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知能検査から何がわかるか?WISC,K-ABCを中心に
知能検査から何がわかるか?知能検査から何がわかるか?WISC,KWISC,K--ABCABCを中心にを中心に
新潟大学教育人間科学部
長澤正樹
知能検査の種類と目的知能検査の種類と目的知能検査の種類と目的
WISC:認知能力。情報の入力と出力K-ABC:情報処理能力ビネー式知能検査:精神年齢
SM式社会生活能力検査:適応行動適応行動尺度(ABS):適応行動発達検査:知能検査+適応行動
重度発達障害
知能指数知能指数知能指数
知能の分布:正規分布。普遍性
偏差IQ:同じ年齢群の中での位置精神年齢:精神発達を表す
検査間の関係:相関係数(資料)WISCとK-ABCWISCとビネー
WISC-Ⅲで算出される能力WISCWISC--ⅢⅢで算出される能力で算出される能力
言語性IQ(VIQ):結晶性知能経験の積み重ね、学習の成果
動作性IQ(PIQ):流動性知能新しい場面への適応能力
言語理解:言語理解能力
知覚統合:視知覚、体制化
注意記憶:転導性からの解放
処理速度:情報処理速度
K-ABCで算出される能力KK--ABCABCで算出される能力で算出される能力
認知過程処理尺度:流動性知能
習得度:結晶性知能、学力?
継次処理尺度
同時処理尺度
WISCとK-ABC との係数
情報処理過程
視覚
聴覚
知覚作業記憶
同時処理
継次処理
イメージ
音
言語化
長期記憶
イメージ
音
概念化
概念
言語
文字・文
ことば・音楽
絵・運動
声
入力 出力
検査(WISC)の実施(体験)検査(検査(WISCWISC)の実施(体験))の実施(体験)
手続き(2)手続き手続き(2)(2)
実施時間:約1時間
テストの開始と打ち切り
2ないし5問連続不正解の場合
手続き(1)手続き手続き(1)(1)
用具、位置関係
テスト内容(検査用紙参照)
実施方法:諸注意
ラポート
年齢による開始問題の違い
ストップウオッチによる計測
正確な記録
強化子の非提示
解釈・分析解釈・分析解釈・分析
整理方法整理方法整理方法
各下位検査ごとに粗点を計算する
粗点を換算表を使って評価点に換算する
評価点合計を算出する
IQの算出FIQ、VIQ、PIQ、各群指数プロフィールの作成
下位検査プロフィール(平均±1)
Strength、Weakness
気になる用語気になる用語気になる用語
相関係数:2つの変量の関連の程度
有意差:偶然ではないことの証明
信頼区間:有意水準の確率
パーセンタイル順位:集団の中での順位
平均と標準偏差
標準偏差(SD)
Z得点:10(X-M)/SD+50
WISC-Ⅲの分析手続きWISCWISC--ⅢⅢの分析手続きの分析手続き
1. FIQの解釈2. VIQとPIQの解釈、有意差3. 4つの群指数の解釈、有意差4. 下位検査のプロフィール分析
1. 「LD・・・第1章」:下位検査で明らかになる能力
学習方法への示唆
FIQの解釈FIQFIQの解釈の解釈
認知能力のレベル知的障害か、そうでないか(LD?)精神年齢を推測する?
FIQの信頼性VIQ、PIQ、群指数に有意な差があるとき、FIQの信頼性が揺らぐ
VIQとPIQの解釈VIQVIQととPIQPIQの解釈の解釈
ディスクレパンシー(有意差)
有意差の意味:「能力に差があるのは偶然ではない」
平均からの乖離100(平均)からどれだけ離れているか?標準的な子どもに比べて
4つの群指数の解釈44つの群指数の解釈つの群指数の解釈
ディスクレパンシー
有意差の意味
平均からの乖離
矛盾している結果の解釈
同じ指数を構成する下位検査の結果が異なる場合
下位検査のプロフィール分析下位検査のプロフィール分析下位検査のプロフィール分析
個人内平均からの乖離
Strengthとweakness
K-ABCの分析手続きKK--ABCABCの分析手続きの分析手続き
1. 認知処理過程尺度の解釈
2. 認知処理過程尺度と習得度との差異
3. 継次処理と同時処理の有意差、解釈
4. 4つの指数の有意差、解釈5. 下位検査のプロフィール分析
認知処理過程尺度と習得度認知処理過程尺度と習得度認知処理過程尺度と習得度
一致している:本来持っている能力相応の姿
一致していない
本来持っている能力を出し切っていない
能力以上にがんばっている
継次処理と同時処理継次処理と同時処理継次処理と同時処理
有意差がある、平均からの乖離
情報処理の仕方に特徴がある
どちらかの情報処理が苦手
どちらかの情報処理が得意
学習方法への示唆
下位検査のプロフィール分析下位検査のプロフィール分析下位検査のプロフィール分析
個人内平均からの乖離
Strengthとweakness
WISCとK-ABC両方の分析WISCWISCととKK--ABCABC両方の分析両方の分析
一致しているかどうか?FIQと認知尺度、認知尺度とPIQなど一致していない:その理由を考える
相関係数、信頼性、・・・
予測される障害LD:能力間のばらつきADHD:FDの弱さ、同時処理の強さPDD:POの強さ、PSの弱さ
知能指数
知的障害
学習障害アスペルガー障害
自閉症
70
認知の偏り知能指数と認知の偏り
他の検査、行動観察、学力との比較他の検査、行動観察、学力との比較他の検査、行動観察、学力との比較
SMとの比較
知的障害かどうか
親の教育的姿勢
行動特性の裏付け
努力不足でできないのか、障害特性か
学力とのディスクレパンシーとの関係
WISC-Ⅲを指導に生かすWISCWISC--ⅢⅢを指導に生かすを指導に生かす
教育措置を考える
カリキュラムの編成
Strengthを生かし、weaknessを補う工夫言語理解がよい:ことばによる説明
知覚統合がよい:絵カードの提示
注意記憶が弱い:集中できる工夫
処理速度が弱い:繰り返し、ゆっくり
K-ABCを指導に生かす:継次処理的指導方略KK--ABCABCを指導に生かす:継次処理的指導方略を指導に生かす:継次処理的指導方略
1. 段階的な教え方
2. 部分から全体へ
3. 順序性の重視
4. 聴覚的・言語的手がかりの使用
5. 時間的・分析的要因を重視
K-ABCを指導に生かす:同時処理的指導方略KK--ABCABCを指導に生かす:同時処理的指導方略を指導に生かす:同時処理的指導方略
1. 全体をふまえた教え方
2. 全体から部分へ
3. 関連性を重視
4. 視覚的・運動的手がかりの使用
5. 空間的・統合的要因を重視
注意(重要)!注意注意((重要重要))!!
知能理論、統計の知識
検査は万能ではない
検査の限界
LD,ADHDの子どもは検査が苦手マニュアルをよく読むこと!
参考となる文献参考となる文献参考となる文献
「LD・ADHD<ひとりでできる力>を育てる-その指導・支援・個別教育計画作成の実際」:長澤正樹編・著、川島書店
「WISC-Rによる知能診断」:Kaufman、日本文化科学社「長所活用型指導で子どもが変わる」:熊谷恵子、図書文化
「事例による知能検査利用法」:田中教育研究所、田研出版
「心理テスト法入門」:松原達也、日本文化科学社