9.3
9.3
9.4
9.3
8.6
6.8
5.9
4.5
3.2
2.4
1.2
116
12月
0.6
0.6
0.4
0.4
0.4
0.4
0.6
1.7
3.2
4.5
6.4
6.5
6.4
6.4
6.3
6.4
6.3
5.8
4.5
3.9
3.0
2.1
1.6
0.8
79
月
【休
日】
時刻
別冷
房負
荷
(G
J/h:熱
ロス
1%含
む)
日合
計
(G
J/日
)
表3-8(
1)
各
月代
表日
負荷
(冷
房)
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 46 -
01
23
45
67
89
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
1月
2.1
0.0
0.0
2.1
3.4
4.1
14.5
49.7
95.9
94.1
87.3
79.0
67.3
62.7
58.7
50.8
48.7
37.3
23.0
12.1
10.8
4.8
2.8
1.4
813
2月
2.0
0.0
0.0
2.0
3.4
4.0
14.1
48.3
93.1
89.8
82.8
75.0
63.8
59.7
55.8
48.1
46.3
35.0
21.2
11.5
10.3
4.7
2.7
1.3
775
3月
1.3
0.0
0.0
1.3
2.1
2.6
8.9
30.6
58.7
53.2
48.2
43.6
36.8
35.1
32.6
27.8
27.0
19.6
11.0
6.6
6.0
3.0
1.7
0.9
459
4月
0.3
0.0
0.0
0.3
0.6
0.7
2.3
8.0
15.3
12.9
11.5
10.4
8.7
8.5
7.8
6.6
6.5
4.5
2.2
1.6
1.5
0.8
0.4
0.2
112
5月
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0
6月
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0
7月
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0
8月
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0
9月
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0
10月
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0
11月
0.6
0.0
0.0
0.6
1.1
1.3
4.5
15.5
29.5
24.9
22.2
20.0
16.8
16.3
15.1
12.7
12.5
8.6
4.3
3.0
2.8
1.5
0.9
0.4
215
12月
1.7
0.0
0.0
1.7
2.9
3.4
12.0
41.0
78.8
73.0
66.6
60.2
51.0
48.3
45.0
38.5
37.3
27.5
15.9
9.2
8.3
4.0
2.3
1.1
630
月
【平
日】
時刻
別暖
房負
荷
(G
J/h:熱
ロス
3%含
む)
日合
計
(G
J/日
)
表3-8(
2)
各
月代
表日
負荷
(暖
房)
01
23
45
67
89
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
1月
0.4
0.0
0.0
0.4
0.7
0.8
2.9
9.9
20.3
30.1
30.4
27.7
24.3
20.8
20.1
18.2
16.7
15.2
12.0
4.4
3.6
1.0
0.6
0.3
261
2月
0.4
0.0
0.0
0.4
0.7
0.8
2.8
9.7
19.5
27.5
27.5
25.0
21.9
18.9
18.2
16.4
15.1
13.6
10.5
4.0
3.3
0.9
0.5
0.3
238
3月
0.3
0.0
0.0
0.3
0.4
0.5
1.8
6.1
12.0
13.7
13.1
11.9
10.3
9.2
8.8
7.7
7.3
6.0
4.2
1.9
1.6
0.6
0.3
0.2
118
4月
0.1
0.0
0.0
0.1
0.1
0.1
0.5
1.6
3.1
2.6
2.3
2.1
1.7
1.7
1.6
1.3
1.3
0.9
0.4
0.3
0.3
0.2
0.1
0.0
22
5月
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0
6月
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0
7月
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0
8月
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0
9月
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0
10月
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0
11月
0.1
0.0
0.0
0.1
0.2
0.3
0.9
3.1
5.9
5.0
4.4
4.0
3.4
3.3
3.0
2.5
2.5
1.7
0.9
0.6
0.6
0.3
0.2
0.1
43
12月
0.3
0.0
0.0
0.3
0.6
0.7
2.4
8.2
16.3
20.1
19.6
17.8
15.5
13.7
13.1
11.6
10.8
9.3
6.8
2.8
2.4
0.8
0.5
0.2
174
【休
日】
時刻
別暖
房負
荷
(G
J/h:熱
ロス
3%含
む)
日合
計
(G
J/日
)
月
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 47 -
月1
23
45
67
89
10
11
12
年間
(GJ)
平日
数20
18
23
21
18
22
21
22
20
20
20
20
245
休日
数11
10
89
13
810
910
11
10
11
120
冷房
負荷
平日
4,640
4,755
5,983
8,188
12,461
23,719
28,165
38,054
27,123
14,210
6,434
4,695
178,427
(GJ/月
)休日
724
797
688
1,348
3,816
3,622
5,235
6,386
5,284
3,038
1,161
872
32,970
月合
計5,364
5,552
6,671
9,536
16,277
27,340
33,401
44,440
32,406
17,248
7,595
5,567
211,397
暖房
負荷
平日
16,253
13,948
10,548
2,342
00
00
00
4,301
12,595
59,988
(GJ/月
)休日
2,867
2,379
945
201
00
00
00
430
1,910
8,733
月合
計19,120
16,327
11,493
2,543
00
00
00
4,731
14,505
68,720
表3-9
年間
熱負
荷
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 48 -
3.3 熱源システムについて
熱負荷計算の結果より北周辺地区における空調熱源システムおよび機器容量を
想定する。熱源は、地域熱供給方式を想定し、地区内の必要な個所にエネルギーセ
ンターとしてシステムを構築し、下水熱利用システムは、水再生センターからの下
水熱を利用し、冷水・温水として各必要な建物に供給することを想定している。
下水熱利用の有効性を評価するため以下の3パターンのシステムを想定する。
① 基準システム:従来から一般的に用いられている熱源システムとし、電気・
ガスエネルギーの混合利用とする
② 蓄熱システム:冷房熱源に水蓄熱槽を利用した蓄熱システムを想定し、同じ
く蓄熱システムとなる下水熱利用システムとの比較・評価を行う
③ 下水熱利用システム:全電気システムとし、下水熱供給を平準化するための
蓄熱システムを設ける
ターボ冷凍機は、COP:6 の高効率のもので 1,000 Rt 程度の容量のものを複数台
とした台数制御を行うことを想定する。
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 49 -
(1)基準システム(ターボ冷凍機+ボイラー)
冷熱源に電動ターボ冷凍機、温熱源にガス焚ボイラーを用いた従来からの一般的
なシステムとし、冷房排熱は冷却塔により大気に放熱される。
図 3-10 基準システムフロー
表 3-10 基準システム機器仕様
エネルギーセンター
ターボ
冷凍機
ボイラー
冷熱
温熱
建物群
冷却塔
冷却
水
電力
ガス
区分
機器
記号
機器名称 台数
電動機
(kW)
TR ターボ冷凍機 22 冷却能力 1,000 RT COP 6.0 △t= 7 ℃ ( 7/14℃) 586
B 温水ボイラー 20 加熱能力 4,700 MJ/h η 0.95 ガス消費量 110 Nm3/h 9
2.1 t/h
CT 冷却塔(TR系統) 22 冷却能力 1,000 RT 水量 11,800 L/min (37/32℃) 60
PCD 冷却水ポンプ(TR系統) 22 11,800 L/min 30 mAq 96
PC1 冷水一次ポンプ(TR系統) 22 7,200 L/min 20 mAq 39
PH1 温水一次ポンプ(B系統) 20 1,900 L/min 20 mAq 10
ポ
ン
プ
仕 様
冷
却
塔
熱
源
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 50 -
(2)蓄熱システム(ターボ冷凍機
+ヒーティングタワーヒートポンプ冷凍機+蓄熱)
冷熱源に電動ターボ冷凍機および水蓄熱槽を用いた蓄熱システム、温熱源はヒー
ティングタワーによる大気熱を利用したヒートポンプ冷凍機とし、全電気システ
ムとなるので冷凍機容量の平準化および夜間電力利用を想定する。
冷水蓄熱量は、比較のため下水熱利用システムと同量の 9,600m3 とする。
図 3-11 蓄熱システムフロー
表 3-11 蓄熱システム機器仕様
エネルギーセンター
冷熱
温熱
建物群
冷却塔
電力
冷水
蓄熱
槽
熱交
換器 冷熱
温水
蓄熱
槽
冷熱
ヒート
ポンプ
冷凍機
熱交
換器
温熱
ターボ
冷凍機
冷却水
電力
冷却水
ヒーティングタワー
冷却塔
区分 機器記号 機器名称 台数
電動機
(kW)
TR ターボ冷凍機(INV) 12 冷却能力 1,000 RT COP 5.5 △t= 7 ℃ ( 5/12℃) 639
WHP 水熱源ヒートポンプ(冷却加熱塔利用) 6 冷却能力 750 RT COP 4.5 △t= 7 ℃ ( 5/12℃) 586
(INV) 放熱量 11,700 MJ/h
加熱能力 11,400 MJ/h COP 5.5 △t= 7 ℃ (47/40℃)
採熱量 9,400 MJ/h
CT1 冷却塔(TR系統) 12 冷却能力 1,000 RT 水量 12,000 L/min (37/32℃) 60
冷却加熱塔(WHP系統) 6 冷却能力 750 RT 水量 15,400 L/min (△t=3℃) 90
PCD1 冷却水ポンプ(TR系統) 12 12,000 L/min 30 mAq 98
熱源水ポンプ(WHP系統) 6 15,400 L/min 40 mAq 168
PC1 冷水一次ポンプ(TR系統) 12 7,200 L/min 30 mAq 59
冷水一次ポンプ(WHP系統) 6 5,400 L/min 30 mAq 44
温水一次ポンプ(WHP系統) 6 6,500 L/min 30 mAq 53
STC 冷水蓄熱槽 1 容量 1,700 m3 蓄熱効率 0.9 △t= 8 ℃ ( 6/14℃)
STCH 冷温水蓄熱槽 1 容量 7,900 m3 蓄熱効率 0.9 △t= 8 ℃ (46/38℃)
熱
源
機
冷
却
塔
ポ
ン
プ
仕 様
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 51 -
(3)下水熱利用システム(ターボ冷凍機+ヒートポンプ冷凍機+蓄熱)
下水処理水を熱利用し、冷熱源に電動ターボ冷凍機、ヒートポンプ冷凍機および
水蓄熱槽を、温熱源はヒートポンプ冷凍機および水蓄熱槽を用いた蓄熱システム
とし、下水熱利用の平準化および夜間電力利用を想定する。
蓄熱量は、後述の冷水:1,400m3、冷温水:7,900m3 とする。
図 3-12 下水熱利用システムフロー
表 3-12 下水熱利用システム機器仕様
エネルギーセンター
冷熱
温熱
建物群
冷却塔
電力
冷水
蓄熱
槽
熱交
換器 冷熱
温水
蓄熱
槽
冷熱
ヒート
ポンプ
冷凍機
熱交
換器
温熱
ターボ
冷凍機
冷却水
電力
冷却水
(バックアップ)
ヒーティングタワー
冷却塔
熱交
換器下水処理水
区分 機器記号 機器名称 台数
電動機
(kW)
TR ターボ冷凍機(INV) 12 冷却能力 1,000 RT COP 5.5 △t= 7 ℃ ( 5/12℃) 639
WHP 水熱源ヒートポンプ(下水利用) 6 冷却能力 750 RT COP 4.5 △t= 7 ℃ ( 5/12℃) 586
(INV) 放熱量 11,700 MJ/h
加熱能力 11,400 MJ/h COP 5.5 △t= 7 ℃ (47/40℃)
採熱量 9,400 MJ/h
CT1 冷却塔(TR系統) 12 冷却能力 1,000 RT 水量 12,000 L/min (37/32℃) 60
冷却加熱塔(WHP系統・バックアップ) 6 冷却能力 750 RT 水量 15,400 L/min (△t=3℃) 90
PCD1 冷却水ポンプ(TR系統) 12 12,000 L/min 30 mAq 98
熱源水ポンプ(WHP系統) 6 15,400 L/min 40 mAq 168
PC1 冷水一次ポンプ(TR系統) 12 7,200 L/min 30 mAq 59
冷水一次ポンプ(WHP系統) 6 5,400 L/min 30 mAq 44
温水一次ポンプ(WHP系統) 6 6,500 L/min 30 mAq 53
PWD 下水処理水ポンプ(水再生センタ側) 5,683 m3/h 20 mAq 516
STC 冷水蓄熱槽 1 容量 1,700 m3 蓄熱効率 0.9 △t= 8 ℃ ( 6/14℃)
STCH 冷温水蓄熱槽 1 容量 7,900 m3 蓄熱効率 0.9 △t= 8 ℃ (46/38℃)
熱
源
機
冷
却
塔
ポ
ン
プ
仕 様
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 52 -
(4)下水熱利用システムの蓄熱量検討
下水熱利用システムの蓄熱量は、下水熱供給の平準化を目的とし、時刻による
下水熱処理水の変化を吸収するものとする。図 3-13 は、北周辺地区へ供給可能
な夏期の処理水量を示す。冷房負荷のある平日昼間に処理水量が減少する時間
帯があり、この処理水量を冷却水として利用できる冷凍容量は、8,000Rt となる。
また、冷房負荷は小さくなるが、処理水量の一日で一番少なくなる明け方(3~
7時)の処理水利用の冷凍容量は、最低 4,000Rt 程度となる。
この 8,000Rt 分の処理水量が定量供給され、図 3-14 および表 3-13 に示すよ
うに、3~7時はその供給量が下回るので供給が停止されるものとして、冷房負
荷と処理水量による冷凍容量が一日でバランスする量を蓄熱容量とする。蓄熱
温度差を8℃とすると、9,600m3 となる。なお、蓄熱量が不足する3時間程度は
冷却塔による冷凍機の追加運転が必要となる。
図 3-13 下水処理水利用量(夏期)
図 3-14 熱負荷および蓄熱量(冷房代表日)
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
下水
処理
水量
㎥/h
時刻
供給可能量
需要量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
(G
J)
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
最大蓄熱量(322 GJ)
冷却塔による冷凍機の運転
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 53 -
表 3-13 熱負荷および蓄熱量(冷房代表日)
時
熱負荷 下水熱利用
冷凍容量
冷却塔利用
冷凍容量
蓄熱量
供給可能
下水処理
水量
利用
下水処理
水量
(GJ/h) (GJ/h) (GJ/h) (GJ) (m3/h) (m3/h)
1 12.56 101.00 0.00 326.33 5,683 5,683
2 13.02 25.25 0.00 321.79 5,683 1,421
3 9.92 12.63 0.00 321.79 5,683 710
4 9.92 0.00 0.00 311.87 0 0
5 9.47 0.00 0.00 302.40 0 0
6 9.02 0.00 0.00 293.38 0 0
7 14.57 0.00 0.00 278.81 0 0
8 49.91 0.00 0.00 228.90 0 0
9 96.37 101.00 0.00 233.54 5,683 5,683
10 120.39 101.00 0.00 214.14 5,683 5,683
11 141.75 101.00 0.00 173.40 5,683 5,683
12 144.30 101.00 0.00 130.10 5,683 5,683
13 142.57 101.00 0.00 88.53 5,683 5,683
14 140.48 101.00 0.00 49.05 5,683 5,683
15 139.20 101.00 0.00 10.85 5,683 5,683
16 140.11 101.00 39.89 0.00 5,683 5,683
17 137.56 101.00 39.19 0.00 5,683 5,683
18 118.88 101.00 26.27 0.00 5,683 5,683
19 80.45 88.38 0.00 7.93 5,683 4,973
20 69.16 75.75 0.00 14.52 5,683 4,262
21 51.69 50.50 0.00 13.33 5,683 2,842
22 35.58 101.00 0.00 78.76 5,683 5,683
23 27.21 101.00 0.00 152.55 5,683 5,683
24 15.66 101.00 0.00 237.90 5,683 5,683
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 54 -
暖房も冷房と同様とし、図 3-15 および表 3-14 参照に示すように、3~7時は
その供給量が下回るので供給が停止されるものとして、暖房負荷と処理水量に
よる加熱容量が一日でバランスする量を蓄熱容量とする。蓄熱温度差を8℃と
すると、7,900m3 となる。
図 3-15 熱負荷および蓄熱量(暖房代表日)
表 3-14 熱負荷および蓄熱量(暖房代表日)
0
50
100
150
200
250
300
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
(G
J)
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
最大蓄熱量(265 GJ)
時 熱負荷 加熱容量 蓄熱量
供給可能
下水処理
水量
利用
下水処理
水量
(GJ/h) (GJ/h) (GJ) (m3/h) (m3/h)
1 2.07 0.00 262.74 3,619 0
2 0.00 15.28 264.81 3,619 0
3 0.00 0.00 264.81 3,619 0.00
4 2.07 0.00 262.74 0.00 0.00
5 3.45 0.00 259.29 0.00 0.00
6 4.14 0.00 255.15 0.00 0.00
7 14.49 0.00 240.66 0.00 0.00
8 49.68 0.00 190.98 3,619 0
9 95.88 0.00 95.10 3,619 0
10 94.15 0.00 0.00 3,619 0
11 87.26 91.67 4.41 3,619 3,619
12 79.01 91.67 17.07 3,619 3,619
13 67.31 76.39 26.15 3,619 3,016
14 62.74 76.39 39.79 3,619 3,016
15 58.73 61.11 42.18 3,619 2,413
16 50.77 61.11 52.53 3,619 2,413
17 48.73 61.11 64.91 3,619 2,413
18 37.29 45.83 73.46 3,619 1,810
19 23.00 30.56 81.01 3,619 1,206
20 12.11 15.28 84.18 3,619 603
21 10.81 15.28 88.65 3,619 603
22 4.83 91.67 175.49 3,619 3,619
23 2.76 91.67 264.40 3,619 3,619
24 1.38 15.28 264.81 3,619 603
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 55 -
3.4 熱源シミュレーション
基準システム、蓄熱システム、下水熱利用システムについて、冷房・暖房時の年間運転シ
ミュレーションを行い、その結果を記す。計算は、国土交通省より公布されている Life
Cycle Energy Management Tool(以下、LCEM ツール)ver3.02 を用いシミュレーションを行
った。
計算条件
冷房 暖房
基準システム LCEM ツールによる年間計算 LCEM ツールによる年間計算
蓄熱システム LCEM ツールの機器データを用い計算 LCEM ツールによる年間計算
下水熱利用システム LCEM ツールの機器データを用い計算 LCEM ツールの機器データを用い計算
① 「LCEM ツールによる年間計算」
熱源システムを LCEM ツール上に構築し、マクロ機能を用いて 365 日 24 時間の年間熱
負荷計算を行う。
② 「LCEM ツールの機器データを用い計算」
LCEM ツールを用いて時刻ごとの機器の冷却水往還温度、冷温水往還温度、製造熱量、
消費電力等を求め、その結果を基に Excel ファイルを用いて蓄熱槽を想定した年間計算
を行う。
換算については、下の表 3-15換算原単位を用いる。
表 3-15 換算原単位
9.97 MJ/kWh
0.324 kg-CO2/kWh
11 円/kWh
6 円/kWh
45 MJ/Nm3
2.11 kg-CO2/m3
60 円/Nm3
下水 1 円/m3コスト
電力
ガス CO2発生量
コスト
一次エネルギー換算
CO2発生量
コスト(昼間)
コスト(夜間)
一次エネルギー換算
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 56 -
(1) 基準システムの結果
① 冷房にかかわる運転状況
図 3-16 に基準システムの冷房における各月の運転状況を示す。
・1 月
平日 休日
・2 月
平日 休日
・3 月
平日 休日
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 57 -
・4 月
平日 休日
・5 月
平日 休日
・6 月
平日 休日
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 58 -
・7 月
平日 休日
・8 月
平日 休日
・9 月
平日 休日
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 59 -
・10 月
平日 休日
・11 月
平日 休日
・12 月
平日 休日
図 3-16 冷房にかかわる各月の運転状況(基準システム)
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 60 -
② 冷房にかかわるエネルギー消費量
基準システムの冷房にかかわる各月のエネルギー消費量を表 3-16、図 3-17 に示す。
冷凍機はターボ冷凍機の電力消費量、冷却塔は冷却塔ファンの電力消費量、補機は冷水
一次ポンプ、冷却水ポンプの電力消費量である。
表 3-16 冷房にかかわる各月の電力消費量(基準システム)
図 3-17 冷房にかかわる各月の電力消費量(基準システム)
冷凍機 冷却塔 補機 合計
1月 218 52 261 530
2月 228 52 249 529
3月 267 62 261 591
4月 350 105 326 782
5月 636 153 430 1,218
6月 1,140 199 553 1,893
7月 1,631 228 624 2,483
8月 2,085 262 706 3,053
9月 1,507 220 600 2,327
10月 678 155 440 1,273
11月 276 90 306 671
12月 230 59 261 550
年間 9,244 1,637 5,017 15,899
電力消費量[MWh]
基準システム
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
3,500
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
電力
消費
量電
力消
費量
電力
消費
量電
力消
費量
[MWh]
補機
冷却塔
冷凍機
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 61 -
③ 冷房にかかわる一次エネルギー換算消費量
表 3-17、図 3-18 に基準システムの冷房にかかわる各月の一次エネルギー換算消費量
を示す。また、冷熱源のシステム COP を示す。
表 3-17 冷房にかかわる各月の一次エネルギー換算消費量(基準システム)
図 3-18 冷房にかかわる各月の一次エネルギー換算消費量(基準システム)
冷凍機 冷却塔 補機 合計
1月 2,171 514 2,601 5,286 1.53
2月 2,270 522 2,482 5,274 1.58
3月 2,665 621 2,601 5,888 1.56
4月 3,493 1,051 3,252 7,796 1.60
5月 6,339 1,521 4,287 12,146 1.60
6月 11,370 1,982 5,517 18,870 1.62
7月 16,258 2,275 6,217 24,751 1.52
8月 20,783 2,612 7,042 30,437 1.48
9月 15,022 2,190 5,985 23,196 1.58
10月 6,756 1,549 4,388 12,693 1.64
11月 2,749 897 3,049 6,695 1.53
12月 2,289 589 2,601 5,479 1.51
年間 92,164 16,323 50,024 158,510 1.56
基準システム
一次エネルギー換算消費量[GJ] システム
COP
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
35,000
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
[GJ]
補機
冷却塔
冷凍機
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 62 -
④ 暖房にかかわる運転状況
図 3-19 に基準システムの暖房における各月の運転状況を示す。
・11 月
平日 休日
・12 月 蓄熱運転
平日 休日
・1 月
平日 休日
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 63 -
・2 月
平日 休日
・3 月
平日 休日
・4 月
平日 休日
図 3-19 暖房にかかわる各月の運転状況(基準システム)
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
製造熱量
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 64 -
⑤ 暖房にかかわるエネルギー消費量
基準システムの暖房にかかわる各月のエネルギー消費量を表 3-18、図 3-20 に示す。
ボイラーはボイラーの電力消費量(送風機など)、冷却塔は冷却塔ファンの電力消費
量、補機は温水一次ポンプの電力消費量である。暖房運転期間は 1~4 月と 11~12 月と
している。
表 3-18 暖房に関わる各月の電力消費量・ガス消費量(基準システム)
図 3-20 暖房に関わる各月の電力消費量・ガス消費量(基準システム)
ボイラー 補機
1月 102 382 423,182
2月 95 353 384,150
3月 76 304 244,297
4月 36 186 54,618
5月 0 0 0
6月 0 0 0
7月 0 0 0
8月 0 0 0
9月 0 0 0
10月 0 0 0
11月 47 207 101,006
12月 86 336 318,960
年間 442 1,768 1,526,212
ガス消費量
[Nm3/h]
電力消費量[MWh]
基準システム
0
50,000
100,000
150,000
200,000
250,000
300,000
350,000
400,000
450,000
0
100
200
300
400
500
600
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
ガス
消費
量ガ
ス消
費量
ガス
消費
量ガ
ス消
費量
[Nm3/h]
電力
消費
量電
力消
費量
電力
消費
量電
力消
費量
[MWh]
補機
ボイラー
ボイラーガス消費量
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 65 -
⑥ 暖房にかかわる一次エネルギー換算消費量
表 3-19、図 3-21 に基準システムの暖房にかかわる各月の一次エネルギー換算消費量
を示す。また、温熱源に対するシステム COP を示す。
表 3-19 暖房にかかわる各月の一次エネルギー換算消費量(基準システム)
図 3-21 暖房にかかわる各月の一次エネルギー換算消費量(基準システム)
ボイラー ガス 補機 合計
1月 1,021 19,043 3,804 23,868 0.76
2月 945 17,287 3,524 21,756 0.76
3月 756 10,993 3,031 14,781 0.71
4月 362 2,458 1,851 4,671 0.50
5月 0 0 0 0 0
6月 0 0 0 0 0
7月 0 0 0 0 0
8月 0 0 0 0 0
9月 0 0 0 0 0
10月 0 0 0 0 0
11月 468 4,545 2,064 7,078 0.61
12月 858 14,353 3,353 18,564 0.74
年間 4,410 68,680 17,628 90,717 0.72
システム
COP
基準システム
一次エネルギー換算消費量[GJ]
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
[GJ]
補機
ボイラーガス消費量
ボイラー電力消費量
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 66 -
⑦ 基準システムの一次エネルギー換算消費量
表 3-20、図 3-22 に冷房と暖房の一次エネルギー換算消費量を合計したものを示す。
熱源は、ターボ冷凍機とボイラーの一次エネルギー換算消費量の合計、冷熱・温熱製造
量はターボ冷凍機とボイラーで製造した熱量の合計とする。また、一次エネルギー換算
消費量におけるシステム COP を示す。
表 3-20 各月の一次エネルギー換算消費量(基準システム)
図 3-22 各月の一次エネルギー換算消費量(基準システム)
熱源 冷却塔 補機 合計
1月 26,177 22,234 514 6,406 29,154 0.90
2月 24,789 20,501 522 6,007 27,030 0.92
3月 19,653 14,415 621 5,633 20,669 0.95
4月 14,772 6,313 1,051 5,103 12,467 1.18
5月 19,422 6,339 1,521 4,287 12,146 1.60
6月 30,610 11,370 1,982 5,517 18,870 1.62
7月 37,685 16,258 2,275 6,217 24,751 1.52
8月 44,980 20,783 2,612 7,042 30,437 1.48
9月 36,584 15,022 2,190 5,985 23,196 1.58
10月 20,846 6,756 1,549 4,388 12,693 1.64
11月 14,575 7,763 897 5,113 13,772 1.06
12月 21,933 17,500 589 5,954 24,044 0.91
年間 312,026 165,254 16,323 67,651 249,228 1.25
基準システム
冷熱・温熱
製造量[GJ]
一次エネルギー換算消費量[GJ] システム
COP
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
35,000
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
[GJ]
補機
冷却塔
熱源
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 67 -
(2)蓄熱システムの結果
① 冷房にかかわる運転状況
図 3-23 に蓄熱システムの冷房における各月の蓄熱システムの運転状況を示す。
・1 月
平日 休日
・2 月
平日 休日
・3 月
平日 休日
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 68 -
・4 月
平日 休日
・5 月
平日 休日
・6 月
平日 休日
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 69 -
・7 月
平日 休日
・8 月
平日 休日
・9 月
平日 休日
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 70 -
・10 月
平日 休日
・11 月
平日 休日
・12 月
平日 休日
図 3-23 冷房にかかわる各月の蓄熱運転状況(蓄熱システム)
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 71 -
② 冷房にかかわるエネルギー消費量
蓄熱システムの冷房にかかわる各月のエネルギー消費量を表 3-21、図 3-24 に示す。
冷凍機はターボ冷凍機の電力消費量、冷却塔は冷却塔ファンの電力消費量、補機は冷水
一次ポンプ、冷却水ポンプの電力消費量である。
表 3-21 冷房にかかわる各月の電力消費量(蓄熱システム)
図 3-24 各冷房にかかわる各月の電力消費量(蓄熱システム)
冷凍機 冷却塔 補機 合計
1月 185 29 80 294
2月 183 29 82 294
3月 243 37 103 382
4月 310 47 131 488
5月 611 83 231 924
6月 1,235 140 389 1,763
7月 1,617 171 477 2,265
8月 2,021 220 612 2,853
9月 1,647 164 458 2,269
10月 747 88 244 1,079
11月 307 40 112 459
12月 220 30 84 333
年間 9,322 1,078 3,002 13,402
蓄熱システム
電力消費量[MWh]
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
電力
消費
量電
力消
費量
電力
消費
量電
力消
費量
[MWh]
補機
冷却塔
冷凍機
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 72 -
③ 冷房にかかわる一次エネルギー換算消費量
表 3-22、図 3-25 に蓄熱システムの冷房にかかわる各月の一次エネルギー換算消費量
を示す。また、冷熱源に対するシステム COP を示す。
表 3-22 冷房にかかわる各月の一次エネルギー換算消費量(蓄熱システム)
図 3-25 冷房にかかわる各月の一次エネルギー換算消費量(蓄熱システム)
冷凍機 冷却塔 補機 合計
1月 1,841 287 799 2,927 1.97
2月 1,820 293 815 2,928 2.01
3月 2,420 367 1,023 3,810 1.94
4月 3,088 469 1,306 4,863 1.94
5月 6,087 826 2,299 9,212 1.80
6月 12,309 1,393 3,878 17,580 1.59
7月 16,121 1,708 4,753 22,582 1.52
8月 20,146 2,193 6,105 28,444 1.55
9月 16,418 1,639 4,563 22,620 1.46
10月 7,446 875 2,435 10,756 1.63
11月 3,056 402 1,119 4,577 1.77
12月 2,191 300 834 3,325 1.81
年間 92,943 10,752 29,928 133,623 1.61
蓄熱システム
一次エネルギー換算消費量[GJ] システム
COP
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
[GJ]
補機
冷却塔
冷凍機
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 73 -
④ 暖房にかかわる運転状況
図 3-26 に蓄熱システムの暖房における各月の蓄熱システムの運転状況を示す。
・11 月
平日 休日
・12 月
平日 休日
・1 月
平日 休日
0
50
100
150
200
250
300
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 74 -
・2 月
平日 休日
・3 月
平日 休日
・4 月
平日 休日
図 3-26 暖房にかかわる各月の蓄熱運転状況(蓄熱システム)
0
50
100
150
200
250
300
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 75 -
⑤ 暖房にかかわるエネルギー消費量
蓄熱システムの暖房にかかわる各月のエネルギー消費量を表 3-23、図 3-27 に示す。
ボイラーはボイラーの電力消費量、冷却塔は冷却塔ファンの電力消費量、補機は温水一
次ポンプの電力消費量である。暖房運転期間は 1~4 月と 11~12 月となる。
表 3-23 暖房にかかわる各月の電力消費量(蓄熱システム)
図 3-27 各暖房にかかわる各月の電力消費量(蓄熱システム)
ヒートポン 補機 合計
1月 1,736 296 2,031
2月 1,492 256 1,748
3月 1,025 179 1,204
4月 229 42 271
5月 0 0 0
6月 0 0 0
7月 0 0 0
8月 0 0 0
9月 0 0 0
10月 0 0 0
11月 388 70 458
12月 1,294 228 1,521
年間 6,163 1,070 7,233
蓄熱システム
電力消費量[MWh]
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
電力
消費
量電
力消
費量
電力
消費
量電
力消
費量
[MWh]
補機
ヒートポンプ
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 76 -
⑥ 暖房にかかわる一次エネルギー換算消費量
表 3-24、図 3-28 に蓄熱システムの暖房にかかわる各月の一次エネルギー換算消費量
を示す。また、温熱源に対するシステム COP を示す。
表 3-24 暖房にかかわる各月の一次エネルギー換算消費量(蓄熱システム)
図 3-28 暖房にかかわる各月の一次エネルギー換算消費量(蓄熱システム)
ヒートポン 補機 合計
1月 17,304 2,950 20,254 0.94
2月 14,877 2,555 17,432 0.95
3月 10,218 1,782 12,000 0.94
4月 2,280 417 2,697 0.99
5月 0 0 0
6月 0 0 0
7月 0 0 0
8月 0 0 0
9月 0 0 0
10月 0 0 0
11月 3,873 695 4,568 0.98
12月 12,896 2,269 15,165 0.97
年間 61,448 10,669 72,117 0.94
蓄熱システム
システム
COP
一次エネルギー換算消費量[GJ]
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
[GJ]
補機
ヒートポンプ
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 77 -
⑦ 蓄熱システムの一次エネルギー換算消費量
表 3-25、図 3-29 に冷房と暖房の一次エネルギー換算消費量を合計したものを示す。
熱源は、ターボ冷凍機とヒートポンプチラーの一次エネルギー換算消費量の合計、冷
熱・温熱製造量はターボ冷凍機とヒートポンプチラーで製造した熱量の合計とする。ま
た、一次エネルギー換算消費量におけるシステム COP を示す。
表 3-25 各月の一次エネルギー換算消費量(蓄熱システム)
図 3-29 各月の一次エネルギー換算消費量(蓄熱システム)
熱源 冷却塔 補機 合計
1月 24,464 19,145 291 3,749 23,185 1.06
2月 23,164 16,697 302 3,370 20,369 1.14
3月 17,612 12,638 347 2,804 15,790 1.12
4月 11,983 5,368 469 1,723 7,560 1.58
5月 16,602 6,087 826 2,299 9,212 1.80
6月 28,003 12,309 1,393 3,878 17,580 1.59
7月 35,161 16,121 1,749 4,753 22,623 1.55
8月 41,253 20,146 2,048 6,105 28,299 1.46
9月 33,747 16,418 1,679 4,563 22,659 1.49
10月 18,016 7,446 896 2,435 10,778 1.67
11月 12,434 6,929 391 1,814 9,134 1.36
12月 20,185 15,088 300 3,103 18,490 1.09
年間 282,626 154,391 10,693 40,597 205,680 1.37
蓄熱システム
冷熱・温熱
製造量[GJ]
一次エネルギー換算消費量[GJ] システム
COP
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
[GJ]
補機
冷却塔
熱源
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 78 -
(3)下水熱利用システムの結果
① 冷房にかかわる運転状況
図 3-30 に下水熱利用システムの冷房における各月の運転状況を示す。
・1 月
平日 休日
・2 月
平日 休日
・3 月
平日 休日
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 79 -
・4 月
平日 休日
・5 月
平日 休日
・6 月
平日 休日
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 80 -
・7 月
平日 休日
・8 月
平日 休日
・9 月
平日 休日
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 81 -
・10 月
平日 休日
・11 月
平日 休日
・12 月
平日 休日
図 3-30 冷房にかかわる各月の蓄熱運転状況(下水熱利用システム)
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
350
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 82 -
② 冷房にかかわるエネルギー消費量
下水熱利用システムの冷房にかかわる各月のエネルギー消費量を表 3-26、図 3-31 に
示す。冷凍機はターボ冷凍機の電力消費量、冷却塔は冷却塔ファンの電力消費量、補機
は冷水一次ポンプの電力消費量である。
表 3-26 冷房にかかわる各月の電力消費量(下水熱利用システム)
図 3-31 冷房にかかわる各月の電力消費量(下水熱利用システム)
冷凍機 冷却塔 補機 合計
1月 179 0 84 263
2月 168 0 82 249
3月 220 0 103 323
4月 356 0 131 487
5月 648 0 231 879
6月 1,167 0 389 1,556
7月 1,476 0 477 1,953
8月 1,962 11 612 2,586
9月 1,328 0 458 1,786
10月 663 0 244 907
11月 284 0 112 396
12月 203 0 84 287
年間 8,655 11 3,005 11,671
電力消費量[MWh]下水熱利用
システム
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
電力
消費
量電
力消
費量
電力
消費
量電
力消
費量
[MWh]
補機
冷却塔
冷凍機
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 83 -
③ 冷房にかかわる一次エネルギー換算消費量
表 3-27、図 3-32 に下水熱利用システムの冷房にかかわる各月の一次エネルギー換算
消費量を示す。また、冷熱源に対するシステム COP を示す。
表 3-27 冷房にかかわる各月の一次エネルギー換算消費量(下水熱利用システム)
図 3-32 冷房にかかわる各月の一次エネルギー換算消費量(下水熱利用システム)
冷凍機 冷却塔 補機 合計
1月 1,788 0 834 2,622 2.30
2月 1,673 0 815 2,487 2.37
3月 2,193 0 1,023 3,216 2.30
4月 3,545 0 1,306 4,851 1.94
5月 6,464 0 2,299 8,762 1.89
6月 11,632 0 3,878 15,509 1.81
7月 14,720 0 4,753 19,473 1.76
8月 19,566 110.5 6,105 25,781 1.72
9月 13,245 0 4,563 17,808 1.85
10月 6,611 0 2,435 9,046 1.94
11月 2,827 0 1,119 3,946 2.05
12月 2,026 0 834 2,860 2.11
年間 86,288 111 29,963 116,361 1.86
下水熱利用
システム
一次エネルギー換算消費量[GJ] システム
COP
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
[GJ]
補機
冷却塔
冷凍機
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 84 -
④ 暖房にかかわる運転状況
図 3-33 に下水熱利用システムの暖房における各月の運転状況を示す。
・11 月
平日 休日
・12 月 蓄熱運転
平日 休日
・1 月
平日 休日
0
50
100
150
200
250
300
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 85 -
・2 月
平日 休日
・3 月
平日 休日
・4 月
平日 休日
図 3-33 暖房にかかわる各月の蓄熱運転状況(下水熱利用システム)
0
50
100
150
200
250
300
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
0
50
100
150
200
250
300
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
熱量
[G
J]
時刻
熱負荷
冷凍容量
蓄熱量
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 86 -
⑤ 暖房にかかわるエネルギー消費量
下水熱利用システムの暖房にかかわる各月のエネルギー消費量を表 3-28、図 3-34 に
示す。ヒートポンプはヒートポンプの電力消費量、補機は温水一次ポンプの電力消費量
である。
表 3-28 暖房にかかわる各月の電力消費量(下水熱利用システム)
図 3-34 暖房にかかわる各月の電力消費量(下水熱利用システム)
ヒートポンプ 補機 合計
1月 970 231 1,201
2月 901 211 1,112
3月 623 148 771
4月 132 33 165
5月 0 0 0
6月 0 0 0
7月 0 0 0
8月 0 0 0
9月 0 0 0
10月 0 0 0
11月 220 54 274
12月 821 202 1,023
年間 3,667 880 4,547
下水熱利用
システム
電力消費量[MWh]
0
200
400
600
800
1,000
1,200
1,400
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
電力
消費
量電
力消
費量
電力
消費
量電
力消
費量
[MWh]
補機
ヒートポンプ
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 87 -
⑥ 暖房にかかわる一次エネルギー換算消費量
表 3-29、図 3-35 に下水熱利用システムの暖房にかかわる各月の一次エネルギー換算
消費量を示す。また、温熱源に対するシステム COP を示す。
表 3-29 暖房にかかわる各月の一次エネルギー換算消費量(下水熱利用システム)
図 3-35 暖房にかかわる各月の一次エネルギー換算消費量(下水熱利用システム)
ヒートポンプ 補機 合計
1月 9,671 2,304 11,976 1.68
2月 8,979 2,105 11,084 1.66
3月 6,208 1,479 7,687 1.68
4月 1,318 325 1,644 1.72
5月 0 0 0
6月 0 0 0
7月 0 0 0
8月 0 0 0
9月 0 0 0
10月 0 0 0
11月 2,194 542 2,736 1.72
12月 8,189 2,014 10,203 1.72
年間 36,560 8,769 45,329 1.69
下水熱利用
システム
一次エネルギー換算消費量[GJ] システム
COP
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
14,000
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
[GJ]
補機
ヒートポンプ
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 88 -
⑦ 下水熱利用システムの一次エネルギー換算消費量
表 3-30、図 3-36 に冷房と暖房の一次エネルギー換算消費量を合計したものを示す。
熱源は、ターボ冷凍機とヒートポンプの一次エネルギー換算消費量の合計、冷熱・温熱
製造量はターボ冷凍機とヒートポンプで製造した熱量の合計とする。また、一次エネル
ギー換算消費量におけるシステム COP を示す。
表 3-30 各月の一次エネルギー換算消費量(下水熱利用システム)
図 3-36 各月の一次エネルギー換算消費量(下水熱利用システム)
熱源 冷却塔 補機 合計
1月 26,159 11,460 0 3,138 14,598 1.79
2月 24,321 10,651 0 2,920 13,571 1.79
3月 20,311 8,401 0 2,502 10,903 1.86
4月 12,256 4,864 0 1,631 6,495 1.89
5月 16,602 6,464 0 2,299 8,762 1.89
6月 28,003 11,632 0 3,878 15,509 1.81
7月 34,328 14,720 0 4,753 19,473 1.76
8月 44,183 19,566 111 6,105 25,781 1.71
9月 32,952 13,245 0 4,563 17,808 1.85
10月 17,587 6,611 0 2,435 9,046 1.94
11月 12,789 5,021 0 1,661 6,682 1.91
12月 23,521 10,215 0 2,848 13,063 1.80
年間 293,012 122,848 111 38,732 161,691 1.81
冷熱・温熱
製造量[GJ]
一次エネルギー換算消費量[GJ] システム
COP
下水熱利用
システム
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
[GJ]
補機
冷却塔
冷凍機
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 89 -
3.5 考察
基準システム、蓄熱システム、下水熱利用システムについてのシミュレーション結果につ
いて比較・評価を行う。換算については、表 4.0.1 換算原単位を用いた。
(1)冷房にかかわるエネルギーの比較
表 3-31 と図 3-37 に各システムの冷房にかかわる一次エネルギー換算消費量を月ごとに
示す。図 3-38は、各システムの冷房にかかわる一次エネルギー換算消費量を月ごとに並べ
たグラフである。
① 夏期の一次エネルギー換算消費量について
・ 冷凍機について、蓄熱が基準に対して多少大きくなっているが、蓄熱の熱損出によ
るものである。
・ 冷凍機について、下水熱は蓄熱に比べ 10%程度小さかったのは、下水処理水の水温
が冷却水温より低く冷凍機の COP を高く運転できたためと考える。
・ 冷却塔ファンは、夜間運転となる蓄熱が昼間運転となる基準より運転時間が少ない。
下水熱については 8 月の盛夏時のみ下水熱の不足時間があり冷却塔による冷却を行
っている。
② 中間期の一次エネルギー換算消費量について
・ 冷凍機について、蓄熱が基準に対して多少大きくなっているが、蓄熱の熱損出によ
るものである。
・ 冷凍機について、下水熱は蓄熱に比べほとんど差がなかったのは、下水処理水の温
度と冷却塔による冷却水の温度の差がないからである。
・ 冷却塔ファンは、夜間運転となる蓄熱が昼間運転となる基準より運転時間が少ない。
下水熱は下水熱のみで運転が行えている。
③ 冬期の一次エネルギー換算消費量について
・ 冷凍機について、蓄熱が基準に対して少さく、下水熱は蓄熱より小さくなっている
のは、部分負荷運転時のシステム効率の違いによるものである。
④ 年間の一次エネルギー換算消費量について
・ 冷凍機について、下水熱は中間期、冬期で他のシステムとの差は小さいが、夏期で
その差は大きく、下水熱利用の有効性が判る。
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 90 -
表3-31
月別
の一
次エ
ネル
ギー
換算
消費
量の
比較
(冷
房)
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10
月1
1月
12
月年
間
基準
冷凍
機2,171
2,270
2,665
3,493
6,339
11,370
16,258
20,783
15,022
6,756
2,749
2,289
92,164
冷却
塔514
522
621
1,051
1,521
1,982
2,275
2,612
2,190
1,549
897
589
16,323
補機
2,601
2,482
2,601
3,252
4,287
5,517
6,217
7,042
5,985
4,388
3,049
2,601
50,024
合計
5,286
5,274
5,888
7,796
12,146
18,870
24,751
30,437
23,196
12,693
6,695
5,479
158,510
蓄熱
冷凍
機1,841
1,820
2,420
3,088
6,087
12,309
16,121
20,146
16,418
7,446
3,056
2,191
92,943
冷却
塔287
293
367
469
826
1,393
1,708
2,193
1,639
875
402
300
10,752
補機
799
815
1,023
1,306
2,299
3,878
4,753
6,105
4,563
2,435
1,119
834
29,928
合計
2,927
2,928
3,810
4,863
9,212
17,580
22,582
28,444
22,620
10,756
4,577
3,325
133,623
基準
に対
する
比率
0.554
0.555
0.647
0.624
0.758
0.932
0.912
0.935
0.975
0.847
0.684
0.607
0.843
下水
熱冷
凍機
1,788
1,673
2,193
3,545
6,464
11,632
14,720
19,566
13,245
6,611
2,827
2,026
86,288
冷却
塔0
00
00
00
111
00
00
111
補機
834
815
1,023
1,306
2,299
3,878
4,753
6,105
4,563
2,435
1,119
834
29,963
合計
2,622
2,487
3,216
4,851
8,762
15,509
19,473
25,781
17,808
9,046
3,946
2,860
116,361
基準
に対
する
比率
0.496
0.472
0.546
0.622
0.721
0.822
0.787
0.847
0.768
0.713
0.589
0.522
0.734
冷房
一次
消費
エネ
ルギ
ー(G
J)
夏期
中間
期冬
期年
間
基準
冷凍
機63,433
19,336
9,394
92,164
冷却
塔9,059
5,018
2,246
16,323
補機
24,762
14,975
10,287
50,024
合計
97,254
39,330
21,927
158,510
蓄熱
冷凍
機64,993
19,677
8,272
92,943
冷却
塔6,934
2,572
1,247
10,752
補機
19,299
7,159
3,470
29,928
合計
91,226
29,408
12,989
133,623
基準
に対
する
比率
0.938
0.748
0.592
0.843
下水
熱冷
凍機
59,162
19,446
7,680
86,288
冷却
塔111
00
111
補機
19,299
7,159
3,505
29,963
合計
78,572
26,605
11,185
116,361
基準
に対
する
比率
0.808
0.676
0.510
0.734
蓄熱
に対
する
比率
0.861
0.905
0.861
0.871
冷房
一次
消費
エネ
ルギ
ー(G
J)
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 91 -
図 3-37 月別の一次エネルギー換算消費量の比較(冷房)
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
35,000
基準 蓄熱 下水熱
一次
一次
一次
一次
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
消費
量消
費量
消費
量消
費量
[GJ]
1月月月月補機
冷却塔
冷凍機
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
35,000
基準 蓄熱 下水熱
一次
一次
一次
一次
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
消費
量消
費量
消費
量消
費量
[GJ]
2月月月月補機
冷却塔
冷凍機
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
35,000
基準 蓄熱 下水熱
一次
一次
一次
一次
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
消費
量消
費量
消費
量消
費量
[GJ]
3月月月月補機
冷却塔
冷凍機
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
35,000
基準 蓄熱 下水熱
一次
一次
一次
一次
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
消費
量消
費量
消費
量消
費量
[GJ]
4月月月月補機
冷却塔
冷凍機
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
35,000
基準 蓄熱 下水熱
一次
一次
一次
一次
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
消費
量消
費量
消費
量消
費量
[GJ]
5月月月月補機
冷却塔
冷凍機
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
35,000
基準 蓄熱 下水熱
一次
エネ
ルギ
ー消
費量
一次
エネ
ルギ
ー消
費量
一次
エネ
ルギ
ー消
費量
一次
エネ
ルギ
ー消
費量
[GJ]
6月月月月補機
冷却塔
冷凍機
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
35,000
基準 蓄熱 下水熱
一次
エネ
ルギ
ー消
費量
一次
エネ
ルギ
ー消
費量
一次
エネ
ルギ
ー消
費量
一次
エネ
ルギ
ー消
費量
[GJ]
7月月月月補機
冷却塔
冷凍機
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
35,000
基準 蓄熱 下水熱
一次
一次
一次
一次
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
消費
量消
費量
消費
量消
費量
[GJ]
8月月月月補機
冷却塔
冷凍機
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
35,000
基準 蓄熱 下水熱
一次
一次
一次
一次
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
消費
量消
費量
消費
量消
費量
[GJ]
9月月月月補機
冷却塔
冷凍機
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
35,000
基準 蓄熱 下水熱
一次
一次
一次
一次
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
消費
量消
費量
消費
量消
費量
[GJ]
10月月月月補機
冷却塔
冷凍機
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
35,000
基準 蓄熱 下水熱
一次
一次
一次
一次
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
消費
量消
費量
消費
量消
費量
[GJ]
11月月月月補機
冷却塔
冷凍機
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
35,000
基準 蓄熱 下水熱
一次
一次
一次
一次
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
消費
量消
費量
消費
量消
費量
[GJ]
12月月月月補機
冷却塔
冷凍機
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 92 -
図 3-38 各システムの冷房にかかわる一次エネルギー換算消費量の比較
図 3-39 は、各月の一次エネルギー換算消費量を合計した値である。削減率は、基準シス
テムの値を基準として算出した。年間の一次エネルギー換算消費量を比較すると、蓄熱シス
テムは 15.7%、下水熱利用システムでは 26.6%が削減されることが分かった。
図 3-39 各システムの年間の一次エネルギー換算消費量と削減率(冷房)
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
35,000
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
[GJ]
基準システム
蓄熱システム
下水熱利用システム
0
20,000
40,000
60,000
80,000
100,000
120,000
140,000
160,000
180,000
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量[GJ]
基準システム
蓄熱システム
下水熱利用システム
15.7% 26.6%
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 93 -
(2)暖房にかかわるエネルギーの比較
表 3-32 と図 3-40 に各システムの暖房にかかわる一次エネルギー換算消費量を月ごとに
比較する。図 3-41は、各システムの暖房にかかわる一次エネルギー換算消費量を月ごとに
並べたグラフである。
① 暖房一次エネルギー換算消費量について
・ 下水熱利用は、システム COP が高く、ガスを熱源とした暖房システムより格段にい
い結果となった
・ 下水処理水温度は暖房期では外気温より高く、ヒーティングタワーで大気熱を利用
する蓄熱システムより高いシステム COP となった
・ 冷房負荷を中心として下水熱利用システムを構築した場合、暖房に対しては下水熱
を熱源水として全量賄えることが判った
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 94 -
表 3-32 月別の一次エネルギー換算消費量の比較(暖房)
図 3-40 月別の一次エネルギー換算消費量の比較(暖房)
11月 12月 1月 2月 3月 4月 年間
基準 熱源電力 468 858 1,021 945 756 362 4,410
ガス 4,545 14,353 19,043 17,287 10,993 2,458 68,679
補機 2,064 3,353 3,804 3,524 3,031 1,851 17,627
合計 7,077 18,564 23,868 21,756 14,780 4,671 90,716
蓄熱 熱源電力 3,873 12,896 17,304 14,877 10,218 2,280 61,448
ガス 0 0 0 0 0 0 0
補機 695 2,269 2,950 2,555 1,782 417 10,668
合計 4,568 15,165 20,254 17,432 12,000 2,697 72,116
基準に対する比率
0.645 0.817 0.849 0.801 0.812 0.577 0.795
下水熱 熱源電力 2,194 8,189 9,671 8,979 6,208 1,318 36,559
ガス 0 0 0 0 0 0 0
補機 541 2,014 2,304 2,104 1,479 325 8,767
合計 2,735 10,203 11,975 11,083 7,687 1,643 45,326
基準に対する比率
0.386 0.550 0.502 0.509 0.520 0.352 0.500
暖房一次エネルギー換算消費量(GJ)
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
基準 蓄熱 下水熱
一次
一次
一次
一次
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
消費
量消
費量
消費
量消
費量
[GJ]
11月月月月補機
ガス
冷凍機・ボイラ
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
基準 蓄熱 下水熱
一次
一次
一次
一次
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
消費
量消
費量
消費
量消
費量
[GJ]
12月月月月補機
ガス
冷凍機・ボイラ
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
基準 蓄熱 下水熱
一次
一次
一次
一次
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
消費
量消
費量
消費
量消
費量
[GJ]
1月月月月補機
ガス
冷凍機・ボイラ
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
基準 蓄熱 下水熱
一次
一次
一次
一次
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
消費
量消
費量
消費
量消
費量
[GJ]
2月月月月補機
ガス
冷凍機・ボイラ
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
基準 蓄熱 下水熱
一次
一次
一次
一次
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
消費
量消
費量
消費
量消
費量
[GJ]
3月月月月補機
ガス
冷凍機・ボイラ
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
基準 蓄熱 下水熱
一次
一次
一次
一次
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
エネ
ルギ
ーエ
ネル
ギー
消費
量消
費量
消費
量消
費量
[GJ]
4月月月月補機
ガス
冷凍機・ボイラ
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 95 -
図 3-41 各システムの暖房にかかわる一次エネルギー換算消費量の比較
図 3-42 は、各月の一次エネルギー換算消費量を合計した値である。削減率は、基準シス
テムの値を基準として算出した。年間の一次エネルギー量を比較すると、蓄熱システムで
20.5%、下水熱利用システムで 50%の削減となることが判った。このことから、暖房時に
おいて下水熱利用システムが基準システムに比べ非常に有用であることが確認できる。
図 3-42 各システムの年間の一次エネルギー換算消費量と削減率(暖房)
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
35,000
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
[GJ] 基準システム
蓄熱システム
下水熱利用システム
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
70,000
80,000
90,000
100,000
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量[GJ]
基準システム
蓄熱システム
下水熱利用システム
50.0%20.5%
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 96 -
(3)一次エネルギー換算消費量の比較
表 3-33 と図 3-43 に、各システムの冷房と暖房の一次エネルギー換算消費量を合計した
値を各月ごとに示す。図 3-44は各システムの一次エネルギー換算消費量を月ごとに並べた
グラフである。
夏期において下水処理水温度と冷却塔を用いた冷却水温度の差は小さく、エネルギー消
費の差は大きくない。下水処理水を用いる場合、冷却塔のバックアップを考慮するなどの、
冷凍機が常に高効率で運転できるようになるシステム構築が肝要である。
冬期においては、下水処理水温度は、外気温度に対して高く維持され、熱源としての有効
性が確認できた。
また、ここからは、下水熱利用システムは、水再生センターからの処理水の搬送動力を考
慮して評価する。
図 3-43 下水熱利用システムに下水供給動力を付加した場合の一次エネルギー換算消費量
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一
次エ
ネル
ギー
換算
消費
量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一
次エ
ネル
ギー
換算
消費
量 [G
J]
下水供給ポンプ
補機
冷却塔
冷凍機
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 97 -
表3-33
月別
の一
次エ
ネル
ギー
換算
消費
量の
比較
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10
月1
1月
12
月年
間
基準
熱源
電力
3,191
3,215
3,421
3,855
6,339
11,370
16,258
20,783
15,022
6,756
3,217
3,147
96,574
冷却
塔514
522
621
1,051
1,521
1,982
2,275
2,612
2,190
1,549
897
589
16,323
ガス
19,043
17,287
10,993
2,458
00
00
00
4,545
14,353
68,680
補機
6,406
6,007
5,633
5,103
4,287
5,517
6,217
7,042
5,985
4,388
5,113
5,954
67,651
合計
29,154
27,030
20,669
12,467
12,146
18,870
24,751
30,437
23,196
12,693
13,772
24,044
249,228
蓄熱
熱源
電力
19,145
16,697
12,638
5,368
6,087
12,309
16,121
20,146
16,418
7,446
6,929
15,088
154,391
冷却
塔287
293
367
469
826
1,393
1,708
2,193
1,639
875
402
300
10,752
補機
3,749
3,370
2,804
1,723
2,299
3,878
4,753
6,105
4,563
2,435
1,814
3,103
40,597
合計
23,181
20,360
15,810
7,560
9,212
17,580
22,582
28,444
22,620
10,756
9,145
18,490
205,740
基準
に対
する
比率
0.795
0.753
0.765
0.606
0.758
0.932
0.912
0.935
0.975
0.847
0.664
0.769
0.826
下水
熱熱
源電
力11,460
10,651
8,401
4,864
6,464
11,632
14,720
19,566
13,245
6,611
5,021
10,215
122,848
冷却
塔0
00
00
00
111
00
00
111
補機
3,138
2,920
2,502
1,631
2,299
3,878
4,753
6,105
4,563
2,435
1,661
2,848
38,732
合計
14,598
13,571
10,903
6,495
8,762
15,509
19,473
25,781
17,808
9,046
6,682
13,063
161,691
基準
に対
する
比率
0.501
0.502
0.527
0.521
0.721
0.822
0.787
0.847
0.768
0.713
0.485
0.543
0.649
下水
熱合
計15,042
14,016
11,337
6,909
9,337
16,569
20,929
27,704
19,149
9,607
7,104
13,480
171,184
ポン
プ含
基準
に対
する
比率
0.516
0.519
0.549
0.554
0.769
0.878
0.846
0.910
0.826
0.757
0.516
0.561
0.687
一次
消費
エネ
ルギ
ー(G
J)
夏期
中間
期冬
期年
間
基準
熱源
電力
63,433
20,167
12,974
96,574
冷却
塔9,059
5,018
2,246
16,323
ガス
07,003
61,676
68,680
補機
24,762
18,890
23,999
67,651
合計
97,254
51,078
100,896
249,228
蓄熱
熱源
電力
64,993
25,830
63,568
154,391
冷却
塔6,934
2,572
1,247
10,752
補機
19,299
8,272
13,027
40,597
合計
91,226
36,673
77,841
205,740
基準
に対
する
比率
0.938
0.718
0.771
0.826
下水
熱冷
凍機
59,162
22,959
40,727
122,848
冷却
塔111
00
111
補機
19,299
8,026
11,407
38,732
合計
78,572
30,985
52,134
161,691
基準
に対
する
比率
0.808
0.607
0.517
0.649
蓄熱
に対
する
比率
0.861
0.845
0.670
0.786
下水
熱合
計84,351
32,957
53,876
171,184
ポン
プ含
基準
に対
する
比率
0.867
0.645
0.534
0.687
蓄熱
に対
する
比率
0.925
0.899
0.692
0.832
一次
消費
エネ
ルギ
ー(G
J)
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 98 -
図 3-44 各月の一次エネルギー換算消費量の比較
図 3-45 は、各月の一次エネルギー換算消費量を合計した値である。削減率は、基準シス
テムの値を基準として算出した。年間の一次エネルギー換算消費量を比較すると、蓄熱シス
テムは 17.4%、下水熱利用システムでは 31.4% 削減されることが分かった。
図 3-45 各システムの年間の一次エネルギー換算消費量と削減率
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
35,000
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一
次エ
ネル
ギー
換算
消費
量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一
次エ
ネル
ギー
換算
消費
量 [G
J] 基準システム
蓄熱システム
下水熱利用システム
0
50,000
100,000
150,000
200,000
250,000
300,000
基準システム 蓄熱システム 下水熱利用
システム
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量
一次
エネ
ルギ
ー換
算消
費量[G
J]
17.4% 31.3%
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 99 -
(4)CO2排出量の比較
表 3-34、図 3-46 は、各システムの電力消費量、ガス消費量を CO2排出量に換算し、CO
2
排出量を比較したグラフである。
基準システムを基準とした場合、蓄熱システムは 26.4%、下水熱利用システムは
42.2%の CO2排出削減効果があることが分かった。
表 3-34 各システムの CO2排出量
図 3-46 各システムの CO2排出量と削減率
基準システム 蓄熱システム
下水熱利用
システム
CO2排出量
[t-CO2]
9,088 6,686 5,560
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
基準システム 蓄熱システム 下水熱利用
システム
CO2排
出量
排出
量排
出量
排出
量[t-CO2]
26.4% 38.8%
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 100 -
(5)エネルギーコストの比較
各システムの電力消費量、ガス消費量、下水利用料金から運転コストを算出し、それぞ
れの比較を行った。図 3-47 に各システムの年間の電力料金を示す。また、表 3-35 には各
システムの各月ごとの電力料金表を示す。蓄熱システムと下水熱利用システムは、昼夜電
力と夜間電力に分けて電力料金を算出している。なお、夜間電力は 22:00~08:00 の間の
時間帯に利用した電力消費量とした。
また、下水熱システムには熱利用料金 1 円/m3 を付加している。それを見込んだエネ
ルギーコストは蓄熱システムとほぼ同額となる。コストメリットを考えると下水熱利用料
金は 1 円/m3 以上の金額設定が難しい。
基準システムと比較した場合、冷房暖房合計の料金において、蓄熱システムでは
42.0%、下水熱利用システムでは 49.8% 削減されることが判った。
図 3-47 各システムのエネルギーコスト
0
50,000
100,000
150,000
200,000
250,000
300,000
350,000
基準システム 蓄熱システム 下水熱利用システム
エネ
ルギ
ーコ
スト
エネ
ルギ
ーコ
スト
エネ
ルギ
ーコ
スト
エネ
ルギ
ーコ
スト[千
円千
円千
円千
円]
42.0% 45.2%
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 101 -
表 3-35 各システムのエネルギーコスト表
冷房+暖房
1月 5,832 1月 483,938 423,182 30,714 36,546
2月 5,819 2月 448,259 384,150 27,980 33,798
3月 6,496 3月 379,883 244,297 18,837 25,333
4月 8,601 4月 221,969 54,618 5,719 14,320
5月 13,401 5月 0 0 0 13,401
6月 20,819 6月 0 0 0 20,819
7月 27,308 7月 0 0 0 27,308
8月 33,581 8月 0 0 0 33,581
9月 25,593 9月 0 0 0 25,593
10月 14,004 10月 0 0 0 14,004
11月 7,386 11月 254,005 101,006 8,854 16,241
12月 6,046 12月 422,363 318,960 23,784 29,829
小計 174,886 小計 2,210,417 1,526,212 115,887 290,773
昼間 夜間
1月 0 244,452 1,467 1月 995,906 1,035,588 17,168 18,635
2月 0 250,522 1,503 2月 806,440 942,030 14,523 16,026
3月 0 344,106 2,065 3月 352,143 851,482 8,982 11,047
4月 69,590 338,225 2,795 4月 0 270,546 1,623 4,418
5月 384,265 314,536 6,114 5月 0 0 0 6,114
6月 1,159,069 496,287 15,727 6月 0 0 0 15,727
7月 1,498,941 674,042 20,533 7月 0 0 0 20,533
8月 2,164,784 777,327 28,477 8月 0 0 0 28,477
9月 1,515,426 709,190 20,925 9月 0 0 0 20,925
10月 492,733 391,021 7,766 10月 0 0 0 7,766
11月 0 387,489 2,325 11月 0 458,192 2,749 5,074
12月 0 282,789 1,697 12月 620,921 900,184 12,231 13,928
小計 7,284,809 5,209,986 111,393 小計 2,775,410 4,458,021 57,278 168,670
昼間 夜間 昼間 夜間
1月 0 209,512 1,257 1月 747,306 273,405 9,861 11,901
2月 0 211,998 1,272 2月 648,191 315,785 9,025 11,012
3月 0 291,663 1,750 3月 440,181 272,493 6,477 8,737
4月 68,392 341,958 2,804 4月 0 148,907 893 4,228
5月 360,908 300,757 5,775 5月 0 0 0 6,709
6月 1,012,747 441,850 13,791 6月 0 0 0 15,367
7月 1,291,591 582,581 17,703 7月 0 0 0 19,605
8月 1,963,115 705,709 25,829 8月 0 0 0 28,263
9月 1,190,767 561,166 16,465 9月 0 0 0 18,333
10月 403,836 338,701 6,474 10月 0 0 0 7,464
11月 0 333,908 2,003 11月 0 247,898 1,487 3,946
12月 0 240,539 1,443 12月 568,543 337,572 8,279 10,406
小計 6,291,356 4,560,343 96,567 小計 2,404,221 1,596,060 36,023 145,971
1月 783 7月 1902
2月 715 8月 2434
3月 510 9月 1868
4月 531 10月 990
5月 934 11月 455
6月 1576 12月 683
小計 13,381
コスト
[千円]
電力消費量[kw] コスト
[千円]
510
531
下
水
熱
利
用
シ
ス
テ
ム
コスト
[千円]
電力消費
量
ガス消費量
[Nm3/h]
コスト
[千円]
電力消費量[kw]
電力消費量[kw] コスト
[千円]
コスト
[千円]
電力消費
量
ガス消費量
[Nm3/h]
549,595
530,201
528,956
590,569
781,927
1,218,246
1,892,663
基
準
シ
ス
テ
ム
冷 房 暖 房
蓄
熱
シ
ス
テ
ム
783
715
15,898,735
2,482,511
3,052,840
2,326,614
[千円]
[千円]
[千円]
冷房+暖房
下水処理水量[千㎥]
コスト
[千円]
コスト
[千円]
冷房+暖房
下水処理水量[千㎥]
1,273,134
671,478
6831,576
934
1902
2434
1,868
990
455
電力消費量[kw]
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 102 -
(6)イニシャルコストおよび経済性評価
① イニシャルコスト
各システムのイニシャルコストを概算で表 3-1-36 に示す。基準システムの冷凍機は
非蓄熱であり、ピーク負荷に合わせた台数が多く、非インバータ機ではあるが、その他
の蓄熱システムとの価格差は大きくない。基準システムは、ガス配管および煙道などの
付帯設備のための施設費が高い。下水熱利用システムにはバックアップのための加熱塔
を考慮しており、加熱塔を設けなければならない蓄熱システムとの価格差は小さいが、
下水熱利用システムには、下水処理水との熱交換器を設けているための価格が高くなっ
ている。
基準システムと比べ、蓄熱システムでは 29%、下水熱利用システムでは 34%のコスト増
となる。
表 3-36 各システムのイニシャルコスト
基準システム 蓄熱システム 下水熱システム
・ターボ冷凍機 ・ターボ冷凍機(INV) ・ターボ冷凍機(INV)
・ボイラー ・HPターボ冷凍機(INV) ・HPターボ冷凍機(INV)
冷凍機 1,300,000 1,100,000 1,100,000
ヒートポンプ冷凍機 - 780,000 780,000
ボイラー 310,000 - -
220,000 440,000 610,000
710,000 470,000 470,000
- 380,000 380,000
700,000 1,000,000 1,000,000
3,240,000 4,170,000 4,340,000
熱
源
機
合計
イニシャルコスト
(千円)
熱源設備に係る電気設備
蓄熱槽(躯体構築除く)
配管等付帯設備
補機類(ポンプ、冷却塔など)
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 103 -
② 経済性評価
イニシャルコストを抑えた基準システムに比べて全電気方式となる蓄熱システム、下
水熱利用システムを評価する。蓄熱システムおよび下水熱利用システム共に蓄熱槽を設
け、冷凍機の機器容量を小さくし、夜間電力を利用することでランニングコストを抑え
るようにした。表 3-37に蓄熱システムおよび下水熱システムの単純回収年を示す。
表 3-37 経済性評価
下水熱利用システムには、下水処理利用料金を賦課したが、単純回収年としては基準
システムと比べ 8 年程度と十分に経済性が見込める試算となった。また、同じ全電気方
式の蓄熱システムに比べると 17 年程度となり、下水熱を利用することの優位性が下が
る。
基準システム 蓄熱システム 下水熱システム
・ターボ冷凍機 ・ターボ冷凍機(INV) ・ターボ冷凍機(INV)
・ボイラー ・HPターボ冷凍機(INV) ・HPターボ冷凍機(INV)
(千円) 3,240,000 4,170,000 4,340,000
基準に対する増額 (千円) - 930,000 1,100,000
蓄熱に対する増額 (千円) - - 170,000
(千円) 291,000 169,000 159,000
基準に対する削減額 (千円) - 122,000 132,000
蓄熱に対する増額 (千円) - - 10,000
基準 - 7.6 8.3
蓄熱 - - 17.0
イニシャルコスト
エネルギーコスト(千円)
単純回収年
3章 空調熱源としての下水熱利用可能性評価
- 104 -
3.6 まとめ
基準システムおよび蓄熱システムに対し、下水熱利用システムを評価したが、
一次エネルギー換算消費量においては
基準システムより 35.7%の削減、
蓄熱システムより 25.4%の削減となり、
CO2排出量においては、
基準システムより 42.7%の削減、
蓄熱システムより 33.5%の削減、
経済性においては、
基準システムに対し 8.3 年で回収、
蓄熱システムに対し 17.0 年で回収
することが試算された。
このことから下水熱による再生エネルギーの利用について以下のことが言える。
・ 省エネルギー効果および温暖化ガス排出抑制効果について十分に有効である
・ 冷房にかかわる下水熱利用は、外気への排熱(冷却塔利用)との併用ができるシステ
ム構築を考慮する
・ 暖房にかかわる下水熱利用を優先利用できるシステムの構築を考慮する
下水熱利用システムは、一次エネルギー換算消費量の大幅な削減は可能である。しかし、
温度ポテンシャルを利用可能とするためのヒートポンプのエネルギー源となる電力が必要
で、大規模なシステムにおいては、それを太陽光発電などの自然エネルギーに求めること
は規模的に難しい。だが、一次エネルギー換算削減比率を見ると、負荷に対して自然エネ
ルギー供給のバランスが取れる中小規模においては、ZEB 化を援助するための再生エネル
ギー源として有効であることが示唆された。
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 105 -
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
照明電力は建物のエネルギー消費量の約 20~30%を占め、その削減は ZEB 実現にとって
重要なテーマの一つである。光ダクトは室内全体に自然光を採り込むことができ、日中の人
工照明用の電力を削減できる。省エネルギー性能に加えて自然光を室内で享受することが
可能となるメリットもある。光ダクトシステムは天井内にダクトを設置するスペースが必
要であり、階高の制約が厳しい都市部のオフィスビルでは、既存の空調用ダクトと両立する
ことができず、普及の妨げになっていた。
この課題を解決するため,光ダクトと空調ダクトを統合することによりスペースを有効利
用し、普及の促進を図る。採光・空調併用ダクトの概念図を図 4-1 に示す。
図 4-1 採光・空調統合ダクト概念図
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 106 -
4.1 空調ダクト用高反射材の開発
既存の一般空調ダクトで求められているダクト材質に対する課題を整理し、採光・空調統
合ダクトとした場合のダクト材質の開発資料とする。
ここでいう一般空調ダクトとは、人の健康維持のための室内環境制御を行う空調設備のダ
クトを対象とし、クリーンルームなどの特殊環境制御用の空調ダクトを対象外とする。
ダクト材質に求められる要件
� 加工の容易性
� 一般原料利用(入手しやすく、低コストなもの)
� 耐候性
� 耐腐食性
� 不燃性
などが求められる。
空調ダクトは、一般には居室内に設置され、結露防止の断熱が施されるので、ダクト外面
の耐候性を考慮する必要はないが、ダクト内を通過する空気に対しての耐候性を検討する
ために空調ダクト内部の環境調査を行う。
(1)空調ダクト内部の環境調査(温湿度)
居住域の室内環境は、建物用途、計画要件により差異はあるが、大まかに以下の温湿度
環境が設計上の仕様となっている。
表 4-1 室内条件の基準値とビル管理法(参考値)
注)ビル管理法:「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」
建 物 用 途 夏 期 冬 期 中 間 期
住 宅
(※湿度成行きが多い)
26℃,50%
※
(25℃~
28℃)
22℃
(18℃~
24℃)
(40%~50%)
※
-
一 般 建 物
(事務所ビルなど)
26℃,50%
(25℃~
28℃)
(50%~60%)
22℃,50%
(18℃~
22℃)
(40%~50%)
24℃,50%
店 舗
(デパートなど)
27℃,50%
(25℃~
28℃)
(50%~60%)
21℃,50%
(18℃~
22℃)
(40%~50%)
24℃,50%
病 院
(診察室・病室など)
25℃,50%
(24℃~
26℃)
(50%~60%)
23℃,50%
(22℃~
25℃)
(40%~60%)
24℃,50%
ビ ル 管 理 法 温度:17℃~28℃,湿度:40%~70%
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 107 -
また、室内環境維持のための換気として、外気導入が必要となるが、空調ダクトを対象と
した場合のダクト内温熱環境は、熱処理された後となるため、室内温熱環境に依存したも
のとなる。
以下に事務所ビルの一般的な空調システムを示す。
図 4-2 一般的な空調システムフロー(事務所ビル)
1)空調ダクト内温熱環境
空調機で熱処理された空調給気の熱特性は、空調対象室の温湿度条件、熱負荷により決
められる。
事務室を対象とした空調給気は、以下のように設計され、
冷房時:16℃DB・87%RH
暖房時:35℃DB・24%RH
となる。
設計条件として、事務室基準階267㎡を空調するものとし、空調機の仕様は、公共建
築設備設計基準:平成18年版を参照する。
表 4-2 空調機設計条件
事務室
空調機
外気
排気
(26℃DB・50%RH)
屋外
吹出口
給気ダクト
吸込口
送風機
コイル
還
気
ダ
ク
ト
フィルタ
送風機
① 室内温湿度 26.0 ℃(DB) 22.0 ℃(DB)
50.0 %(RH) 50.0 %(RH)
② 外気温湿度 35.0 ℃(DB) 0.5 ℃(DB)
60.0 %(RH) 30.0 %(RH)
③ 空調給気風量 30.0 CMH/㎡
④ 外気風量 25.0 CMH/人
(0.20 人/㎡) 5.0 CMH/㎡
冷房 暖房
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 108 -
表 4-3 空調機仕様
図 4-3 空調機選定表(建築設備設計基準:平成18年版)
⑤ 給気風量 8,000 CMH
受持ち面積 267 ㎡
導入外気量 1,333 CMH
⑥ コイル能力 52.3 kW 52.3 kW
⑦ 混合空気エンタルピ 59.1 kJ/kg' 37.2 kJ/kg'
⑧ コイル出口エンタルピ 39.5 kJ/kg' 56.8 kJ/kg'
⑨ 給気温湿度 16.0 ℃(DB) 35.0 ℃(DB)
87.0 %(RH) 24.0 %(RH)
ユニット形空調機: 80 番の場合
建築設備設計基準:平成18年版
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 109 -
図 4-4 空調機選定空気線図
2)エアフローウィンドーシステム排気ダクト内温熱環境
近年、空調システムのペリメータの熱処理手法としてエアフローウィンドーシステム
の採用が多くなってきている。これは、外皮窓ガラスを2重化し、その間にある日射遮
蔽装置(ブラインドなど)が日射を熱として室内への日射熱侵入を抑制するもので、日
射遮蔽装置で変換された日射熱は室内の排気で屋外に排出し、空調熱負荷を小さくする
ものである。以下にエアフローウィンドーシステムの空調システムフローを示す。
図 4-5 エアフローウィンドー空調システムフロー(事務所ビル)
事務室
空調機
外気
排気
(26℃DB・50%RH)
屋外
吹出口吸込口
送風機
コイル
還
気
ダ
ク
ト
フィルタ
送風機
給気ダクト
エアフロー用排気ダクト
エアフロー
ウィンドー
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 110 -
エアフローウィンドーで日射熱を吸収した空調排気の熱特性は、空調対象室の温湿度
条件、日射熱負荷により決められる。
事務室を対象としたエアフローウィンドーの空調排気は、以下のように設計され、
冷房時:53.3℃DB
となる。暖房時はこの排気は休止させる。
図 4-6 エアフローウィンドーシステム空調排気
① ガラス窓標準日射熱取得(7月23日)
南面(12時) 180 W/㎡
東面(9時) 491 W/㎡
西面(16時) 609 W/㎡
② Low-eペア遮蔽係数 0.39
③ ガラス面積 20.8 ㎡
(6.4×3.25mH)
④ エアフロー排気量 540 CMH
(1スパン分)
⑤ エアフロ内日射熱取得量
南面(12時) 1,460 W
東面(9時) 3,983 W
西面(16時) 4,940 W
⑥ エアフロ吸込空気温度 26.0 ℃
⑦ エアフロ排気温度
南面(12時) 34.1 ℃
東面(9時) 48.0 ℃
西面(16時) 53.3 ℃
日射
排気
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 111 -
(2)ダクト材質に与える環境負荷
空調ダクトの耐腐食性では、ダクト材質に与える環境負荷として、腐食性物質(ガス・
ミストなど)および採光・空調ダクトとした場合の反射率確保を前提とした塵埃を対象と
して検討する。
空調給気ダクトの場合、腐食性物質の室内での発生はほとんどなく、外気からもたらさ
れるものがほとんどで、空調室内に堆積しない限り、一般のエアフィルタでは腐食性物質
(ガス性状のもの)は除去されないので、空調給気の腐食性物質濃度は外気の濃度と同一
となる。一般にはその濃度は希薄であるが、地域、場所により、海岸線近くでは塩害粒子
の影響、工場や幹線道路近くでは硫黄酸化物・窒素酸化物(光化学オキシダント)などの
腐食性物質の影響があり、それ用のエアフィルタを用いるなど、空調ダクトの材質を腐食
するトラブルまでに至らないように計画している。新規に材料を開発する場合には対象と
なる腐食性物質について耐腐食性を評価しておく必要がある。
また、塵埃についてはダクト材質に与える影響はほとんどないものの、ダクト内面に付
着した場合、光の反射を阻害する可能性があり、塵埃について評価する必要がある。
1)塵埃
室内環境に影響する塵埃は、外気からもたらされるもの、室内で発生するものがあり、
空調システムでは、環境基準で規定されている濃度以下となるよう、エアフィルタなど
の空気清浄装置により塵埃を除去している。
空調給気ダクト内の塵埃濃度は以下で検討する。
表 4-4 機械換気設備を設けている場合の空気環境の基準(ビル管理法による)
ア 浮遊粉じんの量 0.15 mg/m3 以下
イ 一酸化炭素の含有率 100 万分の 10 以下(=10 ppm 以下)
※特例として外気がすでに 10ppm 以上ある場合には 20ppm 以
下
ウ 二酸化炭素の含有率 100 万分の 1000 以下(=1000 ppm 以下)
エ 気流 0.5 m/s 以下
オ ホルムアルデヒドの量 0.1 mg/m3 以下(=0.08 ppm 以下)
表 4-5 居室での塵埃発生量(一般的な設計基準)
標準単位発塵量 10 mg/h・人
エアフィルタにより塵埃が濾過された空気は、給気ダクト内を高速(10m/s 程度)で
通過していき、居室に給気される。空調システムの通常の運用では空調給気ダクト内で
の塵埃の堆積は見受けられないが、空調停止時あるいはその時の吹出口からの室内空気
の対流による室内空気の侵入によって経年の堆積を考慮する必要がある。それは定量化
されていないので給気ダクト内面への塵埃の堆積については、塵埃堆積に影響のある結
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 112 -
露の有無も含め、実験による検証が必要である。
図 4-7 空調給気ダクト内の塵埃濃度
2)腐食性物質
腐食性物質は、居室内で発生しない限り、外気からもたらされる。対象建物が特殊環境
(海岸近く、交通量の多い幹線道路近辺、鉄道沿線など)にない場合は、以下の環境基
準で空調空気の腐食性能を検討する。腐食性物質は、分子レベルで空気中に含有するも
の、塵埃などに付着しているものがあり、塵埃などに付着しているものについてはエア
フィルタで塵埃を除去することにより腐食性物質の濃度を下げることができるが、分子
レベルで空気に含有しているものについては、一般空調では除去することは困難である。
よって、居室内空気、空調システム内空気の腐食性物質濃度は、外気濃度と同一となる
ことで腐食性能を検討する必要がある。
以下に外気に含まれる酸性物質の一般的な濃度を示す。
また、海塩粒子については、海岸に近いほど濃度が高く、海岸から 10km 程度であれば
その影響を考慮する必要がある。海塩粒子は、外気取入口でのエアフィルタで除去する
M
居室
Cr
Qr・Cr
η
Qo・Co Qs・Cs
エア
フィルタ
外気
排気
還気
給気
(Qr+Qo=Qs)・Cr
空調給気塵埃濃度
前提事項
空調給気量(Qs) : m3/h・㎡
外気導入量(Qo) : m3/h・人
在室人員 : 人/㎡
居室塵埃許容濃度(Cr) : mg/m3
外気塵埃濃度(Co) : mg/m3
人体塵埃発生量(M) : mg/h・人
空調空気塵埃濃度:Cs
Cs = ( Qs×Cr - M×0.2 ) / Qs
= mg/m30.083
30
20
0.2
0.15
0.05
10
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 113 -
ことで対応することが一般的である。
表 4-6 外気に含まれる酸性物質の一般濃度基準(環境再生保全機構資料による)
図 4-8 海岸からの距離と海塩粒子の量(茨城県南部の例)
※ 「県太平洋沿岸地域の大気中の海塩粒子について」村田一弘 茨城地学会 2004 年
一般局 自排局
二酸化窒素 NO2
0.04~0.06ppm 0.015ppm以下 0.025ppm以下
1日平均0.10mg/(m3・h)以下
1時間値:0.20mg/(m3・h)以下
光化学オキシダント 0.06ppm/h以下 環境基準以上 環境基準以上 NOXと炭化水素による二次生成物
1日平均0.004mg/(m3・h)以下
1時間値:0.10mg/(m3・h)以下
1日平均0.004mg/(m3・h)以下
1時間値の8時間:0.10mg/(m3・h)以下
0.3ppm以下 0.5ppm以下
備 考
浮遊粒子物質 SPM
年平均値(平成20年度)
0.030mg/m3以下 0.030mg/m3以下
一酸化炭素 CO
二酸化硫黄 SO2
汚染物質 環境基準
0.005ppm以下 0.005ppm以下
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 114 -
(3)既存技術でのダクト材質
既存技術での空調ダクトに求められる要件を満たしている材質として、一般には亜鉛鍍
鉄板(亜鉛鉄板)が用いられている。公共建築工事仕様では、空調ダクトに亜鉛鉄板を使
用することが明記されているが、民間では、特定の材料が決められているわけではなく、
計画上求められている条件で任意に仕様決定しているが、一般には亜鉛鉄板を利用するこ
とが多い。
空調・換気ダクトにおいて、公共建築工事で規定されている材質仕様および民間工事で
用いられているダクトの材質を空気調和・衛生工学会便覧を参照しまとめたものを以下に
示す。
表 4-7 空調・換気ダクトの材質
※ 公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)平成 25 年版は添付資料を参照
※ 空気調和・衛生工学会便覧 第 14 版は添付資料を参照
民間工事においての空調・換気ダクトの材質は、ダクトの耐候性・耐腐食性・不燃性を
考慮し、計画のつど設計者が材質を選定する。その結果は、特記仕様書などで計画に反映
される。
規格
国土交通省 公共建築工事標準仕様書
大臣官房 官庁営繕部 (平成25年版)
空気調和・衛生工学会 便覧 1 亜鉛鉄板 JIS G 3302(溶融亜鉛めっき鋼鈑及び鋼帯)
2 鋼板 JIS G 3141(冷間圧延鋼鈑及び鋼帯)
JIS G 3193(熱間圧延鋼鈑及び鋼帯・・・)
3 ステンレス鋼鈑 JIS G 4304(冷間圧延ステンレス鋼鈑及び鋼帯)
JIS G 4305(熱間圧延ステンレス鋼鈑及び鋼帯)
4 塩化ビニル被覆鋼鈑 JIS K 6744(ポリ塩化ビニル被覆金属板)
C種1号
亜鉛鉄板下地・ポリ塩化ビニル層0.2mm以上
5 硬質塩化ビニル板 JIS K 6745(プラスチック-硬質ポリ塩化ビニル板)
Ⅰ種1号
6 ガラス繊維 JIS A 9504(人造鉱物繊維保温材)
高密度(50K以上)
7 コンクリート
8 塗装亜鉛鉄板 JIS G 3312(塗装溶融亜鉛めっき鋼鈑及び鋼帯)
9 ダンボール
規準 空調・換気ダクト板材料
亜鉛鉄板製 亜鉛めっき付着量:180g/㎡(Z18)以上
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 115 -
(4)開発素材の空調ダクト用としての評価
採光・空調統合ダクトは、溶融亜鉛メッキ鋼鈑(Z22、t0.8mm)を基材とした高反射材
を開発した。空調ダクトとして一般に溶融亜鉛メッキ鋼鈑(亜鉛鍍鉄板)が用いられてお
り、公共建築工事仕様、一般に亜鉛鉄板を用いる民間工事で応用できる材料となっている。
現在、建築工事で用いるための不燃認定を申請している。
また、開発した亜鉛鉄板の厚みは 0.8mm であり、予測している統合ダクトとしてのダク
ト寸法に対応できる厚みである。
ダクトは、平板状態の亜鉛鉄板を裁断し、ハゼ折り加工したものを矩形ダクトとして組
立てる。その加工工程で試作を行い、空調ダクトとしての機能を維持できることの確認を
行った。
加工パーツ ハゼ折り加工
組立
統合ダクト完成品
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 116 -
4.2 最適な光環境導入技術の開発
(1)空調ダクトの熱損失および給気温度変化
室内給気用空調ダクトは、居室内、特に天井に取り付けられることが多い。居室が二重天
井となっている場合は天井裏に隠されることになる。空調ダクトは、結露防止および居室内
温度との温度差による熱損失防止のため、保温材による断熱処理が施される。一般の空調ダ
クトでは、ある程度の風速が確保されていて空調ダクト内の空気の温度変化は問題となら
ない。光・空調統合ダクトの場合、採光効果を確保するためダクト面積が大きくなり、ダク
ト内を流れる空調空気への温度変化が大きくなることが予測される。
冷房での空調ダクト温度上昇の試算例を下記に示す。保温はグラスウール 25mm 厚で試
算した。一般の空調ダクト寸法:500×350 の温度変化がダクト末端で+0.6℃に対し、統合
ダクト寸法:950×600 の場合+1.2℃と 2 倍の温度上昇となった。
図 4-9 ダクト熱損失試算例(冷房給気の場合)
15.0
16.0
17.0
18.0
19.0
0.0 5.0 10.0 15.0
給気
温度
(℃
)
距離(m)
統合ダクト寸法(950×600:設計風量)
統合ダクト寸法(950×600:1/2風量)
空調ダクト寸法(500×350)
空調分岐① 空調分岐②
風量 3,600 CMH風量 2,400 CMH
風量 1,200 CMH
風量 1,800 CMH
風速 0.88 m/s
風量 1,200 CMH
風速 0.58 m/s
風量 600 CMH
風速 0.29 m/s
風速 1.75 m/s
風速 1.17 m/s
風速 0.58 m/s
風速 5.71 m/s
風速 3.81 m/s
風速 1.90 m/s
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 117 -
表 4-8 ダクトの熱損失試算例
① 熱伝達率
ダクト内 23
ダクト外部 9
② ダクト保温
グラスウール保温帯 25
同上 熱伝導率 0.042
同上 熱貫流率 1.33
③ ダクト寸法・面積 3.10
950×600
④ ダクト周囲温度(天井内温度) 28.0 ℃ 22.0 ℃
⑤ ダクト内温度 16.0 ℃ 30.0 ℃
⑥ 熱損失(ダクト1mあたり) 49.6 W/m 33.1 W/m
⑦ 保温材表面温度 22.5 ℃ 25.7 ℃
⑧ ダクト内表面温度 18.2 ℃ 28.6 ℃
⑨ ダクト内風量 3,600 CMH 1,200 CMH
⑩ ダクト内風速 1.75 m/s 0.58 m/s
⑪ 給気ダクト内温度変化 0.04 ℃/m 0.12 ℃/m
寸法 500×350
面積 1.70 ㎡/m
一般空調ダクト
分岐前 分岐後
W/(㎡・K)
W/(㎡・K)
mm
W/(m・K)
W/(㎡・K)
㎡/m
冷房時 暖房時
表 4-9
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 118 -
(2)採光部、放光部における熱特性の検証(縮小模型による)
採光部より取込んだ日射がどのていど放光部から室内への熱負荷となるかを、1/5縮小
全体模型により検証を行った。
実際の日射で検証を行った結果、
入射日射量が 1,000 W/㎡の場合、居室床面積当たり 0.9 W/㎡
と予測された。設計照明熱負荷は、一般的に 20 W/㎡とするのに対し、1/20 程度である。
実際の設計における空調熱負荷は、人工照明を使用したことを想定して算出するので、空調
熱負荷として無視できる。
以下に1/5縮小全体模型での検証結果を示す。
表 4-10 実証実験結果による室内熱負荷の想定
採光部寸法(mm) 200 × 100 = 0.02 ㎡
ダクト寸法(mm) 200 × 100 = 0.02 ㎡
入射日射量 661 W/㎡ 13.2 W
(11:00の実測値)
放光部 200 × 120 = 0.024 ㎡
× 4ヶ所 = 0.096 ㎡
放光部熱流量 22 W/㎡ 2.1 W
(11:00の実測値)
採光部寸法(mm) 1000 × 500 = 0.5 ㎡
ダクト寸法(mm) 1000 × 500 = 0.5 ㎡
入射日射量 661 W/㎡ 330.7 W
(11:00の実測値)
放光部 1000 × 600 = 0.6 ㎡
× 4ヶ所 = 2.4 ㎡
放光部熱流量 22 W/㎡ 52.8 W
(11:00の実測値)
対象床面積
(ダクト1列あたり)
90 ㎡ 熱負荷 0.59 W/㎡
入射日射量 1,000 W/㎡ 500 W
放光口熱流量 33 W/㎡ 79.8 W
対象床面積
(ダクト1列あたり)
90 ㎡ 熱負荷 0.89 W/㎡
1/5縮小模型
実物大とした場合
仮に1,000W/㎡の入射日射量があった場合
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 119 -
図 4-10 1/5縮小全体模型外観
図 4-11 1/5縮小全体模型図
図 4-12 1/5縮小全体模型実測測定点
日射
採光部
放光部
表面温度計測
採光・空調統合ダクト
熱流量計測
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 120 -
図 4-13 1/5縮小全体模型実測結果(2013 年 11 月 13 日 11:00)
図 4-14 1/5縮小全体模型実測結果:表面温度・熱流量(2013 年 11 月 13 日)
11.9
11.2
10.5
10.3
9.6
9.6
10.8
12.1
10.9
9.7
11.5
[℃]
日射[W/㎡]
661.4
11.2
11:00
9
10
11
12
13
14
15
16
17
10:30
11:00
11:30
12:00
12:30
13:00
13:30
14:00
14:30
ダクト外側表面温度② 室内側アクリル表面温度② ダクト内側アクリル表面温度②
表面
温度(
℃)
-5
0
5
10
15
20
25
30
10:30
11:00
11:30
12:00
12:30
13:00
13:30
14:00
14:30
壁面 天井面 床面 アクリル面
熱流量(W/㎡)
採光・空調統合ダクト
表面温度
空気温度
放射温度(11:30)
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 121 -
(3)採光・空調統合ダクト内の温度測定実験
採光・空調統合ダクトの開発において要求される熱的性能を把握するため,1/5 縮尺模型
(統合ダクト本体のみ)を用い,実太陽光を熱負荷として送風時におけるダクト内部の温度
の実測を行った。
温度測定には素線径 0.32mm の熱電対と分解能 0.01℃の多点温度計を使用し,全天日射
測定は波長範囲 305~2800nm,感度 5~20μV/(W/㎡)の全天日射計を用いた。図 4-15 に
1/5 縮尺模型全体外観を示す。ダクト寸法は W 200 mm×H 100 mm×L 3970 mm であり,
送風状態でのダクト内部の温熱環境を計測した。1/5 縮尺模型は敷地内において採光部を南
面に向けて設置した。合わせて,図 4-15 には,採光部・放光部形状,温度測定点を示す。
ダクト内の風量は 284 m3/h とした。
y
z0
図 4-15 1/5 縮尺模型の概要図及び測定点
1
370mm 870mm 2370mm1420mm 2970mm
3970 mm
3620mm
2 3 4 65
1 2 3 4
1910mm 2540mm 3220mm 3850mm
0x
統合ダクト
採光口
放光口
アクリル板表面温度 No.
ダクト内温度 No.
: 全天日射量
: 外気温
: アクリル板表面温度
: ダクト内表面温度
: ダクト内空気温度
屋外
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 122 -
1) 実験結果
実験は 2015 年 10 月 9 日に行い,その時の日射量,外気温を図 4-16に,測定間隔1分
で測定した温度データを図 4-17~図 4-22 に示す。実験結果を 11 時の値で見ると以下と
なる。
・ 採光部でのアクリル表面温度(約 44℃)は,日照時 40℃を超える温度となった。外気
温(約 31℃)に比べ 13℃程度高く,採光口の空気温度(約 44℃)は空気流入温度(約
31℃程度)より 13℃程度高い。
・ 採光口に近い,ダクト内表面温度 1 は,上部で約 38℃,底部で約 37℃と採光口から離
れたダクト内表面温度(約 33℃)より 5℃程度高い。
・ 放光口表面温度(約 30℃)は,流入空気温度(約 30℃),ダクト表面温度(底部約 31℃)
と同程度であった。
・ 流出口の空気温度(約 32℃)は,流入口(約 30℃)より 2℃程度高い。
2) CFD 解析による温度分布予測
統合ダクト内空気温度分布を予測する目的で,CFD 解析を行った。ダクト材・アクリ
ル材の熱性能が把握できていないので,温度測定実験の測定値を境界値として設定し,
ダクト内の空気温度分布を予測した。図 4-23 に境界値設定箇所を,表 4-11 に設定境界
値を示す。また,この CFD 解析における解析条件を表 4-12に示す。図 4-24 に解析結果
を,表 4-13 に実測値との比較を示す。
3) 温度測定実験の考察
温度測定実験により,以下のことが言える。
� 温度分布測定実験で,ダクト内部の温度分布を把握することができた。また日射の
影響により,採光部付近の温度はダクトへの流出入空気温度より高い値を示すこと
が確認された。
� ダクト内部に送風を行うことで採光口からの日射熱は採光口付近に抑えることがで
き,採光口から離れるとその影響が小さくなっている。これは,採光口のアクリル
板の日射吸熱により,アクリル板自体が温度上昇し,アクリル板からの熱伝達によ
るもの,ダクト材への伝熱によるもの,でこれらにより採光口近辺の空気温度を上
昇させていると示唆された。
� 放光口表面温度は,流入空気温度および近辺のダクト表面温度と同程度であり,ダ
クト内に導入された日射熱はダクト内で吸熱されていない。
� CFD 解析を用いて,ダクト内空気温度について,実測値と解析値との整合性を確認
したが,採光口に近いほど差異が大きく,整合性の観点では不十分であった。採光
口での日射熱取得の空気流への熱影響についてより以上の検討が必要である。
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 123 -
0
100
200
300
400
500
600
700
800
900
1000
0
5
10
15
20
25
30
35
4010:00
11:00
12:00
13:00
14:00
15:00
日射
量[W
/㎡]
温度[℃
]
時刻
日射量 外気温度
20
23
26
29
32
35
10:00
11:00
12:00
13:00
14:00
15:00
温度[℃
]
時刻
流入口 流出口1 流出口2 流出口3
20
25
30
35
40
45
50
10:00
11:00
12:00
13:00
14:00
15:00
温度[℃
]
時刻
空気1 空気2 空気3 空気4 空気5 空気6
20
25
30
35
40
45
50
10:00
11:00
12:00
13:00
14:00
15:00
温度[℃
]
時刻
底部1 底部2 底部3 底部4 底部5 底部6
20
25
30
35
40
45
50
10:00
11:00
12:00
13:00
14:00
15:00
温度[℃
]
時刻
採光口外部温度 採光口内部温度
20
25
30
35
40
45
50
10:00
11:00
12:00
13:00
14:00
15:00
温度[℃
]
時刻
上部1 上部2 上部3 上部4 上部5 上部6
20
25
30
35
40
45
50
10:00
11:00
12:00
13:00
14:00
15:00
温度[℃
]
時刻
放光部1 放光部2 放光部3 放光部4
図 4-16 気象概況
図 4-17 採光部外部・内部表面温度 図 4-18 ダクト内空気温度
図 4-19 ダクト内表面温度(上部) 図 4-20 ダクト内表面温度(底部)
図 4-21 ダクト内放光部表面温度 図 4-22 流入口・流出口空気温度
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 124 -
a b c d e f
1850mm 4350mm 11850mm7100mm 14850mm
19850mm
18100mm
0x
ダクト断面
底部
右側面
左側面
上部
図 4-23 境界値設定箇所
表 4-11 設定境界値 表 4-12 CFD 解析条件
図 4-24 ダクト内空気温度分布解析結果
表 4-13 ダクト内空気温度の比較 [℃]
温度[℃] X[mm] 温度[℃] X[mm]
採光部(外部) 41.9 -
採光部(内部) 42.4 -
a 38.8 1850 a 38.5 1850
b 34 4350 b 33 4350
c 32.1 7100 c 31.8 7100
d 31.8 11850 d 31.1 11850
e 30.5 14850 e 29.9 14850
f 29.9 18100 f 29.9 18100
温度[℃] X[mm] 温度[℃] X[mm]
a 38.4 1850 a 37.5 1850
b 33.3 4350 b 33.6 4350
c 31.7 7100 c 32 7100
d 31.1 11850 d 31.5 11850
e 30.2 14850 e 30.1 14850
f 29.8 18100 f 29.9 18100
右側面温度 左側面温度
上部温度 底部温度使用ツール STAR-CCM+(V9.06.011)
計算アルゴリズム SIMPLE
収束判定値 1.00E-05
メッシュ数 164477
流入速度:6.67m/s
圧力出口:ゲージ圧0(大気圧)
壁面境界条件:上部・底部・壁面 温度固定
乱流モデル 高レイノルズ数型標準k-ε
差分スキーム 1次精度風上差分
境界条件
地点 解析結果 実測結果
a 37.6 44.5
b 31.9 33.4
c 28.8 31.1
d 28.2 30.4
e 27.6 30.0
f 27.4 30.0
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 125 -
(4)採光部、放光部、空調空気流入部・分岐部の最適化検証
採光部、放光部は、光は透過し、空調空気は遮断するアクリル板を用いている。よって、
採光部、放光部は光環境側で検証を実施している。
空調空気流入部および分岐部については、光の漏洩を最小にし、空気の流通の阻害が小さ
い機構を検討した。
1) 最適な光環境となる採光部仕様の検討
採光部は、建物仕様、構造計画を考慮すると多くの制約があるが、採光量の向上と、光
伝搬のロスを最小限に抑える形状・手法を考慮したモデルを提案している。一例を数に示す。
(東洋鋼鈑資料より)
2) 最適な光環境となる放光部仕様の検討
放光部は、光の拡散性によりアクリル板仕様を検討している。下図に示す通り、放光部
アクリル板は、ダクト本体より一段下がった位置に設けている。
図 4-25 採光・空調統合ダクト 放光部
3) 空調空気流入部の形状検討
空調空気流入部は、空調機からの空調空気が統合ダクトに流入する部分で、風量が大き
く、その開口も分岐部に比べ大きくなる。一般の空調ダクトの設計では、風速を 10 m/s
以下とする断面積のダクト寸法とし、統合ダクトへの流入部はその形状で接続され、光ダ
クトとしての機能としては末端部に近く、光伝播の性能低下を起こさないよう統合ダクト
の側面から接続する。また、開口が大きくなるので、光が空調接続ダクト側に漏れないよ
採光口
構造躯体を考慮した
ダクト仕様
光ダクト本体
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 126 -
う、統合ダクト側の光伝播性能を阻害しないよう接続ダクト側にベーンを設ける。これに
より、流入された空調空気は統合ダクト内での偏流を抑制できる。
図 4-26 採光・空調統合ダクト 空調空気流入部の一例
4) 空調空気分岐部の形状検討
空調空気分岐部は、空調空気が統合ダクトから居室内の吹出口へ流出する部分で、分岐
する風量は分散され、その開口は流出部に比べ小さくなる。一般の空調ダクトの設計で
は、風速を 6 m/s 以下とする断面積のダクト寸法とし、統合ダクトからの流出部はその形
状で接続され、光伝播の性能低下を起こさないよう統合ダクトの側面へ接続する。また、
統合ダクト内では空調流入部からの空調空気が押してくることになり、複数ある分岐部か
らの空調空気量の均一化を図るため、および分岐部からの光の漏えいを抑制するため、統
合ダクト側にベーンを設ける。
図 4-27 採光・空調統合ダクト 空調空気分岐部の一例
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 127 -
4.3 自然光と人工光の最適制御技術の開発
(1)ダクト内の自然光による温度上昇の評価
ダクト内の自然光による温度上昇は、ダクト内では日射が全反射され入射日射の影響を受
けない。
「4.2 最適な光環境導入技術の開発、(2)採光部、放光部における熱特性の検証(縮
小模型による)、および、(3)採光・空調統合ダクト内の温度測定実験」における1/5縮
小全体模型により検証を行った結果、放光口表面温度は、流入空気温度および近辺のダクト
表面温度と同程度であり、ダクト内に導入された日射熱はダクト内で吸熱されていない。よ
って、ダクト内の自然光による温度上昇は、ほとんどないものと考えられる。
(2)人工照明によるダクト内温度上昇の評価
統合ダクトに取付けられる人工照明は、ダクト上部に設置され、ダクトを通して放光部よ
り室内を照らす。よって、照明の熱のほとんどはダクト上部の照明器具から天井内に排熱さ
れ、ダクト内への熱侵入は微小である。これを実大部分模型で検証したが、熱量を評価でき
なかった。今後の実大模型による実験で評価する必要がある。
図 4-28 人工照明器具付実大部分模型外形
人工照明器具
採光・空調統合ダクト
放光部
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 128 -
4.4 光・空調統合ダクトシステム技術の開発
(1)既存空調ダクト技術の整理
1) 既存計画による空調ダクト設計
空調・換気ダクトを計画する場合、以下のことを考慮する。
・ ダクト内風速
・ ダクト内圧力損失
・ ダクト内発生騒音(振動)
・ ダクト透過騒音
・ ダクトの納まり
① ダクト内の風速と圧力
ダクト内の圧力損失、発生騒音は、ダクト内風速と関連している。風速を大きくすると
圧力損失が大きくなり、送風機動力が増加する。送風機の発生騒音を抑え、省エネ性能
を考慮すると風速を大きくすることは適切ではない。また、光・空調統合ダクトとした
場合の空調ダクトは、居室内にあることが考慮されダクト内で発生した騒音は直接居室
内に侵入することが考えられるので、発生騒音を抑えるため風速は低くすることが適切
である。
ダクト内圧により、低圧ダクト・高圧ダクトに分けられるが、居室に近く吹出口末端部
分となる統合ダクトは、常用圧力±490Pa 以下の低圧ダクトとなる。低圧・高圧の区分
を公共建築基準、空衛学会での指標を以下に示す。
表 4-14 ダクト圧力範囲
① 公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)平成 25 年版
② 空気調和・衛生工学会便覧 第 14 版
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 129 -
また、ダクト内風速は、過度な圧力損失防止、ダクト内騒音(振動)抑制を考慮し、一
般には 6 m/s 程度としている。以下に ASHRAE の推奨風速を示す。
表 4-15 ダクト圧力範囲
空調ダクトからの空気の漏れ量については、空衛学会でダクトの継目・継手の長さあた
りの制限空気漏れ量を以下のように規定している。ダクト内圧(P)およびシール方法が
パラメーターとなっている。
表 4-16 ダクトの制限空気漏れ量計算式
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 130 -
② ダクト内圧力損失
ダクト内の圧力損失の直管部については、以下のダルシー・ワイスバッハの式で示され
る。
λは、ダクト内面の絶対粗さεやレイノルズ数 Re などに関係する。光ダクトのような
鏡面であると絶対粗さは小さく以下の式で矯正する。
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 131 -
③ ダクト寸法および板厚
ダクトは、板振動が少なく、ダクトの内外差圧により変形を起こさない構造としなけれ
ばならない。そのため、ダクト寸法により、板厚が規定されている。低圧ダクトの仕様
を示し、公共建築工事の場合は、亜鉛鉄板ダクトと対象とし、空衛学会仕様の場合は、
亜鉛鉄板・塩化ビニル鋼鈑製およびステンレス鋼板製で規定されている。
表 4-17 ダクト板厚
① 公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)平成 25 年版
② 空気調和・衛生工学会便覧 第 14 版
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 132 -
④ ダクトの接続方法
亜鉛鉄板製の矩形ダクトの接続方法としては、一般に、ⅰ)アングルフランジ工法、ⅱ)
コーナーボルト工法(空衛学会仕様では、4 ボルト接合システム、共板フランジ工法・ス
ライドオンフランジ工法などがある)があり、公共建築工事では、この 2 種の接続方法
で行わなければならないよう規定されている。民間では、特にこの規定はないが、一般
的にコーナーボルト工法(共板フランジ工法)の仕様で接続されることが多い。
ⅰ) アングルフランジ工法
等辺山形鋼をダクト寸法にフランジ加工し、ダクトに鋼・銅またはステンレス鋼製の
リベットでリベット締めし、ダクトの接続は、フランジをフランジ用ガスケットを介し
てボルト・ナットで締め付けて接合する。
エヌケー紫波 株式会社 HP より
ⅱ) コーナーボルト工法(共板フランジ工法の場合)
ダクト本体の端部の鋼板を折り曲げ加工して、フランジを形成し、フランジの四隅に
L 形のコーナー金具を差し込み、ガスケットを介して角部をボルト・ナットで締め付け
てダクトに接続する。接合されたフランジの四隅以外の部分をフランジ押え金具(クリ
ップ・ジョイナなど)で固定する。
エヌケー紫波 株式会社 HP より
⑤ 矩形ダクト寸法
矩形ダクトの縦横比(アスペクト比)は、原則として 4 以下とする。
また、矩形ダクトの場合、継ぎ目を、ダクト寸法により一辺が 750mm 以上の場合 2 か
所以上、以下の場合 1 か所以上とし、ピッツバーグはぜまたはボタンパンチはぜとする
よう、公共建築工事では規定されている。
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 133 -
⑥ 設計事例
一般の空調ダクトの設計を事例にみる。
【 空調ダクト設計事例 】
事務所ビル基準階1フロア 3,636 ㎡:60.3 m×60.3 m
基準階の1スパンでの空調ダクト設計
図 4-29 空調ダクト設計例 事務所ビル基準階 1 スパン平面
図 4-30 空調ダクト設計例 事務所ビル基準階 窓周り
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 134 -
(2)空調ダクト合流部・分岐部の気流分布
1)一般の空調ダクト合流部・分岐部
一般の空調ダクトの合流部・分岐部の形状は以下のように施工される。
矩形ダクトの場合
丸ダクトの場合
図 4-31 空調ダクト合流部・分岐部形状
一般の空調ダクトの合流部・分岐部の形状を以下のようにし、シミュレーションにより
評価した。
図 4-32 空調ダクト流入部(合流部)・流出部(分岐部)形状
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 135 -
2)ダクト内気流のコンピュータシミュレーション評価
一般空調ダクトの気流解析をコンピュータシミュレーションで評価した。
図 4-33 解析対象領域
表 4-18 流出部分岐気流(吹出風量)解析結果(流入部は与条件)
給気風量
(CMH)
吹出風量 1,031
(CMH) ( 0.86 )
1,302
( 1.09 )
1,322
( 1.10 )
()内は設計値 1,200 CMH
に対する偏差
流出部3
流出部2
流出部1
3,600流入部
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 136 -
図 4-34 ダクトシステム全体の風速ベクトル図
図 4-35 空調合流部、分岐部の風速ベクトル図
a. ダクト本体への流入速度は、最大 8.8 m/s となった
b. 流入部メインダクト後方の風上側からの誘因(逆流現象)が大きい
c. 流出部 1 では流出後の流れがメインダクトの風下側への偏流が見られ、流出部 3 で
は流出後の流れが平均化している
流入部
流出部 1 流出部 2
流出部 3
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 137 -
(3)空調ダクトの製作工程、光ダクト製作工程
一般空調ダクトは、亜鉛鉄板製を主体に工業化が進み、コスト管理され、自動化が進んで
いる。以下にダクト製作工程を示す。
1)一般ダクト製作工程(エヌケー紫波株式会社 HP より引用)
① 自動ラインでの NC データによるプラズマ切断(自動加工)
② はぜ加工(機械加工:自動加工・人的加工)
③ ダクト組立(人的作業が主)
④ ダクトコーナー金具取付け、シール部分(人的作業)((株)アローエムより)
シール部分
(コーナー金具取付け部)
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 138 -
2)光ダクト製作((株)アローエムより)
① NC データによる裁断(自動)
② はぜ加工(機械加工:自動加工・人的加工)
③ ダクト組立(人的作業が主)
④ ダクトコーナー取付、コーナー部分(人的作業)
光ダクトは、外ハゼ(ボタンパンチ)による組立方式で、コーナー部はパッキン付の金
具としてダクト内部のシールを行わないようにしている。
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 139 -
(4)採光・空調統合ダクトとした場合の課題
光ダクトに求める要件および空調ダクトに求める要件を以下にまとめる。
1) 光ダクトに求める機能維持要件
� ダクト形状は光の流れの上流と下流で同形状を維持
� 上流と下流での形状の先細りは不可、先広がりの方が許容できる
� 凹凸は不可
� ダクト内の塵埃の堆積は不可
� ダクトの板振動は不可(光の揺らぎとなり不快感を与える)
� 採光口では太陽方位角、太陽高度によるダクト縮小形状が可能
� ダクト基材の反射率、採光口・放光口での透過率の高い素材利用
(ダクト内に日射吸収されると空調空気の熱負荷となる)
2) 空調ダクトに求める機能維持要件
� ダクト形状は風速で大きさを決定(最大 10 m/s)
� ダクト内で急激な過大流速に変化する形状は不可(抵抗増、騒音発生)
� 上流と下流での形状の先細りは可
� ダクト分岐部ダクト断面積は、分岐風量比での面積を確保したい
� 分岐後の抵抗が大きいほど分配が均等になる
(分岐後に変風量装置、定風量装置取付など)
� ダクト内の風速が遅くなるほど外部からの熱侵入により、吹出空気温度の変化が
大きくなる(ダクトの熱損失が大きくなる)
⇒ 天井還気方式であれば熱損失となり、開放天井の場合は熱損失は小さくなる
(ダクトによる輻射冷暖房とならないか)
� 清浄度の高い空調空気とする
(ダクト内への塵埃持込の削減、堆積は不可、腐食性ガス・ミストの持込は不可)
(5)統合ダクト空調分岐部のシミュレーションによる空気噴流評価
採光・空調統合ダクトの合流部・分岐部の形状を以下のようにし、シミュレーションによ
り評価した。
図 4-36 統合ダクト流入部(合流部)・流出部(分岐部)形状
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 140 -
図 4-37 解析対象領域
表 4-19 流出部分岐気流(吹出風量)解析結果(流入部は与条件)
給気風量
(CMH)
吹出風量 1,198
(CMH) ( 1.00 )
1,218
( 1.02 )
1,184
( 0.99 )
()内は設計値 1,200 CMH
に対する偏差
流出部3
流出部2
流出部1
3,600流入部
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 141 -
図 4-38 ダクトシステム全体の風速ベクトル図
図 4-39 空調合流部、分岐部の風速ベクトル図
a. ダクト本体への流入速度は、最大 10.3 m/s となった
b. 流入部メインダクト後方の風上側からの誘因が小さい
c. 流出部 1、流入部 2、流出部 3 での流出後の流れが均一化している
(6)統合ダクト空調分岐部の形状による圧力損失、騒音発生の評価
1)空調分岐部の形状による圧力損失
採光・空調統合ダクトの流入部・流出部の形状による圧力損失をシミュレーションによ
り評価する。
CFD の結果では、流入部で 30 Pa、流出部で 40 Pa 程度となった。一般に空調機の送風
機静圧は 1,000 Pa 程度となり、また、統合ダクトの風下側に付く変風量装置の圧力損失
は 200 Pa 程度となることを考慮すると、この流入部、流出部の圧力損失の値はそれほど
大きくない。実際の運転では変風量装置とこれらダクトの圧力損失が合算されて制御され
流入部
流出部 1 流出部 2 流出部 3
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 142 -
るので、運転時の送風機動力の増加は微小である。比較のためベーンのないダクトの圧力
損失を併記する。
図 4-40 空調合流部、分岐部の圧力分布図(統合ダクト)
流出部の風下側に変風量装置が付くので、ダクト内圧力としては、全体に 200 Pa 程度上
昇する。よって、流入部の圧力は、300 Pa となる。
図 4-41 空調合流部、分岐部の圧力分布図(一般空調ダクト)
流出部の風下側に変風量装置が付くので、ダクト内圧力としては、全体に 200 Pa 程度上
昇する。よって、流入部の圧力は、250 Pa となる。
2)統合ダクト分岐部の形状による騒音発生
統合ダクトの分岐部の騒音発生を、風量・風速をパラメータとし、実物大部分模型で検
証した。
空調ダクト寸法 : 亜鉛鉄板矩形ダクト 1000×500
空調合流部・空調分岐部・放光部(人工照明取付け部)
主空調ダクト風量 : 3,600 CMH
分岐ダクト風量 : 1,200 CMH
残響室内の試験体に無音空気を供給し、試験体空気出口内の騒音測定を行うと共に、残
流入部
70Pa
100Pa
流出部 1
70Pa
30Pa
流出部 2 流出部 3
70Pa 70Pa
30Pa 30Pa
流入部
50Pa
40Pa
流出部 1
40Pa
30Pa
30Pa 30Pa
35Pa 35Pa
流出部 2 流出部 3
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 143 -
響室内の騒音測定を行い、分岐部からの騒音発生を評価した。
その結果、空調空気を流した時の分岐部の発生騒音は、直管部に比べ 5 dB の増加とな
った。これは、一般空調ダクトでの発生騒音以下であり、実用上問題がない。
(無響室側:直管部、残響室側:分岐部)
図 4-42 統合ダクト分岐部の音響パワーレベル
残響室側:分岐部騒音測定 無響室側:直管部騒音測定
図 4-43 統合ダクト分岐部の騒音測定方法
出入口出入口出入口出入口
分岐後ダクト
300φ測定点
h=2100
出入口出入口出入口出入口
無響室 残響室
30°
BBBB
AAAA
CCCC DDDD
EEEE
FFFF
支持架台
移動式床移動式床移動式床移動式床
遮音壁貫通部
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 144 -
3)統合ダクトの板振動
採光・空調統合ダクトの通風時の振動特性を評価した。
通風時は、1/3 オクターブバンド振動加速度レベル、測定時間 16 秒および振動加速度の
パワースペクトル、測定時間16秒を測定、停止時を 1/3 オクターブバンド周波数応答関
数および周波数応答関数のパワースペクトルで計測分析した結果、採光・空調統合ダクト
は、一般のダクトと比べて同程度の発生振動であると評価できた。
(現場実測:実物件ダクトでの測定結果、その他は統合ダクトの測定結果)
図 4-44 統合ダクト分岐部の振動測定結果
現場実測換算値に比べて、流入側面の振動測定結果がやや上回るところがあるがそれも
一部であり、総じて、採光・空調統合ダクトは一般のダクトと比べて同程度の発生振動で
あると評価できる。
(7)統合ダクトの空気漏えい量の評価
採光・空調統合ダクトのダクト間の接続部、ダクトハゼからの空気漏えい量を評価した。
ダクト内静圧を 100 Pa、300 Pa、500 Pa の 3 パターンをパラメータとし、ダクトからの
空気漏えい量を流量計で測定した。
統合ダクト仕様:1000 × 600 直管長 910 L 外ハゼ(ボタンパンチ)、共板ダクト接続
空気漏れ計測対象部以外はテープにてシールした。
図 4-45 統合ダクト空気漏れ測定
20
30
40
50
60
70
80
90
100
10 12.5 16 20 25 31.5 40 50 63 80 100 125 160 200
1/3オクターブバンド中心周波数[Hz]
振動
加速
度レ
ベル
[dB
]
直管ダクト(現場実測、
10000CMH)
直管ダクト(現場実測を
換算、3600CMH)
分岐側面(3600CMH)
放光天板(3600CMH)
流入側面(3600CMH)
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 145 -
採光・空調統合ダクトのハゼ部からの漏えい量は、社団法人空気調和・衛生工学会が定め
るダクトの新標準仕様に基づく漏えい量の 4 倍程度となった。また、ダクト間接続部から
の漏れ量は、空衛学会基準の 4 倍強となった。
表 4-20 統合ダクト空気漏れ量測定結果(ハゼ部)
試験体ハゼ長さ:3.64 m = 0.91m × 4
制限漏れ量(社団法人空気調和・衛生工学会:ダクト新標準仕様より)
Q = 2.0×0.181×P [Pa]0.75 [ℓ/min・m]
表 4-21 統合ダクト空気漏れ量測定結果(ダクト間接続部)
試験体ハゼ長さ:3.0 m =(1.0m+0.5m)× 2
制限漏れ量(社団法人空気調和・衛生工学会:ダクト新標準仕様より)
Q = 2.0×0.181×P [Pa]0.75 [ℓ/min・m]
統合ダクトの実際の使用状況では、ダクト内圧は 300Pa 程度と予測される。基準より大
きな漏えい量があるので、統合ダクトの製作に関して漏えい防止のシールを施すなどの対
策が必要となる。
差圧
[Pa]
測定流量
[㎥/h]
測定漏れ量
[ℓ/min・m]
制限漏れ量
[ℓ/min・m]
100 8.75 40.06 11.45
300 20.0 91.58 26.09
500 28.0 128.21 38.28
差圧[Pa]
測定流量
[㎥/h]
測定漏れ量
[ℓ/min・m]
制限漏れ量
[ℓ/min・m]
100 7.85 43.61 11.45
302 19.8 110.00 26.22
500 29.0 161.11 38.28
4章 採光・空調統合ダクトシステムの開発と性能検証
- 146 -
4.5 考察
採光・空調統合ダクトとして、空調ダクトの製作方法で光ダクト機能を持たせることによ
り、以下のことが判った。
・流入口の流出部にガイドベーンを取付け、光が流入口側に漏れないようにするガイドベ
ーンを取付けることにより空調空気の流入抵抗は小さくなり、流入部メインダクト後方
の風上側からの誘因が小さい。このことにより、流入口での発生騒音はほとんどない。
・流出部の主ダクト側に割入れベーンを取付け、光の上流側/空調空気の下流側を塞ぎ、光
が流出口側に漏れないようにした。この割入れベーンの主ダクト側へのはみ出し幅は光
の伝播低下を抑えるため極力小さくしたので、空調空気の流出抵抗は、ないときに比べ
多少大きくなってはいるが、30Pa 程度であり送風機の吐出圧力が 1,000Pa とすると、
上昇量は許容できる範囲と考える。流出口での発生騒音はほとんどなかった。
・採光口に近いダクト内表面温度は、上部で約 38℃、底部で約 37℃と採光口から離れた
ダクト内表面温度(約 33℃)より 5℃程度高く、放光口表面温度(約 30℃)は、流入空
気温度(約 30℃)、ダクト表面温度(底部約 31℃)と同程度であった。また、流出部の
空気温度(約 32℃)は、流入口(約 30℃)より 2℃程度高く、日射熱のダクト内空気へ
の吸熱が見られた。
4.6 まとめ
採光・空調統合ダクトシステムを空調ダクトとして利用した場合,以下により,光ダクト
としての機能を維持しながら,空調ダクトとして用いることが可能である。
・光ダクトの機能を維持し自然光の減衰を少なくするため,ダクト内にダクト面への凹凸
の少ないガイドベーンや割入れベーンを取入れた流入部・流出部の加工を行った形状と
しても,空調ダクトとしての空気流の適正化が図れる。
・自然光をダクト内に導入した場合,採光口からの日射熱侵入はあるが,採光口表面の熱
伝達,ダクト材への熱伝導によるものであり,採光口での日射熱取得の空気流への熱影
響については,採光口周りの物理量を用いた検討によりその熱量は推定できるものと考
える。採光・空調統合ダクト開発においては,採光口近辺で,ダクト本体と採光口を分
割し熱絶縁を行い,日射を透過する材料などでダクトを密封することにより空調ダクト
への日射熱負荷の影響を抑えることが可能である。
5章 結論
- 147 -
5章 結 論
1章では、ZEB化への課題と問題点を整理し、既存建築物のエネルギー利用状況調査によ
る、建物構造や外皮(壁、窓)等の建築のエネルギー負荷、建築設備(空調、換気、照明、
電気等)のエネルギー性能分析を行い、省エネルギー化と、再生エネルギー利用、自然エネ
ルギー利用の性能把握が、喫緊の課題であることを示した。また、再生エネルギー利用、自
然エネルギー利用において、2章の調査結果から下水熱利用、自然光利用に絞り、評価を行
うことを示した。
2章では、既存建築物のエネルギー利用状況調査を行い、建物のエネルギー負荷特性の把
握を行い、自然エネルギーを含めた再生エネルギー、未利用エネルギーの特性を把握し、事
務所ビルの負荷特性および再生エネルギーの利用実態を明らかにした。および、エネルギー
特性を示し、下水熱利用、自然光利用の必要性、有効性を示唆した。
3章では、大規模な再開発地域を対象とし、下水処理場の下水処理水の熱利用を再開発地
域全体で行うことを前提とした評価を行った。
一次エネルギー消費量、CO2排出量およびコストについて、年間運転シミュレーションを
行った。また、同条件、同空調システムにおいて下水熱を利用した場合と利用していない場
合の年間運転シミュレーションも行い、それらの比較・検討を行った。基準システムおよび
蓄熱システムに対し、下水熱利用システムを評価したが、一次エネルギー換算消費量におい
ては、基準システムより 35.7%の削減、蓄熱システムより 25.4%の削減となり、CO2排出
量においては、基準システムより 42.7%の削減、蓄熱システムより 33.5%の削減、経済性
においては、基準システムに対し 8.3年で回収、蓄熱システムに対し 17.0年で回収するこ
とが試算された。
このことから下水熱による再生エネルギー利用について以下のことが言える。
① 省エネルギー効果および温暖化ガス排出抑制効果について十分に有効である。
② 冷房にかかわる下水熱利用は、外気への排熱(冷却塔利用)との併用ができるシステ
ム構築とする必要がある。
③ 下水熱を暖房に優先利用できるシステム構築がエネルギー利用上有利である。
以上により、下水熱利用システムは、一次エネルギー換算消費量の大幅な削減が可能であ
る。しかし、温度ポテンシャルを利用可能温度とするためのヒートポンプのエネルギー源と
なる電力は必要であり、大規模なシステムにおいて、それを太陽光発電などの自然エネルギ
ーに求めることは規模的に難しい。だが、一次エネルギー換算削減比率を評価した結果、負
荷に対して自然エネルギー供給のバランスを取り易い中小規模においては、ZEB 化を援助
するための再生エネルギー源として有効であることの知見を得た。
4章では、自然光(昼光)を、既存の技術としての光ダクトとして利用し、そのダクトを
空調ダクトと兼用する、採光・空調統合ダクトシステムとしての実用化の可能性の研究を行
った。
5章 結論
- 148 -
採光・空調統合ダクトシステムとした場合、光ダクト、空調ダクトの各々で求められる技
術要素に加え、以下のことを考慮した評価を行った。
① 光の伝搬効率を考慮した空調空気の流入部・流出部での形状の検討。
② 自然光のダクト内流入による熱特性の把握。
採光・空調統合ダクトシステムを空調ダクトとして利用した場合、以下の研究結果より、
光ダクトとしての機能を維持しながら、空調ダクトとして用いることが可能であることが
判った。
㋐ 光ダクトの機能を維持し自然光の減衰を少なくするため、ダクト内にダクト面への凹
凸の少ないガイドベーンや割入れベーンを取入れた流入部・流出部の加工を行った形
状としても、空調ダクトとしての空気流の適正化が図れる。
㋑ 自然光をダクト内に導入した場合、採光口からの日射熱侵入はあるが、採光口表面の
熱伝達、ダクト材への熱伝導によるものであり、採光口での日射熱取得の空気流への
熱影響については、採光口廻りの物理量を用いた検討により、その熱量を推定するこ
とができる。
以上の検討結果により、採光・空調統合ダクト開発において、ダクトへの日射熱負荷の影
響について、採光口近辺での熱遮断を考慮することにより抑えられることが判った。これは、
ダクト本体と採光口の連結部の熱絶縁を行った分割を行い、日射を透過する材料などでダ
クト本体と採光口を密封することで可能となる。
本研究では、これまで活発に利用されていなかった再生エネルギー、自然エネルギーを対
象に、実用化する際に必要となる評価法について論じた。また、再生エネルギーの一つであ
る下水熱利用の可能性、および、自然エネルギー利用として採光・空調統合ダクトシステム
の開発と性能検証を行った。得られた結果を以下にまとめる。
① ZEB化への課題と問題点を整理し、大規模建築物の ZEB化には、複数の建物をネッ
トワーク化しエネルギーの有効利用を図る面的利用、河川水、下水熱などの都市の未
利用エネルギーの活用、グリーン電力によるヒートポンプ熱源の活用などが必要とな
ること、システム導入および運用を含めたコスト試算が重要であることを確認した。
② 既存建築物における再生・自然エネルギー利用状況調査結果から、事務所ビルの負荷
特性および再生エネルギーの利用実態を明らかにした。また、ZEB化を推進するため
に、地域性・建物用途を考慮し、建物運用、建築設備システム運用を含めた計画、シ
ミュレーション評価が必要であることを示した。また、再生エネルギー利用の特性を
考察し、下水熱利用、自然光利用の必要性、有効性を示唆した。
③ 大規模な再開発地域における下水熱利用の可能性を評価した結果、建物の温熱負荷の
大きな寒冷地で有効であること、中小規模の建物で ZEB 化の促進が可能であること
5章 結論
- 149 -
を示唆した。
④ 採光・空調統合ダクトシステムを新規開発し、実験・数値解析により性能検証を行っ
た結果、光ダクトとしての機能を維持しながら、空調ダクトとして用いることが可能
であることを示した。また、ダクト内部の高温化を抑制する手法として、ダクト本体
と採光口との連結部の熱絶縁が有効であることを示した。
⑤ これらの技術を実用化するためには、システムの装置面積が大きくならないよう、高
効率機器を採用することが課題であることを示した。また、長期にわたる維持管理を
容易とするため、ZEBシステムの複雑化を避ける工夫の重要性を示唆した。
今後は本論文で構築した手法を活用し、より効率の高い ZEB システムの開発を行う予定
である。
i
本論文の審査参考文献
1. 須藤俊彦,加治屋亮一:未利用エネルギーの有効利用に関する研究-空調熱源として
の下水熱利用可能性評価-,空気調和・衛生工学会論文集 No.192 P23-29,2013
年 3 月,(公社)空気調和・衛生工学会
2. Toshihiko Sudo,Ryoichi Kajiya,Koji Sakai:ENERGY EVALUATION BY
SIMULATION FOR EFFECTIVE USE OF SEWAGE HEAT,Building Simulation
Conference 2013 (BS2013),2003 年 8 月,International Building Performance
Simulation Association (IBPSA)
3. 須藤俊彦,加治屋亮一:採光・空調統合ダクトシステムの性能検証に関する研究-空
調ダクト性能シミュレーション-,空気調和・衛生工学会論文集 No.237 P23-30,
2016 年 12 月,(公社)空気調和・衛生工学会
4. Toshihiko Sudo,Ryoichi Kajiya,Koji Sakai,Performance verification of The
Integrated Optical Air Duct System (Air-conditioning duct performance) ,
INTERNATIONAL CONFERENCE ON INDOOR AIR QUALITY AND CLIMATE
2014 (Indoor Air 2014) HP0410,2014 年 7 月,International Society for Indoor
Air Quality and Climate(ISIAQ)
本論文に関係する既発表論文
1) 須藤俊彦,岡垣晃,久保隆太郎,加治屋亮一,助川竜広:下水熱利用による未利用エ
ネルギーの有効利用の検討(その1)建物熱負荷に対する下水熱利用システムの検討,
2011 年度日本建築学会大会学術講演会梗概集 P925-926,2011 年 8 月,(一社)日
本建築学会
2) 助川竜広,岡垣晃,加治屋亮一,須藤俊彦,久保隆太郎:下水熱利用による未利用エ
ネルギーの有効利用の検討(その2)下水熱利用の有効性の検討,2011 年度日本建築
学会大会学術講演会梗概集 P927-928,2011 年 8 月,(一社)日本建築学会
3) 須藤俊彦,岡垣晃,久保隆太郎,加治屋亮一,助川竜広:下水熱利用による未利用エ
ネルギーの有効利用の検討建物熱負荷に対する下水熱利用システムの検討,平成 23
年度空気調和・衛生工学会大会講演論文集 P2317-2320,2011 年 9 月,(公社)空気
調和・衛生工学会
4) 戸部祐幹,加治屋亮一,須藤俊彦:LCEM ツールを用いた空調システムの統合的評価
手法に関する研究―既存建築における熱源システム更新の評価―,平成 25 年度空気
調和・衛生工学会大会講演論文集,2013 年 9 月,(公社)空気調和・衛生工学会
5) 須藤俊彦,加治屋亮一,大草智之:採光・空調併用ダクトシステム開発のための性能
検証に関する研究(空調ダクト性能検証について),2014 年度日本建築学会大会学術
講演会梗概集,2014 年 9 月,(一社)日本建築学会
ii
6) 大草智之,加治屋亮一,須藤俊彦:採光・空調併用ダクトシステム開発のための性能
検証に関する研究―空調ダクト性能検証について―,平成 26 年度空気調和・衛生工
学会大会講演論文集,2014 年 9 月,(公社)空気調和・衛生工学会
7) 大草智之,加治屋亮一,須藤俊彦:採光・空調併用ダクトシステムの熱的性能に関す
る研究(空調ダクト性能検証について),2015 年度日本建築学会大会学術講演会梗概
集,2015 年 9 月,(一社)日本建築学会
8) 大草智之,加治屋亮一,須藤俊彦:採光・空調併用ダクトの性能検証に関する研究―
日射熱負荷検証について―,平成 27 年度空気調和・衛生工学会大会講演論文集,2015
年 9 月,(公社)空気調和・衛生工学会
9) Toshihiko Sudo,Ryoichi Kajiya,Koji Sakai,Tomoyuki Okusa:PERFORMANCE
VERIFICATION OF THE INTEGRATED OPTICAL AIR DUCT SYSTEM (AIR-
CONDITIONING DUCT PERFORMANCE),Building Simulation Conference 2015
(BS2015) p2517,2015 年 12 月,International Building Performance Simulation
Association (IBPSA)
参 考 文 献
10) 省エネルギー対策委員会:業務用ビルにおける省エネルギーの推進について(ZEB
と SBC),経済産業省資源エネルギー庁,2010 年 10 月
11) ZEBの実現と展開に関する研究会:ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)
の実現と展開について~2030 年でのZEB達成に向けて~,経済産業省,2011 年
11 月
12) 国土交通省大臣官庁営繕部 設備・環境課監修:EXCEL による空調シミュレーショ
ン~LCEM ツール Ver.3 利用解説,(一社)公共建築協会,2008 年 12 月
13) 国土交通省/官庁営繕/環境対策/ライフサイクルエネルギーマネジメント(LCE
M)ホームページ:http://www.mlit.go.jp/gobuild/sesaku_lcem_lcem.html
14) (一財)建築環境・省エネルギー機構/The BEST Program ホームページ:
http://www.ibec.or.jp/best/index.html
15) 東京都環境局 地球温暖化対策計画書制度 ホームページ:
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/climate/large_scale/current_program/
16) 省エネルギーセンターパンフレット:オフィスビルの省エネルギー,2009 年 3
月,(財)省エネルギーセンター
17) Wikipedia ホームページ/再生可能エネルギー:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%8D%E7%94%9F%E5%8F%AF%E8%83%B
D%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC#cite_note-3
18) 資源エネルギー庁 ホームページ/なっとく!再生可能エネルギー/再生可能エネ
ルギーの種類と特徴:
iii
http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/renewable/outline/
index.html#outline
19) 資源エネルギー庁 電力・ガス事業部政策課熱供給産業室監修:熱供給事業便覧
平成 22 年版,2010 年 12 月,(一社)日本熱供給事業協会
20) 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO):光ダクトシステム概要,(株)日
建設計,2005 年 12 月
21) 東洋鋼鈑パンフレット:どこでも光窓,東洋鋼鈑(株)
22) 海宝幸一:光ダクトシステムによる自然光導入事例,照明学会誌 86 巻 6 月号,
2002 年 6 月
23) 海宝幸一,他:光ダクトシステムによるオフィスの快適性に関する実測調査(その
1),日本建築学会学術講演梗概集,pp573-574,2007 年 8 月
24) 海宝幸一,他:事務所ビルにおける光ダクト導入事例,電気設備学会全国大会講演
論文集,P133-134, 2003 年 8 月
25) 後藤美咲,尾島俊雄,他:芝浦水再生センターにおける未利用エネルギーに関する調
査研究 その1・2,2005 年度日本建築学会大会学術講演会梗概集,P555-558,2005
年 9 月,(一社)日本建築学会
26) 下田吉之:下水道とまちづくり 市街地における下水熱の有効利用方策について,新
都市 第 62 号 P53-57,2008 年 7 月,(公財)都市計画協会
27) 眞田誠司:後楽一丁目地区 DHC 下水熱利用ヒートポンプシステム,ヒートポンプと
その応用 No.36 P37-40,1995 年 3 月,ヒートポンプ研究会